JP2506284B2 - 風呂装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は風呂装置、特に、浴槽内
水位が低下したときに自動的に浴槽に温水補充（以下、
補水という）を行ってその水位を一定に保ち得るように
した風呂装置に関するもので、補水に先立って行う浴槽
内水位の検知動作中に設定水位の変更があった場合には
該水位変更に速やかに追随し得るようにしたものであ
る。

【０００２】

【従来技術及び課題】浴槽内水位が低下したときに自動
的に浴槽に補水してその水位を一定に保ち得るようにし
た風呂装置が普及してきた。図３に示すように、給湯用
熱交換器(26)から引出した湯張り回路(20)には湯張り弁
(28)と逆流防止装置(29)と更に水位センサ(41)がこの順
序で上流側から挿入されており、上記湯張り弁(28)等は
マイクロコンピュータを組込んだ制御装置(3）に配線接
続されている。又、該制御装置(3）には浴室壁面に配設
したリモコン装置(18)が配線接続されており、該リモコ
ン装置(18)には浴槽(2）に湯張りする設定水位をセット
する為の水位設定器(17)が設けられている。

【０００３】このものでは、リモコン(18)に設けた操作
スイッチ(19)を操作すると浴槽(2）への湯張り動作が適
宜実行される。又、該湯張り完了後に浴槽(2）内の入浴
水が使用されてその水位が低下すると、湯張り回路(20)
を介して水位センサ(41)が検出する浴槽(2）内の水圧を
浴槽内水位として検知する。そして、該検知水位を制御
装置(3）が判断して湯張り弁(28)を開けると共に給湯用
ガスバーナ(24)を燃焼させ、これにより、浴槽(2）への
補水を行い、水位センサ(41)が検知する浴槽内水位が水
位設定器(17)でセットした設定水位に達すると、上記補
水動作を停止させる。以後、浴槽内水位が低下する毎に
上記と同様にして浴槽(2）への補水を繰返してその水位
を一定に維持する。

【０００４】ところがこのものでは、浴槽内水位が設定
水位を維持しているにも関わらずその水面が波打つと、
これに追随して水位センサ(41)の検知水位が変動し、該
変動周期に合せて湯張り弁(28)の開閉や給湯用ガスバー
ナ(24)がＯＮ・ＯＦＦする所謂チャタリング現象が発生
する。そこで上記不都合を解決するため、浴槽(2）内の
水面の波打ちが小さく然も浴槽内水位が設定水位より低
い場合にのみ該浴槽(2）への補水を行うようにすること
も考えられる。即ち、水位センサ(41)の検知水位の変化
を監視すると共に該水位変化が微小で然も上記検知水位
が設定水位より低い状態が一定時間（例えば２０秒程
度）だけ継続した場合には補水要求信号を出す補水判定
手段(43)を設けるのである。そして、該補水判定手段(4
3)から補水要求信号が出たときは水位設定器(17)の設定
水位まで浴槽(2）に補水を行なうようにするのである。

【０００５】しかしながら、上記改良案のものでは、湯
張り設定水位を変更した場合に於ける湯張り所要時間が
長くなる場合がある。上記問題点について更に詳述す
る。上記改良案のものでは、設定水位と水位センサ(41)
の検知水位の差異や該水位センサ(41)の検知水位の変動
を補水判定手段(43)が監視している監視時間内に水位設
定器(17)で設定水位が変更された場合においても、補水
判定手段(43)が補水の要否を判断するのに要する上記監
視時間が経過するまでは水位変更が確認されない。この
ことから湯張り完了までに要する時間が長くなるのであ
る。

【０００６】本発明は上記の点に鑑みて成されたもの
で、『浴槽内水位を検知する水位センサ(41)の出力を一
定時間だけ監視して該監視結果と水位設定器(17)の設定
水位によって浴槽(2）への補水の要否を判断する補水判
定手段(43)を設け、上記浴槽(2）への補水を要求する前
記補水判定手段(43)からの出力信号に基づいて前記浴槽
(2）への補水動作を行うようにした風呂装置』におい
て、湯張り設定水位を変更した場合に於ける湯張り所要
時間の短縮化を図ることをその課題とする。

【０００７】

【手段】上記課題を解決する為の本発明の技術的手段
は、『水位設定器(17)で設定水位が変更されたか否かを
判断して水位変更された場合には水位変更信号を出す水
位変更検知手段(44)と、該水位変更検知手段(44)から水
位変更信号が発生したときには補水判定手段(43)による
判定を待つことなく変更後の設定水位とその時点に於け
る水位センサ(41)の検知水位を比較する水位比較手段(4
5)を設け、該水位比較手段(45)の出力に基づいて浴槽へ
の補水動作を行なうようにした』ことである。

【０００８】

【作用】上記技術的手段は次のように作用する。補水判
定手段(43)が浴槽(2）への補水の要否を判断している
間、即ち、水位センサ(41)が検知する浴槽内水位やその
変動等を一定時間だけ監視している間に水位設定器(17)
で設定水位が変更されると、水位変更検知手段(44)から
水位変更信号が出力される。すると、該水位変更信号に
より補水判定手段(43)の判定を待つことなく水位比較手
段(45)が駆動し、該水位比較手段(45)はその時点におけ
る水位センサ(41)の検知水位と変更された設定水位を比
較する。即ち、補水判定手段(43)が動作途中に設定水位
の変更があった場合には、該補水判定手段(43)による一
定時間の水位監視を行わないで、上記水位比較手段(45)
による比較結果に基づいて浴槽(2）への補水の要否を判
断するのである。

【０００９】

【効果】本発明は次の特有の効果を有する。補水判定手
段(43)が浴槽内水位等を監視している途中でも設定水位
の変更があった場合は補水判定手段(43)による監視を止
めて直ちに変更後の水位に基づいた補水動作に切替わる
から、湯張り設定水位を変更した後の湯張り所要時間が
短縮化できる。

【００１０】

【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て説明する。この実施に使用する風呂装置は図１に示す
ように、浴槽(2）内を昇温させる為の追焚き回路(21)を
具備する。追焚き用熱交換器(22)と浴槽(2）を循環する
追焚き回路(21)には、上記追焚き用熱交換器(22)の上流
側に位置させて温度センサ(40)，水位センサ(41)及び切
替弁(25)が上流側からこの順序で配設されている。又、
追焚き用熱交換器(22)の下流側には水流スイッチ(F) が
挿入されている。

【００１１】更に、追焚き回路(21)に於ける切替弁(25)
の部分には、給湯用熱交換器(26)から引出した給湯回路
(27)が接続されており、該給湯回路(27)には湯張り弁(2
8)と逆流防止装置(29)が挿入されている。上記各部品は
マイコンを組込んだ制御装置(3）に電気接続されている
と共に、該制御装置(3）には浴室(C) の壁面に配設され
たリモコン装置(18)が配線接続されており、更に、該リ
モコン装置(18)には、水位設定器(17)と操作スイッチ(1
9)が設けられている。

【００１２】上記湯張り弁(28)や切替弁(25)等は制御装
置(3）のマイコン内に格納された図２に示す制御プログ
ラムに従って監視や制御が成されるようになっており、
以下、該制御動作について説明する。 （ア）．操作スイッチ(19)が投入されるのを監視し、こ
れが投入されると浴槽(2）への湯張り動作を実行する
（図面符号(71)のステップ参照）。即ち、給湯用ガスバ
ーナ(24)を燃焼させると共に湯張り弁(28)を開弁して浴
槽(2）への湯張り動作を開始し、水位センサ(41)の検知
する浴槽内水位が水位設定器(17)でセットした設定水位
になると湯張り弁(28)を閉じると共に給湯用ガスバーナ
(24)を消火させて湯張り動作を停止させるのである。 （イ）．上記湯張り動作時には、切替弁(25)の切替えに
よって給湯回路(27)→切替弁(25)→追焚き用熱交換器(2
2)→水流スイッチ(F) →浴槽(2）と繋がる回路が成立
し、その逆の回路即ち給湯回路(27)→切替弁(25)→ポン
プ(P) →水位センサ(41)→浴槽(2）と繋がる回路は上記
切替弁(25)によって遮断された状態になっている。

【００１３】そこで、上記（イ）の湯張り動作が完了し
た後は、切替弁(25)を同図の姿勢に切替えて追焚き回路
(21)が成立した状態にし、更にポンプ(P) を駆動させる
（図面符号(72)のステップ参照）。 （ウ）．上記ポンプ(P) の駆動によって浴槽(2）内水が
追焚き回路(21)内で循環することとなり、該水の温度を
検知して浴槽内温度を調べる温度センサ(40)の検知温度
（浴槽内温度）と設定温度を比較する（図面符号(73)の
ステップ参照）。そして、浴槽内温度が設定温度より低
い場合は、追焚き回路(21)の追焚き用ガスバーナ(23)を
燃焼させると共に、温度センサ(40)の検知温度を判断
し、該温度センサ(40)の検知温度が設定温度まで昇温す
ると追焚き用ガスバーナ(23)を消火させると共にポンプ
(P) を停止させて追焚き動作を完了させる（図面符号(7
4)のステップ参照）。そして、制御動作は浴槽内水位を
監視する図面符号(75)以下の工程に移行せしめられる。

【００１４】他方、図面符号(73)のステップで浴槽内温
度を判断した際にこれが設定温度以上になっている場合
はポンプ(P) を停止させ（図面符号(731) のステップ参
照）た後に浴槽内水位を監視する図面符号(75)以下の工
程を実行させる。 （エ）．図面符号(75)以下の工程は、浴槽内水位が低下
すると該浴槽(2）内に温水を補充してその水位を一定に
保つ為の工程である。

【００１５】先ずマイコン内の水位設定メモリ(M1)に水
位設定器(17)でセットした設定水位Ｈを記憶させると共
に、後述する水位判定回数を判断する際に使用する判定
回数フラグＪを「０」にセットする（図面符号(75)のス
テップ参照）。 （オ）．次に、水位設定器(17)で設定水位Ｈが変更され
たか否かを判断する（図面符号(76)のステップ参照）。
即ち、上記図面符号(75)のステップを実行した際に水位
設定メモリ(M1)に記憶させた設定水位と、現在の水位設
定器(17)の設定水位を比較する等して設定水位が変更さ
れたか否かを判断するのである。そして、設定水位が変
更されていると判断される場合には、その時点に於ける
水位センサ(41)の検知水位と変更後の設定水位Ｈを比較
し（図面符号(87)のステップ参照）、前者の検知水位が
後者の設定水位Ｈ以下の場合は図面符号(84)以下の補水
動作に移行する。又、前者の検知水位が後者の変更後の
設定水位Ｈより大きいときは再度浴槽内温度の判断（図
面符号(73)のステップ参照）とその後の補水の要否を判
断する図面符号(75)以下のステップを実行する。

【００１６】このことから、浴槽(2）への補水動作の要
否判断が完了する前であっても、水位設定器(17)で設定
水位が変更された場合は速やかに該変更後の設定水位に
基づく補水動作が行われる。他方、水位設定器(17)でセ
ットした設定水位に変更が無いと判断される場合には、
水位センサ(41)の検知水位を水位メモリ(M2)に格納する
（図面符号(77)のステップ参照）。

【００１７】尚、この実施例では、水位設定器(17)で設
定水位が変更されたか否かを判断する上記図面符号(76)
のステップを実行するマイコン内の機能部が既述技術的
手段の項に記載の水位変更検知手段(44)に対応する。
又、上記図面符号(76)のステップで設定水位の変更があ
ったことが判断されたときは水位センサ(41)の検知水位
と変更後の設定水位Ｈとの比較を行なう図面符号(87)の
ステップを実行するマイコン内の機能部が既述技術的手
段の項に記載の水位比較手段(45)に対応する。 （カ）．次に１秒間の時間待ちを行い（図面符号(78)の
ステップ参照）、その後、水位メモリ(M2)に記憶させた
水位とその後１秒間が経過した現在水位（現在の水位セ
ンサ(41)の検知水位）の差、即ち、変動水位ΔＭを演算
する（図面符号(79)のステップ参照）。すると、該変動
水位ΔＭは浴槽(2）内の水面の波打ちに追随して微妙に
変動することとなる。即ち、上記水面の波打ちによって
水位センサ(41)が検知する浴槽内水位の信頼性が低下す
るのである。そこで、上記変動水位ΔＭの絶対値が微小
な値（この実施例では５mm未満）に納まっているか否か
を判断し（図面符号(80)のステップ参照）、該変動水位
ΔＭが小さく水位センサ(41)の検知する浴槽内水位の信
頼性が高いと判断されるときは、その時点に於ける水位
センサ(41)の検知水位と水位設定メモリ(M1)に記憶させ
た設定水位Ｈを比較する（図面符号(81)のステップ参
照）。そして、水位センサ(41)の検知水位が設定水位Ｈ
よりも低い場合には、判定回数フラグＪの値を「１」だ
け増加させ（図面符号(82)のステップ参照）た後に、該
判定回数フラグＪが「２０」になったか否かを判断する
（図面符号(83)のステップ参照）。即ち、変動水位ΔＭ
の値が小さくて浴槽(2）の水面の波打ちがあまり無いと
判断され然も水位センサ(41)の検知水位が設定水位Ｈよ
り低い状態が２０回（上記判定回数フラグＪの値が２０
になるまで）確認されるまで、この監視動作を繰返すの
である。そして、この状態が２０回確認されると、次の
（キ）に記載する図面符号(84)以下の補水動作が実行さ
れる。

【００１８】他方、変動水位ΔＭが微小範囲に納まって
いるか否かを判断する図面符号(80)のステップを実行し
た際に、該変動水位ΔＭが大きく浴槽(2）内の水面の波
打ちが激しいと考えられる場合には、水位センサ(41)が
検知する浴槽内水位の信頼性が極めて低いと判断する。
そして、かかる場合には判定回数フラグＪを「０」にセ
ットし直す等の図面符号(75)のステップに制御動作が戻
され、再び水位判定動作を実行する。又、図面符号(81)
のステップで水位センサ(41)の検知水位が設定水位Ｈ以
上で浴槽(2）への補水動作が不要と判断される場合も、
上記と同様に図面符号(75)のステップに制御動作が戻さ
れる。

【００１９】そして、上記実施例のものでは、図面符号
(78)のステップで１秒間の時間待ちを行うことから、判
定回数フラグＪが「２０」回に達するまでに約２０秒の
監視時間が経過することとなる。尚、この実施例では図
面符号(75)，(77)〜(83)のステップを実行するマイコン
内の機能部が既述技術的手段の項に記載の補水判定手段
(43)に対応する。 （キ）．次に、上記判定回数フラグＪの値が２０回に達
して補水動作の要否確認が２０回繰返されたことが分る
と、浴槽(2）への補水動作が開始する。即ち、切替弁(2
5)を切替えて給湯回路(27)→切替弁(25)→追焚き用熱交
換器(22)→水流スイッチ(F) →浴槽(2）と繋がる回路を
開くのである。又、これにより、該回路とは逆の回路、
即ち、給湯回路(27)→切替弁(25)→水位センサ(41)→浴
槽(2）と繋がる回路を遮断し、これにより、水位センサ
(41)が浴槽内水位を検知できる状態にする（図面符号(8
4)のステップ参照）。 （ク）．次に湯張り弁(28)を開けると共に給湯用ガスバ
ーナ(24)を燃焼させて浴槽(2）への補水動作を開始し
（図面符号(85)のステップ参照）、水位センサ(41)が検
知する浴槽内水位が水位設定器(17)の設定水位まで上昇
すると、湯張り弁(28)を閉じて浴槽(2）への補水動作を
終了させる（図面符号(86)のステップ参照）。以後、制
御動作は、浴槽内温度を判断する図面符号(73)のステッ
プに戻される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の風呂装置の概略図

【図２】本発明実施例の風呂装置の制御動作の説明図

【図３】従来例の説明図

【符号の説明】

(2）・・・浴槽 (3）・・・制御装置 (17)・・・水位設定器 (41)・・・水位センサ (43)・・・補水判定手段 (44)・・・水位変更検知手段 (45)・・・水位比較手段

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽内水位を検知する水位センサ(41)の
   出力を一定時間だけ監視して該監視結果と水位設定器(1
   7)の設定水位によって浴槽(2）への補水の要否を判断す
   る補水判定手段(43)を設け、上記浴槽(2）への補水を要
   求する前記補水判定手段(43)からの出力信号に基づいて
   前記浴槽(2）への補水動作を行うようにした風呂装置に
   おいて、水位設定器(17)で設定水位が変更されたか否か
   を判断して水位変更された場合には水位変更信号を出す
   水位変更検知手段(44)と、該水位変更検知手段(44)から
   水位変更信号が発生したときには補水判定手段(43)によ
   る判定を待つことなく変更後の設定水位とその時点に於
   ける水位センサ(41)の検知水位を比較する水位比較手段
   (45)を設け、該水位比較手段(45)の出力に基づいて浴槽
   への補水動作を行なうようにした風呂装置。