JP2515502B2 - 紙パルプの製造および一次分離方法 - Google Patents

紙パルプの製造および一次分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙パルプの製造および一次分離方法と、紙
パルプ製造装置に関する。
〔従来の技術〕 「紙パルプ混合物と不純物との混合物の分離方法および
装置（Method and Device for Separating a Mixture o
f Paper Pulp and Impurities）」と称するフランス国
特許第83,04929号明細書には、それ自体では分離を行わ
ないヘリコ（Helico）型一次パルプ化装置（primary pu
lper）の直下で作動する不連続洗浄装置が記載されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、この手段は、種々の理由から欠点を有してい
る。
上記フランス国特許明細書に記載されている分離装置
は、一次パルプ化装置の内容物を、数分で処理するとと
もに、1,2本の流路で全内容物を吸収できる。
紙がポリエチレンでコーティングされている場合に、
汚染物質の割合および量が非常に高く、しかもその頻度
が高まると、故紙に含まれる汚染物質の割合を、約20％
に制限する必要がある。もし制限しないと、装置が多量
の汚染物質を適切に処理できなくなるため、装置が作動
しなくなり、その結果、高価な大型分離装置を使用しな
ければならなくなる。
しかし、この種の分離装置は、短時間しか動かないた
め、不経済である。
また、パルプ化装置および分離装置は断続的に作動す
るため、その下流にバッファ（これを越えると、パルプ
をすいて紙にする工程の残余部分が、連続的に続く。）
の役目をする大型バットを設けて、パルプを薄くのばす
必要がある。
約10m3で、濃度が15乃至20％のパルプ化装置の場合
は、50乃至100m3程度のバット（連続工程の初期部の役
目をする）を設けて、パルプを５％まで希釈する必要が
ある。
この種のバットは、一般に、混合物を規則的に攪拌す
る高速螺旋攪拌器を備えている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の紙パルプの製造および一次分離方法は、上記
と異なるパターンで作動する。
すなわち、ヘリコ型一次パルプ化装置間で、紙を分解
してから、20°乃至30°程度の鈍角を成す対数螺旋形状
のアームまたは羽根付攪拌軸を備えるバットに、断続的
に入れる。
バット内で攪拌したパルプ塊と汚染物質とを、バット
に接続されたフランス国特許第83,04929号明細書に記載
されている型の分離器に、断続的に供給する。
〔作用〕
こうして、分離器に、パルプ化装置とは全く異なる律
動断続性をもたせ、しかも事実上跡切れることなく、作
動させるとともに、パルプ化装置の内容物（１回分以
上、最高２回分まで）を、例えば連続する10回の動作で
分離できる。
本発明による方法は、排水および再充てんを除いて、
事実上間断なく、パルプ化装置を作動できる点で有益で
ある。また分離器も間断なく作動でき、その容量も小さ
くできる。
本発明によると、パルプ化装置が作動し易くなるよう
に、バット濃度を調整できる。また、大きな利点とし
て、例えばポリエチレンで被覆された紙葉類等の軟質紙
葉類を、100パーセントまで、容易に使用することがで
きる。
小型バットを間に設けるか、またはフランス国特許8
3,04929号明細書に記載されている双対分離器を使用す
ることにより、下流循環路に連続送りすることができ
る。しかし、これは、螺旋アーム攪拌器を備えるバット
でなければ不可能である。
実際、攪拌器がバットに通常使用されているものであ
る場合は、プラスチックシート状の汚染物質が、急速に
積層され、ジャム（jamming）が発生する。
螺旋アームで、小さい角度で攪拌すると、プラスチッ
ク材がひっかかったり、寸断されたりせずに、羽根に沿
って滑動するため、溶液全体が連続的にかき回わされ、
分離器は問題なく機能できる。
また本発明は、従来の方法より、頻繁かつ少量で作動
する分離器の所要電力を低減できるため、エネルギー節
約を図れる。
本発明は、一次パルプ化装置と、縦軸に沿って延びる
シャフトに装着された、ベルヌーイ（Bernoulli）鈍角
螺旋形状の複数の羽根またはアームで攪拌されるバット
との組合せから成っている。
バットは、好適には、フランス国特許第83,04929号に
記載されている少なくとも１個の分離器に結合される
が、希釈用の水をバットに送れるような結合にすること
もできる。また、ベルヌーイ螺旋形状の攪拌バットアー
ムは、20°乃至30°程度の鈍角を成し、バット軸線のほ
ぼ鉛直面に配設されている。
〔実施例〕
次に、添付図面を参照して、本発明の好適実施例の詳
細を説明する。
第１図に示すように、本発明の方法を用いた一例を示
す装置は、順次配設された次に示すような要素で構成さ
れている。
ヘリコ（Helico）型等の公知の一次パルプ化装置
（１）には、螺旋状の遠心砕解攪拌器（２）が組込まれ
ている。この種の攪拌器は、分離を行なわず、紙葉類と
汚染物との混合物を装置壁面に射出することにより、プ
ラスチックシートその他の大表面汚染物質を、砕解せず
に、繊維を剥離して砕解する。
パルプ化装置は、15乃至20％程度の高い乾燥物質濃度
で、無蓋バット内で作動する。パルプの第１分離を行な
う底グリッドを備える公知のパルプ化装置を使用できる
が、分離器（３）で効果的に分離できるため、前記のよ
うな装置を使用しても、格別な利益は得られない。
パルプ化装置容量より数倍大きい大型バット（４）が
設けられている。
パルプ化装置（１）は、弁（６）で調節されるダクト
（５）を介して、バット（４）と連通している。所望に
応じて、バットに取水口（７）を設ける。
バット（４）の攪拌部材は、アームまたは羽根付縦形
シャフト（８）で構成されているが、該アームまたは羽
根は、第２図に示すように、鈍角を成すベルヌーイ螺旋
形状を有している。
鈍角を成すベルヌーイ螺旋形状とは、アームが、半径
（Ｒ）が通過する点（Ｐ）で、各半径（Ｒ）と、アーム
接線（Ｔ）との間で、ほぼ一定のある角度（α）で、シ
ャフトから延びている状態を示す。
アーム（９）は、好適には、材料の寸断を防止する円
形断面を有しており、例えば２乃至10rpm程度の低速
で、矢印（Ｆ）方向に回転するため、汚染物質は、アー
ムに沿って滑動する。
フランス国特許第83,04929号明細書に記載されている
ような型の少なくとも１個の分離器（３）は、弁（11）
で調節されるダクト（10）によって、バットに連設され
ている。
（12）は、パルプを、ポンプ（13）および一般循環路
に導くパルプ取出口である。螺旋攪拌器（15）は、シャ
フト（16）で駆動される。分離器は、取水口（17）と通
気口（18）とを有している。
次に、作動要領を説明する。
パルプ化装置（１）が、粉解を完了すると、弁（６）
が開いて、その内容物を、全てバット（４）に送る。
その後、パルプ化装置（１）を即時再充てんし、再度
作動させて、弁を再び閉じる。該パルプ化装置の周期
は、約30分乃至１時間である。
この間に、溶液を、バット（４）内で連続的に攪拌
し、ダクト（10）で間欠的にピックアップする。
弁（11）を開いて、分離器（３）を充てんし、弁（1
1）を閉じてから、攪拌器（16）を起動させ、ついで約
３乃至５分間（タイムリミットなし）作動させて、ポン
プ（13）でパルプを汲み上げ、廃棄物を洗い流し、分離
器（３）を、新たに満たして、作業を開始する。
したがって、パルプ化装置（１）は１回砕解する間
に、分離器（３）は分離を約10回繰り返す。
一例として、パルプ化装置（１）、バット（４）およ
び分離器（３）の容量を、それぞれ15m3、75m3および約
２乃至３m3とすることができる。
乾燥物質の濃度は、バット（４）および分離器（３）
で５乃至７％であるが、パルプ化装置（１）では、15乃
至20％にできる。
本発明の方法および構成要素の組合わせには、かなり
の融通性があるため、バット（４）の容量が、パルプ化
装置（１）の有効容量の少なくとも３倍であり、分離器
（３）の各処理容量が、パルプ化装置（１）の少なくと
も1/3乃至1/5である限り、特定ケースに適合させること
ができる。
〔発明の効果〕
本発明により、パルプの製造・一次分離作業を短縮で
き、不純物の割合が多くても、効果的に処理できる。
【図面の簡単な説明】
第１図は、本発明の方法を用いた装置の一例を示す断面
図である。 第２図は、第１図に示すバット攪拌シャフトに設けられ
たアームの形状説明図である。 （１）……一次パルプ化装置、（２）……攪拌器 （３）……分離器、（４）……バット （５）……ダクト、（６）……弁 （７）……取水口、（８）……シャフト （９）……アームまたは羽根、（10）……ダクト （11）……弁、（12）……パルプ取出口 （13）……ポンプ、（14）……廃棄物取出口 （15）……攪拌器、（16）……シャフト （17）……取水口、（18）……通気口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】回収紙、その他の繊維物質から、紙パルプ
    の製造と一次分離をする方法であって、攪拌手段を備え
    た一次パルプ化装置で前記物質を砕解する工程、該砕解
    完了後、前記パルプ化装置の内容物全体を該装置より大
    きい容量のバットにバッチ式に送出す工程、該バットに
    沿って長手方向に延びたシャフトに沿って設けられ、螺
    旋状に延びる複数のアームでパルプを攪拌、移送する工
    程、および前記バッドから分離器に材料を送出し、紙パ
    ルプと異物とを分離排出する工程からなることを特徴と
    する特許請求の範囲第１項記載の紙パルプの製造および
    一次分離方法。
  2. 【請求項２】バットの容量が、一次パルプ化装置の容量
    の少なくとも３倍であり、また分離器の容量が、前記パ
    ルプ化装置より1/3ないし1/5であることを特徴とする特
    許請求の範囲第１項に記載の紙パルプの製造および一次
    分離方法。
  3. 【請求項３】アームが、シャフト半径と羽根外面正接点
    との間の角度を20°乃至30°まで小さくした対数螺旋状
    であることを特徴とする特許請求の範囲第１項または第
    ２項記載の紙パルプの製造および一次分離方法。
  4. 【請求項４】一次パルプ化装置とバットとの間、および
    前記バットと分離器との間に、それぞれ弁手段を設けた
    ことを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記
    載の紙パルプの製造および一次分離方法。
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