JP2516117B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両等の衝突の際に乗
員を保護するエアバッグ装置に関し、更に詳細に説明す
ると、ベースプレートに固着されたガス発生器と、該ガ
ス発生器よりのガスが流入するガス注入口を有し、前記
ベースプレートに固着されたエアバッグ本体と、前記エ
アバッグ本体を収納状態で被覆し、前記ベースプレート
に周縁部が固着されたカバー部材とを備えるエアバッグ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両等の乗員の保護装置とし
てエアバッグ装置が知られている。この保護装置として
は、特公昭５６−４３８９０号公報や、実開昭６１−１
８５６４２号公報等が存在する。

【０００３】図３に示す如く、インストルメントパネル
やステアリング等の固定側に取付けられたベースプレー
ト１にガス発生器２が固着され、ガス注入口４を有する
エアバッグ本体３がリテーナ５を介してリベット６また
はボルト等により固着され、所定の条件のもとでガス発
生器が作動した場合にガスが瞬間的にエアバッグ本体３
内に流入し、エアバッグ本体３が瞬時に膨出するように
なされている。

【０００４】前記エアバッグ本体３は折畳んだ状態で、
合成樹脂製のカバー部材７により被覆され、位置規制さ
れ、車両等のインストルメントパネル側の部品等にエア
バッグ本体３が当接しないようになされている。前記カ
バー部材７の周縁部７ａがベースプレート１の端部１ａ
に押えプレート９を介してリベット８またはボルト等に
より固着されている。そして前記エアバッグ本体３の膨
出時にカバー部材７の上面に形成された薄肉部７ｂが破
断し、エアバッグ本体３が前方に膨出するようになされ
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のエアバッグ装置
においては、カバー部材７の周縁部７ａをリベット８等
で固着する際、その締め付け量にバラ付きが生じ以下の
様な不具合を有するものであった。まずリベット８の締
め付けが弱い場合には押えプレート９が有効に機能せ
ず、カバー部材７の取付強度が弱くなり、エアバッグ本
体３の膨出時にこの取付部付近が破断してしまう虞れを
有していた。一方、リベット８を締め付け過ぎた場合に
も破断に対するカバー部材７の強度が低下すると共に、
ベースプレート１との接触面に強い挟圧が加わり、エア
バッグ本体３の膨出時に高温となったベースプレート１
からの熱がカバー部材７に伝わり易く、溶融し脱落して
しまう虞れを有していた。

【０００６】本発明の目的は、カバー部材をベースプレ
ートに取付ける際に、リベット等により適度な挟圧で確
実に固着し、カバー部材の周縁部における取付強度を向
上させると共に、ベースプレートからの熱による溶融を
防止できる安全性に優れたエアバッグ装置を提供するも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、カバー部材の周縁部に押えプレ
ートが設けられていると共に、該押えプレートに複数の
ボス部が形成され、該複数のボス部が前記カバー部材の
周縁部に沿って穿設された複数のビス穴に嵌合され、前
記押えプレートのボス部に挿通されるビスにより前記カ
バー部材がベースプレートに固着されていることを特徴
とする。

【０００８】

【作用】本発明に依れば、カバー部材の周縁部に設けた
押えプレートに複数のボス部を形成し、このボス部をカ
バー部材の周縁部に沿って穿設した複数のビス穴に嵌合
させ、ボス部に挿通したビスによりカバー部材をベース
プレートに固着したので、カバー部材をベースプレート
にビス止めする際にボス部の先端がベースプレートに突
き当たるまで締め付ければ適度な挟圧を得ることがで
き、取付強度を向上させ得ると共に、ベースプレートか
らの熱によりカバー部材が溶融するのを防止できる。

【０００９】

【実施例】以下本発明に係るエアバッグ装置を図面を参
照して詳述する。図１及び図２には本発明の一実施例の
概略が夫々示されており、エアバッグ装置１１はインス
トルメントパネル側またはステアリング側またはサイド
ドア側及び後席側等を固定側として取付けられるベース
プレート１２と、このベースプレート１２に固着される
エアバッグ本体１５及びカバー部材２１等から構成され
ている。

【００１０】前記ベースプレート１２には２個のガス発
生器１３（１個のみ図示している）がボルト，ナット等
により固着され、ガス噴出口１３ａ側がベースプレート
１２に形成された透孔１４から上方に突出するようにな
されている。尚ガス発生器１３は１個または３個以上と
することも勿論可能である。

【００１１】前記エアバッグ本体１５はリテーナ１６を
介してリベット１７等によりベースプレート１２に固着
され、折り畳んだ状態でカバー部材２１により被覆され
ている。このカバー部材２１は下方が開放された箱状に
形成され、その周縁部２１ａに穿設された複数のビス穴
２７にビス２３が挿通されてベースプレート１２側に固
着されている。尚図中符号１９はベースプレート１２の
周縁部１２ａに穿設されたビス穴、同２０はエアバッグ
本体１５のガス注入口である。

【００１２】前記カバー部材２１の周縁部２１ａには補
強用の押えプレート２５が前記ビス２３により取付けら
れており、この押えプレート２５の裏面側には複数のボ
ス部２５ａが形成されている。このボス部２５ａは、射
出成形やプレス成形により押えプレート２５と一体に形
成する他、別体の突出部材を接着、溶着等して一体的に
形成することもできる。尚図示においてはカバー部材２
１の一側面にのみ押えプレート２５が取付けられている
が、前後または左右の両側面、または四方の側面全てに
押えプレート２５を取付けてもよい。

【００１３】図２に示すように、カバー部材２１のビス
穴２７に押えプレート２５のボス部２５ａが嵌合され、
このボス部２５ａに挿通されるビス２３によりカバー部
材２１がベースプレート１２に固着される。従って、カ
バー部材２１のビス穴２７はボス部２５ａが嵌合し得る
大きさに形成され、ビス２３の軸部やベースプレート１
２のビス穴１９より大径に形成されるものである。また
ボス部２５ａの突出量はカバー部材２１の肉厚の２／３
程度に形成するのが好ましい。

【００１４】斯る構成に依り、ボス部２５ａの先端がベ
ースプレート１２に突き当たるまでリベット２３で締め
付けておけば、適度な挟圧を保持でき、取付強度を向上
させることができる。また、カバー部材２１のベースプ
レート１２との接触面に強い挟圧が加わらないため、エ
アバッグ本体１５の膨出時にベースプレート１２からの
熱によりカバー部材２１が溶融する虞れがなく、更に押
えプレート２５を取付ける際の位置決めが容易となり、
作業能率を向上させることができる。

【００１５】尚、本発明は上述の実施例構造に限定され
ず、各部の形状等を適宜変更して用いることは勿論可能
であり、例えばボス部２５ａの形状を楕円形、四角形等
とすることもでき、またベースプレート１２とカバー部
材２１との取付部に断熱シート等を介在させてビス２３
止めしても良い。

【００１６】

【発明の効果】以上が本発明に係るエアバッグ装置の一
実施例の構成であるが、斯る構成に依れば、カバー部材
の周縁部に設けた押えプレートに複数のボス部を形成
し、このボス部をカバー部材の周縁部に沿って穿設した
複数のビス穴に嵌合させ、ボス部に挿通したビスにより
カバー部材をベースプレートに固着したので、カバー部
材をベースプレートにビス止めする際にボス部の先端が
ベースプレートに突き当たるまで締め付ければ適度な挟
圧を得ることができ、取付強度を向上させ得ると共に、
ベースプレートからの熱によりカバー部材が溶融するの
を防止でき、著しく安全性に優れたエアバッグ装置を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るエアバッグ装置の概略構成を示す
分解斜視図。

【図２】同、組付状態の要部断面図。

【図３】従来のエアバッグ装置を示す概略断面図。

【符号の説明】

１１ エアバッグ装置 １２ ベースプ
レート １５ エアバッグ本体 ２１ カバー部
材 ２１ａ 周縁部 ２３ ビス ２５ 押えプレート ２５ａ 押さえプ
レート ２７ ビス穴

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースプレートに固着されたガス発生器
   と、該ガス発生器よりのガスが流入するガス注入口を有
   し、前記ベースプレートに固着されたエアバッグ本体
   と、前記エアバッグ本体を収納状態で被覆し、前記ベー
   スプレートに周縁部が固着されたカバー部材とを備える
   エアバッグ装置において、前記カバー部材の周縁部に押
   えプレートが設けられていると共に、該押えプレートに
   複数のボス部が形成され、該複数のボス部が前記カバー
   部材の周縁部に沿って穿設された複数のビス穴に嵌合さ
   れ、前記押えプレートのボス部に挿通されるビスにより
   前記カバー部材がベースプレートに固着されていること
   を特徴とするエアバッグ装置。