JP2503433B2 - エンジン制御用ステッピングモ−タのモ−タポジション初期化装置 - Google Patents

エンジン制御用ステッピングモ−タのモ−タポジション初期化装置

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JP2503433B2
JP2503433B2 JP61194300A JP19430086A JP2503433B2 JP 2503433 B2 JP2503433 B2 JP 2503433B2 JP 61194300 A JP61194300 A JP 61194300A JP 19430086 A JP19430086 A JP 19430086A JP 2503433 B2 JP2503433 B2 JP 2503433B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンジン制御用ステッピングモータのモー
タポジション初期化装置に関し、特に、自動車用エンジ
ンにそなえて好適なエンジン制御用ステッピングモータ
のモータポジション初期化装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、自動車用エンジンの吸気系において、吸気通路
にはスロットルバルブが介装されており、このスロット
ルバルブのアイドル開度を調整すべく、アイドルスピー
ドコントロール(ISC)用調整手段が設けられている。
このアイドルスピードコントロール(ISC)用調整手
段として、ステッピングモータを用いることが考えられ
る。
そして、このような従来のステッピングモータを用い
たアイドルスピードコントロール用調整手段では、ステ
ッピングモータのロッドの位置を正確にコントロールす
ることができるので、ロッド突出位置(ステッピングモ
ータの位置)を検出するポジションセンサを省略するこ
とができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような従来のアイドルスピードコ
ントロール用調整手段では、ステッピングモータの制御
位置、すなわち、コンピュータ等のメモリ内に記憶して
いるステッピングモータの仮想位置と、ステッピングモ
ータの実際の位置とが、不一致(以下、「脱調現象」と
いう。)となる恐れがあるので、ステッピングモータの
イニシャライズ(キャリブレート)を行なう必要があ
る。かかるイニシャライズは、ステッピングモータを初
期位置へ駆動するとともに、この初期位置に対応するよ
うにメモリ内の記憶値をリセットすることにより行なわ
れる。
ところで、イグニッションキーのオン時またはオフ時
に、ステッピングモータを弁全閉位置まで作動させてか
ら、イニシャライズを行なうことが考えられるが、この
場合弁全閉位置へ確実に到達させることが必要であるこ
とから、必要数よりも多めのパルス信号をステッピング
モータへ供給することが行なわれる。これによりコンピ
ュータで記憶されているモータ位置と実際のモータ位置
との間にズレがない場合、ステッピングモータは弁全閉
位置に達したのち、更に弁全閉側に駆動されるため、ロ
ック状態を引き起こし、弁の弁シート部の摩耗や噛み込
みを招く恐れがある。
なお、ステッピングモータをEGR弁駆動用や過給圧
(又は排気圧)バイパス用に使用した場合も、上記と同
様の問題が生じる。
本発明は、このような問題点を解決しようとするもの
で、ステッピングモータにおけるモータポジションの初
期化を適切に行なえるようにした、エンジン制御用ステ
ッピングモータのモータポジション初期化装置を提供す
ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
このため、本発明のエンジン制御用ステッピングモー
タのモータポジション初期化装置は、現在のモータポジ
ションを仮想的に記憶するモータポジション記憶手段
と、エンジンの状態変化によって変更される学習値を記
憶する学習値記憶手段と、同学習値記憶手段からの学習
値を加味して目標とするモータポジションを設定する目
標ポジション設定手段と、上記のモータポジション記憶
手段からのモータポジションと目標ポジション設定手段
からの目標とするモータポジションとに基づき制御信号
を出力する制御手段と、同制御手段からの制御信号を受
けて作動するステッピングモータと、同ステッピングモ
ータによって駆動されるエンジン制御用被駆動部材とを
そなえるとともに、上記ステッピングモータへ初期化信
号を出力して上記被駆動部材を初期化位置へ移動させる
モータポジション初期化手段をそなえ、同モータポジシ
ョン初期化手段が、上記学習値記憶手段に記憶された学
習値が異常値に達したことを受けて上記初期化信号の出
力を指令する初期化時期決定手段をそなえて構成された
ことを特徴としている。
〔作用〕
上述の本発明のエンジン制御用ステッピングモータの
モータポジション初期化装置では、エンジン制御に使用
される学習値が異常値に達したことを受けて初期化時期
が決定され、このようにして決定された時期にモータポ
ジションの初期化が行なわれる。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の実施例について説明する
と、第1〜7図は本発明の第1実施例としてのエンジン
制御用ステッピングモータのモータポジション初期化装
置をそなえた自動車用エンジン制御システムを示すもの
で、第1図はその要部ブロック図、第2図はその全体構
成図、第3図はそのブロック図、第4図はその点火系の
一部を示す模式図、第5図はそのアイドルスピード制御
およびモータポジション初期化処理を示すフローチャー
ト、第6図はそのステッピングモータ駆動ルーチンを示
すフローチャート、第7図はそのアイドルスピード制御
時の作用を説明するためのグラフである。
さて、この第1実施例は、第2図に示すごとく、V型
6気筒エンジン(以下「V6エンジン」ということがあ
る)2に適用したものであるが、このV型6気筒エンジ
ン2では、核気筒につながる吸気マニホルド4のそれぞ
れに電磁式燃料噴射弁「フュエルインジェクタ)6を有
するいわゆるマルチポイント噴射方式(MPI方式)が採
用されている。
そして、吸気マニホルド4にはサージタンク8を介し
て吸気通路10の一端が接続されており、吸気通路10の他
端には、エアクリーナ12が取り付けられている。
また、吸気通路10にはスロットルバルブ14が介装され
ているが、このスロットルバルブ14の配設部分と並列に
スロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路16が設
けられている。
バイパス通路16には、アイドルスピードコントロール
バルブ(ICSバルブ)18とファストアイドルエアバルブ
(FIAバルブ)20とが相互に並列に配設されている。
アイドルスピードコントロールバルブ18は、ステッピ
ングモータ(ステッパモータともいう)18aと、ステッ
ピングモータ18aによって開閉駆動される弁体18bと、弁
体18bを閉方向へ付勢するリターンスプリング18cとをそ
なえて構成されている。ステッピングモータ18aは4つ
のコイル部を環状に配し且つこれらのコイル部で囲まれ
た空間にロータ(回転体部分)を有し、ロータが回転す
るロータリタイプのもの(4相ユニポーラ,2相励磁型)
で、パルス信号をコイル部に所定の順序で受けると所定
角度だけ左右に回動するようになっている。そして、ス
テッピングモータ18aのロータは弁体18b付きのロッド18
dと同軸的に配設されこれに外側から螺合している。ま
た、ロッド18dには回転止めが施されている。これによ
りステッピングモータ18aが回転作動すると、弁体18b付
きロッド18dは軸方向に沿い移動して、弁開度が変わる
ようになっている。
ファストアイドルエアバルブ20はワックスタイプのも
ので、エンジン温度が低いときは収縮してバイパス通路
16を開き、エンジン温度が高くなるに従い伸長してバイ
パス通路16を閉じてゆくようになっている。
なお、各電磁式中燃料噴射弁6へは燃料ポンプ22から
の燃料が供給されるようになっているが、この燃料ポン
プ22からの燃料圧は燃圧レギュレータ24によって調整さ
れるようになっている。ここで燃圧レギュレータ24はダ
イアフラムで仕切られた2つのチャンバのうちの一方に
制御通路26をつなぎ、この一方のチャンバに制御通路26
を通じ制御圧を加えることにより、燃圧調整を行なうよ
うになっている。なお、燃圧レギュレータ24のチャンバ
内には、基準燃圧を決めるためのリターンスプリングが
設けられている。
また、制御通路26にはサーモバルブ28が介装されてい
る。このサーモバルブ28は、燃料供給路30にワックス式
感温部をそなえ、このワックス式感温部に弁体が取り付
けられたもので、燃料温度が低いと、制御通路26を開い
て、燃圧レギュレータ24のチャンバ内へ吸気通路圧力
(この圧力はスロットルバルブ14の配設位置よりも下流
側の圧力)を導く一方、燃料温度が高くなってゆくと、
サーモバルブ28内の大気側開口部と制御通路26とを強制
的に連通させて、燃圧レギュレータ24のチャンバ内へ大
気圧を導くことができるようになっている。
なお、このようなワックスタイプのサーモバルブ28の
代わりに、これと同機能を有する電磁式のサーモバルブ
を用いてもよい。
ところで、このエンジン2については、燃料供給制
御,点火時間制御,アイドルスピード制御,オーバヒー
ト時制御,燃料ポンプ制御,クーラリレーオンオフ制
御、自己診断(ダイアグノシス)表示制御等、種々の制
御が施されるが、かかる制御を行なうために、種々のセ
ンサが設けられている。すなわち、第2〜4図に示すご
とく、エアフローセンサ32、吸気温センサ34,スロット
ルポジションセンサ36,アイドルスイッチ38,水温センサ
40,クランク角センサ42,上死点センサ(TDCセンサ)44,
O2センサ46,インヒビタスイッチ48,クーラスイッチ50,
クランキングスイッチ52,イグニッションスイッチ(キ
ースイッチということもある)54,イグニッションキー
脱着センサ55,高温スイッチ56,パワステアリングスイッ
チ(パワステスイッチ)58,車速リードスイッチ60,診断
スイッチ62,大気圧センサ64,ドアセンサ92,ロック状態
センサ94,シートスイッチ96が設けられている。
エアフローセンサ32はエアクリーナ12内に設けられて
カルマン渦を検出することにより吸入空気量に比例した
周波数パルスを出力するオープンコレクタ出力タイプの
もので、吸入空気量の検出のために使われる。
吸入温センサ34もエアクリーナ12内に設けらえて吸入
空気の温度(吸気温)を検出するので、サーミスタ等が
使用される。
スロットルポジションセンサ36はスロットルバルブ14
の開度を検出するもので、ポテンショメータ(バリアブ
ルレジスタ)式のものが使用される。
アイドルスイッチ38はスロットルバルブ14がアイドル
開度にあることを検出するものであるが、その他にスピ
ードアジャスティングスクリューとしての機能も有す
る。
水温センサ40はエンジン冷却水温を検出するもので、
サーミスタ等が使用される。
クランク角センサ42および上死点センサ44はそれぞれ
第4図に示すごとく、ディストリビュータ68に設けられ
るものであるが、クランク角センサ42はディストリビュ
ータ角(分解能1°)からクランク角を検出するもの
で、上死点センサ44は上死点あるいはその少し手前のタ
イミングを各気筒(6個分)ごとに検出するもので、気
筒判別信号を出力するほか、上死点センサ44からはクラ
ンク角で120°ごとにパルス信号(基準信号)が検出さ
れるので、このパルス信号間隔をはかることによりエン
ジン回転数を検出することができる。
O2センサ46は排気マニホルドの集合部よりも下流側の
排気通路70に設けらえて排気中の酸素量を検出するもの
である。なお、O2センサ46はヒータをそなえたO2センサ
として構成されている。
インヒビタスイッチ48はエンジン2に連結された自動
変速機のシフトポジションに応じてオンオフするスイッ
チで、P,Nレンジのときにオン、それ以外でオフとな
る。
クーラスイッチ50はクーラ作動時にオンして電源電圧
又はH信号を出力してそれ以外でオフとなってL信号を
出力するスイッチであり、クランキングスイッチ52はエ
ンジンクランキング中にオン,それ以外でオフとなるス
イッチで、イングニッションスイッチ54はエンジンキー
をIG位置,ST位置にしたときにオンするスイッチで、オ
ンすることにより点火コイル72(第4図参照)を通じて
点火プラグから火花をとばせる状態にする。
イグニッションキー着脱センサ55はイグニッションキ
ー(エンジンキー)を車体側キーシリンダに挿入したと
きにオンとなり、それ以外でオフとなるセンサである。
高温スイッチ56は排気通路70に配設された触媒コンバ
ータ74の下流側に設けられて排気温度(排温)を検出す
るものである。
パワステアリングスイッチ58はパワステアリングの作
動時における油圧を検出してオンするものである。
車速リードスイッチ60は車速に比例した周波数のパル
スを出力して車速を検出するもので、診断スイッチ62は
ダイアグノシスのためのスイッチである。
大気圧センサ64は絶対圧に比例した電圧を出力して大
気圧を検出するもので、例えば半導体圧力センサが使用
される。なお、大気圧センサ64はコンピュータ(以下、
「ECU」ともいう)76に内蔵されている。
また、ドアセンサ(ドア状態センサ)92に運転席側ド
アに取り付けられてドアの開閉状態を検出するためのも
ので、さらに、ロック状態センサ(ドア状態センサ)94
はドアロック機構のロック・アンロック状態を検出する
ためのもので、シートスイッチ96は運転席における着座
状態を検出するためのものである。
そして、これらのセンサ32〜64,92〜96は、第3図に
示すごとく、ECU76へ入力されている。
ECU76は燃料供給制御,点火時期制御,アイドルスピ
ード制御,オーバヒート時制御,燃料ポンプ制御,クー
ラリレーオンオフ制御,自己診断表示制御等の集中制御
を行なうもので、そのハードウェア構成は、入出力イン
タフェース,プロセッサ(CPU),RAMやROM等のメモリ
[後述するアイドルスピード制御に使用する実ポジショ
ンや学習値やバッテリ着脱検出値を記憶するバックアッ
プメモリ76aを含む]をそなえて構成されているもので
ある。
また、そのソフトウェア(ファームウェア化されたも
のも含む)については、上記の各制御ごとに仔細なプロ
グラムがセットされている。かかるプログラムはプログ
ラムメモリに格納されている。なお、制御のためのデー
タは2次元あるいは3次元マップ化されてRAMやROMに記
憶されたり、所要のラッチに一時記憶されたりするよう
になっている。
そして、ECU76からは各部へ制御信号が出力される。
即ち、ECU76からは6本の電磁式燃料噴射弁6、アイド
ルスピードコントロールバルブ18のステッピングモータ
18a,点火時期制御部(点火装置)78,燃料ポンプ制御部8
0,クーラリレー82,自己診断表示部84,クランキング手段
としてのスタータ89へそれぞれに適した制御信号が出力
されるようになっている。
電磁式燃料噴射弁6やアイドルスピードコントロール
バルブ18のステッピングモータ18aについては前述のと
おりであるが、電磁式燃料噴射弁6は所要のデューティ
率で供給されるパルス制御信号が供給されるとプランジ
ャを駆動して弁開時間を制御されながら燃料の噴射が可
能な弁であり、ステッピングモータ18aはその4つのコ
イル部へ所要のパルス制御信号が供給されると、各コイ
ル部への通電順序によって右または左まわりにまわるこ
とにより、弁体18bの弁開度を調整するものである。
点火時期制御部78はスイッチングトランジスタ等を含
む電子回路から成るイグナイタがその主要部をなしてお
り、コンピュータ76からの制御信号を受けることにより
所要のタイミング(点火時期)で点火コイル72へのコイ
ル電流を遮断するものである。
燃料ポンプ制御部80は複数のリレースイッチを有する
コントロールリレーとして構成されており、燃料ポンプ
22の作動状態を制御するものである。
クーラリレー82はECU76からのH信号を受けると閉じ
てコンプレッサを作動させ、ECU76からの信号がL信号
になると開いてコンプレッサを不作動状態にするもの
で、クーラオンオフリレーとして機能する。
自己診断表示部84は外部から別に接続されるチェッカ
ー回路として構成されており、LEDの点滅パターンによ
り故障コードを表示するものである。
また、コンピュータ76へのバッテリ電源66からの電源ラ
インはバックアップメモリ76a用を含め2本あるが、メ
インラインにはリレースイッチ103のリレー接点103bが
介装されており、このリレー接点103bはスイッチングト
ランジスタ104でオンオフされるリレーコイル103aによ
って開閉されるようになっている。また、スイッチング
トランジスタ104のベースには、ORゲート102からの出力
が抵抗105を介して供給されるようになっている。ORゲ
ート102はその一入力端にイグニッションスイッチ54を
介しての電源分岐ラインが接続されるとともに、その他
入力端にイグニッションスイッチ54および遅延回路100
を介しての電源分岐ラインが接続されている。
これにより、イグニッションスイッチ54をオフしても
コンピュータ76はすぐには切れず、所要の遅延時間後に
切れる。この遅延時間は後述するモータポジション初期
化処理を行なうのに十分な時間が選ばれる。
なお、バックアップメモリ76aはイグニッションスイ
ッチ54のオンオフとは無関係にいつもバッテリ電源66か
らの電力の供給を受けている。
また、第2図中の符号11はキャニスタ、27はポジティ
ブクランクケースベンチレーション98はリザーバを示し
ている。
以下、このエンジン2について行なわれる種々の制御
のうち本発明と最も関連の深いアイドルスポード制御
(ISC)について説明する。
すなわち、この第1実施例におけるアイドルスピード
制御方式としては、ステッピングモータ18aをアクチュ
エータとし、バイパス通路16に設けられたアイドルスピ
ードコントロールバルブ18の開度を調節してアイドル回
転数を制御するバイパスエア制御方式が採用されてい
る。
そして、このアイドルスピード制御はいくつかの制御
モードに分けられるが、各センサからどの制御モードに
あるかが判定され、判定された制御モードの制御内容に
従い、ステッピングモータ18aの駆動制御を行なうこと
により実現するものである。
かかるアイドルスピード制御は第1図に示すブロック
図で実現される。この第1図において、符号106はモー
タ18aの作動に連動して現在のモータポジション情報を
書き替えこれを仮想的に実ポジションPrとして記憶する
実ポジション記憶手段、108はエンジン2の状態変化に
よって変更される学習値Pstを記憶する学習値記憶手
段、110は学習値記憶手段108からの学習値Pstを加味し
て目標とするモータポジション(目標ポジション)Ps
(=Po+ΣΔP+Pst)を設定する目標ポジション設定
手段、112は実ポジション記憶手段106からの実ポジショ
ンPrと目標ポジション設定手段110からの目標モータポ
ジションPsとに基づき制御信号を出力する制御手段、11
4はドライバを示している。Po,ΣΔP,Pstの意味は後述
する。
次に動作について説明する。すなわち、第5図に示す
ごとく、イグニッションスイッチ54が投入されると、即
ちイグニッションスイッチ54がオンになると、ステップ
5−1で、コンピュータ76のメモリをイニシャライズす
る。このとき実ポジションPrおよび学習値Pstを記憶す
るバックアップメモリ76aの内容(このバックアップメ
モリ76aは実ポジション記憶手段106および学習値記憶手
段108の機能をもつ)の内容はイニシャライズされな
い。次に、ステップ5−2で、エンジン負荷,エンジン
回転数,水温等、エンジンの運転状態を入力し、ステッ
プ5−3で、アイドルスピード制御以外の他の制御(燃
料制御や点火時期制御等)を行なう。なお、これらの制
御は他のルーチンを実行することにより行なわれる。
そして、ステップ5−4で、キースイッチオン(イグ
ニッションスイッチオン)かどうかが判断される。最初
はキースイッチオンであるから、YESルートをとり、ア
イドルスピード制御ISCが実行される。すなわち、まず
ステップ5−5で、エンジン運転状態に応じた基本ポジ
ションPoを設定し、ステップ5−6で、安定したアイド
ル運転状態かどうかが判断される。
ここで、アイドルスイッチ38がオンで、次の条件が全
て成立した場合に安定したアイドル運転状態であると判
定される。
(1)始動時に行なわれる制御モードを離脱した後、所
要時間経過していること。
(2)クーラスイッチオン/オフ変化後所要時間経過し
ていること。
(3)ダッシュポット制御(スロットル弁急閉時に所要
の開度のところから徐々にスロットル弁を閉じてゆく制
御)モードを離脱した後、所要時間経過していること。
(4)NレンジとDレンジとの間の切替後所要時間経過
していること。
(5)アイドルスイッチ38オン後所要時間経過している
こと。
(6)停止中であること。
(7)その他異常回転に対処する制御モード離脱後所要
時間経過していること。
そして、ステップ5−6でNOであれば、ポジションフ
ィードバック制御を行なうべく、ステップ5−7で、回
転数フィードバックタイマをセットし、ステップ5−8
で、補正ポジションの積算値ΣΔP=0として、ステッ
プ5−9で、Ps=Po+ΣΔP+Pstなる演算を行なう。
ここで、Pstは上述のごとく学習値である。
一方、安定したアイドル運転状態であれば、ステップ
5−10で、回転数フィードバックタイマが0かどうかが
判断される。これは回転数フィードバック制御モードへ
の切替は所要時間おいてから行なうほうがよいからであ
る。
そして、ステップ5−10で、YESなら、ステップ5−1
1で、目標回転数Nsを設定し、ステップ5−12で、目標
回転数Nsと実回転数Nrとの偏差ΔNに応じて補正ポジシ
ョンΔPを設定する。その後はステップ5−13で、回転
数フィードバックタイマをセットしてから、ステップ5
−14で、エンジン冷却水温TwがTs(例えばTs=70℃)よ
りも高いかどうかが判断される。
なお、ステップ5−10で、NOの場合は、ステップ5−
11,5−12,5−13をジャンプして、ステップ5−14の処理
を行なう。
そして、Tw≦Tsの場合(水温が低い場合)は、ステッ
プ5−9で、Ps=Po+ΣΔP+Pstなる演算がなされ、T
w>Tsの場合は、ステップ5−15で、回転数フィードバ
ック制御が安定しているか、即ち不感帯Nb(第7図参
照)に入って×秒経過しているかどうかが判断され、NO
の場合はステップ5−9で、Ps=Po+ΣΔP+Pstなる
演算を行なう。もしステップ5−15で、YESの場合は、
ステップ5−16で、ΣΔPに基づいて学習値Pstを更新
する。この場合Pstは徐々に即ち小さい補正変化量で更
新されてゆくものとする。ステップ5−16での学習値Ps
tの更新後は、ステップ5−9で、更新されたPstを使っ
てPs=Po+ΣΔP+Pstなる演算が行なわれる。
そして、ステップ5−9の処理の後は、ステップ5−
2へ戻る。このようにして、アイドルスピード制御が実
行される。
その後、イグニッションスイッチ54を切ってオフして
も、遅延回路100の作用により、ORゲート102の出力が所
要時間だけハイレベルを維持しているので、トランジス
タ104がオン、リレー接点103bがオンの状態で保持し
て、イグニッションスイッチ54のオフ後所要時間はコン
ピュータ76は作動をつづける。ここで、遅延回路100で
設定される遅延時間はモータポジション初期化に要すの
るに十分な時間である。なお、モータポジション初期化
は、第1図に示すように、ステッピングモータ18aへ初
期化信号を出力して上記ロッド18dを初期化位置へ移動
させるモータポジション初期化手段116によって行なわ
れるが、このモータポジション初期化手段116は、学習
値記憶手段108に記憶された学習値Pstに基づいてステッ
ピングモータ18aへの初期化信号出力時期を決定する初
期化時期決定手段をそなえて構成されている。
以下、モータポジション初期化処理について説明す
る。すなわち、上記のようにイグニッションスイッチ54
をオフにすると、初期化モードINITIALIZEが実行され
る。まずステップ5−4で、NOルートをとるから次にス
テップ5−17で、イニシャライズ終了フラグがセットさ
れたかどうかが判断される。最初はNOであるから、次に
ステップ5−18でイニシャライズフラグセットかどうか
が判断される。この場合も、最初はNOであるから、次に
ステップ5−19で、学習値Pstが異常値を示しているか
どうかが判断される。
ここで、学習値Pstが異常値であると破断されるの
は、学習値Pstが通常の学習制御によって更新される値
に比べ十分に大きい正の値Pstp(このPstpとしては例え
ば30前後の値が選ばれる)よりも大きい場合と、学習値
Pstが所要の負の値Pstn(このPstnとしては例えば−10
以上の適宜の負の値が選ばれる)よりも小さい場合であ
る。即ちPstn<Pst<Pstpの場合は、学習値Pstが異常な
値であるとはみないが、Pst≧PstpまたはPst≦Pstnの場
合は、学習値Pstが異常な値であるとみなすのである。
一般にエンジンは、同一のスロットル開度(負荷一
定)で運転する場合でも、使用するにつれて、即ち径年
変化によってエンジン回転数は低下してくるものであ
る。すなわち一般には学習値Pstは負の値をとらない。
したがって異常であるかどうかを判断するための学習値
Pstの上限値Pstpと下限値Pstnとはその絶対値が異なっ
ている。即ち|Pstp|>|Pstn|となっている。
そして、ステップ5−19で、学習値Pstが異常でない
と判断された場合は、もはや初期化する必要はないの
で、初期化処理は行なわれずにメインルーチンの実行を
終了する。
もし、ステップ5−19で、学習値Pstが異常であると
判断されると、ステップ5−20で、イニシャライズフラ
グをセットして、ステップ5−21で、Pst>0かどうか
が判断される。ステップ5−21で、Pst>0の場合、即
ちPst≧Pstpの場合は、ステップ5−23で、Ps=0とお
き、ステップ5−21で、Pst≦0の場合、即ちPst≦Pstn
の場合は、ステップ5−22で、Pr=Pr+12とセットして
から、ステップ5−23で、Ps=0とおく。
このように、学習値Pstが正の場合は実ポジションPr
に補正を加えず、学習値Pstが負の場合は、実ポジショ
ンPrに補正を加えるのは次のとおりである。
まず、Pst≧Pstpの場合は、学習値Pst+十分に大きい
ので、何も補正しなくても、バックアップメモリ76aで
記憶されている実ポジションPrが十分大きく、これによ
り全閉位置に確実に達するに十分なパルス数を供給でき
るからであり、次にPst≦Pstnの場合は、バックアップ
メモリ76a内で記憶されている実ポジションPrが実際よ
りも小さいため、下限値|Pstn|よりも大きな補正値(例
えば12)を実ポジションPrに足して補正しなければ、前
閉位置へ戻すことができない場合があるからである。
その後、ステップ5−24で、Pr=Ps、即ちPr=0かど
うかを判断する。最初はPr=0でないから、ステップ5
−24でNOルートをとり、ステップ5−2へ戻る。そし
て、その後ステップ5−3,5−4,5−17,5−18,5−23,5−
24の処理を繰り返す。これによりステッピングモータ18
aひいてはロッド18dが全閉位置へ移動する。そして、Pr
=0となると、ステッピングモータ18aは確実に全閉位
置になる。
このように、バックアップメモリ76a内の実ポジショ
ン値Prが0となり、しかもステッピングモータ18aも実
ポジション0に対応する全閉位置にくるので、実際のモ
ータポジションとコンピュータ76内の実ポジションPrと
が一致する。すなわちモータポジションが初期化される
のである。
その後はステップ5−25で、イニシャライズ終了フラ
グをセットして、ステップ5−26で、Ps=60とおいて、
ステップ5−27で、Pr=PsすなわちPr=60かどうかが判
断される。最初はPr=0であるので、ステップ5−27で
は、NOルートをとり、ステップ5−2へ戻る。そしてそ
の後は、ステップ5−3,5−4,5−17,5−26,5−27の処理
を繰り返す。これによりステッピングモータ18aをひい
てはロッド18dが中間位置(全開位置はPr=120前後であ
る)へ移動する。
そして、Pr=60となると、この場合は実際のモータポ
ジションとコンピュータ76内の実ポジションPrとが一致
した状態で、ステッピングモータ18aが中間弁位置をと
らせる位置となる。
なお、このようにモータポジション初期化のあと、中
間位置にしておくのは次の理由による。すなわち次のエ
ンジン始動時において、冷態始動を行なうような場合、
一般にロッド18dを全開位置まで進めるが、このときロ
ッド18dを全開位置へ速やかに移行させるためである。
そしてこのように中間位置にセットしておくと、弁全開
方向のみならず弁閉方向への調整も速やかに行なえるも
のである。
このようにして、イグニッションスイッチ54のオンあ
るいはオフごとにモータポジションの初期化は行なわな
いで、学習値Pstが異常値を示したときだけモータポジ
ションの初期化を行なうので、不必要な初期化操作をな
くして、全体として初期化回数を減らすことができ、こ
れにより全閉ロック状態になってしまう確率を極めて小
さくすることができる。
なお、ステップ5−27でYESの場合は、学習値につい
てエンジン経年変化情報を累積してもっているという理
由からリセットなどしないで、処理を終了したが、ステ
ップ5−28を設けて、学習値Pstを0にリセットした
り、加重平均等を施して学習値Pstを所要の値(この値
は0とPstとの間の値が選ばれる)にしてもよい。
ところで、ステッピングモータ18aの駆動ルーチン
は、第6図に示すごとく、1/125秒毎のタイマ割込みに
よってトリガされるが、まずステップ6−1で、PrとPs
との比較がなされ、もしPr>Psであれば、ステップ6−
2で、ステッピングモータ18aへ負側1パルス(ステッ
ピングモータ18aを負側へ1ステップだけ進ませるため
のパルス)を出力し、ステップ6−3で、Pr=Pr−1と
して、リターンする。これにより目標ポジションPsへ1
パルス分だけ近付く。
また、ステップ6−1で、Pr≦Psの場合は、NOルート
をとって、ステップ6−4で、Pr<Psかどうか判断す
る。Pr<Psであれば、ステップ6−5で、ステッピング
モータ18aを正側1パルス(ステッピングモータ18aを正
側へ1ステップだけ進ませるためのパルス)を出力し、
ステップ6−6で、Pr=Pr+1として、リターンする。
これにより目標ポジションPsへ1パルス分だけ近付く。
このような操作をタイマ割込みごとに繰り返し行なっ
て、Pr=Psとなると、ステップ6−4でNOルートをと
り、リターンする。これによりステッピングモータ18a
ひいてはロッド18dが目標ポジションとなる。
第8〜10図は本発明の第2実施例としてのエンジン制
御用ステッピングモータのモータポジション初期化装置
を示すもので、第8図はその要部ブロック図、第9図は
そのアイドルスピード制御およびモータポジション初期
化処理等を示すフローチャート、第10図はそのステッピ
ングモータ駆動ルーチンを示すフローチャートであり、
第8〜10図中、第1〜7図と同じ符号はほぼ同様の部分
を示している。
この第2実施例も、前述の第1実施例と同様、V6エン
ジンシステム(第2図参照)へ適用したものであるが、
この第2実施例では、空調装置(エアコン)の作動時
(オン時)と不作動時(オフ時)とで異なった学習を行
なうようにしたもので、エアコンオフ時にはロングタイ
ム学習と呼ばれる学習が実施され、エアコンオン時には
リアルタイム学習と呼ばれる学習が実行される。
以下、この第2実施例においても、前述の第1実施例
と同様、このエンジン2について行なわれる種々の制御
のうち本発明と最も関連の深いアイドルスピード制御
(ISC)について説明する。
まず、この第2実施例におけるアイドルスピード制御
方式は、前述の第1実施例と同様、ステッピングモータ
18aをアクチュエータとし、バイパス通路16に設けられ
たアイドルスピードコントロールバルブ18の開度を調節
してアイドル回転数を制御するバイパスエア制御方式が
採用されている。
そして、上記アイドルスピード制御は第8図に示すブ
ロック図で実現される。この第8図において、符号106
はモータ18aの作動に連動して現在のモータポジション
情報を書き替えこれを仮想的に実ポジションPrとして記
憶する実ポジション記憶手段、108′はエンジン2の状
態変化によって変更されるリアルタイム学習値Prstおよ
びロングタイム学習値Plstをそれぞれ記憶する学習値記
憶手段、110はこの学習値記憶手段108′からの学習値Pr
st,Plst(これらのPrst,Plstを代表してPstということ
がある)を加味して目標とするタータポジション(目標
ポジション)Ps(=Po+ΔP+Pst)を設定する目標ポ
ジション設定手段、111はバッテリ電源66が外されると
外される前とは異なった値になってその値を保持するバ
ッテリ着脱検出値記憶手段、112は実ポジション記憶手
段106からの実ポジションPrと目標ポジション設定手段1
10からの目標モータポジションPsとに基づき制御信号を
出力する制御手段、114はドライバを示している。な
お、リアルタイム学習値Prstやロングタイム学習値Plst
の意味は後述する。
次に動作について説明する。すなわち、第9図
(a),(b)に示すごとく、イグニッションスイッチ
54が投入されると、即ちイグニッションスイッチ54がオ
ンになると、ステップ9−1で、コンピュータ76のメモ
リをイニシャライズする。このとき実ポジションPr,ロ
ングタイム学習値Plstおよびバッテリ着脱検出値Bonを
記憶するバックアップメモリ76aの内容(このバックア
ップメモリ76aは実ポジション記憶手段106,学習値記憶
手段108′およびバッテリ着脱検出値記憶手段111の機能
をもつ)の内容はイニシャライズされない。次に、ステ
ップ9−2で、エンジン負荷,エンジン回転数,水温
等、エンジンの運転状態を入力し、ステップ9−3で、
アイドルスピード制御以外の他の制御(燃料制御や点火
時間制御等)を行なう。なお、これらの制御は他のルー
チンを実行することにより行なわれる。
次に、ステップ9−4で、ステッピングモータ位置初
期化フラグ(このフラグはステッピングモータ18aのモ
ータポジションを初期化したいときに、セットされるフ
ラグである)がセットされているかどうかが判断され
る。最初はNOであるから、ステップ9−5で、バッテリ
電源が前回キースイッチを切ってから今回キースイッチ
を投入するまでの間に外された履歴があるかどうかが判
断される。この場合はバッテリ着脱検出値Bonがセット
値から外れているかどうかで判断する。
バッテリ電源66が外された履歴がないとすると、ステ
ップ9−6で、キースイッチオン(イグニッションスイ
ッチオン)かどうかが判断される。最初はキースイッチ
オンであるから、YESルートをとり、アイドルスピード
制御ISCが実行される。すなわち、まずステップ9−7
で、エンジン始動時かどうか判断される。エンジン始動
時の場合は、ステップ9−8で、Ps=Psta+Plstとおい
てから、ステップ9−9[第9図(b)参照]へジャン
プする。ここでPstaはエンジン始動時用の基本設定開
度、Plstはロングタイム学習値である。
そして、ステップ9−9では、Ps<Psminかどうかが
判断される。ここで、Psminは目標ポジションPsの下限
値で、例えば5程度の値が選ばれる。もし、Ps<Psmin
の場合は、目標ポジションPsが下限値よりも小さく設定
されてしまうため、これを回避すべく、ステップ9−10
で、Ps=Psminと設定してから、ステップ9−11の処理
を行なう。なお、Ps≧Psminの場合は、そのままステッ
プ9−11の処理へ移る。ステップ9−11では、Ps>Psma
xかどうかが判断される。ここで、Psmaxは目標ポジショ
ンPsの上限値で、例えば110〜120程度の値が選ばれる。
もしPs>Psmaxの場合は、目標ポジションPsが上限値よ
りも大きく設定されてしまうため、これを回避すべく、
ステップ9−12でPs=Psmaxと設定する。このようにし
て、目標ポジションPsは下限値と上限値との間に調整さ
れる。
このように目標ポジションPsが調整されたあと(ステ
ップ9−11でNOルートをとった場合やステップ9−12の
処理のあと)は、ステップ9−13でPr>Psかどうかが判
断される。実ポジションPrが目標ポジションPsよりも小
さいときは、ステップ9−14で、ステッピングモータ駆
動速度設定フラグKを2とする。ここでステッピングモ
ータ駆動速度設定フラグKは1〜4までの値をとること
ができるようになっており、K=1の場合はステッピン
グモータ18aを高速(例えば250pps)で駆動させ、K=
2の場合はステッピングモータ18aを中速(例えば125pp
s)で駆動させ、K=3の場合はステッピングモータ18a
を低速(例えば8pps)で駆動させ、K=4の場合はステ
ッピングモータ18aをテスト用速度で駆動させる。
したがって、実ポジションPrが目標ポジションPsより
も小さい場合は、ステッピングモータ18aを中速で駆動
させて、目標ポジションPsに近付ける。
また、Pr>Psの場合は、ステップ9−15でPr−Ps>Δ
1かどうかが判断され、NOならば、ステップ9−16でP
r−Ps>ΔP2かづかが判断される。そして、Pr−Ps>Δ
1を満足した場合や、Pr−Ps<ΔP2を満足した場合
は、ステップ9−14で、ステッピングモータ18aが中速
で駆動される。さらに、Pr−Ps≦ΔP1を満足し、Pr−P
s≧ΔP2を満足した場合は、ステップ9−17で、K=3
とする。これによりステッピングモータ18aが低速で駆
動される。ここで、ΔP1>ΔP2である。
これにより実ポジションPrが目標ポジションPsよりも
大きい場合は、その差Pr−PsがΔP1より大きい範囲で
ステッピングモータ18aが中速で駆動され、その差Pr−P
sがΔP1とΔP2との間でステッピングモータ18aが低速
で駆動され、その差Pr−PsがΔP2よりも小さい範囲で
ステッピングモータ18aが中速で駆動されるようにし
て、目標ポジションPsに近付ける。すなわちステッピン
グモータ18aは、実ポジションPrが目標ポジションPsに
近付くにつれ、最初は中速でその後低速になり、最後は
中速で駆動される。
このように、速度に変化をつけるのは、エンジン回転
数が急激に落ち込むのを防止するためである。
その後は、ステップ9−2[第9図(a)参照]へ戻
って、以降の処理を行なう。そして、エンジン始動後
は、ステップ9−7で、NOルートをとって、ステップ9
−18で、エアコンオンかどうかが判断される。エアコン
オフであれば、NOルートをとって、ステップ9−19で、
エアコンフラグ(このフラグは、エアコンがオンとなる
とセットされ、エアコンがオフとなるとリセットされる
フラグである)がセットかどうかが判断される。もしエ
アコンをオフした直後であれば、エアコンフラグはセッ
ト状態にあるから、ステップ9−20でエアコンフラグを
リセットし、ステップ9−21で補正ポジションの積算値
ΔPを0とし、学習値Pstをロングタイム学習値Plstを
使ってセットしたのち(ステップ9−22)、ステップ9
−23でロングタイム学習フラグ(このフラグはロングタ
イム学習を実行するときにセットされ、それ以外でリセ
ットされるフラグである)がセットされる。
なお、エアコンオフ直後でなければ、既にステップ9
−20でエアコンフラグはリセットされているから、ステ
ップ9−19で、NOルートをとって、ステップ9−23の処
理を実行する。
ロングタイム学習フラグセット後は、ステップ9−24
でエンジン冷却水温Twに応じた基本ポジションPo=Pnac
(Tw)を設定するとともに、ステップ9−25でエンジン
冷却水温Twに応じた目標回転数Ns=Nnac(Tw)を設定す
る。
一方、エアコンオンであれば、ステップ9−18でYES
ルートをとって、ステップ9−26で、エアコンフラグが
セットかどうかが判断される。もしエアコンをオンした
直後であれば、エアコンフラグはリセット状態にあるか
ら、ステップ9−27でエアコンフラグをセットし、ステ
ップ9−28で補正ポジションの積算値ΔPを0とし、学
習値Pstをリアルタイム学習値Prstを使ってセットした
のち(ステップ9−29)、ステップ9−30でロングタイ
ム学習フラグがリセットされる。
なお、エアコンオン直後でなければ、既にステップ9
−27でエアコンフラグはセットされているから、ステッ
プ9−26で、YESルートをとって、ステップ9−30の処
理を実行する。
ロングタイム学習フラグリセット後は、ステップ9−
31でエンジン冷却水温Twに応じた基本ポジションPo=Pa
c(Tw)を設定するとともに、ステップ9−32でエンジ
ン冷却水温Twに応じた目標回転数Ns=Nac(Tw)を設定
する。
このようにして、基本ポジションPoや目標回転数Nsを
設定したあとは、ステップ9−33[第9図(b)参照]
で、安定したアイドル運転状態かどうかが判断される。
ここで、アイドルスイッチ38がオンで、次の条件が全
て成立した場合に安定したアイドル運転状態であると判
定される。
(1)始動時に行なわれる制御モードを離脱した後、所
要時間経過していること。
(2)クーラスイッチオン/オフ変化後所要時間経過し
ていること。
(3)ダッシュポット制御(スロットル弁急閉時に所要
の開度のところから徐々にスロットル弁を閉じてゆく制
御)モードを離脱した後、所要時間経過していること。
(4)NレンジとDレンジとの間の切替後所要時間経過
していること。
(5)アイドルスイッチ38オン後所要時間経過している
こと。
(6)停車中であること。
(7)その他異常回転に対処する制御モード離脱後所要
時間経過していること。
そして、ステップ9−33でNOであれば、ステップ9−
34で、エンジン冷却水温Twが設定値Tsよりも大きいかど
うかが判断され、Tw≦Tsの場合は、ステップ9−35で、
補正ポジションの積算値ΔP=0として、ステップ9−
36で、Ps=Po+ΔP+Pstなる演算を行なう。ここで、P
stは上述のごとく学習値である。
一方、安定したアイドル運転状態であれば、ステップ
9−37で、テスト信号入力有かどうかが判断される。こ
こで、テスト信号が入力されるのは、車両が停車してお
り、シフトレバーがNレンジにあり、しかも点火時期ス
ピードアジャスティングスクリュー調整用信号が所定値
範囲にあるときであるが、ここでは、テスト信号入力は
今ないとすると、ステップ9−37ではNOルートをとっ
て、ステップ9−38で、回転数フィードバックタイマ
(このタイマは1秒程度のタイマである)が0かどうか
が判断される。これは回転数フィードバック制御モード
への切替は所要時間おいてから行なうほうがよいからで
ある。
そして、ステップ9−38で、YESなら、ステップ9−3
9で、目標回転数Nsと実回転数Nrとの偏差ΔNを演算
し、ステップ9−40で、このΔNに応じて補正ポジショ
ンΔPnを設定する。その後はステップ9−41で、補正ポ
ジションΔP=ΔP+ΔPnとおいてから、ステップ9−
42で、回転数フィードパックタイマをセットしてから、
ステップ9−43で、エンジン冷却水温TwがTs(例えばTs
=70℃)よりも高いかどうかが判断される。
なお、ステップ9−38で、NOでの場合は、ステップ9
−39,9−40,9−41,9−42をジャンプして、ステップ9−
43の処理を行なう。
そして、Tw≦Tsの場合(水温が低い場合)は、ステッ
プ9−44,9−45でそれぞれ第1学習タイマおよび第2学
習タイマ(これらのタイマは1秒程度のタイマである)
をセットしてから、ステップ9−36で、Ps=Po+ΔP+
Pstなる演算がなされ、Tw>Tsの場合は、ステップ9−4
6でPs=Psminかどうかが判断され、NOなら、ステップ9
−47で第1学習タイマをセットしてから、ステップ9−
48で、回転数フィードバック制御が安定しているか、ス
テップΔNが不感帯Nb(第7図参照)に入っているかど
うかが判断され、NOの場合は、ステップ9−45で、第2
学習タイマをセットしてから、ステップ9−36で、Ps=
Po+ΔP+Pstなる演算を行なう。
もし、Ps=Psminの場合は、ステップ9−46でYESルー
トをとり、ステップ9−49で、第1学習タイマが0かど
うかが判断され、この第1学習タイマが0でない場合
は、ステップ9−49でNOルートをとって、ステップ9−
48の処理を行なう。また|ΔN|<Nbの場合は、ステップ
9−50で、第2学習タイマが0かどうかが判断され、こ
の第2学習タイマが0でない場合は、ステップ9−36の
処理を行なう。そして、第1学習タイマまたは第2学習
タイマが0になると、学習値を更新すべく、次のステッ
プ9−51以降の処理を施す。すなわちステップ9−43〜
9−50の処理において、学習値を更新するかどうかの判
断を行なっているのである。換言すれば、エンジン実回
転数が目標回転数±不感帯内に1秒程度滞留し、且つエ
ンジン冷却水温TwがTs以上であるか、またはPsが下限値
にあり、回転数フィードバックが1秒程度つづいた場合
は、学習値が更新されるのである。そして、学習値のな
かには、リアルタイム学習による学習値Prstとロングタ
イム学習による学習値Plstとがあるから、それぞれの学
習値Prst,Plstの更新が次のステップ9−51以降におい
て行なわれる。まずステップ9−51で、ロングタイム学
習フラグがセットされているかどうかが判断される。も
しNOであるなら、すなわちエアコンがオンで、ステップ
9−30でロングタイム学習フラグがリセットされている
なら、リアルタイム学習値Prstの更新が行なわれる。ま
ずステップ9−52で、Prst=Prst±ΔPとおき、ステッ
プ9−53で、ΔP=0とおき、その後ステップ9−54で
Pst=Prstとおくことにより、リアルタイム学習が実行
される。
また、ステップ9−51で、ロングタイム学習フラグが
セットされていると、次のステップ9−55でリアルタイ
ム学習フラグ(このフラグはロングタイム学習モード時
に特別にリアルタイム学習モードにするときにセットさ
れるフラグである)がセットされているかどうかが判断
される。一般には、NOであるから、ステップ9−56で、
Plst=Plst+(ΔP/Ko)とおいてから、ステップ9−57
でPst=Plstとおくことにより、ロングタイム学習が実
行される。ここで、Koは定数である。
なお、もしステップ9−55で、リアルタイム学習フラ
グがセットされている場合は、ステップ9−58でリアル
タイム学習フラグをリセットしてから、ステップ9−59
でPlst=Plst+ΔPとおいたのち、ステップ9−60でΔ
P=0とおいて、ステップ9−57の処理(Pst=Plstと
おく処理)を実行する。これによりロングタイム学習値
を用いたリアルタイム学習が1回だけ実行される。
そして、ステップ9−54や9−57でPst=PrstまたはP
st=Plstとセットされたのちは、ステップ9−36で、Ps
=Po+Pst+ΔPなる演算が施される。これにより更新
された学習値が目標ポジションPsに反映される。
さらに、このステップ9−36の処理のあとは、ステッ
プ9−9〜ステップ9−17を経てステップ9−2以降の
処理を繰り返す。これにより実ポジションPrが目標ポジ
ションPsとなるように制御される。その結果適宜学習値
を更新しながらアイドルスピード制御が実行される。
その後、イグニッションスイッチ54を切ってオフにし
ても、遅延回路100の作用により、ORゲート102の出力が
所要時間だけハイレベルを維持しているので、スイッチ
ングトランジスタ104がオン、即ちリレー接点103bがオ
ンの状態を保持し、これによりイグニッションスイッチ
54のオフ後所要時間はコンピュータ76は作動をつづけ
る。ここで、遅延回路100で設定される遅延時間はモー
タポジション初期化に要するのに十分な時間である。な
お、モータポジション初期化は、第8図に示すように、
ステッピングモータ18aへ初期化信号を出力して上記ロ
ッド18dを初期化位置へ移動させるモータポジション初
期化手段116によって行なわれるが、このモータポジシ
ョン初期化手段116は、学習値記憶手段108′に記憶され
たロングタイム学習値Plstに基づいてステッピングモー
タ18aへ初期化信号出力時期を決定する初期化時期決定
手段をそなえて構成されている。
以下、モータポジション初期化処理について説明す
る。すなわち、上記のようにイグニッションスイッチ54
をオフにすると、初期化モードINITIALIZEが実行され
る。まずステップ9−6[第9図(a)参照]で、NOル
ートをとるから次にステップ9−61で、キーオフ後フラ
グがセットされたかどうかが判断される。最初はNOであ
るから、次にステップ9−62でキーオフ後フラグをセッ
トする。そして次のステップで、ロングタイム学習値Pl
stが異常値を示しているかどうかが判断される。
ここで、ロングタイム学習値Plstが異常値であると判
断されるのは、ロングタイム学習値Plstが通常の学習制
御によって更新される値に比べ十分に大きい正の値Pltm
ax(このPlstlmaxとしては例えば30前後の値が選ばれ
る)よりも大きい場合と、ロングタイム学習値Plstが所
要の負の値Plstmin(このPlstminとしては例えば−10以
上の適宜の負の値が選ばれる)よりも小さい場合であ
る。即ちPlstmin<Plst<Plstmaxの場合は、ロングタイ
ム学習値Plstが異常な値であるとはみないが、Plst≧Pl
stmaxまたはPlst≦Plstminの場合は、ロングタイム学習
値Plstが異常な値であるとみなすのである。
一般にエンジンは、同一スロットル開度(負荷一定)
で運転する場合でも、使用するにつれて、即ち経年変化
によってエンジン回転数は低下してくるものである。す
なわち一般にはロングタイム学習値Plstは負の値をとら
ない。したがって異常であるかどうかを判断するための
ロングタイム学習値Plstの上限値Plstmaxと下限値Plstm
inとはその絶対値が異なっている。即ち|Plstmax|>|Pl
stmin|となっている。
そして、ロングタイム学習値Plstが異常であるかどう
かを判断するために、まずステップ9−63で、Plst<Pl
stminかどうかが判断される。ステップ9−63で、NOの
場合、ステップ9−64で、Plst>Plstmaxかどうかが判
断される。もし、このステップ9−64でもNOの場合は、
ロングタイム学習値PlstはPlstminとPlstmaxとの間にあ
るので、異常でないと判断され、この場合は、もはや初
期化する必要はないので、初期化処理は行なわれずにメ
インルーチンの実行を終了する。
一方、ステップ9−63で、Plst<Plstminの場合はス
テップ9−65で、Pr=Pr+12とセットしてから、ステッ
プ9−66で、ステッピング位置初期化フラグをセットし
たのち、ステップ9−67でPs=0とおく。
また、Plst>Plstmaxの場合は、すぐにステップ9−6
6の処理をしたのち、ステップ9−67でPs=0とおく。
なお、ロングタイム学習値Plstが正の場合は実ポジシ
ョンPrに補正を加えず、ロングタイム学習値Plstが負の
場合は実ポジションPrに補正を加えるのは次のとおりで
ある。
まず、Plst≧Plstmaxの場合は、ロングタイム学習値P
lstが十分に大きいので、何も補正しなくても、バック
アップメモリ76aで記憶されている実ポジションPrが十
分大きく、これにより全閉位置に確実に達するのは十分
なパルス数を供給できるからであり、次にPlst≦Plstmi
の場合は、バックアップメモリ76a内で記憶されている
実ポジションPrが実際よりも小さいため、下限値|Plstm
in|よりも大きな補正値(例えば12)を実ポジションRr
に足して補正しなければ、全閉位置へ戻すことができな
い場合があるからである。
その後は、ステップ9−68で、K=1とおいて、ステ
ッピングモータ18aが高速駆動される状態にしてから、
ステップ9−2へ戻る。そして、その後ステップ9−2,
9−3を経て、ステップ9−4でYESルートをとる。そし
て、次のステップ9−69で、イニシャライズ終了フラグ
(このフラグはイニシャライズ処理が終了したときにセ
ットされるフラグである)がセットされているかどうか
を判断する。最初はNOであるから、ステップ9−70で、
Pr=Ps即ちPr=0(なぜならステップ9−67でPs=0と
おかれているからである)かどうかが判断される。最初
はNOであるから、ステップ9−71でK=1とおいて、ス
テップ9−2へ戻る。以降はPr=0となるまで、ステッ
プ9−2,9−3,9−4,9−69,9−70,9−71の処理を繰り返
す。これによりステッピングモータ18aひいてはロッド1
8dが全閉位置へ高速で移動する。そして、Pr=0となる
と、ステッピングモータ18aは確実に全閉位置になる。
このように、バックアップメモリ76a内の実ポジショ
ン値Prが0となり、しかもステッピングモータ18aも実
ポジション0に対応する全閉位置にくるので、実際のモ
ータポジションとコンピュータ76内の実ポジションPrと
が一致する。すなわちモータポジションが初期化される
のである。
その後はステップ9−72で、イニシャライズ終了フラ
グをセットして、ステップ9−73でPs=10とおいてか
ら、ステップ9−74でK=3とおいたのち、ステップ9
−2へ戻る。その後ステップ9−3,9−4を経て、ステ
ップ9−69でYESルートをとってステップ9−75でPr=P
sかどうか、即ちPr=10(なぜならステップ9−73でPs
=10とおかれているからである)かどうかが判断され
る。この最初はNOであるからステップ9−73,9−74,9−
2,9−3,9−4,9−69,9−75を経てステップ9−73へ戻る
処理をPr=10となるまで繰り返す。これによりステッピ
ングモータ18aひいてはロッド18dが開方向へ低速で10ス
テップ分だけ移動する。
そして、10ステップ分すすんでPr=10となると、ステ
ップ9−76で、Ps=60とおいて、ステップ9−77で、Pr
=PsすなわちPr=60(なぜならステップ9−76でPs=60
とおかれているからである)かどうかが判断される。最
初はPr=10であるので、ステップ9−77では、NOルート
をとり、ステップ9−78でK=2とおいてから、ステッ
プ9−2へ戻る。そしてその後は、ステップ9−3,9−
4,9−69,9−75,9−76,9−77の処理を繰り返す。これに
よりステッピングモータ18aひいてはロッド18dが中間開
位置(全開位置はPr=120前後である)へ向け中速で移
動する。
そして、Pr=60となると、ステップ9−77でYESルー
トをとって、ステップ9−78でステッピングモータ位置
初期化フラグがリセットされるが、この場合は実際のモ
ータポジションとコンピュータ76内の実ポジションPrと
が一致した状態で、ステッピングモータ18aが中間弁位
置をとらせる位置となる。
なお、このようにモータポジション初期化のあと、中
間位置にしておくのは、次のエンジン始動時において、
冷態始動を行なうような場合、一般にロッド18dを全開
位置まで進めるが、このときロッド18dを全開位置へ速
やかに移行させるためである。そしてこのように中間位
置にセットしておくと、弁全開方向のみならず弁閉方向
への調整も速やかに行なえるものである。
このようにして、イグニッションスイッチ54のオンあ
るいはオフごとにモータポジションの初期化は行なわな
いで、ロングタイム学習値Plstが異常値を示したときだ
けモータポジションの初期化を行なうので、不必要な初
期化操作をなくして、全体として初期化回数を減らすこ
とができ、これにより全閉ロック状態になってしまう確
率を極めて小さくすることができる。
なお、ステッピングモータ18aひいてはロッド18dの全
閉位置を経て中間位置へ至るまでの動きは次のとおりで
ある。まず高速で全閉位置まで駆動され、ついで10ステ
ップ分は低速で駆動され、最後に中速で中間位置まで駆
動されるのである。
また、ステップ9−77でYESの場合は、ロングタイム
学習値についてはエンジン経年変化情報を累積してもっ
ているという理由からリセットをしなかったが、ロング
タイム学習値Plstを0にリセットしたり、加重平均等を
施してロングタイム学習値Plstを所要の値(この値は0
と現在のPlstとの間の値が選ばれる)にしてもよい。
ところで、前回キースイッチを切ったのち、今回キー
スイッチを入れるまでの間に、バッテリ電源66が外され
たという履歴がある場合は、バッテリ着脱検出値Bonが
セット値と大きくくいちがうことから、この場合はステ
ップ9−5でYESルートをとって、ステップ9−80でバ
ッテリ着脱検出値Bonをセット値にセットし、ステップ
9−81でステッピングモータ位置初期化フラグをセット
し、ステップ9−82でリアルタイム学習フラグをセット
してから、ステップ9−83でPr=150とセットし、ステ
ップ9−84でPs=0とセットし、ステップ9−85でK=
1とおいてから、ステップ9−2の処理へ戻る。
その後はステップ9−2,9−3を経て、ステップ9−
4でYESルートをとり、更にステップ9−69でNOルート
をとって、ステップ9−70でPr=Ps即ちPr=0(なぜな
らステップ9−84でPs=0とおかれているからである)
かどうか判断される。最初はPr=150であるからNOルー
トをとり、ステップ9−71を経てステップ9−2へ戻
る。そして、更にステップ9−3,9−4,9−69,9−70,9−
71,9−2の処理を繰り返すことにより、Prを1ずつカウ
ントダウンしてゆく。そして、Pr=0となると、モータ
ポジションが初期化される。
このようにキースイッチオフからオンの間にバッテリ
電源96が外された履歴があると、モータポジションの初
期化を行なうのは、バックアップメモリ76aにストアさ
れていたデータがもとの値と変わってしまい、その後の
アイドルスピード制御の信頼性を欠くからであり、モー
タポジションの初期化を行なうことにより、その欠点を
解消しているのである。
また、バッテリ電源66が外された履歴がある場合に、
ステップ9−82でリアルタイム学習フラグをセットする
ことが行なわれるので、その後に学習値が1回だけリア
ルタイム学習で補正される[第9図(b)のステップ9
−59,9−60参照]。
なお、上記のようにバッテリ電源66の着脱履歴がある
場合には、ステップ9−80〜9−85のいずれかのステッ
プの前後において、Plst=0とする処理を行ってなって
もよい。これはバッテリ電源66が外れたことにより、ロ
ングタイム学習値Plstも異常な値が入っているおそれが
あるから、これを速やかに解消するためである。なお、
このPlst=0とする処理がない場合でも、Plstが異常な
値を示していると、ステップ9−63〜9−65で、その後
のキースイッチオフ時に自動的に初期化処理が実行され
るから問題はない。
そして、上記のようにして、初期化されたあとは、ス
テッピングモータ18aひいてはロッド18dを中間位置(Pr
=60)のところまで駆動しておく。その動作は、前述の
初期化処理での説明のとおりである。
なお、テスト信号入力が有った場合は、ステップ9−
37[第9図(b)参照]でYESルートをとり、ステップ
9−86で、テスト開度Pstestを設定し、Ps=Pstestとお
いてから、ステップ9−87でリアルタイム学習フラグを
セットしたのち、ステップ9−88でK=4とおいて、ス
テップ9−2へ戻る。
ここで、テスト開度Pstestはテストの種類(テストと
しては例えば2つのテスト用目標ポジション間を周期的
に往復動させるテストや全閉側へ駆動させるテスト等が
ある)によって適宜設定され、またK=4とおかれるこ
とにより設定されるテスト速度も上記テストの種類によ
って適宜設定される。
そして、このテスト処理時においても、ステップ9−
87でリアルタイム学習フラグをセットすることが行なわ
れるので、その後に学習値が1回だけリアルタイム学習
で補正される(ステップ9−59,9−60参照)。
このように、バッテリ電源66が外された履歴がある場
合やテスト処理後に、1回だけリアルタイム学習で学習
値を補正するのは、学習値を正しい値に初期化する趣旨
である。
なお、回転数フィードバックタイマ,第1学習タイ
マ,第2学習タイマはセットされると、そのとき例えば
1秒をセットし、その後所要時間間隔のタイマ割込み毎
に、所定値(例えば1)をカウンドダウンしてゆくよう
になっている。
ところで、ステッピングモータ18aの駆動ルーチン
は、第10図に示すごとく、1/250秒毎,1/125秒毎,1/8秒
毎等のタイマ割込みによってトリガされるが、まず1/25
0秒毎のタイマ割込みによって高速タイマ割込みルーチ
ンがスタートし、1/125秒毎のタイマ割込みによって中
速タイマ割込みルーチンがスタートし、1/8秒毎のタイ
マ割込みによって低速タイマ割込みルーチンがスタート
し、予め設定された種々の時間毎のタイマ割込みによっ
てテスト用割込みルーチンがスタートする。1/250秒毎
のタイマ割込みがあると、ステップ10−1でK=1かど
うかが判断され、K=1であるなら、ステッピングモー
タ18aを高速駆動すべくYESルートをとり、K=1でない
から、リターンする。また1/125秒毎のタイマ割込みが
あると、ステップ10−2でK=2かどうかが判断され、
K=2であるなら、ステッピングモータ18aを中速駆動
すべくYESルートをとり、K=2でないなら、リターン
する。
さらに、1/8秒毎のタイマ割込みがあると、ステップ1
0−3でK=3かどうかが判断され、K=3であるな
ら、ステッピングモータ18aを低速駆動すべくYESルート
をとり、K=3でないなら、リターンする。そして、テ
スト用として設定された時間毎のタイマ割込みがある
と、ステップ10−4でK=4かどうかが判断され、K=
4であるなら、ステッピングモータ18aをテスト用速度
で駆動すべくYESルートをとり、K=4でないなら、リ
ターンする。
ステップ10−1,10−2,10−3,10−4でYESルートをと
ると、次はステップ10−5で、PrとPsとの比較がなさ
れ、もしPr>Psであれば、ステップ10−6で、ステッピ
ングモータ18aへ負側1パルス(ステッピングモータ18a
を負側へ1ステップだけ進ませるためのパルス)を出力
し、ステップ10−7で、Pr=Pr−1として、リターンす
る。これにより目標ポジションPsへ1パルス分だけ近付
く。
ま、ステップ10−5で、Pr≦Psの場合は、NOルートを
とって、ステップ10−8で、Pr<Psかどうかを判断す
る。Pr<Psであれば、ステップ10−9で、ステッピング
モータ18aへ正側1パルス(ステッピングモータ18aを正
側へ1ステップだけ進ませるためのパルス)を出力し、
ステップ10−10で、Pr=Pr+1として、リターンする。
これにより目標ポジションPsへ1パルス分だけ近付く。
このような操作をタイマ割込みごとに繰り返し行なっ
て、Pr=Psとなると、ステップ10−8でNOルートをと
り、リターンする。これによりステッピングモータ18a
ひいてはロッド18dが目標ポジションとなる。
このとき、K=1のフラグが立っているときは、タイ
マ割込み1/250秒毎にステッピングモータ18aが駆動され
るため、ステッピングモータ18aは高速で目標ポジショ
ンに近付き、K=2のフラグが立っているときは、タイ
マ割込み1/125秒毎にステッピングモータ18aが駆動され
るため、ステッピングモータ18aは中速で目標ポジショ
ンに近付き、K=3のフラグが立っているときは、タイ
マ割込み1/8秒毎にステッピングモータ18aが駆動される
ため、ステッピングモータ18aは低速で目標ポジション
に近付き、K=4のフラグが立っているときは、テスト
用に設定された時間毎にステッピングモータ18aが駆動
されるため、ステッピングモータ18aはテスト用速度で
テスト用目標ポジションに近付くのである。
なお、モータポジションの初期化については、アイド
ルスピード制御用のステッピングモータ18aを例に説明
したが、その他EGR弁の駆動制御用や過給圧(又は排気
圧)バイパス制御用のステッピングモータにも同様にし
て適用することができる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明のエンジン制御用ステッ
ピングモータのモータポジション初期化装置によれば、
現在のモータポジションを仮想的に記憶するモータポジ
ション記憶手段と、エンジンの状態変化によって変更さ
れる学習値と記憶する学習値記憶手段と、同学習値記憶
手段からの学習値を加味して目標とするモータポジショ
ンを設定する目標ポジション設定手段と、上記のモータ
ポジション記憶手段からのモータポジションと目標ポジ
ション設定手段からの目標とするモータポジションとに
基づき制御信号を出力する制御手段と、同制御手段から
の制御信号を受けて作動するステッピングモータと、同
ステッピングモータによって駆動されるエンジン制御用
被駆動部材とをそなえるとともに、上記ステッピングモ
ータへ初期化信号を出力して上記被駆動部材を初期化位
置へ移動させるモータポジション初期化手段をそなえ、
同モータポジション初期化手段が、上記学習値記憶手段
に記憶された学習値が異常値に達したことを受けて上記
初期化信号の出力を指令する初期化時期決定手段をそな
えて構成されているので、従来のようにイグニッション
スイッチ(キースイッチ)のオンあるいはオフごとにモ
ータポジションの初期化はしないで、エンジン制御に使
用される学習値が異常値を示したときだけモータポジシ
ョンの初期化を行なうので、不必要な初期化操作をなく
すことができ、これにより全体として初期化回数を減ら
すことができるのであって、その結果全閉ロック状態に
なってしまう確率を極めて小さくできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1〜7図は本発明の第1実施例としてのエンジン制御
用ステッピングモータのモータポジション初期化装置を
そなえた自動車用エンジン制御システムを示すもので、
第1図はそのブロック図、第2図はその全体構成図、第
3図はそのブロック図、第4図はその点火系の一部を示
す模式図、第5図はそのアイドルスピード制御およびモ
ータポジション初期化処理を示すフローチャート、第6
図はそのステッピングモータ駆動ルーチンを示すフロー
チャート、第7図はそのアイドルスピード制御時の作用
を説明するためのグラフであり、第8〜10図は本発明の
第2実施例としてのエンジン制御用ステッピングモータ
のモータポジション初期化装置を示すもので、第8図は
その要部ブロック図、第9図はそのアイドルスピード制
御およびモータポジション初期化処理等を示すフローチ
ャート、第10図はそのステッピングモータ駆動ルーチン
を示すフローチャートである。 2……V型6気筒エンジン、4……吸気マニホルド、6
……電磁式燃料噴射弁(フュエルインジェクタ)、8…
…サージタンク、10……吸気通路、11……キャニスタ、
12……エアクリーナ、14……スロットルバルブ、16……
バイパス通路、18……アイドルスピードコントロールバ
ルブ(ISCバルブ)、18a……ステッピングモータ、18b
……弁体、18c……リターンスプリング、18d……ロッ
ド、20……ファストアイドルエアバルブ(FIAバル
ブ)、22……燃料ポンプ、24……燃圧レギュレータ、26
……制御通路、27……ポジティブクランクケースベンチ
レーションバルブ、28……サーモバルブ、30……燃料供
給路、32……エアフローセンサ、34……吸気温センサ、
36……スロットルポジションセンサ、38……アイドルス
イッチ、40……水温センサ、42……クランク角センサ、
44……上死点センサ(TDCセンサ)、46……O2センサ、4
8……インヒビタスイッチ、50……クーラスイッチ、52
……クランキングスイッチ、54……イグニッションスイ
ッチ、55……イグニッションキー着脱センサ、56……高
温スイッチ、58……パワステアリングスイッチ(パワス
テスイッチ)、60……車速リードスイッチ、62……診断
スイッチ、64……大気圧センサ、66……バッテリ電源、
68……ディストリビュータ、70……排気通路、72……点
火コイル、74……触媒コンバータ、76……コンピュータ
(ECU)、76a……バックアップメモリ、78……点火時期
制御部、80……燃料ポンプ制御部、82……クーラリレ
ー、84……自己診断表示部、89……クランキング手段を
構成するスタータ、92……ドア状態センサとしてのドア
センサ、94……ドア状態センサとしてのロック状態セン
サ、96……シートスイッチ、98……燃料タンク、100…
…遅延回路、102……ORゲート、103……リレースイッ
チ、103a……リレーコイル、103b……リレー接点、104
……スイッチングトランジスタ、105……抵抗、106……
実ポジション記憶手段(モータポジション記憶手段)、
108,108′……学習値記憶手段、110……目標ポジション
設定手段、111……バッテリ着脱検出値記憶手段、112…
…制御手段、114……ドライバ、116……モータポジショ
ン初期化手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現在のモータポジションを仮想的に記憶す
    るモータポジション記憶手段と、エンジンの状態変化に
    よって変更される学習値を記憶する学習値記憶手段と、
    同学習値記憶手段からの学習値を加味して目標とするモ
    ータポジションを設定する目標ポジション設定手段と、
    上記のモータポジション記憶手段からのモータポジショ
    ンと目標ポジション設定手段からの目標とするモータポ
    ジションとに基づき制御信号を出力する制御手段と、同
    制御手段からの制御信号を受けて作動するステッピング
    モータと、同ステッピングモータによって駆動されるエ
    ンジン制御用被駆動部材とをそなえるとともに、上記ス
    テッピングモータへ初期化信号を出力して上記被駆動部
    材を初期化位置へ移動させるモータポジション初期化手
    段をそなえ、同モータポジション初期化手段が、上記学
    習値記憶手段に記憶された学習値が異常値に達したこと
    を受けて上記初期化信号の出力を指令する初期化時期決
    定手段をそなえて構成されたことを特徴とする、エンジ
    ン制御用ステッピングモータのモータポジション初期化
    装置。
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