JP2521671Y2 - 容器蓋体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、容器の開口部に封着される容器蓋体の改良
に関する。

〔従来の技術〕

従来、容器の開口部に封着され、容器の内容物を外部
の雰囲気から保護する蓋体としては、一般に以下の２種
のものが良く知られている。

すなわち、蓋体全体が可撓性を有するフィルムタイプ
のものや、蓋体全体が樹脂性のハードキャップタイプの
ものが容器の蓋体として汎用されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記前者のフィルムタイプのものは、
一般に容器開口部にヒートシールされるようになってお
り、一旦、フィルムを剥すと、再度、蓋体としての機能
を果たさなくなるという不都合がある。

一方、上記後者のハードキャップタイプのものは、開
封後も、蓋体としての機能を果たすものの、蓋体表面に
印刷が困難であるという問題がある。

また、蓋体にバリア性等の種々の機能を適宜、付加する
ことができない。

本考案は、上記事情に鑑みて創案されたもので、その
目的は、着脱可能な蓋体であって、しかも印刷性バリア
性等の種々の機能を、適宜、付加し得る容器蓋体を提供
することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、本考案は、容器の開口部
を封着する蓋体であって、前記蓋体は、容器の開口部と
略同形状の積層体フィルムと、該積層体フィルムの外周
部に固着されたリング状部材とを有し、前記リング状部
材は、容器の開口部と嵌合する嵌合機能を備えるととも
に対向する２箇所にヒンジ部を有するように構成した。

〔作用〕

本考案の蓋体は、蓋体の外周部としてリング状部材を
備えており、このリング状部材が容器の開口部と嵌合す
る。

また本考案の蓋体は、積層体フィルムを有しているの
で、各種の積層体の構成に見合った機能を果たし、印刷
性、バリア性等が改善される。

〔実施例〕

本考案の容器蓋体１（以下、単に蓋体１という）の実
施例を第１図（ａ），（ｂ）を参照して説明する。

第１図（ａ）および（ｂ）は、それぞれ、蓋体１の平
面図および正面図（断面図）を示したものである。

本考案の蓋体１は、容器の開口部を封着するための蓋
体であり、このものは、図示のごとく複数のフィルムを
積層した積層体フィルム20と、このフィルム20の外周面
に固着されたリング状部材10とを備えている。

積層体フィルム20は、容器の開口部と略同形状の大き
さを有しており、本実施例では３層積層体構造を例示し
ている。

より具体的に説明すると、第一層22は、後述するよう
に容器の開口部端面にヒートシールするためのポリエチ
レン（PE）、ポリプロピレン（PP）、ポリスチレン（P
S）等を含む接着剤層を形成している。

このような第一層22の上に積層される第二層24は、例
えば紙、A1、EVOH等の印刷可能な材料やバリア性を有す
る材料が用いられる。

このような第二層24の上には第三層26が設けられ、こ
の第三層26は、表面保護のための各種プラスチック材料
が用いられる。

なお、本考案に用いられる積層体フィルム20は、上記
の構成に限定されることなく、種々の積層体構造を採択
できる。これにより、多機能の性質を備える積層体フィ
ルムが提供できる。

このような積層体フィルム20の外周部にはリング状部
材10が固着される。このリング状部材10は、第１図
（ａ）に示されるように、対向する２箇所にヒンジ部2
9,29が形成され、これにより部分的なリクローズ機能を
有している。

また、このリング状部材10は、第１図（ｂ）に示され
るように、リング状部材10の上部内周面に積層体フィル
ム20が固着され、下部内周面内には、内筒状のスペース
Ｓが開いており、このスペースに後述する容器の開口部
が嵌着するようになっている。

このようなリング状部材10は、一般に、PE、PP等の各
種プラスチック材料から形成されるが、特にPPが好適に
用いられる。

上述してきた本考案の蓋体１の製造方法は、打ち抜い
た積層体フィルム20を金型内に予め収納しておき、その
後、金型キャビティ内にリング状部材10の材料となる樹
脂を射出する、いわゆるインサート成形によるこが好ま
しい。次に、本考案の蓋体の使用方法を第２図に基づい
て説明する。

第２図には、蓋体１が、容器50の開口部に封着された
状態が示される。

この図に示されるように、容器50は、開口部端面54a
の少し下方の外周面にフランジ52が設けられるとともに
突出端部54を形成している。そして、開口部端面54a
は、前記蓋体20の第一層22と当接し、突出端部54の外周
面54bは、リング状部材10の内周面と嵌着し、フランジ5
2の上面52aはリング状部材10の下面と当接している。

なお、一般に蓋体１の開封前において、前記開口部端
面54aは、蓋体１の第一層22と予め、ヒートシールされ
ている。そして、一旦、蓋体１が開封されると、蓋体１
は主にリング状部材10の内周面によって、着脱可能に容
器50の開口部と嵌合するようになっている。

〔考案の効果〕

本考案の蓋体は、上述したように積層体フィルムと、
この積層体フィルムの外周部に固着されたリング状部材
とを有し、このリング状部材は容器の開口部と嵌合する
嵌合機能を備えるとともに対向する２箇所にヒンジ部を
有している。

従って、本考案の蓋体は、着脱可能な機能を有するこ
とはもとより、印刷性、バリア性等の多機能の性質を備
え、しかも部分的な開閉が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ），（ｂ）は、それぞれ、本考案の蓋体の平
面図および縦断面図、第２図は蓋体を容器の開口部に装
着した状態を示す縦断面図、第３図は本考案の蓋体を容
器の開口部に装着した状態を示す概略斜視図である。 １…容器蓋体 10…リング状部材 20…積層体フィルム 29…ヒンジ部 50…容器

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器の開口部を封着する蓋体であって、前
   記蓋体は、容器の開口部と略同形状の積層体フィルム
   と、該積層体フィルムの外周部に固着されたリング状部
   材とを有し、前記リング状部材は、容器の開口部と嵌合
   する嵌合機能を備えるとともに対向する２箇所にヒンジ
   部を有することにより、部分的にリクローズ機能を有す
   ることを特徴とする容器蓋体。
2. 【請求項２】前記積層体フィルムは、前記容器開口部と
   当接する側に、接着剤層を有することを特徴とする請求
   項１記載の容器蓋体。