JP2501035B2 - 超電導薄膜 - Google Patents

超電導薄膜

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超電導薄膜に関する。より詳細には、高い超
電導臨界温度を有するだけでなく、高い臨界電流密度を
有し、且つ組成の均一な超電導薄膜に関する。
従来の技術 電子の相転移であるといわれる超電導現象は、特定の
条件下で導体の電気抵抗が零の状態となり完全な反磁性
を示す現象である。
超電導現象の代表的な応用分野であるエレクトロニク
スの分野では、各種の超電導素子が提案され、また開発
されている。代表的なものとしては、超電導材料どうし
を弱く接合した場合に、印加電流によって量子効果が巨
視的に現れるジョセフソン効果を利用した素子が挙げら
れる。また、トンネル接合型ジョセフソン素子は、超電
導材料のエネルギーギャップが小さいことから、極めて
高速な低電力消費のスイッチング素子として期待されて
いる。さらに、電磁波や磁場に対するジョセフソン効果
が正確な量子現象として現れることから、ジョセフソン
素子を磁場、マイクロ波、放射線等の超高感度センサと
して利用することも期待されている。超高速電子計算機
では、単位面積当たりの消費電力が冷却能力の限界に達
してきているため、超電導素子の開発が要望されてお
り、さらに、電子回路の集積度が高くなるにつれて、電
流ロスの無い超電導材料を配線材料として用いることが
要望されている。
しかし、様々な努力にもかかわらず、超電導材料の超
電導臨界温度Tcは長期間に亘ってNb3Geの23Kを越えるこ
とができなかった。
ところが、1986年に、ベドノーツおよびニューラー達
によって高いTcをもつ複合酸化物系の超電導材料が発見
されるにいたって、高温超電導の可能性が大きく開けて
きた(Bednorz,Muller,“Z,Phys.B64(1986)189")。
これまでにも、複合酸化物系のセラミック材料が超電
導特性を示すということ自体は既に公知であり、例え
ば、米国特許第3,932,315号には、Ba-Pb-Bi系の複合酸
化物が超電導特性を示すということが記載されており、
また、特開昭60-173,885号公報にはBa-Bi系の複合酸化
物が超電導特性を示すということが記載されている。し
かし、これまでに知られていた複合酸化物のTcは10K以
下であり、超電導現象を起こさせるには液体ヘリウム
(沸点4.2K)を用いる以外なかった。
ベドノーツおよびミューラー達によって発見された酸
化物超電導体は(La,Ba)2CuO4で、この酸化物超電導体
は、K2NiF4型酸化物と呼ばれるもので、従来から知られ
ていたペロブスカイト型超電導酸化物と結晶構造が似て
いるが、そのTcは従来の超電導材料に比べて飛躍的に高
い約30Kという値である。
更に、1987年2月になって、チュー達によって90Kク
ラスの臨界温度を示すBa−Y系の複合酸化物が発見され
た。このYBCOと称されるBa−Y系の複合酸化物はY1Ba2C
u3O7-Xで表される複合酸化物である。
続いて発見されたBi-Sr-Ca-Cu系およびTl-Ba-Ca-Cu系
複合酸化物は、Tcが100K以上であるばかりでなく、化学
的にも安定しており、YBCO等のような超電導特性の経時
的劣化が少ない。
これらの新しい複合酸化物系超電導材料の発見によっ
て高温超電導体実現の可能性が俄かに高まっている。
これら複合酸化物超電導体の超電導特性には、結晶中
の酸素欠陥が大きな役割を果たしている。すなわち、結
晶中の酸化欠陥が適正でないと、Tcは低く、また、オン
セット温度と抵抗が完全に0となる温度との差も大きく
なる。
従来、上記複合酸化物超電導体薄膜を作製する際に
は、焼結等で生成した酸化物を蒸着源としたスパッタリ
ング法のような物理蒸着により成膜した後、酸素雰囲気
中で熱処理を行うか、酸素プラズマに曝す等の処理を行
っていた。
発明が解決しようとする課題 上記の複合酸化物超電導体材料は、特に、薄膜化する
と、その超電導特性が悪化し易いという欠点がある。特
に、これまで発表された超電導薄膜では臨界電流密度
(Jc)が数百A/cm2と低いため実際にデバイス等として
使うことができなかった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決し、高い臨界温度Tcを有し、且つ実用的な臨界電流密
度Jcを有し、且つ均一な組成および組織の超電導材料の
薄膜を提供することにある。
課題を解決するための手段 上記した問題点を解決するため種々の実験、検討を繰
り返した結果、本発明は完成されたものであり、本発明
に従うと、Y、La、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Nd、
SmおよびEuで構成される群から選択された少なくとも一
つの元素Lnと、Baと、Cuとを含む複合酸化物系超電導体
の薄膜において、この薄膜がc軸配向性の単結晶または
多結晶によって構成されていることを特徴とする超電導
薄膜が提供される。
本発明の薄膜は、Ln1Ba2Cu3O7(ただし、Lnは、上記
の定義の元素である)結晶のa軸またはb軸の格子定数
に近い格子定数を持つ単結晶の(100)面を成膜面とし
た基板上に形成されたc軸配向性の単結晶または多結晶
によって構成されていることが好ましい。
さらに、本発明の超電導薄膜は、LnBa2Cu3O7なる酸化
物超電導体のパウダーパターンの最強反射面の反射強度
IMAXと(00n)面〔但し、nは整数〕の反射強度I00n
比I00n/IMAXと、 該パウダーパターンの最強反射面と同じ指数を持つ結
晶面の上記超電導薄膜のX線回折パターンにおける反射
強度JMAXと該超電導薄膜の(00n)面〔但し、nは整
数〕の反射強度J00nとの比J00n/JMAXと、 が以下の関係: J00n/JMAX≧2(I00n/IMAX) を持たすことを特徴とする。
具体的には、X線回折パターンにおいて、(002)
面、(003)面、(005)面および(006)面の反射強度
が(111)面および(112)面の反射強度の2倍以上であ
る。
尚、上記したc軸配向性とは、膜面に対してc軸が垂
直に配向したものに限定されず、所定の角度を以て配向
したものも含んでいる。
作用 本発明による超電導薄膜は、Y、La、Gd、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Nd、SmおよびEuで構成される群から選
択された元素Lnと、Baと、Cuとを含む複合酸化物系超電
導体によって構成される薄膜において、この薄膜がc軸
配向性の単結晶または多結晶によって構成されているこ
とを特徴としている。
上記の複合酸化物系超電導体よりなる薄膜は、一般
に、 Ln1Ba2Cu3O7-X (ただし、LnはY、La、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、
Nd、SmおよびEuで構成される群から選択された元素を表
し、0<x<1である)で表される複合酸化物の薄膜で
ある。
具体的には、下記の複合酸化物の薄膜が挙げられる。
Y1Ba2Cu3O7-X、La1Ba2Cu3O7-X、 Gd1Ba2Cu3O7-X、Dy1Ba2Cu3O7-X、 Ho1Ba2Cu3O7-X、Er1Ba2Cu3O7-X、 Tm1Ba2Cu3O7-X、Yb1Ba2Cu3O7-X、 Lu1Ba2Cu3O7-X、Nd1Ba2Cu3O7-X、 Sm1Ba2Cu3O7-X、Eu1Ba2Cu3O7-X、 (ただしxは0<x<1を満たす数である) これらの複合酸化物の薄膜は、酸素欠損を有するペロ
ブスカイト型結晶構造を有する薄膜である。
本発明の超電導薄膜は、以下の特徴を有することで、
従来のものと容易に区別できる。先ず、下記の用語を定
義する。
IMAX:LuBa2Cu3O7で表される複合酸化物結晶のパウダー
パターンの最強反射面の反射強度、 I00n:上記結晶の(00n)面〔但し、nは整数〕の反射
強度、 JMAX:本発明による複合酸化物系薄膜のX線回折パター
ンにおける上記パウダーパターンの最強反射面と同じ指
数を持つ結晶面の反射強度、 J00n:上記薄膜の(00n)面〔但し、nは整数〕の反射
強度。
本発明による複合酸化物系超電導体によって構成され
る薄膜は、以下の特徴を有するX線回折パターンを有し
ている。
(1) 上記各反射強度の間の比I00n/IMAXおよび比J
00n/JMAXが以下の関係: J00n/JMAX≧2(I00n/IMAX) を満たす(00n)面が少なくとも1つある。
上記の(00n)面は、具体的には、(002)面、(00
3)面、(005)面および(006)面である。
(2) 本発明による複合酸化物系薄膜のX線回折パタ
ーンにおける(002)面、(003)面、(005)面および
(006)面の反射強度は(111)面および(112)面の反
射強度の2倍以上である。
この複合酸化物系超電導体の薄膜は、一般に、マグネ
トロンスパッタリング等のスパッタリング法のような物
理蒸着法を用いて成膜することができる。特に、マグネ
トロンスパッタで作製した薄膜は結晶構造、酸素欠損状
態等の面で優れた超電導特性を有している。なお、上記
の複合酸化物の数膜の場合には、結晶中の酸素欠損状態
がその超電導特性に大きく影響するので、結晶中の酸素
欠損量を適正に制御するために、薄膜の形成を適切な酸
素含有雰囲気下で行うのが好ましい。
物理蒸着法を用いて作られた上記Ln1Ba2Cu3O7-Xで表
される酸化物超電導体の薄膜は90K程度の高いTcを示す
が、従来法で作成された薄膜は、超電導臨界電流密度Jc
が小さく、実用上、大きな問題であった。その一つの理
由は、上記の複合酸化物系超電導体の薄膜の超電導臨界
電流密度の値が結晶異方性を有しているためである。す
なわち、上記酸化物の結晶は、結晶のa軸およびb軸で
決定される面に平行な方向の超電導臨界電流密度は極め
て大きいが、その他の方向の超電導臨界電流密度は小さ
い。従来の超電導薄膜は、この超電導臨界電流密度の結
晶異方性を考慮していなかったため、結晶の方向が揃っ
ておらず、従って、超電導臨界電流密度が小さかった。
本発明は薄膜を構成する上記複合酸化物系超電導体の
結晶のc軸配向性を揃えることによってこの問題を解決
したものである。すなわち、本発明の超電導薄膜では、
上記のようにc軸配向性を一定に揃えることによって、
その結晶のa軸およびb軸で決定される面に平行な方向
の超電導臨界電流密度を極めて大きくすることができ
る。従って、この超電導臨界電流密度が大きくなる方向
を電流の流れる方向と一致させれば、その方向に極めて
大きな超電導臨界電流を流すことができる。
なお、薄膜を構成する上記複合酸化物は単結晶である
のが好ましいが、多結晶であってもよい。また、上記c
軸は一般に膜面、従って、基板の面に対して垂直な方向
に配向させるが、本発明はc軸が垂直に配向したものの
みに限定されるものではなく、所定の角度を以て配向し
ている場合も含まれる。特に、上記c軸を膜面、従っ
て、基板の面に対して平行に配向させて、膜の深さ方向
の電流密度を大きくすることもできる。いずれの方向に
c軸を配向させるかは、基板、より正確には、基板の成
膜面の特性によって決定される。
上記c軸を膜面に対して垂直な方向に配向させる場合
には、基板としては、形成される複合酸化物結晶のa軸
および/またはb軸の格子定数に近いa軸および/また
はb軸の格子定数を持つ単結晶を用いられる。
本発明の特に好ましい実施例では、上記のLn1Ba2Cu3O
7で表される結晶のa軸またはb軸の格子定数に近いa
軸またはb軸の格子定数を持つ任意の単結晶基板上に、
その(100)面を成膜面として用いて、上記のc軸配向
性の単結晶または多結晶によって構成された薄膜を形成
することによって、基板の成膜面に平行な方向の電流密
度が大きくなるようにしている。
逆に、上記c軸を膜面に対して平行な方向に配向させ
る場合には、上記単結晶基板の(110)面を成膜面とし
て用いればよい。
この条件を満たす基板としては、MgO、SrTiO3、Al
2O3、サファイア、SiO2、石英、YSZ(イットリウムスタ
ビライズドジルコニア)およびZnO等を選択することが
できる。特に、スパッタリング時および熱処理時におい
て薄膜を破壊する恐れのある不要な応力を薄膜に与えな
いためには、熱膨脹率が薄膜の熱膨脹率に近いMgOおよ
びSrTiO3を選択するのが好ましい。
以下に本発明を実施例により、さらに詳しく説明する
が、以下は単なる実施例であり、本発明の技術敵範囲は
以下の開示によって一切制限を受けないことはもちろん
である。
実施例1 Y2O3、BaOおよびCuOをY:Ba:Cuの原子比が1:2.15:3.2
となるよう秤量し、大気中において900℃焼成した。得
られた焼成体を粉砕した粉末をターゲットとして高周波
マグネトロンスパッタリングを用いて、酸化マグネシウ
ムの単結晶基板上に薄膜を成膜した。成膜条件は以下の
通りである。
全圧力 :2×10-2Torr O2/Ar :0.16(圧力比) 基板 :MgOの(100)面 基板温度:720℃ このようにして、1000Åの厚さの薄膜を得た。この薄
膜を酸素気流中において、700℃に加熱し、その温度を2
4時間保ち、その後3℃/分の冷却速度で常温まで冷却
した。
得られた薄幕は、下記の測定結果からMgO基板に対し
てc軸が垂直な配向性を持つY1Ba2Cu3O7-X(但し、xは
0<x<1を満たす数である)と考えられる多結晶の膜
であった。
第1図は、上述のようにして作製した薄膜のX線回折
パターンである。なお、本X線回折パターンは理学電機
製薄膜X線回折装置を用い、CuのKα線で得られたもの
である。一方、第2図は、Y1Ba2Cu3O7なる酸化物超電導
体粉末のX線回折パターンである。
第2図で、最強の反射強度を示す結晶面の指数は(10
3)、(110)面であった。
上記酸化物超電導体のパウダーパターンの最強反射面
の反射強度をIMAX、(00n)面〔但し、nは整数〕の反
射強度をI00nとし、該パウダーパターンの最強反射面と
同じ指数を持つ結晶面の本実施例の超電導薄膜のX線回
折パターンにおける反射強度をJMAX、該超電導薄膜の
(00n)面〔但し、nは整数〕の反射強度をJ00nとす
る。
これらの反射強度間には第1表に示す関係が成立して
いる。
第1図および第1表の結果は、上記の複合酸化物の薄
膜が、(002)面、(003)面、(005)面および(006)
面における反射強度が上述の関係: J00n/JMAX≧2(I00n/IMAX) を満たすことを示している。
さらに、電子線回折により上記の複合酸化物の薄膜の
結晶構造が、成膜面に垂直にc軸配向をしていることが
わかった。
次に上記の厚さ1000Åの薄膜から幅1mmのサンプルを
切り出し、臨界温度Tcと臨界電流密度Jcとを測定した。
臨界温度の測定には4端子法を用いた。得られた結果を
以下に示す。
Tc:85K Jc:150,000A/cm2(液体窒素温度) これらの測定結果は、複合酸化物系超電導体の薄膜の
結晶構造を成膜面に垂直にc軸配向させることによっ
て、面内臨界電流密度Jcが大きく向上することを示して
いる。
実施例2 Y2O3、BaOおよびCuOをY:Ba:Cuの原子比が1:2.0:3.1と
なるよう秤量し、大気中において900℃で焼成した。得
られた焼成体を粉砕した粉末をターゲットとして高周波
マグネトロンスパッタリングを用いて、チタン酸ストロ
ンチウムの単結晶基板上に薄膜を成膜した。成膜条件は
以下の通りである。
全圧力 :2×10-2Torr O2/Ar :0.15(圧力比) 基板 :SrTiO3の(100)面 基板温度:720℃ このようにして、1000Åの厚さの薄膜を得た。この薄
膜を大気中において、710℃に加熱し、その温度を24時
間保ち、その後3℃/分の冷却速度で常温まで冷却し
た。
得られた薄幕は、基板に対してc軸が垂直な配向性を
持ったY1Ba2Cu3O7-X(但し、xは0<x<1を満たす数
である)と考えられる単結晶であった。
実施例1と同様に反射強度の関係を第2表に示す。
この厚さ1000Åの薄膜から幅1mm、サンプルを切り出
し、臨界温度Tcと臨界電流密度Jcとを測定した。臨界温
度Tcの測定には4端子法を用いた。得られた結果を以下
に示す。
Tc:86K Jc:160,000A/cm2 発明の効果 以上説明したように、本発明により、従来の超電導体
よりも遥かに高いJcをもつ超電導酸化物薄膜を得ること
が可能となる。従って、本発明を、超電導体を薄膜素子
として応用する分野、例えばジョセフソン素子と呼ばれ
るマティソー(Matisoo)のスイッチング素子やアナッ
カー(Anacker)のメモリー素子、さらには超電導量子
干渉計(SQUID)などに利用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による薄膜のX線回折パターンを示
し、 第2図は、Y1Ba2Cu3O7なる酸化物超電導体の粉末のX線
回折パターンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上代 哲司 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−282152(JP,A) 特開 昭63−277555(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: Ln1Ba2Cu3O7-X (ただし、Lnは、Y、La、Gd、Ho、Er、Tm、Yb、Nd、S
    m、EuおよびLuから選択された元素であり、0<X<1
    である) で表される複合酸化物系超電導体によって構成され、結
    晶の(00n)面(ただし、nは整数)におけるX線回折
    パターンの反射強度J00nが、以下の式で示される関係を
    満たすことを特徴とする超電導薄膜: J00n/JMAX≧2(I00n/IMAX) (ただし、 IMAXは、Ln1Ba2Cu3O7で表される複合酸化物結晶のX線
    回折パターンの最強反射面の反射強度であり、 I00nは、上記複合酸化物結晶のX線回折パターンにおけ
    る(00n)面(ただし、nは整数)の反射強度であり、 JMAXは、上記超電導薄膜のX線回折パターンにおける、
    上記複合酸化物結晶のX線回折パターンの最強反射面と
    等しい指数を有する結晶面の反射強度であり、 J00nは、上記超電導薄膜のX線回折パターンにおける結
    晶の(00n)面(ただし、nは整数)の反射強度であ
    る)。
  2. 【請求項2】超電導薄膜が、単結晶基板上に物理蒸着法
    で成膜された薄膜であることを特徴とする請求項1に記
    載の超電導薄膜。
  3. 【請求項3】超電導薄膜の結晶の(00n)面が、(002)
    面、(003)面、(005)面および(006)面であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の超電導薄膜。
  4. 【請求項4】超電導薄膜が、Y、BaおよびCuを含む複合
    酸化物で構成されており、第1図に示すX線回折パター
    ンを示すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の超電導薄膜。
  5. 【請求項5】超電導薄膜が、単結晶であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導薄膜。
  6. 【請求項6】基板の単結晶のa軸および/またはb軸の
    格子定数が、一般式: Ln1Ba2Cu3O7 (ただし、Lnは、Y、La、Gd、Ho、Er、Tm、Yb、Nd、S
    m、EuおよびLuから選択された元素である) で表される複合酸化物の結晶のa軸および/またはb軸
    の格子定数に近い値であることを特徴とする請求項2〜
    5のいずれか1項に記載の超電導薄膜。
  7. 【請求項7】単結晶基板の超電導薄膜が成膜される結晶
    面が、(100)面であることを特徴とする請求項2〜6
    のいずれか1項に記載の超電導薄膜。
  8. 【請求項8】単結晶基板の超電導薄膜が成膜される結晶
    面が、(110)面であることを特徴とする請求項2〜6
    のいずれか1項に記載の超電導薄膜。
  9. 【請求項9】単結晶基板が、MgO、SrTiO3、Al2O3、サフ
    ァイア、SiO2、石英、YSZおよびZnOで構成される群から
    選択されたいずれかの単結晶で構成されていることを特
    徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の超電導薄
    膜。
  10. 【請求項10】超電導薄膜のX線回折パターンにおける
    結晶の(002)面、(003)面、(005)面および(006)
    面の反射強度が、(111)面および(112)面の反射強度
    の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の超電導薄膜。
  11. 【請求項11】超電導薄膜の複合酸化物の結晶のc軸
    が、基板の表面に対して垂直に配向していることを特徴
    とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の超電導薄
    膜。
  12. 【請求項12】超電導薄膜の複合酸化物の結晶のc軸
    が、基板の表面に対して水平に配向していることを特徴
    とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の超電導薄
    膜。
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