JP2508575C - - Google Patents

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JP2508575C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、各種の高電圧発生用電源回路で動作可能な圧電トランス、特に小型
化、高信頼度が要求される小型・薄型でかつ高電圧を発生する圧電トランスに関
する。 【0002】 【従来の技術】 従来、テレビジョンの偏向装置や複写機の帯電装置など高電圧を必要とする装 置内の電源回路では高電圧発生用の変圧素子として巻線型の電磁トランスが用い
られてきた。この電磁トランスは磁性体のコアに導線を巻き付ける構造になって
おり、高い変成比を実現するためには巻き付ける導線の数を多くする必要がある
。そのため、小型・薄型の電磁トランスを実現するのは非常に困難であった。 【0003】 これに対し、圧電効果を用いた圧電トランスが提案されている。図7に従来の
代表的な圧電トランスであるローゼン型圧電トランスの構造を示す。以下、図面
に沿って説明する。高電圧を取り出す場合、表面に電極が設けられた圧電板にお
いて、71で示す部分は圧電トランスの低インピーダンスの駆動部であり、その
上下面に電極73、74が設けられており、この部分は図中矢印で示すように厚
み方向に分極されている。また、同様に72で示す部分は高インピーダンスの発
電部分であり、その端面に電極75が設けられており、発電部72は図中矢印で
示すように圧電板の長さ方向に分極されている。この圧電トランスの動作は以下
の通りである。外部端子76、77から駆動電極73、74に電圧が印加される
と、駆動部71では分極方向に電界が加わり分極とは垂直方向に変位する圧電効
果(以後、圧電横効果31モードと略す)で長さ方向の縦振動が励振され、トラ
ンス全体が振動する。さらに発電部72では、分極方向に機械的歪が生じ分極方
向に電位差が発生する圧電効果(以後、圧電縦効果33モードと略す)により、
出力電極75から外部端子78に入力電圧と同じ周波数の電圧が取り出される。
このとき、駆動周波数を圧電トランスの共振周波数と等しくすれば非常に高い出
力電圧が得られる。尚、高電圧を入力し、低電圧を出力させる場合には、縦効果
の高インピーダンス部分72を入力側とし、横効果の低インピーダンス部分71
を出力側にすれば良いことは明かである。 【0004】 この圧電トランスは共振状態で使用され、一般の電磁トランスに比べて(1)
巻線構造が不用でエネルギー密度も高いため小型化・薄型化が図れること、(2
)不燃化が図れること、(3)電磁誘導によるノイズがでないこと、等数多くの
長所を有している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 従来のローゼン型圧電トランスでは、発電部の電極が振動の腹に位置するため
、外部端子の接続が振動に悪影響を与えたり信頼性が大きく低下する等の短所が
あった。また、圧電トランスのインピーダンスに比べて極端に大きな負荷抵抗の
場合では比較的高い出力電圧が得られるが、負荷抵抗の値がさほど大きくない場
合にはそれほど高い出力電圧が得られないという欠点があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明は、長板構造の圧電磁器トランスにおいて、それぞれ全体の長さの厚さ
方向に分極された圧電磁器層と内部電極をそれぞれ複数層積層した構造を有する
2つの駆動部を圧電磁器トランスの両端部に配置し、さらに長さ方向の中心を含
む中央部に長さ方向に分極された発電部を配置し、かつ振動の節に当たる部分か
電気端子を取り出す構造を特徴とする圧電磁器トランスとその駆動方法である
。 【0007】 【作用】 以下、図を用いて説明する。本圧電磁器トランスの幅方向に垂直に切断した断
面図を図1(a)に示す。また、図1中a−a‘における長手方向に垂直に切断
した断面図を図1(b)に、b−b’,c−c‘における長手方向に垂直に切断
した断面図を図1(c)に示す。本圧電磁器トランスでは駆動部11を長さ方向
の両端に配置し、中央部に発電部12を配置した構造となっている。駆動部では
、厚さ方向に分極した圧電磁器層111を、分極方向が互い違いになるように内
部電極112を挟みながら配置し、その内部電極は1枚おきに表面の外部電極1
13、114(115、116)と接続されている。尚、ここでは圧電磁器層1
11を奇数である5層としたため、図1(b)において外部電極113が上と左
、114が下と右に配置されているが、圧電磁器層111の数が偶数の場合はど
ちらかの外部電極が1つの側面と2つの主面、もう一方の外部電極は残りの1つ
の側面だけに配置される。 【0008】 一方、発電部の圧電磁器121は長さ方向に分極されており、その両側に比較
的細い内部電極122と表面の外部電極124が、さらに長手方向の中心には内
部電極123と外部電極125が配置されている。このとき、内部電極123を
挟んで分極方向は逆向きになっている。内部電極122と123はそれぞれ外部
電極124と125により接続されている。外部電極124は駆動部の外部電極
114、116と接続され同電位電極として機能し、一方、外部電極125から
出力端子が取り出される。 【0009】 さて、この圧電磁器トランスの駆動部11の外部電極113−114(115
−116)間に電圧を印加すると、電気機械結合係数k31を介して圧電横効果3
1モードにより長さ方向の縦振動が発生する。その縦振動は出力部12に伝わり
電気機械結合係数k33を介して圧電縦効果33モードにより電圧が発生し、外部
電極125から取り出される。このとき、印加される電圧の周波数が圧電磁器ト
ランスの長さ縦振動の共振周波数と等しければかなり高い出力電圧が得られる。 【0010】 続いて本圧電磁器トランスに有利な外部端子の取り出し方について説明する。
図2に外部端子の接続方法と長さ縦振動3次モードの長さ方向の変位および応力
分布を示す。入力端子21は駆動部の外部電極115、113とそれぞれ接続点
24、25において接続されている。入出力の共通端子22は外部電極116、
114と接続点26、27において接続されている。また、出力端子23は、発
電部の外部電極125と接続点28で接続されている。 【0011】 さて、長さ縦振動3次モードは縦振動の3/2波長が圧電磁器トランス全体の
長さに等しい振動モードで、図2の変位分布に示したように3カ所の振動の節A
,B,Cが存在する。このうち、節Aと節Cは両端から1/4波長内側に入った
所で、節Bは圧電磁器トランス全体の中心である。ここで節の位置と接続点を比
較した場合、接続点24と26を節Aに、接続点25と27を節Cに、接続点2
8 を節Bに配置させることが可能である。このように本発明の構造の圧電磁器トラ
ンスでは、全ての電気端子を振動の節から取り出すことが可能であるため、良好
な振動特性と高い信頼性を実現できる。 【0012】 本圧電磁器トランスの共振周波数近傍の集中定数近似等価回路は、他の圧電ト
ランスと同様に図3で示される。図3においてCd1,Cd2はそれぞれ入力側,
出力側の制動容量,A1,A2は入出力の力係数,m,c,rmは長さ縦振動3次
モードに関する等価質量、等価コンプライアンス、等価機械抵抗である。本発明
の圧電磁器トランスの入出力の力係数A1,A2は、次式で表される。 【0013】 【数1】 【0014】 【数2】 【0015】 ここに、w:幅、t:全体の厚さ、l2:出力部の半分の長さ、ε:誘電率、
s:弾性コンプライアンス、k:電気機械結合係数図3の等価回路から明らかな
ように、一般に圧電トランスの出力電圧Voutは、接続される負荷の抵抗値によ
って変化し、負荷抵抗の値が大きいほどVoutの値も大きくなる。ところが、高
電圧かつ高電力の用途では負荷の抵抗値はさほど高くなく、出力電圧Voutは出
力端解放時よりも数分の1以下とかなり低くなってしまう傾向があった。それに
対し本発明の圧電磁器トランスでは、駆動部をn層の圧電磁器層で構成している
ため、式(1)で示される力係数A1は積層数nに比例して大きくなる。そのた
め、積層していない構造の圧電トランスに比べて約n倍の出力電圧を得ることが
でき、比較的低い負荷抵抗に対しても十分高い電圧を供給できる。 【0016】 また、本発明の圧電磁器トランスでは、図1に示したように発電部に内部電極
122、123を配置しているので、外部電極124、125だけの場合に比べ
て、分極処理の際の発電部12内の電気力線の歪みが少なくほぼ長さ方向に平行
となる。そのため発電部の圧電磁器の分極は長さ方向に揃い電気機械結合係数k
33を材料の限界近くまで高めることができる。 【0017】 【実施例】 (実施例1)本発明に基づく圧電磁器トランスの実施例として図1に示した構
成の圧電磁器トランスをグリーンシート法により作製した。圧電磁器の材料には
PZT(PbZrO3−PbTiO3)系圧電磁器を用いた。また、内部電極は1
12、122、123はPtペーストを圧電材料のグリーンシート上にスクリー
ン印刷し、圧電材料と共に一体焼成することにより形成した。ここでは圧電磁器
と内部電極の材料としてPZT系圧電磁器およびPtを用いたが、圧電性を有す
る圧電磁器材料およびそれと一体焼成可能である電極材料であれば他の組合せで
も動作することは言うまでもない。駆動部および発電部の電極部とも圧電磁器層
5層、内部電極4層の構造で各圧電磁器層の厚さは0.2mmとし全体の厚さを
1mmとした。焼成後、長さ30mm、幅5mmの寸法に切断し、Agペースト
を塗布、焼成することにより外部電極113、114、115、116、124
、125、126を形成した。これらの外部電極は、塗布・焼成以外の方法、例
えば蒸着法はスパッタ法を用いてAg以外の導電性材料の薄膜を形成しても一向
に構わない。その後、100℃の絶縁油中において4kV/mmの電圧を印加す
る分極処理を施した。さらに、図2で示したように導線をハンダを用いて接続し
た。このとき、駆動部の接続点24、25、26、27は圧電磁器トランスの両
端から5mm内側の位置とした。 【0018】 この圧電磁器トランスの長さ縦振動3次モードの共振周波数はアドミタンスの
周波数特性から153kHzと測定された。この圧電磁器トランスに高電圧用途
としては比較的低抵抗である200kΩの負荷抵抗を接続したところ、入力電圧 10Vに対して650Vの出力電圧が得られ、このときの出力電力は2.1Wで
あった。 【0019】 また、この実施例による圧電磁器トランス100個を連続2000時間駆動し
たが、外部電極の剥離や特性の異常が認められた試料は1個も無かった。 【0020】 尚、この圧電磁器トランスは図4に示す様に4端子の変圧素子として使用する
ことも可能である。すなわち、発電部の外側の外部電極124、126に接続点
42、43を介して出力端子41を設ければよい。接続点42、43が長さ縦振
動3次モードの節ではないが、このような端子構造とすることで入力端子21、
22と出力端子23、41が直流的には完全に絶縁される。したがって、電源回
路に使用する際に回路設計上の自由度が増す。 【0021】 (実施例2)続いて上下の主面に外部電極の存在しない圧電磁器トランスを作
製した。構造を図5に示す。図5(a)は幅方向に垂直に切断した断面図、(b
)(c)はそれぞれa−a‘,b−b’で切断した断面図である。この圧電磁器
トランスの駆動部51は、3層の圧電磁器層511と4層の内部電極512の上
下に圧電磁器の不活性層513が配置されている。内部電極512は図5(b)
に示した様に側面に配置された外部電圧52、53さらに外部端子56、57に
接続されている。この接続点の位置は振動の節に置くのが望ましい。一方発電部
では、図5(c)に示すように内部電極523は側面の外部電極54、55を介
して出力端子58に接続される。この場合外部端子の55は必ずしも必要ではな
い。また、内部電極522も同様に側面の外部電極で接続されるが、この外部電
極は駆動部の外部電極52、53のいずれかに接続される。この圧電磁器トラン
スの動作原理等は先の実施例と同じである。活性層の割合が減る分扱えるパワー
は減少するが、上下の主面に電極を配置していないので振動の節であれば上下か
ら金属などの導体で挟む様な支持が可能となる。実際に作製した圧電磁器トラン
スに200kΩの負荷抵抗を接続したところ、入力電圧10Vの時に、出力電圧
51 0Vすなわち出力電力1.3Wが得られた。 【0022】 (実施例3)さらに、発電部には内部電極を有しない圧電磁器トランスを作製
した。その幅方向に垂直な断面図を図6に示す。駆動部61は実施例1と全く同
じ構造であるが、発電部は長さ方向に分極された圧電磁器621と外部電極62
2のみで構成されている。3個の外部端子は外部電極613、614、622に
接続される。尚、外部端子を4端子としたい場合には発電部の比較的外側に外部
電極(図1の124に相当)を設ければよい。この実施例では発電部に内部電極
がないため、分極処理の際に外部電極に電圧を印加しても電気力線が長さ方向に
完全には揃わず効率の面でやや不利であるが、圧電磁器トランスの厚さに比べて
発電部の長さが十分長い場合には効率の低下はさほど大きくない。実際に作製し
た圧電磁器トランスに330kΩの負荷抵抗を接続したところ、入力電圧10V
の時に、出力電圧680Vすなわち出力電力1.4Wが得られた。 【0023】 【発明の効果】 以上詳述した如く、本発明に従った構成の圧電磁器トランスは、高電圧・高電
力・高信頼性の特性を持ち、かつ小型・薄型であるという点で従来の圧電トラン
スにはない長所があり、工業的価値も多大である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の圧電磁器トランスの断面図である。 【図2】本発明の圧電磁器トランスの接続図および変位分布図である。 【図3】圧電磁器トランスの集中定数等価回路図である。 【図4】4端子構造の圧電トランスの接続図である。 【図5】上下面に電極のない実施例の断面図である。 【図6】発電部に内部電極のない実施例の断面図である。 【図7】従来のローゼン型圧電トランスの斜視図である。 【符号の説明】 11、41、51、61、71 駆動部 12、42、52、62、72 発電部 111、121、511、513、611、621 圧電磁器 112、122、123、512、522、523、612 内部電極 113、114、115、116、124、125、126、52、53、 54,55、613、614、622,73、74,75、外部電極 21、22、23、41、56、57、58、76、77、78 電気端子

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 長板構造の圧電磁器トランスにおいて、厚さ方向に分極された圧電磁器層と内
    部電極を交互に複数層積層した駆動部を圧電磁器トランスの両端部に配置し、さ
    らに長さ方向の中心を含む中央部に長さ方向に端部から中央部の向きに分極され
    た発電部を配置し、かつ振動の節に当たる部分から電気端子を取り出す構造を特
    徴とする圧電磁器トランス。 【請求項2】 請求項1の圧電磁器トランスにおいて、圧電磁器トランスの長さ方向の中心部
    に1層あるいは複数の内部電極を配置しその内部電極すべてに出力電気端子を接
    続し、また発電部の両端にそれぞれ1層あるいは複数の内部電極を配置してそれ
    を駆動部の一方の電極と接続したことを特徴とする圧電磁器トランス。 【請求項3】 請求項1、2の圧電磁器トランスにおいて、駆動部の外部電極と導線との接続
    点を、圧電磁器トランスの両端から長さ縦振動3次モードの波長の4分の1だけ
    内側に配置し、その圧電磁器トランスを長さ縦振動3次モードの共振周波数で駆
    動することを特徴とする圧電磁器トランスの駆動方法。

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