JP2521127B2 - ラジカル反応による無歪精密加工方法 - Google Patents

ラジカル反応による無歪精密加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ラジカル(遊離基)反応を利用した無歪精
密加工方法に係わり、更に詳しくは半導体製造用のシリ
コン及びゲルマニウム単結晶、又はガリウム−砒素化合
物、又はその他各種のセラミックス材料等の難加工物の
無歪切断、穿孔、研磨加工することの可能な精密加工方
法に関する。
〔従来の技術〕
従来の半導体製造用のシリコン及びゲルマニウム単結
晶、又はガリウム−砒素化合物、又はその他各種のセラ
ミックス材料等の難加工脆性材料の精密加工方法は、例
えば切断に関しては、ダイヤモンドホイールによるダイ
シング加工しかなく、その加工原理は微細クラックによ
る脆性破壊であるので、切断面を厚さ100μm程度除去
しなければ、残留するクラックにより使用に耐える表面
とはならない。しかも、クラックによる脆性破壊は、か
なり確率的な所があり残留するクラックの中には非常に
大きなものが存在する場合があり、これは得られた表面
の信頼性を大きく低下させるものである。その為、前記
被加工物の切断面を後工程によって約100μmの厚みわ
たって除去加工しなければならない。それにはラッピン
グ加工が用いられるが、これも加工原理は脆性破壊によ
る加工であるので、前記のダイシング加工と比べれば少
ないが残存変質層はかなり深く、従って更にエッチン
グ、ポリッシング等の後処理工程を必要とするものであ
った。また、被加工物表面の研磨加工の場合も、前記同
様のラッピング加工を行うが、該ラッピング加工はラッ
プ工具の平面度を被加工物に転写することで行ってお
り、この場合砥粒を用いた従来方法では前記同様の脆性
破壊によるので、表面粗さ並びに表面物性とも最終目的
に耐えるものではなかった。更に、穴加工及び溝加工等
においても従来の加工技術ではレーザーによる熱的溶融
現象を利用したものであり、加工面に熱的な変質層又は
熱応力により発生した残留クラックが存在していた。こ
のように、従来の加工技術では、加工面に残留クラック
や熱的変質層が存在するばかりでなく、加工部分をかな
り多く除去していたので、被加工物の歩留りが悪く、更
に加工工程が多くなって高価なシリコン及びゲルマニウ
ム単結晶、又はガリウム−砒素化合物を使用する半導体
素子等のコスト低減の妨げになっていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、加工物の表面に確率的要因として製品の信頼性を低
下させていた残留クラック及び熱的変質層等の残留欠陥
を全く生じさせず、しかも後工程として従来は必ず行わ
れていたラッピング加工、即ち被加工物の表面を約100
μm以上の厚みで除去する作業を必要とせず、後工程が
非常に簡単になるばかりでなく、高価な被加工物の材料
の有効利用が可能となるラジカル反応による無歪精密加
工方法を提供する点にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、前述の問題解決の為に、ラジカルの供給源
である気体雰囲気中に配した導体、半導体又は絶縁体の
被加工物に対して微小間隔をおいて加工形態に応じた所
定形状の電極を配し、該電極に高周波電圧を印加して、
前記電極と被加工物間に高周波放電を発生させて該被加
工物近傍で選択的にラジカルを生成し、該ラジカルと前
記被加工物を構成する原子又は分子とのラジカル反応に
よって生じた化合物を気化させるとともに、該被加工物
と電極を相対的に移動させて加工してなるラジカル反応
による無歪精密加工方法を構成した。
〔作用〕
以上の如き内容からなる本発明のラジカル反応による
無歪精密加工方法は、気体雰囲気中に配した被加工物の
加工部分近傍の気体のみを、被加工物が導体、半導体又
は絶縁体であるかを問わずその近傍に配した電極に高周
波電圧を印加して放電励起により選択的に活性化させて
反応性に富んだラジカルを発生させ、該ラジカルと前記
被加工物を構成する原子又は分子とのラジカル反応によ
って生じた化合物を気化させて、加工部分から除去する
とともに、被加工物と電極とを相対的に移動させること
により難加工物等からなる被加工物の切断、平滑化、穿
孔及び横切り加工を行うことのできるものである。
〔実施例〕
本発明は、不対電子を有する反応性に富んだラジカル
(遊離基)と被加工物を構成する原子又は分子とのラジ
カル反応(遊離基反応)を利用して無歪精密加工を行う
ものである。
ここで、ラジカルを発生させる方法としては、1Torr
以下(10-3〜1Torr)程度の真空度で放電により容易に
生成できるプラズマ(plasma)を利用することも考慮さ
れるが、発生するラジカルの密度が低く加工速度も遅い
ことから、本発明では1気圧以上の高圧下で高周波電界
により荷電粒子を振動させることによって高密度のプラ
ズマ状態を作り、これを加工に用いる。本発明の加工原
理は、雰囲気気体を励起して生成したラジカルと、被加
工物を構成する原子又は分子との化学的なラジカル反応
であるので、対象とする被加工物が導体、半導体又は絶
縁体であるとを問わず適用できるのである。特に、高周
波電界を利用してラジカルを生成する場合には、ラジカ
ルの生成過程においても被加工物が導体であるか絶縁体
であるかを問わないのである。以下の実施例では、残留
クラックや熱的変質層の存在がその特性に大きく影響を
及ぼす半導体の加工について主に説明するが、導体又は
絶縁体の被加工物でも同様に適用できる。
具体的には、半導体製造用のシリコン及びゲルマニウ
ム単結晶、又はガリウム−砒素化合物、又はその他各種
セラミックス材料等の難加工脆性材料の被加工物を塩素
(Cl2)又はフッ素(F2)等の雰囲気気体中に配し、被
加工物と微小間隔をおいて配したタングステン(W)又
は白金(Pt)等の塩素ガスとの反応温度の比較的高い材
料の電極との間に高周波電圧を印加して、被加工物の表
面近傍で放電を起こさせて雰囲気気体から化学的に反応
性に富んだラジカルを発生させ、例えば被加工物として
シリコンを用い、気体として塩素ガスを用いた場合、シ
リコンの加工部分表面でラジカル反応が起こりシリコン
塩化物が発生し、該シリコン塩化物を常温又は200℃以
下で気化させて除去することにより無歪精密加工を行う
のである。本発明の加工方法は、被加工物の近傍でラジ
カルを生成する手段として高周波電界を使用する限り、
被加工物が導体又は絶縁体であっても、更に半導体であ
っても、その材質に応じた反応ガスを選択することによ
って加工することができるのである。
次に添付図面に示した実施例に基づき更に本発明の詳
細を説明する。第1図は、本発明の加工方法の原理を図
解的に示したもので、図中1は被加工物、2は気体分
子、3はラジカル(遊離基)、4は被加工物1の構成原
子又は分子、5は化合物である。雰囲気気体2中に配し
た被加工物1の表面近傍で該気体分子2を高周波放電で
励起させてラジカル3を発生させ、該ラジカル3と被加
工物1の構成原子又は分子4とのラジカル反応により比
較的低温で気化し得る化合物5を生成し、該化合物5を
常温で又は図示しないヒーター等によって被加工物1を
比較的低温、例えば200℃以下の設定温度まで昇温させ
て気化させて、加工表面から除去して被加工物1に原子
又は分子単位の空所6を順次形成してマクロ的な凹所と
なし無歪切断、穿孔及び溝掘り加工等を行うのである。
同様に無歪平滑化加工においても、被加工物1の表面か
ら突出した微小部分で確率的に最もラジカル反応が起こ
り易いので、結果的にこの突出部分が選択的に除去され
て原子又は分子レベルで平滑化されるのである。
第2図は、被加工物1を放電により発生したラジカル
3を用いて無歪切断加工する装置の原理図であり、タン
グステン又は白金等のワイヤー電極7を所定間隔をおい
て設置した供給用と巻取用のリール8,8に巻回するとと
もに、複数の案内用ローラ9,…によって、該ワイヤー電
極7を被加工物1に対して微小間隔を隔てて張設し、被
加工物1が導体、絶縁体又は半導体のいずれの場合に
も、該被加工物1とワイヤー電極7との微小隙間に、図
示しないRF(高周波)電源によって印加された高周波電
圧により放電を起こさせて、雰囲気気体2(図示せず)
を活性化させ、発生したラジカル3と被加工物1の構成
原子又は分子4とのラジカル反応により、第一図中に示
したようにラジカル3の存在する領域のみで空所6を発
生させ、更にワイヤー電極7と被加工物1の距離を相対
的に変化させて切断するものである。ここで、精密加工
において前記ワイヤー電極7は、通常数μmから数十μ
mの細線が使用されるので、前記リール8を回転させて
一方に巻きつけて常時供給し、同一箇所での放電によっ
て該ワイヤー電極7が切断するのを防止している。そし
て、前記被加工物1とワイヤー電極7とをコンピュータ
ー制御等で相対的に移動させて、順次ラジカル反応領域
を変化させて被加工物1を切断するのである。
また、第3図は前記と同様に放電により発生したラジ
カル3を用いて被加工物1の表面を無歪平滑化加工する
装置の原理図であり、定盤10上に固定した平面状被加工
物1の上面に対して平衡でしかも微小間隔dをおいて平
面形状のラップ状電極11を配し、該ラップ状電極11と被
加工物1との間に、前記同様に高周波電圧を印加し、放
電を起こさせてラジカル3を発生させて該被加工物1の
構成原子又は分子4を除去するものである。ここで、前
記ラップ状電極11と被加工物1との間で、該被加工物1
の表面に存在する凸部12の部分で尖端効果により選択的
に放電が起こり、この部分でラジカル反応による構成原
子又は分子4の除去が進行して、被加工物1表面の平滑
化加工を行えるのである。尚、前記ラップ状電極11と被
加工物1との間隔dは、ギャップセンサー等によって最
適な間隔を維持し、加工効率の向上を図ることもでき、
またラップ状電極11の放電によるダメージを軽減する為
及び広い面積の面を加工する為に、該ラップ状電極11と
被加工物1を相対的に移動させることも可能である。ま
た、曲面状被加工物1に対しては、その曲面に応じた曲
面形状のラップ状電極11を用いて、該被加工物1の曲面
を平滑化加工することも可能である。
次に、前述した放電による加工原理を利用して更に各
種の加工方法の実施例を述べる。
第4図は、第2図に示したものと同様に切断加工する
方法を示し、平面状の被加工物1に平行に配したワイヤ
ー電極7をX方向に繰り送るとともに、該ワイヤー電極
7と被加工物1をZ方向に相対的に移動させて該被加工
物1を切断加工し、更にY方向に移動させて新たな箇所
の切断加工又は溝切り加工する方法を示している。尚、
その切断面は張設したワイヤー電極7の直線性により平
面出しが行われている。
第5図は、被加工物1に対して直交状態となしてその
先端を近接配した針状電極19を、Z方向に移動させて被
加工物1を穿孔加工する方法を示し、また針状電極19又
は被加工物1をX方向及びY方向に移動させて溝切り加
工する方法を示している。
第6図は、所定の断面形状を有する柱状電極20(図示
したものは三角柱形状)を被加工物1に対して直交状態
となして配し、Z方向に移動させて被加工物1に該柱状
電極20と同じ断面形状の凹所を形成する加工方法、即ち
転写加工する方法を示している。
第7図〜第9図は、回転対称形状の被加工物1を回転
させて、その外周面を加工する方法を示している。第7
図は、円柱状の被加工物1の外周近傍に平面を有するバ
イト状電極21を平行配し、前記被加工物1を回転させる
とともに、バイト状電極21を軸方向、即ちZ方向に移動
させ、更にX方向に移動させてその間隔を調節して被加
工物1の外周面を平滑化加工する方法を示し、また第8
図は、先端がポイント形状に近いバイド状電極21を用い
て被加工物1の外周面を任意の回転対称形状に前記同様
に平滑化加工する方法を示し、更に第9図は、直線的に
一定間隔の突起22,…を有する鋸歯状電極23を用い、被
加工物1の回転角速度ωと同調して該鋸歯状電極23を軸
方向に速度vで移動させて該被加工物1の外周にネジ切
り加工する方法を示している。
第10図及び第11図は、回転対称形状の中空被加工物1
を回転させて、その内周面を加工する方法を示してい
る。第10図は、中空円筒の被加工物1の内周面近傍に平
面を有するバイト状電極21を平行配し、前記被加工物1
を回転させるとともに、バイト状電極21を軸方向、即ち
Z方向に移動させ、更にX方向に移動させてその間隔を
調節して被加工物1の内周面を平滑化加工する方法を示
し、また第11図は、先端がポイント形状に近いバイト状
電極21を用いて被加工物1の内周面を任意の回転対称形
状に前記同様に平滑化加工する方法を示している。
第12図は、円板の外周に一定間隔の突起24,…を有す
る歯車状電極25と円板形状の被加工物1を互いの外周が
接近し且つ互いの軸を同一方向となして配し、該歯車状
電極25の角速度ω1で一方向に回転させるとともに、被
加工物1を角速度ω2で逆方向に回転させて、該被加工
物1の外周を歯車加工する方法を示している。ここで、
前記角速度ω1及びω2を調節することにより、被加工物
1に形成する歯車のピッチを適宜設定できる。
第13図は、第6図に示した加工方法と同様の転写加工
を示し、内周面に加工に必要な適宜形状の凹凸26を形成
したリング状電極27を用い、該リング状電極27の中空内
に配した円柱又は角柱形状の被加工物1を軸方向に移動
させることで、該被加工物1の外周面に軸方向に沿って
前記凹凸26の形状を転写し、もってリング状電極27の断
面形状を被加工物1に転写加工する方法を示している。
第14図は、先端に被加工物1の部分的な形状補正が可
能な形状及び大きさを有する補正電極28を用いて、被加
工物1の加工面上の各点で所定の取りしろだけ加工を行
いながら加工面全体の形状補正する加工法を示してい
る。尚、この加工法は、従来加工法の一つであるフライ
ス加工におけるエンドミル様な加工法に対応するもので
ある。
第15図は、先端を半球面となした棒状電極29を用い、
被加工物1を複雑な形状に加工する方法を示している。
尚、この加工法は、従来のボールミル様な加工法に対応
するものである。
このように、本発明は雰囲気気体2中で高周波放電に
よって発生したラジカル3により被加工物1を原子又は
分子レベルで除去して加工するものであり、被加工物1
の材質及び加工面積により、最適な条件設定が必要であ
る。例えば、高周波放電を利用して加工する場合、雰囲
気気体2の圧力に関しては、低圧の場合は放電範囲が広
いので大面積でゆっくりとした加工をすることが可能で
平滑化加工に適しており、また高圧の場合は放電範囲が
狭くラジカル3の発生確率が高いので局部的で加工効率
のよい加工が可能でワイヤー電極7による切断加工及び
針状電極19による穿孔加工に適している。また、被加工
物1の材質に対して最も適した雰囲気気体2を選択する
必要があり、更に発生したラジカル3と構成原子又は分
子4とのラジカル反応が起こり易い温度及び該ラジカル
反応により生じた化合物5の気化温度によっては、被加
工物1を熱変質しない程度の温度に加熱することも必要
になる。例えば、被加工物1として半導体素子の材料と
して最も多く使用されているシリコン端結晶を選べば、
雰囲気気体2として通常塩素ガスが使用され、比較的低
温でラジカル反応が起こり、昇華性のあるシリコン塩化
物が生成し、該シリコン塩化物を常温又は200℃以下の
温度で気化させることができる。
〔発明の効果〕
以上にしてなる本発明のラジカル反応による無歪精密
加工方法によれば、ラジカルの供給源である気体雰囲気
中に配した被加工物近傍で、高周波放電により選択的に
気体を活性化させ、それにより生成したラジカルと前記
被加工物を構成する原子又は分子とのラジカル反応によ
って生じた化合物を気化させてなるので、原理的に無接
触な加工を行うことができ、従って従来の微細クラック
による脆性破壊を用いた加工では回避するこができず確
率的要因として加工面の信頼性を下げていたクラック等
の残留欠陥及び熱的変質層が全くない無歪加工ができ、
加工製品の信頼性を著しく向上させることができる。ま
た、被加工物の加工部分近傍のみで発生させたラジカル
を利用して該加工部分を構成原子又は分子レベルで空間
限定的に除去する加工であるので、原理的に非常に微細
な部分の加工を比較的簡単に超精密に行うことができる
ものである。更に、被加工物に全くダメージを与えない
ことから、従来切断面を100μm以上の厚みにわたって
除去していた後加工を必要としないことから、後工程が
非常に簡単になるばかりでなく、材料の有効利用が可能
である。以上のように優れた無歪精密加工にもかかわら
ず、その加工方法は気体雰囲気中に配した被加工物の加
工部分近傍の気体のみを、被加工物が導体、半導体又は
絶縁体であるかを問わずその近傍に配した電極に高周波
電圧を印加して放電励起により選択的に活性化させて反
応性に富んだラジカルを発生させ、該ラジカルと前記被
加工物を構成する原子又は分子とのラジカル反応によっ
て生じた化合物を、自発的又は被加工物を変質させない
程度の加熱により気化させて、加工部分から除去するだ
けの簡単なものであり、被加工物と加工形態に応じた所
定形状の電極とを相対的に移動させることによって無歪
切断、平滑化、穿孔及び溝切り加工等の精密加工を行う
ことのできるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のラジカル反応による無歪精密加工方法
の原理を図解的に示した説明用断面図、第2図はワイヤ
ー電極を用いた切断加工を示した簡略断面図、第3図は
ラップ状電極を用いた平滑化加工を示した簡略断面図、
第4図は第2図と同様にワイヤー電極を用いた切断及び
溝切り加工を示した簡略斜視図、第5図は針状電極を用
いた穿孔加工を示した簡略斜視図、第6図は柱状電極を
用いてその断面形状を被加工物に転写する転写加工を示
した簡略斜視図、第7図はバイト状電極を用いた円柱状
被加工物外周面の平滑化加工を示した簡略側面図、第8
図はバイト状電極を用いて被加工物外周面を回転対称形
状に加工する平滑化加工を示した簡略側面図、第9図は
鋸歯状電極を用いた円筒状被加工物のネジ切り加工を示
す簡略側面図、第10図はバイト状電極を用いた円筒状被
加工物内周面の平滑化加工を示した簡略斜視図、第11図
はバイト状電極を用いて円筒状被加工物の内周面を任意
の回転対称形状に加工する平滑化加工を示した簡略斜視
図、第12図は歯車状電極を用いた歯車加工を示した簡略
斜視図、第13図はリング状電極を用いた第6図と同様な
転写加工を示した簡略斜視図、第14図は補正電極を用い
た形状補正加工を示した簡略斜視図、第15図は先端に半
球面を有する棒状電極を用いた任意形状加工を示した簡
略斜視図である。 1:被加工物、2:気体分子、3:ラジカル、4:構成原子又は
分子、5:化合物、6:空所、7:ワイヤー電極、8:リール、
9:ローラ、10:定盤、11:ラップ状電極、19:針状電極、2
0:柱状電極、21:バイト状電極、22:突起、23:鋸歯状電
極、24:突起、25:歯車状電極、26:凹凸、27:リング状電
極、28:補正電極、29:棒状電極。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカルの供給源である気体雰囲気中に配
    した導体、半導体又は絶縁体の被加工物に対して微小間
    隔をおいて加工形態に応じた所定形状の電極を配し、該
    電極に高周波電圧を印加して、前記電極と被加工物間に
    高周波放電を発生させて該被加工物近傍で選択的にラジ
    カルを生成し、該ラジカルと前記被加工物を構成する原
    子又は分子とのラジカル反応によって生じた化合物を気
    化させるとともに、該被加工物と電極を相対的に移動さ
    せて加工してなるラジカル反応による無歪精密加工方
    法。
  2. 【請求項2】前記電極としてワイヤー電極を用い、被加
    工物を切断加工してなる特許請求の範囲第1項記載のラ
    ジカル反応による無歪精密加工方法。
  3. 【請求項3】前記電極として平面又は曲面を有するラッ
    プ状電極を用い、被加工物を平滑化加工してなる特許請
    求の範囲第1項記載のラジカル反応による無歪精密加工
    方法。
  4. 【請求項4】前記電極として被加工物に対して直交状態
    となした針状電極を用い、被加工物を穿孔加工してなる
    特許請求の範囲第1項記載のラジカル反応による無歪精
    密加工方法。
  5. 【請求項5】前記電極として所定の断面形状を有する柱
    状又はリング状電極を用い、被加工物に前記形状を転写
    する転写加工してなる特許請求の範囲第1項記載のラジ
    カル反応による無歪精密加工方法。
  6. 【請求項6】前記電極としてバイト状電極を用い、被加
    工物を回転させるとともに、該バイト状電極を軸方向に
    移動させて被加工物を回転対称形状に平滑化加工してな
    る特許請求の範囲第1項記載のラジカル反応による無歪
    精密加工方法。
  7. 【請求項7】前記電極として直線的に一定間隔の突起を
    有する鋸歯状電極を用い、回転対称形状の被加工物を回
    転させるとともに、該被加工物と電極を軸方向に相対的
    に移動させて被加工物をネジ切り加工してなる特許請求
    の範囲第1項記載のラジカル反応による無歪精密加工方
    法。
  8. 【請求項8】前記電極として円板の外周に一定間隔の突
    起を有する歯車状電極を用い、円板形状の被加工物と該
    鋸歯状電極を互いに逆回転させて被加工物を歯車加工し
    てなる特許請求の範囲第1項記載のラジカル反応による
    無歪精密加工方法。
  9. 【請求項9】前記電極として先端を半球面となした棒状
    電極を用い、被加工物を任意形状に加工してなる特許請
    求の範囲第1項記載のラジカル反応による無歪精密加工
    方法。
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