JP2506233Y2 - 管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は管部材と該管部材に取付けられてそれを支持
するためのハンドル部材とを有し、所望により管部材に
対するハンドル部材の長手方向位置を調節し得る種類の
管構造に関する。

従来の技術 このような種類の管構造は薬剤散布機の噴管等として
利用されており、噴管等の管部材に対してハンドル部材
の位置を薬剤の散布高さや操作者の身長に合わせて調節
するために用いられているが、従来の管構造ではハンド
ル部材はそれと別体の取付バンド部材によって管部材に
取付けられるようになっており、このため部品点数が多
く、加工及び組立工数が多く、コストが比較的高く、ま
たハンドルの位置調節の際に取付バンド部分の締付ねじ
を工具でゆるめなければならず、このため調節作業に手
間がかかる等の不都合があった。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案は、上記従来の技術の不都合を取除く
ためになされたものであり、ハンドル部材に従来の取付
バンドに相当する部分を一体に形成すると共に、ハンド
ル部材の位置調節の際に締付ねじをゆるめずに工具なし
で簡単に調節することも可能となる、前記種類の管構造
を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 即ち、本考案によれば、管部材と該管部材に取付けら
れてそれを支持するためのハンドル部材とを有し、所望
により管部材に対するハンドル部材の長手方向位置を調
節し得る種類の管構造は、前記ハンドル部材に操作者が
把持するハンドル部分と前記管部材の外周面の周りに曲
げて巻付け自在な取付けバンド部分とを一体に形成し、
前記ハンドル部分を、前記管部材の軸線方向に沿って半
割り状にされた一対の半体に分割成形して前記ハンドル
部材を展開自在に一体成形せしめた構成を特徴とする。

作用 従って、管部材にハンドル部材の一方の半体を当てが
い、他方の半体を前記一方の半体と合体せしめることに
より、管部材にハンドル部材を確実に取着できる。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明する。

図示実施例は本考案を風送掃除機や薬剤散布機の噴管
に適用したものであり、この実施例の管構造は第１図に
示すように噴管を構成する管部材１と、該管部材１に取
付けられるハンドル部材２とを有する。前記管部材１は
金属又は合成樹脂等の適当な材料から作られ、その外周
面３の両側に複数個（この実施例では６個）の長手方向
に所定の間隔で互いに離間した半球面状の外方へ突出す
る突起部４の列をそれぞれ一体に形成している。一方、
前記ハンドル部材２は合成樹脂から適当な成形加工によ
って作られ、操作者が把持するハンドル部分５と前記管
部材１の外周面３の周りに取付けられる取付バンド部分
６とを一体に形成している。前記ハンドル部材２は、第
２図及び第３図に示すように、前記ハンドル部分５の中
心を通り、前記取付バンド部分６の軸線を含む平面で前
記管部材１の軸線方向に沿って半割り状に展開された状
態で一体に成形された二つの半体７及び８からなり、こ
れ等の半体７及び８は、それぞれのハンドル部分６と反
対側の側縁部に一体に形成されたヒンジ部分９によって
連結され、前記両半体7,8及びヒンジ部分９は一体成形
体として作られる。前記ヒンジ部分９は比較的薄い厚さ
を有し、第３図に示すように外側に凹んだＷ形状に屈曲
した形状に形成されている。このように形成されたヒン
ジ部分９は、適度の可撓性及びクッション性をもつこと
ができ、両半体７及び８はヒンジ部分９において容易に
曲げられて第１図及び第４図に示すように互いに合体さ
れ、取付バンド部分６を管部材１の外周面３に密着して
配置すると共にハンドル部分５を形成することができ
る。両半体７及び８はそれらのハンドル部分５の部分に
複数個の両半体７及び８を合体したときに整合するねじ
穴10をそれぞれ形成しており、これらのねじ穴10にねじ
（図示せず）をそれぞれ螺合することによって、ハンド
ル部材２は管部材１の外周面３に確実に取付けられる。
更に、ハンドル部材２はその両半部７及び８の内面にそ
れぞれ複数個（この実施例では各三つ）の長手方向に互
いに離間した半球面状の凹部11の列をそれぞれ形成して
おり、各列の凹部11は、前記管部材１の外周面３の突起
部４の間隔と等しい間隔をもって該突起部４の列と対応
してそれぞれ配列されている。このため、ハンドル部材
２が第１図に示すように管部材１に取付けられた時に、
ハンドル部材２の各列の凹部11は管部材１の両側の突起
部４とそれぞれ係合することができる。

このようにして管部材１に取付けられたハンドル部材
２を管部材１の長手方向の所望位置へ移動する時、操作
者は、通常作業時に作用するのより若干強い移動方向へ
の力をハンドル部材２に対して加える。この時、管部材
１の突起部４とハンドル部材の凹部11との係合による抵
抗力が生ずるが、Ｗ形状に屈曲したヒンジ部分９がハン
ドル部材２の取付バンド部分６の周方向へ伸びて取付バ
ンド部分６を半径方向外方へ若干押し広げ、このためハ
ンドル部材の凹部11は管部材１の突起部４から容易に離
脱することができ、ハンドル部材２を所望の位置まで移
動させ、そこで突起部４及び凹部11を再び係合させてハ
ンドル部材２を管部材１に対して保持する。このように
して、この位置調節は、ねじやビス等をゆるめたり工具
を用いることなく、ヒンジ部分９の可撓性及びクッショ
ン性によって迅速且つ容易に行うことができる。

なお、第１図中、12は、ハンドル部分５の内部の枢止
ピン13に枢止されて、図示しない管部材１の先端部に設
けた開口調節手段等をボーデン索14を介して制御せしめ
るコントロールトリガである。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、操作者
が把持するハンドル部分と取付バンド部分とを一体に形
成すると共に、ハンドル部分を管部材の軸線方向に沿っ
て半割り状にされた一対の半体に分割成形したので、部
品点数が少なく、加工及び組立工数が少なく且つ低コス
トの管構造を得ることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る管構造の一実施例を示す要部破断
側面図、第２図は第１図の管構造のハンドル部材の展開
端面図、第３図は第１図の管構造のハンドル部材の展開
平面図、そして第４図は第１図の管構造のハンドル部材
のヒンジ部分の要部拡大端面図である。 １……管部材、２……ハンドル部材、7,8……ハンドル
部材の半体、９……ハンドル部材のヒンジ部分。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】管部材（１）と該管部材に取付けられてそ
   れを支持するためのハンドル部材（２）とを有し、所望
   により管部材に対するハンドル部材の長手方向位置を調
   節し得る種類の管構造において、前記ハンドル部材に操
   作者が把持するハンドル部分（５）と前記管部材の外周
   面（３）の周りに曲げて巻付け自在な取付バンド部分
   （６）とを一体に形成し、前記ハンドル部分を前記管部
   材の軸線方向に沿って半割り状にされた一対の半体（7,
   8）に分割成形して前記ハンドル部材を展開自在に一体
   成形せしめたことを特徴とする管構造。