JP2518753B2 - 高炉装入物分布制御装置 - Google Patents

高炉装入物分布制御装置

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JP2518753B2
JP2518753B2 JP3258174A JP25817491A JP2518753B2 JP 2518753 B2 JP2518753 B2 JP 2518753B2 JP 3258174 A JP3258174 A JP 3258174A JP 25817491 A JP25817491 A JP 25817491A JP 2518753 B2 JP2518753 B2 JP 2518753B2
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太一 青木
隆志 炭竃
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雅昭 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は高炉の炉内における円
周方向での装入物分布制御を通じて局所的なガス流を制
御してガス流分布と操業の安定化を図るための制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は装入物分布制御と炉内状況を示
した図であり、表1は溶融帯の位置・形状と操業状況を
示した表である。
【0003】
【表1】
【0004】一般にコークスの燃焼によって発生する還
元ガス(以下ガスと称す)が高炉内の中心部に多く流れ
ることを中心流、炉壁部に多く流れることを周辺流、ま
た、局部的に多く流れることを局所流と呼んでいる。通
常、高炉に装入される原料はコークスの方が鉱石より粒
経が大きく、また、コークスは還元粉化も起こらないた
めコークスの方が通気性も良い。更に、鉱石が溶けるゾ
ーン(以下溶融帯と称す)では鉱石層の通気抵抗はコー
クス層の200〜300倍になり、ガスはコークス層
(溶融帯でのコークス層を以下スリットと称す)を通過
して流れる。
【0005】高炉では中心部にコークスを多く装入する
と中心流になり、溶融帯形状も富士山形になり、スリッ
ト数も増えてガス流が安定する。また、炉壁部にコーク
スを多く装入すると周辺流になり、炉壁付着物の除去に
役立つといわれている。しかし、ガスが局部的に多く流
れると局所流となり、吹抜けやスリップなど突発的な異
常炉況を誘発する原因になる。このため、安定操業をす
るには装入物分布を制御してガス流を安定にすること、
更に、局所流の発生を検知して局部的に他と異なったM
Aアクションを取ることにより局所流の成長を防止する
ことが必要である。
【0006】ベル式高炉の場合には、原料の装入は大ベ
ルの開閉動作によって行われる。そして、1回の大ベル
開閉動作をバッチと呼び、コークス及び鉱石は数バッチ
(例えばコークス2バッチ、鉱石3バッチ)に分けて装
入される。これを5バッチ装入といい、5バッチをまと
めて1チャージと呼んでいる。通常操業でチャージ間隔
は約10分である。
【0007】図15はMAの設置状況を示す図であり、
(a)はその平面図、(b)は側面図である。大ベルか
ら自由落下する原料の着地位置を制御するため、高炉に
は約20個のMAが円周方向に均一に設置されていて、
MAのストロークを炉壁部から中心部に向かって移動で
きるようになっている。そして、装入物の分布制御はチ
ャージを周期としてバッチ単位にMAのストロークを変
えることにより行われる。
【0008】このMAと装入物分布の関係については、
例えば『材料とプロセス(1) 1988,p74』に
開示されている。しかし、その内容は炉内のコークスと
鉱石の層厚分布をゾンデで間欠的に測定した結果或いは
屋外模型実験で得られた結果に基づきMAアクションと
装入物分布の関係を定式化したものであり、実操業にお
けるガス流の強度や推移傾向などからMAアクション量
を決定し、MAを制御してガス流分布の最適化を狙った
ような一貫したシステム技術はまだ確立されていなかっ
た。また、センサ情報をもとに吹抜けやスリップなどを
予知する技術は、例えば特開昭62−270712号公
報に開示されている。しかし、これは吹抜けやスリップ
の予知を目的としたシステムで、高炉のガス流分布の最
適化を目的とした一貫したシステムではなかった。更
に、本出願人が特願平3−147627号にて提案した
高炉装入物分布制御装置は中心流や周辺流に着目したも
のであり、局所流まで着目したものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、この様な
状態に鑑みてなされたものであり、高炉の炉内のガス流
の強度や推移傾向、装入待や減風、MA操作履歴、出銑
状況などの操業状態を加味して、炉内の円周方向のガス
流分布を最適化するためのMAアクション量を決定し、
自動制御することを可能にした高炉装入物分布制御装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の一つの態様に
係る高炉装入物分布制御装置は、操業経験及びモデル実
験により得られた高炉操業に関する各種の知識が登録さ
れる知識ベースと、高炉に設置された各種センサからデ
ータを所定の周期で取込む手段と、取込まれたデータに
含まれるノイズを除去する手段と、知識ベース及びノイ
ズが除去されたデータに基づいてセンサ別に円周方向に
沿って配置された複数のMAの位置に対応したガス流の
強度及び推移傾向をそれぞれ推論する推論手段と、高炉
操業における操業情報、及び出銑情報が随時取り込まれ
て保存される操業ファイルと、推論結果を、操業ファイ
ルに保存された情報及び知識ベースに基づいてMAの位
置に対応したガス流の強度及び推移傾向として合成する
合成手段と、ガス流の強度及び推移傾向がそれぞれ複数
の段階に分けられ、ガス流の強度と推移傾向とによるマ
トリックスが形成され、そのマトリックスの成分とし
て、そのガス流の強度及び推移傾向に対応するMAの変
更操作量が格納されたMAアクション決定マトリックス
が記憶される記憶手段と、合成手段による合成結果をM
Aアクション決定マトリックスに当てはめて、個々のM
Aの変更操作量を決定する手段と、MAの変更操作量に
基づいて駆動量を求めその駆動量をMAの駆動制御装置
に送信してMAを制御させる手段とを有する。この発明
の他の態様に係る高炉装入物分布制御装置は、上記の装
置において、操業ファイルには、少なくともMAの操作
履歴及びその遍歴に伴う操業情報が保存され、そして、
その操業情報に基づいてMAの駆動量を補正する補正手
段、及び補正後のMAの駆動量を映像又は音声により出
力する教示手段を、更に有する。
【0011】
【作用】この発明においては、操業経験やモデル実験で
得られた高炉操業に関する知識が知識ベースに登録され
る。高炉は一度火入れ稼動すると、10〜15年間連続
的に使用されるが、この間の高炉操業に関する知識は同
一・固定では無く、炉内煉瓦の損耗に伴う原料分布形状
の変化、操業の合理化を狙った装入原料の劣質化や新原
料使用の試み、等の操業変化に対応してシステムを有効
に稼動させるためには、新たに獲得した知識を知識ベー
スに登録してその知識を更新していく。この高炉に関す
る知識には操業経験やモデル実験で得られる。操業経験
によって得られるものとしては、例えば各種原料の銘柄
配合や装入重量を、複数種類のMA停止位置で炉内に装
入してできた原料分布形状で高炉操業を行った場合の、
炉内ガスの流れの状態とその時の高炉操業の良否結果が
ある。モデル実験によるものとしては、例えば実高炉の
1/10サイズの小型高炉(熱風を不送風のために炉内
は常温)を作成し、複数の原料の装入・MA動作を組み
合わせて行い、炉内原料の分布形状を試験的に検証して
得られる知見がある。一方、高炉に設置されている各種
センサからデータが所定の周期で例えばプロセスコンピ
ュータに取込まれる。そして、取込まれたデータに含ま
れたノイズが除去され、知識ベースの高炉操業の知識に
基づいてノイズが除去されたデータについてセンサ別に
ガス流の強度及び推移傾向を推論する。その推論結果
を、操業情報(例えば装入待や減風、現状のMA位置、
現状の装入原料配合率といった操業状態や操業諸元に関
する情報)と知識ベースの例えば局所流の知識に基づい
てMAの位置に対応したガス流の強度と推移傾向として
合成し、合成結果を操業経験やモデル実験などによって
作られたMAアクション決定マトリッスに当てはめ、M
Aの変更操作量(:MAアクション)を求め、その変更
操作量に基づいてその駆動量を決定し、MAをその駆動
量に基づいて駆動し、装入原料を炉内に装入する。更
に、このMAの駆動量をMAの操作履歴及びその操作履
歴に伴う操業情報(例えば送風圧力の変更、配合変更と
いう操業状態や操業諸元の変更に伴う一過性の要素)を
加味して補正する。そして、補正後のMAの駆動量をM
Aの駆動制御装置、例えばプログラマブルコントローラ
(以下PLCという)に送信してMAを制御する。ま
た、補正後のMAの駆動量を表示又は音声出力してオペ
レータに案内する。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る高炉装入物分
布制御装置の概念図である。図において10は高炉であ
り、炉壁上部には円周方向に固定ソンデ(温度と成分を
測定)やシャフト温度計が設置されている。また、炉頂
部には炉口テレビ(装入物表面の温度分布を面として測
定)など各種センサやMAが設置されている。
【0013】20は従来から高炉の制御に用いられてい
るプロセスコンピュータである。このプロセスコンピュ
ータ20は、高炉に設置された各種センサからデータを
所定の周期で取込む手段21と、取込んだデータに含ま
れるノイズを除去する手段22と、装入待や減風23、
MAの操作履歴24、出銑状況25などの情報を随時取
込で保存するファイル手段26と、推論結果や過程をオ
ペレータにガイダンスする手段27と、ガイダンス結果
をPLC40に送信してMAを自動制御する手段28
と、プロセスコンピュータが持っているデータを知識処
理コンピュータ30に送信したり、知識処理した結果を
受信したりする手段29とを内蔵しており、それらはそ
のシステムプログラムにより実現されている。
【0014】30は知識処理コンピュータであり、高炉
の操業に関する知識を知識ベース31として登録・修正
する手段と、プロセスコンピュータ20から受信したデ
ータと知識ベース31をもとにセンサ別にガス流の強度
と推移傾向として推論する手段32と、その結果を装入
待や減風などに関する情報と知識ベースをもとにMAの
位置に対応したガス流の強度と推移傾向として合成する
手段33と、合成結果をモデル実験などにより作られた
MAのアクション決定マトリックスに当てはめて、個々
のMAアクション量を決定する手段34と、このMAの
アクション量をMAの操作履歴などに伴う要素を加味し
て補正する手段35と、出銑情報などを加味してアクシ
ョン実施判断をする手段36と、推論に必要なデータを
プロセスコンピュータ20から受信し、推論結果をプロ
セスコンピュータに送信する手段37とを内蔵してお
り、それらはそのシステムプログラムより実現されてい
る。
【0015】このようにプロセスコンピュータ20と知
識処理コンピュータ30とに装置が分かれているのは、
従来のシステム技術で処理する部分と、人工知能応用技
術で処理すべき部分とがあり、これらを分けた方がシス
テム開発上都合が良いからであって、この発明にとって
本質的なことではない。従って、1台のコンピュータを
論理的に分割して双方の手段を実現すれば1台のコンピ
ュータで実現することもできる。
【0016】(1)前処理方法 各種のセンサデータはプロセスコンピュータ20の定周
期処理機能により、所定の周期で取込まれ、ファイル2
11に格納した後データに含まれるノイズを除去して、
制御情報として意味ある情報を抽出するために前処理が
行われる。前処理ではセンサの種類及びセンサデータに
含まれるノイズの状態を考慮し、ガス流判断に有効なデ
ータとするため指数平滑や1次回帰などの手法でデータ
処理をしている。
【0017】a.指数平滑
【数1】 Sn=(1−1/t)×Sn−1+R/t S:時刻nにおける指数平滑後の値 Sn−1:時刻n−1における指数平滑後の値 R:時刻nにおける指数平滑前の値 t:時定数1≦tでセンサ毎に定める n,t単位は分
【0018】b.1次回帰
【0019】
【数2】
【0020】τ≦ti≦o:基準点は推論実行時刻 τ:時定数 n:有効データ数 Xo:1次回帰データ Sn又はXoはガス流の強度や推移傾向の判断に使われ
る。
【0021】(2)ガス流の強度判定 前処理結果は知識コンピュータ30に送られ、センサ別
に学習制御された基準値をもとにMAの位置に対応した
ガス流の強度を判断する。以下に基準値の決め方とガス
流の強度の判断例を示す。
【0022】(2−1)基準値の決め方 基準値は日平均値をもとに指数平滑法を用いて決定し、
設備や操業の経時的変化に容易に対応できるようにして
ある。
【0023】
【数3】
【0024】また、指数平滑数α(0≦α≦1)は、装
入待時間、減風時間、MAのアクション回数などの関数
とし、更に、装入待時間、減風時間、MAアクション回
数などは操業経験やオフライン実験をもとに図2の
(a)〜(c)に示す関数で表現し、特種な操業要因を
除去している。
【0025】
【数4】α=α1×α2×α3 α1=f(装入待時間)、α2=f(減風時間)、α3
=f(MAアクション回数) ここで、装入待時間(装入から次の装入までの間隔)
は、平均装入待時間より待ち時間が長いものを対象と
し、次式により計算している。
【0026】
【数5】
【0027】また、減風時間(目標送風量より送風量を
減らした時間)は、減風した時間と減風量をもとに経験
的に次式で計算している。
【0028】
【数6】
【0029】(2−2)ガス流の強度判定 炉口テレビや固定ソンデなどはMAの位置に対応したガ
ス流の判断に利用できる。図3はガス流強度とガス温度
や成分の関係を示したものであり、一般にガス流が強い
とガス温度は高く、ガス利用率(CO2/CO)は低く
なる。
【0030】(2−2−1)炉口テレビ(図4) 炉口テレビは炉頂部で装入物表面の温度分布を熱画像と
して連続的に測定している。高炉の装入面を真上から見
た時の炉口テレビによる測定生データを図4の(a)に
示す。装入表面温度はチャージ完了後、徐々に上昇し、
次のチャージが始まる前に最大となる。また、チャージ
直後は発塵のため装入物表面温度を正確に捕らえること
ができない。このため、チャージ後4〜5分したのち熱
画像をもとにMAの数に合せて円周方向に等分割し、周
辺部の温度の加重平均値をもとにMAの位置に対応した
データ(図4の(b))を作り、円周方向のガス流を判
断している。例えば図4の(b)は北側のガス流が強い
ことを示している。ここで、
【0031】
【数7】ΔXi=Xi−X Xi:MAの位置に対応した装入物表面温度の平均値 X:装入物表面温度の平均値 であり、XはXiの平均として計算する。
【0032】(2−2−2)固定ソンデ温度(図5) 固定ゾンデの設置状況を図5の(a)に、その測定デー
タを図5の(b)にそれぞれ示す。固定ゾンデは高炉シ
ャフト上部の炉壁部に円周方向に複数個(時には更に上
下方向に数段)設置されていて、装入物内部のガス温度
と成分を測定している。このため、1円周方向の分布を
考慮して測定位置とMAの位置との関係から、一次回帰
式などによりMAの位置に対応したデータに変換すれば
MAの位置に対応したガス流の判断に利用できる。例え
ば図5の(b)は北側のガス流が強いことを示してい
る。ここで、
【0033】
【数8】 であり、XはXiの平均として計算する。なお、固定ゾ
ンデの測定データはガス成分の分析に利用することも可
能であり、この値を使用すれば温度データと同じ様に局
所流の判定に使用できる。
【0034】(2−2−3)その他 シャフトは炉壁部円周方向と上下方向に複数設置されて
いて、炉壁レンガ内の温度を連続的に測定している。こ
のため、固定ゾンデ温度と同じ様に局所流の判定に利用
できる。しかし、直接ガス温度を測定しているわけでは
ないので固定ゾンデより情報の精度は良くない。
【0035】(2−3)局所流の推移傾向の判定 ガス流の推移傾向は、ガス流強度の判定に用いたセンサ
情報の時系列的推移がそのまま利用できる。例えば炉口
テレビで計測される装入物表面温度や固定ゾンデ温度で
特定の点の温度が上昇傾向にある時は、局所流が成長し
ていることを示している。図6に固定ゾンデ温度による
ガス流の推移傾向の判断例を示している。この図から北
側でガス流が成長してきていることが分る。
【0036】(3)局所流の強度と推移傾向の合成 センサデータは設置状況、操業状況(装入待、減風な
ど)より大きく変化する。また、炉口テレビや固定ゾン
デ温度などはほぼ同じ傾向を示すが測定の精度に違いが
ある。このため、ガス流を最終的に判断する時は、これ
らの要素を旨く考慮してシステム化する必要がある。こ
こでは以下のようにして精度の良い装置を実現してい
る。
【0037】(3−1)合成方法 表2は合成に使うセンサデータを示す。表2でO印は大
きい(Qは小さい)ほど強度や推移傾向が強いことを意
味している。合成は先ずセンサデータを図7に示すよう
に一次回帰してMAの位置に対応したデータに変換して
から次式で合成する。
【0038】
【表2】
【0039】
【数9】
【0040】(3−2)合成結果の基準化 本装置ではできるたけオペレータの操業経験に近付けて
制御を行うため、(3−1)の項での合成値を1〜5の
レベルに基準化することにした。図8図の(a)に基準
化例を示す。本装置では操業経験をもとに判断基準値k
1,k2,k3,k4を決めて1〜5の5段階の判断を
している。図8図の(a)で数値は以下の状態を示す。 1:非常に弱い、2:弱い、3:ちょうど良い、4:強
い、5:非常に強い なお、操業経験をもとに作成した図8の(b)に示す様
な関数で表現して判断すれば、よりきめ細かく判断でき
ることは自明であるが、ここではオペレータに近い判断
方法を採用している。
【0041】(3−4)MAパターンの変更量の推論 例えばベル式高炉の原料装入方法は、1回の大ベル開閉
動作であるバッチの1サイクルであるチャージで管理し
ている。このチャージ装入における各バッチのストロー
クをパターンと呼んでおり、例えば図10のパターンN
o.1においては、1チャージは5バッチからなり、各バ
ッチは、 C装入/150mm ,C装入/900mm ,O装入/560mm ,O
装入/1000mm,O装入/880mm となっている。このMAパターンの変更量は操業経験や
モデル実験をもとに決定したMAアクション決定マトリ
ックス(図9)を使って推論する。例えばあるMAに対
応した点のガス流の強度が「2」であり、しかも推移傾
向の強度も「2」であったとすると、MAアクション決
定マトリックスの値は「+2」となる。これは現在のM
Aパターンより2つだけ中心流指向のMAパターンNo
を選択することを意味している。ここでも図8図の
(b)に示した関数で判断した結果を四捨五入してMA
パターンNoの変更量を決めればよりきめ細かく制御で
きることは自明である。なお、本装置では装入物分布に
関するモデル実験で得られた結果を、図10に示すよう
に、MAパターンとして周辺流から中心流に向かって登
録している。このパターンはMAの位置に対応したガス
流の制御にも利用できる。
【0042】(4)MAアクション量診断 図10のMAパターンNoを変更した場合には、その部
分のガス流は装入物の降下とともに徐々に変化する。そ
して、MAパターンNoの変更の影響が行き渡るまでに
は通常約12時間かかる。このため実操業でMAの位置
に対応したガス流を判断するにはMAの操作履歴を加味
する必要がある。また、出銑作業時は数時間減風を行う
ため送風力などが一時的に大きく変化してガス流も乱れ
る。これらの一過性の要因に伴う要素を除去する必要が
ある。本装置ではこれらの要素を以下のように加味して
いる。
【0043】(4−1)MA操作履歴 図11にMAの操作履歴を加味たMAアクションの補正
例を示す。横軸は時刻、縦軸はMAパターンNoの変更
量である。例えばMAパターン変更量の推論(3−4)
の項でMAパターン変更量として+2の指示が10時間
続き(図11の(a))、時刻0の時にMAパターンN
oを+2だけ変更したとする(図11の(c))。する
とその効果は装入物の降下とともに徐々にガス流に現れ
てくる(図11の(b))。実操業ではこの点を加味
し、MAパターンNoを+2変更した効果が+1だけ現
れる時間(約6時間後)を想定して、6時間後に改めて
MAパターンNoを+1だけ変更する。なお、ここでも
MAパターンNoの変更量に曖味さを持たせれば、図1
1の(b)で求めた値を使えばもう少しきめ細かく制御
できるが、オペレータの操業に近付けるため本装置の様
にした。
【0044】(4−2)送風圧力など一過性の要因 出銑作業時は数分間減風を行うため送風圧力などが一時
的に大きく変化する。このため同じ方向にMAパターン
Noの変更指示が2回以上連続した時に初めた実アクシ
ョンを取るようにして、減風に伴う一過性要因を除去し
ている。また、残銑量が多い時はガス流が乱れる。この
ため残量を図12に示すようなメンバーシップ関数で表
現して、アクション量にその値を掛けて補正している。
【0045】(4−3)MAアクションの実施 上記(4−2)項の結果は表示装置(CRT)と警報装
置でオペレータに通知されると共に、制御モードが自動
の時は、その信号がMA制御装置(PLC)に送信され
個々のMAストロークを自動的に制御して円周方向の装
入物分布制御に繁げていてる。また、手動モードの時は
オペレータが表示を見てMA制御装置のストロークの設
定変更を行い、円周方向の装入物分布制御に繁げてい
る。
【0046】(5)操業実績 図13に本装置による制御を開始してからの操業指数の
推移を示す。本装置による制御の実現により円周方向の
ガス流分布が適性になり、徐々に操業面での効果も拡大
していることが分かる。
【0047】
【発明の効果】以上のようにこの発明は、操業技術の高
位標準化と伝承、操業の自動化を目的に円周方向の装入
物分布制御に関する高度な操業知識をシステム化したも
のであり、以下の効果が得られている。 (1)操業技術の高位標準化、伝承 (2)オペレータの作業負荷低減、操業の自動化 (3)センサ情報の高度加工によるガス流判断の適正化
(高精度化) (4)リアルタイムな監視、制御の実現 (5)(上記(1)〜(4)の結果として)従来のオペ
レータ制御より決め細い制御の実現 (6)(上記(1)〜(4)の結果として)図13に示
す操業効果の確認
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る装置のブロック図で
ある。
【図2】指数平滑定数の決定方法を示す図であり、
(a)は装入待時間、(b)は減風時間、(c)はMA
アクション回数である。
【図3】ガス流強度の判定例を示す図である。
【図4】炉口テレビの測定データと加工例を示す図であ
る。
【図5】固定ゾンデの設置状況と測定データ例を示す図
である。
【図6】ガス流の推移傾向の判定例を示す図である。
【図7】センサデータをMAの位置に対応したデータに
変換する例を示す図である。
【図8】合成結果の基準化例を示す図である。
【図9】MAパターンNoの変更量の推論例を示す図で
ある。
【図10】MAパターンNo登録状況を示す図である。
【図11】MAの操作履歴を加味した補正例を示す図で
ある。
【図12】残銑量の補正関数例を示す図である。
【図13】操業実績を示す図である。
【図14】装入物の分布制御及び炉口状況を示す図であ
る。
【図15】MAの設置状況を示した図である。
【符号の説明】 10 高炉 20 プロセスコンピュータ 30 知識処理コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹腰 篤尚 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 桜井 雅昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 松原 真一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操業経験及びモデル実験により得られた
    高炉操業に関する各種の知識が登録される知識ベース
    と、 高炉に設置された各種センサからデータを所定の周期で
    取込む手段と、 取込まれたデータに含まれるノイズを除去する手段と、 前記知識ベース及びノイズが除去されたデータに基づい
    てセンサ別に円周方向に沿って配置された複数のムーバ
    ブルアーマ(以下MAと称す)の位置に対応したガス流
    の強度及び推移傾向をそれぞれ推論する推論手段と、 前記高炉操業における操業情報、及び出銑情報が随時取
    り込まれて保存される操業ファイルと、 前記推論結果を、前記操業ファイルに保存された情報及
    び前記知識ベースに基づいてMAの位置に対応したガス
    流の強度及び推移傾向として合成する合成手段と、 ガス流の強度及び推移傾向がそれぞれ複数の段階に分け
    られ、ガス流の強度と推移傾向とによるマトリックスが
    形成され、そのマトリックスの成分として、そのガス流
    の強度及び推移傾向に対応するMAの変更操作量が格納
    されたMAアクション決定マトリックスが記憶される記
    憶手段と、 前記合成手段による合成結果を前記MAアクション決定
    マトリックスに当てはめて、個々のMAの変更操作量を
    決定する手段と、 前記MAの変更操作量に基づいて駆動量を求めその駆動
    量をMAの駆動制御装置に送信してMAを制御させる手
    段とを有する高炉装入物分布制御装置。
  2. 【請求項2】 前記操業ファイルには、MAの操作履歴
    及びその操作履歴に伴う操業情報が保存され、そして、
    前記操業情報に基づいて前記MAの駆動量を補正する補
    正手段を、更に有する請求項1記載の高炉装入物分布制
    御装置。
  3. 【請求項3】 補正後の前記MAの駆動量を映像又は音
    声により出力する教示手段を、更に有する請求項2記載
    の高炉装入物分布制御装置。
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