JP2510143Y2 - ズ―ムレンズの焦点位置調整機構 - Google Patents

ズ―ムレンズの焦点位置調整機構

Info

Publication number
JP2510143Y2
JP2510143Y2 JP131390U JP131390U JP2510143Y2 JP 2510143 Y2 JP2510143 Y2 JP 2510143Y2 JP 131390 U JP131390 U JP 131390U JP 131390 U JP131390 U JP 131390U JP 2510143 Y2 JP2510143 Y2 JP 2510143Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
barrel
lens group
lens
optical axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP131390U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0392615U (ja
Inventor
宏志 照沼
英文 於保
彰 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP131390U priority Critical patent/JP2510143Y2/ja
Publication of JPH0392615U publication Critical patent/JPH0392615U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2510143Y2 publication Critical patent/JP2510143Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、望遠/広角撮影が可能なズーム式の撮影レ
ンズ(以下ズームレンズという)において撮影レンズ系
によるピントバック位置調整を行なうための焦点位置調
整機構に関する。
〔従来の技術〕
最近のカメラにおいて多機能化の一環として、望遠か
ら広角までの撮影を自由に行なえるズームレンズが用い
られるようになってきており、しかもこのズームレンズ
のズーミング動作を、速写性や操作性等の面から、カメ
ラ本体内に組込んだ電動モータを駆動源として行なうこ
とが一般化している。
ところで、この種のズームレンズは、そのレンズ鏡胴
内に少なくとも二つ以上のレンズ群を有し、これら各レ
ンズ群間での間隔を変化させることによって焦点距離を
変え、任意の像倍率での撮影を行なえるような構成とな
っている。そして、このようなズームレンズにおいて必
要とされる重要な要件として、ズーミング動作した際に
いずれの位置であってもピント面の位置(ピントバッ
ク)は常に一定でなくてはならない、ということが挙げ
られる。
このため、この種のズームレンズにおいてレンズ鏡胴
は、複数のレンズ群の間隔をカム等によって変化させて
焦点距離を変えることができるように構成される一方、
ピントバック位置が常に一定になるように設計される。
そして、このようなズームレンズにおいてレンズ鏡胴や
その内部の各レンズ群、さらにカメラ本体側との相対的
な位置関係を調整する一般的な調整法として従来から、
まず、焦点距離を変えてピントバックが一定となるよう
に各レンズ群の間隔を制御するカムの位相合わせを行な
い、その後にこの調整した位相をずらせることなくピン
トバック位置がカメラ本体側でのフィルム面上に合致す
るように、ズームレンズ鏡胴とこの鏡胴を取付けるカ
メラ本体側の基準面との間にワッシャ、スペーサ、シム
等の介在物を所定の厚さ分だけ計測しながら介在させた
り、ズームレンズ鏡胴を固定側部材等に直進ヘリコイ
ド機構で保持しこのヘリコイド機構を介しての回転伝達
によってズームレンズ鏡胴全体を光軸方向に前後動させ
て調整したりする方法が採られていた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来の調整法においてで説
明した前者の場合には、ズームレンズ鏡胴をカメラ本体
に組付ける際に、準備できるワッシャ等の種類が限られ
ることから、連続的な調整が困難で、量産性に欠けるば
かりでなく、この調整作業自体もピントバックずれ量の
チェック、介在させるワッシャ等の厚さの決定およびそ
の組込み、ピントバックずれ量の複数回にわたるチェッ
ク等というようにきわめて面倒かつ煩雑なものであっ
た。
一方、で説明した後者の場合には、上述した前者の
ものに比べ作業性等の面での利点は得られるが、ピント
バック調整のみを目的としてカメラ本体内に特別の機構
部品を組込むことが必要となり、部品点数が増加し、製
造コストが嵩むといった問題を招いてしまうものであっ
た。
特に、上述したようなピントバック調整は、組立時に
一旦行なわれた後はメンテナンス時の部品交換や分解時
に行なわれるだけで、その頻度はそれ程多くなく、この
ようなピントバック調整だけのための機構部品の追加を
必要最小限とし、しかも簡単で連続的な調整を容易に行
なえるような何らかの対策を講じることが望まれてい
る。
〔課題を解決するための手段〕
このような要請に応えるために本考案に係るズームレ
ンズの焦点位置調整機構は、回転筒3の回転に伴なって
前後動される第1のレンズ群5を保持する保持筒4の後
端側に固設したガイド筒10内に、ばね13により一端側に
付勢される第2のレンズ群12を、ガイド筒10の直進カム
溝10aへのカムピン14の係合で前後動可能に保持させる
とともに、この第2のレンズ群12を第1のレンズ群5に
対し進退動作させるように前記カムピン14が直進カム溝
10aを介して係合する円周カム溝16aを有するズーミング
用のカム筒16を、前記回転筒3に連結子(クラッチ板1
7)を介して連結することでその回転に連動して回転す
るように設けてなり、このカム筒16に形成される前記円
周カム溝16aの通常使用領域外に、カム溝16aの向きとは
異なる方向であって前記ばね13によるカムピン14への作
用力を係止する方向に向う延長溝部20を形成したもので
ある。
〔作用〕
本考案によれば、ズームレンズにおいて焦点位置調整
すなわちピントバック調整を行なう際には、回転筒を介
してカム筒を通常使用領域外まで回転させることで第2
のレンズ群側のカムピンをカム筒の円周カム溝の通常使
用領域外に連続して形成した延長溝部内に臨ませ、第2
のレンズ群を付勢するばねによりカムピンへの作用力を
係止してカム手段による位相を固定し、しかる後連結子
によるカム筒と回転筒との間での回転伝達を断ち、相対
的に回動可能な状態とすることによって、両レンズ群間
での間隔を一定に保った状態で、撮影レンズ群全体をフ
ィルム面に対して前後動させるとよく、これによりピン
トバック位置を所要の位置状態に調整することが可能と
なる。
〔実施例〕
以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳細に説
明する。
第1図(a),(b),(c)ないし第5図は本考案
に係るズームレンズの焦点位置調整機構の一実施例を示
すものであり、これらの図において、まず、全体を符号
1で示す撮影レンズ機構部としてのズームレンズの概略
構成を、第3図ないし第5図を用いて簡単に説明する
と、図中符号2は全体の図示を省略したカメラ本体の一
部を構成する前側ボディ、3はこの前側ボディ2の保持
孔内に回転可能に嵌合して保持される回転筒で、この回
転筒3の前側ボディ2に対しての光軸方向への動きは、
前側ボディ2にねじ止めされる回転筒押え2a等で規制さ
れている。なお、この回転筒3は、図示を省略したズー
ミング駆動機構からの回転が伝達することで、適宜の方
向に所定角度づつ回転駆動される。
また、この回転筒3の内周部には直進ヘリコイド機構
を構成する内周ヘリコイド溝3aが形成され、これに噛合
する外周ヘリコイド溝4aを後端側外周部に有しレンズ鏡
胴として機能する保持筒4が嵌挿して保持されており、
この保持筒4は、前記回転筒3の回転に伴なって光軸方
向に前後動されることになる。ここで、第4図中5はこ
の保持筒4の前端側小径部内にレンズ枠5aにて保持され
る第1のレンズ群で、さらにこの保持筒4の前端側小径
外周側で筒状カバー4bにより覆われる環状空間内には、
シャッタ駆動機構6等を始めとする各種機構部品が配設
されている。また、保持筒4内で第1のレンズ群5の後
端側部分には、第4図に示されるように、レンズシャッ
タ機構部7が配設されている。さらに、図中8は略L字
状に折曲げられた基端部が前側ボディ2の後端側にねじ
止めされた状態で回転筒3内を光軸方向に向って延設さ
れている直進キーで、そのキー先端側が前記保持筒4の
一部に係合することでこの保持筒4の回転が規制されて
いる。
なお、第3図等において符号9で示すものは回転筒3
の外周部に巻回して設けられるズームエンコーダ基板
で、この基板9上には図示を省略した回転位置指示手段
となる接点パターン等が周方向に形成され、かつ前側ボ
ディ2側に設けられる信号取出し手段であるエンコーダ
ブラシ9aが接触することで、回転筒3の回転方向の位置
を検出しその回転に伴なうズームレンズ1でのズーミン
グ位置等を前述したズーミング駆動機構(電動モータお
よび減速歯車機構等による)を駆動制御するコントロー
ラ(図示せず)にフィードバック制御するような構成と
なっている。
10は前記保持筒4の後端側大径部内に遊嵌状態で配置
され前端側フランジが止めねじ11(第4図等参照)によ
り一体的に固設されているガイド筒で、その外周部で周
方向に等配された三個所には光軸方向に延びた直進ガイ
ド溝10aが穿設されている。12はこのガイド筒10内で光
軸方向に前後動可能に保持されるとともにがた付き防止
用ばね13により後端側への付勢力を与えられている第2
のレンズ群で、そのレンズ枠12a外周部で周方向に等配
された三個所には、放射方向に突出して前記ガイド筒10
の各直進ガイド溝10aを貫通するように係入されるカム
ピン14が螺合して設けられている。なお、この第2のレ
ンズ群12を前後動可能に保持するガイド筒10の外周部の
一部には、第5図から明らかなように、前記直進キー8
を両側から挟み込んだ状態で転動可能に配置されるコロ
15,15が止めビス15a,15aで組付けられ、これによりこの
ガイド筒10も、前記保持筒4と共に直進キー8により光
軸方向にのみ移動可能であって回転方向への動きは規制
されている。また、上述した第2のレンズ群12は、ばね
13による付勢力でカムピン14が前進カム溝10aの後端側
端部に押付けられることで、がた付きを生じない状態で
ガイド筒10内に移動可能に保持されているものである。
16は前記ガイド筒10の外周側で保持筒4の後端側内周
部分に回動可能に嵌挿して保持されることによりガイド
筒10と共に円筒カム機構を構成するカム筒で、これらガ
イド筒10とカム筒16とによって第2のレンズ群12を第1
のレンズ群5に対し進退動作させることで、周知の通
り、これら両レンズ群5,12による合成焦点距離を変化さ
せ、所要のズーミング動作を行なえるものである。ここ
で、このカム筒16の外周部には、前記ガイド筒10の直進
カム溝10aをそれぞれ貫通している第2のレンズ群12側
からのカムピン14の先端が係入される円周カム溝16a
が、光軸方向を基準として斜めに傾斜して形成されてい
る。
17は上述したカム筒16の後端側端面の一部に止めビス
18により固定されこのカム筒16を前記回転筒3側に回転
方向において連結し一体的に同期して回転させるための
連結子であるクラッチ板で、このクラッチ板17から外周
方向に突出する突片17aが、第4図および第5図から明
らかなように、前記回転筒3の内周部の一部に光軸方向
に沿って凹設された係合溝3bに係合することで、このカ
ム筒16をクラッチ連結時において回転筒3に対して光軸
方向に移動可能な状態で連結し、前記回転筒3の回転に
より直進ヘリコイド機構を介して繰出し、繰込み動作さ
れる保持筒4、カイド筒10側とは独立して回転し、しか
も光軸方向には連動して動作し得るような構成となって
いる。ここで、図中17bはクラッチ板17のビス止め用円
弧溝で、ビス18を緩めてクラッチ連結状態を解除したと
きに、回転筒3からカム筒16への回転伝達を切離し、こ
れらを相対的に回動可能な状態とするように構成されて
いる。すなわち、上述した円弧溝17bとビス18とによる
相対的な回動範囲が、後述するピントバック位置調整時
における調整代となっている。
このような構成によるズームレンズ1において、カメ
ラ本体側に設けられる電動モタ等のズーミング駆動機構
からの回転伝達で回転筒3が所定の方向に回転される
と、直進ヘリコイド機構により保持筒4内の第1のレン
ズ群5が光軸方向に繰出しまたは繰入まれるとともに、
前記クラッチ板17で連結されているカム筒16の回転によ
り相対的に変位する円周カム溝16aとガイド筒10の直進
カム溝10aとの関係によりこれらに係合しているカムピ
ン14を介して第2のレンズ群12も、第1のレンズ群5と
の間隔を変化させながら前後動し、その結果所定の像倍
率によるズーミング撮影が可能となるものである。な
お、そのズーミング位置は、前記エンコーダ(9,9a)に
より回転筒3の回転位置が検出されることで、コントロ
ーラ側に送られている。
また、上述した円筒カム機構において、回転筒3の回
転によりカム筒16が回転されると、その円周カム溝16a
に係合しているカムピン14に回転力が伝達されるが、こ
のカムピン14は、回転が規制され直進運動のみが許容さ
れているガイド筒10の直進カム溝10aにも係合している
ために回転運動が制限され、その結果として回転力が光
軸方向への移動力に変換されて第2のレンズ群12が円周
カム溝16aの動きに沿って前後動し、両レンズ群5,12間
の間隔が所要の状態に変化してズーミング動作が行なわ
れることは、周知の通りである。このとき、第2のレン
ズ群12側のカムピン14には、ばね13により常に後端側へ
の付勢力が作用し、カム溝の溝側縁に押し付けられてい
るため、カム溝とカムピン14との間にがた付きがあって
も動作上は何ら支障ないものである。
さて、本考案によれば、上述した構成によるズームレ
ンズ1において、常時はクラッチ板17を介して回転筒3
側に連結されその回転に伴なって回転されることにより
第2のレンズ群12の第1のレンズ群5に対しての間隔を
変化させて焦点距離を変えるズーミング用のカム筒16に
おける円周カム溝16aの通常使用領域外に、第1図
(a),(b)および第2図等から明らかなように、カ
ム溝16aの向きとは異なる方向であって前記ばね13によ
るカムピン14への作用力Pを係止する方向に向う延長溝
部20を、屈曲部分を介して連続して形成したところに特
徴を有している。
すなわち、上述したズームレンズ1において焦点位置
調整すなわちピントバック調整を行なうにあたって、第
1のレンズ群5と第2のレンズ群12との間の間隔を一定
に保つためには、クラッチ板17を止めているビス18を緩
めて(クラッチ板17を取外してもよい)、カム筒16を回
転筒3側から切離して相対的に回動可能な状態とすると
よい。このようにすれば、カム筒16側を停止させたまま
の状態で回転筒3を回転させることによって、両レンズ
群5,12の間隔を一定に保った状態で、保持筒4を光軸方
向に前後動させることが可能となるもので、これにより
第1および第2のレンズ群5,12とフィルム面(図示せ
ず)との間の間隔を任意に調整し、焦点位置の調整を適
切かつ確実に行なえるものであるが、この場合に若干の
問題を生じている。
これを第1図(a),(b),(c)等を用いて詳述
すると、まず、カム筒16は、展開すると第1図(a)に
示すようになるが、このようなカム筒16においてピント
バック位置調整を行なう際に、同図(c)で示すように
カムピン14が円周カム溝16aの通常使用範囲内でクラッ
チ板17の連結を解除すると、ばね13によりカムピン14に
作用する付勢力Pとカム筒16の円周カム溝16aにおける
カム面16bの傾き状態との関係から、回転方向での規制
がなくなったカム筒16は、図中矢印Aで示す方向に回転
してしまうもので、これにより組立時や前工程等で位置
決めしたカム筒16の位相(第1のレンズ群5の位置に対
する第2のレンズ群12の位置関係)にずれが生じてしま
う。このため、本考案によれば、同図(b)で示すよう
に、カム筒16のカム溝16aに、通常使用範囲に加えてカ
ム延長溝部20を形成し、この延長溝部20内にカムピン14
を落し込み、ばね13によるカムピン14への付勢力Pをカ
ム筒16の回転を規制する力として逆に利用するようにし
たものである。
このような各部の関係を第2図に示しており、同図中
横軸は回転筒3の回転角を、縦軸には第1のレンズ群
5、第2のレンズ群12、ピントバックの位置をとってグ
ラフ化したものである。ここで、第1のレンズ群5の位
置とは、上述したズームレンズ1の構成では保護筒4の
位置として考えてよいものである。この図において、第
1のレンズ群5は直進ヘリコイド機構によって、回転筒
3の回転角に比例して繰出し、繰込み動作される。一
方、第2のレンズ群12は、カム筒16が回転筒3と同期し
て回転するにしたがって、カム筒16の円周カム溝16aに
よるカム面16bとガイド筒10の直進ガイド溝10aとによっ
て、焦点距離を変えながらピントバックの位置が一定と
なるように移動する。
ところで、通常のズーミング範囲つまりカム通常使用
範囲を越えてカムピン14がピントバック調整位置に落し
込まれたときには、カム筒16のカム延長溝部20でのカム
面が、ピントバック位置を一定の保つための形状ではな
いため、第2図に示すようにピントバックの位置はΔb
だけずれてしまうが、カム筒16を精度よく形成すると、
このΔbの値はわずかな変位量に押えることができる。
すなわち、本来のピントバック調整目標位置にこのΔb
だけの余裕を予め保って調整すると、ピントバックは、
回転筒3を回転させて円筒カム機構等を通常使用範囲に
戻したときに所定の調整目標値に略一致することにな
る。
なお、回転筒3をピントバック調整位置まで回転させ
てカムピン14を、カム筒16における円周カム溝16aに連
続する延長溝部20に落し込み、クラッチ板17のビス18を
緩めて第2のレンズ群12を付勢するばね13によりカムピ
ン14への作用力を係止し、カム手段による位相を固定し
た状態で、回転筒3を回転させたときの第1のレンズ群
5、第2のレンズ群12、ピントバック位置の動きを、第
2図中に破線a,b,cで示している。これらの破線a,b,cか
ら明らかなように、回転筒3を、この状態で回転させる
と、第1および第2のレンズ群5,12はその間隔を変える
ことなく、前後動されることになり、ピントバック位置
を、自由に動かして適切な位置に調整することが可能と
なる。
そして、上述したようにΔbの変位分だけ余裕をもた
せた目標調整位置にピントバックを合わせ、しかる後ク
ラッチ板17の円弧溝17bの対応する位置をビス18で締め
付け固定し、さらに回転筒3を再び通常使用範囲まで戻
すことで調整が終了する。すなわち、ビス18でクラッチ
板17を固定した後、回転筒3を回転し、カムピン14を延
長溝部20から通常の円周カム溝16a内に臨ませるとよ
い。ここで、通常使用時には、回転筒3の回転に伴なう
エンコーダ(9,9a)による信号を常時監視し、回転筒3
がピントバック調整位置まで回転しないようにしておく
とよい。
そして、上述したような構成によれば、ピントバック
調整用の部品としては、円筒カム機構への駆動力の伝達
を連結、切離しを行なうためのクラッチ板17およびこれ
を所定角度範囲内で固定するビス18のみでよく、しかも
ズーミング機構の一部として装備されているヘリコイド
機構を用いて撮影光学レンズ系(第1および第2のレン
ズ群5,12)を光軸方向に同時に連続的に前後動させるだ
けでよいため、ピントバックの位置を確認しながら調整
目標値に合わせ込むことが可能となる。したがって、こ
のような構成では、構成部品点数を必要最小限とし、作
業性も大幅に向上させ得るといった利点がある。
また、上述したカム機構において、カムピン14を、直
進カム溝10aを介して円周カム溝16aのカム面16bに追随
させる際に、ばね13による付勢力が作用しているが、こ
のカムピン14への付勢力とカム溝16の斜面との関係によ
り、カム面16bには常にカムピン14を移動させようとす
る方向とは逆の方向への作用力が常に働いている。した
がって、従来、カム機構への駆動力をクラッチ板17によ
り切離すことで、支えを失ったカム筒16が、前記カムピ
ン14への付勢力で押し戻されてしまい、折角組立時に前
工程で調整した位相がずれるといった問題を生じること
はなくなる。特に、本考案によれば、カムピン14をカム
溝16aの延長溝部20に臨ませて落し込んだ状態でクラッ
チ板17の切離しを行なうことで、カムピン14への付勢力
を、カムピン14を延長溝部20内で固定する力として利用
することが可能となるもので、位相ずれといった従来の
問題を一掃することが可能となる。
なお、本考案は上述した実施例構造に限定されず、ズ
ームレンズ1各部の形状、構造等を、適宜変形、変更す
ることは自由で、種々の変形例が考えられよう。また、
上述した実施例においては、カム筒16において円周カム
溝16aの通常使用範囲外に、屈曲部分を介して逆方向に
傾斜する延長溝部20を形成した場合を例示したが、本考
案はこれに限定されず、たとえば円周カム溝16aの終端
部分から光軸方向に直交する方向つまり円周方向に向う
延長溝部などであってもよいことは容易に理解されよ
う。要は、カム溝16aの向きとは異なる方向であって前
記ばね13によるカムピン14への作用力を係止する方向に
向う延長溝部であればよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案に係るズームレンズの焦点
位置調整機構によれば、第1のレンズ群の保持筒側に付
設されるガイド筒内でばねにより一端側に付勢して保持
される第2のレンズ群を、ガイド筒の直進カム溝、カム
筒の円周カム溝に対するカムピンの係合とカム筒の回転
筒に連動する回転によって前後動させることにより、第
1および第2のレンズ群の合成焦点距離を変化させるズ
ームレンズにおけるカム筒を、常時は回転筒に連動して
回転されるように連結しかつピントバック調整時には回
転筒と相対的に回動可能な状態とする連結子を設けると
ともに、このカム筒に形成される前記円周カム溝の通常
使用領域外に、カム溝の向きとは異なる方向であって前
記ばねによるカムピンへの作用力を係止する方向に向う
延長溝部を形成するようにしたので、簡単かつ安価な構
成にもかかわらず、ピントバック調整のために従来のよ
うにワッシャ等の介在物を介在させるといった煩雑な作
業を必要としたり、ピントバック調整時にのみ使用され
る部品として特別の機構部品を付設すると言った必要は
なくなり、しかも簡単な操作によって連続的にピントバ
ック位置の調整を行なえるので、調整に要する時間を短
縮することも可能である等の実用上種々優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
図は本考案に係るズームレンズの焦点位置調整機構の一
実施例を示し、第1図(a),(b),(c)はピント
バック位置調整を行なう際のカムピンと円周カム溝およ
び直進カム溝との関係を示す展開図および動作説明図、
第2図はズーミング時、ピントバック調整時における第
1および第2のレンズ群、ピントバック位置の動きを示
す説明図、第3図はズームレンズの構成部品を示す概略
斜視図、第4図はその要部断面図、第5図は第4図のV
−V線断面図である。 1……ズームレンズ、2……前側ボディ、3……回転
筒、4……保持筒、5……第1のレンズ群、8……直進
ガイド、10……ガイド筒、10a……直進カム溝、12……
第2のレンズ群、13……がた付き防止用ばね、14……カ
ムピン、16……カム筒、16a……円周カム溝、17……ク
ラッチ板(連結子)、17a……突片、17b……ビス止め用
円弧溝、18……ビス、20……延長溝部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転筒の回転に伴なって光軸方向に前後動
    される保持筒内に保持された第1のレンズ群と、 前記保持筒の後端側に固設されるガイド筒内で直進カム
    溝へのカムピンの係合により光軸方向に前後動されると
    ともにばねにより光軸方向の一端側に付勢されて保持さ
    れた第2のレンズ群と、 前記保持筒内でガイド筒の外周側に回動可能に嵌装され
    かつ前記回転筒の回転に連動して回転されることにより
    前記直進カム溝を介して円周カム溝に係合するカムピン
    によって第2のレンズ群を第1のレンズ群に対し進退動
    作させてこれら両レンズ群の合成焦点距離を変化させる
    カム筒と、 このカム筒を前記回転筒に対して常時は光軸方向に移動
    可能な状態で連結するとともに前記両レンズ群を光軸方
    向に前後動させてフィルム面との距離を調整する際には
    相対的に回動可能な状態とする連結子を備えてなり、 前記カム筒に形成される円周カム溝の通常使用領域外
    に、このカム溝の向きとは異なる方向であって前記ばね
    によるカムピンへの作用力を係止する方向に向う延長溝
    部を形成したことを特徴とするズームレンズの焦点位置
    調整機構。
JP131390U 1990-01-12 1990-01-12 ズ―ムレンズの焦点位置調整機構 Expired - Lifetime JP2510143Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP131390U JP2510143Y2 (ja) 1990-01-12 1990-01-12 ズ―ムレンズの焦点位置調整機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP131390U JP2510143Y2 (ja) 1990-01-12 1990-01-12 ズ―ムレンズの焦点位置調整機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0392615U JPH0392615U (ja) 1991-09-20
JP2510143Y2 true JP2510143Y2 (ja) 1996-09-11

Family

ID=31505226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP131390U Expired - Lifetime JP2510143Y2 (ja) 1990-01-12 1990-01-12 ズ―ムレンズの焦点位置調整機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2510143Y2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100781902B1 (ko) * 2003-10-22 2007-12-04 세이코 프레시죤 가부시키가이샤 광학 모듈
JP2020166193A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 リコーインダストリアルソリューションズ株式会社 レンズ鏡筒及び画像投射装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018105896A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 株式会社コシナ 光学機器のレンズ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100781902B1 (ko) * 2003-10-22 2007-12-04 세이코 프레시죤 가부시키가이샤 광학 모듈
JP2020166193A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 リコーインダストリアルソリューションズ株式会社 レンズ鏡筒及び画像投射装置
JP7266445B2 (ja) 2019-03-29 2023-04-28 リコーインダストリアルソリューションズ株式会社 レンズ鏡筒及び画像投射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0392615U (ja) 1991-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3334031B2 (ja) ズームレンズ鏡胴
US5037187A (en) Zoom lens mount assembly
JP4953874B2 (ja) レンズ鏡胴、撮像装置および情報端末装置
US5430516A (en) Driving apparatus of camera
US20040207931A1 (en) Zoom camera having lens barrel assembly adjustable focus and resolution power of lens
US20020118468A1 (en) Lens barrel for use in zoom lens apparatus
JP2003140019A (ja) レンズ鏡筒
JPH11211965A (ja) ズームレンズ鏡筒
US7782557B2 (en) Lens position adjusting device
US5181144A (en) Initial focusing mechanism for zoom lens system
JP4208811B2 (ja) ロック機構付きレンズ鏡筒
JPH11125763A (ja) フローティングレンズ鏡筒、レンズ鏡筒及び共用レンズ鏡筒システム
JP2510143Y2 (ja) ズ―ムレンズの焦点位置調整機構
JP3201418B2 (ja) 焦点可変装置
US5510936A (en) Apparatus for adjusting lens position
JP3416317B2 (ja) レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器
JP7467111B2 (ja) レンズ装置および撮像装置
JP2863605B2 (ja) ズームレンズ鏡筒
JP2000352648A (ja) レンズの偏心調整方法及びレンズ装置
JP2816243B2 (ja) レンズ鏡筒の位置決め機構および位置決め方法
JP2001215387A (ja) ズームレンズ鏡筒
JP2760243B2 (ja) ズームレンズ鏡筒
JP2800747B2 (ja) 光学系の焦点調整機構
JPH0452611A (ja) レンズ鏡筒
JPH09230199A (ja) レンズ鏡筒