JP2501938B2 - トナ― - Google Patents

トナ―

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JP2501938B2
JP2501938B2 JP2165177A JP16517790A JP2501938B2 JP 2501938 B2 JP2501938 B2 JP 2501938B2 JP 2165177 A JP2165177 A JP 2165177A JP 16517790 A JP16517790 A JP 16517790A JP 2501938 B2 JP2501938 B2 JP 2501938B2
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【発明の詳細な説明】 [概要] 電子写真などの静電潜像を現像するために用いられる
トナーに関し、 耐ボイド特性と定着性に優れ、かつブロツキング現象
のないトナーを提供することを目的とし、 バインダを用いるトナーにおいて、前記バインダとし
て、200℃における表面張力が30dyne/cm以下、溶融粘度
が100ポアズ以上、貯蔵弾性率が100dyne/cm2以上で、か
つ125℃における溶融粘度が5000ポアズ以下、貯蔵弾性
率が40000dyne/cm2以下となる物性値を示すバインダを
用いるように構成した。
[産業上の利用分野] 本発明は、電子写真などの静電潜像を現像するために
用いられるトナーに関する。
電子写真法としては、米国特許第2297691号などに記
載された方式が周知である。これは一般には光導電性絶
縁体(フォトコンドラムなど)を利用し、コロナ放電な
どにより光導電性絶縁体上に一様な静電荷を与え、様々
な手段により光像を照射することにより静電潜像を形成
し、この潜像をトナーと呼ばれる微粉末を静電吸着させ
て現像可視化し、必要に応じて紙等の記録媒体にトナー
画像を転写した後、加圧、加熱、溶剤蒸気の吹きつけ、
光等の照射などの手段により記録媒体上にトナー画像を
定着させて印刷写真を得るものである。
[従来の技術] 電子写真法において、静電潜像を現像するトナーとし
ては、天然または合成高分子物質よりなるバインダ樹脂
の中にカーボンブラックなどの着色剤を分散させたもの
を5〜20μm程度に微粉砕した粒子が用いられている。
そして、トナー単体もしくは鉄粉、ガラスビーズなどの
担体物質(キャリア)と混合され静電潜像の現像に用い
られている。
現像方法には、一成分現像方法と二成分現像方法とが
あり、前者に使用するトナーは、通常、磁性粉を含有し
ており、このトナーは現像装置の壁面や現像ロールの部
材と摩擦されることにより摩擦帯電し、現像ロールに内
包されたマグネットの磁力により現像ロール上に保持さ
れ、現像ロールが回転することによりトナーが光導電性
絶縁体の潜像部分に運ばれ、帯電したトナーのみが電気
的吸引力により潜像に付着することにより現像が行われ
ている。
また、後者の二成分現像方法においては、トナーとキ
ャリアとからなる現像剤は現像装置内で混合攪拌される
ことにより摩擦帯電し、トナーがキャリアに担持された
状態で光導電性絶縁体の潜像部分に運ばれ、帯電したト
ナーのみが電気的吸引力により選択的に潜像に付着する
ことにより現像が行われている。
静電潜像を現像して可視化したトナーを定着する方法
には従来より熱ロール定着法が使用されているが、次の
ような特徴からキセノンランプからの発光エネルギーを
利用するフラッシュ定着が着目されている。
非接触定着であるため、現像時の画像の解像度を劣
化させない。
電源投入後の待ち時間が不要で、即時スタートが可
能である。
システムダウンにより定着器内に記録紙等の記録媒
体が詰まっても燃えるようなことはない。
糊付き紙、プレプリント紙、厚さの異なる紙など、
記録紙の材質や厚さに関係なく定着が可能である。
ここで、フラッシュ定着によってトナーが記録媒体に
固着する過程を説明すると、記録媒体に転写されたトナ
ーは粉末のまま付着して画像を形成しており、指で擦れ
ば崩れる状態にある。
次に、キセノンフラッシュランプを用いて閃光を照射
すると、トナーは閃光のエネルギを吸収し、このため温
度が上昇して軟化溶融し、記録に密着する。
そして閃光が終わった後は温度が下がり、固化して定
着画像を生じる。
ここでトナーの必要条件は比較的低い温度で軟化する
と共に溶融した状態でも画像が変形しないことである。
しかし、トナーに限らず固体が溶融すると粘度が下が
り、表面張力により融体が凝集して変形し、この場合は
トナー画像が変形する。
従来、トナーに用いられるバインダとしては溶融温度
が低く、また熱安定性が良好なことから一般にオリゴマ
ーと称する低重合体高分子が用いられている。
しかし、これらのオリゴマーは溶融粘度、貯蔵弾性率
が低いために定着画像が変形し易く、画像品位が低下す
るのが問題であり、また与える光エネルギーが強すぎる
と爆発定着が起こり易く、これにより画像ボイドと呼ば
れる白抜け現象が起こり、画像濃度の低下を来すという
問題がある。
第1図はボイドの発生状況を示すもので、記録紙2の
上に複数列に渡って配列しているトナー1(同図a)
に、強い閃光3(同図b)が照射されると、トナー1の
軟化温度が低いために容易に溶融するが以下の理由によ
り内部にボイド5が生ずることを示している(同図
c)。なお、第1図の4は定着画像である。
・トナー1の一部が分解温度に達して分解ガスが発生
し、突出することにより、ボイド5が形成される。
・トナー粒子間の隙間にある空気が熱膨脹することによ
り突出し、ボイド5が形成される。
このメカニズムにより形成されるボイド5が爆発定着に
よるボイド5である。
また、トナー1が閃光3から溶融するのに適当なエネ
ルギーを吸収した場合においても、トナー1の表面張力
に対して溶融粘度、貯蔵弾性率が低すぎる場合には、一
旦溶融したトナー1同士が固化する前に表面張力により
凝集するためにボイド5が発生する場合もある。なお、
このボイド現象は、定着時間が短い、即ち、印字速度が
速いプリンタや複写機など短時間に多量のエネルギーを
照射して定着を行う必要があるため生じ易くなり、プロ
セス速度700mm/s以上の高速機で特に顕著となる。
これらの問題を解決する手段として、単にバインダ樹
脂の分子量を大きくするとトナー1の溶融粘度、貯蔵弾
性率は高くなるもののトナー1の融点も高くなるため、
通常、トナー1の定着性が悪くなる。
即ち、フラッシュ定着では堆積したトナー1の上部よ
り瞬間的に光エネルギを与え、そのエネルギーによる熱
が下部のトナー1にまで伝達して、下部のトナー1が溶
融することにより定着がなされるため(特公昭55−1408
60号、参照)、トナー上部とトナー下部には温度差が生
じ、トナー下部は比較的低温である。このため、トナー
1の融点を高くすると、下部のトナー1はほとんど溶融
しなくなり極端に定着性が低下する。この現象は、現像
により堆積したトナー1の厚みが厚いほど顕著となり、
通常、定着後のトナー1の厚みが20μmを越えると良好
な定着性を保てなくなる。しかしながら、現像されるト
ナー1の厚みを常に一定にコントロールすることは困難
である。
また、さらに、フラッシュ定着用トナー1は熱ロール
定着用トナー1に使用するバインダ樹脂よりも軟化温度
の低い低重合体高分子を用いることが多く、このため高
温の環境に曝されるとトナー表面が軟化してトナー同士
が会合するブロッキング現象が生じることがある。
そして、ブロッキング現象が起こるとトナー1の流動
性が極端に低下し、現像器中にトナー1がスムーズに供
給されなくなるだけではなく、粒径などが変化するため
に帯電特性も変化し良好な現像か行えなくなる。
それ故にある程度現像されるトナー1の量が変動して
も良好な定着性を示し、且つボイド5やブロッキング現
象が発生しないトナー1を開発することも必要であっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 以上記したようにフラッシュ定着方式を用いた電子写
真用トナーにあっては、そのバインダとしては従来、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテルポリマに代表され
るエポキシ樹脂などが常用されてきたが、このような樹
脂をバインダ樹脂とした場合、良好な定着性を得るため
には軟化温度が低い、即ち、分子量の比較的低いオリゴ
マーを用いる必要があった。このようなオリゴマーは熱
分解による爆発定着が生じ易く、また表面張力が高く且
つ溶融粘度が低いために凝集によるボイドが生じ、画像
品質の低下を招くという問題点があり、また、高温環境
に曝されるとブロッキング現象を生じ易いという問題点
もあった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされた
ものであって、耐ボイド特性および定着性に優れ、か
つ、ブロッキング現象を生じないトナーを提供すること
を目的としている。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するために、本発明は、バインダを用
いるトナーにおいて、前記バインダとして、200℃にお
ける表面張力が30dyne/cm以下、溶融粘度が100ポアズ以
上、貯蔵弾性率が100dyne/cm2以上で、かつ125℃におけ
る溶融粘度が5000ポアズ以下、貯蔵弾性率が40000dyne/
cm2以下となる物性値を示すバインダを用いるものであ
る。
また、本発明は、前記バインダとして、200℃におけ
る溶融粘度が30ポアズ以上、貯蔵弾性率が50dyne/cm2
上で、かつ125℃における溶融粘度が3000ポアズ以下、
貯蔵弾性率が35000dyne/cm2以下であるバインダおよび2
00℃における溶融粘度が120ポアズ以上、貯蔵弾性率が1
20dyne/cm2以上で、かつ125℃における溶融粘度が10000
ポアズ以下、貯蔵弾性率が100000dyne/cm2以下であるバ
インダを必須成分として用いるものである。
また、本発明は、前記バインダとして、重合によりバ
インダの主鎖構造を形成する第一のプレポリマまたはモ
ノマに対して常温でゴム状弾性を示し、かつ第一のプレ
ポリマまたはモノマと反応し得る官能基を1.5当量以上
有する第二のプレポリマまたは重合することに第二のプ
リポリマと同一物となるモノマを導入した主鎖変性共重
合体を用いるものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
ここで、本発明に於ける表面張力や溶融粘度などの物
性値の測定温度を上記の如く定めたのは以下の理由に基
づくものによる。
まず、トナーのフラッシュ定着過程を時系列的に考え
ると、 フラッシュ光照射過程; (トナーにフラッシュ光が照射されると、トナーはその
閃光のエネルギーを吸収して発熱し、その表面は瞬時に
極めて高温となる。) 熱伝導・浸透過程; (表面の熱が下層のトナーに伝導し、トナー全体が軟化
溶融して記録媒体に浸透する。) 冷却・固着過程; (トナーの温度は下がり、固化して定着画像を生じ
る。) の3段階の過程が考えられるが、ボイド発生に関与する
表面張力などの物理的挙動はトナーが高温溶融している
トナー表面やトナーの中〜上部層の物性に基づくもので
ある。一方、定着性はトナーが比較的低温であるトナー
下層で、トナーが冷却固化するまでのトナーの溶融粘
度、記録媒体へのトナーの浸透性等の挙動に基づくもの
であるので、定着性やボイド発生に深く関与するトナー
の熱的、力学的、化学的挙動をバインダ軟化点等の単一
温度だけで議論できないことは自明である。また、本発
明の趣旨である表面張力や溶融粘度等も温度依存性を有
している物理量であり、その測定温度により大きく値が
異なるものであると同時に、その温度依存特性はバイン
ダ樹脂の材質等、トナー構成材料により大きく異なるも
のであるからである。
従来、フラッシュ定着用トナーのバインダ樹脂に関し
ては、特開昭57−79957、特開昭63−66563には、バイン
ダの融点を、また、特開昭58−215660では軟化点におけ
る溶融粘度を規定しているが、上述の如く、定着性につ
いては記録媒体に接した面のトナーの溶融粘弾性が重要
であり、一方、ボイドに関してはトナー上層の表面張力
と溶融粘弾性が重要であり、本発明者らの経験に基づく
と上記特許に記載されている物性値を満足するトナーを
使用したからといっても、必ずしも、優れたフラッシュ
定着画像が得られるとは限らない。
そこで、本発明を成すにあたり、まず、上述のフラッ
シュ定着の各過程でトナー上層部とトナー下層部の温度
を以下の実験に基づき推定した。
(1)トナー上部の溶融温度の推定 ボイド形成の要因となる表面張力によるトナーの凝集
は、フラッシュ光照射直後のトナーが比較的高温で溶融
粘度、貯蔵弾性率が低い時期に生じる。そこで、まずフ
ラッシュ光照射直後のトナー上部の温度をバインダ樹脂
を曝露する温度とその際に生成する熱分解フラグメント
の成分に基づき推定した。
まず、トナーにフラッシュ光を照射し溶融させた際に
発生するトナーの分解生成ガスを補集し、ガスクロマト
グラム−質量分析法(GC−MS法)により、その成分同定
を行った。次いで、同一組成のトナーを加熱炉を用い、
一定温度で溶融させ、その際に発生するトナーの分解生
成ガスを補集し、同様にして成分同定を行った。この両
者が分解生成ガスを比較し、加熱炉溶融でフラッシュ光
溶融と同一成分の分解生成ガスが発生する温度を求めた
所、表1の結果が得られた。この結果に基づき、フラッ
シュ定着時にトナー上部が達する温度は200℃以上であ
ると推定した。
(2)トナー下部の温度の推定 一方、定着性は記録媒体と接しているトナー下部の溶
融粘度、貯蔵弾性率が重要な因子となる。そこで、溶融
特性の異なる5種のフラッシュ定着トナーについて、各
トナー毎に最適定着エネルギーを与えた時に、トナー下
部の温度が達する温度を以下の方法で推定した。なお、
ここで、最適定着エネルギーとは、トナーが充分な定着
強度を示し、かつ、過剰エネルギーに基づく爆発定着等
が生じないエネルギーのことをいう。
具体的にはトナーとして融点(フローテスタ法)105
℃,115℃,125℃,138℃,150℃の5種のポリエステル系ト
ナーを用い、まず、フラッシュ発光用コンデンサの充電
電圧を制御することにより照射エネルギーを変更して定
着試験を行い、各トナーにおける最適定着エネルギーを
求めた。次いで、記録媒体上に融点既知の準物質の薄層
(1〜3μm)を形成し、さらにその上部にトナー層
(10μm程度)を形成し、フラッシュ光を照射してトナ
ーを溶融させ、その際に、トナー層〜記録媒体間に挟ま
れた純物質が溶融するか否かで最適定着エネルギーを与
えた際の各トナーのトナー下層の温度を推定した。なお
用いた純物質は、フェニル酢酸(融点76℃)、ベンゾル
(融点95℃)、アセトアニリド(融点114.5℃)、フェ
ニドン(融点121℃)、フェナセチン(融点135℃)、フ
ェナントロール(融点156℃)、ベンジアニリド(融点1
63℃)である。
その結果を表2に示す。
これより、最適定着エネルギーを付与した時のトナー
下層の温度は、120〜135℃と推定した。
以上の結果に基づき、ボイド発生の要因となる表面張
力、高温での溶融粘弾性等については200℃以上の温度
領域での物性値で議論すべきであり、定着性に関与する
溶融粘度等については物理的挙動は125℃程度の温度領
域で議論すべきであることが確認された。なお、本発明
に関しては高温溶融時の物性を議論する温度は200℃と
定めた。これは、本発明者らの経験に基づくと200℃の
物性値を指標としてトナーの定着挙動の良否を推定が可
能であること、およびさらに高温では樹脂の熱分解や熱
重合等が激しくなり、明確な物性値の議論が困難になる
ことによるものである。
なお、上記実験はフラッシュ定着方式を採用している
プリンタ(D−6700D;富士通製)を用い、発光用コンデ
ンサの充電電圧1450V〜2550Vの範囲で行った。
本発明者らの検討の結果、トナーに用いるバインダの
物性値を200℃にお於ける表面張力が30dyne/cm(ウィル
ヘルミ法)以下、溶融粘度が100ポアズ以上、貯蔵弾性
率が100dyne/cm2以上かつ125℃に於ける溶融粘度が500
ポアズ以下、貯蔵弾性率が40000dyne/cm2以下であるこ
とを特徴とすることにより優れたフラッシュ定着性と耐
ボイド特性を両立させ得ることが可能となるのである
が、高温溶融時の溶融粘弾性を高める手法として常用さ
れている手法、例えば バインダ樹脂の分子量を大きくする。
バインダ分子間に架橋構造を導入する。
等の手法を用いると、トナーの融点や低温溶融時の溶融
粘弾性も高くなるため、トナーの定着性が悪くなるた
め、従来、両特性を共に充分満足することは困難であっ
た。
本発明者らの検討の結果、バインダの溶融粘度、貯蔵
弾性率の温度特性を高温時に比較的高く(具体的に100
ポアズ以上/100dyne/cm2以上)し、低温時に低く(具体
的には5000ポアズ以下/40000dyne/cm2以下)に抑える手
法としては、高温溶融時に高溶融粘度、高貯蔵弾性率を
示すバインダと低温溶融時に低溶融粘度、低貯蔵弾性率
を示すバインダを適時ブレンドして用いると比較的容易
に上記条件を達成できることを見出した。
具体的には、低温溶融時に溶融粘度、貯蔵弾性率の低
いバインダとして200℃に於ける溶融粘度が30ポアズ以
上、貯蔵弾性率が50dyne/cm2以上でかつ125℃における
溶融粘度が3000ポアズ以下、貯蔵弾性率が35000dyne/cm
2以下であるバインダと高温溶融時に溶融粘度が高いバ
インダとして200℃に於ける溶融粘度が120ポアズ以上、
貯蔵弾性率が120dyne/cm2以上でかつ125℃における溶融
粘度が10000ポアズ以下、貯蔵弾性率が100000dyne/cm2
以下であるバインダをブレンドして用いることより、バ
インダ全体の溶融粘度、貯蔵弾性率を125℃において
は、5000ポアズ以下/40000dyne/cm2以下、かつ200℃に
おいては100ポアズ以上/100dyne/cm2以上に保つことが
可能となる。
なお、低温溶融時に低溶融粘度、低貯蔵弾性率を示す
バンイダの200℃での溶融粘度、貯蔵弾性率の下限をそ
れぞれ30ポアズ,50dyne/cm2と規定した理由は、本発明
者らの経験によるとこの温度でこれ以上低溶融粘度、低
貯蔵弾性率を有するバインダをブレンドすると高温溶融
時に高溶融粘度、高貯蔵弾性率を示すバインダをブレン
ドしたとしても、バインダ全体としての溶融粘度、貯蔵
弾性率が所望の値を下回ることが多く、極端な場合は両
バインダの溶融粘性の差が大きいために溶融時に両バイ
ンダが層分離を起こす等の不都合が生じるためである。
一方、高温溶融時に高溶融粘度、高溶融弾性率を示す
バインダの125℃における溶融粘度、貯蔵弾性率をそれ
ぞれ10000アズ,100000dyne/cm2以下に規定した理由は、
これ以上このバインダの溶融粘度、貯蔵弾性率が高い
と、低溶融粘度、低貯蔵弾性率のバインダとブレンドし
たといえども、記録媒体に対する浸透性が悪くなり定着
不良を起こすためである。
なお、上記ブレンドに用いるバインダにおいても、そ
の程度は異なるが、低温溶融時には低溶融粘度、低貯蔵
弾性率が、また、高温溶融時には高溶融粘度、高貯蔵弾
性率が求められている。本発明者らの経験によると低温
溶融時に低溶融粘度、低貯蔵弾性率を示し、かつ、高溶
融粘度、高貯蔵弾性率を示すバインダを得ることは困難
であり、前述のようにバインダの分子量の制御や架橋構
造の導入等の分子構造を一部変更のみでは、ブレンド用
バインダとしても本発明における温度−溶融粘度、貯蔵
弾性率特性を満たすものを得ることが難しい。
そこで、本発明者らは検討の結果、極端な軟化点の上
昇な低温溶融時の溶融粘弾性の上昇を防ぎながら、高温
溶融時に高溶融粘度、高溶融弾性率を示すバインダを得
る手法として、主鎖中にゴム状弾性を示す成分を導入す
ることにより主鎖変性を施した主鎖変性共重合体をバイ
ンダとして用いることが適切であることを見出した。
バインダ樹脂の溶融時の溶融粘弾性を上昇させる手法
としては、本発明の方法以外にも前述のように、 バインダ樹脂の重合度を上げる、 バインダ樹脂の主鎖構造にC4以上の比較的長鎖の側
鎖を多数導入する、 バインダ樹脂の主鎖構造間に架橋を導入する、 などの方法が考えられるが、およびの方法では一般
に溶融粘度、貯蔵弾性率の上昇に伴って、軟化点、低温
溶融時の溶融粘度、貯蔵弾性率も上昇するため、ボイド
発生は防止できるものの定着性が損なわれることが多
い。また、の方法では、さほど軟化点や低温溶融時の
溶融粘度、貯蔵弾性率を上昇させずに高温溶融時の溶融
粘度を上昇させ得ることが可能となるが、その度合はま
だ不十分であり、さらにこの場合は、バインダのガラス
転移点が低下し、高温環境下での耐ブロッキング性が極
端に損なわれることが多い。
本発明に示す主鎖中にゴム状弾性を示す成分を導入す
ることにより主鎖変性を施した主鎖変性共重合体を用い
る方法では、エポキシ、ポリエステルに代表されるよう
な比較的結晶性の良いポリマーの主鎖構造中に、極めて
結晶性の低いゴム弾性成分を導入することにより主鎖構
造の結晶性を低下させ、その結果として、フラッシュ定
着バインダに常用されるエポキシバインダなどより長鎖
な主鎖構造をもちながら、軟化点、低温溶融時の溶融粘
度、貯蔵弾性率をフラッシュ定着バインダに常用される
エポキシバインダとほぼと同様に保つバインダを得るこ
とという手法である。
また、このようなバインタはフラッシュ定着バインダ
に常用されるエポキシバインダなどより長鎖な主鎖構造
をもち、さらにその主鎖構造中に可とう性の高いゴム弾
性を示す領域を持つことから、主鎖構造同士の絡みあい
が強いため比較的高い溶融温度化においても高い溶融粘
度を維持することができるものである。
本発明に用いる主鎖構造を形成するプレポリマーとし
ては、ゴム弾性成分との反応性を有しておれば、エポキ
シ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ビニル系樹脂など、トナー用バインダ樹脂として常用さ
れている樹脂ならどのようなものでも用いることができ
るがゴム弾性成分を導入することにより、バインダ樹脂
の硬度がやや低くなり、トナー混練後の微粉砕が難しく
なる傾向があるので、主鎖構造を形成するプレポリマー
としては比較的結晶性が良く、硬度の高い樹脂を用いる
ほうが望ましい。
なお、本発明者らの経験に基づくと主鎖をビスフェノ
ール型エポキシで構成する場合は、主鎖変性後の共重合
体のエポキシ当量が750〜1000であることが望ましく、
また、主鎖をポリエステルで構成する場合は、主鎖変性
後の分子の重量平均分子量が3000〜50000の範囲である
ことが望ましい。この理由は、上記範囲より分子量の小
さな主鎖変性共重合体を用いると所望の温度−溶融粘
度、溶融弾性率の関係を得難く、また、上記範囲より分
子量の大きな主鎖変性共重合体を用いるとバインダが軟
化し難くなるため、定着性が損なわれる場合が多いから
である。
また、本発明に用いるゴム状弾性を示す成分として
は、ポリブタジエンもしくは、構成単位にブタジエンを
含む共重合体など、例えば、1,4トランス−ポリブタジ
エン、1,4シス−ポブタジエン、1,2−ポリブタジエン、
ブタジエン−アクリルニトリル共重合体、ブタジエン−
スチレン共重合体、ブタジエン−メタクリル酸メチル共
重合体、ブタジエン−メチルビニルケトン共重合体など
を用いることができる。
なお、これらのゴム状弾性を示す成分はその末端にエ
ポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基など主鎖
構造を形成する分子との反応性を付与するための官能基
を所有していることが望ましい。
本発明に用いるゴム状弾性を示す成分の分子量および
主鎖に対する変性量は任意であるが、分子量は1000〜50
00、変性量は主鎖構成成分の重量に対して5〜30wt%で
あることがより望ましい。
変性に用いるゴム状成分の分子量が1000〜5000程度で
あることがより望ましいとする理由としては、主鎖に対
してゴム弾性を示す成分がある程度ブロック状に導入さ
れる方が主鎖変性後に結晶性を阻害する効果が大きいこ
と、および変性剤としてゴム状成分が数分子重合した分
子量1000〜5000程度のオリゴマーを用いるとこのような
ブロック共重合を行った主鎖変性共重合体が比較的容易
に得られることによる。
また、変性量が主鎖構成成分の重量に対して5〜30wt
%であることがより望ましいとする理由は、変性量が5w
t%以下であると本発明で述べた、溶融時の溶融粘度上
昇の効果が現れ難い場合が多く、また30wt%以上である
とゴム状成分導入による弊害、例えば変性後の共重合体
の硬度が低下し、これをトナーバインダとして用いた際
に、トナー混練後の微粉砕が難しくなるなどの弊害が生
じやすくなるためである。
なお、主鎖変性共重合体の製造方法は任意であるが、
例えば、主鎖構造を形成するプレポリマーがビスフェノ
ール系エポキシ樹脂の場合は、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂オリゴマー、ビスフェノール化合物、ブタジエン
及び/又はイソプレンを主モノマーとして、且つエポキ
シ基と反応し得る活性水素基を1.5当量以上含むオリゴ
マーを必須構成成分として反応せしめることにより、主
鎖変性共重合体を得ることができる。
同様にして、主鎖構造を形成するプレボリマーがポリ
エステルの場合は、ポリエステルオリゴマーおよびブタ
ジエン及び/又はイソプレンを主モノマーとして、且つ
カルボキシル基及び/又は水酸基と反応し得る活性水素
基を1.5当量以上含むオリゴマーを必須構成成分として
反応せしめることにより、主鎖変性共重合体を得ること
ができる。
更に、主鎖構造を形成するプレポリマーがヒドロキシ
化スチレン−アクリル若しくはカルボキシ化スチレン−
アクリルの場合、スチレン−アクリルオリゴマーとブタ
ジエン及び/又はイソプレンを主モノマーとして、且
つ、ヒドロキシ基またはカルボキシ基と反応し得る活性
水素基を1.5当量以上含むオリゴマーを必須構成成分と
してエステル化反応せしめることにより、主鎖変性共重
合体を得ることができる。
なお、ゴム状成分導入による弊害を低減する方法とし
ては、主鎖骨格間に部分架橋構造を導入して、その効果
により高温溶融時の溶融粘度、溶融弾性率を高める手法
を補助的に用いることも有効である。
その具体的手法としては、主鎖骨格がエポキシで有る
場合は、1分子内に3当量以上のエポキシ基と反応し得
る活性水素を有する化合物、例えば、N−アミノエチル
ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、メタキシレンジアミン、ジアミノフェニルメタ
ン等により主鎖骨格のエポキシ環間を架橋させる方法、
主鎖骨格がポリエステル鎖である場合はその構成モノマ
ーとして、1分子内に3当量以上のカルボキシ基または
水酸基を有する化合物、例えば、トリメリット酸、グリ
セリン、ペンタグリセロール、ペンタエリスリトール、
4,6−ジオキシ−2メチルベンゾフェノン等を適正量含
有させる方法、主鎖骨格がスチレン−アクリルで有る場
合はその構成モノマとして、1分子内に不飽和結合を2
当量以上含有するモノマ、例えばジビニルベンゼン等を
適正量含有させる方法がある。
なお、これらの架橋剤として含窒素化合物を用いる
と、含窒素化合物の構造、化合物中の窒素原子数を選択
することにより、バインダの帯電付与能を精度よく制御
できる副次的利点を得ることができる。
また、本発明における主査中にゴム状弾性を示す成分
を導入することにより主鎖変性を施した主鎖変性共重合
体は、単独でもバインダとして用いることが可能である
が、他のバインダ樹脂、すなわち、エポキシ樹脂、スチ
レン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂
などとブレンドして用いることがより望ましい。
バインダブレンドが望ましい理由の第一は、上述のよ
うにバインダをブレンドすることにより比較的容易にバ
インダの温度−溶融粘度、貯蔵弾性率の関係を制御でき
ることである。
その第二の理由は、上述のようにゴム状弾性物により
主鎖変性を施すことにより共重合体の強度のある程度の
低下は避けられず、この主鎖変性共重合体を単独で用い
た場合、トナー粉砕効率の低下が避け得ないからであ
る。この観点から、この主鎖変性共重合体にブレンドさ
れるバインダとしては、ある硬くて脆い性質を有してい
る樹脂、例えば、エポキシ樹脂や短鎖直鎖状ジオールと
芳香族ジカルボン酸との縮重合により形成される非架橋
ポリエステルなどがより望ましい。
また、その第三の理由は、ゴム状弾性を示す成分を導
入することにより主鎖変性を施した主鎖変性共重合体
は、側鎖にゴム状弾性を示す成分を有している場合と比
較するとそのガラス転移温度の低下の度合いは少ない
が、やはりゴム状弾性を示す成分を有している影響で若
干、ガラス転移温度が低下しており、この主鎖変性共重
合体を単独でバインダとして用いると、高温環境下でト
ナーがブロッキングする恐れが生じるためである。この
観点よりブレンドされるバインダとしては、上述の温度
−溶融粘度、貯蔵弾性率の関係を満足しつつ、かつ、ガ
ラス転移温度が高いものであることが望ましい。本発明
者らの検討の結果、この主鎖変性共重合体にブレンドす
るバインダのガラス転移温度は望ましくは70℃以上であ
ることが望ましく、かつ、その量はバインダ全体の50wt
%以上であることが望ましい。
また、その第四の理由としては、骨格構造の異なるバ
インダをブレンドすることにより、おのおののバインダ
単独で用いる場合に比べその表面張力が小さくなること
があるためである。これは、通常、トナー用バインダは
ある程度の極性基を有するオリゴマーやポリマーが使わ
れる場合が多く、水素結合等で極性基が配向することに
より分子間引力を生じて表面張力が高くなるものである
が、この場合でも骨格構造の異なるバインダをブレンド
することにより、その極性基の配向が妨害されて分子間
力が低減するため表面張力が少なくなることによる。
なお、本発明者らの経験によるとこの際、ブレンドに
用いるバインダは溶融温度125℃以下、重量平均分子量2
0000以下、重量平均分子量/数平均分子量の値が4.0以
下である分子量分布の幅の狭いバインダを用いると、ト
ナーがフラッシュ光の照射を受けた際に素早く溶解する
ため、高速フラッシュ定着を行う装置にはより適してい
る。
このような、物性を示すバインダは、非架橋ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、非架橋非晶質型ポリエステル樹
脂の中に見出すことができる。
また、定着工程での溶融時のバインダ間の層分離を防
止する等の理由により、バインダブレンドに際しては、
ブレンドされるバインダ同士がトナー製造時の混練工程
で一部反応し部分架橋体を作る方が望ましい。
なお、本発明で用いるトナーは従来公知の方法で製造
できる。すなわち、バインダ樹脂、着色剤、無機フィラ
ーおよび要すれば帯電制御剤などを例えば加圧ニーダ、
ロールミル、エクストルーダなどにより混練溶融、均一
分散し、粉砕機、例えばジェットミルなどにより微粉末
化し、分級機、例えば風力分級機などにより分級して所
望のトナーを得ることができる。
なお、本発明における諸物性は以下の測定法を用いて
計測したものである。
(1)表面張力 表面張力は、温度制御範囲±0.5℃の恒温サンプルホ
ルダを付加したウエルヘルミ法表面張力測定機「デジオ
マチックESB−V」(協和科学(株))を用いて、測定
温度200℃で計測した値である。
(2)溶融粘度/貯蔵弾性率 溶融粘度と溶融弾性率はコーン・プレート型動的粘弾
性測定装置「MR−3ソリキッドメータ」((株)レオロ
ジ社)を用い、窒素雰囲気中で昇温速度10℃/minで50℃
から250℃まで昇温測定して得た値である。なお、この
際の周波数は0.5Hzとした。
(3)融点 融点はフローテスタ「島津フローテスタCFT−500」
((株)島津製作所)を用いて昇温フローテストを行
い、4mmプランジャー降下したときの値である。なお、
昇温フローテストの条件は、以下の通りである。
・ダイ 1mm×1mmφ ・サンプル 1.5g ペレット ・予熱温度 60℃ ・予熱時間 300sec ・昇温速度 6℃/min ・荷重 20kgf (4)ガラス転移温度 ガラス転移温度は示差走査熱量計「DSC−20」
((株)セイコー電子)を用いて昇温速度5℃/minの昇
温吸熱曲線より求めた。
[実施例] 以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
まず、トナー用バインダとして以下の22種のバインダ
を試作した。
[バインダ1] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノ
ールA、末端カルボキシ変性ブタジエンを必須構成成分
とし、エポキシ樹脂の主鎖構造中にポリブタジエンを15
wt%導入したブダジエン変性エポキシ樹脂 [バインダ2] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノ
ールA、末端カルボキシ変性ブタジエン−アクリルニト
リルを必須構成成分とし、エポキシ樹脂の主鎖構造中に
ブタジエンアクリロニトリル共重合体を17wt%導入した
ブダジエン−アクリロニトリル変性エポキシ樹脂 [バインダ3] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノ
ールA、末端カルボキシ変性イソプレンを必須構成成分
とし、エポキシ樹脂の主鎖構造中にイソプレンを22wt%
導入したイソプレン変性エポキシ [バインダ4] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノ
ールA、末端カルボキシ変性ブダジエン−アクリロニト
リル、ノボラックを必須構成成分とし、エポキシ樹脂の
主鎖構造中にブタジエンアクリロニトリル共重合体を13
wt%導入した部分架橋型ブタジエン−アクリロニトリル
変性エポキシ [バインダ5] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノ
ールA、末端アミノ変性ブタジエン−アクリロニトリル
を必須構成成分とし、エポキシ樹脂の主鎖構造中にブタ
ジエンアクリロニトリル共重合体を10wt%導入した部分
架橋型ブタジエン−アクリロニトリル変性エポキシ [バインダ6] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノ
ールA、末端カルボキシ変性ブタジエン−アクリルニト
リル、メタキシレンジアミンを必須構成成分とし、エポ
キシ樹脂の主鎖構造中にブタジエンアクリロニトリル共
重合体を13wt%導入した部分架橋型ブタジエン−アクリ
ロニトリル変性エポキシ [バインダ7] ポリエチレンテレフタレートオリゴマー、末端カルボ
キシ変性イソプレンを必須構成成分とし、ポリエチレン
テレフタレートの主鎖構造中にイソプレン10wt%導入し
たイソプレン変性エポキシ [バインダ8] エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、ポ
リオキシエチレン化ビスフェノールA、テレフタル酸、
イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸を必須構成成分
とするポリエステルオリゴマーおよび末端カルボキシ変
性ブタジエン−アクリルニトリルを必須構成成分とし、
上記ポリエステルの主鎖構造中にブタジエンアクリロニ
トリル共重合体を10wt%導入した部分架橋型ブダジエン
−アクリロニトリル変性ポリエステル [バインダ9] スチレン、ジビニルベンゼン、nブチルアクリレー
ト、ヒドロキシメチルアクリレートを必須構成成分とす
る末端ヒドロキシル化架橋型スチレンアクリルオリゴマ
ーおよび末端カルボキシ変性イソプレンを必須構成成分
とする部分架橋型ブタジエン−アクリロニトリル変性ス
チレン−アクリル [バインダ10] スチレン、ジビニルベンゼン、nブチルアクリレート
を必須構成成分とする架橋型スチレン−アクリル [バインダ11] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、長鎖脂肪族
カルボン酸を必須構成成分とし、長鎖脂肪族カルボン酸
をグラフト化させた脂肪族カルボン酸変性エポキシ [バインダ12] ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ポリカプロ
ラクトンを必須構成成分とし、ポリカプロラクトンをグ
ラフト化させたラクトン変性エポキシ [バインダ13,14] ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシ
ブロピレン化ビスフェノールA、テレフタル酸、トリメ
リット酸を必須構成成分とするポリエステル 主鎖変性共重合体にブレンドする樹脂とし8種の樹脂
を試作した。
[バインダ15,16,17] ビスフェノールA型エポキシ樹脂 [バインダ18] ビスフェノールA型エポキシをアミノクレゾールを用
いて部分架橋させた架橋型エポキシ樹脂 [バインダ19] スチレン、2−エチルヘキシルアクリレートを必須構
成成分とするスチレン−アクリル樹脂 [バインダ20] エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸を
必須構成成分とするポリエステル [バインダ21] エチレングリコール、ポリオキシエチレン化ビスフェ
ノールA、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット
酸を必須構成成分とするポリエステル [バインダ22] ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシ
ブロピレン化ビスフェノールA、テレフタル酸、イソフ
タル酸、トリメリット酸を必須構成成分とするポリエス
テル なお、上記樹脂の物性値を表3に記す。また、上記樹
脂および上記樹脂の混合物をバインダとしてトナーを試
作した。単独バインダを用いたトナーの評価結果を表4
に示す。また、その混合比、物性、評価結果を表5に記
す。なお、いずれのトナーの試作も以下の方法により行
った。
まず、バインダに対して着色剤としてカーボンブラッ
ク(ブラックパールズL;キャボット社製)5重量部、ニ
グロシン染料(ボントロンN−04;オリエント化学製)
3重量部を加え、加圧ニーダにより130℃、30分溶融混
練し、トナー塊を得た。そして、冷却したトナー塊をロ
ートプレックス粉砕機により約〜2mmの粗トナーとし
た。
次いで、粗トナーを粉砕分級機(IDS−3型粉砕分級
機;日本ニューマチック工業製)を用いて粉砕、分級
し、粒径5〜20μmのトナーAを得た。
また、定着性、ボイド発生状況等の評価は以下のよう
にして行った。
まず、キャリアとして樹脂コーティングを施したマグ
ネタイト粉(平均粒径110μm;関東電化製)95重量部を
用い、これにトナー5重量部を加えて現像剤を調整し、
フラッシュ定着法を採用しているFACOM−6715Dレーザプ
リンタを用いて行った。この際の記録紙上のトナーの厚
みは10〜15μmに設定した。定着器の設定条件は、容量
160μFのコンデンサを用い、充電電圧を2150Vとし、こ
れをフラッシュランプに印加してフラッシュランプを発
光させ、前記用紙上のトナーを定着させた。
また、定着性の評価は粘着テープ(スコッチメンディ
ングテープ、住友3M社製)を軽く貼り、直径100mm、厚
さ20mmの鉄製円柱ブロックを円周方向に一定速度で該テ
ープ上を記録紙に密着させ、しかる後、テープを引き剥
がし、テープ剥離前画像の光学濃度に対する剥離後の光
学濃度の比を百分率で表し定着性の評価とした。
なお、光学濃度の測定はマクベス社製PCMメータによ
り行った。評価表では、テープ剥離後の光学濃度の比が
95%以上のものを◎、95〜90%のものを○、90〜75%の
ものを△、75〜30%のものを×、それ以下のものを××
で表記した。
また、ボイド発生状況は目視で評価した。
さらに、ブロキッング性に関しては、トナーを55℃、
30%RH環境下に3時間放置した後、ブロッキング状態を
目視で評価した。粉砕性に関しては、各バインダを用い
たトナーのジェット粉砕機での処理量を、フラッシュ定
着トナーのバインダとして常用されているビスフェノー
ルAジグリシジルエーテルポリマをバインダとして使用
したトナーをジェット粉砕機を用いて粉砕した場合の単
位時間当たりの処理量を基準として評価した。
評価結果は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
ポリマと同量以上の処理が可能なものを◎、90%以上の
処理料のものを○、80〜90%のものを△、50〜80%のも
のを×、それ以下の処理量のものを××で表記した。
表3,4が示すように、200℃に於ける溶融粘度と貯蔵弾
性率がそれぞれ100ポアズ、100dyne/cm2以上のバインダ
を用いたトナーはボイド防止能力に優れ、一方、125℃
における溶融粘度と貯蔵弾性率が5000ポアズ、40000dyn
e/cm2以下のバインダを用いたトナーは定着性に優れて
おり、定着性、ボイド防止能力に優れるNo.2,No.1,No.8
は低温溶融粘弾性、高温溶融粘弾性とも本発明の範囲を
満たしている。
さらに、上記バインダの内、ボイド防止能力に優れる
No.2,No.3,No.6,No.9のバインダと定着性、ブロッキン
グ特性に優れるNo.16,No.18,No.20,No.21のそれぞれを
ブレンドしてバインダとし、トナー化してその特性を評
価した(表5、参照)。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明によれば、耐ボイド
特性および定着性に優れ、かつ、耐ブロッキング特性に
優れたトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はボイド発生の説明図である。 図中、 1……トナー、2……記録紙、3……閃光、4……定着
画像、5……ボイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−129867(JP,A) 特開 昭63−193155(JP,A) 特開 昭58−144838(JP,A) 特開 平2−162355(JP,A) 国際公開86/05602(WO,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダを用いるトナーにおいて、前記バ
    インダとして、200℃における表面張力が30dyne/cm以
    下、溶融粘度が100ポアズ以上、貯蔵弾性率が100dyne/c
    m2以上で、かつ125℃における溶融粘度が5000ポアズ以
    下、貯蔵弾性率が40000dyne/cm2以下となる物性値を示
    すバインダを用いることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】前記バインダとして、200℃における溶融
    粘度が30ポアズ以上、貯蔵弾性率が50dyne/cm2以上で、
    かつ125℃における溶融粘度が3000ポアズ以下、貯蔵弾
    性率が35000dyne/cm2以下であるバインダおよび200℃に
    おける溶融粘度が120ポアズ以上、貯蔵弾性率が120dyne
    /cm2以上で、かつ125℃における溶融粘度が10000ポアズ
    以下、貯蔵弾性率が100000dyne/cm2以下であるバインダ
    を必須成分として用いることを特徴とする請求項1記載
    のトナー。
  3. 【請求項3】前記バインダとして、重合によりバインダ
    の主鎖構造を形成する第一のプレポリマまたはモノマに
    対して常温でゴム状弾性を示し、かつ第一のプレポリマ
    またはモノマと反応し得る官能基を1.5当量以上有する
    第二のプレポリマまたは重合することにより第二のプレ
    ポリマと同一物となるモノマを導入した主鎖変性共重合
    体を用いることを特徴とする請求項1記載のトナー。
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