JP2502853Y2 - タレットパンチプレス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はタレットパンチプレスに係り、更に詳細に
は、タレットパンチプレスにて多数個取り加工をした製
品および端材を、多数のマグネットを備えたアンローデ
ィング装置により搬出するタレットパンチプレスに関す
る。

（従来の技術） 従来、タレットパンチプレスにて加工済の製品は、小
型製品と大型製品に対し、それぞれ専用のマグネットを
備えたアンローティング装置により搬出処理していた。
また、端材に対しても専用のクランプアンローダが設け
けられていた。そして、加工するワークを載置したテー
ブルは、磁性体（鉄板等）で作られているのが一般的で
あった。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上述した従来のタレットパンチプレスは、
製品の大、小あるいは端材によりアンローダを使い分け
る必要があり、それぞれ専用の機器を要するため、設備
費がアップし、スペース的にも問題があった。また、テ
ーブルは磁性体のため、ワークの大きさによりマグネッ
トの励磁の強さを制御することが難かしく、吸着ミスが
発生するという問題もあった。

この考案の目的は、上記問題点を改善するため、テー
ブルを非磁性体とし、１本のアンローディング装置によ
り大、小の製品および端材を吸着搬送し、設備費の低減
と吸着ミスをなくし作業性の向上を図ったタレットパン
チプレスを提供することにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この考案は、タレットに
ワーク最終切断金型とカセットシリンダを備え、ワーク
を載置したテーブルは非磁性体よりなるタレットパンチ
プレスであって、大、小の製品および端材に対応し吸着
搬出自在な複数個のマグネットを備えたアンローディン
グ装置を設けてタレットパンチプレスを構成した。

（作用） この考案のタレットパンチプレスを採用することによ
り、非磁性体よりなるテーブル上に載置したワークを、
タレットに設けたカセットシリンダにより固定し、ワー
ク最終切断金型にて分割して製品とする。その製品の
大、小あるいは端材に対応したアンローディング装置に
備えたマグネットにて吸着し搬出する。

而して、１台のアンローディング装置にて、大、小の
製品あるいは端材を搬出することができ、設備費を低減
させることができ、更に、テーブルを非磁性体にて製作
したので、ワークの吸着ミスが防止される。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

理解を容易にするため、先ずタレットパンチプレスラ
インの全体的構成について概略的に説明する。

第８図および第９図を参照するに、タレットパンチプ
レスライン１は、ワーク貯蔵装置３より外部ローディン
グ装置５を経てタレットパンチプレス７が配設されてい
る。このタレットパンチプレス７のタレット９には、複
数個の加工用金型と共に最終切断金型11とカセットシリ
ンダ13を備えている。（第９図参照）また、タレットパ
ンチプレス７の前後にはテーブル15A,15Bが設けられ、
後面テーブル15Bを構成するリアテーブル、センタテー
ブル、フリーベア等は、非磁性体（例えばステンレス
鋼、アルミ等）で製作されている。

更に、タレットパンチプレス７の排出側（第８図にお
おいて右側）には、アンローディング装置17が設けられ
ている。このアンローディング装置17には複数個のマグ
ネット19が設けられ、マグネット19にて吸着され搬出し
た製品を、サポートするサポートローラ装置21と製品を
積載するリフタテーブル23が配設されている。なお、符
号25は小サイズ用製品ボックスであり、符号27は端材用
ボックスである。

上記構成により、ワーク貯蔵装置３より搬出されたワ
ークは、外部ローディング装置５を経てタレットパンチ
プレス７へ供給され所定の加工が行なわれる。加工終了
後カセットシリンダ13によりテーブル15B上にワークを
固定し、最終切断金型11にてワークを切断する。切断さ
れた製品は先端に複数個のマグネット19を備えたアンロ
ーディング装置17にて、製品を吸着搬出する。

この際、大型の製品はリフタテーブル23まで搬送さ
れ、リフタテーブル23上に積載する。小型の製品は小サ
イズ用製品ボックス25内へ落下収納し、端材は端材用ボ
ックス27へ落下収納して処理する。

上記アンローディング装置17について、更に詳細に説
明する。

第１図乃至第５図を参照するに、アンローディング装
置17のレール29には、アンローダ本体31の台車33の前後
に設けた３方向にガイドするガイドローラを構成した案
内部材35により、台車33が支持され、前後（第１図にお
いて左右方向）に移動可能に設けられている。

台車33には、モータ37が垂設され、モータ37に係止し
たスプロケット39より、台車33の側板41に設けたスプロ
ット43Aの間にチェーン45が掛回してある。このスプロ
ケット43Aの同軸上に対向して、前記側板41の内側にス
プロケット43Bが設けられ、スプロケット43Bは、図示を
省略したがレール29に張られたチェーンベルトに噛合し
ている。なお、スプロケット43Bの左右にはガイドロー
ラ47が、前記チエーンベルトの案内として回転自在に設
けられている。なお、第４図に示すごとく、側板41の上
部にはブラケットを介して近接スイッチ48が取付けられ
ており、チェーンベルトの走行位置を検出している。

上記構成により、モータ47を駆動することにより、ス
プロケット39よりチェーン45を介してスプロケット43A,
43Bを回転させ、レール29上を案内部材35およびガイド
ーラ47に案内されて、台車33は前後に移動されることに
なる。なお、モータ37は位置制御される構成となってい
る。

前記台車33の両側に軸受49が垂設され、この軸受49
に、先端に複数個（本実施例では製品搬出用の大型のマ
グネット10個、端材搬出用の小型のマグネット３個とし
た）のマグネット19Aと19Bを垂設したアーム51に、締付
部材53にて固着したガイドロッド55が嵌装され、アーム
51は上下に移動可能となっている。このアーム51は、前
記台車33より垂設した流体圧作動のシリンダ57のピスト
ンロッド59に係止されている。（第４図参照）なお、ア
ーム51の先端が重力により垂下がるのを防止するため、
アーム51の先端部と前記ガイドロッド55の上部に係止し
た支持金具61との間に、タイロッド63を介してロッド65
が張設されている。

上記構成により、台車33に設けた流体圧作動のシリン
ダ57を図外の圧力供給源を駆動することにより、アーム
51は第１図の図中に二点鎖線で示すごとく、上下に移動
自在となる。

前記アーム51の先端（第１図において左側）には、多
数のマグネット19A,19Bを垂設した支持板67と一体的に
なった複数本の支持部材69が、締付部材71によりアーム
51に固定されている。なお、アーム51に対して支持部材
69は位置調節自在となっている。

前記支持板67には長穴73が複数箇所に設けられ、この
長穴73内にブッシュ75を介して支持棒77が挿入され、こ
の支持棒77の下端にマグネット19A,19Bが螺着してあ
る。そして、マグネット19A,19Bと前記ブッシュ75間
に、スプリング79が設けられ、常時マグネット19A,19B
を下方へ押し出すよう付勢されている。

更に、マグネット19A,19Bを垂設した支持板67の前後
（第２図において上下方向）にワークの有無を検出する
検知センサ81A,81B（例えば近接スイッチ，リミットス
イッチ等）が設けられている。

検知センサ81Aは、第３図に示すごとく、下端に当接
板83を一体的に設けた案内ロッド85と検出棒87が、支持
板67を貫通して上下動自在に設けられている。前記検出
棒87にはスプリング89が巻付けられ、常時当接板83を下
降限に位置するよう付勢してある。

検知センサ81Bは、第５図に示すごとく、検知センサ8
1Aと変っている部分は、当接板83と案内ロッド85が無
く、先端球面をした検出棒91のみであり、その他の構成
は検知センサ81Aと同一構造である。

上記構成により、検知センサ81Aは、大型、小型の製
品の有無を検出する時に使用され、当接板83の接触面積
を大きくしてあるのは、ワークに穴加工がされていても
検知できるようになっている。また、検知センサ81B
は、端材の有無を検出する時に使用するものである。

次に、上述したアンローディング装置17にて製品ある
いは端材を搬出する動作について、詳細に説明する。

第６図および第７図を併せて参照するに、例えば一例
として、第６図に示すごとく、アンローディング装置19
の走行ストロークは第６図（Ａ）と（Ｂ）の２種類に分
けられる。アンローディングＸ軸位置をL₁mmとした時
は、ワークＷのＸ軸方向寸法は、L₁≦ｘ＜L₂，アンロー
ディングＸ軸位置をL₂mmとした時は、ワークのＸ軸方向
寸法は、L₂≦ｘ≦L₃として、２種類の制御が行なわれ
る。

小型の製品を搬出する場合は、第７図（Ａ）に示すご
とく、タレット９に設けたカセットシリンダ13にてワー
クを抑えてから、最終切断金型11にて切断する。なお、
この際、ミクロジョイントおよびワイヤージョイントは
使用しない。

ついで、第７図（Ｂ）に示すごとく、アンローディン
グ装置17をタレットパンチプレス側の所定位置まで前進
させ、検知センサ81Aにて検出して、支持板67に垂設し
たマグネット19Aにてワークを吸着する。そしてワーク
をクランプ93で把持したキャレッジ（図示省略）によ
り、残りのワーク部分をマグネット19A,19Bより離し、
小型のワークを吸着したアンローダ本体31は移行して、
小サイズ用製品ボックス25へ搬出収納する。上記作動を
繰返して第７図（Ｂ）に示す小型の製品を〜の順で
搬出する。

大型の製品を搬出する場合は、タレットパンチプレス
７にて所定の加工が終了すると、アンローディング装置
17を駆動してアンローダ本体31をタレットパンチプレス
７側へ移行し、検知センサ81Aにて検出して支持板67に
垂設したマグネット19A,19BにてワワークＷを吸着す
る。そして、クランプ93の把持を解除しワークＷを抜
き、アンローディング装置17によりワークＷを搬出して
リフタテーブル23上で集積処理がなされる。

端材を処理する場合は、検知センサ81Bにて端材有り
を検出した時、端材専用のマグネット19Bにて吸着して
アンローディング装置17を移行して端材用ボックス27へ
搬出収納する。なお、この際、マグネット19Aも作用す
るがテーブル15Bは非磁性体で作られているので、テー
ブル15Bに吸着することはない。

上述したごとく、アンローディング装置17の台車33に
設けた支持板69に複数個のマグネット19A,19Bを設け、
大型，小型の製品あるいは端材を選別吸着し搬出するこ
とができ、従来に比べ著しく設備費を低減することがで
きる。また、ワークＷを載置したテーブル15Bは非磁性
体で製作してあるため、吸着ミスがなく、円滑な搬出作
業ができ、作業性の向上を図ることができる。

なお、この考案は前述した実施例に限定されることな
く、適宜の変更を行なうことにより、その他の態様で実
施し得るものである。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、こ
の考案によれば、非磁性体よりなるテーブル上に載置し
た加工済の製品あるいは端材を、複数個のマグネットを
備えたアンローディング装置により吸着し、大型、小型
の製品あるいは端材を搬出処理する。

而して、設備費の低減と吸着ミスをなくし、作業性の
向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図はこの考案の主要部を示し、第１図は
第８図におけるＩ矢視部の拡大正面図、第２図は第１図
における平面図、第３図は第１図におけるIII矢視部の
側面図、第４図は第１図におけるIV-IV線に沿った断面
図、第５図は第２図におけるV-V線に沿った断面図であ
る。第６図および第７図はこの考案に係る作用説明図で
ある。第８図および第９図はこの考案を実施する一実施
例のタレットパンチプレスラインを示し、第８図は正面
図、第９図は第８図における平面図である。 ７……タレットパンチプレス ９……タレット、11……最終切断金型 13……カセットシリンダ、15B……テーブル 17……アンローディング装置 19A,19B……マグネット

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】タレットにワーク最終切断金型とカセット
   シリンダを備え、ワークを載置したテーブルは非磁性体
   よりなるタレットパンチプレスであって、大、小の製品
   および端材に対応し吸着搬出自在な複数個のマグネット
   を備えたアンローディング装置を設けてなることを特徴
   とするタレットパンチプレス。