JP2517070Y2 - 車両のバックドアハンドル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両のバックドアハンドルに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、セダン型の車両において、車体後部に後窓とト
ランクルームとを一体的に開くためのバックドアを設け
たものがある。このバックドアの開放端部は、インナパ
ネルとアウタパネルとをヘミング加工により固着してあ
り、格別なドアハンドルなどは設けられていない。

〔考案が解決しようとする課題〕

この種のバックドアには、一般に開き方向に付勢する
ガススプリング等が装備されているので、バックドアを
閉じる場合には、ガススプリングの付勢力に抗してバッ
クドアを下方へ押し下げる必要がある。

しかしながら、アウタパネル側に凹凸がなく、手が掛
り難い形状のバックドアの場合には、バックドアを閉じ
難く、閉操作がやりにくいという問題があった。

そこで、本考案の目的は、手が掛り難い形状のバック
ドアの場合でも容易に閉操作できるバックドアハンドル
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、車両の後部に
開閉自在に支承されたバックドアの開放端部の中央部に
取り付けられるバックドアハンドルであって、一端部が
バックドアのインナパネルに固定され、他端部にバック
ドアのインナパネルとアウタパネルの開放端部を覆うべ
く外側へ湾曲した湾曲部を有し、湾曲部の先端にアウタ
パネルの外側へ突出する突出部を有する板金と、該板金
の少なくとも湾曲部と突出部との周囲を覆うように固着
され、バックドアのアウタパネルの開放端部から外側面
にかけて密接して把手部を構成する、樹脂またはゴムか
らなるカバーとからなるものである。

〔作用〕

即ち、本バックドアハンドルの先端部はバックドアの
外側へ突出しているので、この突出部に手を掛けて引き
下げれば、バックドアを容易に閉じることができるとと
もに、この突出部は樹脂またはゴム等のカバーで覆われ
ているので、手を怪我することもない。特に、板金の突
出部を覆うカバーがアウタパネルの開放端部から外側面
にかけて密接して把手部を構成しているため、バックド
アの閉鎖時に把手部にかかる力をアウタパネルへも分散
でき、ハンドルの曲がりを防止できる。また、上記カバ
ーは板金の湾曲部の周囲をも覆っているので、板金とバ
ックドアとの干渉錆を防止でき、かつバックドアの開放
時に、手とバックドアハンドルとの接触面積を大きくで
きるので、容易に開操作を行うこともできる。

〔実施例〕

第１図は本考案をセダン型自動車に適用した一例を示
す。

車体１の後部には、バックドア２が上端部を支点とし
て上下方向に開閉自在に支承されており、このバックド
ア２には後窓３とトランクリッド部４とが一体に形成さ
れている。なお、このバックドア２には従来と同様に開
方向に付勢するガススプリング（図示せず）等が装備さ
れている。

バックドア２は第２図に示すように、インナパネル2a
とアウタパネル2bとからなり、ヘミング部2cによってア
ウタパネル2bとインナパネル2aの開放端部が互いに接合
固定されている。バックドア２の開放端部近傍のインナ
パネル2aの内側には、バックドアハンドルＡを構成する
板金５の一端部がボルト６とナット７とによって固定さ
れている。この板金５の一端部には、第３図に示すよう
に、上記ボルト６を挿通するための挿通穴5aが形成され
ており、他端部はバックドア２のヘミング部2cを覆うご
とく外側へ湾曲しており、この湾曲部5bの先端はアウタ
パネル2bの外側へ突出している。そして、上記湾曲部5b
および突出部5cの周囲には樹脂またはゴムからなるカバ
ー８が一体的に固着されている。特に、突出部5cを覆う
カバー部分はアウタパネル2bの開放端部から外側面にか
けて密接し、把手部8aを構成している。

なお、図面において、９はバンパー、10はロアバック
パネル、11はドアウェザストリップである。

上記のように、ハンドルＡの把手部8aがバックドア２
の開放端部の外側へ突出しているので、バックドア２を
閉じる際にこの把手部8aに手を掛けて下方へ引き下げれ
ば、簡単に閉じることができる。特に、バックドア２を
閉じる際、ハンドルＡにはボルト６の締結部を支点とし
て下方への曲げ応力が作用するが、把手部8aがアウタパ
ネル2bの外側面に接しているため、バックドア２の閉鎖
時に把手部8aにかかる力をアウタパネル2bへも分散で
き、ハンドルＡの曲がりを防止できる。また、ハンドル
Ａの板金５の湾曲部5bおよび突出部5cがカバー８で覆わ
れているので、板金５とバックドア２とが直接接触する
ことによる干渉錆が防止され、しかもバックドア２を開
く際、手とハンドルＡとの接触面が大きくなるので、手
が痛まない。

さらに、上記ハンドルＡはバックドア２に対してコン
パクトに装着でき、車体（ロアバックパネル10）やバン
パー９との干渉しないので、ボデー形状を変更する必要
がなく、安価に構成できるという特徴がある。

なお、本考案のバックドアハンドルは実施例のような
構造のバックドアのほか、他の形式のバックドアにも適
用できることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本考案によればバック
ドアハンドルの先端部がバックドアの外側へ突出してお
り、この突出部を覆うカバーの把手部に手を掛けて引き
下げれば、手が掛り難い形状のバックドアであっても容
易に閉じることができる。特に、カバーの把手部がアウ
タパネルの開放端部から外側面にかけて密接しているた
め、バックドアの閉鎖時に把手部にかかる力をアウタパ
ネルへも分散でき、ハンドルの曲がりを防止できる。ま
た、バックドアの湾曲部の周囲も樹脂またはゴム等のカ
バーで覆われているので、板金とバックドアとの干渉錆
を防止でき、かつバックドアの開放時に、手とバックド
アハンドルとの接触面積が大きくなるので、支障なく開
操作を行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバックドアハンドルを適用した車両の
後部斜視図、第２図は第１図のII−II線拡大断面図、第
３図はバックドアハンドルの斜視図である。 Ａ…バックドアハンドル、２…バックドア、５…板金、
5b…湾曲部、5c…突出部、６…ボルト、７…ナット、８
…カバー、8a…把手部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の後部に開閉自在に支承されたバック
   ドアの開放端部の中央部に取り付けられるバックドアハ
   ンドルであって、 一端部がバックドアのインナパネルに固定され、他端部
   にバックドアのインナパネルとアウタパネルの開放端部
   を覆うべく外側へ湾曲した湾曲部を有し、湾曲部の先端
   にアウタパネルの外側へ突出する突出部を有する板金
   と、 該板金の少なくとも湾曲部と突出部との周囲を覆うよう
   に固着され、バックドアのアウタパネルの開放端部から
   外側面にかけて密接して把手部を構成する、樹脂または
   ゴムからなるカバーとからなるバックドアハンドル。