JP2519300Y2 - パチンコ式遊技機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、パチンコ球を使用する形式の遊技機にあ
って、機体の前側に電光装飾用表示部を装備するパチン
コ式遊技機に関するものである。

〔従来技術〕

この種遊技機の代表例の一つである従来のパチンコ機
では、周知のように最も一般的な形態のものとして、機
体を担う固定用の枠体と開閉用の枠体、つまり専ら外郭
保持枠ともされる機枠（外枠ともいう）と、各種遊技構
成部材の搭載セット枠ともされる前枠（内枠ともいう）
とが、ともに木製の各枠杆を枠組み結合して構成された
ものが使用され、機枠に対して前枠が着脱及び開閉可能
に組付けられるようになっている。そして遊技機全体の
グレードアップ、装飾美的効果さらにはパチンコゲーム
に対する表示効果等の向上を図るべく、機体の前側、つ
まり前枠の上縁部等に第３図に示すような電光装飾用表
示部（23）が装備されている。

この電光装飾用表示部（23）については、サイズや形
状等を含む何れのデザインのものにあっても、前枠が木
製枠であることの前提において、その基本的な構成とし
て第３図に例示するように前枠（22）の上枠部（22a）
前面に定着される合成樹脂製の取付けセット盤（24）
と、複数個のランプ（27）を配置接続して取付けセット
盤（24）前側の取着部（25）に取着されるランプ用基盤
（26）と、取付けセット盤（24）の開口前面側に取着整
合されてランプ（27）を覆蓋保護する透明合成樹脂製の
カバー状のランプレンズ（28）を主体としてユニット状
に構成されている。そしてパチンコゲームの所要時点
（例えばセーフ球の入賞時等）に夫々のランプ（27）が
適宜点灯又は点滅されて、ランプレンズ（28）を内側か
ら照明するようになっている。なお、図示しないが、ラ
ンプ用基盤（26）に接続された配線は、取付けセット盤
（24）の前側を通して、最終的には前枠（22）の裏側に
引出されて電源基盤側に接続される。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで近年のパチンコ式遊技機においては、製造の
簡素化や美観の向上等が強く望まれている。このような
状況にあって、木製枠体を使用した従来のパチンコ機で
は、前枠の製作において各枠杆の枠組み結合や補強そし
て表面化粧材による装飾加工等にかなりの手間が掛る。
その上前述した電光装飾用表示部（23）の設置にあたっ
ては、位置決め、ビス締め、配線処理等の作業のため
に、前枠を前向き、後向きに一々変向しなければなら
ず、余分な時間や労力を要する。またこの電光装飾用表
示部（23）は、前述したように複数の部材から構成され
るために、その組立てユニットに手間が掛り、大型で複
雑化する。そしてこのような電光装飾用表示部（23）を
前枠の前側に装備しているために、自ずと同表示部（2
3）が前方へ大きく突出してしまい、これが反ってパチ
ンコ機の美観を損なうと共に、前記ランプレンズ（28）
が別のパチンコ機と干渉して邪魔になることもある等の
問題があった。

〔目的〕

本考案は、前述した課題を解決するために提案された
もので、外郭保持枠用の機枠に組付けられる搭載セット
枠用の前枠を合成樹脂成形製のものとし、この前枠の縁
部をベースにして電光装飾用表示部を装備して、製造の
簡素化や美観の向上等を図り得るようにしたパチンコ式
遊技機を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は、外郭保持枠用の機枠の開口前面に合せて組
付けられる搭載セット枠用の前枠において、正面に窓枠
設置用の窓口を開設した外郭枠体と、窓口の正面内側に
合せて遊技盤用のセット口を開設したセット保持枠体と
を前後二重枠形態にして一体に合成樹脂成形すると共
に、外郭枠体の上杆部の左側から右杆部の中央にかけて
電光装飾用表示部を装備し、該表示部では、前向きに開
口されて円曲状の内面を有する設置凹部を正面逆Ｌ字状
に亘り外郭枠体と一体に成形し、この設置凹部の裏側に
ランプ用の基盤を取着して各々のランプを設置凹部に開
口した挿通口から前向きに挿通する一方、設置凹部の開
口前面側に合成樹脂成形されたランプ覆蓋保護用のレン
ズ部材を位置決め用の凹凸条部を介して取着して構成し
たことを特徴とするパチンコ式遊技機を要旨とするもの
である。

〔作用〕

製作が容易な合成樹脂成形製の前枠の表面を以って装
飾美的効果が高められる。またこの前枠の所要縁部に装
備される電光装飾用表示部が、同縁部に一体に成形され
た設置凹部及び挿通口を利用して必要最少数の部品を以
って簡単にかつコンパクトに構成されると共に、前枠と
一体化装備できる。そして前枠の製作及び電光装飾用表
示部の組付け、設置に係る手間を省略してパチンコ式遊
技機の製造の簡素化を図り得る。

〔実施例〕

次に本考案に係るパチンコ式遊技機について、好適な
実施例を挙げて添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。

本実施例で提示したパチンコ機では、在来のものと基
本的に同様な形態として第１図に示すように、外郭保持
枠用の機枠（１）の開口前側に搭載セット枠用の前枠
（２）が開閉及び着脱可能に組付けられており、この前
枠（２）の各部に各種の遊技構成部材として、ガラス扉
（４）を組付けた窓枠（３）、上下の球受け皿（5,6）
そして打球発射装置の操作部（７）等が夫々設置されて
いる一方、前枠（２）の正面内部に所要のゲーム面を構
成した遊技盤（８）がセットされている。そして前記前
枠（２）は、全体が合成樹脂成形されたものであって、
第２図に部分的に示すように機枠（１）の開口前面に適
した縦長方形枠サイズで正面に窓枠（３）用の窓口（2
1）を開設した外郭枠体（11）と、窓口（21）の正面内
側に合せて遊技盤（８）用のセット口（22）を開設した
方形枠サイズのセット保持枠体（12）とが、前後二重枠
形態で一体に成形されている。

このような前枠（２）は、在来の木製枠の場合と異な
り、１回の成形加工により一挙に製作し得、サイズ的、
形状的にも誤差の少ない正確で強固な方形樹脂枠として
好適に利用できる。しかもその表面、少なくとも外郭枠
体（11）の表面が、樹脂材特有の光沢のある平滑な美麗
面に仕上げられ、この美麗面により特別な表面化粧材を
不要にして装飾美的効果を高めることができる。

そして前述した樹脂製の前枠（２）において、第１図
に略示するように外郭枠体（11）の上縁部の左部から右
縁部の中央に亘って、電光装飾用表示部（13）が正面逆
Ｌ形状範囲で構成されている。この電光装飾用表示部
（13）では、上縁部側を主に第２図に示すように、外郭
枠体（11）の上杆部（11a）に、又、右縁部側を外郭枠
体（11）の右杆部（11b）に、前側開口した断面半円溝
状の設置凹部（14）が成形されると共に、同凹部（14）
の各部位にランプ用の挿通口（15）が前後に開通されて
いる。そして設置凹部（14）の裏側に沿って帯状のラン
プ用基盤（16）が取着されて適宜結線される一方、同基
盤（16）に配置接続された各々のランプ（17）が当該の
挿通口（15）内に挿入保持されて設置凹部（14）内に延
出されている。また設置凹部（14）の前面側に、平板状
をなす透明合成樹脂成形製のランプレンズ（18）が、互
いの位置決め用の凹凸条部（19）を利用して取着され
て、各ランプ（17）を覆蓋保護している。

このような電光装飾用表示部（13）は、前枠（２）に
成形された設置凹部（14）及び挿通口（15）を主体部と
して構成され、第１図及び第２図から理解できるように
上縁部側及び右縁部側がともに同一平面上に位置して外
郭枠体（11）の前面から若干突出されるものの、前記窓
枠（３）のガラス扉（４）に対して前後差の少ないほぼ
同一面内に維持される。そしてパチンコ機でのゲーム中
の所要時点、例えば遊技盤（８）の入賞口（９）に遊技
球が入った時点等において、各々のランプ（17）に選択
的に電圧が印加されることにより、当該のランプ（17）
が点灯又は点滅してランプレンズ（18）を内側から発光
照明する。この際、設置凹部（14）の湾曲内面（14a）
を利用してランプ光を広範囲に反射してランプレンズ
（18）を好適に照明補助し得る。

なお前述した電光装飾用表示部（13）では、その右縁
部側にも勿論設置凹部（14）や挿通口（15）を成形して
いるが、ランプ（17）や基盤（16）は省略した場合を例
示する（第１図）。従ってこの右縁部側においては、専
らランプレンズ（18）を利用して美的装飾部としての役
割を果し得るようになっている。また直接の装飾用材と
なるランプレンズ（18）については、第１図においてＬ
形状に示したが、上縁部側と右縁部側とに分割されたも
のであってもよい。ちなみに前述した合成樹脂製の前枠
（２）及び電光装飾用表示部（13）に係る技術について
は、他の遊技機としてのスロットマシンにも具体化し得
る。

〔考案の効果〕

以上実施例で詳述したように、本考案のパチンコ式遊
技機では、外郭保持枠用の機枠に組付けられる搭載セッ
ト枠用の前枠が、製作容易な合成樹脂製であることによ
り、その樹脂表面を利用して特別な装飾加工を不要にし
て装飾美的効果を高め得る。そしてこの樹脂製の前枠に
装備される電光装飾用表示部については、前枠の所要部
分に一体成形された設置凹部や筒部を主体部として、ラ
ンプ、基盤、レンズの必要最少数の部品を以って、コン
パクトにして簡単かつ安価に構成できる。しかもランプ
を設置凹部内に収容し得るので、最前面に位置するラン
プレンズを含めて、表示部全体のサイズ、特に前方への
突出サイズを最小限に抑えることができるので、遊技機
全体の美観が損なわれず、また干渉物や障害物となるよ
うなことも回避できる。

特に、本考案のパチンコ式遊技機の前枠では、その上
縁部から右縁部に亘って電光装飾用表示部のベースとな
る設置凹部を一体に成形していることにより、前枠全体
の強化を図ることができる。そして、このような前枠に
おける電光装飾用表示部では、設置凹部の開口前面側に
レンズ部材が簡単かつ正確に位置決め装着し得ると共
に、設置凹部の内面でランプ光を有効かつ広範囲に反射
し得るので、必要最少数のランプを以って好適な照明を
図ることができる。しかも、表示部全体の構成の簡素化
を図り得るばかりでなく、前枠の樹脂成形後において、
前述した主体部にランプ類及びレンズを組付けて、前枠
側と一体化しておくこともできると共に取扱い得る。こ
れにより表示部自体の組付けユニット化に係る作業や手
間、さらには遊技機の製造ラインでの設置工程が省略で
き、ひいては生産性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るパチンコ機を略示する正
面図、第２図は第１図中のII−II線に基いて電光装飾用
表示部を主に示す側断面図、第３図は従来のパチンコ機
の機体及び電光装飾用表示部を例示する側断面図であ
る。 １は機枠、２は前枠、11は外郭枠体、11aは上杆部、11
びは右杆部、12はセット保持枠体、13は電光装飾用表示
部、14は設置凹部、14aは内面、15は挿通口、16はラン
プ用基盤、17はランプ、18はランプレンズ、19は位置決
め用凹凸条部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外郭保持枠用の機枠（１）の開口前面に合
   せて組付けられる搭載セット枠用の前枠（２）におい
   て、 正面に窓枠（３）設置用の窓口（21）を開設した外郭枠
   体（11）と、窓口（21）の正面内側に合せて遊技盤
   （８）用のセット口（22）を開設したセット保持枠体
   （12）とを前後二重枠形態にして一体に合成樹脂成形す
   ると共に、外郭枠体（11）の上杆部（11a）の左側から
   右杆部（11b）の中央にかけて電光装飾用表示部（13）
   を装備し、該表示部（13）では、前向きに開口されて円
   曲状の内面（14a）を有する設置凹部（14）を正面逆Ｌ
   字状に亘り外郭枠体（11）と一体に成形し、この設置凹
   部（14）の裏側にランプ用の基盤（16）を取着して各々
   のランプ（17）を設置凹部（14）に開口した挿通口（1
   5）から前向きに挿通する一方、設置凹部（14）の開口
   前面側に合成樹脂成形されたランプ覆蓋保護用のレンズ
   部材（18）を位置決め用の凹凸条部（19）を介して取着
   して構成したことを特徴とするパチンコ式遊技機。