JP2510186B2 - 制御装置 - Google Patents

制御装置

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JP2510186B2
JP2510186B2 JP62043968A JP4396887A JP2510186B2 JP 2510186 B2 JP2510186 B2 JP 2510186B2 JP 62043968 A JP62043968 A JP 62043968A JP 4396887 A JP4396887 A JP 4396887A JP 2510186 B2 JP2510186 B2 JP 2510186B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、例えばアイドル時に、その吸入空気量を制
御してアイドル回転数を目標回転数に制御する内燃機関
のアイドル回転数制御装置に関し、詳しくは、アイドル
回転数を応答性良く制御しえる内燃機関のアイドル回転
数制御装置に関する。
[状来の技術] 従来、この種のアイドル回転数制御装置は、内燃機関
の回転数を検出して吸入空気量をフィードバック制御し
ており、その制御には所謂PID(比例,積分,微分)制
御が広く適用されていた。しかしながら、こうした制御
では回転数が変化して初めて吸入空気量の制御を行なう
ため、応答性、特に過渡応答性が十分でなく、内燃機関
に負荷変化(例えば空気調和装置のオンオフ等)が生じ
た時、アイドル回転数が安定となるのにかなりの時間を
要するといった問題があった。
そこで、近年では、内燃機関のアイドル回転数を制御
する系の動的なモデルを考え、その内部状態を推定して
アイドル回転数をフィードバック制御し、制御の応答性
を飛躍的に改善しようとする提案がなされている(例え
ば、特開昭59−7752号公報、特開昭59−43942号公報お
よび特開昭59−145339号公報の「内燃機関のアイドル回
転速度制御方法」等)。
[発明が解決しようとする問題点] こうしたアイドル回転数の制御は、所謂現代制御理論
を基に、緻密な制御モデルを構築して制御を行なうもの
であるが、次の問題があり、猶一層の改善が強く望まれ
ていた。
(1) 現代制御では、アイドル回転数を制御する系の
内部状態を状態変数量によって代表させ、これを知って
必要な制御入力(ここでは吸入空気の制御量)を決定す
るが、こうした状態変数量は状態観測器(オブザーバ)
を構築して求めなければならない。このオブザーバの設
計手法は種々提案されてはいるが、膨大なシュミレーシ
ョンを行なって妥当なパラメータ等を選択せねばなら
ず、多大な時間と、手間とを必要とするという問題があ
った。
(2) また、オブザーバは、制御対象の動的なモデル
に対応して構築されるので、アイドル回転数を制御する
系の動的なモデルを構築する際の精度に依存した確から
しさでしか状態変数量を観測することができない。従っ
て、オブザーバによる状態変数量の観測精度を高くしよ
うとすれば、制御対象のモデル化を高精度に行なわねば
ならず、モデルが複雑化して、実際の制御における演算
等の負荷が大きくなり、現実の制御には供しえなくなる
という問題が考えられた。
本発明は、こうした問題を解決することを目的として
なされ、オブザーバを用いることなく状態変数量を知っ
て内燃機関のアイドル回転数制御用等のアクチュエータ
を応答性良く制御する制御装置を提供するものである。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は問題点を解決する
ための手段として次の構成をとった。即ち、第1図に例
示するように、 制御対象の動作状態に関連する出力値を検出する検出
手段と、 前記制御対象の作動状態を調整するアクチュエータ
と、 前記アクチュエータの制御量を決定し、この制御量に
応じてアクチュエータを制御する制御手段とを備え、 この制御手段は、 前記検出手段で検出された出力値と前記決定された制
御量とを記憶する記憶手段と、 所定のフィードバックゲインおよび状態変数に基づい
て今回の制御量を新たに算出する制御量算出手段とを有
すると共に、 前記フィードバックゲインは前記制御対象の作動状態
を近似した動的なモデルに依存し、前記状態変数は前記
記憶手段に記憶された過去の出力値および過去の制御量
をそのまま用いたベクトル値として構成されていること
を特徴とする制御装置の構成がそれである。
ここで、前記制御対象は内燃機関のアイドル時の吸入
空気量を制御するアイドル空気量制御手段であり、 前記検出手段は、内燃機関のアイドル時の回転数を検
出する回転数検出手段である制御装置とすることができ
る。
また、前記動的なモデルは、むだ時間p(p=0,1,2,
…)を持つ次数〔n,m〕(n=1,2,3,…,m=1,2,3,…)
の自己回帰移動平均モデルにより近似し、さらに外乱を
考慮して構築するようにしてもよい。
ここで、むだ時間P(≧1)をもつ次数〔n,m〕の自
己回帰移動平均モデルとは、 Ne(k)=a1・Ne(k−1)+a2・Ne(k−2) +……+an・Ne(k−n)+b1・u(k−1−P) +b2・u(k−2−P)+…… +bm・u(k−m−P) ………(1) の形式でアイドル回転数Neが定められるとアイドル回転
数制御系を近似するものをいい、更に本発明では、これ
に外乱dを考慮して、 Ne(k)=a1・Ne(k−1)+a2・Ne(k−2) +……+an・Ne(k−n)+b1・u(k−1−P) +b2・u(k−2−P)+…… +bm・u(k−m−P)+d(k+1) ………(2) としてアイドル回転数を制御する系の動的なモデルの構
築がなされる。
この結果、 を用いた表示をすると、 となり、 として、 を用いることができることになる。
また、むだ時間P=0の場合の外乱dを考慮した自己
回帰移動平均モデルは、 Ne(k) =a1・Ne(k−1)+…+an・Ne(k−m+1) +b1・u(k−1)+…+bm・u(k−m+1) +d(k−1) ………(2′) としてアイドル回転数を制御する系の動的なモデルの構
築がなされる。
この結果、 を用いた表示をすると、 となり、 として、 を、用いることができることになる。
そして、むだ時間P≧1とした場合は、現在までの制
御において用いた Ne(K),Ne(k−1)……Ne(K−n+1),u(k−
1),u(k−2),……u(k−m−P+1)を記憶し
ておき、これを出力するものであり、またむだ時間P=
0とした場合は現在までの制御において用いたNe
(K),Ne(k−1),……Ne(k−n+1),u(k−
1),u(k−2),……u(k−m+1)を記憶してお
き、これを出力するものである。
〔作用〕
制御対象の動作状態に関連する出力値を検出手段によ
り検出し、制御対象の作動状態を調整するアクチュエー
タの制御量を制御手段により決定してアクチュエータを
制御する。この制御手段は、検出手段で検出された出力
値と前記決定された制御量とを記憶手段に記憶し、所定
のフィードバックゲインおよび状態変数に基づいて今回
の制御量を制御量算出手段により新たに算出すると共
に、フィードバックゲインを制御対象の作動状態を近似
した動的なモデルに依存させ、かつ状態変数は記憶手段
に記憶された過去の出力値および過去の制御量をそのま
ま用いたベクトル値として構成して状態観測器(オブザ
ーバ)を不要とした。
[実施例] 以上説明した本発明の構成を一層明らかにする為に、
次に本発明の好適な実施例としてのアイドル回転数制御
装置について説明する。第2図は、以下に説明するアイ
ドル回転数制御が行なわれるエンジン10とその周辺装置
を示す概略構成図である。図示するように本実施例で
は、エンジン10の点火時期、燃料噴射量、アイドル回転
数の各々の制御が、電子制御装置20により行なわれる
が、ここではアイドル回転数の制御を中心に説明する。
エンジン10は車両に搭載されており、第2図に示すよ
うに、4気筒4サイクルの火花点式のものであって、そ
の吸入空気は上流より、エアクリーナ21,エアフローメ
ータ22,吸気管23,サージタンク24,吸気分岐管25,を介し
て各気筒に吸入され、一方燃料は図示しない燃料タンク
より圧送されて吸気分岐管25に設けられた燃料噴射弁26
a,26b,26c,26dから噴射・供給されるよう構成されてい
る。また、エンジン10には、点火回路27から供給される
高電圧の電気信号を各気筒の点火プラグ28a,28b,28c,28
d,に分配するディストリビュータ29、このディストリビ
ュータ29内に設けられエンジン10の回転数Neを検出する
回転数センサ30、スロットルバルブ31の開度THを検出す
るスロットルセンサ32、エンジン10の冷却水温Thwを検
出する暖機センサ33、同じくその吸気温度Tamを検出す
る吸気温センサ34が備えられている。回転数センサ30は
エンジン10のクランク軸と同期して回転するリングギア
に対向して設けられるもので、エンジン回転数に比例し
てエンジン10の1回転、即ち720℃Aに24発のパルス信
号を出力する。スロットルセンサ32はスロットルバルブ
31の開度THに応じたアナログ信号と共に、スロットルバ
ルブ31がほぼ全開であることを検出するアイドルスイッ
チからのオン−オフ信号も出力する。
一方、エンジン10の吸気系には、スロットルバルブ31
を迂回し、エンジン10のアイドル時における吸入空気量
ARを制御するバイパス通路40が設けられている。バイパ
ス通路40は、空気導管42,43と空気制御弁(以下、ISCバ
ルブと呼ぶ)44とから構成されている。このISCバルブ4
4は、基本的には比例電磁式(リニアソレノイド)制御
弁であり、ハウジング45の中に移動可能に設定したプラ
ンジャ46の位置によって、上記空気導管42と43との間の
空気通路面積を可変制御するものである。ISCバルブ44
は、通常はプランジャ46が圧縮コイルばね47によって上
記空気通路面積が零となる状態に設定されているが、励
磁コイル48に励磁電流を流すことによって、プランジャ
46が駆動されて空気通路を開くように構成されている。
即ち、励磁コイル48に対する励磁電流を連続的に変化制
御することによってバイパス空気流量が制御されるもの
である。この場合、励磁コイル48に対する励磁電流は、
励磁コイル48に印加するパルス幅のデューティ比を制御
する所謂パルス幅変調PWMを行なうことで制御されてい
る。
このISCパルブ44は、燃料噴射弁26aないし26dや点火
回路27と同様に電子制御装置20によって駆動制御される
もので、上述したものの他にもダイヤフラム制御式の
弁、ステップモータ制御による弁等が適宜用いられる。
電子制御装置20は、周知のセントラル・プロセッシン
グ・ユニット(CPU)51、リード・オンリー・メモリ(R
OM)52、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)53、バッ
クアップRAM54等を中心に算術論理演算回路として構成
され、上述した各センサからの入力を行なう入力ポート
56や各アクチュエータへ制御信号を出力する出力ポート
58等と、バス59を介して相互に接続されている。電子制
御装置20は、入力ポート56を介して、吸入空気量AR、吸
気温度Tam、スロットル開度TH、冷却水温Thwおよび回転
数Ne等を入力し、これらに基づいて燃料噴射量τ、点火
時期Ig,ISCバルブ開度θ等を算出し、出力ポート58を介
して燃料噴射弁26aないし26d、点火回路31、ISCバルブ4
4の各々に制御信号を出力する。これらの制御のうち、
アイドル回転数制御について以下に説明する。
電子制御装置20は、アイドル回転数制御を行なうため
に、予め次の手法で設計されている。
(1)制御対象のモデリング アイドル回転数を制御する系を、n=m=2として次
数〔2,2〕の自己回帰移動平均モデルを用い、これにサ
ンプリング時間(むだ時間)による遅れPをP=1とし
て、既述した第(1)式から、 Ne(k)=a1・Ne(K−1)+a2・Ne(k−2) +b1・u(k−2)+b2・u(k−3) ……(5) を得る。これに更に外乱dを考慮してアイドル回転数を
制御する系のモデルを、 Ne(k)=a1・Ne(K−1)+a2・Ne(k−2) +b1・u(k−2)+b2・u(k−3)+d(k−1)
………(6) として近似する。尚、ここで、uはISCバルブ44の制御
量を示すものであって、本実施例では励磁コイル48に印
加されるパルス信号のデューティ比に相当する。また、
Kは最初のサンプリング開始からの制御回数を示す変数
である。
こうして近似したモデルに対し、ステップ応答を用い
てアイドル回転数を制御する系の伝達関数Gを求め、こ
れから上記モデルの各定数a1,a2,b1,b2を実験的に定め
ることは容易である。定数a1,a2,b1,b2を定めることに
より、アイドル回転数を制御する系のモデルが定まった
ことになる。
上式(6)を を用いて書き直すと、第(3)式より、 を得る。従って、取りもなおさず は、 となる。
(3)付加積分型レギュレータの設計 誤差を吸収させるための積分項を加味して、上記
(7),(8)式について付加積分型レギュレータを設
計すると、第3図に示すように、 と拡大された状態変数量 〔Z(k)X1(k)X2(k)X3(k)X4(k)〕 =〔Z(k)Ne(k)Ne(k−1) u(k−1)u(k−2)〕 とを用いて、 としてISCVバルブ44の制御量u(k)を求めることがで
きることになる。尚、ここで、Z(k)は、アイドル時
の目標回転数Ne(*)と実際の回転数Ne(k)との偏差
ΔZ(K)=Ne(*)−Ne(k)の累積値であり、 Z(k+1)=Z(k)+ΔZ(k) ………(10) として求められる。また第3図では、制御量u(K−
1)をu(k)から導くためにZ-1変換量を用いて表示
したが、これは過去の制御量u(k−1)をRAM53に記
憶しておき、次の制御の時点で読み出して用いることに
相当する。第4図は、第(9),(10)式を基に、書き
直したブロック線図である。図において、P1が状態変数
量出力部に、P2が累積部に、P3が制御量算出部に、各々
相当する。
(4)最適フィードバックゲイン の決定 最適フィードバックゲイン は、例えば以下の手法によって決定できる。
(最適サーボ系) 最適フィードバックゲイン は、評価関数、 を最小とするように決定される。ここで、評価関数Jと
は、ISCバルブ44の制御量u(k)の動きを制約しつ
つ、制御出力としてのアイドル回転数Ne(k)の目標回
転数Ne(*)からの偏差を最小にしようと意図したもの
であり、制御量u(k)に対する制約の重み付けは、重
みパラメータQ,Rの値によって変更することができる。
従って、重みパラメータQ,Rの値を種々換えて最適な制
御特性がえられるまでシュミレーションを繰り返し、 を定めればよい。
そして上述の はモデル定数a1,a2,b1,b2に依存している。そこで、実
際のアイドル回転数を制御する系の変動(パラメータ変
動)に対する系の安定性(ロバスト性)を保証しようと
すると、モデル定数a1,a2,b1,b2の変動分を見込んで最
適フィードバックゲイン を設計する必要がある。従ってシュミレーションはモデ
ル定数a1,a2,b1,b2の現実に生じえる変動を加味して行
ない、安定性を満足する最適フィードバックゲイン を定める。変動要因としては、ISCVバルブ44のへたりや
バイパス通路の目詰まり等の経時的変化の他、負荷変動
等によるものも考えることができる。
以上、制御対象のモデリング、状態変数量表示の方
法、付加積分型レギュレータの設計、最適フィードバッ
クゲインの決定について説明したが、これらは予め決定
され求められており、電子制御装置20の内部ではその結
果すなわち、第(9),(10)式のみを用いて実際の制
御を行なうのである。
そこで、次に第5図のフローチャートに拠って電子制
御装置20が実際に行なう処理について説明する。
電子制御装置20は、電源が投入されると、燃料噴射制
御等の他の制御ルーチンと共に、第5図に示すISCV制御
ルーチンを実行する。まず、起動直後には所謂初期化の
処理を行なう(ステップ100)。ここで初期化の処理と
は、例えばサンプリング回数を示す変数Kを零に、ISC
バルブ44の制御量の初期値u(−1),u(−2)をそれ
ぞれ定数ui1,ui2に、目標回転数Ne(*)と実際のアイ
ドル回転数Ne(k)との偏差の累積Z(0)を定数Zi
に、RAM53の所定のエリアにおいて各々セットする処理
をいう。
続いて、入力ポート56を介して回転数センサ30より実
際のアイドル回転数Ne(k)を読み込み(ステップ11
0)、ISCバルブ44の制御量u(k)を、最適フィードバ
ックゲイン と状態変数量 とから求める処理を行なう(ステップ120)。なお、イ
ニシャライズ処理後の1回目のステップ120の処理で
は、Ne(k)=Ne(k−1)として処理を行なう。こう
して求めた制御量(本実施例ではデューティ比)u
(k)を用いて、ISCVバルブ44を出力ポート58を介して
制御し(ステップ130)、更にこの制御量u(k)を次
回の処理に備えて(u(k−1)として)RAM53の所定
エリアに記憶・更新する処理を行なう(ステップ14
0)。
続いて目標回転数Ne(*)からのアイドル回転数Ne
(k)の偏差ΔZ(k)を求め(ステップ150)、これ
を累積する処理を行なう(ステップ160)。その後、変
数kの値を1だけインクリメントしてから(ステップ17
0)、ステップ110へ戻り、上述したステップ110ないし
ステップ170の処理を繰り返し実行する。
以上のように構成された本実施例のアイドル回転数制
御装置は、エンジン10のアイドル回転数を制御する系の
内部状態を代表する状態変数量 をアイドル回転数を制御する系の過去の入出力Ne
(k),Ne(k−1),u(k−1),u(k−2)ならび
に目標回転数と実際の回転数との偏差の累積値Z(k)
のそのままの値を用いて構成して、この状態変数量 を構成する各値に、上記最適フィードバックゲイン を掛け合わせた各値を加算することで、ISCバルブ44の
制御量u(k)を定めることができるので、オブザーバ
等を必要としない簡易な構成でもって、極めて精度良く
かつ安定にエンジン10のアイドル回転数を制御すること
ができる。
第6図および第7図は、アイドル回転数Ne(k)をそ
れぞれ375〔rpm〕,187〔rpm〕変化させるような外乱
(ここでは空気調和装置のコンプレッサのオンオフによ
る外乱)d(k)が加わった場合のアイドル回転数の制
御を、従来のPI制御と本実施例における制御とについて
比較したグラフである。両図において、破線C,cは各々
従来のPI制御によるISCバルブ44の制御量u(k)とア
イドル回転数Ne(k)との変化を、一方、実線G,gは各
々本実施例の制御によるISCバルブ44の制御量u(k)
とアイドル回転数Ne(k)との変化を、各々示してい
る。図示より明らかなように、本実施例のアイドル回転
数制御によれば、従来のPI制御より極めて速い応答性
(立ち上がり、立ち下がり)を実現した上で、アイドル
回転数の変動を極めて僅かなものに抑えている。また、
エンジン10のアイドル回転数Ne(k)が安定するまでの
時間で比較すれば1桁以上の改善が実現されていること
も諒解されよう。従って、本実施例のアイドル回転数制
御装置によれば、アイドル回転数Ne(k)を応答性よく
安定に制御できるので、アイドル回転数を低く設定する
ことができ、燃費の改善に資することができる。
そして、特に、本実施例では、状態変数量 を過去の入出力と目標回転数と実回転数との偏差の累積
値とをそのまま用いて構成しているので、オブザーバを
必要とせず、従ってアイドル回転数を制御する系のモデ
ルが極めて単純に構成でき、設計時間の短縮、仕様変更
への対応も容易であるといった利点も有する。
なお、上記実施例において、(4)最適フィードバッ
クゲイン の決定を最適サーボ系によるものについて述べたが、他
の手法によっても決定できる。なお、説明を簡素化する
ため、ここでは次数〔1,1〕の自己回帰移動平均モデル
を用い、むだ時間P=1の場合について述べる。
この場合のアイドル回転数を制御する系のモデルは Ne(k) =a・Ne(k−1)+b・u(k−2)+d(k−1)
………(6′) となり、 となり、従って拡大された状態変数量は 〔Z(k),Ne(k),u(k−1)〕 となる。
そして、上述の最適サーボ系により、 を求めた結果は、モデル定数a,bとを用いて、 として定められる。ここでは、 a・b・R・+(R−a2・R+b2・Q)・−a・
b・Q=0の解である(ただし、>0)。
次に、他の手法の一つである有限整定サーボ系を用い
た場合について述べる。
ここで、(9)式を本例に対応させると、 として表現されるので、第(3),(8′),
(9′),(10)式よりISC系全体の状態方程式は、 となる。ここで、第(13)式の特性多項式を計算する
と、 となる。この第(14)式=Z3となるように係数を決定す
れば有限整定サーボ系が構成できることになる。すなわ
ち、F2=a+1,F1=1/b(a2+a+1),F0=1/b…(1
2′)が決定すべき最適フィードバックゲイン となる。
次に、更に他の手法である固有値指定を用いた場合に
ついて述べる。
目標とする特性多項式を ZP+2+αP+1ZP+1+αPZP+…+αZ+α として、第(14)式に相当する式と係数比較して、最適
フィードバックゲイン を求める。本例の場合について考えると、目標とする特
性多項式を Z3+α2Z2+α1Z+α ………(15) として、第(14)式と第(15)式とを係数比較すると、 となり、これが決定すべき最適フィードバックゲイン となる。
以上本発明の一実施例について説明したが、本発明は
こうした実施例に何等限定されるものではなく、例えば
系のモデリングにおいて遅れP=1以外の構成をとるな
ど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施しえることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の制御装置によれば、簡
易な構成により、従来の制御装置では到底実現しえなか
った高い応答性と安定性とを実現することができるとい
う極めて優れた効果を奏する。また、構成が簡易となっ
てオブザーバも必要としないことから、製造工数・コス
トが低減できる上、演算時間が短縮でき、制御特性を一
層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明一実施例としてのアイドル回転数制御装置
を適用するエンジンとその周辺装置を示す概略構成図、
第3図,第4図は各々アイドル回転数を制御する系のブ
ロック線図、第5図は実施例におけるISCV制御ルーチン
を示すフローチャート、第6図,第7図は各々実施例に
よる制御特性を従来の例との比較において示すグラフ、
である。 10……内燃機関 20……電子制御装置 30……回転数センサ 44……空気制御弁(ISCバルブ) 51……CPU

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象の動作状態に関連する出力値を検
    出する検出手段と、 前記制御対象の作動状態を調整するアクチュエータと、 前記アクチュエータの制御量を決定し、この制御量に応
    じてアクチュエータを制御する制御手段とを備え、 この制御手段は、 前記検出手段で検出された出力値と前記決定された制御
    量とを記憶する記憶手段と、 所定のフィードバックゲインおよび状態変数に基づいて
    今回の制御量を新たに算出する制御量算出手段とを有す
    ると共に、 前記フィードバックゲインは前記制御対象の作動状態を
    近似した動的なモデルに依存し、前記状態変数は前記記
    憶手段に記憶された過去の出力値および過去の制御量を
    そのまま用いたベクトル値として構成されていることを
    特徴とする制御装置。
  2. 【請求項2】前記制御対象は内燃機関のアイドル時の吸
    入空気量を制御するアイドル空気量制御手段であり、 前記検出手段は、内燃機関のアイドル時の回転数を検出
    する回転数検出手段である特許請求の範囲第1項記載の
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記動的なモデルは、むだ時間p(p=0,
    1,2,…)を持つ次数〔n,m〕(n=1,2,3,…,m=1,2,3,
    …)の自己回帰移動平均モデルにより近似し、さらに外
    乱を考慮して構築された特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の制御装置。
JP62043968A 1986-07-08 1987-02-26 制御装置 Expired - Lifetime JP2510186B2 (ja)

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JP61-159918 1986-10-16
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JP61-289423 1986-12-04

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