JP2512275Y2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、給紙装置に関し、さらに詳しくは、画像形
成装置内の転写紙案内構造に関する。

（従来の技術） 複写機やプリンタ等の画像形成装置にあっては、感光
体への露光により原稿画像に応じた静電潜像を形成し、
この静電潜像を現像した後、給紙スタックから繰り出さ
れた転写紙に静電転写することが行われている。

画像形成装置の内部には、給紙スタックから感光体の
転写位置に向け転写紙を案内する構造が設けてあり、そ
の一例としては第３図に示す構造がある。

第３図は画像形成装置の一つである複写機の給紙部を
示しており、感光体１の近傍には給紙路２が配置してあ
る。

給紙路２は、図示の場合、給紙トレイ３からのものと
手差し給紙トレイ４からのものとの２経路を有してお
り、これら各経路は矢印αで示す転写紙の給送方向にお
ける感光体１の上流側に位置するレジストローラ５の上
流位置で合流している。

給紙トレイ４からの給紙路は、給紙トレイ４から繰り
出された転写紙Ｓを反転させた状態でレジストローラ５
に給送する経路とされており、この経路において給紙ト
レイ４上の転写紙Ｓは、半月形状の転写紙繰り出し部材
であるピックアップローラ６により繰り出された後、給
送路の途中に配置してある搬送ローラ７によって挾持搬
送され、レジストローラ５の前方に位置する反転案内部
である案内部材８により搬送方向を反転する方向に案内
されて、レジストローラ５に導かれるようになってい
る。

案内部材８は、レジストローラ５において行われる画
像先端位置と転写紙先端位置との同期合わせ、及び転写
紙に生じている斜行（スキュー）の矯正をそれぞれ可能
にするため、停止しているレジストローラに突き当たっ
た際に案内部材８の転写紙搬送路側に膨らんできた転写
紙を、受けるようになっている。

このような転写紙の膨らみは、弛んだ量をスキュー矯
正の際の移動量として、また、レジストローラ５が再回
転したとき自らの腰の強さを利用した復帰力を生じさせ
てレジストローラ５での進入具合、換言すれば、入り勝
手を良くすることに用いられる。

案内部材８の構造としては、第４図に示すように、転
写紙搬送路側に位置する案内面を成すリブ8Aの突出長さ
を転写紙の幅方向で同じ長さに設定したものがある。

（考案が解決しようとする課題） 上述した案内部材８の構造においては、搬送されてく
る転写紙Ｓの先端が案内部材８に到達するとき、及び到
達した後案内部材８によって転写紙Ｓが反転されながら
案内され、案内部材８の転写紙搬送路側に向け膨らむと
き、幅方向全域にわたって略同時に案内部材８に衝突す
ることになり、この衝突時の音が大きい場合には騒音と
なることがある。

本考案の目的は、上述した従来の給紙装置における問
題に鑑み、搬送及び案内過程における転写紙と案内部材
との衝突による騒音を防止できる構造を備えた給紙装置
を得ることにある。

（課題を解決するための手段） この目的を達成するため、本考案は、中間搬送ローラ
により搬送される転写紙を反転させつつレジストローラ
へ案内する反転案内部を具備し、上記反転案内部には、
転写紙搬送路側に、上記転写紙の幅方向に並設された複
数のリブによって案内面が形成されている給紙装置にお
いて、上記リブは、上記転写紙搬送路側への突出量が大
小異なる複数のリブ群からなり、突出量の大きいリブの
間に、その他のリブが配置され、突出量の大きい方のリ
ブとその他のリブとの突出量の差は、上記反転案内部に
よって上記レジストローラへ案内される過程の上記転写
紙が突出量の大きい方のリブに当接した後、その他のリ
ブのうち少なくとも１つに当接する長さに設定されてい
ることを特徴としている。

また、本考案は、上記リブが、上記反転案内部の幅方
向中心に関して略左右対称に配置されていることを特徴
としている。

（作用） 本考案によれば、中間搬送部材により搬送される転写
紙の先端は一部のみが突出量の大きい方のリブに当接す
る。その後、反転案内部である案内部材によってレジス
トローラへ案内された上記転写紙は案内部材の転写紙搬
送路側に向け膨らみ、この膨らんだ面が突出量の大きい
方のリブに当接した後その他のリブに当接する。

（実施例） 以下、第１図及び第２図において、本考案の実施例を
説明する。

第１図は本考案の給紙装置の要部を説明するための斜
視図である。なお、第１図中、第３図に示したものと同
じ構成部品については、同符号により示す。

本考案の特徴は、反転案内部に形成してあるガイド用
リブの突出長さを転写紙の幅方向で変化させた点にあ
る。

上記反転案内部に用いられるガイド10は、例えば、樹
脂の成形品で構成され、転写紙Ｓの幅方向に沿って複数
のガイド用リブ10Aが並設してある。

これら複数のガイド用リブ10Aは、基部から延長され
て転写紙Ｓと当接する転写紙搬送路側の案内面を構成す
る先端までの突出量すなわち突出長さの大小異なる複数
のリブ群からなり、突出量の大きいリブの間に、その他
のリブを配置しているので、上記突出長さは転写紙の幅
方向において異り、幅方向での転写紙との接触面に段差
が設けられることとなる。本実施例の場合は、第２図に
示すように、転写紙Ｓが波打つ形状で接触できる長さを
持たせて転写紙Ｓと同一平面での接触が行えないように
設定されている。突出量の大きい方のリブとその他のリ
ブとの突出量の差は、反転案内部によって上記レジスト
ローラは案内される過程の転写紙Ｓが突出量の大きい方
のリブに当接した後、その他のリブのうち少なくとも１
つに当接する長さに設定されている。

また、ガイド用リブ10Aは、上記反転案内部の幅方向
中心に関して略左右対称に配置されている。

本実施例は以上のような構造であるから、中間搬送部
材である搬送ローラ７により搬送される転写紙Ｓの先端
は突出量の大きい方のリブに当接する。その後、反転案
内部に用いられるガイドである案内部材10によって反転
されながらレジストローラ５に案内された転写紙Ｓは、
レジストローラ５に突き当たることで一端停止された時
点に案内部材８の転写紙搬送路側に向け膨らみ、この膨
らんだ面が突出量の大きい方のリブに当接した後その他
のリブに当接する。

（考案の効果） 以上、本考案によれば、転写紙搬送路における反転案
内部に用いられるガイド用リブの、転写紙搬送路側への
突出量が転写紙の幅方向で異ならせてあるので、スキュ
ーを防止しつつ、搬送されてくる転写紙の先端、及び反
転案内部の転写紙搬送路側に向かって膨らんできた転写
紙の面の一部のみをまず突出量の大きい方のリブに衝突
させ、その後その他のリブに衝突させることができる。
従って、幅方向全域が同時に衝突するときに比べ、衝突
音の発生域を少なくすることで衝突音を小さく抑えて騒
音の発生を未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す給紙装置の反転案内部
であるガイドの要部を示す斜視図、第２図は第１図のII
−II線で示す方向の矢視図、第３図は給紙装置の一例を
示す模式的な断面図、第４図は第３図中、IV線で示す方
向の矢視図である。 １……感光体、２……給紙路、３……給紙スタックを有
するトレイ、５……レジストローラ、６……ピックアッ
プローラ、７……中間搬送部材である搬送ローラ、９…
…給紙装置、10……反転案内部材であるガイド、10A…
…ガイド用リブ、Ｓ……転写紙。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】転写紙を積載する給紙スタックと、この給
   紙スタックから給送される転写紙を搬送する中間搬送ロ
   ーラと、この中間搬送ローラにより搬送される上記転写
   紙を反転させつつレジストローラへ案内する反転案内部
   とを具備し、上記反転案内部には、転写紙搬送路側に、
   上記転写紙の幅方向に並設された複数のリブによって案
   内面が形成されている給紙装置において、 上記リブは、上記転写紙搬送路側への突出量が大小異な
   る複数のリブ群からなり、突出量の大きいリブの間に、
   その他のリブが配置され、突出量の大きい方のリブとそ
   の他のリブとの突出量の差は、上記反転案内部によって
   上記レジストローラへ案内される程度の上記転写紙が突
   出量の大きい方のリブに当接した後、その他のリブのう
   ち少なくとも１つに当接する長さに設定されていること
   を特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の給紙装置において、上記リ
   ブは、上記反転案内部の幅方向中心に関して略左右対称
   に配置されていることを特徴とする給紙装置。