JP2518654B2 - 熱交換媒体材及びその製造法 - Google Patents

熱交換媒体材及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車の熱交換器や家電用冷熱機器
に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金製のフ
ィンといったような熱交換媒体材及びその製造法に関す
るものである。
【従来技術とその問題点】
アルミニウム又はアルミニウム合金(以下単にアルミ
ニウム合金という)製の熱交換媒体材は、通常、表面に
有機質、無機質、又はこれらの複合系の水濡れ性の良い
皮膜が形成されている。そして、この熱交換媒体用フィ
ン材はプレス成形されてフィンに形成される。その後プ
レス加工工程でフィン表面等に付着したプレス油等の潤
滑油を、有機溶剤もしくは中性又は弱アルカリ性洗剤水
溶液で脱脂するといった工程を経て熱交換器に組み込ま
れている。 このような熱交換器においては、近年、熱交換効率の
向上及び小型化の為に、熱交換器のフィンピッチは縮小
する傾向にあり、このような場合エバポレータにおいて
は、大気中の水分のフィンへの凝縮によって、通風抵抗
や乾湿比の増大、騒音の発生、凝縮水の室内への吹き出
し等が生じ、又、冬期においては室外における除霜エネ
ルギーの増大が生ずる為、フィン表面の水濡れ性及び耐
油汚染性の良いことが極めて重要となってきている。 そこで、本発明者は、既にこれらの問題点を解決する
方法として種々の技術(例えば、特公昭60−1558号公
報)を提案している。 すなわち、アルミニウム合金薄板(通常0.05〜0.2mm
の板厚のもの)表面を次亜塩素酸ナトリウム等により処
理して該表面に水和酸化皮膜を形成した後で、例えばア
ルカリケイ酸塩(水ガラス)等による浸漬処理によって
該皮膜上にケイ素化合物を介在させることにより、成形
性、水濡れ性、耐食性等の優れた熱交換媒体材が工業的
に大量生産されている。 しかしながら、これらの熱交換媒体材でも、実際に熱
交換器として組み立てられて使用に供されてみると、問
題がない訳ではなく、例えばそれらの問題の一つとし
て、熱交換器使用雰囲気中の汚染物質等が吸着しやすい
状態のところでは、いわゆる「セメント臭」、「カビ
臭」等という様に表現されている極めて微弱な異臭を生
ずるといった問題及び厳しい腐食環境におけるフィンの
耐孔食性の劣化といった問題が指摘されだしている。
【発明の開示】
本発明者は、前記の問題点に対する研究を鋭意押し進
めていった結果、ケイ素換算で約0.01〜0.04g/m2のケイ
素化合物及びリン換算で約0.005〜0.03g/m2のリン系化
合物を介在させた約0.4〜0.6g/m2厚の水和酸化皮膜が表
面に設けられたアルミニウム合金材の表面に、約0.1〜
0.8g/m2厚の親水性樹脂塗膜を設けてなる熱交換媒体材
は、いわゆる「カビ臭」といった異臭はなく、かつ、水
濡れ性及び水濡れの耐久性(持続性)が優れており、さ
らには耐白錆性及び耐孔食性に優れており、しかもプレ
ス加工性にも優れていることを見出し、本発明を完成し
たのである。 尚、アルミニウム合金表面に形成される水和酸化皮膜
は、中性又は塩基性の水溶液で処理することによって形
成されるものが望ましく、例えば沸騰純水中に浸漬する
ことによって形成されるベーマイト系皮膜、トリエタノ
ールアミン、アンモニア又は苛性ソーダ等各種の塩基性
物質によって例えばpH9〜12に調整した純水系溶液で処
理したベーマイト系皮膜等が挙げられる。 又、上記のような水和酸化皮膜形成の為の溶液中に、
例えば次亜ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸
塩、ペルオクソホウ酸塩等の酸化剤が添加されている
と、プレス加工性が一層向上したものが得られる。 そして、極めて大事なことは、この水和酸化皮膜の厚
さを約0.4〜0.6g/m2のものにしておくことである。 すなわち、水和酸化皮膜の厚みが薄すぎると、水和酸
化皮膜及びこの水和酸化皮膜上に設けられた塗膜の密着
性が弱くなり、例えばフィンへのプレス加工後に塗膜が
剥離しやすくなり、実用上用いられないものであり、逆
に、水和酸化皮膜の厚みが厚くなりすぎると、フィンへ
のプレス加工後に水和酸化皮膜表面にクラックが認めら
れるようになったり、又、水和酸化皮膜表面に設けられ
た塗膜が剥離しやすくなり、耐食性が低下するに至り、
しかも「カビ臭」が感じられるようになったからであ
る。 又、上記したような水和酸化皮膜にはケイ素換算で約
0.01〜0.4g/m2のケイ素化合物が介在させられるのであ
るが、これは、例えば水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケ
イ酸カリウム、シリカゾル等の水溶液又は懸濁液といっ
たケイ酸塩含有溶液を水和酸化皮膜が形成されたアルミ
ニウム合金表面に吹き付けたりあるいは浸漬といった適
宜な手段で処理することで実施できる。 尚、用いるケイ酸塩含有溶液中のケイ酸塩濃度は、例
えば約0.5〜10%程度、より好ましくは約0.5〜5%とす
ることが望ましい。 そして、このケイ酸塩含有溶液による処理で大事なこ
とは、水和酸化皮膜に介在させるケイ素化合物の量を、
ケイ素換算で約0.01〜0.04g/m2とすることである。 すなわち、水和酸化皮膜に介在させるケイ素化合物の
量が少なすぎると、プレス加工後に厳しい環境条件下に
おかれた場合には、水和酸化皮膜上に設けられた塗膜が
剥離しやすくなり、耐食性が悪くなり、又、水濡れの持
続性も悪くなる傾向にあり、逆に、ケイ素化合物の量を
多くしすぎると、水濡れの持続性の点では問題ないもの
の、「カビ臭」が感じられ出し、かつ、プレス加工後に
厳しい環境条件下におかれた場合には水和酸化皮膜上に
設けられた塗膜が剥離しやすくなり、さらには耐食性も
悪くなる傾向があったからである。 又、上記したような水和酸化皮膜にはリン換算で約0.
005〜0.03g/m2のリン系化合物が介在させられるのであ
るが、これはリン系化合物を含有する水溶液で処理し、
乾燥することで容易に実施できる。 例えば、濃度が50ppm以上となるよう、望ましくは約
1〜20%となるようリン系化合物を脱イオン水、上水又
は工業用水等の水に溶かし、かつpH2〜12、望ましくはp
H6〜8に調整されたリン系化合物の水溶液を用いて、温
度10〜100℃で、1秒〜10分間、望ましくは5〜20秒間
浸漬、塗布又はシャワー手段等を講じることで容易に形
成できる。尚、この水溶液のpH調整は、リン系化合物の
pHを考慮して、適宜リン酸、クエン酸、酢酸、NaOH、KO
H、Ca(OH)、トリエタノールアミン、アンモニア等
を用いて行なえば良い。 そして、上記リン系化合物を含む溶液で処理すること
によって水和酸化皮膜系の皮膜上に介在させるリン系化
合物は、耐食性及び塗膜密着性の観点から、リン換算し
て約0.005〜0.03g/m2であることが望ましかった。すな
わち、0.03g/m2以上では塗膜密着性が劣化し、プレス加
工時に塗膜が剥離する。又、逆に、0.005g/m2以下では
実使用後のフィンの耐食性が劣る。 尚、リン系化合物としては、例えば次亜リン酸塩、オ
ルト亜リン酸塩、ピロリン酸塩、メタ亜リン酸塩、次リ
ン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、トリポリリン
酸塩、テトラポリリン酸塩、ピロリン酸塩等の無機リン
酸塩等の水溶性塩を1種又は2種以上用いることができ
る。 そして、リン系化合物溶液による処理に際しては、こ
の溶液中に例えば0.1〜2%といったように少量の界面
活性剤を加えたもので処理すると一層好ましくなる。す
なわち、水和酸化皮膜に介在させられるものがリン系化
合物だけでなく、界面活性剤も介在させられていると、
リン系化合物の水和酸化皮膜への付着性が改良されてよ
り一層望ましくなることが判明した。 そして、上記したようなケイ素化合物及びリン系化合
物が介在させられた水和酸化皮膜上に親水性樹脂塗膜が
設けられるのであるが、この親水性樹脂塗膜はその厚み
が約0.1〜0.8g/m2としておくことが大事である。 すなわち、この塗膜の厚みが薄すぎると、水濡れの持
続性やプレス加工性に問題はないものの、「カビ臭」が
明瞭に感じられ、又、耐食性も低下する傾向にあり、逆
に、塗膜の厚みが厚すぎると、「カビ臭」や耐食性の問
題はなくなるものの、水濡れの持続性が悪くなるからで
ある。 尚、親水性樹脂塗膜は、アクリル酸エステル系、アル
キッド系、アクリルアルキッド系、アクリル変性セルロ
ース系、セルロース系、ポリエステル系、エポキシ系、
ポリアミノ系、ポリアミド系等の各種親水性樹脂を1〜
20Wt%、好ましくは2〜10Wt%含む水溶液若しくは水分
散系溶液の塗料を塗布することで構成できる。 そして、このような親水性樹脂を含む塗料中に約0.1
〜5%程度の界面活性剤を含有させておくと、水和酸化
皮膜と親水性塗膜との密着性が向上し、又、水濡れ性及
び水濡れの持続性が向上するようになることから好まし
い。 又、本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金の
冷間圧延材を中性若しくは塩基性水溶液で処理して表面
に約0.4〜0.6g/m2厚の水和酸化皮膜を形成する水和酸化
皮膜形成工程と、この水和酸化皮膜形成工程で形成され
た水和酸化皮膜をケイ酸塩含有溶液で処理して水和酸化
皮膜表面にケイ素換算で約0.01〜0.04g/m2のケイ素化合
物を介在させるケイ酸塩含有溶液処理工程と、前記水和
酸化皮膜形成工程で形成された水和酸化皮膜をリン系化
合物含有溶液で処理して水和酸化皮膜表面にリン換算で
約0.005〜0.03g/m2のリン系化合物を介在させるリン系
化合物含有溶液処理工程と、前記水和酸化皮膜形成工程
を経た後にこれを調質焼鈍する焼鈍工程と、この焼鈍工
程後において親水性樹脂塗料を塗布し、焼付乾燥後の厚
みが約0.1〜0.8g/m2となる塗膜を表面に設ける塗膜形成
工程と、この塗膜形成工程後これに所定の成形加工を施
す成形加工工程とを有する熱交換媒体材の製造法を提供
するものである。 尚、アルミニウム合金材の冷間圧延材とは、冷間圧延
後に実質上の焼鈍が行なわれていない状態のものを意味
し、例えば油の焼付きのない表面を有しているものであ
る。 そして、アルミニウム合金の冷間圧延材表面に水和酸
化皮膜を形成する工程の前処理として、通常、中性又は
アルカリ性の水溶液で脱脂処理されることが多いが、圧
延油の除去ができるならば上記のような前処理の内容に
限られることなく、例えば酸洗あるいは湯洗等を行なう
ようにしてもよい。 又、ケイ素化合物及びリン系化合物を介在させた水和
酸化皮膜が設けられたアルミニウム合金を調質焼鈍する
のであるが、この調質焼鈍の工程は、冷間圧延後であっ
て、かつ、水和酸化皮膜形成後としたのは、次のような
理由による。 すなわち、水和酸化皮膜形成前に調質焼鈍を行なう
と、残油成分が焼き付き、水和酸化皮膜が良好に形成さ
れにくく、塗膜密着性が低下する傾向となり、そして水
和酸化皮膜形成後に調質焼鈍してH2n材、H3n材又は0材
としても不都合な点は起きなかったからである。 尚、この調質焼鈍の処理条件としては、熱処理温度が
約200〜500℃、熱処理時間が数秒〜約20時間であり、目
的に応じて所望の熱処理条件を設定すればよいものであ
る。
【実施例1】 JIS1200、H18アルミニウム合金材を弱アルカリエッチ
ング脱脂後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaOCl濃度2
00ppm、pH10.5)中に約85℃の温度下で浸漬し、約0.6g/
m2の水和酸化皮膜を形成する。 次いで、1.5%水ガラス溶液中(pH11.4)に約60℃の
温度下で浸漬し、シャワー水洗工程を経てアルミニウム
合金材表面にケイ素換算で約0.025g/m2のケイ素化合物
を設ける。 その後、25〜30℃の条件で、12%トリポリリン酸ナト
リウム及び0.5%ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(HLB価14)水溶液を塗布し、そして150℃で10秒
間の熱風乾燥を行ない、リン換算で約0.015g/m2の無機
リン酸塩及び非イオン系界面活性剤を水ガラス処理され
た水和酸化皮膜表面に介在させる。 そして、これを260℃の大気炉中で加熱焼鈍してH26材
相当のものにする。 その後該アルミニウム合金薄板表面に、非イオン及び
アニオン系の界面活性剤を含有したポリアミド系水性塗
料(日本ペイント株式会社製、商品名NPアルコート11
2、樹脂固形分20%)を約3g/m2ロールコートにより塗布
し、230℃、60秒間加熱乾燥して、塗布量0.6g/m2の塗膜
を該アルミニウム合金薄板表面に付与した。 然る後、このプレコートフィン材をドロープレス加工
してフィンを形成した。 そして、80℃のトリクロルエチレン溶剤にて1分間脱
脂後、これを組み立てて熱交換器とした。
【実施例2】 実施例1における弱アルカリエッチング脱脂後のアル
ミニウム合金材を水洗した後、トリエタノールアミン1.
5%を含有するpH10.0の水溶液中に90℃の温度下に浸漬
してベーマイト処理を行ない、アルミニウム合金材表面
に約0.4g/m2厚の水和酸化皮膜を形成し、その後これをp
H12.8に調整した10%水ガラス溶液中に約85℃の温度下
で浸漬し、その後シャワー水洗を行ない、表面にケイ素
換算で約0.04g/m2のケイ素化合物を介在させ、その後25
〜30℃の温度下で濃度15%のトリポリリン酸ナトリウム
水溶液を塗布し、そして150℃で10秒間の熱風乾燥を行
ない、リン換算で約0.03g/m2の無機リン酸塩を水ガラス
処理された水和酸化皮膜表面に介在させる。 そして、これを260℃の大気炉中で加熱焼鈍してH26材
相当のものにする。 その後、該アルミニウム合金薄板表面に、アクリル変
性セルロース系水性塗料(日本ペイント株式会社製、商
品名NPアルコート150、樹脂固形分15%)を約8g/m2ロー
ルコートにより塗布し、230℃、62秒間加熱乾燥して、
塗布量0.3g/m2の塗膜を該アルミニウム合金薄板表面に
付与した。 然る後、このプレコートフィン材をドローレスプレス
加工してフィンを形成した。 そして、80℃のトリクロルエチレン溶剤にて1分間脱
脂後、これを組み立てて熱交換器とした。
【比較例1】 実施例1において、ポリアミド系水性塗料の乾燥後の
塗膜量が0.04g/m2とする以外は、すべて同様な工程を経
て熱交換器とした。
【比較例2】 実施例1において、ポリアミド系水性塗料の乾燥後の
塗膜量を約1.0g/m2とする以外は、すべて同様な工程を
経て熱交換器とした。
【比較例3】 実施例1において、水和酸化皮膜量を0.9g/m2とする
以外は、すべて同様な工程を経て熱交換器とした。
【比較例4】 実施例1において、水和酸化皮膜量を約0.3g/m2とす
る以外は、すべて同様な工程を経て熱交換器とした。
【比較例5】 実施例1において、水和酸化皮膜表面上にケイ素化合
物を介在させないこと以外は、すべて同様な工程を経て
熱交換器とした。
【比較例6】 実施例1において、水和酸化皮膜表面上のケイ素化合
物をケイ素換算で約0.05g/m2とする以外は、すべて同様
な工程を経て熱交換器とした。
【特性】
上記のようにして得られた各例の熱交換器について、
初期水濡れ性(風速1m/see、30℃、60%RH中での通風抵
抗乾湿比)、水濡れ持続性(流水中に500時間浸漬後の
フィン表面の水濡れ性)、いわゆる「カビ臭」等の異臭
の有無、耐食性(JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験に
おいて、1000時間後の孔食発生の有無)及びフィンへの
プレス加工性(フィン材をプレス加工した後のフィン表
面の水和酸化皮膜及び塗膜の状態)を調べたので、その
結果を表に示す。 これによれば、実施例のものにあっては、乾湿比がい
ずれも1〜1.2の範囲内の値を示していることから、水
濡れ性及び水濡れ持続性に優れており、熱交換効率は優
秀であることが窺える。 又、いわゆる「カビ臭」といった異臭も認められな
い。このことは家庭に用いられているクーラー等にあっ
ては、これがカビ発生源となりにくいことを意味し、健
康に悪影響を及ぼさないようになる。特に、湿気が逃げ
にくい鉄筋コンクリート製の家庭が増えている今日にあ
っては、カビをアレルゲンとする喘息患者が増えている
が、このようなカビが発生しにくいことは極めて有意義
なことである。 又、耐食性及びプレス加工性においても極めて優れて
いる。 これに対して、水和酸化皮膜上に設けた塗膜が約0.04
g/m2といったように薄すぎる場合には、比較例1で示さ
れるように、水濡れ性やプレス加工性は良好なるも、
「カビ臭」が認められたり、又、耐食性にも劣る等の欠
点がある。 又、逆に、水和酸化皮膜上に設けた塗膜が1g/m2とい
ったように厚すぎる場合には、比較例2で示されるよう
に、「カビ臭」は認められず、かつ、耐食性は良いもの
の、乾湿比が1.35といったように大きく、水濡れ持続性
は悪い欠点がある。 すなわち、比較例1,2と本実施例とを比べると、比較
例のものでは、水濡れ持続性を良くした場合には「カビ
臭」が認められ、「カビ臭」を除去するようにした場合
には水濡れ持続性が悪くなるといったようにどちらかの
欠点が現出しているのに対し、本実施例のものでは、い
ずれの特性も良くなっている。 又、水和酸化皮膜の厚みを約0.9g/m2といったように
厚くした場合には、比較例3で示されるように、水濡れ
性は良くなるものの、「カビ臭」が感じられ出し、か
つ、耐食性も低下し、さらにはプレス加工性も悪くな
る。 又、逆に、水和酸化皮膜の厚みを約0.3g/m2といった
ように薄くしすぎると、この場合にはプレス加工によっ
てアルミニウム合金表面に設けた水和酸化皮膜や塗膜が
剥離してしまい、実用上用いられなくなる。 すなわち、比較例3,4と本実施例とを比べると、比較
例3のものでは、水濡れ性が良くても、「カビ臭」が感
じられ出しており、比較例1の場合と同様に欠点は解決
されていないのに対し、本実施例のものではいずれの特
性も良いのである。 又、水和酸化皮膜表面にケイ素化合物を介在させなか
った場合には、比較例5で示されるように、「カビ臭」
は認められないものの、水濡れ持続性が悪く、かつ耐食
性並びにプレス加工性も良くない。 又、逆に、水和酸化皮膜表面にケイ素化合物を介在さ
せる量が多くなりすぎると、比較例6で示されるよう
に、水濡れ性は良くなるものの、「カビ臭」が感じられ
出すといった欠点がある。 すなわち、この場合にあっても、比較例1,2の場合と
同様水濡れ性を良くした場合には「カビ臭」が認めら
れ、逆に「カビ臭」を除去するようにした場合には水濡
れ性が悪くなるといったようにどちらかの欠点が現出す
るのに対し、本実施例のものではいずれの特性も良い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ素換算で約0.01〜0.04g/m2のケイ素化
    合物及びリン換算で約0.005〜0.03g/m2のリン系化合物
    を介在させた約0.4〜0.6g/m2厚の水和酸化皮膜が表面に
    設けられたアルミニウム又はアルミニウム合金材の表面
    に、約0.1〜0.8g/m2厚の親水性樹脂塗膜を設けてなるこ
    とを特徴とする熱交換媒体材。
  2. 【請求項2】アルミニウム又はアルミニウム合金の冷間
    圧延材を中性若しくは塩基性水溶液で処理して表面に約
    0.4〜0.6g/m2厚の水和酸化皮膜を形成する水和酸化皮膜
    形成工程と、この水和酸化皮膜形成工程で形成された水
    和酸化皮膜をケイ酸塩含有溶液で処理して水和酸化皮膜
    表面にケイ素換算で約0.01〜0.04g/m2のケイ素化合物を
    介在させるケイ酸塩含有溶液処理工程と、前記水和酸化
    皮膜形成工程で形成された水和酸化皮膜をリン系化合物
    含有溶液で処理して水和酸化皮膜表面にリン換算で約0.
    005〜0.03g/m2のリン系化合物を介在させるリン系化合
    物含有溶液処理工程と、前記水和酸化皮膜形成工程を経
    た後にこれを調質焼鈍する焼鈍工程と、この焼鈍工程後
    において親水性樹脂塗料を塗布し、焼付乾燥後の厚みが
    約0.1〜0.8g/m2となる塗膜を表面に設ける塗膜形成工程
    と、この塗膜形成工程後これに所定の成形加工を施す成
    形加工工程とを有することを特徴とする熱交換媒体材の
    製造法。
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