JP2024517993A - アニオン交換体を製造するプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、アニオン交換体を製造する新規な方法に関する。

Description

本発明は、アニオン交換体を製造する新規なプロセスに関する。
例えば、(特許文献1)から公知のアニオン交換体を製造するプロセスは、一級アミン基を有するアニオン交換体を製造するための、クロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーとアンモニアとの反応である。しかしながら、このプロセスの欠点は、反応で達成される収率が低いことである。したがって、クロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、通常、一級、二級又は三級アミンと反応され、且つアニオン交換体として使用される。
クロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーをアンモニア、一級又は二級アミンと反応させると、理論で予想されるより低いイオン交換容量を有するイオン交換体のみが得られ、なぜなら、1個のアミンが、クロロメチル化された基と複数回反応し、望ましくない二次架橋を生成するためである。
(特許文献2)は、アミノメチル化されたビニル芳香族ポリマーを得るための、クロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーとヘキサメチレンテトラミンとの反応を記載している。この場合の欠点は、ごく一部の窒素のみがポリマーに結合されることである。
一級アミン官能基を有するアニオン交換体を製造するための別のプロセスは、(特許文献3)から公知である。そこでは、ビス(フタルイミドメチル)エーテルを用いてビニル芳香族ポリマーをアミドメチル化し、その後、加水分解させる。ビス(フタルイミドメチル)エーテルは、通常、最初に硫酸の存在下でフタルイミド及びホルムアルデヒドから製造され、次いでビニル芳香族ポリマーが添加される。アミドメチル化後、アミドメチル化ポリマーから、酸又は塩基を用いた加水分解により、一級アミン官能基を有するアニオン交換体が製造される。このアニオン交換体は、アルキル化剤を用いた官能化により、二級、三級及び四級アミン官能基を有する強塩基性、弱塩基性及び混合塩基性のアニオン交換体にさらに変換され得る。
このプロセスも欠点を有し、なぜなら、不安定な中間体が生成され、それが反応手順を複雑にし、また副生物も生成され、それは、手間又は費用がかかる方法で加工又は廃棄しなければならないためである。
アニオン交換体を製造するプロセスは、(特許文献4)及び(特許文献5)から公知であり、そこでは、フェニル環でのフリーデル・クラフツ様の触媒アルキル化でビニル芳香族ポリマーを有機ニトリル及びホルムアルデヒドと反応させて、アシルアミノメチル化されたビニル芳香族ポリマーを製造し、加水分解させることにより、アニオン交換体を得る。
このプロセスでも、不安定な中間体が生成し、そのため、反応手順が複雑となり、環境的に問題となる大量の溶媒を生成する。
欧州特許第B1000660号明細書 旧東ドイツ特許第A79152号明細書 欧州特許第B1078688号明細書 特開昭51-005392号公報 特開昭51-034295号公報
したがって、従来技術の欠点を克服し、アニオン交換体が高収率で得られるプロセスが依然として必要とされている。
ここで、驚くべきことに、金属含有触媒の存在下でのニトリルとの反応及びそれに続く加水分解により、クロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーをアニオン交換体に良好な収率で変換させ得ることが見出された。
したがって、本発明は、式(I)
(式中、
は、ビニル芳香族ポリマー基である)
のアニオン交換体を製造するプロセスにおいて、ステップa)において、式(II)
(式中、
は、上記で定義された通りである)
のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、式(III)
CN (III)
(式中、R=直鎖状、環状又は分岐状のC~C-アルキル、フェニル又はベンジルであり、且つフェニル及びベンジルは、少なくとも1種の直鎖状、環状又は分岐状のC~C-アルキル基によって置換され得る)
の少なくとも1種のニトリルと金属含有触媒の存在下で反応されて、式(IV)
(式中、Rは、上記で定義された通りである)、
のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーをもたらし、及び式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、ステップb)において、酸又は塩基との反応によって加水分解されて、式(I)のアニオン交換体をもたらすことを特徴とするプロセスを提供する。
本発明の範囲は、上記及び以下で詳細に説明され、一般的な用語において又は好ましい範囲内で言及される、相互に、すなわちそれぞれの範囲と好ましい範囲との間の各種の組合せを含む、基、パラメーター及び説明のすべての定義を包含する。
は、好ましくは、直鎖状又は分岐状のC~C-アルキルである。特に好ましくは、R=メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピルである。特に好ましくは、R=メチルである。
=フェニル又はベンジルの場合、前記フェニル又はベンジルは、好ましくは、非置換である。フェニル及びベンジルが置換されている場合、それらは、好ましくは、直鎖状、環状又は分岐状のC~C-アルキル基によって置換されている。
本発明に関連して、C~C-アルキルは、1~8個の炭素原子(C~C)、さらにより好ましくは1~4個の炭素原子(C~C)を有する直鎖状、環状又は分岐状のアルキル基である。好ましくは、C~C-アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-、i-、s-又はt-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチルである。特に好ましくは、C~C-アルキル又はC~C-アルキルは、エチル、メチル、n-プロピル又はイソプロピルである。
式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン又はクロロメチルスチレン及びこれらのモノマーの少なくとも1種の混合物を含む群から選択される少なくとも1種のモノビニル芳香族モノマーと、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルナフタレン及び/若しくはトリビニルナフタレン又はこれらのポリビニル芳香族化合物の混合物を含む群から選択される少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物(架橋剤)とのコポリマーである。
用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、特に好ましくは、スチレンのコポリマー、さらにより好ましくはスチレン-ジビニルベンゼンのコポリマーである。スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーは、ジビニルベンゼンを使用して架橋されたコポリマーである。式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、球の形状を有する。
式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーにおいて、-CH-Clは、フェニル基に結合されている。
本発明において用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、マクロポーラス構造を有する。
「ミクロポーラス」又は「ゲル形状」/「マクロポーラス」という用語は、すでに、文献、例えばSeidl,Malinsky,Dusek,Heitz,Adv.Polymer Sci.,1967,Vol.5,pp.113~213に詳述されている。多孔度を測定することが可能な方法、例えば水銀多孔度測定法及びBET測定法も同様に前記文献に記載されている。本発明で用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーのマクロポーラスポリマーの細孔は、一般的に且つ好ましくは、20nm~100nmの平均直径を有する。細孔直径は、好ましくは、水銀多孔度計を使用して測定される。
本発明において用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、単分散性の分布を有する。
本出願では、単分散性物質とは、粒子の少なくとも90容積%又は90質量%が、最多直径から±10%の間隔に入る直径を有するようなものである。
例えば、0.5mmの最多直径を有する物質の場合、少なくとも90容積%又は90質量%が0.45mm~0.55mmの間隔のサイズ内であり;0.7mmの最多直径を有する物質の場合、少なくとも90容積%又は90質量%が0.77mm~0.63mmの間隔のサイズ内である。
式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、200~1500μmの直径を有する。
式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、球の形状を有する。
式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、ポリマーの合計物質量を基準にして88mol%~98mol%のモノビニル芳香族モノマーを含む。式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、ポリマーの合計物質量を基準にして2mol%~12mol%のポリビニル芳香族モノマーを含む。
式(I)のアニオン交換体は、好ましくは、200~1500μmの直径を有する。
式(I)のアニオン交換体は、好ましくは、マクロポーラス構造を有する。
式(I)のアニオン交換体は、好ましくは、単分散性の分布を有する。
式(I)のアニオン交換体は、好ましくは、ポリマーの合計物質量を基準にして88mol%~98mol%のモノビニル芳香族モノマーを含む。
式(I)のアニオン交換体は、好ましくは、ポリマーの合計物質量を基準にして2mol%~12mol%のポリビニル芳香族モノマーを含む。
ステップa)において用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、ステップ1a)によって製造される:
1a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物及び少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物並びに少なくとも1種の開始剤からなるモノマー液滴を反応させるステップ、及び
1b)ステップ1a)からのポリマーをクロロメチル化するステップ。
ステップ1a)では、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物及び少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物が用いられる。しかしながら、2種以上のモノビニル芳香族化合物の混合物及び2種以上のポリビニル芳香族化合物の混合物を用いることも可能である。
本発明に関連して、ステップ1a)において用いられるモノビニル芳香族化合物は、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン又はクロロメチルスチレンである。
それらのモノビニル芳香族化合物は、好ましくは、モノマー又はそれと他のモノマーとの混合物を基準にして50重量%より多い量、特に好ましくはモノマー又はそれと他のモノマーとの混合物を基準にして55重量%~70重量%の量で使用される。
スチレン又はスチレンと上述のモノマーとの混合物、好ましくはエチルスチレンとの混合物を用いることが特に好ましい。
本発明に関連して、ステップ1a)のために好ましいポリビニル芳香族化合物は、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルナフタレン又はトリビニルナフタレン、特に好ましくはジビニルベンゼンである。
ポリビニル芳香族化合物の使用量は、モノマー又はそれとさらなるモノマーとの混合物を基準にして好ましくは1重量%~20重量%、特に好ましくは2重量%~12重量%、特に好ましくは4重量%~10重量%の量である。ポリビニル芳香族化合物(架橋剤)のタイプは、ポリマーのその後の用途に関連して選択される。ジビニルベンゼンを使用する場合、ジビニルベンゼンの異性体だけでなく、エチルビニルベンゼンも含有する市販のグレードのジビニルベンゼンで十分である。
マクロポーラスビニル芳香族ポリマーは、好ましくは、重合の過程でポリマー中にマクロポーラス構造を作る目的のため、モノマー混合物に不活性物質、好ましくは少なくとも1種のポロゲンを添加することによって形成される。特に好ましいポロゲンは、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、イソドデカン、ペンタメチルヘプタン、メチルエチルケトン、ブタノール又はオクタノール及びそれらの異性体である。特に好適な有機物質は、モノマー中に溶解するが、ポリマーに対して貧溶媒又は貧膨潤剤(ポリマーに対する沈降剤)であるようなもの、例えば脂肪族炭化水素である(Farbenfabriken Bayer、ドイツ連邦特許第1045102号明細書(1957);ドイツ連邦特許第1113570号明細書(1957))。
米国特許第B4382124号明細書は、4~10個の炭素原子を有するアルコールを用いており、これは、スチレン/ジビニルベンゼンをベースとするマクロポーラスビニル芳香族ポリマーを製造するためのポロゲンとして本発明に関連して同様に好適に用いることができる。そこでは、マクロポーラスビニル芳香族ポリマーの製造方法の概要も提供されている。
ポロゲンは、有機相の量を基準にして25重量%~45重量%の量で用いることが好ましい。
ステップ1a)において、少なくとも1種のポロゲンを添加することが好ましい。
ステップ1a)に従って製造されるビニル芳香族ポリマーは、ヘテロ分散形態又は単分散形態で製造することができる。
ヘテロ分散性のビニル芳香族ポリマーの製造は、当業者に公知の一般的なプロセス、例えば懸濁重合を用いて実施される。
単分散性ビニル芳香族ポリマーをステップ1a)で製造することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、単分散性ビニル芳香族ポリマーの製造において、マイクロカプセル化されたモノマー液滴がステップ1a)で用いられる。
モノマー液滴のマイクロカプセル化で好適な物質は、複合コアセルベートとしての使用が公知のもの、特にポリエステル、天然及び合成のポリアミド、ポリウレタン又はポリウレアである。
使用される天然ポリアミドは、好ましくは、ゼラチンである。これは、特にコアセルベート及び複合コアセルベートとして用いられる。本発明に関連して、ゼラチン含有複合コアセルベートは、ゼラチンと合成高分子電解質との組合せを意味すると特に理解されたい。好適な合成高分子電解質は、例えば、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド及びメタクリルアミドの単位を組み込んだコポリマーである。アクリル酸及びアクリルアミドを使用することが特に好ましい。ゼラチン含有カプセルは、慣用される硬化剤、例えばホルムアルデヒド又はグルタルジアルデヒドを使用して硬化され得る。ゼラチン、ゼラチン含有コアセルベート及びゼラチン含有複合コアセルベートを用いてモノマー液滴をカプセル化させることについては、欧州特許出願公開第A0 046 535号明細書に詳細な記述がある。合成ポリマーを使用してカプセル化する方法は、公知である。界面縮合が好ましく、そこでは、モノマー液滴中に溶解させた反応性成分(特にイソシアネート又は酸塩化物)が、水相中に溶解された第二の反応性成分(特にアミン)と反応される。
ヘテロ分散性又は任意選択的にマイクロカプセル化された単分散性モノマー液滴は、重合を引き起こす少なくとも1種の開始剤又は開始剤の混合物(開始剤の組合せ)を含有する。本発明におけるプロセスに好適な開始剤は、ペルオキシ化合物、特に好ましくはジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(p-クロロベンゾイル)ペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、tert-ブチルペルオクトエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン又はtert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサン及びまたアゾ化合物、例えば2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)又は2,2’-アゾビス(2-メチルイソブチロニトリル)である。
開始剤は、モノマー混合物を基準にして好ましくは0.05重量%~2.5重量%、特に好ましくは0.1重量%~1.5重量%の量で用いられる。
任意選択的に単分散性のマイクロカプセル化されたモノマー液滴は、任意選択的に、(モノマーを基準にして)30重量%までの架橋又は非架橋のポリマーも含有し得る。好ましいポリマーは、上述のモノマー、特に好ましくはスチレンから誘導されたものである。
さらなる好ましい実施形態では、ステップ1a)において単分散性ビニル芳香族ポリマーを製造する際の水相は、溶解された重合禁止剤を含有し得る。この場合の有用な禁止剤としては、無機物質及び有機物質の両方が挙げられる。好ましい無機禁止剤は、窒素化合物、特に好ましくはヒドロキシルアミン、ヒドラジン、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウム、亜リン酸の塩、例えば亜リン酸水素ナトリウム及び硫黄含有化合物、例えば亜ジチオン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム並びにチオシアン酸アンモニウムである。有機重合禁止剤の例は、フェノール系化合物、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、レソルシノール、カテコール、tert-ブチルカテコール、ピロガロール及びフェノールとアルデヒドとの縮合反応生成物である。さらなる好適な有機重合禁止剤は、窒素含有化合物である。特に好ましいのは、ヒドロキシルアミン誘導体、例えばN,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N-イソプロピルヒドロキシルアミン及びスルホン化又はカルボキシル化N-アルキルヒドロキシルアミン若しくはN,N-ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体、ヒドラジン誘導体、例えばN,N-ヒドラジノ二酢酸、ニトロソ化合物、例えばN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩又はN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩である。重合禁止剤の濃度は、(水相を基準にして)5~1000ppm、好ましくは10~500ppm、特に好ましくは10~250ppmである。
単分散性ビニル芳香族ポリマーを得るための、任意選択的にマイクロカプセル化された単分散性モノマー液滴の重合は、好ましくは、水相中に1種又は複数の保護コロイドを存在させて実施される。好適な保護コロイドは、天然又は合成の水溶性ポリマー、好ましくはゼラチン、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又は(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルのコポリマーである。好ましいものとしては、セルロース誘導体、特にセルロースエステル及びセルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースがさらに挙げられる。ゼラチンが特に好ましい。保護コロイドの使用量は、水相を基準にして、通常、0.05重量%~1重量%、好ましくは0.05重量%~0.5重量%である。
代替的な好ましい実施形態では、単分散性ビニル芳香族ポリマーを得るための重合を緩衝系の存在下で実施し得る。重合の開始時の水相のpHを14~6、好ましくは12~8の値に調節できる緩衝系が好ましい。それらの条件下では、カルボン酸基を有する保護コロイドが全体的又は部分的に塩として存在する。これは、保護コロイドの作用に好ましい効果を有する。特に好適な緩衝系は、リン酸又はホウ酸の塩を含有する。本発明に関連して、「リン酸塩」及び「ホウ酸塩」は、対応する酸及び塩のオルト形の縮合物も包含する。水相中のリン酸塩又はホウ酸塩の濃度は、好ましくは、0.5~500mmol/L、特に好ましくは2.5~100mmol/Lである。
単分散性ビニル芳香族ポリマーを得るための重合における撹拌速度は、あまり重要ではなく、慣用される重合の場合とは対照的に、粒径に影響を及ぼさない。懸濁されたモノマー液滴を懸濁液中に保持し、重合熱の除去を促進するのに十分である低い攪拌機速度が用いられる。この作業には、各種のタイプの攪拌機を使用することができる。特に好適な攪拌機は、軸作用性のゲート攪拌機である。
カプセル化されたモノマー液滴対水相の容積比は、好ましくは、1:0.75~1:20、特に好ましくは1:1~1:6である。
単分散性ビニル芳香族ポリマーを得るための重合温度は、用いられる開始剤の分解温度で決まる。それは、好ましくは、50~180℃、特に好ましくは55~130℃である。重合を0.5時間~約20時間続けることが好ましい。重合を低温、好ましくは60℃で開始し、重合の転化が進むにつれて反応温度を上げる温度プログラムを用いることが有用であることが判明した。このようにすると、例えば信頼できる反応の進行及び高い重合転化率といった要件を極めて効果的に達成することが可能となる。重合反応後、慣用される方法、例えば濾過法又はデカント法によって単分散性ビニル芳香族ポリマーを単離し、任意選択的に洗浄する。
ジェット法又はシード-フィード法を用いて単分散性ビニル芳香族ポリマーを製造することは、従来技術から公知であり、例えば米国特許第A4 444 961号明細書、欧州特許出願公開第A0 046 535号明細書、米国特許第4 419 245号明細書又は国際公開第93/12167号パンフレットに記載されている。
ジェット法又はシード-フィード法を用いて単分散性ビニル芳香族ポリマーを製造することが好ましい。
ステップ1a)は、好ましくは、マクロポーラス単分散性ビニル芳香族ポリマーの製造を含む。
ステップ1b)では、ビニル芳香族ポリマーをクロロメチル化によって変換させて、式(II)
(式中、
は、ビニル芳香族ポリマーである)
のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーにする。
ステップ1b)では、クロロメチルメチルエーテルをクロロメチル化剤として用いることが好ましい。クロロメチルメチルエーテルは、不純物を含んだ状態で使用され得、例えばメチラール及びメタノールを二次成分として含有し得る。ステップ1b)では、クロロメチルメチルエーテルを過剰に用いることが好ましい。クロロメチル化反応は、ルイス酸を添加して触媒作用をさせる。好適なルイス酸としては、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化スズ(IV)及び塩化アルミニウムが好ましい。ステップ1b)における反応温度は、好ましくは、40~80℃の範囲である。好ましい実施形態では、ステップ1b)を標準圧力及び50~60℃の温度で実施する。反応中、揮発性の成分、例えば好ましくは塩酸、メタノール、メチラール、ホルムアルデヒド及び幾分かの量のクロロメチルメチルエーテルを好ましくは蒸発によって除去する。残存するクロロメチルメチルエーテルを除去し、クロロメチル化物を精製するために、メチラール、メタノール及び水の混合物を用いて反応混合物を洗浄することが好ましい。
ステップ1b)は、式(II)のマクロポーラスのクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーを好適にもたらす。
ステップ1b)で製造された式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、ステップa)における反応物として好適に用いられる。
ステップa)では、式(III)のニトリルとして、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソバレリルニトリル、ベンゾニトリル、o-メチルベンゾニトリル、m-メチルベンゾニトリル、p-メチルベンゾニトリル及びフェニルアセトニトリルを用いることが好ましい。用いられる式(III)のニトリルは、アセトニトリルであることが極めて特に好ましい。
ステップa)では、金属含有触媒として無機若しくは有機金属(II)、金属(III)若しくは金属(IV)塩又はそのような塩の混合物を用いることが好ましい。用いられる金属含有触媒は、鉄(II)塩、鉄(III)塩、亜鉛(II)塩、スズ(II)塩又はスズ(IV)塩及びそれらの化合物の混合物であることが好ましい。用いられる金属含有触媒は、以下のものであることが特に好ましい:塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、硝酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、過塩素酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、酢酸鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、過塩素酸鉄(III)、リン酸鉄(III)、酢酸鉄(III)、塩化亜鉛(II)、臭化亜鉛(II)、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛(II)、過塩素酸亜鉛(II)、リン酸亜鉛(II)、酢酸亜鉛(II)、塩化スズ(II)、臭化スズ(II)、硝酸スズ(II)、硫酸スズ(II)、過塩素酸スズ(II)、リン酸スズ(II)、酢酸スズ(II)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(IV)、硝酸スズ(IV)、硫酸スズ(IV)、過塩素酸スズ(IV)、リン酸スズ(IV)若しくは酢酸スズ(IV)又はそれらの塩の混合物。用いられる金属含有触媒は、過塩素酸亜鉛(II)、塩化亜鉛(II)及び塩化鉄(III)並びにそれらの水和物であることが特に好ましい。用いられる金属含有触媒は、過塩素酸亜鉛(II)、特に六水和物であることが極めて特に好ましい。
ステップa)では、式(III)のニトリルを、用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマー中の塩素の物質量を基準にして好ましくは100:1~1:1の比率、特に好ましくは50:1~1:1の比率で用いる。
ステップa)では、金属含有触媒を、用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマー中の塩素の物質量を基準にして好ましくは1:100~1:1の比率、特に好ましくは1:50~1:0.5の比率で用いる。
本発明におけるプロセスのステップa)は、極性又は非極性の不活性溶媒の存在下又は非存在下で実施することができる。本発明におけるプロセスのステップa)を溶媒の非存在下で実施することが好ましい。好適に用いられる極性の不活性溶媒は、水又はアルコール、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール若しくはブタノール又はそれらの極性の不活性溶媒の混合物である。
好適に用いられる非極性の不活性溶媒は、ハロゲン化された脂肪族又は芳香族の炭化水素、例えば好ましくはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモメタン、トリクロロメタン、テトラクロロカーボン若しくはベンゾトリフルオリド又はそれらの溶媒の混合物である。
本発明の好ましい実施形態では、最初に式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーを仕込み、次いで式(III)のニトリル及び金属含有触媒と接触させる。次いで、混合物を加熱して反応温度とする。
ステップa)における反応温度は、60℃~140℃、好ましくは70℃~110℃であることが好ましい。
ステップa)では、圧力は、0.8~3barの範囲であることが好ましい。
反応は、1~24時間の範囲、好ましくは4~12時間の範囲で完了されることが好ましい。
仕上げ作業は、対応するプロセス反応生成物の仕上げ作業のための当業者に公知のプロセス、例えばそのようにして得られた式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーの中和及び濾過によって実施される。
アミドメチル基の加水分解、すなわちアミノメチル基の表出は、ステップb)における少なくとも1種の塩基又は少なくとも1種の酸を用いた処理により実施される。式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーを加水分解させるために、ステップb)において用いられる塩基は、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア又はヒドラジンから選択される。ステップb)において用いられる酸は、好ましくは、硝酸、リン酸、硫酸、塩酸、亜硫酸又は亜硝酸である。ステップb)では、アミドメチル基を加水分解させるため、すなわちアミノメチル基を表出させるために、少なくとも1種の塩基を用いることが好ましい。
ステップb)におけるアミドメチル基の加水分解は、加水分解のために酸を使用する場合、80℃~250℃、好ましくは80℃~190℃の温度で実施することが好ましい。ステップb)における酸の濃度は、水相を基準にして好ましくは5重量%~90重量%の範囲、特に好ましくは10重量%~70重量%である。
ステップb)におけるアミドメチル基の加水分解、すなわちアミノメチル基の表出は、アルカリ金属水酸化物、例えば好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水性又はアルコール性溶液を用いて、80℃~250℃、好ましくは120℃~190℃の温度において、式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーを処理することにより実施することが特に好ましい。水性水酸化ナトリウム溶液の濃度は、水相を基準にして20重量%~60重量%であることが好ましい。
ステップb)におけるアミドメチル基からアミノメチル基への加水分解は、用いられるアミドメチル基の量を基準にして過剰の酸及び/又は塩基を用いて実施することが好ましい。
ステップb)において形成された式(I)のアニオン交換体は、一般的に、中性になるまで脱イオン水を用いて洗浄される。しかしながら、それは、後処理なしで用いることも可能でもある。
式(I)のアニオン交換体を、アルキル化剤を用いた反応による公知のプロセスによってさらに官能化させて、二級、三級及び四級アミン含有アニオン交換体並びにキレート樹脂にすることも可能である。
本発明におけるプロセスにより、アニオン交換体を大量生産することが可能となる。
塩基性の基の量の測定
100mLのアミノメチル化されたポリマーを突き固め容積計中に揺すり込み、次いで脱イオン水を用いてガラスカラム中に洗い込む。1000mLの2重量%水酸化ナトリウム溶液を1時間40分かけて濾過させる。次いで、フェノールフタレインを添加した100mLの溶出液で、0.1N(0.1規定)塩酸の消費量が最大で0.05mLになるまで脱イオン水を濾過させる。
ビーカー中で50mLのこの樹脂を50mLの脱イオン水及び100mLの1N塩酸と混合する。懸濁液を30分間撹拌してから、ガラスカラム中に移し込む。液体をドレーンさせる。さらに100mLの1N塩酸を、20分かけて樹脂中を濾過通過させる。次いで、200mLのメタノールを濾過させる。すべての溶出液を集め、合わせて、メチルオレンジ指示薬で1N水酸化ナトリウム溶液を用いて滴定する。
1リットルのアミノメチル化樹脂中のアミノメチル基の量を次式に従って計算する:(200-V)*20=樹脂1リットルあたりのアミノメチル基のモル量(ここで、Vは、滴定で消費された1N水酸化ナトリウム溶液の容積である)。
塩基性の基のモル量は、樹脂中のアミノメチル基のモル量に対応する。
クロロメチル化された基の量の測定
クロロメチル化された基の量は、乾燥させた樹脂の塩素含量を元素分析で測定することにより、計算する。
実施例1
1a)スチレン、ジビニルベンゼン及びエチルスチレンをベースとする単分散性のマクロポーラスポリマーの製造
10Lのガラス製反応器に、最初に、3000gの脱イオン水並びに320gの脱イオン水中に10gのゼラチン、16gのリン酸水素二ナトリウム・十二水和物及び0.73gのレソルシノールを溶解させた溶液を仕込み、混合する。混合物の温度を25℃に調節する。次いで、撹拌しながら、3.1重量%のジビニルベンゼン及び0.6重量%のエチルスチレン(市販されている、ジビニルベンゼンとエチルスチレンとの異性体混合物(80%ジビニルベンゼン)の形態で使用)、0.4重量%のジベンゾイルペルオキシド、58.4重量%のスチレン及び37.5重量%のイソドデカン(ペンタメチルヘプタンの含量が高い工業グレードの異性体混合物)からなる、狭い粒径分布を有するマイクロカプセル化されたモノマー液滴の混合物3200gを加え、マイクロカプセルは、ゼラチン及びアクリルアミドとアクリル酸とのコポリマーを含むホルムアルデヒドで硬化させた複合コアセルベートからなり、3200gの、pH12を有する水相を添加する。
混合物を撹拌し、25℃から始まり95℃で終わる温度プログラムに従って昇温させることによって重合を完結させる。混合物を冷却し、32μmの篩を通して洗浄してから、減圧下80℃で乾燥させる。
これにより、1893gの、単分散性の粒径分布を有するポリマーが得られる。ポリマー中の細孔の平均直径は、42nmである。
1b)1a)からの単分散性のマクロポーラスポリマーのクロロメチル化
最初に、1120mLの、モノクロロジメチルエーテル、メチラール及び塩化鉄(III)(14.8g/L)の混合物を2リットルのスルホン化フラスコ中に仕込み、次いで240gの、1a)からのビーズポリマーを添加した。混合物を加熱して50℃とし、還流下において50~55℃の範囲で6時間攪拌した。反応時間中、蒸留により塩酸及び低沸点の有機化合物を蒸発/除去した。次いで、反応懸濁液を、1200mLのメタノール、2400mLのメチラール、1200mLのメタノールで3回、最後に脱イオン水を用いて連続的に激しく洗浄した。これにより、590mLの、21.9重量%の塩素含量を有する、水分を含む単分散性のマクロポーラスクロロメチル化ポリマーが得られた。
実施例2
式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーを得るための、実施例1b)からのクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーと、アセトニトリル及び塩化鉄(III)との反応
最初に、21gの、実施例1b)からの水分を含んだクロロメチル化物(0.13molのCl)を丸底フラスコ中に仕込み、その都度100mLのアセトニトリルを用いて2回洗浄する。次いで、ビーズに150mLのアセトニトリル(2.8mol)及び35.1gの塩化鉄(III)六水和物(0.13mol)を添加する。混合物を還流下で6時間加熱してから冷却し、150mLの7重量%塩酸水と室温で混合する。反応溶液から濾過によりビーズを分離し、その都度200mLの脱イオン水を用いて3回洗浄する。
収量:64mLの樹脂
窒素含量:5.5重量%(乾燥樹脂)
実施例3
式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーを得るための、実施例1b)からのクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーと、アセトニトリル及び塩化亜鉛(II)との反応
最初に、21gの、実施例1b)からの水分を含んだクロロメチル化物(0.13molのCl)を丸底フラスコ中に仕込み、その都度100mLのアセトニトリルを用いて2回洗浄する。次いで、ビーズに150mLのアセトニトリル(2.8mol)及び8.9gの塩化亜鉛(II)(0.07mol)を添加する。混合物を還流下で6時間加熱してから冷却し、150mLの7重量%塩酸水と室温で混合する。反応溶液から濾過によりビーズを分離し、その都度200mLの脱イオン水を用いて3回洗浄する。
収量:61mLの樹脂
窒素含量:4.6重量%(乾燥樹脂)
実施例4
式(I)のアニオン交換体を得るための、実施例1b)からのクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーと、アセトニトリル及び過塩素酸亜鉛(II)六水和物との反応
a)最初に、165.8gの、実施例1b)からの水分を含んだクロロメチル化物(1.085molのCl)を丸底フラスコ中に仕込み、その都度500mLのアセトニトリルを用いて2回洗浄する。次いで、ビーズに1200mLのアセトニトリル(22.4mol)及び201.1gの過塩素酸亜鉛(II)六水和物(0.54mol)を添加する。混合物を還流下で20時間加熱してから冷却し、1200mLの7重量%塩酸水と室温で混合する。反応溶液から濾過によりビーズを分離し、その都度200mLの脱イオン水を用いて3回洗浄する。
収量:548mLの樹脂
窒素含量:7.0重量%(乾燥樹脂)
b)実施例4a)からのアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーの加水分解
103.2gの50重量%水酸化ナトリウム水溶液及び232mLの脱イオン水を250mLの、実施例4a)からのアミドメチル化ポリマーに室温で添加する。懸濁液を加熱して、2時間かけて180℃とし、その温度で8時間撹拌する。そのようにして得られたポリマーを、脱イオン水を用いて洗浄する。
アミノメチル化ポリマーの収量:188mL
塩基性の基の量の測定:2.17mol/Lの樹脂
実施例5
式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーを得るための、実施例1b)からのクロロメチル化されたビーズポリマーと、ベンゾニトリル及び塩化亜鉛(II)との反応
最初に、17gの、実施例1b)からの水分を含んだクロロメチル化物(0.11molのCl)を丸底フラスコ中に仕込み、その都度50mLのベンゾニトリルを用いて2回洗浄する。次いで、ビーズに120mLのベンゾニトリル(1.15mol)及び7.2gの塩化亜鉛(II)(0.05mol)を添加する。混合物を80℃で6時間加熱してから冷却し、120mLの7重量%塩酸水と室温で混合する。濾過によりビーズを反応溶液から分離し、その都度200mLのアセトンを用いて3回洗浄し、その都度200mLの脱イオン水を用いて3回洗浄する。
収量:50mLの樹脂
窒素含量:3.5重量%(乾燥樹脂)

Claims (15)

  1. 式(I)
    (式中、
    は、ビニル芳香族ポリマー基である)
    のアニオン交換体を製造するプロセスにおいて、ステップa)において、式(II)
    (式中、
    は、上記で定義された通りである)
    のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、式(III)
    CN (III)
    (式中、R=直鎖状、環状又は分岐状のC~C-アルキル、フェニル又はベンジルであり、且つ前記フェニル及びベンジルは、少なくとも1種の直鎖状、環状又は分岐状のC~C-アルキル基によって置換され得る)
    の少なくとも1種のニトリルと金属含有触媒の存在下で反応されて、式(IV)
    (式中、Rは、上記で定義された通りである)
    のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーをもたらし、及び前記式(IV)のアミドメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、ステップb)において、酸又は塩基との反応によって加水分解されて、前記式(I)のアニオン交換体をもたらすことを特徴とするプロセス。
  2. 式(III)において、R=直鎖状又は分岐状のC~C-アルキルであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記用いられる式(III)のニトリルは、アセトニトリルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記用いられる金属含有触媒は、無機若しくは有機金属(II)、金属(III)若しくは金属(IV)塩又は前記塩の混合物であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記用いられる金属含有触媒は、鉄(II)塩、鉄(III)塩、亜鉛(II)塩、スズ(II)塩又はスズ(IV)塩及び前記化合物の混合物であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記用いられる金属含有触媒は、過塩素酸亜鉛(II)、塩化亜鉛(II)及び塩化鉄(III)並びにそれらの水和物又は前記化合物の混合物であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記用いられる金属含有触媒は、過塩素酸亜鉛(II)であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、クロロメチル化スチレンコポリマーであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記用いられるクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、式(II)のクロロメチル化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーであることを特徴とする、請求項8に記載のプロセス。
  10. ステップa)は、前記用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマー中の塩素の物質量を基準にして100:1~1:1の比率で前記式(III)のニトリルを用いることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. ステップa)は、用いられる式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーの物質量を基準にして1:100~1:0.5の比率で金属含有触媒を用いることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、前記ポリマーの合計物質量を基準にして88mol%~98mol%のモノビニル芳香族モノマー及び2mol%~12mol%のポリビニル芳香族モノマーを含有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. ステップa)において用いられる前記式(II)のクロロメチル化されたビニル芳香族ポリマーは、ステップ1a)において、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物及び少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物並びに少なくとも1種の開始剤のモノマー液滴を反応させることと、ステップ1b)におけるクロロメチル化とによって製造されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. ステップb)における前記加水分解は、80℃~250℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. ステップa)は、式(II)のクロロメチル化されたマクロポーラスビニル芳香族ポリマーを用いることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
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