JP2511215B2 - ダクト式空気調和システム装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ダクト式空気調和シス
テム装置に関するものであり、特に、家屋内の各部屋を
個別に空気調和ができるダクト式空気調和システム装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のダクト式空気調和システ
ム装置として、実開平１−６６５３３号公報に掲載の技
術を挙げることができる。これは、室内機の吹出口から
熱交換後の温気または冷気を室内に吹出すとともに、室
内の空気をダクトを介して室外に排出して空気調和を行
なうダクト式空気調和システム装置である。

【０００３】従来の空気調和システム装置は、上記公報
にも記載されているように、空気調和機を室内機と室外
機とに分け、各部屋の壁または床に室内機を配設し、屋
外に室外機を配設していた。そして、室内機の吹出口か
ら熱交換後の温気または冷気を室内に吹出すことによ
り、室内が所望の温度になるように空気調和を行なって
いた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のダクト式空気調和システム装置では、各部屋毎に
空気調和機の室内機を各々配設する必要があり、室内に
そのための専用の設置スペースを確保する必要があっ
た。

【０００５】また、室内と屋外との換気をするために、
折角空気調和された室内の空気がそのまま屋外に大量に
排出され、換気された室内の空気を室内機によって再び
大量に熱交換して空気調和する必要があり、熱効率がよ
くなかった。

【０００６】更に、室内機の運転により生ずる騒音が室
内中に響き、運転中は耳障りな騒音がしていた。

【０００７】そこで、この発明は、室内に室内機を配設
するための設置スペースがいらず、しかも、熱効率がよ
く、静かなダクト式空気調和システム装置の提供を課題
とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるダクト式
空気調和システム装置は、ヒートポンプ式の室外機に連
結され、熱交換器及び送風機を有する外置きの空気調和
ユニットと、前記空気調和ユニットに立設され、熱交換
後の空気が送風される立上ダクトと、前記立上ダクトに
接続され、複数の天井吹出口及び床吹出口を有する天井
ダクトと、前記天井吹出口及び床吹出口に配設され、室
内への吹出風量の調整が可能なダンパユニットと、前記
室内の空気を空気調和ユニットの送風機に導く吸引ダク
トと、前記室内の空気温度を利用して熱交換しながら室
内と屋外との換気を行なう換気空気調和機とを具備する
ものである。

【０００９】

【作用】本発明のダクト式空気調和システム装置におい
ては、ヒートポンプ式の室外機に連結された外置きの空
気調和ユニットの熱交換器により熱交換を行ない、熱交
換された空気が空気調和ユニットの送風機により立上ダ
クトを介して天井ダクトに送られ、複数の天井吹出口及
び床吹出口からダンパユニットにより吹出風量が調整さ
れて室内に吹出され、室内の空気は吸引ダクトを通して
空気調和ユニットの送風機に導かれるとともに、換気空
気調和機により室内の空気温度を利用して熱交換しなが
ら室内と屋外との換気を行なうものであるから、室内に
空気調和ユニットを設置する必要がなく、空気調和され
た室内の空気がそのまま直接大量に屋外に排出されずに
室内の換気ができ、空気調和ユニットの運転音も室内に
聞えない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明をする。

【００１１】図１は本発明の一実施例であるダクト式空
気調和システム装置の全体構成を示す斜視図、図２は本
発明の一実施例であるダクト式空気調和システム装置の
運転系統を示す斜視図である。

【００１２】図において、１は屋外に配設された室外
機、２は同じく屋外に配設された空気調和ユニットであ
り、この室外機１と空気調和ユニット２とが一体となっ
てヒートポンプ式の空気調和機を構成している。３は空
気調和ユニット２に内蔵されている熱交換器、４は空気
調和ユニット２に内蔵されている送風機であり、この送
風機４は空気調和用の空気の循環源として機能する。５
は空気調和ユニット２に立設され建物の外壁に沿って配
設された外置きの立上ダクトであり、この立上ダクト５
を介して熱交換された空気が送風される。６は立上ダク
ト５に接続された蛸足状の天井ダクト、７は天井ダクト
６の端部に形成された天井吹出口、８は同じく天井ダク
ト６の端部に形成された床吹出口、９は天井吹出口７及
び床吹出口８に各々組込まれたＶＡＶ（可変風量バル
ブ）ダンパユニットであり、ダンパの開閉度合を適宜変
化させることにより吹出風量の調整ができる。１０は床
下等に配設された吸引ダクトであり、この吸引ダクト１
０を通って室内空気は屋外の空気調和ユニット２に導か
れる。１１は室内空気の温度を利用して熱交換しながら
室内と屋外との換気を行なう換気空気調和機であり、三
菱電機製のロスナイ（登録商標）が使用されている。１
２は室外機１と空気調和ユニット２の熱交換器３とを連
結する冷媒配管、１３はこのダクト式空気調和システム
装置全体の制御を行なうセンターコントローラであり、
ＶＡＶダンパユニット９による風量調整、温度設定、運
転モードの切換等を行なう。１４は各ＶＡＶダンパユニ
ット９による風量調整、温度設定を部屋毎に行なうルー
ムコントローラである。

【００１３】この構成のダクト式空気調和システム装置
では、室外機１及び空気調和ユニット２が共に屋外に配
設されている。そして、空気調和ユニット２から送風さ
れる熱交換後の温気または冷気は、立上ダクト５及び天
井ダクト６を通り、天井吹出口７及び床吹出口８から各
部屋に吹出され、屋内の各部屋の空気調和が行なわれ
る。室内を空気調和した空気は吸引ダクト１０を通り、
再び空気調和ユニット２に戻り、熱交換されて立上ダク
ト５に吹出される。即ち、本実施例のダクト式空気調和
システム装置では、空気調和ユニット２（送風機４→熱
交換器３）→立上ダクト５→天井ダクト６→天井吹出口
７及び床吹出口８→室内→吸引ダクト１０→空気調和ユ
ニット２の順に空気が循環する。また、天井吹出口７及
び床吹出口８から各部屋に空気調和用の温風または冷風
が吹出されるとき、天井吹出口７及び床吹出口８に各々
配設されたＶＡＶダンパユニット９によって吹出風量が
適宜調整され、部屋毎に室温の調整がされる。更に、ロ
スナイ等の換気空気調和機１１によって、室内の空気温
度を利用して熱交換しながら屋外の新鮮な空気が室内に
供給されるとともに、室内の汚れた空気が屋外に排出さ
れて、室内と屋外との換気が行なわれる。

【００１４】なお、本実施例のダクト式空気調和システ
ム装置の室外機１及び空気調和ユニット２は共に屋外に
配設されているが、その据付位置は図３のように適宜選
択できる。図３は本発明の一実施例であるダクト式空気
調和システム装置の室外機及び空気調和ユニットの据付
位置を示す平面図である。

【００１５】図において、１５は建物の外壁であり、こ
の外壁１５に沿って空気調和ユニット２が配設されてい
る。そして、この空気調和ユニット２の近傍に室外機１
が設置される。この空気調和ユニット２と室外機１との
位置関係は据付スペースの形状等を考慮して適宜変化さ
せることができ、空気調和ユニット２の前側に室外機１
を配したり、或いは、空気調和ユニット２の右側や左側
に室外機１を並べて設置することもできる。したがっ
て、例えば、隣家との隙間が狭い場所であっても、空気
調和ユニット２に対する室外機１の配置を適宜変化させ
ることによって据付けが可能になる。

【００１６】このように、本実施例のダクト式空気調和
システム装置は、ヒートポンプ式の室外機１と、この室
外機１に冷媒配管１２で連結され、熱交換をする熱交換
器３及び空気調和用の空気の循環源たる送風機４を有す
る外置きの空気調和ユニット２と、この空気調和ユニッ
ト２に立設され、熱交換後の温気または冷気が送風され
る外置きの立上ダクト５と、この立上ダクト５に接続さ
れ、複数の天井吹出口７及び床吹出口８を有する天井ダ
クト６と、前記天井吹出口７及び床吹出口８に各々配設
され、室内への吹出風量の調整が可能なＶＡＶダンパユ
ニット９と、前記室内の空気を空気調和ユニット２の送
風機４に導く吸引ダクト１０と、前記室内の空気温度を
利用して熱交換しながら室内と屋外との換気を行なうロ
スナイ等の換気空気調和機１１とを備えている。

【００１７】即ち、本実施例のダクト式空気調和システ
ム装置は、ヒートポンプ式の室外機１に連結された外置
きの空気調和ユニット２の熱交換器３により熱交換を行
ない、熱交換された温気または冷気が空気調和ユニット
２の送風機４により立上ダクト５を介して天井ダクト６
に送られ、複数の天井吹出口７及び床吹出口８からＶＡ
Ｖダンパユニット９により吹出風量が調整されて室内に
吹出され、室内の空気は吸引ダクト１０を通して空気調
和ユニット２の送風機４に導かれるとともに、換気空気
調和機１１により室内の空気温度を利用して熱交換しな
がら室内と屋外との換気を行なうものである。

【００１８】したがって、本実施例のダクト式空気調和
システム装置では、室内に空気調和ユニット２を設置す
る必要がないので、そのための専用の設置スペースが不
要になり、この結果、室内空間を有効に活用できるとと
もに、室内の見栄えもよくなる。また、室内と屋外との
換気は換気空気調和機１１によって行なわれ、従来のよ
うに折角空気調和された室内の温気または冷気がそのま
ま直接大量に屋外に排出されないので、熱効率が高ま
る。更に、空気調和ユニット２の運転により生ずる騒音
が室内に聞えないので、運転中も耳障りな騒音がなく室
内が静かになる。ところで、上記実施例では、天井ダク
ト６に各々天井吹出口７及び床吹出口８を有する場合に
ついて説明をしたが、天井吹出口７を有する天井ダクト
６と床吹出口８を有する天井ダクト６とを分けて配設し
てもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のダクト式
空気調和システム装置は、ヒートポンプ式の室外機と、
外置きの空気調和ユニットと、この空気調和ユニットに
立設された立上ダクトと、この立上ダクトに接続された
天井ダクトと、天井吹出口及び床吹出口に配設されたダ
ンパユニットと、吸引ダクトと、換気空気調和機とを備
え、室外機に連結された外置きの空気調和ユニットの熱
交換器により熱交換を行ない、熱交換された空気が空気
調和ユニットの送風機により立上ダクトを介して天井ダ
クトに送られ、複数の天井吹出口及び床吹出口からダン
パユニットにより吹出風量が調整されて室内に吹出さ
れ、室内の空気は吸引ダクトを通して空気調和ユニット
の送風機に導かれるとともに、換気空気調和機により室
内の空気温度を利用して熱交換しながら室内と屋外との
換気を行なうことにより、室内に空気調和ユニットを設
置する必要がないので、そのための専用の設置スペース
が不要になり、しかも、空気調和された室内の空気がそ
のまま直接大量に屋外に排出されずに室内の換気ができ
るので、熱効率が高まり、また、空気調和ユニットの運
転音も室内に聞えないので、室内が静かになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例であるダクト式空気調
和システム装置の全体構成を示す斜視図である。

【図２】図２は本発明の一実施例であるダクト式空気調
和システム装置の運転系統を示す斜視図である。

【図３】図３は本発明の一実施例であるダクト式空気調
和システム装置の室外機及び空気調和ユニットの据付位
置を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 室外機 ２ 空気調和ユニット ３ 熱交換器 ４ 送風機 ５ 立上ダクト ６ 天井ダクト ７ 天井吹出口 ８ 床吹出口 ９ ＶＡＶダンパユニット １０ 吸引ダクト １１ 換気空気調和機 １２ 冷媒配管 １３ センターコントローラ １４ ルームコントローラ １５ 外壁

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒートポンプ式の室外機と、前記室外機
   に冷媒配管で連結され、熱交換をする熱交換器及び空気
   調和用の空気の循環源たる送風機を有する外置きの空気
   調和ユニットと、 前記空気調和ユニットに立設され、熱交換後の空気が送
   風される立上ダクトと、 前記立上ダクトに接続され、複数の天井吹出口及び床吹
   出口を有する天井ダクトと、 前記天井吹出口及び床吹出口に配設され、室内への吹出
   風量の調整が可能なダンパユニットと、 前記室内の空気を空気調和ユニットの送風機に導く吸引
   ダクトと、 前記室内の空気温度を利用して熱交換しながら室内と屋
   外との換気を行なう換気空気調和機とを具備することを
   特徴とするダクト式空気調和システム装置。