JP2521930B2 - 車両用ブレ−キ装置 - Google Patents

車両用ブレ−キ装置

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JP2521930B2 JP61277177A JP27717786A JP2521930B2 JP 2521930 B2 JP2521930 B2 JP 2521930B2 JP 61277177 A JP61277177 A JP 61277177A JP 27717786 A JP27717786 A JP 27717786A JP 2521930 B2 JP2521930 B2 JP 2521930B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は車両用ブレーキ装置に関するものであり、特
に、車両のゆれ戻り少なく停止させることができる車両
用ブレーキ装置に関するものである。
従来の技術 走行している車両を停止させるとき、車両が停止する
までブレーキペダルを操作し続けると停止時に所謂ゆれ
戻りが生じ、乗員に不快感を与えることを避け得ない。
これは車両走行速度(以下、車速と言う)が零になって
車両が停止するとき、減速度が一定値から急に零になる
るからであり、運転者は停止時にできる限りゆれ戻りが
生じないように気を付けてブレーキ操作を行うことが必
要である。
このような車両停止時におけるゆれ戻りを緩和するた
めに、実開昭56−129341号公報に記載された装置におい
ては、ブレーキペダルの踏込み時には、そのペダルの踏
力をマスタシリンダのピストンに伝達するロッドがペダ
ルと共に前進させられてマスタシリンダを作動させる一
方、車速が零になる直前に、ペダルが踏込み位置にある
ままでロッドの後退が許容されて、制動が自動的に解除
されるようにすることが行われている。ロッドはソレノ
イドを含むリンク機構によってブレーキペダルに連結さ
れており、通常はペダルと共に移動するのであるが、車
速が零になる直前にスピードメータのゼロスピード端子
から出力される信号に基づいてソレノイドに励磁電流が
供給され、リンク機構がロッドのペダルに対する相対移
動を許容する状態となってペダルが踏込み位置にあるま
までロッドが後退し、ブレーキが解除されるようになっ
ているのである。このように車速が零になる直前にブレ
ーキを解除すれば、運転者が意識的にブレーキペダルの
踏込みを緩めるのに近い状態となってゆれ戻りを低減す
ることができる。
発明が解決しようとする問題点 しかし、リンク機構がロッドの後退を許容する状態と
なるということはブレーキペダルの踏込み方向への移動
をも許容する状態となるということであり、車両の停止
時にブレーキペダルが一定量急激に踏込み方向に移動す
ることとなって運転者の姿勢が崩れるという問題があ
る。
また、ゆれ戻りを完全に防止するためにはマスタシリ
ンダのブレーキ液圧が滑らかに減圧されることが望まし
いのであるが、上記装置においてはマスタシリンダの液
圧が急激に低下させられるため、ゆれ戻り防止効果の完
全を期し難いという問題もある。
さらに、ソレノイドはブレーキペダルからロッドに伝
達される力と同程度の大きさの力を発生し得るものであ
ることが必要であるため、大形となることを避け得ず、
コストおよび重量の増大を避け得ないという問題もあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明に係る車両用ブレーキ装置は、上記の問題を解
決するために、第1図に示されるように、(a)ブレー
キペダルの踏込みに応じて車両の車輪の回転を抑制する
流体圧ブレーキ系と、(b)車両の車速検出する車速検
出手段と、(c)ブレーキペダルの踏込みに応じて流体
圧ブレーキ系の作用により生じた車両の減速度を取得す
る減速度取得手段と、(d)その減速度取得手段により
取得された減速度と予め定められた時定数とに基づいて
基準車速を決定する基準車速決定手段と、(e)車速検
出手段によって検出された車速が前記基準車速まで低下
した後、ブレーキペダルの踏込み力が一定に保たれてい
るにかかわらず、流体圧ブレーキ系の流体圧を前記時定
数に基づいて指数関数的に低下させることにより、車速
が零になると同時に減速度も零となるようにする減圧制
御手段とを含むように構成される。
流体圧ブレーキ系を流体圧を指数関数的に低下させる
ためには、例えばブレーキペダルとマスタシリンダとの
間に配設されるブレーキブースタの倍力率を指数関数的
に低下させればよく、また、アンチスキッド装置のアク
チュエータやコントローラを利用してブレーキ操作力と
は無関係にホイールシリンダのブレーキ液圧を指数関数
的に低下させることも可能である。
作用 以上のように構成された車両用ブレーキ装置において
は、基準車速決定手段が、車両の減速度と予め定められ
た時定数とに基づいて基準車速を決定し、減圧制御手段
が、車速が基準車速まで低下した後、流体圧ブレーキ系
の流体圧を上記時定数に基づいて指数関数的に低下させ
ることにより、車速が零になると同時に減速度も零とな
るようにする。
車両のゆれ戻りを完全に無くすためには、停車の直前
に減速度を滑らかに低下させるとともに、車速が零にな
ると同時に減速度も零となるようにすることが必要であ
る。そして、減速度を指数関数的に低下させれば減速度
を滑らかに低下させることができ、その低下曲線の形状
は指数関数の時定数によって決まる。また、車両の減速
度はほぼブレーキ系の流体圧に比例するため、流体圧を
指数関数的に低下させれば、車両の減速度を指数関数的
に低下させることができ、流体圧の低下曲線と減速度の
低下曲線とを規定する時定数はほぼ同じである。
また、ゆれ戻り防止制御においては、上記時定数を予
め定めておくことが望ましい。時定数が予め定められて
いるということは、減速度の低下曲線の形状が予め定め
られているということであり、運転者がゆれ戻り制御に
よる減速度の変化に慣れ易いことが理由の一つであり、
流体圧低下曲線の時定数が予め定められていれば流体圧
の制御が容易であることがもう一つの理由である。
一方、車両制動時の少なくとも末期(ゆれ戻り制御が
開始される時点近傍)には、ブレーキ系の流体圧がほぼ
一定に保たれ、車速がほぼ直線的に低下させられると考
えて差し支えないことが多いが、車速の低下勾配(減速
度)はブレーキペダルの踏込み力に応じて種々に変わ
る。そして、車速の低下勾配がいかに変わろうとも、予
め定められた時定数に基づいて減速度(ひいては車速)
を滑らかに低下させ、かつ、車速が零になると同時に減
速度も零となるようにするためには、種々の低下勾配の
直線とゆれ戻り防止制御中の車速変化を示す車速低下曲
線とが滑らかに連続するようにすることが必要である。
そのためには、各低下勾配(減速度)で低下中の車速
が、それらの各低下勾配の直線とゆれ戻り防止制御中の
車速低下曲線との接点に当たる車速に達したときに、ゆ
れ戻り防止のための流体圧低下制御が開始されるように
すればよい。この各低下勾配の直線とゆれ戻り防止制御
中の車速低下曲線との接点に当たる各車速が本発明にお
ける基準車速なのである。
発明の効果 本発明に係る車両用ブレーキ装置においては、上記の
ように流体圧ブレーキ系の流体圧が低下させられるので
あるが、急激に低下させられるわけではなく、指数関数
的に滑らかに低下させられるため、車速および減速度が
共に滑らかに低下し、しかも、車速が零になると同時に
減速度も零になるように制御されるため、ゆれ戻りが完
全に防止される。
また、流体圧ブレーキ系の流体圧が低下させられる
際、ブレーキペダルが前記公報に記載された装置におけ
るように踏込み方向に一定量急激に移動することはな
い。ブレーキブースタの倍力率が低減させられる場合に
は、ブレーキペダルの踏込み力が一定に保たれていれば
ブレーキペダルが一定量押し戻されることにはなるが、
これによって運転者の姿勢が崩れることはない。また、
アンチスキッド装置を利用して流体圧が低下させられる
場合には、アンチスキッド装置の種類によってはブレー
キペダルに多少の影響が現れることもあるが、運転者の
姿勢が崩れるほどの影響はなく、また、ブレーキペダル
に何の影響も現れないアンチスキッド装置も既に開発さ
れている。
さらに、前記装置におけるように大形のソレノイドを
必要としないため、車両の重量およびコストの上昇を低
く抑えながら上記効果を得ることができる。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図は本発明の一実施例である車両用ブレーキ装置
を示す図である。図において10はブレーキ操作部材たる
ブレーキペダルであり、このペダル10はブースタ12を介
してマスタシリンダ14を作動させる。マスタシリンダ14
は互に独立した二つの加圧室を備えており、ブレーキペ
ダル10の踏込み操作に基づいてそれぞれの加圧室に同じ
高さの液圧を発生させる。一方の加圧室に発生した液圧
は、左右の前輪16および18にそれぞれ設けられたブレー
キのフロントホイールシリンダ20および22に供給され
る。もう一方の加圧室で発生した液圧は、左右の後輪24
および26にそれぞれ設けられたブレーキのリヤホイール
シリンダ28および30に供給されるようになっており、本
ブレーキ装置は前後二系統式となっている。
上記ブースタ12は第3図に示されるように気密なケー
シング34を備えており、ケーシング34の内部はダイヤフ
ラム式のパワーピストン36によって二分されている。二
分された一方の室は逆止弁付管継手38を経てエンジンの
インテークマニホールド,バキュームポンプ等の真空源
40に接続された定圧室42とされ、他方の室は定圧室42ま
たは大気に選択的に連通させられて内圧が変動させられ
る変圧室44とされている。パワーピストン36は、定圧室
42内に配設されたリターンスプリング46により第3図に
おいて右方へ付勢されており、常にはケーシング34の内
側面に当接した原位置に保持されているが、定圧室42と
変圧室44の圧力差が設定値以上に達したときにはスプリ
ング46の付勢力に抗して左方へ移動(前進)する。
上記パワーピストン36は、その外周縁をケーシング34
により保持されたダイヤフラムゴム50と、そのダイヤフ
ラムゴム50を支持するダイヤフラムプレート52と、ダイ
ヤフラムプレート52に一体的に取り付けられたパワーピ
ストン本体54とを備えている。パワーピストン本体54に
は、定圧室42と変圧室44とを連通させる連通路60および
変圧室44と大気とを連通させる連通路62が形成されると
ともに、変圧室44の定圧室42と大気との連通を制御する
制御弁64および中継機構70が設けられている。
制御弁64は、パワーピストン本体54に形成された第一
弁座72と、パワーピストン本体54に摺動可能に嵌合され
たバルブプランジャ74に形成された第二弁座76と、両弁
座72,76に対して共通に配設された弾性材製のバルブエ
レメント78とを備えている。バルブエレメント78は圧縮
ばね80によって両弁座72,76に向かって付勢されてい
る。また、バルブプランジャ74はブレーキペダル10に連
結された入力ロッド82に連結されるとともに、ストッパ
キー84によって前進端および後退端を規制されている。
ストッパキー84は、基端部がパワーピストン本体54に設
けられた半径方向の切欠孔に嵌合されるとともに、ダイ
ヤフラムゴム50の内周部に設けられた円環状のストッパ
プレート86によって抜け出しを阻止され、その先端部が
バルブプランジャ74に形成された環状溝に係合させられ
ているのである。
一方、前記中継機構70は、前記バルブプランジャ74
と、パワーピストン本体54に嵌合された中継部材90と、
両者間に介在させられた軟質ゴム製のリアクションデイ
スク92とを備えている。リアクショディスク92は、バル
ブプランジャ74とパワーピストン本体54との微小な相対
移動を許容しつつ、両者から加えられる力の合力を中継
部材90に伝達する作用を為すものである。中継部材90は
出力ロッド94と一体的に嵌合されており、ブレーキペダ
ル10に加えられた踏込み力はブースタ12により倍力され
て出力ロッド94から出力され、マスタシリンダ14を作動
させる。
また、上記入力ロッド82には、第4図に示されるよう
にリミットスイッチ96が取り付けられている。このリミ
ットスイッチ96は、バルブエレメント78が第一弁座およ
び第二弁座76の両方に着座する状態ではレバー98が未だ
バルブエレメント78から離れてONとなっているが、この
状態から更にブレーキペダル10が踏み込まれ、入力ロッ
ド82が前進させられたとき、レバー98がバルブエレメン
ト78に係合してOFFとなるものである。
さらに、上記ブースタ12には、第3図に示されるよう
に、定圧室42と変圧室44の連通、遮断を制御する開閉弁
100が設けられている。開閉弁100のハウジング102内の
空間は仕切板104によって二つに区切られており、一方
の室106は管路108によって定圧板42に連通させられ、他
方の室110は管路112,合成樹脂製のブロック114に形成さ
れた通路116によって変圧室44に連通させられている。
仕切板104の中央には両室106,110を連通させる小径の貫
通孔118が形成されており、室110内に配設された金属製
の弁子120が貫通孔118の室110側の開口に着座,離間さ
せられることにより、室106,110が連通,遮断される。
弁子120は、上記ブロック114により軸方向に摺動可能な
保持されて、スプリング122により貫通孔118の開口に着
座する向きに付勢されており、そのまわりにはソレノイ
ド124が配設されている。ソレノイド124は常に消磁され
ており、弁子120が室106と110との連通を遮断するよう
にされている。また、ソレノイド124が励磁されたとき
には、弁子120がソレノイド124により吸引された貫通孔
118から離間させられ、室106と110、延いては定圧室42
と変圧室44とが連通させられる。
本実施例においては、管路108,112および通路116によ
って定圧室42と変圧室44とを連通させる連通路が構成さ
れ、開閉弁100の貫通孔118を備えた仕切板104によって
絞りが構成されているのである。
以上のように構成されたブレーキ装置は、第2図に示
されるコントローラ130によって制御される。コントロ
ーラ130は、第5図に示されるように、CPU(中央処理装
置)132,ROM(リードオンリメモリ)134,RAM(ランダム
アクセスメモリ)136を備えたコンピュータを主体とす
るものである。このコントローラ130には、前輪16,18の
回転を検出する回転センサ138,140,ブレーキペダル10が
踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチ144およ
び前記リミットスイッチ96が接続されている。コントロ
ーラ130には、回転センサ138,140から送られて来る信号
を処理して車速を算出する演算部が設けられている。CP
U132にはタイマ145が設けられ、RAM136には第一および
第二の車速メモリ146,147と第一および第二の減速度メ
モリ148,149が設けられている。また、ROM134には第6
図のフローチャートで示されるプログラムが記憶されて
おり、CPU132はそのプログラムに従って処理を行い、ホ
イールシリンダ液圧を制御する。
以下、上記のように構成されたブレーキ装置の作動を
説明する。
ブレーキペダル10が踏み込まれていない状態において
は、第1図に示されるように、第二弁座76がバルブエレ
メント78に接触し、第一弁座72から離れた状態にあり、
変圧室44は定圧室42に連通させられ、両室42,44は等し
い負圧に保たれて圧力差はない状態にある。そのため、
パワーピストン本体54はリターンスプリング46の弾性力
によって入力ロッド82側に付勢され、ストッパプレート
86がケーシ34の内側面に当接させられている。
この状態からブレーキペダル10が踏み込まれ、入力ロ
ッド82が前進させられると、第一弁座72がバルブエレメ
ント78に接触した後、第二弁座76がバルブエレメント78
から離れ、変圧室44は定圧室42から切り離されて大気と
連通させられる。その結果、大気が流入する変圧室44と
定圧室42との間に圧力差が生じ、これに基づく力によっ
てパワーピストン36が前進させられる。パワーピストン
36の移動はリアクションデイスク92を介して出力ロッド
94に伝達され、推力が加えられる。これによってマスタ
シリンダ14内の制動液がホイールシリンダ20,22,28,30
に供給され、車輪の回転が抑制される。この際、入力ロ
ッド82は出力ロッド94に加えられるブレーキ反力の一部
(その大きさはリアクションデイスク92に対するバルブ
プランジャ74とパワーピストン本体54との接触面の面積
比率で決まる)を担うことになり、入力ロッド82に加え
られた踏込み力が倍力されて出力ロッド94に伝達される
こととなる。
上記のようにして車輪の回転が抑制されるとき、コン
トローラ130は第6図に示されるフローチャートに従っ
て各ホイールシリンダ20,22,28,30のブレーキ液圧を制
御する。ステップS1(以下、単にS1と記載する。他のス
テップについても同じ)においてはブレーキペダル10が
踏み込まれたか否かの判定が行われる。ブレーキペダル
スイッチ144が発する信号によってブレーキペダル10が
踏み込まれたか否かが判定されるのである。ブレーキペ
ダル10が踏み込まれていない間はS1が繰り返し行われ、
踏み込まれた場合にはS2が実行されてタイマ145予め定
められた一定短時間、例えば10msの計時動作を終了した
か否かが判定される。当初はタイマ145が計時動作を終
了した状態にあるため、この判定結果はYESとなり、S3
においてタイマ145が計時動作を開始させられる。
続いてS4において車速vが取り込まれ、第一車速メモ
リ146に記憶される。そして、S5においてこの車速取込
みが第1回目であるか否かの判定が行われるが、当初は
この判定の結果がYESとなり、再びS2ないしS4が実行さ
れる。第1回目の車速取込みから一定短時間に第2回目
の車速取込みが行われるのである。この際、第一車速メ
モリ146に記憶されていた第1回目の車速は第二記憶メ
モリ147に移され、新しく取り込まれた車速が第一車速
メモリ146に記憶される。この第2回目の車速取込みに
続いて実行されるS5の判定の結果はNOとなるためS6が実
行され、第一および第二の車速メモリ146,147に記憶さ
れている車速の差が前記一定短時間(10ms)で割られる
ことにより減速度αが算出されて、第一減速度メモリ14
8記憶される。その後、S7ににおいて減速度αの算出が
第1回目であるか否かの判定が行われるが、当初はこの
判定の結果がYESとなり、再びS2ないしS6が実行され
る。第一および第二の車速メモリ146,147に記憶されて
いる第2回目と第3回目とに取り込まれた車速に基づい
て第2回目の減速度αの算出が行われるのであり、第一
減速度メモリ148に記憶されていた第1回目の減速度α
が第二減速度メモリ149に移され、新しく算出された減
速度αが第一減速度メモリ148に記憶される。
第2回目の減速度算出後に行われるS7の判定の結果は
NOとなるため、S8において第一減速度メモリ148に記憶
されている最新の減速度αが予め設定された基準減速度
0.5g以下であるか否かの判定が行われる。判定の結果が
NOである場合には、車両が急ブレーキを掛けられた状態
にあることを意味し、S17が実行されて前記開閉弁100は
閉じられた状態に保たれ、マスタシリンダ14はブースタ
12により倍力された力によって作動させられる。この
後、S18においてブレーキペダル10の踏込みが解除され
たか否かの判定が繰り返し行われ、踏込みが解除された
ときプログラムの実行はS1に戻る。急ブレーキ時にはS9
〜S16がバイパスされてゆれ戻り防止制御は行われない
のである。
一方、S8において減速度αが0.5g以下であると判定さ
れた場合には、S9において減速度αの変化(第一および
第二の減速度メモリ148,149に記憶されているαとα
との差)が一定値以下、例えば0.01g以下となっ
たか否かの判定が行われる。そして、この判定の結果が
NOとなった場合には、減速度αが未だ安定しておらず、
ゆれ戻り防止制御に入るには時期が早いことを意味し、
プログラムの実行はS2に戻る。また、判定の結果がYES
となった場合には減速度αが安定したことを意味し、S1
0が実行される。
S10においては減速度αが0でないか否かの判定が行
われるのであるが、判定結果がNOとなった場合、すなわ
ち減速度αが0である場合には、停車中にブレーキペダ
ル10が踏み込まれたか、あるいは車両が減速状態から定
速走行状態に転じたことを意味し、S11以下のプログラ
ムは実行されず、S1に戻る。これによって、停車中にも
かかわらずS11以下のプログラムが実行されて開閉弁100
が開かれることが防止されるのであり、また、一旦踏み
込まれたブレーキペダル10が途中で解除された場合にプ
ログラムの実行が中止されることとなるのである。
S10の判定結果がYESとなった場合には、依然としてブ
レーキペダル10が踏み込まれ、車両が停止状態にあるこ
とを意味し、S11が実行される。S11においては、S4にお
いて取り込まれた最新の車速vがS6において算出された
最新の減速度αに予め定められた時定数Tを掛けること
により求められる基準車速以下であるか否かの判定が行
われる。時定数Tの値は、車速vを第7図に示すように
滑らかに0まで低下させ、かつ、その間における車両の
走行距離が比較的短くて済むように、例えば0.3≦T≦
3の範囲から選定される。減速度αをαから零まで指
数関数的に低減させる場合には、減速度αは次式(1) α=α1e−t/T ……(1) で表され、この減速度αが零になると同時に車速vも零
になるようにするためには、減速度αの低減を次式
(2)で表される車速v1から開始することが必要であ
り、この車速v1が基準車速なのである。
同様に減速度α2である場合には車速がそれぞれ
第7図における基準車速v2,v3まで低下した後、第7図
の実線に沿って低下させれば減速度αと車速vとが同時
に零となり、ゆれ戻りを防止し得ることとなる。上記S1
1における判定は車速がα12等の減速度で第7
図の細線で示されているように直線的に低下している場
合にそれぞれ基準車速v1,v2,v3等まで低下したか否かの
判定であり、判定の結果がNOである場合にはプログラム
はS2に戻り、一定短時間毎にS2ないしS11が繰り返し実
行されることとなる。
そして、車速vが基準車速v1,v2,v3等以下になった場
合にはS12が実行され、開閉弁100が開かれる。すなわ
ち、ソレノイド124が励磁され、弁子120が吸引されて貫
通孔118の開口から離間させられ、ブースタ12の定圧室4
2と変圧室44とが連通させられるのであり、それによっ
てブースタ12の倍力率が滑らかに低下させられる。貫通
孔118の面積Sが次式(3)を満足するように決定され
ており、変圧室44の圧力が指数関数的に低下させられ
て、ブースタ12の倍力率が滑らかに低下させられるので
あり、それによってホイールシリンダ20,22,28,30の液
圧が指数関数的に低下させられる。
ただし、 V0:変圧室44の容積 C:流量係数 この際、運転者はブレーキペダルの操作力を一定に保
っているのが普通であるため、ブースタ12の倍力率が低
下するに従ってマスタシリンダ14側からの反力によりブ
レーキペダル10が緩やかに押し戻される。それによって
運転者はホイールシリンダ液圧が低下させられ、ゆれ戻
り防止制御が行われていることを確認することができ
る。
なお、運転者がブレーキペダル10に最後まで一定の踏
力を加え続ければ、ブレーキブースタ12が倍力機能を果
たさなくてもマスタシリンダ液圧は0までは低下せず、
僅かなゆれ戻りが生ずることにはなるが、その程度は極
く僅かであり、実用上問題はない。
S12において開閉弁100が開かれた後、S13においてブ
レーキペダル10の踏込み量が増加したか、すなわち車両
が現在の制動力より更に大きい制動力を要する状態とな
ったか否かの判定が行われる。ブレーキペダル10の踏込
み量が増加した場合、入力ロッド82とバルブエレメント
78とに相対移動が生じ、その移動がリミットスイッチ96
によって検出されるのであり、踏増しがあった場合には
S17が実行される。ソレノイド124が消磁されて開閉弁10
0が閉じられ、ブースタ12により倍力された作動力に応
じたブレーキ液圧が得られる状態に戻されるのである。
また、S13においてブレーキペダル10の踏増しがない
と判定された場合には、S14においてブレーキペダル10
の踏込みが解除されたか否かの判定が行われる。この判
定結果がYESであるということは開閉弁100が開かれた後
にブレーキペダル10の踏込みが解除されたということで
あり、S17が実行されて開閉弁100が閉じられる。一方、
S14の判定結果がNOの場合にはブレーキペダル10が依然
として踏み込まれ、車両が制動状態にあるのであり、S1
5において車速vが取り込まれた後、S16においてその取
り込まれた車速vが零であるか否かの判定が行われ、判
定結果がNOの場合にはS13に戻る。車速vが零になるま
ではS13〜S16が繰り返し行われ、車両が完全に停止する
までの間に大きな制動力を要する事態が生ずるか、ある
いは制動が解除されて定速または加速走行状態となった
ときには開閉弁100が元の閉状態に戻されるようにされ
ているのである。そして、車速vが零になったときS17
が実行され、開閉弁100が閉じられた後、S18が繰り返し
実行されてブレーキペダル10の操作が解除された後、プ
ログラムの実行はS1に戻る。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ROM134の第6図に示されたフローチャートのうちS2
〜S7を記憶する領域,CPU132,第一および第二の車速メモ
リ146,147によって減速度検出手段が構成されており、R
OM134の上記フローチャートのうちS8〜S18を記憶する領
域,CPU132,第一および第二の減速度メモリ148,149によ
って開閉弁制御手段が構成されているのである。
このように本実施例のブレーキ装置においては、減速
度αが予め定められた基準減速度(0.5g)より小さく、
かつ、安定するとともに、車速vが減速度αに基づいて
設定される基準車速以下となったときにブースタ12の倍
力率が減少させられ、ホイールシリンダ液圧が指数関数
的に低下させられることにより減速度が指数関数的に減
少させられるのであり、車速vが零になって車両が停止
させられるときの減速度αの変化は零または極く僅かと
なり、車両はゆれ戻りなく静かに停止させられることと
なる。
また、ゆれ戻り制御が開始される車速は、毎回の車両
停止時における減速度に基づいて決定されるため、車両
が如何なる減速度で停止させられる場合でも理想的なパ
ターンでホイールシリンダ液圧が低下させられることと
なり、ゆれ戻りが常に良好に防止される。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ブレーキペダル10,ブースタ12,マスタシリンダ14,
ホイールシリンダ20,22,28,30等により流体圧ブレーキ
系が構成され、回転センサ138,140とコントローラ130の
車速を演算する部分とにより車速検出手段が構成され、
コントローラ130のS6を実行さら部分によりの減速度取
得手段が構成されている。また、コントローラ130のS11
において基準車速を演算する部分により基準車速決定手
段が構成され、開閉弁100とコントローラ130のS11の判
定を行う部分およびS12を実行する部分とにより減圧制
御手段が構成されている。
本発明の別の実施例を第8図および第9図に示す。本
実施例は、制動時に車輪がスキッド状態に陥ることを防
止するアンチスキッド装置を利用してブレーキ液圧を指
数関数的に低下させるようにしたものである。
第8図において170はブレーキペダルであり、ブレー
キペダル170に加えられた踏込み力はブースタ172により
倍力されてマスタシリンダ174を作動させる。マスタシ
リンダ174は互に独立した二つの加圧室を備えてブレー
キペダル170の踏込み操作に基づいてそれぞれの加圧室
に同じ高さの液圧を発生させる。一方の加圧室に発生し
た液圧は左右の前輪176および178にそれぞれ設けられた
ブレーキのフロントホイールシリンダ180および182に供
給される。もう一方の加圧室に発生した液圧は左右の後
輪184および186にそれぞれ設けられたブレーキのリヤホ
イールシリンダ188および190に供給されるようになって
いる。
マスタシリンダ174とフロントホイールシリンダ180お
よび182とを接続する主液通路の途中には電磁制御弁19
2,194が設けられており、それによって主液通路はマス
タシリンダ側通路196およびホイールシリンダ側通路19
8,199に分かれている。マスタシリンダ側通路196とホイ
ールシリンダ側通路198,199との間にはそれぞれ戻り通
路200,202が接続されており、この戻り通路200,202には
それぞれ、ホイールシリンダ側通路198,199からマスタ
シリンダ側通路196へのブレーキ液の流れは許容する
が、逆向きの流れは阻止する逆止弁204,206が設けられ
ている。
前記電磁制御弁192,194にはリザーバ通208を経てリザ
ーバ210が接続されており、電磁制御弁192,194が図中一
番右側の状態に切り換えられることによりフロントホイ
ールシリンダ180および182から排出されたブレーキ液が
リザーバ210に蓄えられるようになっている。そして、
このリザーバ210に蓄えられたブレーキ液は逆止弁212,2
14を備えたポンプ216により汲み上げられ、ホンプ通路2
18を経てマスタシリンダ側通196に供給されるようにな
っている。
以上、フロント系統について説明したが、リヤ系統も
フロント系統と同様に、電磁制御弁224,マスタシリンダ
側通路226,ホイール側通228,戻り通路232,逆止弁234,リ
ザーバ236,逆止弁238,240およびポンプ242を備えてい
る。ただし、リヤ側においては電磁制御弁224は1個の
み設けられており、ホイールシリンダ側通路228が二股
に分けられて、ブレーキ液は電磁制御弁224を経た後に
二分され、それぞれリヤホイールシリンダ188,190に供
給されるようになっている。
なお、フロント系統およびリヤ系統にそれぞれ設けら
れたポンプ216,242により汲み上げられたブレーキ液
は、電磁制御弁192,194,224が図中一番左側の状態に切
り換えられたときフロントホイールシリンダ180,182,リ
ヤホイールシリンダ188,190に供給される。本実施例に
おいてはポンプ216,242がマスタシリンダ174とは別個の
動力液圧源を構成しているのである。
また、左右の前輪176,178の回転速度がそれぞれセン
サ246,248によって検出され、後輪184,186の回転速度が
センサ250により検出され、その検出信号がコントロー
ラ252に供給されるようになっている。コントローラ252
はこれら各センサからの検出信号に基づいて各車輪のス
リップ率を算出し、その結果に基づいて電磁制御弁192,
194,224を制御するようになっている。コントローラ252
は電磁制御便192,194,224,リザーバ210,236,ポンプ216,
242等と共にアンチスキッド装置を構成しているのであ
る。なお、コントローラ252には更に、ブレーキペダル1
70の踏込みを検出するブレーキスイッチ254が接続され
ている。また、ブースタ172は、開閉弁100が設けられて
いない点を除いて前記ブースタ12と同じ構造のものであ
り、詳細な説明は省略する。
以下、このアンチスキッド装置の作動を前輪176の系
統について代表的に説明する。通常は電磁制御弁192が
図に示されるように、フロントホイールシリンダ180の
液圧を上昇を許容する昇圧許容状態となっており、マス
タシリンダ174とフロントホイールシリンダ180とは連通
状態にある。したがって、ブレーキペダル170が踏み込
まれれば、マスタシリンダ174から排出されたブレーキ
液がフロントホイールシリンダ180に供給され、その結
果、ブレーキが作動して前輪176が制動されることとな
る。
ブレーキペダル170の踏込み力が路面の摩擦係数との
関係において低い場合には、前輪176のスリップ率は低
く、そのためコントローラ252は作動しない。しかし、
ブレーキペダル170の踏込み力が路面の摩擦係数との関
係において大きい場合には、前輪176のスリップ率が適
正範囲を超えて増大するためコントローラ252はセンサ2
46からの検出信号に基づいてその事実を察知し、電磁制
御弁192のソレノイドに電流を供給して電磁制御弁192を
図において中央に示されている遮断状態あるいは右側に
示されている降圧許容状態(ホイールシリンダの液圧が
下降することを許容する状態)に切り換えるとともに、
ポンプ216の駆動モータを起動させる。
電磁制御弁192が遮断状態に切り換えられた場合に
は、フロントホイールシリンダ180がマスタシリンダ174
からもリザーバ210からも遮断された状態となってその
液圧が一定に保たれ、前輪176に対する制動力が一定に
保たれる。また、ポンプ216は起動されてもリザーバ210
にはブレーキ液が蓄えられていないため、ブレーキ液は
圧送されない。
一方、電磁制御弁192が降圧許容状態に切り換えられ
た場合にはフロントホイールシリンダ180がリザーバ210
に連通させられ、フロントホイールシリンダ180からブ
レーキ液が排出されてリザーバ210に蓄えられる。リザ
ーバ210に蓄えられたブレーキ液はポンプ216によって汲
み上げられ、マスタシリンダ側通196に戻される。
上記のようにしてフロントホイールシリンダ180の液
圧が低下させられた結果、前輪176のスリップ率が予め
定められた一定値まで低下すれば、その事実をコントロ
ーラ252が察知して電磁制御弁192を遮断状態あるいは昇
圧許容状態に切り換える。遮断状態に切り換えられれば
フロントホイールシリンダ180の液圧は一定に保たれる
が、昇圧許容状態に切り換えられた場合にはマスタシリ
ンダ174からブレーキ液が供給されてフロントホイール
シリンダ180の液圧が上昇させられる。
上記のような制御が比較的短い時間で繰り返され、そ
れによってフロントホイールシリンダ180の液圧が適正
に制御され、前輪176のスリップ率が適正範囲に保たれ
る。
本アンチスキッド装置による車両のスキッド防止は、
ブレーキペダル10の踏込み力が比較的大きい場合に行わ
れるのであり、ブレーキペダル10が軽く踏み込まれて、
車両が緩やかに停止させられる場合にはアンチストキッ
ド装置は作動しない。したがって、本実施例においては
このアンチスキッド装置にゆれ戻り防止制御をも行わせ
るようにされている。
上記コントローラ252は前記コントローラ130と同様に
CPU,ROM,RAを備えらコンピュータを主体とするものであ
り、RAMには前記RAM136と同様に第一および第二の車速
メモリ,減速度メモリが設けられる一方、ROMには第9
図のフローチャートで示されるプログラムおよびホイー
ルシリンダ液圧を指数関数的に減少させる減速パターン
が各減速度に応じて複数種類記憶されており、CPUは上
記プログラムに従って処理を行う。
このフローチャートにおいてS101ないしS111までは前
記実施例の場合と同様であり、詳細な説明は省略する。
S111の判定結果がYESとなった場合、S112において車速
vおよび目標車速が取り込まれる。この目標車速はS109
においてほぼ一定と判定された減速度αに基づいて選択
された減速パターンから得られるものであり、S111の判
定結果がYESとなったときから計測される時間に基づい
て、車速vが取り込まれたときに対応する車速が目標車
速として取り込まれるのである。続くS113においてその
取り込まれた車速vが目標車速と比較して大きいか否か
の判定が行われる。そして、S113の判定結果がYESとな
った場合には、実際の車速vが目標車速より大きいので
あるためS114において増圧指示が出され、電磁制御弁19
2,194,224のソレノイドへの電流の供給から断たれて昇
圧許容状態に切り換えられ、制動力が増大させられる。
また、S113の判定結果がNOの場合にはS115において実
際の車速vが目標車速より小さいか否かの判定が行わ
れ、小さい場合には制動力が大き過ぎるのであるから、
S116において減圧指示が出される。電磁制御弁192,194,
224が降圧許容状態に切り換えられるのである。さら
に、S115の判定結果がNOであった場合には、車速vが基
準速度と同じであることを意味し、S117において保持指
示が出され、電磁制御弁は遮断状態とされてホイールシ
リンダ液圧は一定に保たれる。
S114,116,117のいずれが実行されても続いてS118が実
行され、ブレーキペダル170が踏み増されたか否かの判
定が行われる。踏み増しがあった場合には大きな制動力
が必要とされているのであるからS122が実行され、電磁
制御弁192,194,224が昇圧許容状態とされる。また、踏
み増されていない場合にはS119においてブレーキペダル
170が解除されたか否かの判定が行われる。ここでブレ
ーキペダル170の操作が解除されていればS122が実行さ
れ、電磁制御弁192,194,224が昇圧許容状態に切り換え
られるのであり、また、依然としてブレーキペダル170
が踏み込まれていればS120において車速vが取り込まれ
た後、S121においてその車速vが0であるか否かの判定
が行われる。0でない場合にはプログラムの実行はS112
に戻り、以下、S121までが繰り返し行われる。実際の車
速vと予め定められた減速パターンから得られる目標車
速とが比較され、ホイールシリング液圧が適宜に上昇,
保持,低下させられて全体として上記減速パターンに従
って指数関数的に低下するようにされるのである。
そして、S121の判定結果がYESになればS122が実行さ
れ、増圧指示により電磁制御弁192,194,224のソレノイ
ドが消磁されて昇圧許容状態とされる。その後、S123に
おいてブレーキペダル170の操作が解除されたことが確
認された後、プログラムの実行はS101へ戻る。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ブレーキペダル170,ブースタ172,マスタシリンダ17
4,ホイールシリンダ180,182,188,190等により流体圧ブ
レーキ系が構成され、センサ246,248,250とコントロー
ラ252の車速を演算する部分とにより車速検出手段が構
成され、コントローラ252のS106を実行する部分により
の減速度取得手段が構成されている。また、コントロー
ラ252のS111において基準車速を演算する部分により基
準車速決定手段が構成され、電磁制御弁192,194,224と
コントローラ252のS111の判定を行う部分およびS112な
いしS117を実行する部分とにより減圧制御手段が構成さ
れている。
なお、本実施例においては、リザーバ210,236から汲
み上げられたブレーキ液がマスタシリンダ174に戻され
るタイプのアンチスキッド装置によってホイールシリン
ダ液圧を指数関数的に減少させるようになっていたが、
アンチスキッド装置の作動中はマスタシリンダがホイー
ルシリンダから切り離された状態となるアンチスキッド
装置等、他のタイプのアンチスキッド装置等によってホ
イールシリンダ液圧を指数関数的に制御するようにする
こともできる。
さらに、車両発進時における車輪のスリップを防止す
るトラクションコントロール,ブレーキ摩擦材の摩擦係
数の変動にかかわらず常にブレーキペダルの踏込み力に
対応した制動効果が得られるようにする制動効果制御
等、他の制御を行うために設けられている動力液圧源や
電磁制御弁を利用してゆれ戻り防止制御を行うことも可
能であり、ゆれ戻り防止専用の動力液圧源や電磁制御弁
を設けることも可能である。要するに、流体圧ブレーキ
系が、ブレーキペダルの踏込みに応じて液圧を発生させ
るマスタシリンダと、そのマスタシリンダの液圧で作動
するブレーキシリンダとを含み、かつ、減圧制御手段
が、マスタシリンダとは別個の動力液圧源と、リザーバ
と、ブレーキシリンダを上記動力液圧源とリザーバとに
選択的に連通させる電磁制御弁と、電磁制御弁を制御す
ることによりブレーキシリンダの液圧を指数関数的に低
下させる電磁制御弁制御手段とを含むものであればよい
のである。
その他、いちいち例示することはしないが、当業者の
知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明
を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る車両用ブレーキ装置の構成を示す
概念図である。第2図は本発明の一実施例である車両用
ブレーキ装置の系統図である。第3図は上記ブレーキ装
置のブースタを示す正面断面図である。第4図は上記ブ
ースタにおける制御弁周辺を示す正面断面図である。第
5図は上記ブレーキ装置のコントローラの主体を成すコ
ンピュータを示すブロック図であり、第6図は上記コン
トローラのROMに記憶されたプログラムのフローチャー
トである。第7図は上記ブレーキ装置における車速制御
の状態を示すグラフである。第8図は本発明の別の実施
例である車両用ブレーキ装置の系統図であり、第9図は
そのブレーキ装置のコントローラのROMに記憶されたプ
ログラムのフローチャートである。 10:ブレーキペダル、12:ブースタ 14:マスタシリンダ 20,22:フロントホイールシリンダ 28,30:リヤホイールシリンダ 100:開閉弁、118:貫通孔 120:弁子、124:ソレノイド 130:コントローラ、170:ブレーキペダル 174:マスタシリンダ 180,182:フロントホイールシリンダ 188,190:リヤホイールシリンダ 192,194,224:電磁制御弁 246,248,250:センサ 252:コントローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキペダルの踏込みに応じて車両の車
    輪の回転を抑制する流体圧ブレーキ系と、 前記車両の車速を検出する車速検出手段と、 前記ブレーキペダルの踏込みに応じて流体圧ブレーキ系
    の作用により生じた前記車両の減速度を取得する減速度
    取得手段と、 その減速度取得手段により取得された減速度と予め定め
    られた時定数とに基づいて基準車速を決定する基準車速
    決定手段と、 前記車速検出手段によって検出された車速が前記基準車
    速まで低下した後、前記ブレーキペダルの踏込み力が一
    定に保たれているにかかわらず、前記流体圧ブレーキ系
    の流体圧を前記時定数に基づいて指数関数的に低下させ
    ることにより、車速が零になると同時に減速度も零にな
    るようにする減圧制御手段と を含むことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記流体圧ブレーキ系が、定圧室と変圧室
    との圧力差に基づいて作動するパワーピストンを備えて
    前記ブレーキペダルの踏込み力を倍力するブースタを含
    むものであり、かつ、前記減圧制御手段が、そのブース
    タの前記定圧室と変圧室とを絞りを経て連通させる連通
    路と、常にはその連通路を遮断している開閉弁と、その
    開閉弁を前記車速が基準車速まで低下した後は開く開閉
    弁制御手段とを含むものである特許請求の範囲第1項記
    載の車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記流体圧ブレーキ系が、前記ブレーキペ
    ダルの踏込みに応じて液圧を発生させるマスタシリンダ
    と、そのマスタシリンダの液圧で作動するブレーキシリ
    ンダとを含むものであり、かつ、前記減制御手段が、前
    記マスタシリンダとは別個の動力液圧源と、リザーバ
    と、前記ブレーキシリンダを前記動力液圧源とリザーバ
    とに選択的に連通させる電磁制御弁と、その電磁制御弁
    を制御することにより前記ブレーキシリンダの液圧を指
    数関数的に低下させる電磁制御弁制御手段とを含むもの
    である特許請求の範囲第1項記載の車両用ブレーキ装
    置。
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