JP2519319B2 - ろ過装置 - Google Patents

ろ過装置

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JP2519319B2
JP2519319B2 JP1103489A JP10348989A JP2519319B2 JP 2519319 B2 JP2519319 B2 JP 2519319B2 JP 1103489 A JP1103489 A JP 1103489A JP 10348989 A JP10348989 A JP 10348989A JP 2519319 B2 JP2519319 B2 JP 2519319B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は火力発電プラントまたは原子力発電プラン
トの復水、処理水および廃水、あるいは再処理プラント
からの放射性廃液等を好適に浄化するろ過装置に関す
る。
(従来の技術) 一般に、発電プラント例えば原子力発電プラントで
は、放射線低減対策として放射性廃液あるいは復水中に
おける腐蝕生成物の抑制およびその除去を実施する必要
がある。また、火力発電プラントでは発電効率を向上さ
せるために、復水中の腐蝕生成物を抑制しあるいは除去
する必要がある。さらに、再処理プラントでは、その処
理水中に使用済燃料の外面に付着した酸化鉄等の不溶解
性固形物(以下クラッドという。)が含有されており、
この処理水は非常に放射能濃度の高い廃液である。この
ため、この再処理プラントでも処理水中のクラッドを除
去する必要がある。
このような各プラントでの水の処理手段としては、第
9図に示すように、収集タンク1に集められたクラッド
等の懸濁物を含む水(懸濁水)を移送ポンプ2によって
プリコートフィルタ3へ送ってろ過した後、脱塩装置4
で脱塩するもの、または第10図に示すように、同じく移
送ポンプ2によて遠心分離器であるクラッドセパレータ
5に懸濁水を送ってクラッドを分離した後、脱塩装置4
で脱塩するもの、あるいは第11図に示すように、同じく
移送ポンプ2によって高分子多孔質材から成る中空糸膜
フィルタ6に懸濁水を送ってクラッドを分離した後、脱
塩装置4で脱塩するもの等が用いられている。
(発明が解決しようとする課題) 上述した第9図に示すプリコートフィルタ3は、けい
そう土あるいは粉末状のイオン交換樹脂等のプリコート
材を予めステンレス製のメッシュ等のメディア上に適当
な厚さに付着させておき、このプリコート層を通すこと
によってろ過を行なうものである。しかしながら、この
プリコートフィルタ3を用いる第9図に示した従来例に
は次のような問題点がある。
(1)プリコート層に目詰りを生じ易く、この目詰りを
復活させるための逆洗操作の頻度が高い。
(2)逆洗操作時、ろ過されたクラッドと共にプリコー
ト材が剥離するため、多量の二次廃棄物が発生する。
(3)プリコートフィルタ3はプリコート操作が必要な
ため、プリコート材調合タンク7、プリコートポンプ8
および保持ポンプ9等の余分な装置を必要とし、システ
ムが煩雑となる。
次にクラッドセパレータ5を使用する第10図に示した
従来例は、高速回転(3000〜5000rpm)する分離板形遠
心分離装置によって、クラッドの比重差を利用して分離
するものである。しかしながら、特に近年の原子力プラ
ントでは、水化学の技術進歩により炉内の水質が向上し
ているため、非晶質鉄成分等の比較的比重が小さいクラ
ッド成分が多くなっている。また、特に燃料に付着した
クラッドは、原子力プラントの中でも比較的放射線レベ
ルが高いので、使用済燃料輸送用キャスクから発生する
水の放射能濃度も1〜2μCi/cc程度と比較的高い。こ
の場合には、プリコート材等を用いないので二次廃棄物
が発生することはないが、次のような問題がある。
(1)比重差または粒径が小さなクラッドを充分除去で
きない。
(2)クラッドセパレータ5は回転機であるため分解点
検を必要とする。また、この分離点検時に、その作業員
に対し放射線被曝が発生するおそれがある。
さらに、中空糸膜フィルタ6を用いる第11図の従来例
では、ポリエチレン、ポリビニルアルコールまたはポリ
酢酸ビニル等の高分子化合物を多孔質中空糸状に形成し
たものをフィルタとして用いる。この従来例では、プリ
コート材を使用しないので、逆洗によっても二次廃棄物
の発生が少ない。さらに、処理後の水質がよく、通常、
ろ過出口側におけるクラッドは検出限界以下となり、ま
た保守作業も不要であるという優れた特徴がある。
しかしながら、高分子材料を用いているため、放射線
耐力に難点があり、およそ105〜107ラドの集積線量を受
けたときが実用上の使用限界となる。このため、例えば
使用済燃料輸送用キャスクから発生する水のように比較
的放射能濃度が高い流体を処理する場合には、約1〜2
ヶ月程度で設計上の寿命に達してしまい、実用的でない
という問題点がある。
この発明は、上記事実を考慮してなされたものであ
り、クラッドを略検出限界以下に除去できると共に、放
射線耐力に優れかつ逆洗によっても二次廃棄物が生ぜ
ず、このため保全作業を不要とし、作業員の放射線被曝
を回避できるろ過装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は、ろ過タンクのタンク容器内に仕切板が配
置されて上記タンク容器内が第1および第2の一次側室
並びに二次側室に区画され、この二次側室内にセラミッ
ク製のろ過フィルタが上記仕切板に支持されて配置され
るとともに、上記タンク容器には、第1の一次側室に開
口して懸濁水入口ノズル、および逆洗水受タンクが接続
される逆洗水出口ノズルが形成され、また二次側室に開
口して、ろ過水受タンクが接続されるろ過水出口ノズル
が形成されるとともに、逆洗時にこのろ過水出口ノズル
から二次側室内へろ過水を導入させるための圧縮空気を
供給する逆洗用空気配管が上記ろ過水受タンクに接続さ
れ、さらに上記タンク容器には、上記第2の一次側室に
開口して洗浄水配管が接続される洗浄水ノズルが形成さ
れるとともに、この洗浄水配管は逆洗時にろ過水が二次
側室に導入された後に洗浄水を供給することを特徴とす
るものである。
(作用) したがって、この発明に係るろ過装置によれば、プラ
ント内にて発生した水あるいは復水等の懸濁水が、ろ過
装置に導かれてセラミック製フィルタを通過する際に、
懸濁水中のクラッドの通過が妨げられ、このクラッドが
除かれてろ過される。セラミック製フィルタは多孔質で
その孔径を充分小さく選択できるので、懸濁水中のクラ
ッドを略完全に分離除去できる。
また、セラミック製フィルタは水中の放射能に対する
耐力が高く、さらにろ過能力回復のために逆洗操作を行
なっても二次廃棄物が発生しないので、保全作業も不要
となる。このため、保全作業に伴う作業員の放射線被曝
を回避できる。
さらに、ろ過水受タンクからろ過水出口ノズルを経て
タンク容器内の二次側室へろ過水を洗浄水として導き、
この洗浄水をセラミック製フィルタの外側から内側へ向
って流動させて洗浄する第1ステップの洗浄の他に、第
2ステップの洗浄を実施する。この第2ステップの洗浄
は、第1ステップの洗浄実施後に洗浄水配管から洗浄水
ノズルおよび第2の一次側室内を経て二次側室内へ洗浄
水を導き、この洗浄水をセラミック製フィルタの内部へ
直接導いて、このフィルタ内部を良好に洗浄する。この
第1および第2ステップの洗浄を実施する結果、洗浄効
果が向上し、ろ過タンクのろ過能力を長期間良好に維持
できる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明に係るろ過装置の一実施例が適用さ
れたろ過システムを示す系統図、第2図は第1図のろ過
装置を示すブロック図である。
第1図に示すように、プラント内で発生した処理水ま
たは復水等の懸濁水は、収集タンク10にて収集され貯蔵
される。この収集タンク10は、移送ポンプ11が配設され
た懸濁水移送配管12を経てろ過装置13に接続される。懸
濁水はこのろ過装置13にてろ過される。ろ過装置13には
ろ過水移送配管14が接続され、このろ過水移送配管14に
脱塩装置15が配設される。この脱塩装置15は、ろ過装置
13にてろ過されたろ過水中のイオン成分を除去する。
ろ過装置13は、第2図に示すように、ろ過タンク16、
ろ過水受タンク17、逆洗水受タンク18および洗浄水配管
19等を有して構成される。
ろ過タンク16は、フランジ部にて開閉可能とされた縦
置円筒形の密閉容器である。このろ過タンク16内に上下
2枚の仕切板21が配置され、これら両仕切板21によって
セラミック製のフィルタ(以下セラミックフィルタとい
う)22が多数本支持される。タンク容器20は、上記仕切
板21によって最下部に第1の一次側室23が最上部の第2
の一次側室24が、中央部に二次側室25がそれぞれ形成さ
れる。上記フィルタ22は二次側室25内に配設される。
タンク容器20には、第1の一次側室23内に開口して懸
濁水入口ノズル26および逆洗水出口ノズル27が形成され
る。懸濁水入口ノズル26に懸濁水移送配管12が接続され
て、ろ過タンク16のろ過運転時に第1の一次側室23内へ
懸濁水が導かれる。懸濁水移送配管12には、懸濁水入口
ノズル26の近傍に入口弁28が配置される。
また、逆洗水出口ノズル27には逆洗水排出配管29が接
続される。この逆洗水排出配管29に逆洗水排出弁30およ
び逆洗水受タンク18が、ろ過タンク16の側から順次配置
される。逆洗水受タンク18の上部には、デミスタ32が配
置されたベント配管33が接続される。
次に、タンク容器20には、二次側室25内に開口してろ
過水出口ノズル34が形成され、このろ過水出口ノズル34
にろ過水移送配管14が接続される。このろ過水移送配管
14にはろ過水受タンク17および出口弁37が、ろ過タンク
16の側から順次配設される。ろ過タンク16の第1の一次
側室23内の懸濁水は、二次側室25内のセラミックフィル
タ22を通ってろ過され、このろ過されたろ過水がろ過水
受タンク17に一次貯留される。
ろ過水移送配管14におけるろ過水受タンク17および出
口弁37間には逆洗用空気配管38が接続される。この逆洗
用空気配管38に、ろ過水受タンク17の側から順次逆洗空
気弁39および空気ろ過器40が配設されて、後述の第1ス
テップの逆洗時にろ過水受タンク17内へ圧縮空気が供給
される。
さらに、タンク容器20には、第2の一次側室24に開口
して洗浄水ノズル41が形成され、この洗浄水ノズル41に
洗浄水配管19が接続される。この洗浄水配管19には洗浄
水弁42が配設され、後述の第2ステップの逆洗時に洗浄
水配管19から洗浄水が第2の一次側室24内へ供給され
る。
さて、後述の上記セラミックフィルタ22は、仕切板21
に交換可能にかつ液密状態で配置される。各セラミック
フィルタ22は、第3図に示す中空管形に形成されたも
の、または第4図に示す多角柱あるいは円柱状の多孔質
セラミック母材(第4図は六角柱の例を示す)に両端面
を貫通する多数本の穴を設けたもののいずれを採用して
もよい。ここで、第3図および第4図中の矢印は、ろ過
タンク16のろ過運転時における水の流れを示す。
セラミックフィルタ22としては、アルミナ(Al2O3
から成る多孔質材を使用する。このセラミックフィルタ
22のろ過層は、第5図に示すように少なくとも2層以上
の多層構造とされる。すなわち、懸濁水に接する一次側
の層(微細孔層)とろ過水に接する二次側の層(細孔
層)とからなる。微細孔層の透過孔は、大部分が数μm
であることが知られている懸濁水中のクラッドの径より
小さい微細孔とされる。また、細孔層の透過層は、ろ過
後のろ過水が通過する際の流体抵抗を減らすため、上記
微細孔より孔径が大きい細孔とされている。具体的数字
の一例として、微細孔の孔径を約0.1〜0.5μm、細孔の
孔径を約3〜30μmに選定した場合が好適である。
つまり、微細孔の孔径を選定するため、この実施例の
実際に先立ち模擬液による低圧ろ過試験を行なって得ら
れた結果を第6図に示す。この第6図は、逆洗を反復し
ながらろ過装置13の運転を継続したとき、懸濁水の累積
処理量が増加するに従ってろ過速度の理論処理速度に対
する比が変化する状況を、微細孔の孔径を変えながら実
験した結果を示すものである。微細孔の孔径が0.2μm
の場合、逆洗を繰り返してもろ過速度は略一定である
が、微細孔の孔径が0.8μmとなると、徐々にろ過速度
が低下していくことが認められる。原子力発電プラント
の水中のクラッドの粒径分布データおよびこの実験結果
から、微細孔の好ましい平均口径として約0.1μm〜0.5
μmを設定した場合に良好な結果が得られた。また、こ
の微細孔の平均孔径を採用したときの細孔の平均口径
は、約3μm〜30μmとして良好な結果が得られた。
ろ過装置13におけるろ過タンク16、ろ過水受タンク1
7、空気ろ過器40およびこれらを接続する各種配管の接
液部分の材質は、腐蝕生成物の発生によるセラミックフ
ィルタ22の逆洗時における目詰りを防止するためにステ
ンレス鋼が最適である。ゴムライニング材やフレークラ
イニング等は高分子材料を含むため、懸濁水の放射線
(主にγ線)によって材質が変化するおそれがあり、長
期間使用時の耐久性に問題が生ずるので好ましくない。
さらに、空気ろ過器40のフィルタは、セラミック製の
フィルタあるいは多孔質高分子の中空糸膜フィルタが使
用され、また逆洗水排出弁30はクイックエグゾースト付
のボール弁とされる。
次に作用を説明する。
通常のろ過処理時には、入口弁28と出口弁37とを開弁
し、逆洗水排出弁30および逆洗空気弁39を閉弁して移送
ポンプ11を運転する。すると、収集タンク10内に貯留さ
れた懸濁水がろ過装置13へ加圧供給され、この懸濁水
は、ろ過タンク16の懸濁水入口ノズル26から第1の一次
側室23内へ導かれ、次いでセラミックフィルタ22内を第
3図および第4図の矢印方向に通過する。このときに、
懸濁水中に含まれているクラッドのうち微細孔の孔径に
よって定まる一定粒径以上のものが全て阻止される。
セラミックフィルタ22を通過したろ過水は二次側室25
内へ貯留され、その後ろ過水移送配管14およびろ過水受
タンク17を経て脱塩装置15へ導かれる。ろ過水が、この
脱塩装置15を通過するときに、ろ過水柱のイオン成分が
除去される。このろ過装置13によるクラッドの除去と、
脱塩装置15によるイオン成分の除去との組合せによっ
て、プラントを流れる水の水質を常に一定水準に保持す
る。
ろ過装置13によって上述のようなろ過処理が長期間継
続すると、やがてセラミックフィルタ22の一次側(微細
孔層側)にクラッドのケーキ層が堆積され、その結果、
ろ過速度が低下してろ過装置13のろ過効率が悪化する。
このようになったときには、セラミックフィルタ22を逆
洗して上記ケーキ層を除去し、ろ過効率の回復を図る。
この逆洗には2つのステップがある。
第1ステップの逆洗を実施するときには、まず入口弁
28および出口弁37を閉弁してろ過処理を停止した後、逆
洗空気弁39を開けて逆洗用空気配管38を通じ3〜9Kg/cm
2程度の圧縮空気をろ過水受タンク17内へ導き、ろ過水
を加圧する。次に、逆洗水排出弁30を開ける。すると、
ろ過水受タンク17内の加圧ろ過水が、ろ過タンク16のセ
ラミックフィルタ22内を第3図および第4図の矢印と逆
方向に通過して一気に逆洗水受タンク18内に流入する。
このとき、セラミックフィルタ22に付着していたクラッ
ドのケーキ層が剥離する。
第2ステップの逆洗は、上述の第1ステップの逆洗後
直ちに実施する。つまり、第1ステップの逆洗後直ちに
洗浄水弁42を開弁して洗浄水配管19を通じ2〜5m/s程度
の流速を有する洗浄水を、洗浄水ノズル41を経てろ過タ
ンク16の第2の一次側室24内へ供給する。すると、この
洗浄水はセラミックフィルタ22の一次側(微細孔層側)
の内面へ直接導かれ、第1ステップの逆洗によってこの
内面から剥離したケーキ層を洗い落とす。このセラミッ
クフィルタ22の内面の洗浄を膜面洗浄と称する。その
後、洗浄水はろ過タンク16の第1の一次側室23から逆洗
水出口ノズル27を経て逆洗水受タンク18内へ流入する。
第1ステップの逆洗によってセラミックフィルタ22の
内表面に堆積したクラッドのケーキ層を剥離し、第2ス
テップの逆洗によってこの剥離したケーキ層を洗い落と
して逆洗を終了する。この逆洗終了後、逆洗空気弁39、
逆洗水排出弁30および洗浄水弁42を開弁し、入口弁28お
よび出口弁37を開弁して、通常のろ過処理運転に復帰す
る。
上記実施例によれば、ろ過タンク16内のセラミックフ
ィルタ22のろ過層が多層構造とされているため、懸濁水
は、第5図に示すように、孔径が充分小さな微細孔を備
えた薄いろ過層(微細孔層)で効果的にクラッドを捕捉
された後、微細孔より大孔径とされて流体抵抗が小さな
細孔を備えたろ過層(細孔層)を通過するので、充分な
ろ過流量を得ることができる。したがって、発電プラン
トから発生する廃液あるいは復水および再処理プラント
から発生する放射性の高い処理水等中のクラッドを、そ
の水質に拘らず、略検出限界以下まで除去することがで
きる。このため、ろ過処理後の水の水質が良好になり、
放射能レベルが低減して、プラント用水として再利用す
る場合一層有効となる。
また、ろ過タンク16におけるセラミックフィルタ22で
は、微細孔を有するろ過層(微細孔層)が薄く、かつ微
細孔の孔径が充分小さいので、クラッドがこのろ過層の
内部に入り込まない。また、セラミックフィルタ22細孔
を有するろ過層(細孔層)は、流体抵抗が小さい。これ
らのことから、ろ過タンク16を長期間ろ過運転しても、
ろ過速度の低下が少ない。
さらに、セラミックフィルタ22は逆洗できるばかりで
なく、放射線に対する耐力が高いため反復して使用でき
る。また、セラミックフィルタ22は、逆洗時に二次廃棄
物の発生するおそれもない。したがって、セラミックフ
ィルタ22を交換する頻度が少なく、保全作業は殆ど不要
となる。このため、懸濁水、特に使用済燃料輸送用キャ
スクから発生する懸濁水を処理するろ過装置において、
ろ過タンク16内のセラミックフィルタ22を交換する作業
頻度が少なくなり、作業員の放射線被曝を著しく低減で
きる。
また、上述のようにセラミックフィルタ22は逆洗に際
し二次廃棄物の発生が無いので、この二次廃棄物を含む
放射性廃棄物を貯蔵するドラム缶の本数を大幅に低減で
きる。
また、ろ過タンク16の逆洗は2つのステップから成
り、第1ステップの逆洗によってセラミックフィルタ22
の微細孔層の内表面から堆積したクラッドのケーキ層を
剥離する。そして、この第1ステップの逆洗実施後、第
2ステップの逆洗を実施して、セラミックフィルタ22の
内表面に剥離したクラッドのケーキ層を洗浄(膜面洗
浄)する。このように第1および第2ステップの逆洗を
実施するので、第1ステップの逆洗のみの場合に比べ、
ろ過タンク16のろ過能力を著しく向上させることができ
ると共に、逆洗効率が向上して良好なろ過能力を長期間
維持できる。
第1ステップの逆洗において、逆洗用空気配管38を通
じてろ過水受タンク17内へ供給される圧縮空気中の塵埃
が、空気ろ過器40によって除去されるため、セラミック
フィルタ22は細孔を有するろ過層(細孔層)において目
詰りすることがない。また、第1および第2ステップの
逆洗時において、逆洗水受タンク18内に逆洗水が勢いよ
く排出されるが、デミスタ32によって、排出された逆洗
水中のミスト分が除去されるので、飛沫同伴を防止でき
る。
第7図は、この発明に係るろ過装置の他の実施例が適
用されたろ過装置を示すブロック図である。この他の実
施例において、前記実施例と同様な部分は、同一の符号
を付すことにより説明を省略する。
この他の実施例におけるろ過装置43が前記実施例のろ
過装置13と構成上異なるのは、逆洗用空気配管38の空気
ろ過器40下流側からろ過タンク16の洗浄水ノズル41に洗
浄用空気配管44が接続され、この洗浄用空気配管44に洗
浄空気弁45が配設された点である。この他の実施例にお
けるろ過装置43は、前記実施例のろ過装置13と通常のろ
過運転および第1ステップの逆洗について同様であり、
第2ステップの逆洗のみが異なる。
つまり、第1ステップの逆洗後直ちに洗浄水弁42を開
弁して、洗浄水配管19を通じ2〜5m/s程度の流速を有す
る洗浄水をろ過タンク16の洗浄水ノズル41へ導くと同時
に、洗浄空気弁45を開弁して洗浄用空気配管44を経て洗
浄水ノズル41内へ空気を導く。洗浄水ノズル41において
洗浄水と空気とが混合流となり、この混合流はろ過タン
ク16の第2の一次側室24を経てセラミックフィルタ22の
内面へ供給される。混合流は、第1ステップの逆洗にて
セラミックフィルタ22の内表面から剥離したケーキ層
を、混合流の流れおよび混合流中の気泡の揺動によって
効果的に洗い落とし、セラミックフィルタ22のろ過能力
を回復させる。その後、混合流は、第1の一次側室23お
よび逆洗水出口ノズル27を経て逆洗水受タンク18内へ排
出される。
第8図は、ろ過装置13および43の運転を継続したと
き、逆洗回数に従ってセラミックフィルタ22を透過する
透過流量が変化する状況を示したグラフである。第8図
によると、破線で示すろ過装置13の場合には、逆洗回数
の増加と共に、ろ過流束すなわちろ過流量が低下する
が、実線で示すろ過装置43の場合には、ろ過流束が殆ど
低下しない。このように、この他の実施例におけるろ過
装置43では、前記実施例のろ過装置13に比べ、第2ステ
ップにおける膜面洗浄が良好に行なわれるので、逆洗効
率か向上して、ろ過タンク16のろ過能力をより一層向上
させることができる。
なお、上記両実施例では、セラミックフィルタ22にお
いて微細孔を備えたろ過層(微細孔層)がセラミックフ
ィルタ22の内面に設けられたものにつき説明したが、こ
の微細孔層にセラミックフィルタ22の外面に設けてもよ
い。また、両実施例ではろ過水受タンク17内のろ過水を
逆洗に利用しているが、ろ過タンク16の二次側室25の容
積を増大してこの二次側室内のろ過水を逆洗に利用し、
ろ過水受タンク17を省略してもよい。
〔発明の効果〕
上記実施例によれば、ろ過タンク内のろ過フィルタと
してセラミック製のフィルタが採用されたことから、各
種プラントにて発生した懸濁水中に含まれるクラッドを
略検出限界以下まで除去でき、処理後の水を原子力プラ
ント内で有効に再利用できると同時に、懸濁水中の放射
能を低減できる。
また、セラミック製のフィルタは放射能耐力が高く、
さらに逆洗操作によっても二次廃棄物を生じないので、
セラミックフィルタの保全作業が不要となり、作業員の
放射線被曝量を低減できる。
また、タンク容器には第2の一次側室に開口して洗浄
水配管が接続されたことから、ろ過タンクの逆洗を2つ
のステップで行なうことができ、逆洗効果を向上させ
て、ろ過タンクのろ過能力を向上させることができる。
さらに、逆洗時にろ過水出口ノズルから二次側室内へ
ろ過水を導入させるための圧縮空気を供給する逆洗用空
気配管がろ過水受タンクに接続されたことにより、空気
が駆動源となることで、圧力の低下が少なくろ過水の注
入量(圧力)の低下を防止し、接続的にろ過水を逆洗水
としてろ過タンクに供給することができる。
そして、洗浄水配管は逆洗時にろ過水が二次側室に導
入された後に洗浄水を供給することにより、ろ過フィル
タ内壁からクラッドのケーキ層を剥離した後に洗浄水が
供給されることとなり、一段と確実にクラッドを洗浄す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るろ過装置の一実施例が適用され
たろ過システムを示す系統図、第2図は第1図のろ過装
置を示すブロック図、第3図および第4図は第2図のろ
過タンクに収容されたセラミックフィルタの形状を示す
斜視図、第5図は第3図および第4図のセラミックフィ
ルタのろ過層を示す模式図、第6図は第5図に示したセ
ラミックフィルタのろ過層の作用効果の実験結果を示す
グラフ、第7図はこの発明の他の実施例が適用されたろ
過装置を示すブロック図、第8図は第7図のろ過装置に
おける作用効果を第2図のろ過装置と比較して示すグラ
フ、第9図〜第11図はそれぞれ発電プラントおよび再処
理プラント内にて発生した水の従来の処理装置を示す系
統図である。 13……ろ過装置、16……ろ過タンク、17……ろ過水受タ
ンク、18……逆洗水受タンク、19……洗浄水配管、20…
…タンク容器、21……仕切板、22……セラミックフィル
タ、23……第1の一次側室、24……第2の一次側室、25
……二次側室、26……懸濁水入口ノズル、27……逆洗水
出口ノズル、34……ろ過水出口ノズル、41……洗浄水ノ
ズル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ろ過タンクのタンク容器内に仕切板が配置
    されて上記タンク容器内が第1および第2の一次側室並
    びに二次側室に区画され、この二次側室内にセラミック
    製のろ過フィルタが上記仕切板に支持されて配置される
    とともに、上記タンク容器には、第1の一次側室に開口
    して懸濁水入口ノズル、および逆洗水受タンクが接続さ
    れる逆洗水出口ノズルが形成され、また二次側室に開口
    して、ろ過水受タンクが接続されるろ過水出口ノズルが
    形成されるとともに、逆洗時にこのろ過水出口ノズルか
    ら二次側室内へろ過水を導入させるための圧縮空気を供
    給する逆洗用空気配管が上記ろ過水受タンクに接続さ
    れ、さらに上記タンク容器には、上記第2の一次側室に
    開口して洗浄水配管が接続される洗浄水ノズルが形成さ
    れるとともに、この洗浄水配管は逆洗時にろ過水が二次
    側室に導入された後に洗浄水を供給することを特徴とす
    るろ過装置。
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