JP2522292Y2 - 遮光性テープ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は感光材料に対して感光作用を有する光線を遮
光し得る製版用の遮光性テープに存する。

（従来技術） 従来、感光材料を取扱う分野、例えば写真製版による
印刷関係の分野では、写真を合成したり、焼付の際にネ
ガ又はポジ画像等を一版分にまとめたりするのに、例え
ば実公昭62-11945号公報記載のように、透明な合成樹脂
フイルムの一面に黄色層が積層され、他面に粘着剤層が
積層されてなる遮光性粘着シートもしくはテープがあ
る。

（考案が解決しようとする課題） この種の遮光性シートもしくはテープは製版に際して
感光性材料面に貼合せ、感光させる画像部分を切り抜
き、剥離されるのであるが、上記従来の構成では感光性
材料と遮光性シートとの間に気泡が残り易く、遮光性シ
ートの粘着剤表面が平滑であるため、一旦封じられた気
泡は容易に排出することができず、この為貼合せには高
精度なラミネータを必要とする欠点がある。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記従来技術の欠点を解決すべくなされたも
のであって、その要旨は、透明な基材の一面に感光性物
質に対して活性を有する光線を遮光し得る着色層が形成
され、基材の他面には透明な粘着剤層が設けられ、該粘
着剤層表面に微小な凹凸が全面に形成され、且つ、粘着
力が10〜250g/25mmとなされたことを特徴とする遮光性
テープに存する。

（実施例） 次に本考案を図面を参照して説明する。第１図は本考
案の遮光性テープの一例を示す断面図である。図中１は
透明な合成樹脂フイルムからなる基材であり、２は該合
成樹脂フイルム１面に形成された着色層で、染顔料を含
む高分子材料からなり感光性物質に対して活性を有する
光線を遮断しその他の可視光線に対して透明である。

合成樹脂フイルムは透明性がすぐれ、伸縮の少ないも
のであればよく、たとえばポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレンテレフタレート等のフイルムが使用され、その
厚みは作業性の点から８〜150μであるのが好ましい。

着色層は染顔料を含む高分子材料からなり感光性物質
に対して活性を有する光線を遮断しその他の可視光線に
対して透明である。該着色層は基材表面に形成される。

着色層に使用される高分子材料は染顔料が含まれない
ものであって、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタク
リレート−メチルアクリレート共重合体、ニトロセルロ
ース、アセチルセルロース、ポリウレタン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアミド、
アクリロニトリルゴム等があり、又これらのうち二種以
上を組み合わせて用いることもできる。

着色層に使用される染顔料は金属錯塩染顔料、分散染
顔料があり、高分子材料の種類に応じて使い分けるのが
よく、又その色も赤、黄、アンバー等特に限定されるも
のではない。

着色層には感光性物質に対して活性を有する光線を遮
断するため、必要に応じて紫外線吸収剤を添加してもよ
い。特に黄色染料は250〜390nm付近の光線吸収能が低い
ので、このような場合には紫外線吸収剤を添加すれば25
0〜390nm付近の光線が吸収され、感光性物質が感光する
500nm以下の大部分の光線を遮光することができる。

着色層はその他の可視光線に対して透明であるからネ
ガやポジ画像等を被覆しても該遮光性テープを通して画
像がよく見えるので作業し易い。

着色層の厚みは10〜40μ位が適当である。

基材面に着色層を形成するには、前述の高分子材料と
染顔料と、必要ならば紫外線吸収剤を改えてトルエン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
ン等の溶剤に混合分散し、基材面に塗布し乾燥する方法
等が採用される。

基材１の他面に設けられる粘着剤層３としてはアクリ
ル系粘着剤が好適であり、該粘着剤層３は厚みが少なす
ぎると粘着力が不足し、逆に多すぎるとしみ出し等が生
じるので、その厚みは３〜20μの範囲が適当であり、よ
り好ましくは６〜15μである。該粘着剤層表面には全面
に微小な凹凸４が形成される。該凹凸４は感光生版材に
遮光テープを粘着する際に粘着剤層面と版材との間の気
泡を抜け易くし、粘着力を弱めて剥離し易く作業性をよ
くする作用をなす。該凹凸４は凸部41と凹部42とからな
り、凸部の高さ（即ち凹部の深さ）は粘着剤層の厚みに
従って0.5〜５μの範囲が好ましく、凸部の形状は頂部
が錐形のもの、丸い形のもの、短い連続状のものや台形
のものであってもよく、又、これらが混在したものでも
よい。

凸部の頂部は直径が約0.5〜15μの範囲が好ましい。
凹部42は各凸部を囲んで夫々が連続していると粘着の際
に気泡が抜け易いので好ましい。凹凸の形成が深すぎた
り、大きすぎると光の乱反射やレンズ効果を生じ被着体
の画像が見難くなったりするので、凹凸の深さや大きさ
は上記の如くなされる。凹凸の密度は500〜1,000個／cm
²であることが気泡の抜け易さ、適度の粘着力の面から
適している。又、凹凸の形成方法は例えば凹凸模様を彫
刻したエンボスロールを通過させる等公知の方法で行う
ことができる。

このように凹凸が形成された粘着剤層面の粘着力は対
ステンレス板の粘着力が10〜250g/25mmとされる。粘着
力が10g/25mm以下では粘着後に自然剥離を生じ、250g/2
5mm以上では気泡の抜けが悪くなり、しわが発生し易
く、剥離し難く作業性が悪くなる。

又、上記粘着剤層は無色透明であってもよく、粘着層
と共に下絵の画像を透明できる程度の着色透明であって
もよい。

本考案の遮光性シートを感光性材料面に載置し、中央
付近から端部方向へ手でしごくことにより遮光性シート
と感光性材料との間の空気は粘着剤層面の凹凸の間を通
って容易に排出され、遮光性シートは感光性材料面に軽
い粘着力で粘着され、再剥離も容易である。

（考案の効果） 本考案の遮光性テープは上述の構成となされているの
で、製版材料に粘合せる際に版材と遮光性テープとの間
の空気を手作業で容易に抜き出すことができ、高精度の
ラミネータを必要としない。

又、自然剥離を起こさないが容易に剥離することがで
き、再貼着することもできるので作業性が極めてよい。

更に、エンボスロールを通過させること等により粘着
剤層面に凹凸を容易に形成することができるので簡単な
設備で容易に且つ安価に製造でき、実用的価値が大きい
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案遮光性テープの一実施例を示す断面図で
ある。 1:基材、2:着色層、3:粘着剤層、4:凹凸、41:凸部、42:
凹部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透明な基材の一面に感光性物質に対して活
   性を有する光線を遮光し得る着色層が形成され、基材の
   他面には透明な粘着剤層が設けられ、該粘着剤層表面に
   微小な凹凸が全面に形成され、且つ、粘着力が10〜250g
   /25mmとなされたことを特徴とする遮光性テープ。