JP2517295B2 - 耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優れた軸受鋼 - Google Patents
耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優れた軸受鋼Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は玉軸受、ローラ軸受等に用いられる耐孔食
性、耐食性、耐久寿命および音響性に優れた低コストな
軸受鋼に関するものである。
性、耐食性、耐久寿命および音響性に優れた低コストな
軸受鋼に関するものである。
[従来の技術] 軸受鋼はころがり軸受の転動体(鋼球、ころ)と軌導
輪に使用される鋼であって、硬さ、降伏強さ、靱性、耐
摩耗性、寸法安定性、疲れ強さ(ころがり疲れ)、耐食
性などの性能が必要である。一般にはJISG4805に規定さ
れたマルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS440Cが用
いられるが、これは1%C−17%Crからなる高炭素高ク
ロム鋼である。
輪に使用される鋼であって、硬さ、降伏強さ、靱性、耐
摩耗性、寸法安定性、疲れ強さ(ころがり疲れ)、耐食
性などの性能が必要である。一般にはJISG4805に規定さ
れたマルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS440Cが用
いられるが、これは1%C−17%Crからなる高炭素高ク
ロム鋼である。
しかしながら、従来のSUS440Cなどのステンレス軸受
鋼では、Crを多量に含有するため高価であり、かつ炭化
物径が大きくなるため転動寿命および音響性において不
十分であった。
鋼では、Crを多量に含有するため高価であり、かつ炭化
物径が大きくなるため転動寿命および音響性において不
十分であった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、従来のマルテンサイト系ステンレス鋼であ
るSUS440CがCrを多量に含有するため高価であること、
また転動寿命において未だ不十分であることに鑑みてな
されたもので、Cr含有量を低減してコストダウンを図る
と共に、さらに転動寿命についても優れた軸受鋼を提供
することを目的とするものである。
るSUS440CがCrを多量に含有するため高価であること、
また転動寿命において未だ不十分であることに鑑みてな
されたもので、Cr含有量を低減してコストダウンを図る
と共に、さらに転動寿命についても優れた軸受鋼を提供
することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は前記問題点に鑑みて、鋭意研究を重ねた
ところ微量のCeを添加することにより、耐食性を損なう
ことなくCrを低減し得ることを新たに知見し、さらに腐
食の起点となるMnSの生成を極力抑制するためにS含有
量を極端に下げることが効果的であること、Cr量の減少
により炭化物径を微細に析出させることにより、耐久寿
命を向上すると共に音響性をも改善し得るとの着想の下
に、本発明を完成した。
ところ微量のCeを添加することにより、耐食性を損なう
ことなくCrを低減し得ることを新たに知見し、さらに腐
食の起点となるMnSの生成を極力抑制するためにS含有
量を極端に下げることが効果的であること、Cr量の減少
により炭化物径を微細に析出させることにより、耐久寿
命を向上すると共に音響性をも改善し得るとの着想の下
に、本発明を完成した。
本発明の耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に
優れた軸受鋼はその第1発明とし、重量比でC;0.70〜0.
90%、Si;0.15〜0.50%、Mn;0.15〜0.50%、P;0.025%
以下、S;0.002%以下、Cu;0.05〜0.30%、Cr;5.00〜12.
00%、Al;0.010〜0.030%、Ce;0.003〜0.030%を含有
し、残部Feならびに不純物元素からなり、焼入焼戻によ
り微細炭化物を析出させたことを要旨とする。
優れた軸受鋼はその第1発明とし、重量比でC;0.70〜0.
90%、Si;0.15〜0.50%、Mn;0.15〜0.50%、P;0.025%
以下、S;0.002%以下、Cu;0.05〜0.30%、Cr;5.00〜12.
00%、Al;0.010〜0.030%、Ce;0.003〜0.030%を含有
し、残部Feならびに不純物元素からなり、焼入焼戻によ
り微細炭化物を析出させたことを要旨とする。
第2発明は第1発明の被削性を改善するために、第1
発明にさらにSe;0.01〜0.05%、Te;0.01〜0.05%のうち
1種または2種を含有せしめ、残部Feならびに不純物元
素からなり、焼入焼戻により微細炭化物を析出させたこ
とを要旨とする。第3発明は第1発明の耐食性をさらに
改善するため、第1発明にさらにMo;0.05〜0.75%を含
せしめ、残部Feならびに不純物元素からなり、焼入焼戻
により微細炭化物を析出させたことを要旨とする。ま
た、第4発明は第1発明の被削性ならびに耐食性を改善
することを目的とし、第1発明にさらにSe;0.01〜0.05
%、Te;0.01〜0.05%のうち1種または2種とMo;0.05〜
0.75%以下を含有し、残部Feならびに不純物元素からな
り、焼入焼戻により微細炭化物を析出させたことを要旨
とする。
発明にさらにSe;0.01〜0.05%、Te;0.01〜0.05%のうち
1種または2種を含有せしめ、残部Feならびに不純物元
素からなり、焼入焼戻により微細炭化物を析出させたこ
とを要旨とする。第3発明は第1発明の耐食性をさらに
改善するため、第1発明にさらにMo;0.05〜0.75%を含
せしめ、残部Feならびに不純物元素からなり、焼入焼戻
により微細炭化物を析出させたことを要旨とする。ま
た、第4発明は第1発明の被削性ならびに耐食性を改善
することを目的とし、第1発明にさらにSe;0.01〜0.05
%、Te;0.01〜0.05%のうち1種または2種とMo;0.05〜
0.75%以下を含有し、残部Feならびに不純物元素からな
り、焼入焼戻により微細炭化物を析出させたことを要旨
とする。
[作用] 本発明鋼はCeを0.003〜0.030%添加することにより、
耐食性を劣化することなくCr含有量を低下することがで
きる。さらに、Ceの添加により耐孔食性を著しく改善で
きる。また、S含有量を極端に下げることにより、腐食
の起点となるMnSの生成を極力抑制し(Mn、Ce)Sを生
成させやすくすることにより、Ce添加の効果を助長する
ことに成功した。さらには、Cr量の減少により炭化物径
を微細に析出させることにより、耐久寿命を向上すると
共に音響性をも改善し得る。
耐食性を劣化することなくCr含有量を低下することがで
きる。さらに、Ceの添加により耐孔食性を著しく改善で
きる。また、S含有量を極端に下げることにより、腐食
の起点となるMnSの生成を極力抑制し(Mn、Ce)Sを生
成させやすくすることにより、Ce添加の効果を助長する
ことに成功した。さらには、Cr量の減少により炭化物径
を微細に析出させることにより、耐久寿命を向上すると
共に音響性をも改善し得る。
次に本発明の軸受鋼の化学成分の限定理由について説
明する。
明する。
C;0.70〜0.90% Cは焼入れにおいて必要な硬さを得ると同時に、高強
度と耐摩耗性を付与する元素である。軸受鋼として必要
な焼入れ焼もどし後の硬度HRC60以上を確保するために
は0.70%以上含有することが必要である。しかし、0.90
%を越えて含有すると、Cr炭化物を析出して耐孔食性お
よび耐食性が低下するので、その上限を0.90%とした。
度と耐摩耗性を付与する元素である。軸受鋼として必要
な焼入れ焼もどし後の硬度HRC60以上を確保するために
は0.70%以上含有することが必要である。しかし、0.90
%を越えて含有すると、Cr炭化物を析出して耐孔食性お
よび耐食性が低下するので、その上限を0.90%とした。
Si;0.15〜0.50% Siは有効な脱酸剤であり、かつ焼入れ性を向上させる
ために0.15%以上が添加される。しかし、あまり多く含
有されると冷間鋳造性を阻害するので、上限を0.50%と
した。
ために0.15%以上が添加される。しかし、あまり多く含
有されると冷間鋳造性を阻害するので、上限を0.50%と
した。
Mn;0.15〜0.50% Mnは脱酸剤としての作用を有し、焼入れ性を良くする
ので0.15%以上が添加される。しかし、0.50%を越えて
含有されると耐食性および耐酸化性を阻害しかつ腐食の
起点となるMnSが多量に生成するので、その上限を0.50
%とした。
ので0.15%以上が添加される。しかし、0.50%を越えて
含有されると耐食性および耐酸化性を阻害しかつ腐食の
起点となるMnSが多量に生成するので、その上限を0.50
%とした。
P;0.025%以下 Pは孔食感受性を増す等有害な作用の多い不純物元素
である。さらに熱間割れ性を高め、靱性を低下するの
で、これら有害な作用を最小限に止め、良好な転動寿命
および靱性を確保するため、上限を0.025%とした。
である。さらに熱間割れ性を高め、靱性を低下するの
で、これら有害な作用を最小限に止め、良好な転動寿命
および靱性を確保するため、上限を0.025%とした。
S;0.002%以下 Sは有害な不純物であり、赤熱脆性、熱間加工性の劣
化を示し、孔食感受性を増大するので極力少ないほうが
望ましい。通常硫化物として固定されているが、腐食の
起点となるMnSの生成を極力抑制するため、その上限を
0.002%とした。Cu;0.05〜0.30% Cuは大気中における耐食性を増し、特にMoとの共存の
下で孔食感受性を減少する元素である。前記作用を効果
あらしめるためには0.05%以上含有する必要がある。し
かし、多量に添加されると高温で粒界脆化を促進し、熱
間加工性が阻害されるので、良好な熱間加工性を確保す
るため上限を0.30%とした。
化を示し、孔食感受性を増大するので極力少ないほうが
望ましい。通常硫化物として固定されているが、腐食の
起点となるMnSの生成を極力抑制するため、その上限を
0.002%とした。Cu;0.05〜0.30% Cuは大気中における耐食性を増し、特にMoとの共存の
下で孔食感受性を減少する元素である。前記作用を効果
あらしめるためには0.05%以上含有する必要がある。し
かし、多量に添加されると高温で粒界脆化を促進し、熱
間加工性が阻害されるので、良好な熱間加工性を確保す
るため上限を0.30%とした。
Cr;5.00〜12.00% Crはステンレス鋼の基本成分であり、耐食性を保つの
に必要な元素であって、良好なる耐食性を確保するため
には5.00%以上の添加が必要である。しかし、12.00%
を越えて添加されても耐食性の著しい改善効果がないの
で、上限を12.00%とした。
に必要な元素であって、良好なる耐食性を確保するため
には5.00%以上の添加が必要である。しかし、12.00%
を越えて添加されても耐食性の著しい改善効果がないの
で、上限を12.00%とした。
Al;0.010〜0.030% Alは強力は脱酸剤であり、熱間加工性や結晶粒度を改
善する。前記作用を効果あらしめるためには0.010%以
上添加することが必要である。しかしあまり多く含有さ
れると介在物、析出物を分離生成し、耐孔食性を劣化
し、かつ転動寿命を短くするので、良好な転動寿命を確
保するため。上限を0.030%とした。
善する。前記作用を効果あらしめるためには0.010%以
上添加することが必要である。しかしあまり多く含有さ
れると介在物、析出物を分離生成し、耐孔食性を劣化
し、かつ転動寿命を短くするので、良好な転動寿命を確
保するため。上限を0.030%とした。
Ce;0.003〜0.030% Ceは耐孔食性を向上させるため必要な元素であり、0.
003%未満ではその効果が表れないため、0.003%以上を
添加した。しかし、0.030%を越えて添加しても、耐孔
食性の著しい改善の効果がないので、上限を0.030%と
した。
003%未満ではその効果が表れないため、0.003%以上を
添加した。しかし、0.030%を越えて添加しても、耐孔
食性の著しい改善の効果がないので、上限を0.030%と
した。
Se;0.01〜0.05%、Te;0.01〜0.05% SeおよびTeは普通鋼と同様にステンレス鋼においても
被削性を向上させる。良好な被削性を向上させるために
は、共に0.01%以上の添加が必要である。しかし、多量
に添加すると転動寿命を損なうので、良好な転動寿命を
確保するために、上限を0.05%とした。
被削性を向上させる。良好な被削性を向上させるために
は、共に0.01%以上の添加が必要である。しかし、多量
に添加すると転動寿命を損なうので、良好な転動寿命を
確保するために、上限を0.05%とした。
Mo;0.05〜0.75% Moは基地を強化し高温強さを増しかつ靱性を改善す
る。さらに、焼入れ性を増し耐食性を向上させ耐孔食性
を改善する最も効果的な元素である。良好なる焼入れ性
と耐食性を確保するためには0.05%以上の添加が必要で
ある。しかし、0.75%以上含有してもその効果の向上が
少ないので上限を0.75%とした。
る。さらに、焼入れ性を増し耐食性を向上させ耐孔食性
を改善する最も効果的な元素である。良好なる焼入れ性
と耐食性を確保するためには0.05%以上の添加が必要で
ある。しかし、0.75%以上含有してもその効果の向上が
少ないので上限を0.75%とした。
[実施例] 次に本発明の効果を従来鋼と比較した実施例により明
らかにする。
らかにする。
第1表に示す化学成分からなる本発明鋼、比較鋼およ
び従来鋼を電気炉で溶製した。
び従来鋼を電気炉で溶製した。
第1表の供試鋼について、850℃×30分油冷、170℃×
90分空冷という焼入、焼もどし処理を施し、耐孔食性、
耐食性、耐久寿命を測定した。
90分空冷という焼入、焼もどし処理を施し、耐孔食性、
耐食性、耐久寿命を測定した。
耐孔食性は温度50℃、湿度96%の状態で24時間放置す
るという試験条件で、1cm2当たりの孔食点の数を測定
し、評価した。
るという試験条件で、1cm2当たりの孔食点の数を測定
し、評価した。
耐食性は25℃の5%NaCl水溶液中に24時間浸漬し、そ
の腐食減量を測定し、評価した。
の腐食減量を測定し、評価した。
耐久寿命は、森式スラスト型耐久寿命試験機を用い、
外径65mmφ×内径18mmφ×厚さ10mmの試験片を作成し、
耐久寿命を測定し、評価した。そして従来鋼であるQ鋼
を1とした指数で示した。
外径65mmφ×内径18mmφ×厚さ10mmの試験片を作成し、
耐久寿命を測定し、評価した。そして従来鋼であるQ鋼
を1とした指数で示した。
得られた結果は併せて第2表に示した。
第2表から知られるように、耐孔食性にはついては、
Ceを含まない比較例N鋼の孔食点が1cm2当たり3であ
り、Cr含有量の少ない比較例O鋼が10であり、Sおよび
Cの高い比較例P鋼が5であるのに対し、本発明例は0
〜1であっていずれも優れた耐孔食性を示した。
Ceを含まない比較例N鋼の孔食点が1cm2当たり3であ
り、Cr含有量の少ない比較例O鋼が10であり、Sおよび
Cの高い比較例P鋼が5であるのに対し、本発明例は0
〜1であっていずれも優れた耐孔食性を示した。
また、比較例の耐食性については第2表に示したよう
に、腐食減量(g/m2)がCeを含まない比較例N鋼が0.24
g/m2、Cr含有量の少ない比較例O鋼が0.25g/m2であり、
SおよびCの高い比較例P鋼が0.27g/m2であった。これ
に対し本発明鋼は第2表から知られるように、腐食減量
が0.19〜0.21であって、いずれも優れた耐食性を示すこ
とが確認された。
に、腐食減量(g/m2)がCeを含まない比較例N鋼が0.24
g/m2、Cr含有量の少ない比較例O鋼が0.25g/m2であり、
SおよびCの高い比較例P鋼が0.27g/m2であった。これ
に対し本発明鋼は第2表から知られるように、腐食減量
が0.19〜0.21であって、いずれも優れた耐食性を示すこ
とが確認された。
さらに、第2表から明らかなように比較例の耐久寿命
については、Cr含有量少ないO鋼が悪く、定格寿命(B
10)が0.95、平均寿命(B50)が0.98であり、Sおよび
Cの含有量の多いP鋼が1.10および1.20と低い値を示し
た。これに対して本発明鋼では、定格寿命(B10)が1.2
8%〜1.49、平均寿命(B50)が1.32〜1.61であって、耐
久性においても優れた値を示した。
については、Cr含有量少ないO鋼が悪く、定格寿命(B
10)が0.95、平均寿命(B50)が0.98であり、Sおよび
Cの含有量の多いP鋼が1.10および1.20と低い値を示し
た。これに対して本発明鋼では、定格寿命(B10)が1.2
8%〜1.49、平均寿命(B50)が1.32〜1.61であって、耐
久性においても優れた値を示した。
なお、本発明鋼は炭化物が微細に析出しており、従来
鋼が炭化物が大きく運転中の音響が大きいのと比較し
て、運転が静粛で音響性が従来のものに比べて20〜30%
優れていることが確認された。
鋼が炭化物が大きく運転中の音響が大きいのと比較し
て、運転が静粛で音響性が従来のものに比べて20〜30%
優れていることが確認された。
[発明の効果] 本発明の軸受鋼は、従来のマルテンサイト系ステンレ
ス軸受鋼の耐食性と転動寿命を改善し、コスト低下を図
るために、Ceを0.003〜0.030%添加することにより、耐
食性を劣化することなくCr含有量を低下し、併せて耐孔
食性を著しく改善し、さらにS含有量を極端に下げるこ
とにより、腐食の起点となるMnSの生成を極力抑制し
て、Ce添加の効果を助長することに成功したものであっ
て、本発明鋼では従来鋼に比較してCrの低減によりコス
トダウンを達成し、従来鋼に比較して優れた耐孔食性お
よび耐食性を得ることが可能であり、さらに優れた耐久
寿命を示すことにより転動寿命を改善すると共に、炭化
物の微細化により音響特性においても優れた性質を示す
等々の効果がある。
ス軸受鋼の耐食性と転動寿命を改善し、コスト低下を図
るために、Ceを0.003〜0.030%添加することにより、耐
食性を劣化することなくCr含有量を低下し、併せて耐孔
食性を著しく改善し、さらにS含有量を極端に下げるこ
とにより、腐食の起点となるMnSの生成を極力抑制し
て、Ce添加の効果を助長することに成功したものであっ
て、本発明鋼では従来鋼に比較してCrの低減によりコス
トダウンを達成し、従来鋼に比較して優れた耐孔食性お
よび耐食性を得ることが可能であり、さらに優れた耐久
寿命を示すことにより転動寿命を改善すると共に、炭化
物の微細化により音響特性においても優れた性質を示す
等々の効果がある。
Claims (4)
- 【請求項1】重量比でC;0.70〜0.90%、Si;0.15〜0.50
%、Mn;0.15〜0.50%、P;0.025%以下、S;0.002%以
下、Cu;0.05〜0.30%、Cr;5.00〜12.00%、Al;0.010〜
0.030%、Ce;0.003〜0.030%を含有し、残部Feならびに
不純物元素からなり、焼入焼戻により微細炭化物を析出
させたことを特徴とする耐孔食性、耐食性、転動寿命お
よび音響性に優れた軸受鋼。 - 【請求項2】重量比でC;0.70〜0.90%、Si;0.15〜0.50
%、Mn;0.15〜0.50%、P;0.025%以下、S;0.002%以
下、Cu;0.05〜0.30%、Cr;5.00〜12.00%、Al;0.010〜
0.030%、Ce;0.003〜0.030%を含有し、さらにSe;0.01
〜0.05%、Te;0.01〜0.05%のうち1種または2種を含
有し、残部Feならびに不純物元素からなり、焼入焼戻に
より微細炭化物を析出させたことを特徴とする耐孔食
性、耐食性、転動寿命および音響性に優れた軸受鋼。 - 【請求項3】重量比でC;0.70〜0.90%、Si;0.15〜0.50
%、Mn;0.15〜0.50%、P;0.025%以下、S;0.002%以
下、Cu;0.05〜0.30%、Cr;5.00〜12.00%、Al;0.010〜
0.030%、Ce;0.003〜0.030%を含有し、さらにMo;0.05
〜0.75%を含有し、残部Feならびに不純物元素からな
り、焼入焼戻により微細炭化物を析出させたことを特徴
とする耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優れ
た軸受鋼。 - 【請求項4】重量比でC;0.70〜0.90%、Si;0.15〜0.50
%、Mn;0.15〜0.50%、P;0.025%以下、S;0.002%以
下、Cu;0.05〜0.30%、Cr;5.00〜12.00%、Al;0.010〜
0.030%、Ce;0.003〜0.030%を含有し、さらにSe;0.01
〜0.05%、Te;0.01〜0.05%のうち1種または2種とMo;
0.05〜0.75%を含有し、残部Feならびに不純物元素から
なり、焼入焼戻により微細炭化物を析出させたことを特
徴とする耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優
れた軸受鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62162626A JP2517295B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優れた軸受鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62162626A JP2517295B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優れた軸受鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS648251A JPS648251A (en) | 1989-01-12 |
JP2517295B2 true JP2517295B2 (ja) | 1996-07-24 |
Family
ID=15758186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62162626A Expired - Lifetime JP2517295B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 耐孔食性、耐食性、転動寿命および音響性に優れた軸受鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2517295B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI281505B (en) * | 2004-06-29 | 2007-05-21 | Kobe Steel Ltd | Excellent corrosion resistance steel for ship |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5611745B2 (ja) * | 1973-10-03 | 1981-03-17 |
-
1987
- 1987-06-30 JP JP62162626A patent/JP2517295B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS648251A (en) | 1989-01-12 |
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