JP2518128B2 - 金属缶内面被膜の欠陥検査装置 - Google Patents

金属缶内面被膜の欠陥検査装置

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JP2518128B2
JP2518128B2 JP4250491A JP25049192A JP2518128B2 JP 2518128 B2 JP2518128 B2 JP 2518128B2 JP 4250491 A JP4250491 A JP 4250491A JP 25049192 A JP25049192 A JP 25049192A JP 2518128 B2 JP2518128 B2 JP 2518128B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、ビール缶、炭酸飲料
缶、コーヒー飲料缶等の缶詰等に用いられる、内面にプ
ラスチックフィルム膜や塗膜等の有機被膜層を有するシ
ームレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 実開平2−59109号公報(実願平
1−55451号)に係る明細書には、両面に有機被膜
層を形成された、例えば缶内面となるべき面に厚さ30
μmのポリエチレンテレフタートフィルム、缶外面とな
るべき面に厚さ20μmのポリエチレンテレフタートフ
ィルムを貼着された金属板、例えばティンフリースチー
ル(厚さは例えば0.13mm)のブランクから絞り加
工−再絞り加工−底部ドーミング加工−ネックイン,フ
ランジ加工により形成された、内外面に有機被膜層が被
覆されたシームレス金属缶が記載されている。
【0003】 このタイプのシームレス金属缶の内面有
機被膜層は、上記各加工工程において、傷付きや局部的
な剥離部等の欠陥を生ずることがある。欠陥は特にネッ
クイン部や底部の環状突出部の内面有機被膜層に生じ易
い。これらの欠陥は内容物による金属の腐蝕のため、金
属イオンの内容物中への溶出や、金属層の穿孔等を招く
ので好ましくない。
【0004】 この内面有機被膜層の欠陥検査法とし
て、従来より主としてエナメルレータ(Enamel
Rater)法が採用されている(例えば「包装技術便
覧」、第1845頁、昭和58年7月20日、日刊工業
新聞社)。これは有機被膜層を有する金属板側が正極と
なるようにして、電解液(例えば1%NaCl水溶液)
中に浸漬した電極(負極)との間に一定電圧(通常6ボ
ルト)を印可して、流れる電解電流を測定する方法であ
って、この電解電流は金属露出面積にほぼ比例するとい
われる。
【0005】 このエナメルレータ法は、被検査体が電
解液によって汚染されるため、検査値が正常なものであ
っても、その後の生産工程に流すことが困難であり、ま
た被検査体の試験装置への取付けにも、電解液の漏れ防
止などのため時間と手間を要するという問題がある。そ
のためエナメルレータ法は、従来抜取り検査用としか採
用されていなかった。従って製品中に、欠陥製品が混入
するおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、自動的に
高速で全数検査を行なうことが可能な、シームレス金属
缶の内面有機被膜層の欠陥検査装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の、少なくとも
内面が有機被膜層で被覆されたシームレス金属缶の内面
有機被膜層の欠陥検査装置は、導電性ブラシの保持体が
固着されるスピンドルを複数個、周縁部に沿い軸着され
たターレット盤;ターレット盤を軸支するフレームに固
着され、スピンドルに着設されたギヤと歯合し、ターレ
ット盤の回転に伴いスピンドルを自転する太陽歯車;シ
ームレス金属缶を導電性ブラシに外挿する手段;導電性
ブラシが挿入されたシームレス金属缶の開口部端面に接
触可能な電極片;導電性ブラシと電極片間に高圧直流電
圧を印可する直流電源;少なくともシームレス金属缶が
導電性ブラシに外挿される期問および導電性ブラシより
離脱する期間、導電性ブラシを収縮し、少なくとも導電
性ブラシと電極片間に高圧直流電圧が印可されている期
間、導電性ブラシを拡張する手段;および有機被膜層に
欠陥があるとき、印可される高圧直流電圧に基づく放電
により発生するパルス波を検出する電気回路を備えるこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】 本発明の装置は、導電性ブラシの保持体が固
着されるスピンドルを複数個、周縁部に沿い軸着された
ターレット盤、およびターレット盤を軸支するフレーム
に固着され、スピンドルに着設されたギヤと歯合し、タ
ーレット盤の回転に伴いスピンドルを自転する太陽歯車
を備えているので、スピンドルの公転に伴い、スピンド
ルを自動的に自転させることができる。また金属缶を導
電性ブラシに外挿する手段、および少なくとも金属缶が
導電性ブラシに外挿される期間および導電性ブラシより
離脱する期間、導電性ブラシを収縮する手段を備えてい
るので、金属缶がネックイン缶の場合であっても、導電
性ブラシを自動的に、容易に金属缶に挿入することがで
きる。
【0009】 導電性ブラシが挿入された金属缶の開口
部端面に接触可能な電極片、導電性ブラシと電極片間に
高圧直流電圧を印可する直流電源、少なくとも導電性ブ
ラシと電極片間に高圧直流電圧が印可されている期間、
導電性ブラシを拡張する手段、および有機被膜層に欠陥
があるとき、印可される高圧直流電圧に基づく放電によ
り発生するパルス波を検出する電気回路を備えているの
で、この電気回路により内面有機被膜層の傷付き又は局
部的な剥離等の欠陥を自動的に検出することができる。
電気回路による検出時間は極く短いので、ターレット盤
に配設されるスピンドルの数を多くし、かつターレット
盤の回転数を大きくすることによって、高速で全数検査
を行なうことができる。
【0010】
【実施例】 図1において、1a,1bは導電性ブラシ
保持体であり、2は自転および軸方向の往復動が可能の
金属スピンドルである。導電性ブラシ保持体1aおよび
1bはそれぞれ、スライド5aおよび5bに固着されて
いる。スライド5a,5bは、スピンドル2を包囲する
スリーブ15(図6)の先端部に固着された、軸方向定
位置の筒体3に横架されるピン4a,4bに沿い摺動可
能に着設されている(図5)。
【0011】 スピンドル2の前端に、比較的薄肉の先
端部7a、および比較的厚肉の基部7bを有する突片7
が固着されている。スライド5aおよび5bの後側にそ
れぞれ、ロール6aおよび6bが着設されている。ロー
ル6aは突片7の上部に、ロール6bは突片7の下部に
位置するように配設されている。
【0012】 スピンドル2が前進位置にあるとき、図
7に示すように、基部7bがロール6a,6bの間に入
って、ロール6aとロール6bの間隙幅が大きくなり、
従ってスライド5aおよび5bの間隔が小さくなり、導
電性ブラシ10が収縮する。スピンドル2が後退位置あ
るとき、図1に示すように、先端部7aがロール6a,
6bの間に入り、ロール6aとロール6bの間隙幅が小
さくなり(図2)、スプリング8(図5)の作用によっ
て、スライド5aおよび5bがそれぞれ係止ピン9aお
よび9bに当接するまで、両者の間隔が大きくなり、導
電性ブラシ10が拡張する。
【0013】 導電性ブラシ保持体1aおよび1bには
それぞれ、金属缶11の胴部掃引用の導電性ブラシ片1
0aおよび10bが、互いに対向して軸方向および半径
方向に延びるように固着されている(図1,図3)。導
電性ブラシ保持体1aにはさらに、金属缶11の底部掃
引用の導電性ブラシ片10cが固着されている。各ブラ
シ片10a,10bおよび10cによって、導電性ブラ
シ10が構成される。
【0014】 各ブラシ片10a,10b,10cはナ
イロン繊維(直径が例えば0.15mmの)にナイロン
・カーボン複合剤被膜を複合した導電性短繊維よりなる
多数の、比較的軟らかいブラシ素糸12と、ブラシ素糸
12の内側端部をかしめ止めする断面u字形状の金属板
片よりなる保持具13よりなっている(図1,図4)。
ブラシ素糸12は、例えば約3mmの厚さに保持具13
に緻密に植毛されている。ブラシ素子12の長さは、導
電性ブラシ片10a,10bおよび10cがそれぞれ、
導電性ブラシ10が拡張し、かつ回転した状態で、金属
缶11の胴部11bの全内面(フランジ部を除く)およ
び底部全内面に接触して(図1,図4)、その先端部が
僅かに折れ曲がる程度に定められている。図1の胴部下
端部11bの接地部近傍内面において、実線は導電性
ブラシ10が停止している時の状態を、点線は導電性ブ
ラシ10が回転している時のブラシ10の状態の変化を
示す。なお図1,図7において、ブラシ素糸12は一部
のみを記載した。
【0015】 金属缶11は、ティンフリースチール
(厚さは例えば0.13mm)等の金属板の内外面に、
例えば厚さ約20〜30μmのポリエチレンテレフター
トフィルム等の有機被膜層を形成されてなるブランクか
ら、絞り加工−再絞り加工−底部ドーミング加工−胴部
外面印刷,乾燥−ネックイン,フランジ加工により形成
されたものであり、フランジ部の端面11a(図1)に
金属が露出している以外は、全面が原則的に電気絶縁性
の有機被膜層で被覆されている。
【0016】 図6に示すようにスピンドル2は、LM
ボール軸受16およびブッシング17を介してスリーブ
15を挿通しており、スリーブ15に対して、軸方向の
移動は可能であるが、回転は不可能になっている。スリ
ーブ15は、球軸受18を介して主軸20(図11参
照)に固着された第1のターレット盤19の周縁部に沿
い設けられた複数個(例えば18個)のポケット19a
に着設されている。主軸20は、図示されない駆動装置
によって所定速度で回転される。球軸受18とターレッ
ト盤19の主部は、電気絶縁体例えばMCナイロンより
なる薄肉円筒体19bによって電気絶縁されている。ス
ピンドル2の後方部には、歯部21aが電気絶縁体、例
えばMCナイロンよりなるギヤ21が着設されており、
ギヤ21はフレーム23(図11参照)に固着された太
陽歯車22に歯合している。従ってターレット盤19の
回転(回転速度は例えば83r.p.m.)に伴いスピ
ンドル2は公転と同時に自転するようになっている。従
って導電性ブラシ10は、常時自転している(例えば6
00r.p.m.で)。
【0017】 スピンドル2の後端に、Mcナイロン・
スリーブ24aにより電気絶縁された球軸受24を介し
て、カム従導子25が着設されている。カム従導子25
は、フレーム23に設けられた周カム溝26に係合して
いる。周カム溝26のプロフィルは、ターレット盤19
の回転に伴い、スピンドル2が所定のタイミングで軸方
向に往復動するようになっている。
【0018】 スリーブ15の前方部に、スリップリン
グ25、およびスリップリング25に接触するブラシ2
6が着設されている(図6)。導電性ブラシ10は、導
電性ブラシ保持体1a,1b、スライド5a,5b、ピ
ン4a,4b、筒体3、スリーブ15、スリップリング
25、ブラシ26および主軸20内の導孔(図示されな
い)を通る導線27、ならびに主軸20の後端部に着設
されたスリップリングおよびブラシ(何れも図示されな
い)を介して高圧直流電源61(図12;電圧は例えば
800〜1000ボルト)の負極に接続する。
【0019】 導電性ブラシ保持体1a,1bの基部近
傍を包囲してリング状体28が主軸20に固着された第
2のターレット盤29に着設されている(図1,図
8)。リング状体28の前面板28aの内径、すなわち
内面28a1の直径は、金属缶11の胴部11bが緩挿
される程度の大きさに定められている。
【0020】 前面板28aと後面板28bの間に、円
周方向に等間隔に複数個(図8では3個)の電極片30
(例えば不銹鋼よりなる)が、ピン31の周りに揺動可
能に設けられている。電極片30の前面側内面30a
は、前面に向って開いた円錐台形をしており、後面側内
面30bは短円筒形である。電極片30の後面に突部3
0cが形成されており、突部30cは、金属缶11が挿
入されていない時は、後面板28bの内面に形成された
凹部28b1の底面とスプリング32による押圧下に係
合している。この状態における後面側内面30bの内径
は、金属缶11のフランジ部端面11aの直径より僅か
に小さく定められている。電極片30は、リング状体2
8,端子33、および前記の主軸20内の導孔を通り、
主軸20の後端部に着設されたスリップリング(図示さ
れない)に接続する導線34を介して、高圧直流電源6
1のアースされた正極に接続する(図12)。
【0021】 図9,図10に示す缶保持具35は、金
属缶11の底部11cを真空吸着によって保持する底部
保持体36および胴部11bを保持する胴部保持体37
を備えている。底部保持体36には、真空吸引孔38が
形成されており、真空吸引孔38は真空パイプ39,タ
ーレット盤29および主軸20内の導孔および真空弁装
置(何れも図示されない)を経て真空源(図示されな
い)に接続する。真空弁装置は、主軸20の前端面と接
触する摺動面を有し、フレーム23に固着されており、
所定のタイミングで真空を開閉するように構成されてい
る。
【0022】 底部保持体36および胴部保持体37
は、共通の基板40に固着されており、基板40の下部
には2個の摺動部材41が、上部には駆動具43が固着
されている。駆動具43の右端(図9から見て)にカム
従導子(図示されない)が着設されており、カム従導子
は、フレーム23に設けられた周カム溝(図示されな
い)に係合している。この周カム溝のプロフィルは、タ
ーレット盤29の回転に伴い、カム従導子、従って駆動
具43を介して、金属缶11を保持する缶保持具35が
所定のタイミングで、図9の実線で示す右方の位置R
と、1点鎖線で示す左方の位置Lの間を往復動するよう
に構成されている。位置Lにおいて、金属缶11は図1
に示す位置にあり、端面11aおよび底部11cはそれ
ぞれ、電極片30および導電性ブラシ片10cに接触す
る。
【0023】 次に上記装置により、金属缶11の内面
有機被膜の欠陥を検査する方法について説明する。図1
1に示すように、フィーターレット45により矢印方
向Xに送られ、ターレット45とターレット19,29
が交接するステーションAに達した金属缶11は、ター
レット29上の胴部保持体37に載置された後、真空吸
着により底部保持体36に吸着されて、缶保持具35に
より位置R(図9)に保持される。金属缶11は矢印方
向Y(図11)に移動しながら、ステーションBに達す
るまでに、駆動具43により矢印P方向に押されて図9
の位置Lに送られ、端面11aおよび底部11cはそれ
ぞれ、電極片30および導電性ブラシ片10cに接触す
る。この時点で導電性ブラシ10は収縮状態にあるの
で、金属缶11は、回転している導電性ブラシ10にス
ムースに外挿される。
【0024】 ステーションBに達すると直ちに、スピ
ンドル2、すなわち突片7が前進して、ステーションC
に達するまでに導電性ブラシ10は拡張する。ほぼ同時
に後記のように、各スピンドル2毎に主軸20に着設さ
れたタイミングカム55(図12)の回転に伴い、近接
スイッチ56より出力される信号62に基づいて、高圧
直流電源61に電圧印可指令信号64が入力して、金属
缶11と導電性ブラシ10の間に通電が行なわれる。拡
張した導電性ブラシ10は、回転しながら金属缶11の
フランジ部を除く全内面を掃引するので、直ちに内面有
機被膜層の欠陥検査が開始され、ステーションDに達す
るまでに電圧印可指令信号64がOFFとなって検査が
終了する。
【0025】 ステーションDとステーションEの間を
通過中にスピンドル2が後退して、導電性ブラシ10が
収縮する。ステーションEからステーションFに達する
までの間に駆動体43が後退して、金属缶11は位置R
に達する。ステーションFにおいて、底部保持体36の
真空が解除され、金属缶11はリジェクトターレット4
6に移行し、「欠陥有り」と判定された金属缶11’は
ステーションGにおいて排除される。「正常」と判定さ
れた金属缶11は、送出ターレット47に移行した後、
製品として送出される。
【0026】 図12の60は、欠陥検査のための電気
回路を示すものである。主軸20に着設されたタイミン
グカム55の検出部55aが近接スイッチ56の前面を
通過する間、近接スイッチ56は矩形波パルス信号62
をラッチ回路63に出力する。ラッチ回路63がパルス
信号62の立上りに基づいて電圧印可指令信号64を高
圧直流電源61に出力すると、直流電源61により、導
電性ブラシ10と金属缶11の間に高圧直流電圧(電圧
は通常800〜1000ボルト)が印可され、抵抗65
を流れる電流は電流−電圧変換回路66によって、電圧
に変換され、この電圧は絶縁増幅器67で増幅されて電
圧Vとなる。
【0027】 図13は、正常な金属缶11(内面有
機被膜層は厚さ25μmのポリエチレンテレフタートフ
ィルムよりなる)の場合の、時間−電圧曲線の例を示す
ものである。電圧印可の初期に充電のため電圧Vはピー
ク値Vsに達するが、以後次第に低下する。図13
は、内面有機被膜層に欠陥がある金属缶11が外挿され
た場合の、時間−電圧曲線の例を示すものであり、初期
電圧ピーク値は図13の場合のVsとほぼ同じであ
る。しかし内面有機被膜層の欠陥部検出の時点t3に、
放電電流が流れるため電圧Vが上昇し、電圧ピーク値V
pのパルス波57が生ずる。図13は、端面11aに
有機被膜が付着していたり、配線が外れたり、あるいは
端面11aと電極片30との接触不良等のトラブル等
で、通電不良の場合の時間−電圧曲線の例を示すもので
あり、初期充電による電圧ピーク値Vrは、電圧ピーク
値Vsより低く、かつ電圧Vは急速に低下する。
【0028】 図12に戻って、電圧Vは被膜欠陥検出
用比較器68および通電不良検出(端面11aが電極片
30と接触しないのを検出する)用比較器69に入力す
る。被膜欠陥検出用比較器68には、被膜欠陥検出電圧
設定器70により設定された電圧V1(図13参照)
も入力する。電圧V1は、金属缶11が正常の場合の電
圧Vがほぼ安定するのに要する時間t2における電圧V
b(図13参照)より若干大きい値に定められる。電
圧Vが電圧V1より高い場合は、比較器68よりAND
回路71にON信号が出力する。
【0029】 AND回路71の入力端子には、被膜欠
陥検出開始タイマー72も接続している。被膜欠陥検出
開始タイマー72は、矩形波パルス信号62の立上がり
時点(図13の時間0)より時間t2(例えば20ms
ec)が経過した後にON信号をAND回路71に出力
する。従って時点t2以後の時間t3に、ピーク値Vp
が設定電圧V1より高いパルス波57(図13)が発
生すると、比較器68よりAND回路71にON信号が
入力し、AND回路71はラッチ回路73をセットし、
ラッチ回路73は、「当該金属缶11に内面被膜欠陥が
有る」との信号75を出力する。信号75は、コンピュ
ータ(図示されない)に入力し、コンピュータは当該金
属缶11がステーションG(図11)に達したとき、リ
ジェクト信号を出力する。
【0030】 一方信号75はOR回路76を経てワン
ショット回路77に入力する。ワンショット回路77よ
り出力するパルス波はOR回路78を経て、ラッチ回路
63のR端子に入力し、ラッチ回路63をリセットし
て、電圧印可指令信号64を解除する。従って直流電源
61よりの金属缶11および導電性ブラシ10への電圧
印可は解除され、時点t3より後の放電による導電性ブ
シ10の損傷が防止される。またワンショット回路77
よりの信号はラッチ回路73のR端子に入力して、ラッ
チ回路73もリセットする。
【0031】 通電不良検出用比較器69は、電圧V
と、通電不良検出電圧設定器79により設定された電圧
V2(図13参照)を比較し、V<V2のときOFF
信号を反転器74に出力し、そのON信号をAND回路
80に出力する。なお電圧V2は、金属缶11が正常の
場合の、時間t1(t1≦t2)における電圧Va(図
13参照)より小さい値に定められる。
【0032】 83は通電不良検出時間設定タイマーで
あって、時間t1が設定される。時間t1に達すると、
ワンショット回路81からパルス波がAND回路80に
出力され、ラッチ回路82をセットするので、ラッチ回
路82から「通電不良」との信号84が出力される。信
号85は、コンピュータ(図示されない)に入力し、コ
ンピュータは当該金属缶11がステーションGに達した
とき、リジェクト信号を出力する。
【0033】 ラッチ回路82よりON信号は、OR回
路76を経てワンショット回路77に入力してパルス波
を発生させる。このパルス波は、ラッチ回路82のR端
子に入力して、ラッチ回路82をリセットし、同時にO
R回路78を経て、ラッチ回路63のR端子に入力し
て、ラッチ回路63をリセットして、電圧印可指令信号
64を解除する。従って直流電源61よりの金属缶11
および導電性ブラシ10への電圧印可は解除され、時点
t1より後の放電による導電性ブラシ10の損傷が防止
される。金属缶11の端面11aが電極片30に接触す
る図13、の場合は、V>V2であるので、ラッチ
回路82はセットされず、「通電不良信号」84は出力
されない。
【0034】 金属缶11が正常の場合は、矩形波パル
ス信号62の立下り検出回路85がパルス信号62の立
下り時間t4(t4>t2;t4は例えば2+100m
sec)を検出してON信号をOR回路78に出力す
る。OR回路78よりの出力信号はラッチ回路63のR
端子に入力して、ラッチ回路63をリセットして、電圧
印可指令信号64を解除する。
【0035】 本発明は、以上の実施例によって制約さ
れるものでない。例えば金属缶はネックイン部およびフ
ランジ部が形成される前のもの、すなわち胴部が全体と
して直筒状のものでもよい。また導電性ブラシを固定
し、金属缶を回転してもよい。さらに金属缶は、内面の
みが有機被膜層で被覆されたものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】 発明の装置は、金属缶の内面有機被
膜層の欠陥を自動的に高速で全数検査により検出するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例である装置の、導電性ブラシ
が拡張した状態における導電性ブラシ近傍を示す要部縦
断面図である。
【図2】 図1のII−IIに沿う縦断面図である。
【図3】 図1のIII−IIIに沿う縦断面図であ
る。
【図4】 図1のIV−IVに沿う横断面図である。
【図5】 図1のV−Vに沿う縦断面図である。
【図6】 図1の左方にある、スピンドル近傍を示す要
部縦断面図である。
【図7】 導電性ブラシが収縮した状態を示す、図1に
対応する縦断面図である。
【図8】 図1のVIII−VIII線に沿う縦断面図
である。
【図9】 図1に示す装置に、金属缶を送入するための
装置の例の要部正面図である。
【図10】 右側の部分は、図9のX−X線、左側の部
分は図9のX’−X’線に沿う縦断面図である。
【図11】 本発明の実施例である装置の機械的部分お
よびその付属装置の略正面図である。
【図12】 本発明の装置における電気回路の実施例の
回路図である。
【図13】 図12に示す電気回路における、通電時間
と絶縁増幅器の出力電圧の関係を示す線図であって、図
13は、内面有機被膜層に欠陥のない正常な金属缶の
場合、図13は内面有機被膜層に欠陥がある金属缶の
場合、図13は電極片と金属缶の開口部端面間の通電
不良の場合の線図である。
【符号の説明】
1a 導電性ブラシ保持体 1b 導電性ブラシ保持体 2 スピンドル 6a ロール(導電性ブラシを拡張、収縮する手
段) 6b ロール(導電性ブラシを拡張、収縮する手
段) 7 突片(導電性ブラシを拡張、収縮する手段) 10 導電性ブラシ 11 シームレス金属缶 19 第1のターレット盤 22 太陽歯車 23 フレーム 30 電極片 35 缶保持具(金属缶に導電性ブラシを外挿する
手段) 43 駆動具(金属缶に導電性ブラシを外挿する手
段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−11850(JP,A) 特開 昭62−242848(JP,A) 特開 昭53−69690(JP,A) 特公 平3−30104(JP,B2) 実公 平4−32609(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内面が有機被膜層で被覆され
    たシームレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査装置に
    おいて、該装置は、導電性ブラシの保持体が固着される
    スピンドルを複数個、周縁部に沿い軸着されたターレッ
    ト盤;ターレット盤を軸支するフレームに固着され、ス
    ピンドルに着設されたギヤと歯合し、ターレット盤の回
    転に伴いスピンドルを自転する太陽歯車;シームレス金
    属缶を導電性ブラシに外挿する手段;導電性ブラシが挿
    入されたシームレス金属缶の開口部端面に接触可能な電
    極片;導電性ブラシと電極片間に高圧直流電圧を印可す
    る直流電源;少なくとも金属缶が導電性ブラシに外挿さ
    れる期間および導電性ブラシより離脱する期間、導電性
    ブラシを収縮し、少なくとも導電性ブラシと電極片間に
    高圧直流電圧が印可されている期間、導電性ブラシを拡
    張する手段;および有機被膜層に欠陥があるとき、印可
    される高圧直流電圧に基づく放電により発生するパルス
    波を検出する電気回路を備えることを特徴とする、シー
    ムレス金属缶の内面有機被膜層の欠陥検査装置。
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