JP2513794B2 - 衣料用粉末洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は衣料用粉末洗浄剤組成物に関し、詳しくは、
すすぎ性が著しく改良された衣料用粉末洗浄剤組成物に
関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 日本における衣料用粉末洗浄剤には起泡性が要求され
ているため、従来より主界面活性剤としてアニオン界面
活性剤が使われてきた。近年全自動洗濯機の普及が目覚
しい。全自動洗濯機に従来の高起泡性洗剤を使うと洗濯
時に泡があふれることがある。また従来の洗濯機の場合
すすぎ液の濁りを目で確認しすすぎの完了を確認してい
るが、全自動洗濯機の場合このような確認がされない
為、中〜低泡性であり、かつすすぎ性の良好なアニオン
洗剤が要求されてきた。

この課題を解決するため現在の粉末洗剤にはシリコー
ン又は石けん等の消泡剤が配合されている。シリコーン
は少量の添加で効果があるが、コストの問題及び油性で
あるため粉末物性を損なうなど使いにくい面があり、石
けんが主として使われている。

石けんは良好な抑泡効果を示すが、すすぎ性の面では
必らずしも充分と言えなかった。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意研究の結
果、石けん（高級脂肪酸塩）とともに特定のノニオン界
面活性剤とサイクロデキストリンを併用して用いればす
すぎ性が著るしく改良されることを見出し本発明を完成
した。

即ち、本発明は、合成アニオン界面活性剤を主洗浄基
剤とする衣料用粉末洗浄剤組成物において、 （ａ） 高級脂肪酸塩 １〜６重量％ （ｂ） ポリオキシエチレン（エチレンオキサイドの平
均付加モル数８〜20）アルキルエーテル 0.5〜６重量
％、および （ｃ）サイクロデキストリン 0.1〜５重量％ を含有することを特徴とする衣料用粉末洗浄剤組成物を
提供するものである。

本発明に用いられる高級脂肪酸塩としては、平均炭素
数10〜20、好ましくは16〜18の飽和又は不飽和脂肪酸の
アルカリ金属塩等が挙げられる。洗浄剤組成物中の高級
脂肪酸塩の配合量が１重量％未満では充分な抑泡すすぎ
効果が得られず、６重量％を越えると洗濯衣類につく石
けん臭を抑制できない。高級脂肪酸塩を約３重量％以上
配合すると洗濯衣類に石けん臭がつく傾向があるが、本
願発明の洗浄剤組成物では臭気包接能を有するサイクロ
デキストリンを併用しているので６重量％までであれば
充分に石けん臭を抑制できる。

本発明に用いられる（ｂ）成分のポリオキシエチレン
（エチレンオキサイド平均付加モル数８〜20）アルキル
エーテルとしては、炭素数８〜18の１級又は２級アルコ
ールにエチレンオキサイドを平均８〜20モル付加させた
ノニオン界面活性剤が挙げられる。エチレンオキサイド
の平均付加モル数が８モル未満ではすすぎ性改良効果が
乏しく、20モルを越えると洗剤製造上の不都合を生ず
る。ポリオキシエチレン（エチレンオキサイド平均付加
モル数８〜20）アルキルエーテルは本発明の洗浄剤組成
物中に0.5〜６重量％配合される。配合量が0.5重量％未
満であるとすすぎ性の改良効果が乏しく、６重量％を越
えると泡ぎれが悪くなってしまう。

本発明に用いられるサイクロデキストリンとしてはβ
−サイクロデキストリン、メチル化β−サイクロデキス
トリンの如きβ−サイクロデキストリン誘導体、α−サ
イクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンなどが
挙げられる。就中β−サイクロデキストリンが好まし
い。サイクロデキストリンは本発明の洗浄剤組成物中に
0.1〜５重量％、好ましくは1.0〜3.0重量％配合され
る。サイクロデキストリンの配合量が0.1重量％未満で
あると石けん臭を充分に抑制することができず、また５
重量％を越えると経済的に不利である。サイクロデキス
トリンは粉体として、又は増量剤、バインダーなどと共
に造粒して用いることができる。なお、サイクロデキス
トリンは液体香料を包接させて用いても本発明の目的は
充分達成され、また、そのようにして用いた方が石けん
臭マスキングの効果も期待できる。

本発明の洗浄剤組成物において、その他の洗剤組成は
特に限定されるものではないが、日本における洗剤は一
般にアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸
ソーダ、オレフィンスルホン酸ソーダ、アルキルエーテ
ル硫酸ソーダなどのアニオン界面活性剤10〜50重量％、
炭酸ソーダ、珪酸ソーダ、硫酸ソーダ及びゼオライトな
どの無機ビルダー類30〜80重量％、及びポリエチレング
リコール、カルボキシメチルセルロースなどの再汚染防
止剤、螢光染料、酵素、香料からなっており、また漂白
洗剤では過炭酸塩、過硼素酸塩、柔軟洗剤ではジ長鎖ア
ルキル型第４級アンモニウム塩が添加されているが、本
発明の洗浄剤組成物もこのような配合とすることができ
る。

〔実施例〕

以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。

尚、例中の部、％はそれぞれ重量基準である。

実施例１ 下記組成の粉末洗浄剤組成物を用いて、下記方法によ
りすすぎ性の評価を行った。

結果を表−１に示す。

＜粉末洗浄剤組成物＞ ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 16 ％ ポリオキシエチレンアルキルエーテル 表−１ 高級脂肪酸塩^＊１ 表−１ β−サイクロデキストリン^＊２ 表−１ 炭酸ソーダ 10.0％ ２号珪酸ソーダ 7.5％ 4A型ゼオライト 30.0％ 硫酸ソーダ バランス ポリエチレングリコール（MW6000） 1.0％ カルボキシメチルセルロース 1.2％ 螢光染料（チノパールCBS） 0.3％ 酵素（アルカリプロテアーゼ） 1.0％ 水分 4.5％ ＊1:高級脂肪酸塩 硬化牛脂アルキル脂肪酸ソーダ ＊2:日本食品加工株式会社製 セルデックスＮ ＜すすぎ性評価法＞ 装置：洗濯機 東芝製銀河2.2kg 実験条件： 洗剤濃度:0.133％ 水温:20℃ 使用水：水道水 40リットル 浴比:1/25（T/Cワイシャツ640g、綿肌着960g） 汚れ：モデル汚れ 3.2g （組成） 綿実油 60％ コレステロール 10％ オレイン酸 10％ パルミチン酸 10％ 液体及び固体パラフィン 10％ 実験手順： １） 洗濯機に水40リットルをいれる。

２） 洗剤を投入し、３分間攪拌する。

３） 衣類とモデル汚れを入れ、洗濯を開始する。

４） 洗濯を５分間行う。

５） 排水しながら、洗濯物を脱水槽に移し、１分間脱
水する。洗濯槽をよく洗い泡を流す。

６） すすぎ水を40リットル入れ、洗濯物をほぐして加
える。

７） ３分攪拌し、泡ですすぎ性を評価する。

８） ５）,6）,7）をもう１回繰り返す。

すすぎ性評価： ５ 液面全体に泡が残る ４ 液面に1/2程度の泡が残る ３ 液面に1/4程度の泡が残る ２ 液面に細かい泡が残る １ 泡がない

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】合成アニオン界面活性剤を主洗浄基剤とす
   る衣料用粉末洗浄剤組成物において、 （ａ） 高級脂肪酸塩 １〜６重量％ （ｂ） ポリオキシエチレン（エチレンオキサイドの平
   均付加モル数８〜20）アルキルエーテル 0.5〜６重量
   ％、および （ｃ）サイクロデキストリン 0.1〜５重量％ を含有することを特徴とする衣料用粉末洗浄剤組成物。