JP2511364Y2 - 作業車両 - Google Patents

作業車両

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JP2511364Y2
JP2511364Y2 JP1990085626U JP8562690U JP2511364Y2 JP 2511364 Y2 JP2511364 Y2 JP 2511364Y2 JP 1990085626 U JP1990085626 U JP 1990085626U JP 8562690 U JP8562690 U JP 8562690U JP 2511364 Y2 JP2511364 Y2 JP 2511364Y2
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敏則 中谷
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東洋運搬機株式会社
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、建設車両や農作業車両などの作業車両に関
し、より詳しく説明すれば、エンジンルーム内に液冷式
エンジンとエンジン冷却液用のラジエータと冷却ファン
と油圧作業装置用のオイルクーラとを収容した作業車両
に関する。
《従来の技術》 この種の作業車両としては、実開昭61-106429号公報
(以下、従来例1という)や、特開昭64-60714号公報
(以下、従来例2という)に記載されたものがある。
[従来例1] 従来例1には次のことが開示されている。
エンジンルームの後部ドアが後ろ向きに深く形成さ
れ、後部ドアの内側空間にラジエータとオイルクーラと
が前側から順に配置されて、後部ドアに支持される。エ
ンジンの出力で軸流式の冷却ファンを駆動すると、冷却
ファンから吐出された冷却風は、ラジエータとオイルク
ーラとを順に通過したのち、後部ドアの排風口からエン
ジンルーム外へ排出されるようになっている。
[従来例2] 従来例2には次のことが開示されている。
エンジンルーム内の上寄り部で運転席の後ろ側空間
に、ボンネット・オイルクーラ・ラジエータ・ラジアル
式の冷却ファンが上から順に配置される。冷却ファンを
駆動すると、ボンネットの吸風口から吸引された冷却風
は、オイルクーラ・ラジエータを順に通過し、その後、
後部ドアの後面パネルの排風口からエンジンルーム外へ
排出される。
なお、本願考案に関連する従来技術としては、実開昭
56-111218号公報(以下、従来例3という)や、実開昭5
2-65726号公報(以下、従来例4という)が知られてい
る。
[従来例3] 従来例3には次のことが開示されている。
作業車両のエンジンルーム内で、エンジンの後側空間
にラジエータとファンとオイルクーラとを順に固設し、
上記ファンの送風作用によって、エンジンルームの下外
側空間の外気を、上記オイルクーラと同上ファンと上記
ラジエータとを順に通過させるように構成したものであ
る。
[従来例4] 従来例4は、防音ケース内に収容したエンジン発電機
に関する技術であって、本願に係る作業車両とは別異の
技術ではあるが、次のことが開示されている。
防音ケース内に発電機とエンジンとラジエータとファ
ンとを収容し、その防音ケースの前後の側壁を固定壁に
よって構成し、同上の防音ケースの天井壁に点検窓を設
け、その点検窓を開閉自在に覆う蓋体に外気入口を設け
たものである。
《考案が解決しようとする課題》 上記の各従来例では、次の問題がある。
[従来例1] (a)車体後部のオーバーハングが大きい。
ラジエータとオイルクーラとを直列に配置したので、
後部ドアの後方への突出量が大きくなり、車体後部のオ
ーバーハングが大きい。従って、そのオーバーハング分
だけ、車体の全長が長くなる。
(b)オイルクーラのメンテナンスに手間がかかる。
オイルクーラは、ラジエータと後部ドアの後面パネル
との間に設けられるので、塵埃やワラクズ等の異物が目
詰りした場合に、その目詰り状態を視認しにくく、作動
油がオーバーヒートし易い。このオイルクーラの目詰り
の清掃には、これに先立って、ラジエータを後部ドアか
ら取り外しておく必要があるので、メンテナンスに手間
がかかる。
[従来例2] これは、ラジエータとオイルクーラとをエンジンルー
ムの上寄り部に配置したので、後部ドアの前後方向の厚
さ寸法が小さくてすみ、車体後部のオーバーハングを無
くせる点で優れる。また、オイルクーラは、ボンネット
を開くことによって作業者が上側から容易にアクセスで
きるので、メンテナンスが容易である点で優れる。従っ
て、前記の従来例1の(a)および(b)項の問題点を
解消できる。しかし、次の(c)から(e)項の問題点
が新たに生じる。
(c)ラジエータのメンテナンスに手間がかかる。
ラジエータは、オイルクーラの下側でエンジンルーム
の奥部に配置されるので、異物が目詰りした場合に、そ
の目詰り状態を視認しにくく、エンジン冷却液がオーバ
ーヒートし易い。このラジエータの目詰りの清掃には、
これに先立って、オイルクーラを車体から取り外してお
く必要があるので、メンテナンスに手間がかかる。
(d)運転席の騒音レベルが大きい。
運転席は、その後ろ側空間に冷却ファンが隣接して配
置されるので、ファンブレードの風切り音が伝播しやす
く、その分だけ、騒音レベルが大きくならざるを得な
い。従って、作業車両の乗りごこちを向上するうえで、
改善の余地が残されていた。
(e)運転席からの後方視界が良くない。
ラジエータ及びオイルクーラと冷却ファンとが、エン
ジンの上側に重ねて配置されるので、エンジンルームの
上部は上向きに突出せざるを得ない。このため、運転席
からの後方視界が良くない。
[従来例3(実開昭56-111218号公報)] 従来例3は次の問題が生じる。
ラジエータは、エンジンルームの奥部に配置されるの
で、作業者がアクセスしにくくてメンテナンスに手間が
かかる。従って、前記の(c)項の問題点を解消できな
い。
また、オイルクーラは、常にエンジンルーム内に位置
されるので、作業者がアクセスしにくくてメンテナンス
に手間がかかる。従って、前記の(b)項の問題点を解
消できない。
さらに、エンジンの後ろ側空間にラジエータとファン
とオイルクーラとを固定しているので、上記エンジンに
アクセスすることが困難である。このため、エンジンの
メンテナンスに手間がかかるという問題が新たに生じ
る。
[従来例4(実開昭52-65726号公報)] エンジン発電機に係る従来例4は、本願の作業車両と
は別異の技術であって、オイルクーラが存在しないの
で、そのオイルクーラをメンテナンスするための配慮が
何ら想定されてないうえ、さらに次の問題が考えられ
る。
防音ケースの前後の側壁を固定壁によって構成したの
で、作業者がラジエータに前後方向からアクセスしにく
く、そのラジエータのメンテナンスに手間がかかる。従
って、前記の(c)項の問題点を解消できない。
本考案の目的は、上記の各従来例の各問題点を解消で
きるようにすることにある。
《課題を解決するための手段》 本考案は、上記の目的を達成するために、次のように
構成した。
例えば、第1図から第10図、又は第11図と第12図に示
すように、 車体(2)に運転席(8)とエンジンルーム(16)と
を前後に設けて、そのエンジンルーム(16)に、液冷式
エンジン(70)とエンジン冷却液用のラジエータ(89)
と冷却ファン(90)と油圧作業装置(20)の作動油用の
オイルクーラ(125)とを収容し、 上記エンジンルーム(16)の上壁部分(41)と後壁部
分(46)とにわたって上メンテナンス開口(54)および
後メンテナンス開口(48)を直列状に形成し、 上記の上メンテナンス開口(54)を開閉自在に覆う上
カバー部材(55)に吸風口(57)を設けるとともに、上
記の後メンテナンス開口(48)を開閉自在に覆う後カバ
ー部材(49)に排風口(50)を設けた、作業車両におい
て、 上記の上カバー部材(55)に上記オイルクーラ(12
5)を取り付けて、その上カバー部材(55)を、上記オ
イルクーラ(125)が上記エンジンルーム(16)内に収
容される閉姿勢(X)と、同上オイルクーラ(125)が
同上エンジンルーム(16)の外側空間に露出される開姿
勢(Y)とに切り換え自在な状態で上記の車体(2)に
支持し、 上記ラジエータ(89)を、上記の後メンテナンス開口
(48)用の後カバー部材(49)に対してラジエータ後面
が対面する状態で配置し、 前記の冷却ファン(90)の送風作用によって、上記の
上カバー部材(55)の外側空間の外気を、前記の吸風口
(57)と上記オイルクーラ(125)と同上の冷却ファン
(90)と上記ラジエータ(89)と前記の排風口(50)と
を順に通過させて前記の後カバー部材(49)の外側空間
へ排出可能に構成した、ものである。
《実施例》 以下、本考案の実施例を図面により説明する。
(第1実施例) 第1図から第10図は、本考案の第1実施例を示してい
る。
この実施例では、前記の従来例2(特開昭64-60714号
公報)に示されたスキッドステア式の作業車両に本考案
を適用したものを例示してある。
まず、第2図から第4図で作業車両の外観の構成を説
明する。
この作業車両1は、車体2を前輪3・3と後輪4・4
とで支持してなる。図中の符号Fと符号Bとは作業車両
1の前側と後側をそれぞれ示し、符号Lと符号Rとは、
作業車両1の前進方向の左側と右側をそれぞれ示してい
る。
車体2は、前後方向へ延びる左右一対のメインフレー
ム6・6と各メインフレーム6の後ろ寄り部から上向き
に突設したブーム支持用フレーム7とを備えている(第
10図参照)。車体2の前部寄りで両メインフレーム6・
6の間の空間に、運転席8が配置される。この運転席8
は、運転者用シート9をヘッドガード10で覆ってなる。
ヘッドガード10は、左右のガード部材11・11と天井部材
12とを備え、前側の全部と後側の上部とが解放されると
ともに、各ガード部材11の各窓13を金網14で覆ってな
る。車体2の後部寄りには、エンジンルーム16(ここで
は図示せず)が、両メインフレーム6の各後部の間の空
間と両ブーム支持用フレーム7の間の空間とにわたって
形成される。このエンジンルーム16は、メンテナンス時
には、後カバー部材49と上カバー部材55を開くとともに
運転席8を後上側のメンテナンス姿勢へ回動することに
より、エンジンルーム内の各種機器に容易にアクセスで
きるようになっている。
油圧作業装置20は、次のようになっている。ブーム21
は、その後部が各ブーム支持用フレーム7の上部に枢支
ピン22で支持されて、ブーム回動用油圧シリンダ23で上
下方向へ回動操作される。作業用アタッチメントである
バケット24は、ブーム21の前部に枢支ピン25で支持され
て、バケット回動用油圧シリンダ26で上下方向へ回動操
作される。これにより、バケットは24は、車体2の前外
側空間に突出された状態で車体2に支持される。
次に、第1図と第5図から第10図で、運転席8の構造
と車体2の内部構造とを説明する。
第1図と第9図の各側面図に示すように、運転席8
は、下面プレート31aを有する下面部材31と逆L字状の
後面プレート32aを有する後面部材32とを左右のガード
部材11・11の間に固定してなり、下面プレート31aの上
面に前記シート9を固定してある。その運転席8は、後
部の被枢支部分33が枢支ピン34を介して車体2に上下回
動自在に支持されており、前下側へ回動されて固定具36
で車体2に固定された運転姿勢A(第1図参照)と、固
定具36の固定状態を解除して後上側へ回動されたメンテ
ナンス姿勢C(第9図参照)とに切換え自在になってい
る。メンテナンス姿勢Cへ切換えられた状態は、ガスシ
リンダ37の伸長力で保持される。
同上の第1図・第9図および第10図を基本にしなが
ら、第5図・第6図・第7図の各図を参照して説明する
と、エンジンルーム16を外部空間から区画するエンジン
ルーム壁40は、上壁部分41・下壁部分42・左壁部分43・
右壁部分44・前壁部分45・後壁部分46を備えている。
後壁部分46に形成した後メンテナンス開口48は、複数
のスリット状の排風口50を有する後カバー部材49で開閉
自在に覆われる。後カバー部材49は、後壁部分46の右側
にヒンジ51で前後方向へ回動自在に支持されて、後メン
テナンス開口48の開口縁にガスケット52を介して気密状
に接当される。
また、上壁部分41に形成した上メンテナンス開口54が
上カバー部材55で開閉自在に覆われる。上カバー部材55
は、複数のスリット状の吸風口57を有する上面板56・長
方形状の貫通孔59を有する下面板58・これら両板56・58
の間に形成される吸音室60を備えている。上面板56は、
その前部分が上壁部分41にヒンジ61で上下方向へ回動自
在に支持されて、上メンテナンス開口54の開口縁にガス
ケット62を介して気密状に接当される。上面板56と下面
板58の内周面には吸音材(図示せず)が張付けられてい
る。
前壁部分45に形成した前メンテナンス開口64は、斜め
前向き状に開口されて、運転席8の後面プレート32aの
後側に固定したカバープレート32bで開閉自在に覆われ
る。これら両プレート32a・32bで、運転席8の後面部材
32が構成されている。カバープレート32bは、前メンテ
ナンス開口64の開口縁にガスケット66を介して気密状に
接当される。
上記エンジンルーム16の左右方向のほぼ中央部のうち
の前寄り部分に、立形・液冷式のディーゼルエンジン70
が、クランク軸71を前後へ向けた状態で配置される。こ
のエンジン70は、4個の防振ゴム72を介してエンジンル
ーム壁40に支持される。
エアクリーナ74は、エンジン70の左外側空間の上寄り
部分に、前後方向へ延びる状態で配置される。エアクリ
ーナ74の空気導入パイプ75の入口部である接続パイプ76
が、ブラケット77を介してエンジンルーム壁40の上壁部
分41に固定される。接続パイプ76とエアクリーナ74とは
ゴムホース78で連通されている。上記の接続パイプ76に
対応して、運転席8の被枢支部分33の前側でカバープレ
ート32bの上側位置に、共鳴式の吸気消音器80が固定さ
れる。この吸気消音器80は、同上第1図と第8図に示す
ように、断面視で台形状の消音室81と消音室右壁に形成
したルーバー式入口部82と消音室前壁に形成した円形出
口部83とを連通してなる。そして、第1図に示すよう
に、運転席8が運転姿勢Aに切換えられた状態では、吸
気消音器80の出口部83が接続パイプ76にガスケット84を
介して気密状に連通される。これに対して、第9図に示
すように、運転席がメンテナンス姿勢Cに切換えられた
状態では、吸気消音器80の出口部83と接続パイプ76との
連通状態が解除される。上記の吸気消音器80は、エンジ
ンルーム16の外側空間に配置されることから大きな容積
を容易に確保でき、その結果、吸気騒音を十分に低減で
きる。
排気マフラ86は、エンジン70の右外側空間の途中高さ
部分に、前後方向へ延びる状態で配置されて、エンジン
70に支持される。マフラ排気管87の後端の排出部は、後
カバー部材49の貫通孔49aに挿入される。
エンジン70の後側には、エンジン冷却液用のラジエー
タ89と軸流式の冷却ファン90とが後ろから順に配置され
る。ラジエータ89は、後メンテナンス開口48に対面した
状態で配置される。冷却ファン90の前向きに突出する入
力軸91が、巻き掛け伝動式のファン駆動手段92(ここで
はベルト伝動手段)を介して、クランク軸71の後端部に
連動連結される。
なお、ラジエータ89の右上側にはエンジン冷却液の補
給タンク94が配置され、ラジエータ89の下側にはバッテ
リ95が配置される。さらに、エンジンルーム16の左右両
側には燃料タンク96と作動油タンク97が設けられる。即
ち、両メインフレーム6・6の各後部の左右方向の外側
に、それぞれ、液密空間98・99が形成され、左側の液密
空間98にエンジンの燃料が貯溜されるとともに、右側の
液密空間99に油圧作業装置20と油圧変速機101の作動油
が貯溜される。
油圧変速機ルーム102は、両メインフレーム6・6の
前寄り部の間で運転席8の下側空間に配置され、変速機
ルーム壁103によって外部空間から区画されている。油
圧変速機ルーム102とエンジンルーム16とは、取り外し
可能な仕切り壁105でガスケット106を介して気密状に区
画されている。油圧変速機ルーム102のメンテナンス開
口108は、変速機ルーム壁103の上側開口109と前側開口1
10とを備えている。これら両開口109・110が、それぞ
れ、運転席8の下面プレート31aと、その下面プレート3
1aの前部分から下向きに突設したカバープレート31bで
開閉自在に覆われる。これら両プレート31a・31bは、メ
ンテナンス開口108の開口縁にガスケット113を介して気
密状に接当される。
油圧変速機ルーム102には、2台の走行用油圧ポンプ1
15・115と1台の作業用油圧ポンプ116が後ろから順に配
置される。これら油圧ポンプは、容積形に構成されてお
り、後ろ向きに突出する共通の入力軸117がクランク軸7
1の前部に連動連結される。また、走行用油圧ポンプ115
・115の下側には、左右2台の走行用油圧モータ119・11
9(ここでは右側のモータだけを図示してある)が配置
され、各油圧モータ119が前後のチェーン120・121を介
して前後の車輪駆動用スプロケット122・123を回転駆動
するようになっている。
各油圧ポンプ115・115・116から吐出された作動油の
一部分は、作動油冷却用のオイルクーラ125を経由して
作動油タンク97へ戻されるようになっている。そのオイ
ルクーラ125は、多数のU形チューブの表面にコルゲー
トフィンを固定してなり、エンジン70の後ろ上側空間に
上メンテナンス開口54と対面した状態で配置されて、上
カバー部材55の下面板58に固定される。
なお、油圧変速機ルーム102の左右の前側位置には、
2本の走行用操作レバー127と2つの油圧作業用操作ペ
ダル128(ここでは右側のレバーと右側のペダルだけを
図示してある)が車体2に固定されている。
上記構成によれば、作業車両1の運転時には、外気が
次の経路でエアクリーナ74へ導入される。
第1図と第8図に示すように、エンジン70の運転に伴
って、ヘッドガード10の右外側空間の外気は、吸気消音
器80の入口部82から左右へ大きく延びる消音室81内へ流
入し、ここを通過する間に消音されて、接続パイプ76・
ゴムホース78を順に経てエアクリーナ74へ導入されるの
である。
また、ラジエータ89とオイルクーラ125は次のように
空冷される。
同第1図に示すように、エンジン70の運転に伴ってフ
ァン駆動手段92が冷却ファン90を運転すると、エンジン
ルーム16の上外側空間の外気が、上カバー部材55の吸風
口57から吸音室60内へ吸引され、ここから下面板58の貫
通孔59を経てエンジンルーム16内に流入する間にオイル
クーラ125を冷却する。エンジンルーム16内に流入して
きた外気は、その後、冷却ファン90から後方へ吐出され
る間にラジエータ89を冷却して、後カバー部材の49の排
風口50から車体2の後側空間へ排出される。この場合、
エンジンルーム16の上部空間の空気が上記の冷却風の流
れにのって排風口50から排出されるので、エンジンルー
ム16の上部空間がエンジン70からの放射熱で過度に加熱
されることが防止される。このため、運転席8は、エン
ジンルーム16からの受熱量が少なくてすみ、乗りごこち
が良い。
また、エンジン70の騒音は、エンジンルーム16から吸
風口57を通って上側へ放出されるが、この空気伝播音
は、吸音室60を通過する間に、曲り通路と吸音材の作用
で騒音エネルギが大幅に低減される。
さらに、前記の各ブーム支持用フレーム7の上部は、
ブーム用枢支ピン22の枢支部分から上カバー部材55の後
端位置の上方にまで、後ろ向きに延設してある。これに
より、エンジン騒音が吸風口57から車体2の左右の外側
空間へ放散されることが防止される。
ちなみに、従来例2(特開昭64-60714号公報)に基づ
いて製作された作業車両と本発明に基づいて試作した作
業車両1とのA特性における騒音レベルを比較したとこ
ろ、シートに着席した運転者の耳元位置で数dB低減で
き、また、車体の前後左右の各面から水平方向の外側へ
7m離れた4つの位置での騒音レベルの平均値も数dB低減
できた。
以上のように、作業車両1は、走行中や作業中の騒音
を低減できることから、運転席8の騒音レベルが低くて
乗りごこちが向上するうえ、静粛な環境が要求される住
宅地であっても夜間作業が可能となる。
上記作業車両1は、メンテナンス時には第9図に示す
ように操作される。
まず、上カバー部材55を上方へ回動させて、ガスシリ
ンダ(図示せず)で開姿勢Yに保持する。これにより、
作業者がオイルクーラ125の下面に後ろ側から容易にア
クセスでき、塵埃等の異物の目詰り状態の確認や空気ブ
ローによる伝熱面の清掃が可能となる。また、上メンテ
ナンス開口54が開放されることにより、エアクリーナ74
のエレメントの交換やラジエータ89の冷却液の補給が可
能となる。
また、後カバー部材49を開けることにより、後メンテ
ナンス開口48が開放される。これにより、作業者がラジ
エータ89の後面に後ろ側から容易にアクセスでき、塵埃
等の異物の目詰り状態の確認や空気ブローによる伝熱面
の清掃が可能となる。また、ラジエータ89をメインフレ
ーム6・6から取り外すことにより、ファン駆動手段92
やエンジン70後部のメンテナンスが容易にできる。
さらに、運転席8を後上側のメンテナンス姿勢Cへ回
動させることにより、エンジンルーム壁40の前メンテナ
ンス開口64が開放されて、エンジン70前部のメンテナン
スが容易になるとともに、変速機ルーム壁103のメンテ
ナンス開口108が開放されて油圧変速機101のメンテナン
スも容易にできる。
(第2実施例) 第11図と第12図は、第2実施例を示している。この実
施例では、上記の第1実施例と同じ構成の部材には、原
則として、同一の符号を付けてある。後カバー部材249
は、後ろ向きに深く形成され、その内部空間にラジエー
タ289が収容される。このラジエータ289は、ブラケット
(図示せず)でメインフレーム206に支持されている。
なお、上記のラジエータは、メインフレーム206に支
持することに代えて、後カバー部材249に支持するよう
にしてもよい。この場合、後カバー部材249を開き操作
したときには、作業者がラジエータ前面側のアクセスで
きる。
本考案は、上記の各実施例のほかに、次の(1)項か
ら(6)項に示すように変更できる。
(1)作業車両が、スキッドステア式のものに代えて、
歯車式変速機を備えたもの。また、油圧作業装置のブー
ムが、車体の前部分や中間部分に枢支されるもの。さら
に、作業用アタッチメントが、車体の前部に支持した操
作アームで直接に駆動されるもの。
(2)液冷式のエンジンは、ディーゼルエンジンに代え
て、ガソリンエンジンやガスエンジン等の他の種類のエ
ンジンであってもよい。
(3)ラジエータの冷却ファンがラジアル式であるも
の。この場合、冷却ファンは、エンジンルーム内の任意
のスペースに配置することが容易にでき、ファン吐出口
がダクトを介してラジエータの前面側に連通される。
(4)ファン駆動手段が、エンジンに付設の発電機又は
バッテリで駆動される電動機であるもの。
(5)上カバー部材と後カバー部材とは、1つの部品で
一体に形成してもよい。
(6)上メンテナンス開口と後メンテナンス開口とは、
連続させずに、個別に形成してもよい。
《考案の効果》 (請求項1の考案) 本考案は、上記のように構成され作用することから次
の効果を奏する。
(a)車体後部のオーバーハングが小さい。
ラジエータとオイルクーラとを離して配置して、その
オイルクーラが後カバー部材の内部空間に配置されない
ので、その分だけ、後カバー部材の前後方向の厚さ寸法
が小さくてすむ。従って、車体後部のオーバーハングが
小さくてすみ、車体の全長が短くなる。
(b)ラジエータは、後カバー部材を開くことによっ
て、作業者が冷却ファンに邪魔されることなく容易にア
クセスできるので、メンテナンスが容易である。
(c)オイルクーラは、上カバー部材を開くことによっ
て、作業者が上側から容易にアクセスできるので、メン
テナンスが容易である。
(d)運転席の騒音レベルが小さい。
冷却ファンは、運転席から離れた位置に配置すること
が可能となる。このため、運転席は、ファンブレードの
風切り音が伝播しにくくなり、その分だけ、騒音レベル
が小さくなる。その結果、車両の乗りごこちが向上す
る。
(e)運転席からの後方視界が良い。
エンジンの上側には、オイルクーラだけが配置される
ので、エンジンルームの上方への突出寸法が小さくてす
む。その結果、運転席からの後方視界が良い。
(f)オイルクーラは、新鮮な外気が通風されるので、
冷却効率が高くて、小形のものを採用できる。
(g)上カバー部材を開き操作した時にはオイルクーラ
がエンジンルームの外側空間に露出されるので、そのエ
ンジンルームの上面が開放されて、作業者が上側からエ
ンジンにアクセスできるため、エンジンのメンテナンス
が容易となる。
(請求項2の考案) 上カバー部材に吸音室を設けることにより、エンジン
ルームから吸風口を通って上側へ放出されるエンジン騒
音が、吸音室を通過する間に低減されるので、車両の騒
音を低減できる。
(請求項3の考案) エンジンルーム内でエンジンの左右両外側の空間にエ
アクリーナと排気マフラとを振り分けて配置したので、
排気マフラからエアクリーナへの放射熱量が少なくてす
む。その結果、エンジンは、吸気の充填効率が向上し、
出力が高まる。
(請求項4の考案) エンジンルームの左右両壁を燃料と作動油とで覆って
エンジン騒音を遮音できるので、車両の騒音がさらに低
減する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第10図は、本考案の第1実施例を示し、 第1図は、作業車両の主要部分の縦断側面図、 第2図は、作業車両の斜視図、 第3図は、作業車両の側面図、 第4図は、作業車両の後面図、 第5図は、作業車両の主要部分の横断平面図、 第6図は、第1図のVI-VI線矢視断面図、 第7図は、作業車両の後部の平面視部分図、 第8図は、第1図のVIII-VIII線矢視断面図、 第9図は、作業車両のメンテナンス状態を示す図であっ
て、第1図に相当する図、 第10図は、車体の概略構造を示す斜視図である。 第11図と第12図は、第2実施例を示し、 第11図は、第1図に相当する部分図であって、作業車両
の後部の縦断側面図、 第12図は、第11図の平面視部分断面図である。 2……車体、6……メインフレーム、7……ブーム支持
用フレーム、8……運転席、16……エンジンルーム、20
……油圧作業装置、24……アタッチメント、49……後カ
バー部材、50……排風口、55……上カバー部材、56……
上面板、57……吸風口、58……下面板、60……吸音室、
70……エンジン、71……クランク軸、74……エアクリー
ナ、86……排気マフラ、89……ラジエータ、90……冷却
ファン、98・99……液密空間、101……油圧変速機、125
……オイルクーラ、X……閉姿勢、Y……開姿勢。

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体(2)に運転席(8)とエンジンルー
    ム(16)とを前後に設けて、そのエンジンルーム(16)
    に、液冷式エンジン(70)とエンジン冷却液用のラジエ
    ータ(89)と冷却ファン(90)と油圧作業装置(20)の
    作動油用のオイルクーラ(125)とを収容し、 上記エンジンルーム(16)の上壁部分(41)と後壁部分
    (46)とにわたって上メンテナンス開口(54)および後
    メンテナンス開口(48)を直列状に形成し、 上記の上メンテナンス開口(54)を開閉自在に覆う上カ
    バー部材(55)に吸風口(57)を設けるとともに、上記
    の後メンテナンス開口(48)を開閉自在に覆う後カバー
    部材(49)に排風口(50)を設けた、作業車両におい
    て、 上記の上カバー部材(55)に上記オイルクーラ(125)
    を取り付けて、その上カバー部材(55)を、上記オイル
    クーラ(125)が上記エンジンルーム(16)内に収容さ
    れる閉姿勢(X)と、同上オイルクーラ(125)が同上
    エンジンルーム(16)の外側空間に露出される開姿勢
    (Y)とに切り換え自在な状態で上記の車体(2)に支
    持し、 上記ラジエータ(89)を、上記の後メンテナンス開口
    (48)用の後カバー部材(49)に対してラジエータ後面
    が対面する状態で配置し、 前記の冷却ファン(90)の送風作用によって、上記の上
    カバー部材(55)の外側空間の外気を、前記の吸風口
    (57)と上記オイルクーラ(125)と同上の冷却ファン
    (90)と上記ラジエータ(89)と前記の排風口(50)と
    を順に通過させて前記の後カバー部材(49)の外側空間
    へ排出可能に構成した、ことを特徴とする作業車両。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した作業車両において、 前記の上カバー部材(55)は、上面板(56)と、下面板
    (58)と、これら両板(56)(58)の間に形成される吸
    音室(60)とを備え、 上記の上面板(56)に前記の吸風口(57)を形成すると
    ともに上記の下面板(58)に前記オイルクーラ(125)
    を支持し、 前記の冷却ファン(90)を運転することによって、前記
    の吸風口(57)から吸入された外気が、上記の吸音室
    (60)を通過したのち前記オイルクーラ(125)へ送ら
    れるように構成した、ことを特徴とする作業車両。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載した作業車両におい
    て、 前記の冷却ファン(90)を、軸流式に構成して、前記ラ
    ジエータ(89)に対して前側から向かい合う状態に配置
    し、 前記エンジン(70)を、そのクランク軸(71)を前後向
    きにした状態で、前記エンジンルーム(16)の左右方向
    のほぼ中央部のうちの前寄り部分に配置し、 上記エンジンルーム(16)内で、上記エンジン(70)の
    左右外側空間のうちの一方の外側空間の上寄り部分に、
    エアクリーナ(74)を前後方向へ延びる状態で配置する
    とともに、他方の外側空間の途中高さ部分に、排気マフ
    ラ(86)を前後方向へ延びる状態で配置した、ことを特
    徴とする作業車両。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれに記載した作業車
    両において、 前記の車体(2)は、前後方向へ延びる左右一対のメイ
    ンフレーム(6)(6)と、各メインフレーム(6)の
    後部寄りの部分から上向きに突設した各ブーム支持用フ
    レーム(7)とを備え、 前記エンジンルーム(16)を、上記の両メインフレーム
    (6)(6)の各後部分の間の空間と上記の両ブーム支
    持用フレーム(7)(7)の間の空間とにわたって形成
    し、 上記の両メインフレーム(6)(6)の各後部の左右方
    向の外側に、それぞれ、液密空間(98)(99)を形成
    し、 上記の両液密空間のうちの一方の液密空間(98)(99)
    に前記のエンジン(70)の燃料を貯溜するとともに、他
    方の液密空間(99)(98)に前記の油圧作業装置(20)
    と油圧変速機(101)の作動油を貯溜した、ことを特徴
    とする作業車両。
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