JP2520834B2 - 無機系被膜形成方法および同被膜形成物品 - Google Patents

無機系被膜形成方法および同被膜形成物品

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JP2520834B2 JP4358030A JP35803092A JP2520834B2 JP 2520834 B2 JP2520834 B2 JP 2520834B2 JP 4358030 A JP4358030 A JP 4358030A JP 35803092 A JP35803092 A JP 35803092A JP 2520834 B2 JP2520834 B2 JP 2520834B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機系被膜形成方法と
その無機系被膜を形成した物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シラン化合物の加水分解・重縮合
反応物を主成分とする無機系コーテイング組成物、さら
に詳しくは、有機溶剤系シリカゾルの加水分解・重縮合
物とアルキルチタネートとを主成分とする無機系被膜形
成用組成物と、これを耐熱性基材に塗布して乾燥した
後、室温ないし数100℃で熱処理して無機系被膜を形
成することは公知であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したシラ
ン化合物の加水分解・重縮合反応物を主成分とする無機
系コーテイング組成物を用いて得られる被膜は、電気絶
縁性の高いものであり、非絶縁性すなわち導電性または
半導電性(半導体)のものを得ることができなかった。
本発明の目的は、耐熱性基材に、電気的に半導体レベル
の電導性を有する非絶縁性であって、かつ、耐食性、耐
薬品性、耐熱性、耐磨耗性を有する透明な無機系被膜を
形成できるようにすることにある。
【0004】本発明は、特定のシラン化合物の加水分解
・重縮合反応物と特定アルキルチタネートを主成分とす
る無機系コーテイング組成物を耐熱性基材に塗布して乾
燥した後、特定の熱処理条件で処理し得られた無機系被
膜が、従来の技術で得られたものに比べて、より高い導
電性無機系被膜であるとの知見を得たことに基づいてな
された。
【0005】本発明による無機系被膜は、ステンレス、
鉄、真鍮などの金属や、レンガ、スレート、アルミナ基
板などのセラミックスあるいはガラス、石英などのよう
な耐熱性基材に塗布、乾燥、熱処理によって形成され、
最終熱処理温度が300℃以上では、透明で緻密な被膜
を与えられ、表面保護や帯電防止機能が付与されるので
工業的に極めて有用である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の無機系被膜形成
用組成物は、有機溶剤系シリカゾルの加水分解・重縮合
物とアルキルチタネートとを主成分とする無機系被膜形
成用組成物であって、SiO/Tiの比が重量換算で
100/0.1〜100/3であることを特徴とする。
【0007】ここで、シラン化合物としては、数多くの
ものが市販されているが、本願発明に用いられるシラン
化合物は、次式(1)で示されるように、シリコンの4
つの結合がアルコキシであることが好ましい。 Si(OR) (1) ここで、RはC2n+1で示されるアルキル基で、 n=1〜4、好ましくはn=1〜2である。式(1)に
おいて、ORの一部を−CHなどのアルキル基、ある
いはγ−グリシドキシプロピルやγ−アミノプロピルな
どで置換された構造をもつ各種シラン化合物も多くの市
販品があるが、本発明に使用することができない。
【0008】このように、本発明に使用することができ
るシラン化合物が特定のものに限定される理由は、本発
明の無機系被膜形成用組成物を耐熱性基材に塗布して乾
燥した後、特定の熱処理条件で熱処理することによって
形成される無機系被膜の透明性を確保するための条件に
なるからである。
【0009】式(1)で示されるシラン化合物でRが、
例えばC17のものや、CHSi(OCH
で示されるシラン化合物を用いた場合、熱処理後の被膜
が茶色ないし褐色かかった色に着色してしまう問題があ
り好ましくない。また、特定シラン化合物の加水分解・
重縮合物に組み合わせて本発明に用いられる特定アルキ
ルチタネートとしては、アルコール可溶性であるアルコ
キシチタンが好ましい。特にテトラブチルチタネートの
単量体あるいは2量体、3量体などのオリゴマーまたは
ポリマーが好ましい。
【0010】特定シラン化合物の加水分解・重縮合物と
特定アルキルチタネートの比率は、SiO/Ti(重
量比)で示して、100/0.1〜100/5、好まし
くは100/0.2〜100/3がよい。この比率より
Tiが少ないと得られた無機系被膜は電気絶縁性が高く
なり好ましくない。またこの比率よりTiが多くなると
無機系コーテイング組成物自身の安定性が悪く、ゲル状
物となり塗布して均一な膜を形成することができない。
【0011】本発明の無機系被膜形成用組成物の熱処理
条件も本発明の効果を引き出すために重要な要素であ
る。本発明の無機系被膜形成用組成物を浸漬、ロールコ
ート、スプレー、スピンコート、刷毛塗り、印刷など任
意の方法で耐熱性基材に塗布し、室温ないし150℃以
下の温度で加熱乾燥した後、少なくとも最高温度が30
0℃以上で焼成することが必要である。この温度が低い
場合には、被膜は電気絶縁性のままである。
【0012】本発明によって電気的に非絶縁性の無機系
被膜が形成される原理は、明らかではないが、本発明の
SiとTiを含む無機系コーテイング組成物が300℃
以上の熱処理によって、SiとTiを含む炭化物が形成
されるためではないかと推定している。
【0013】本発明に用いられる基材としては、上記の
製膜条件に耐えられる耐熱性の基材である必要があり、
たとえば、ステンレス、鉄、真鍮などの金属や、レン
ガ、スレート、アルミナ基板、素焼などのセラミックス
あるいはガラス、石英などがあげられる。
【0014】
【作用】本発明によって、耐熱性基材に、電気的に非絶
縁性であって、かつ、耐食性、耐薬品性、耐熱性、耐磨
耗性の無機系無色透明被膜を形成でき、その被膜は帯電
防止性能をもった各種保護膜などとして極めて有用であ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例で説明するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 まず、ブチルチタネート(松本製薬工業製、オルガチッ
クスT−25、Tiとして17wt%を含むイソプロピ
ルアルコール溶液)4gをイソプロピルアルコール19
6gに希釈した。これをエチルシリケートの加水分解・
重縮合物として市販されているHAS−10(コルコー
ト(株)製、SiOとして10wt%を含む)800
g中に除々に添加し、室温に24時間放置し無機系コー
テイング組成物を得た。
【0016】これを石英ガラスに浸漬塗布(引上げ速度
5cm/分)した後、80℃で30分乾燥した。これを
420℃に設定したマッフル炉に入れ、1時間熱処理を
行って膜厚約0.5ミクロンの無機系被膜を形成した。
得られた塗膜は、干渉色は認められるものの無色透明被
膜で、表面をスチールウールで擦っても何らのキズが付
かず、また、沸騰水中に240時間放置しても被膜に剥
離、白濁など何らの変化も認められなかった。これの電
気絶縁性を超絶縁計で測定したところ2×10Ωであ
った。
【0017】比較例1 実施例1において、HAS−10のみをコーテイング剤
として用い、実施例1と同様な手順で得た無機系被膜
は、無色透明であるが電気絶縁性は1011Ωであっ
た。
【0018】ブチルチタネート(松本製薬工業製、オル
ガチックスT−25、Tiとして17wt%を含むイソ
プロピルアルコール溶液)5gをイソプロピルアルコー
ル195gに希釈した。これをエチルシリケートの加水
分解・重縮合物として市販されているHAS−10(コ
ルコート(株)製、SiOとして10wt%含む)3
00g中に除々に添加し、室温にて150時間養生して
無機系コーテイング組成物を得た。
【0019】これをアルミナ系セラミックス製ピンセッ
トに浸漬塗布した後、室温で15分、80℃で30分乾
燥した。、これを450℃に設定したマッフル炉に入
れ、1時間熱処理を行って膜厚約1ミクロンの無機系被
膜を形成した。得られた塗膜は、無色透明被膜で、10
Ωの電気絶縁性であり、帯電防止効果のあるピンセッ
トとして、半導体などのチップの取扱いに好適であっ
た。
【0020】
【発明の効果】本発明によって、耐熱性基材に、電気的
に非絶縁性であって、かつ、耐食性、耐薬品性、耐熱
性、耐磨耗性の無機系透明被膜を形成できる。それは、
ステンレス、鉄、真鍮などの金属や、レンガ、スレー
ト、アルミナ基板、素焼などのセラミックスあるいはガ
ラス、石英などのような耐熱性基材に塗布乾燥後、30
0℃以上の最終熱処理によって容易に形成され、それ
は、帯電防止効果のある耐火物の保護膜として極めて有
用である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 Si(OR) (1) (式中、RはC2n+1で示されるアルキル基を表
    し、nは1ないし4である)を有するシラン化合物を加
    水分解・重縮合して得られる有機溶剤系シリカゾルとア
    ルキルチタネートとを主成分とし、SiO/Tiの比
    が重量換算で100/0.1〜100/3である無機系
    被膜形成用組成物を、耐熱性基材に塗布して乾燥した
    後、300℃以上で熱処理することを特徴とする無機系
    被膜形成方法。
  2. 【請求項2】一般式 Si(OR) (1) (式中、RはC2n+1で示されるアルキル基を表
    し、nは1ないし4である)を有するシラン化合物を加
    水分解・重縮合して得られる有機溶剤系シリカゾルとア
    ルキルチタネートとを主成分とし、そのアルキルチタネ
    ートがアルコール可溶性のテトラブチルチタネートの単
    量体あるいは2量体、3量体などのオリゴマーまたはポ
    リマーであり、SiO/Tiの比が重量換算で100
    /0.1〜100/3である無機系被膜形成用組成物
    を、耐熱性基材に塗布して乾燥した後、300℃以上で
    熱処理することを特徴とする無機系被膜形成方法。
  3. 【請求項3】一般式 Si(OR) (1) (式中、RはC2n+1で示されるアルキル基を表
    し、nは1ないし4である)を有するシラン化合物を加
    水分解・重縮合して得られる有機溶剤系シリカゾルとア
    ルキルチタネートとを主成分とし、SiO/Tiの比
    が重量換算で100/0.1〜100/3である無機系
    被膜形成用組成物を、耐熱性基材に塗布して乾燥した
    後、300℃以上で熱処理することによって形成された
    無機系被膜を有することを特徴とする無機系被膜形成物
    品。
  4. 【請求項4】一般式 Si(OR) (1) (式中、RはC2n+1で示されるアルキル基を表
    し、nは1ないし4である)を有するシラン化合物を加
    水分解・重縮合して得られる有機溶剤系シリカゾルとア
    ルキルチタネートとを主成分とし、そのアルキルチタネ
    ートがアルコール可溶性のテトラブチルチタネートの単
    量体あるいは2量体、3量体などのオリゴマーまたはポ
    リマーであり、SiO/Tiの比が重量換算で100
    /0.1〜100/3である無機系被膜形成用組成物
    を、耐熱性基材に塗布して乾燥した後、300℃以上で
    熱処理することによって形成された無機系被膜を有する
    ことを特徴とする無機系被膜形成物品。
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