JP2024516097A - ボルシクリブ(voruciclib)投与レジメンおよびこれを含む治療方法 - Google Patents

ボルシクリブ(voruciclib)投与レジメンおよびこれを含む治療方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、ボルシクリブマロン酸塩を含む製剤に関する。本開示はさらに、様々な投薬レジメンで投与される製剤および任意選択のBCL-2阻害剤を使用して血液がんを治療する方法を提供する。【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本願は、2021年4月10日に出願された米国仮特許出願第63/173,398号、および2021年4月10日に出願された米国仮特許出願第63/173,361号の優先権を主張する国際出願であり、これら出願のそれぞれはその全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、ボルシクリブ(voruciclib)およびその塩を使用した新規の治療方法を提供する。
多数のがん関連治療薬が、第I相または第II相の臨床試験中であり、随時評価されているが、そのほとんどが進展しないことが予想される。事実、90%を超えるがん関連治療薬が、第I相または第II相の臨床試験評価で不適格となることとなると推定される。第III相試験における不適格率はほぼ50%であり、創薬から第III相試験までの新薬開発のコストは8億ドル~17億ドルであり、8~10年かかる可能性がある。さらに、多くの患者は、有効性がわかっている標準的な薬物にも応答しない。現在十分に理解されていない、または容易に評価できない理由から、個々の患者は標準的な薬物療法に反応しない可能性がある。場合によっては、薬物併用での投与は、個別に投与される薬物よりも、がんの治療により有効であり得る。これら薬物併用は、相乗的に作用して、薬物の抗がん活性を高め得る。場合によっては、特に効果のない薬物が、追加の薬物療法との併用で、新たな予想外の使用を見出されることがある。
本開示は、約15%~約35%w/wのボルシクリブマロン酸塩(voruciclib malonate)と一以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む製剤を提供する。いくつかの実施形態では、製剤は、約18%~約30%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、または約28%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約20%~約23%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約5%~約37%w/wの微結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%w/wの微結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約1%~約48%w/wのラクトース一水和物を含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%w/wのラクトース一水和物を含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約20%~約70%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約0.1%~約15%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約1%~約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、または約12%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約0.01%~約10%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.25%、約1.5%、約1.75%、約2%、約3%、約4%、または約5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約0.01%~約10%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、一以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.25%、約1.5%、約1.75%、約2%、約3%、約4%、または約5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、錠剤に構成される。いくつかの実施形態では、錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされる。いくつかの実施形態では、ボルシクリブマロン酸塩は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む。いくつかの実施形態では、ボルシクリブマロン酸塩は、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、結晶性無水物である。いくつかの実施形態では、結晶形は、結晶性水和物である。
本開示は、対象における疾患または障害を治療する方法を提供し、方法は、治療効果のある本明細書に記載される製剤を対象に投与することを含む。本開示はまた、対象における疾患または障害を治療する方法を提供し、方法は、約15%~35%w/wのボルシクリブマロン酸塩、約5%~37%w/wの微結晶セルロース、約1%~約48%w/wのラクトース一水和物、約20%~約70%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物、約0.1%~約15%w/wの炭酸水素ナトリウム、約1%~約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.01%~約10%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む治療効果のある製剤を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、ボルシクリブマロン酸塩は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む。いくつかの実施形態では、ボルシクリブマロン酸塩は、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.01%~約10%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、錠剤に構成され、また錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされる。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、血液がんである。いくつかの実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される。いくつかの実施形態では、製剤は、対象が、約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1,000mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、対象が、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1,000mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、対象が約200mgまたは約250mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、対象が350mgを超えないボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される。いくつかの実施形態では、ボルシクリブ用量は、ボルシクリブ遊離塩基用量である。いくつかの実施形態では、製剤は、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、対象に毎日投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間、対象に毎日投与される。いくつかの実施形態では、製剤の投与は、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される。いくつかの実施形態では、製剤の投与は、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される。いくつかの実施形態では、製剤は、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで対象に投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、BCL-2阻害剤と併用で投与される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤は、ナビトクラクス、ベネトクラクス、A-1155463、A-1331852、ABT-737、オバトクラクス、S44563、TW-37、A-1210477、AT101、HA14-1、BAM7、サブトクラクス(sabutoclax)、UMI-77、ガンボギン酸、マリトクラクス(maritoclax)、MIM1、メチルプレドニゾロン、iMAC2、Bax阻害剤ペプチドV5、Bax阻害剤ペプチドP5、Baxチャネルブロッカー、ARRY 520トリフルオロ酢酸塩、またはそれらのいずれか一つの薬学的に許容可能な塩から選択される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤は、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、対象に毎日投与される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤は、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間、対象に毎日投与される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤の投与は、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤の投与は、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤は、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで対象に投与される。いくつかの実施形態では、BCL-2阻害剤は、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間、対象に投与される。
本開示の前述の発明の概要、ならびに以下の発明を実施するための形態は、添付の図面と併せて読むと、より良く理解されるであろう。
図1Aおよび図1Bは、以下のような固形腫瘍におけるc-MYC発現の減少を示す:第I相の連日投与試験で10種の遺伝子バイオマーカーが評価され、患者17/25名(68%)でc-MYC発現が減少した。 同上。
図2A~図2Cは、肺転移のある患者でのCRを示す;図2AはベースラインのCTスキャンであり、図2Bは試験開始2か月後の、公式の放射線科レポートに基づく放射線CRであり、図2Cは試験開始14か月後であり、患者は12か月間のみ試験を継続し、CRは14か月間持続した。 同上。 同上。
図3A~図3Dは、前臨床モデルにおいて、ボルシクリブが優先的な腫瘍蓄積を示すことを図示している。 同上。 同上。 同上。
図4Aおよび図4Bは、ボルシクリブが、ベネトクラクス(Venetoclax)感受性細胞株およびベネトクラクス(Venetoclax)耐性細胞株においてベネトクラクスと相乗効果を示すことを図示している。 同上。
図5は、ボルシクリブマロン酸塩錠剤の製造工程フロー図である。
図6は、50mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の溶出試験のクロマトグラムである。
図7は、ボルシクリブ塩酸塩カプセルおよびボルシクリブマロン酸塩錠剤の溶出を示すグラフである。
図8Aは、ボルシクリブマロン酸塩の分子構造(立体化学での)である。 図8Bは、ボルシクリブマロン酸塩原薬のX線結晶構造である(バッチ20-07211)。
図9は、HR-XRPDパターン(バルクおよび単結晶についてシミュレーション)のオーバーレイであり、シミュレーションされたXRPDパターンは、単結晶分析から得られた原子位置に基づいて、ケンブリッジ結晶データセンターよりのmercuryソフトウェアを使用して生成した。
図10は、ボルシクリブマロン酸塩のXRPD回折図である。
図11は、ボルシクリブマロン酸塩の合成のための合成スキームである。
図12は、ボルシクリブマロン酸塩の製造工程フロー図である。略語:RSM=出発物質、AcO=無水酢酸、DCM=ジクロロメタン、DM=ジメチルホルムアミド、EtN=トリエチルアミン、NaH=水素化ナトリウム、2-methyl-THF=2-メチルテトラヒドロフラン、BFEtO=三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、IPA=イソプロピルアルコール
図13A~図13Fは、ボルシクリブマロン酸塩の製造に関する化学変換を示す。図13Aは、中間体1の合成を示す。図13Bは、中間体2の合成を示す。図13Cは、中間体3の合成を示す。図13Dは、中間体4の合成を示す。図13Eは、中間体5の合成を示す。図13Fは、中間体5からのボルシクリブマロン酸塩の合成を図示する。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。
本開示の好ましい実施形態を本明細書に示し説明しているが、このような実施形態は、単に例示として提供され、本開示の範囲を別途限定することを意図するものではない。本開示の記述された実施形態に対する様々な代替手段が、本開示を実施する際に用いられてもよい。
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に参照される全ての特許および刊行物は、参照によりその全体が組み込まれる。
用語「固体形態」は、結晶性遊離塩基および結晶性塩を含む、結晶性固体形態または相を指し得る。
本明細書で使用される場合、用語「同時投与」、「同時投与すること」、「併用して投与された」、「併用して投与すること」は、対象に二以上の薬剤を投与することを含み、その結果、薬剤および/またはその代謝物の両方が対象に同時に存在する。同時投与には、別個の組成物での同時投与、別個の組成物での異なる時点での投与、または二以上の薬剤が存在する組成物での投与が含まれる。
用語「有効量」または「治療有効量」は、疾患の治療を含むがこれに限定されない、意図される用途に影響を与えるのに十分な量の本明細書に記載の化合物または化合物の組み合わせを指す。治療有効量は、意図される用途(インビトロまたはインビボ)、または治療される対象および疾患の状態(例えば、対象の体重、年齢、および性別)、疾患状態の重症度、当業者によって容易に決定できる投与方法などに応じて変動し得る。この用語はまた、標的細胞において特定の応答(例えば、CDK阻害)を誘発することとなる用量にも適用される。特定の用量は、選択された特定の化合物、従うべき投与レジメン、化合物が他の化合物との併用で投与されるかどうか、投与のタイミング、投与される組織、および化合物を運搬する身体送達システムに応じて変動することとなる。
本明細書で使用される場合、用語「相乗的な」または「相乗効果」または「相乗作用」は、概して、組成物の組み合わせの一以上の効果が、各成分単独の一以上の効果よりも大きく、または各成分単独の一以上の効果の総和よりも大きくなり得る効果を指す。相乗効果は、組成物の一つが単独で対象に及ぼす効果、または別個に投与した場合の各組成物の相加効果よりも、約10%、20%、30%、50%、75%、100%、110%、120%、150%、200%、250%、350%、または500%、またはそれ以上を超え得る。効果は、本明細書に記載される測定可能な効果のいずれかであり得る。有利には、併用した場合の薬剤間のこのような相乗効果は、一方または両方の薬剤のより低用量の使用を可能にし、同じ用量でより高い効果を提供し、多剤耐性の蓄積を防止または遅延させ得る。Chou-Talalay法でのcombination index(CI)を使用して、併用する薬剤の相乗効果、相加効果または拮抗作用効果を決定することができる。CI値が1未満の場合、併用する化合物間に相乗効果があり、CI値が1に等しい場合、併用する化合物間に相加効果があり、またCI値が1より大きい場合、拮抗効果がある。相乗効果は、薬学的併用の薬剤を共製剤化することによって達成され得る。相乗効果は、同時または順次投与される別個の製剤として二以上の薬剤を投与することによって達成することもできる。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、細胞周期の特定の段階で活性化される酵素のファミリーである。CDKは、触媒サブユニット(実際のサイクリン依存性キナーゼまたはCDK)および調節サブユニット(サイクリン)からなる。少なくとも九種類のCDK(CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9など)と、少なくとも15種類の異なる種類のサイクリン(サイクリンA、B1、B2、D1、D2、D3、E、Hなど)がある。細胞周期の各ステップは、以下のこうしたCDK複合体によって調節される:G1/S期(CDK2/サイクリンA、CDK4/サイクリンD1~D3、CDK6/サイクリンD3)、S相(CDK2/サイクリンA)、G2相30(CDK1/サイクリンA)、G2/M期相(CDK1/サイクリンB)。
本明細書で使用される場合、用語「CDK阻害剤」は、一つまたは複数のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害することができる薬剤を指す。がんなどの多くの疾患状態では、これらキナーゼの異常発現および過剰発現が実証されている。本発明の文脈において、本明細書に記載の医薬併用のCDK阻害剤は、式I、Ia、もしくはIbの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であり得る。本開示の化合物は、CDK1/サイクリンB、CDK2/サイクリンE、CDK4/サイクリンD、CDK4/サイクリンD1、およびCDK9/サイクリンT1のうちの一つまたは複数を特異的に阻害し得る。特定の実施形態では、本開示の化合物は、CDK9/サイクリンT1またはCDK9を特異的に阻害する。
がん、例えば、白血病、リンパ腫および乳がんの治療のための併用療法が本明細書に開示されている。本明細書に記載される方法および組成物は、式I、Ia、もしくはIbの化合物またはその薬学的に許容可能な塩などのサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤を含み得る。一部の例では、併用療法は、プロテアソーム阻害剤と組み合わせたCDK阻害剤を含み得る。他の例では、併用療法は、BCL-2阻害剤と組み合わせたCDK阻害剤を含み得る。
特定の実施形態では、本開示のCDK阻害剤は、米国特許第7,271,193号、第7,915,301号、第8,304,449号、第7,884,127号、第8,563,596号に開示されている化合物によって表され、それら各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
用語「QD」、「qd」、または「q.d.」は、毎日(quaque die)、一日一回、または毎日一回を意味する。用語「BID」、「bid」、または「b.i.d.」は、一日につき二回(bis in die)、一日二回、または毎日二回を意味する。用語「TID」、「tid」、または「t.i.d.」は、一日につき三回(ter in die)、一日三回、または毎日三回を意味する。用語「QID」、「qid」、または「q.i.d.」は、一日につき四回(quater in die)、一日四回、または毎日四回を意味する。
本明細書で使用される用語としての「治療効果」は、上述の治療的利益および/または予防的利益を包含する。予防効果は、疾患もしくは状態の出現を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の症状の発症を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の進行を遅延、停止、もしくは逆行させること、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
本明細書で使用される場合、用語「遊離塩基投与量」または「遊離塩基用量」は、塩換算係数を使用して薬物の塩の量で置換することができる、薬物のその遊離塩基形態での量を指す。
用語「薬学的に許容可能な塩」は、フマル酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、L-酒石酸塩、エシル酸塩、ベシル酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、ゲンチシン酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩対イオンなどを含む、様々な有機および無機の対イオンから誘導される塩を指す。薬学的に許容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸で形成され得る。
「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な賦形剤」は、あらゆる溶媒、分散剤、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤を含むことが意図される。任意の従来的な溶媒または薬剤が、活性成分と互換性がない場合を除いて、本開示の治療用組成物におけるその使用が企図される。補足的な活性成分も、記載される組成物に組み込まれ得る。
用語「インビボ」は、対象の体内で起こる事象を指す。
用語「インビトロ」は、対象の体外で起こる事象を指す。インビトロアッセイは、生存または死滅した細胞が用いられる細胞ベースのアッセイを包含し、またインタクトな細胞が用いられない無細胞アッセイも包含し得る。
用語「顆粒外」は、顆粒外の物質、例えば、顆粒(造粒プロセスによって形成される多粒子性成形体)に添加され、顆粒と物理的に混合されるが、顆粒内には含有されない物質を指す。
用語「顆粒内」は、顆粒(造粒プロセスによって形成される多粒子性成形体)内にある物質を指す。顆粒は、湿式造粒法(すなわち、水分または蒸気、熱、溶融、凍結、発泡、および他のプロセスを使用して調製される)または乾式造粒法などのプロセスによって形成され得る。
用語「酸性化剤(acidulant)」は、酸性度を増加させる物質を指す。
用語「透過」または「透過モード」は、粉末X線回折と併せて使用される場合、透過(デバイ-シェラー法としても知られる)サンプリングモードを指す。用語「反射」または「反射モード」は、粉末X線回折と併せて使用される場合、反射(ブラッグ-ブレンターノとしても知られる)サンプリングモードを指す。
別段の記載がない限り、本明細書に描写される化学構造は、一つまたは複数の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことが意図される。例えば、一つもしくは複数の水素原子が重水素もしくはトリチウムで置換された化合物、または一つもしくは複数の炭素原子が13Cもしくは14C濃縮炭素で置換された化合物は、本開示の範囲内である。
例えば、分子量または化学式などの物理的または化学的な特性を記述するために範囲が本明細書で使用される場合、範囲のすべての組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにその中の特定の実施形態が含まれることが意図される。数値または数値範囲を指す場合の「約」または「およそ」という用語の使用は、言及される数値または数値範囲が、実験変動範囲内(または統計的実験誤差内)の近似であることを意味し、したがって、数値または数値範囲は、例えば、記載された数値または数値範囲の1%~15%の間で変動し得る。用語「含むこと(comprising)」(および「含む(comprise)」もしくは「含む(comprises)」もしくは「有すること(having)」もしくは「含むこと(including)」などの関連用語)は、例えば、記載される特徴から「なる」または記載される特徴から「本質的になる」任意の物質組成、方法またはプロセスの実施形態などであるそれら実施形態を含む。
本明細書で使用される場合、「エナンチオマー純度」とは、他のエナンチオマーと比較した特定のエナンチオマーの存在のパーセンテージとして表される相対量を指す。例えばある化合物は、(R)-または(S)-異性体配置を有する可能性があり、それがラセミ混合物として存在する場合、そのエナンチオマー純度は(R)-または(S)-異性体のいずれかに関して約50%である。その化合物が、例えば、80%の(S)-異性体および20%の(R)-異性体など一方の異性体形態が他方よりも優勢である場合、(S)-異性体形態に関して化合物のエナンチオマー純度は、80%である。化合物のエナンチオマー純度は、多くの方法で決定することができ、キラル支持体を使用するクロマトグラフィー、偏光の回転の偏光測定、キラル錯体を含有するランタニドもしくはピルクル試薬を含むがこれに限定されないキラルシフト試薬を使用した核磁気共鳴分光法、またはモッシャー酸などのキラル化合物を使用した化合物の誘導体化とそれに続くクロマトグラフィーまたは核磁気共鳴分光法を含むが、これに限定されない。
好ましい実施形態では、エナンチオマー濃縮組成物は、単位質量当たりの治療的有用性に関して、その組成物のラセミ混合物がもつよりも高い効力を有する。エナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に公知の方法によって混合物から単離することができ、または好ましいエナンチオマーは、不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions,Wiley Interscience,New York,1981、Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds,McGraw-Hill,NY,1962、およびEliel and Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,Wiley-Interscience,New York,1994を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「エナンチオマー濃縮」および「非ラセミ」という用語は、一方のエナンチオマーの重量パーセントが、ラセミ組成物の制御混合物においてその一つのエナンチオマーの量を超える(例えば、重量で1:1よりも大きい)組成物を指す。例えば、(S)-エナンチオマーのエナンチオマー濃縮調製物は、(R)-エナンチオマーに対して50重量%超の(S)-エナンチオマー、例えば少なくとも75重量%、または例えば少なくとも80重量%を有する化合物の調製を意味する。一部の実施形態では、濃縮は、80重量%を有意に超え得、これにより一方のエナンチオマーの重量%が、もう一方のエナンチオマーに対して少なくとも85重量%、例えば少なくとも90重量%、または例えば少なくとも95重量%を有する組成物の調製物を指す「実質的にエナンチオマー濃縮された」または「実質的に非ラセミ」の調製物が提供される。用語「エナンチオマー的に純粋」または「実質的にエナンチオマー的に純粋」は、単一のエナンチオマーを少なくとも98%で、またもう一方のエナンチオマーを2%未満で含む組成物を指す。
「部分」は、ある分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学部分は、分子内に埋め込まれた、または分子に付加された化学実体として認識されることが多い。
「互変異性体」は、互変異性化によって相互変換される構造的に別個の異性体である。「互変異性化」は、異性化の一形態であり、酸塩基化学のサブセットとみなされるプロトトロピックまたはプロトンシフト互変異性化を含む。「プロトトロピック互変異性化」または「プロトンシフト互変異性化」は、結合順序の変更を伴うプロトンの移動、多くの場合、単結合と隣接する二重結合との交換を伴う。互変異性化が可能である場合(例えば、溶液中)、互変異性体の化学平衡に達することができる。互変異性化の例には、ケト-エノール互変異性化がある。ケト-エノール互変異性化の具体的な例には、ペンタン-2,4-ジオンおよび4-ヒドロキシペント-3-エン-2-オン互変異性体の相互変換がある。互変異性化の別の例には、フェノール-ケト互変異性化がある。異なる互変異性化状態での固体形態の形成は、「デスモトロピー(desmotropy)」として知られており、そのような形態は、「desmotrope」として知られている。
本開示の組成物はまた、例えば、多形体、疑似多形体、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形体(無水物を含む)、および立体構造多形体、ならびにそれらの混合物を含む、式(1)の結晶形態を含み得る。「結晶形態」、「形態」、および「多形体」は、特定の結晶形態が言及されない限り、例えば、多形体、疑似多形体、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形体(無水物を含む)、および立体構造多形体、ならびにそれらの混合物を含む、化合物のすべての結晶形態を含むことが意図される。
「溶媒和物」とは、溶媒の一以上の分子と物理的に結合する化合物の結晶相を指す。一以上の水分子と物理的に結合する化合物の結晶相は、「水和物」と呼ばれる。
「非晶質形態」とは、広範囲の結晶秩序を欠く、化合物または化合物の塩もしくは分子錯体の形態を指す。
ボルシクリブ(Voruciclib
ボルシクリブは、例えば、米国特許第7,271,193号、第7,915,301号、第8,304,449号、第7,884,127号、および第8,563,596号に記載されるCDK阻害剤であり、これら特許はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、ボルシクリブは、(+)-トランス-2-(2-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-(2-ヒドロキシメチル-1-メチルピロリジン-3-イル)-クロメン-4-オンを指す。いくつかの実施形態では、ボルシクリブは、2-(2-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-((2R,3S)-2-ヒドロキシメチル-1-メチルピロリジン-3-イル)-4H-クロメン-4-オンを指す。
ボルシクリブ塩および/またはその多形体、およびその作製方法および使用方法は、例えば、その全体が本明細書に組み込まれる国際特許出願の公開公報である国際公開第2020/210760号に記載されている。
本開示は、例えばボルシクリブ、BCL-2阻害剤、プロテアソーム阻害剤などの本明細書に記載される任意の化合物の薬学的に許容可能な塩を提供する。薬学的に許容可能な塩としては、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩を形成するために化合物に付加される酸は、有機酸または無機酸であってもよい。塩基付加塩を形成するために化合物に付加される塩基は、有機塩基または無機塩基であってもよい。一部の例では、薬学的に許容可能な塩は金属塩である。一部の例では、薬学的に許容可能な塩はアンモニウム塩である。
酸付加塩は、本明細書に記載の化合物への酸の付加から生じ得る。一部の例では、酸は有機酸である。一部の例では、酸は無機酸である。好適な酸の非限定的な例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸(gentisinic acid)、グルコン酸、グルカロン酸(glucaronic acid)、サッカリン酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、グリコール酸、リンゴ酸、ケイ皮酸、マンデル酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、エンボン酸、フェニル酢酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、2-ホスホグリセリン酸、3-ホスホグリセリン酸、グルコース-6-リン酸、およびアミノ酸が挙げられる。
金属塩は、本発明の化合物への無機塩基の付加から生じ得る。無機塩基は、例えば、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、またはリン酸塩などの塩基性対イオンと対の金属カチオンからなる。金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属とすることができる。いくつかの実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
いくつかの実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
アンモニウム塩は、本明細書に記載の化合物へのアンモニアまたは有機アミンの付加から生じ得る。好適な有機アミンの非限定的な例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール、ピピラゾール(pipyrrazole)、イミダゾール、ピラジン、ピピラジン(pipyrazine)、エチレンジアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、プロカイン、クロロプロカイン、コリン、ジシクロヘキシルアミン、およびN-メチルグルカミンが挙げられる。
好適なアンモニウム塩の非限定的な例としては、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N-メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N-メチルピペリジン塩、N-エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、ピピラゾール(pipyrrazole)塩、イミダゾール塩、ピラジン塩、ピピラジン(pipyrazine)塩、エチレンジアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、プロカイン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN-メチルグルカミン塩が挙げられる。
好適な酸付加塩の非限定的な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、二水素リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、4-アミノサリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate salt)、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate salt)、サッカラート(saccarate)塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、メチルマレイン酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、ケイ皮酸塩、マンデル酸塩、2-フェノキシ安息香酸塩、2-アセトキシ安息香酸塩、エンボン酸塩、フェニル酢酸塩、N-シクロヘキシルスルファミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、エタン-1,2-ジスルホン酸塩、4-メチルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩、2-ホスホグリセリン酸塩、3-ホスホグリセリン酸塩、グルコース-6-リン酸塩、およびアミノ酸塩が挙げられる。
いくつかの態様では、本明細書に記載される組み合わせ、例えば、CDK阻害剤とBCL-2阻害剤またはプロテアソーム阻害剤との組み合わせが、がんの治療に利用され得る。本明細書に記載の併用療法は、それを必要とする対象における転移の可能性を低減することができる。いくつかの実施形態では、転移は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、転移は液性腫瘍である。液性腫瘍のがんは、例えば、血液、骨髄、およびリンパ節で発生するものであり得、例えば、白血病、骨髄性白血病、リンパ性白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、黒色腫、および多発性骨髄腫を含み得る。白血病には、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、および有毛細胞白血病が含まれる。固形腫瘍のがんは、例えば、前立腺がん、精巣がん、乳がん、脳腫瘍、膵がん、結腸がん、甲状腺がん、胃がん、肺がん、卵巣がん、カポジ肉腫、皮膚がん、扁平上皮細胞性皮膚がん、腎がん、頭頸部がん、咽頭がん、鼻、口、喉の湿った粘膜層に形成される扁平上皮がん、膀胱がん、骨肉腫、子宮頸がん、子宮内膜がん、食道がん、肝がん、および腎がんを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法によって治療される状態は、メラノーマ細胞、前立腺がん細胞、精巣がん細胞、乳がん細胞、脳腫瘍細胞、膵がん細胞、結腸がん細胞、甲状腺がん細胞、胃がん細胞、肺がん細胞、卵巣がん細胞、カポジ肉腫細胞、皮膚がん細胞、腎がん細胞、頭頸部がん細胞、咽頭がん細胞、扁平上皮がん細胞、膀胱がん細胞、骨肉腫細胞、子宮頸がん細胞、子宮内膜がん細胞、食道がん細胞、肝がん細胞、または腎がん細胞の転移である。
本明細書に記載される方法はまた、転移性がん腫瘍の進行を阻害するためにも使用され得る。がんの非限定的な例としては、副腎皮質がん、小児副腎皮質がん、AIDS関連がん、肛門がん、虫垂がん、基底細胞がん、小児基底細胞がん、膀胱がん、小児膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、小児星細胞腫、小児脳幹神経膠腫、小児中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、小児中枢神経系胚芽腫、小児中枢神経系胚細胞性腫瘍、小児頭蓋咽頭腫脳腫瘍、小児上衣腫脳腫瘍、乳がん、小児気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、小児カルチノイド腫瘍、消化管カルチノイド腫瘍、原発不明がん、原発不明小児がん、小児心臓腫瘍、子宮頸がん、小児子宮頸がん、小児脊索腫、慢性骨髄増殖性疾患、結腸がん、結腸直腸がん、小児結腸直腸がん、肝外胆管がん、非浸潤性乳管がん(DCIS)、子宮内膜がん、食道がん、小児食道がん、小児感覚神経芽腫、眼がん、骨悪性線維性組織球腫、胆嚢がん、胃部(胃)がん、小児胃部がん、消化管間質腫瘍(GIST)、小児消化管間質腫瘍(GIST)、小児頭蓋外胚細胞性腫瘍、性腺外胚細胞性腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、頭頸部がん、小児頭頸部がん、肝細胞がん、下咽頭がん、腎がん、腎細胞腎がん、ウィルムス腫瘍、小児腎腫瘍、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、小児喉頭がん、白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(cml)、有毛細胞白血病、***がん、肝がん(原発性)、小児肝がん(原発性)、上皮内小葉がん(LCIS)、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫(CNS)、黒色腫、小児黒色腫、眼内黒色腫、メルケル細胞がん、悪性中皮腫、小児悪性中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部がん、NUT遺伝子関与正中線がん、口腔がん、小児多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成新生物、骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、鼻腔がん、上咽頭がん、小児上咽頭がん、神経芽腫、口腔がん、小児口腔がん、中咽頭がん、卵巣がん、小児卵巣がん、上皮性卵巣がん、低悪性度腫瘍卵巣がん、膵がん、小児膵がん、膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)、小児乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、小児胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎盂移行細胞がん、網膜芽細胞腫、唾液腺がん、小児唾液腺がん、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポジ肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、小児横紋筋肉腫、軟部組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、小児皮膚がん、非黒色腫皮膚がん、小腸がん、扁平上皮細胞性皮膚がん、小児扁平上皮細胞性皮膚がん、精巣がん、小児精巣がん、咽頭がん、胸腺腫および胸腺がん、小児胸腺腫および胸腺がん、甲状腺がん、小児甲状腺がん、尿管移行細胞がん、尿道がん、子宮内膜がん、膣がん、外陰がん、およびワルデンストレームマクログロブリン血症が挙げられる。
本明細書に記載の併用療法は、放射線療法などの他の療法と併用されてもよい。化学療法および放射線療法の治療レジメンは、投薬療法とそれに続く休薬療法による有限のサイクル数を含むか、または化学療法もしくは放射線療法が施与される有限の時間枠を含むことができる。プロトコルは、治療される対象と併せて、臨床試験、薬物ラベル、および臨床スタッフによって決定され得る。化学療法もしくは放射線療法のサイクル数、または化学療法もしくは放射線療法のレジメンの総時間長は、がん療法に対する対象の応答に応じて変動し得る。本明細書に記載の医薬品は、化学療法または放射線療法の治療レジメンが完了した後に投与することができる。
いくつかの態様では、本明細書に記載の組み合わせは、それを必要とする対象を治療するために利用することができる。一部の例では、本明細書に開示される方法および組成物によって治療される対象は、ヒト対象であり得る。本明細書に開示される方法および組成物によって治療される対象は、非ヒト動物であり得る。非ヒト動物の非限定的な例としては、非ヒト霊長類、家畜動物、家庭用ペット、および実験動物が挙げられ得る。
結晶形態
一実施形態では、本開示は、ボルシクリブの結晶固体形態を提供する。一実施形態では、本開示は、ボルシクリブ遊離塩基の結晶固体形態を提供する。一実施形態では、本開示は、ボルシクリブ塩の結晶固体形態を提供する。本開示は、例えば結晶形などであるボルシクリブの多形体を提供する。いくつかの実施形態では、多形体は、遊離塩基ボルシクリブを含む。いくつかの実施形態では、多形体は、1,5-ナフタレンジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ジベンゾイル-L-酒石酸、エタンスルホン酸、ゲンチシン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、オルトリン酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸などから選択される酸に対応する対イオンを含むボルシクリブ塩を含む。
本明細書に記載される任意の結晶形態は、X線回折によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、X線回折は、X線粉末回折を指す。いくつかの実施形態では、X線回折は、透過モードまたは反射モードを使用して測定され得る。一実施形態では、本明細書の任意の実施形態のX線回折パターンは、透過モードで測定される。一実施形態では、本明細書の任意の実施形態のX線回折パターンは、反射モードで測定される。測定条件(使用される装置、試料調製または機器など)に応じて、一以上の測定誤差を有するX線粉末回折パターンが取得され得ることが当技術分野で知られている。特に、X線粉末回折パターンの強度は、測定条件および試料調製に応じて変動し得ることが一般的に知られている。例えば、X線粉末回折の技術分野の当業者は、ピークの相対強度が、供試される試料の配向に応じて、および使用される機器の種類および設定に基づいて変動し得ることを認識するであろう。当業者はまた、反射の位置は、回折計で試料が載っている位置の正確な高さ、試料の表面平面性、および回折計のゼロ較正によって影響され得ることを認識するであろう。したがって、当業者であれば、本明細書に提示される回折パターンデータは、絶対的なものとして解釈されるべきではなく、本明細書に開示したものと実質的に同じ粉末回折パターンを提供するあらゆる結晶形態が、本開示の範囲内にあると理解するであろう。さらなる情報については、Jenkins and Snyder,Introduction to X-Ray Powder Diffractometry,John Wiley&Sons,1996を参照されたい。
非結晶形態と比較して、様々な結晶形態が、熱力学的安定性の向上、溶出速度の向上、胃および胃部環境での性能の向上(より高いpHへの変化時の溶液からの沈殿の回避または低減を含む)、哺乳動物における曝露の向上、および患者に適した最終製品への薬物の製剤化のための優れた加工可能性などの驚くべき利点を提供し得る。
一実施形態では、本開示は、以下から選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、ボルシクリブマロン酸塩の結晶形、および/またはボルシクリブマロン酸塩の多形結晶形(Mao1)を提供する。
いくつかの実施形態では、各ピークは独立して、±0.1°、±0.2°、または±0.3°の変動を含み得る。
一実施形態では、本開示は、以下から選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、ボルシクリブシュウ酸塩の結晶形、および/またはボルシクリブシュウ酸塩の多形結晶形(Oxa1)を提供する。
いくつかの実施形態では、各ピークは独立して、±0.1°、±0.2°、または±0.3°の変動を含み得る。
一実施形態では、本開示は、以下から選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、ボルシクリブリン酸塩の結晶形、および/またはボルシクリブリン酸塩の多形結晶形(Pho1)を提供する。
いくつかの実施形態では、各ピークは独立して、±0.1°、±0.2°、または±0.3°の変動を含み得る。
一実施形態では、本開示は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を提供する。いくつかの実施形態では、X線回折パターンは、上記のピーク群から選択される、少なくとも一つのピーク、少なくとも二つのピーク、少なくとも三つのピーク、少なくとも四つのピーク、少なくとも五つのピークなどを含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、ボルシクリブマロン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、水和ボルシクリブマロン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、無水ボルシクリブマロン酸塩を含む。
一実施形態では、本開示は、5.06°±0.2°、6.42°±0.2°、9.34°±0.2°、10.14°±0.2°、12.30°±0.2°、13.66°±0.2°、14.14°±0.2°、15.82°±0.2°、17.02°±0.2°、19.74°±0.2°、20.38°±0.2°、21.82°±0.2°、22.66°±0.2°、24.62°±0.2°、25.78°±0.2°、26.58°±0.2°、28.66°±0.2°、および29.98°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を提供する。いくつかの実施形態では、X線回折パターンは、上記のピーク群から選択される、少なくとも一つのピーク、少なくとも二つのピーク、少なくとも三つのピーク、少なくとも四つのピーク、少なくとも五つのピークなどを含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、水和ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、無水ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩を含む。
一実施形態では、本開示は、4.94°±0.2°、6.78°±0.2°、9.34°±0.2°、10.94°±0.2°、12.70°±0.2°、13.38°±0.2°、14.90°±0.2°、15.66°±0.2°、17.54°±0.2°、18.82°±0.2°、22.02°±0.2°、23.98°±0.2°、24.78°±0.2°、25.30°±0.2°、26.66°±0.2°、および29.98°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を提供する。いくつかの実施形態では、X線回折パターンは、上記のピーク群から選択される、少なくとも一つのピーク、少なくとも二つのピーク、少なくとも三つのピーク、少なくとも四つのピーク、少なくとも五つのピークなどを含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、ボルシクリブリン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、水和ボルシクリブリン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、無水ボルシクリブリン酸塩を含む。
一実施形態では、本開示は、6.86°±0.2°、12.66°±0.2°、13.58°±0.2°、14.74°±0.2°、15.98°±0.2°、19.38°±0.2°、23.94°±0.2°、24.78°±0.2°、および25.94°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を提供する。いくつかの実施形態では、X線回折パターンは、上記のピーク群から選択される、少なくとも一つのピーク、少なくとも二つのピーク、少なくとも三つのピーク、少なくとも四つのピーク、少なくとも五つのピークなどを含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、ボルシクリブシュウ酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、水和ボルシクリブシュウ酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、無水ボルシクリブシュウ酸塩を含む。
一実施形態では、本開示は、9.02°±0.2°、10.50°±0.2°、11.06°±0.2°、12.30°±0.2°、12.82°±0.2°、13.90°±0.2°、14.82°±0.2°、15.30°±0.2°、15.94°±0.2°、17.26°±0.2°、19.34°±0.2°、20.62°±0.2°、22.18°±0.2°、22.86°±0.2°、24.58°±0.2°、25.42°±0.2°、25.86°±0.2°、27.38°±0.2°、および28.66°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を提供する。いくつかの実施形態では、X線回折パターンは、上記のピーク群から選択される、少なくとも一つのピーク、少なくとも二つのピーク、少なくとも三つのピーク、少なくとも四つのピーク、少なくとも五つのピークなどを含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、ボルシクリブナパジシル酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、水和ボルシクリブナパジシル酸塩を含む。いくつかの実施形態では、結晶形は、無水ボルシクリブナパジシル酸塩を含む。
医薬組成物
一実施形態では、本開示は、ボルシクリブ遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、本開示は、ボルシクリブ塩の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は典型的には、活性成分として、治療有効量のボルシクリブの固体形態またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を提供するように製剤化される。必要に応じて、医薬組成物は、その薬学的に許容可能な塩、および一以上の薬学的に許容可能な賦形剤、不活性固体希釈剤および充填剤を含む担体、希釈剤、透過促進剤、可溶化剤、またはアジュバントを含有する。医薬組成物はまた、本明細書に記載されるように、酸性化剤を含有してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、本開示の医薬組成物中に提供されるボルシクリブの固体形態の濃度は、独立して、医薬組成物の総質量または総体積に対して例えば100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、または0.001%w/w、w/vまたはv/vより少ない。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、本開示の医薬組成物中に提供されるボルシクリブの固体形態の濃度は、独立して、医薬組成物の総質量または総体積に対して90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、または0.001%w/w、w/vまたはv/vを超える。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の濃度は、独立して、医薬組成物の総質量または総体積に対しておよそ0.0001%~およそ50%、およそ0.001%~およそ40%、およそ0.01%~およそ30%、およそ0.02%~およそ29%、およそ0.03%~およそ28%、およそ0.04%~およそ27%、およそ0.05%~およそ26%、およそ0.06%~およそ25%、およそ0.07%~およそ24%、およそ0.08%~およそ23%、およそ0.09%~およそ22%、およそ0.1%~およそ21%、およそ0.2%~およそ20%、およそ0.3%~およそ19%、およそ0.4%~およそ18%、およそ0.5%~およそ17%、およそ0.6%~およそ16%、およそ0.7%~およそ15%、およそ0.8%~およそ14%、およそ0.9%~およそ12%、またはおよそ1%~およそ10%w/w、w/vまたはv/vの範囲にある。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの濃度は、独立して、医薬組成物の総質量または総体積に対して、およそ0.001%~およそ10%、およそ0.01%~およそ5%、およそ0.02%~およそ4.5%、およそ0.03%~およそ4%、およそ0.04%~およそ3.5%、およそ0.05%~およそ3%、およそ0.06%~およそ2.5%、およそ0.07%~およそ2%、およそ0.08%~およそ1.5%、およそ0.09%~およそ1%、およそ0.1%~およそ0.9%w/w、w/v、またはv/vの範囲にある。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの量は、独立して、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002gまたは0.0001g以下である。一実施形態では、固体形態は、
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の量は、独立して、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、または3gより多い。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の各々は、広い投与量範囲にわたって有効である。例えば、成人ヒトの治療では、投与量は、独立して、一日当たり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mg、一日当たり2~40mg、および一日当たり5~25mgの範囲であり、使用され得る投与量の例である。正確な投与量は、投与経路、化合物が投与される形態、治療される対象の性別および年齢、治療される対象の体重、ならびに担当医の選好および経験に依存することとなる。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
選択された実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと経口投与に適した薬学的賦形剤とを含む、経口投与用の医薬組成物を提供する。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
選択された実施形態では、本開示は、(i)本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする有効量のボルシクリブ、および(ii)経口投与に適した医薬賦形剤を含む経口投与用の固体の医薬組成物を提供する。選択された実施形態では、組成物は、(iii)有効量の別の有効な医薬品成分をさらに含む。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
選択された実施形態では、医薬組成物は、経口摂取に適した液体の医薬組成物であってもよい。経口投与に適した本開示の医薬組成物は、カプセル、小袋、もしくは錠剤、または液体もしくはエアロゾルのスプレーなどの個別の剤形として提示することができ、この各々が粉末、または顆粒で、水性もしくは非水性の液体中、水中油型エマルションもしくは油中水型エマルション中の溶液または懸濁液として、所定量の活性成分を含有する。本開示の医薬組成物はまた、再構成用の粉末、経口消費用の粉末、ボトル(ボトル内の粉末または液体など)、経口溶解フィルム、トローチ、ペースト、チューブ、ガム、およびパックを含む。こうした剤形は、調剤法のいずれかによって調製することができるが、すべての方法は、一以上の必要な成分を構成する担体と活性成分を会合させる工程を含む。概して、組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉化固体担体またはその両方と均一かつ密接に混合し、次いで必要に応じて、生成物を所望の提示に成形することによって調製される。例えば、錠剤は、圧縮または成形によって、随意に一以上の副成分を伴って調製することができる。圧縮錠剤は、粉末または顆粒などの自由流動形態で活性成分を適切な機械で圧縮することによって調製することができ、任意選択的に、以下に限定されない結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、および/または表面活性剤もしくは分散剤などの賦形剤と混合される。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製することができる。
本開示は、水が一部の化合物の分解を促進する可能性があることを理由に、無水の医薬組成物および剤形をさらに包含する。例えば、貯蔵寿命または製剤の経時的な安定性などの特性を決定するために、長期貯蔵をシミュレートする手段として、製薬技術で水を添加してもよい(例えば、5%)。本開示の無水の医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製され得る。ラクトースを含有する本開示の医薬組成物および剤形は、製造、包装、および/または保管中に水分および/または湿度と実質的に接触することが予想される場合に、無水にさせることができる。無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように調製および保管され得る。したがって、無水組成物は、適切な配合キットに含まれ得るように、水への曝露を防止する公知の材料を使用して包装され得る。好適な包装の例としては、限定されるものではないが、気密密封されるホイル、プラスチックなど、単位用量容器、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態の各々は、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体と密接な混合で配合することができる。担体は、投与に望ましい調製形態に応じて、多種多様な形態を取ることができる。経口剤形のための組成物を調製する際に、通常の医薬媒体のいずれかを担体として採用することが可能であり、例えば、経口液体調製物(懸濁液、溶液、およびエリキシルなど)もしくはエアロゾルの場合には、水、グリコール、オイル、アルコール、香味料、防腐剤、着色剤など、または経口固体調製物の場合には、デンプン、糖類、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム(sodium cross carmelose)、ステアリン酸マグネシウム、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤などの担体を、一部の実施形態ではラクトースを使用することなく、使用することができる。例えば、適切な担体は、固体経口調製物では、粉末、カプセル、および錠剤を含む。必要に応じて、錠剤は、標準的な水性または非水性の技術によってコーティングされ得る。
医薬組成物および剤形での使用に適した結合剤としては、限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、およびその混合物が挙げられる。
本明細書に開示される医薬組成物および剤形で使用するための好適な充填剤の例としては、限定されるものではないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストラン、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。
崩壊剤は、水性環境に曝露したときに崩壊する錠剤を提供するために、本開示の組成物中で使用され得る。崩壊剤が多すぎると、ボトル内で崩壊する錠剤が製造され得る。少なすぎると崩壊が起こるには不十分となり得、それ故に剤形からの活性成分の放出の速度および程度が変化する。したがって、活性成分の放出を悪化させるような少なすぎる量でも多すぎる量でもない十分な量の崩壊剤を使用して、本明細書に開示される化合物の剤形が形成され得る。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類および投与様式に基づいて変動し得、これは当業者には容易に認識され得る。約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、または約1~約5重量パーセントの崩壊剤が、医薬組成物に使用され得る。本開示の医薬組成物および剤形を形成するために使用され得る崩壊剤としては、限定されるものではないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム(polacrilin potassium)、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、クレー(clay)、他のアルギン、他のセルロース、ガムまたはそれらの混合物が挙げられる。
本開示の医薬組成物および剤形を形成するために使用され得る潤滑剤としては、限定されるものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルアウレエート(ethylaureate)、寒天、またはその混合物が挙げられる。さらなる潤滑剤としては、例えば、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝集エアロゾル(coagulated aerosol)、ケイ化微結晶セルロース、またはそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤は、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で、随意に添加することができる。
水性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与に所望される場合、その中の必須の活性成分は、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの様々な組み合わせなどの希釈剤と共に、様々な甘味料または香味料、着色料または色素、および所望される場合には乳化剤および/または懸濁剤と、配合され得る。
錠剤は、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたって持続的な作用を提供するための公知の技術によって、コーティングされていなくともよく、またはコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの遅延性材料を用いることができる。経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセルとして、提示され得る。
本開示の医薬組成物および剤形を形成するために使用することができる界面活性剤としては、限定されるものではないが、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が挙げられる。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を使用してもよく、親油性界面活性剤の混合物を使用してもよく、または少なくとも一つの親水性界面活性剤と少なくとも一つの親油性界面活性剤との混合物を使用してもよい。
非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性および疎水性を特徴付けるために使用される経験的パラメータは、親水性親油性バランス(「HLB」値)である。適切な親水性界面活性剤は、概して、HLB値が少なくとも10であり得る一方で、適切な親油性界面活性剤は、概して、HLB値が約10以下であり得る。HLB値が低い界面活性剤は、親油性または疎水性がより高く、油への溶解性がより高い一方で、HLB値が高い界面活性剤は、親水性がより高く、水溶液への溶解性がより高い。親水性界面活性剤は、概して、HLB値が約10より大きい化合物、ならびにHLBスケールが概して適用可能ではない陰イオン性、陽イオン性、または両性イオン性の化合物であると考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、HLB値が約10以下である化合物である。しかしながら、界面活性剤のHLB値は、単に、工業、医薬、および化粧品のエマルションの製剤化を可能にするために一般に使用される粗い指標である。
親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性のいずれであってもよい。好適なイオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが、アルキルアンモニウム塩、フシジン酸塩、アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドの脂肪酸誘導体、アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドのグリセリド誘導体、レシチンおよび水素化レシチン、リゾレシチンおよび水素化リゾレシチン、リン脂質およびその誘導体、リゾリン脂質およびその誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩、ドクサートナトリウム、アシル化乳酸塩(acyllactylate)、モノグリセリドおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル、コハク酸化モノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
前述の群内では、イオン性界面活性剤としては、一例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびその誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩、ドクサートナトリウム、アシル化乳酸塩(acyllactylate)、モノグリセリドおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル、コハク酸化モノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic ester)、ステアロイル-2-乳酸塩、乳酸ステアロイル、コハク酸化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン(cholylsarcosine)、カプロン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル硫酸塩、テラセシル硫酸塩(teracecyl sulfate)、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにそれらの塩および混合物のイオン化形態であり得る。
親水性非イオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴールグリセリド、例えばポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えばポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール、例えばポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも一つの構成要素をもつポリオールの親水性エステル交換生成物、ポリオキシエチレンステロール、その誘導体および類似体、ポリオキシエチル化ビタミンおよびその誘導体、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーおよびそれらの混合物、トリグリセリド、植物油および水素化植物油からなる群の少なくとも一つの構成要素をもつポリオールのポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび親水性エステル交換生成物が挙げられる。ポリオールは、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、またはサッカライドであり得る。
他の親水性非イオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50水素化ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水素化ヒマシ油、PEG-60水素化ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油、カプリン酸/カプリル酸PEG-6グリセリド、カプリン酸/カプリル酸PEG-8グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル-10、PEG-30コレステロール、PEG-25植物ステロール、PEG-30大豆ステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、コハク酸トコフェリルPEG-100、PEG-24コレステロール、ポリグリセリル-10-オレエート、Tween40、Tween60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、モノパルミチン酸スクロース、PEG10~100ノニルフェノールシリーズ、PEG15~100オクチルフェノールシリーズ、およびポロクサマーが挙げられる。
好適な親油性界面活性剤としては、ほんの一例として、脂肪アルコール、グリセロール脂肪酸エステル、アセチル化グリセロール脂肪酸エステル、低アルコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール誘導体、ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、糖エーテル、モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸誘導体、およびグリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロール、油溶性ビタミン/ビタミン誘導体からなる群の少なくとも一つの構成要素をもつポリオールの疎水性エステル交換生成物、およびそれらの混合物が挙げられる。この群内では、好ましい親油性界面活性剤としては、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびそれらの混合物が挙げられるか、または植物油、水素化植物油およびトリグリセリドからなる群の少なくとも一つの構成要素をもつポリオールの疎水性エステル交換生成物である。
一実施形態では、組成物は、本開示の化合物の良好な可溶化および/または溶出を確実にし、本開示の化合物の沈殿を最小化するための可溶化剤を含み得る。これは、非経口用組成物、例えば注射用組成物にとって特に重要であり得る。可溶化剤もまた、親水性薬物および/または界面活性剤などの他の成分の溶解性を増加させるため、または組成物を安定もしくは均質な溶液もしくは分散液として維持するために、添加されてもよい。
好適な可溶化剤の例としては、以下に限定されるものではないが、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、トランスカトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体などのアルコールおよびポリオール、例えばテトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEGなどの平均分子量が約200~約6000であるポリエチレングリコールのエーテル、例えば2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドンなどのアミドおよび他の窒素含有化合物、例えばプロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、イプシロン-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バレロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体などのエステル、ならびに例えばジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび水などの当該技術分野で公知の他の可溶化剤が挙げられる。
可溶化剤の混合物も使用され得る。例としては、限定されるものではないが、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200~100、グリコフロル、トランスカトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが挙げられる。特に好ましい可溶化剤としては、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、およびプロピレングリコールが挙げられる。
含まれ得る可溶化剤の量は、特に制限されない。所与の可溶化剤の量は、当業者によって容易に決定され得る、生体許容可能な量に制限され得る。一部の状況では、例えば蒸留または蒸発などの従来の技術を使用して、患者に組成物を提供する前に過剰な可溶化剤を除去した状態で、薬剤の濃度を最大化するために、生体許容可能な量よりもはるかに多い量の可溶化剤を含むことが有利であり得る。したがって可溶化剤は、存在する場合には、薬剤と他の賦形剤との合わせた重量に基づいて、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または最大約200重量%の重量比であり得る。必要に応じて、5%、2%、1%、またはさらに少ないなど、非常に少量の可溶化剤も使用され得る。典型的には、可溶化剤は、約1重量%~約100重量%、より典型的には約5重量%~約25重量%の量で存在し得る。
組成物は、一以上の薬学的に許容可能な添加剤および賦形剤をさらに含み得る。こうした添加剤および賦形剤としては、限定されないるものではないが、脱粘着剤、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、酸化防止剤、防腐剤、キレート化剤、粘度調節剤、等張化剤、風味剤、着色剤、臭気剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびそれらの混合物が挙げられる。
さらに、処理を容易にするために、安定性を高めるために、または他の理由から、酸または塩基を医薬組成物中に組み込んでもよい。薬学的に許容可能な塩基の例としては、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロカルサイト(hydrocalcite)、水酸化マグネシウムアルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが挙げられる。また、例えば酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などの薬学的に許容可能な酸の塩である塩基も好適である。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸二水素ナトリウムなどの多塩基酸の塩も使用することができる。塩基が塩である場合、カチオンは、例えばアンモニウム、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属などの任意の便利で薬学的に許容可能なカチオンであり得る。例としては、限定されるものではないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムが挙げられ得る。
適切な酸は、薬学的に許容可能な有機酸または無機酸である。適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられる。好適な有機酸の例としては、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、および尿酸が挙げられる。
投与量および投与レジメン
本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、投与されるボルシクリブの固体形態の量は、治療される哺乳動物、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の処分、および処方医師の裁量に依存することとなる。しかしながら、有効投与量は、単回または分割用量で、一日当たり体重1kg当たり約0.001~約100mgの範囲内であり、例えば約1~約35mg/kg/日である。70kgのヒトの場合、これは約0.05~7g/日の量、例えば約0.05~約2.5g/日となる。一部の例では、前述の範囲の下限を下回る投与量レベルでも十分すぎる場合がある一方で、他の例では、多めの用量のままで、例えばそうした多めの用量を数回の少量の用量に分割して一日を通して投与することによって、有害な副作用を何ら引き起こすことなく使用することができる。
選択された実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、単回用量で投与される。典型的には、こうした投与は、活性医薬成分を迅速に導入するために、注射、例えば静脈内注射によって行われることとなる。しかしながら、必要に応じて他の経路を使用してもよい。本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の単回用量は、急性状態の治療にも使用され得る。
選択された実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、複数回用量で投与される。投与は、約一日に一回、二回、三回、四回、五回、六回、または六回超であってもよい。投与は、約一ヶ月に一回、二週間に一回、週に一回、または隔日で一回であってもよい。他の実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態が、一日に約一回~一日に約6回で投与される。別の実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の投与は、約7日未満の間にわたって継続する。さらに別の実施形態では、投与は、約6、10、14、28日、二か月、六か月、または一年より長い間継続する。一部の例では、継続的な投与は、必要な限り達成されて維持される。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
本開示の活性医薬成分の投与は、必要な限り継続することができる。選択された実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、14日、または28日より長い間、投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、28日、14日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日未満の間、投与される。選択された実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、例えば慢性的な影響の治療のために、継続的に慢性的に投与される。一実施形態では、ボルシクリブの固体形態は、先述の実施形態のいずれかにおいて、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの有効投与量は、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約10mg~約200mg、約20mg~約150mg、約30mg~約120mg、約10mg~約90mg、約20mg~約80mg、約30mg~約70mg、約40mg~約60mg、約45mg~約55mg、約48mg~約52mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg、約95mg~約105mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg、または約198~約202mgの範囲内である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の有効投与量は、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、または約500mgである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の有効投与量は、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、または500mgである。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの有効投与量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg、または約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの範囲内である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の有効投与量は、約0.35mg/kg、約0.7mg/kg、約1mg/kg、約1.4mg/kg、約1.8mg/kg、約2.1mg/kg、約2.5mg/kg、約2.85mg/kg、約3.2mg/kg、または約3.6mg/kgである。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、例えば一日一回(QD)での5mg、10mg、12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、および500mgの投与量を含めて、一日一回(QD)での10~400mgの投与量で投与される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、例えばBID(一日二回)での5mg、10mg、12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、および500mgの投与量を含めて、BIDでの10~400mgの投与量で投与される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態は、TID(一日三回)での5mg、10mg、12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、および500mgの投与量を含めて、TIDでの10~400mgの投与量で投与される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする、ボルシクリブの固体形態の有効量は、直腸、口腔、鼻腔内および経皮経路で、動脈内、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所の注射によって、または吸入剤としてなど、同様の有用性を有する活性医薬品成分の許容される投与様式のいずれかによって、単回用量または複数回用量のいずれかで投与され得る。
制酸剤の影響を克服するための医薬組成物
本明細書に記載の組成物および方法は、制酸剤の影響を克服するために使用することができる。制酸剤は、哺乳動物における弱酸性薬物の曝露を大幅に制限する可能性がある。Smelick,et al.,Mol.Pharmaceutics 2013,10,4055-4062。制酸剤としては、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、およびイラプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤、シメチジン、ラニチジン、およびファモチジンなどのH受容体拮抗薬、ならびにアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウムの炭酸水素塩、炭酸塩、および水酸化物などの制酸剤、ならびに制酸薬と胃液分泌機序を標的とする薬剤との混合物が挙げられる。制酸剤の影響を克服することは、がん、炎症性疾患、免疫疾患、および自己免疫性疾患を有する患者の治療において重要な課題である。これらの患者は、多くの場合、それらの症状にしばしば伴う胃部の不快感に対して制酸剤を併用するからであり、これは制酸剤が、北米および西ヨーロッパで最もよく処方される医薬の一部だからである。最近承認された経口がん治療薬は、pH依存性の溶解性を有し、したがって制酸剤に関する潜在的な薬物間相互作用を有する。がん患者において、全患者のうち20~33%が何らかの形態の制酸剤を使用していると推定される。膵がんまたは消化器がんなどの特定のがんでは、制酸剤の使用は、患者のうち60~80%と高い。Smelick,et al.,Mol.Pharmaceutics 2013,10,4055-4062。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、酸性化剤とを含む。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)からなる群から選択される酸性化剤とを含む。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、フマル酸、コハク酸、D-酒石酸、L-酒石酸、ラセミ酒石酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸およびD-アラボアスコルビン酸としても知られる)、アルギン酸、Protacid F 120NM、Protacid AR 1112(Kelacid NFとしても知られる)、Carbomer 941(ポリアクリル酸)、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)からなる群から選択される酸性化剤とを含む。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。一実施形態では、酸性化剤は顆粒外である。一実施形態では、酸性化剤は顆粒内である。
アルギン酸は、β-D-マンヌロン酸(M)およびα-L-グルロン酸(G)が、1~4個のグリコシド結合によって連結した多糖類コポリマーである。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、アルギン酸またはその塩である酸性化剤とを含み、アルギン酸またはその塩は、0.1~0.5、0.2~0.6、0.3~0.7、0.4~0.8、0.5~0.9、0.6~1.0、0.7~1.1、0.8~1.2、0.9~1.3、1.0~1.4、1.1~1.5、1.2~1.6、1.3~1.7、1.4~1.8、1.5~1.9、1.6~2.0、1.7~2.1、1.8~2.2、1.9~2.3、2.0~2.4、および2.1~2.5からなる群から選択されるM/G比を呈する。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、アルギン酸またはその塩である酸性化剤とを含み、アルギン酸またはその塩は、0.5未満、1.0未満、1.5未満、2.0未満、および2.5未満からなる群から選択されるM/G比を呈する。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、アルギン酸またはその塩である酸性化剤とを含み、アルギン酸またはその塩は、0.5超、1.0超、1.5超、2.0超、および2.5超からなる群から選択されるM/G比を呈する。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、アルギン酸またはその塩である酸性化剤とを含み、アルギン酸またはその塩は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、および2.5からなる群から選択されるM/G比を呈する。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
M/G比、ならびにM基およびG基の割合、MMおよびGGの「ダイアド」の割合、「トライアド」(例えば、MGG)の割合、およびM基およびG基のより大きな配列の割合は、核磁気共鳴(NMR)分光法(消化の有無に関わらず)および質量分析法を含む、当業者に公知の方法によって決定され得る。Larsen,et al.,Carbohydr.Res.,2003,338,2325-2336。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、1%~5%、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、および30%~35%からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含む。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩多形体をはじめとするボルシクリブと、1%~5%、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含み、酸性化剤は、フマル酸、コハク酸、D-酒石酸、L-酒石酸、ラセミ酒石酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸およびD-アラボアスコルビン酸としても知られる)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、Protacid F 120NM、Protacid AR 1112(Kelacid NFとしても知られる)、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)からなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、1%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、および35%未満からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含む。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、1%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含み、酸性化剤は、フマル酸、コハク酸、D-酒石酸、L-酒石酸、ラセミ酒石酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸およびD-アラボアスコルビン酸としても知られる)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、Protacid F 120NM、Protacid AR 1112(Kelacid NFとしても知られる)、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)からなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、1%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、および35%超からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含む。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体を含むボルシクリブと、1%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含み、酸性化剤は、フマル酸、コハク酸、D-酒石酸、L-酒石酸、ラセミ酒石酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸およびD-アラボアスコルビン酸としても知られる)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、Protacid F 120NM、Protacid AR 1112(Kelacid NFとしても知られる)、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)からなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、および約40%からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含む。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体を含むボルシクリブと、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、および約40%からなる群から選択される濃度(質量%)の酸性化剤とを含み、酸性化剤は、フマル酸、コハク酸、D-酒石酸、L-酒石酸、ラセミ酒石酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸およびD-アラボアスコルビン酸としても知られる)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、Protacid F 120NM、Protacid AR 1112(Kelacid NFとしても知られる)、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)からなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、フマル酸、コハク酸、D-酒石酸、L-酒石酸、ラセミ酒石酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸およびD-アラボアスコルビン酸としても知られる)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、Protacid F 120NM、Protacid AR 1112(Kelacid NFとしても知られる)、およびCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、約15重量%~約33重量%の濃度のフマル酸である。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、約5重量%~約33重量%の濃度のアルギン酸またはその塩(アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カリウムなど)である。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、約25重量%~約33重量%の濃度のL-酒石酸である。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、約20重量%~約50重量%の濃度のアスコルビン酸、および約2.5重量%~約10重量%の濃度のCarbopol 971P(カルボキシポリメチレン)である。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、約5重量%~約15重量%の濃度のフマル酸、および約15重量%~約33重量%の濃度のアルギン酸またはその塩である。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、顆粒外酸性化剤とを含み、顆粒外酸性化剤は、約5重量%~15重量%の濃度のL-酒石酸、および約15重量%~約33重量%の濃度のアルギン酸である。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、酸性化剤とを含み、酸性化剤は、フマル酸、マレイン酸、リン酸、L-酒石酸、クエン酸、ゲンチシン酸、シュウ酸、および硫酸からなる群から選択される。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブと、酸性化剤とを含み、酸性化剤は、フマル酸、マレイン酸、リン酸、L-酒石酸、クエン酸、ゲンチシン酸、シュウ酸、および硫酸からなる群から選択され、酸性化剤は、本明細書に記載されるいずれかの結晶形態に含まれる塩の対イオンである。
一実施形態では、酸性化剤に加えて、医薬組成物は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの酸性微小環境への曝露を延長する賦形剤を含む。一実施形態では、この賦形剤は、天然起源、合成起源、または半合成起源のポリマーである。ポリマーは、酸性、アニオン性、もしくは非イオン性のモノマー、オリゴマーもしくはポリマー、または酸性、アニオン性および非イオン性のモノマーもしくはコポリマーの混合物を含有してもよい。一バージョンでは、賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コハク酸トコフェロールポリエチレンオキシド(D-α-コハク酸トコフェロールポリエチレングリコール、TPGS、またはビタミンE TPGS)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルおよびエチルアクリレートのコポリマー、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ゼラチン、トウモロコシデンプン、エンドウデンプン、変性トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、変性ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスポビドン、コポビドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンおよびポリプロピレングリコールのコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールおよび酸化ポリエチレンのコポリマーからなる群から選択される。前述のポリマーのコポリマーも、該当する場合、使用され得る。コポリマーは、ブロックコポリマー、分枝コポリマー、または末端コポリマーであり得る。一実施形態では、ポリマーは、溶出を延長するため、または総溶出を高めるために、医薬組成物の崩壊、溶出、および浸食を阻害する膨潤、結合、またはゲル化特性を呈する。一実施形態では、ポリマーの含有は、酸性化剤単独の使用よりも溶出速度および溶出の程度を増加させる。膨潤、結合、またはゲル化特性は、一実施形態ではpH依存性であり、ポリマーは、一つのpHまたはpH範囲において、別のpHとは異なる方法で膨潤、結合、またはゲル化する。一実施形態では、これにより、高いpHよりも低いpHで溶出が低下し得るものであり、またはその逆の場合もあり得る。別の実施形態では、このことが、酸性、中性、または塩基性pHで、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの同様の溶出をもたらす。これは、胃のpHとは無関係に、同様に血漿での曝露をもたらす。
一つまたは複数の膨潤、ゲル化、または結合賦形剤を含有する製剤の溶出プロファイルは、一つまたは複数のpH値でゼロ、一次、または二次の微分速度次数、または異なるpH値で異なる速度次数の混合を呈し得る。一実施形態では、医薬組成物は、溶出によって哺乳動物の消化管内に一定レベルの薬物を提供することとなる。本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブが吸収される場合、このことが、ある期間にわたる持続的な血漿濃度の薬物をもたらし、tmaxを遅延させ、そして本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとする即時放出製剤ボルシクリブと同等の用量のcmaxを減少させる。別の実施形態では、このことが、胃のpHに関係なく、哺乳動物において同様の曝露をもたらす。
ボルシクリブ固体製剤
一実施形態では、本開示は、ボルシクリブマロン酸塩を含む固体製剤を提供する。一実施形態では、固体製剤は、約10%~35%w/w、約12%~32%w/w、約14%~30%w/w、約16%~28%w/w、約18%~26%w/w、または約20%~24%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む。一実施形態では、製剤は、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、または約35%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む。一実施形態では、製剤は、約20mg~100mg、約25mg~95mg、約30mg~90mg、約35mg~85mg、約40mg~80mg、約45mg~75mg、約50mg~70mg、または約55mg~65mgのボルシクリブマロン酸塩を含む。一実施形態では、製剤は、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、または約70mgのボルシクリブマロン酸塩を含む。別の実施形態では、製剤は、約80mg~160mg、約85mg~155mg、約90mg~150mg、約95mg~145mg、約100mg~140mg、約105mg~135mg、約110mg~130mg、約115mg~125mg、または約120mg~124mgのボルシクリブマロン酸塩を含む。一実施形態では、製剤は、約112mg、約113mg、約114mg、約115mg、約116mg、約117mg、約118mg、約119mg、約120mg、約121mg、約122mg、約123mg、約124mg、約125mg、約126mg、約127mg、約128mg、約129mg、約130mg、約131mg、または約132mgのボルシクリブマロン酸塩を含む。
一実施形態では、固体製剤は、微結晶セルロースをさらに含む。一実施形態では、製剤は、約2%~40%w/w、約4%~35%w/w、約4%~30%w/w、約4%~25%w/w、約4%~20%w/w、約10%~20%w/w、または約12%~16%w/wの微結晶セルロースを含む。一実施形態では、製剤は、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、または約24%w/wの微結晶セルロースを含む。一実施形態では、製剤は、約1mg~80mg、約5mg~75mg、約10mg~70mg、約15mg~65mg、約20mg~60mg、約25mg~55mg、約30mg~50mg、約35mg~45mg、または約38mg~42mgの微結晶セルロースを含む。一実施形態では、製剤は、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、または約50mgの微結晶セルロースを含む。別の実施形態では、製剤は、約20mg~120mg、約25mg~115mg、約30mg~110mg、約35mg~105mg、約40mg~100mg、約45mg~95mg、約50mg~90mg、約55mg~85mg、約60mg~85mg、約65mg~85mg、約70mg~85mg、約75mg~85mg、または約78mg~82mgの微結晶セルロースを含む。一実施形態では、製剤は、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、または約90mgの微結晶セルロースを含む。
一実施形態では、固体製剤は、ラクトース一水和物をさらに含む。一実施形態では、製剤は、約1%~50%w/w、約1%~45%w/w、約1%~40%w/w、約1%~35%w/w、約1%~30%w/w、約1%~25%w/w、約1%~20%w/w、約1%~15%w/w、約5%~15%w/w、または約8%~12%w/wのラクトース一水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%w/wのラクトース一水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約1mg~50mg、約1mg~45mg、約1mg~40mg、約5mg~40mg、約10mg~40mg、約10mg~35mg、約15mg~35mg、約20mg~35mg、約25mg~35mg、または約25mg~30mgのラクトース一水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、または約40mgのラクトース一水和物を含む。別の実施形態では、固体製剤は、約5mg~90mg、約10mg~85mg、約15mg~80mg、約20mg~75mg、約25mg~70mg、約30mg~65mg、約35mg~60mg、約40mg~55mg、または約45mg~50mgのラクトース一水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、または約55mgのラクトース一水和物を含む。
一実施形態では、固体製剤は、リン酸水素カルシウム二水和物をさらに含む。一実施形態では、製剤は、約5%~80%w/w、約10%~75%w/w、約15%~70%w/w、約20%~65%w/w、約25%~60%w/w、約30%~55%w/w、約35%~50%w/w、または約40%~45%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、または約52%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約80mg~160mg、約85mg~155mg、約90mg~150mg、約95mg~145mg、約100mg~140mg、約105mg~135mg、約110mg~130mg、約115mg~125mg、または約120mg~124mgのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約112mg、約113mg、約114mg、約115mg、約116mg、約117mg、約118mg、約119mg、約120mg、約121mg、約122mg、約123mg、約124mg、約125mg、約126mg、約127mg、約128mg、約129mg、約130mg、約131mg、または約132mgのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。別の実施形態では、固体製剤は、約200mg~300mg、約205mg~295mg、約210mg~290mg、約215mg~285mg、約220mg~280mg、約225mg~275mg、約230mg~270mg、約235mg~265mg、約235mg~260mg、約235mg~255mg、約235mg~250mg、または約240mg~245mgのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。一実施形態では、製剤は、約230mg、約231mg、約232mg、約233mg、約234mg、約235mg、約236mg、約237mg、約238mg、約239mg、約240mg、約241mg、約242mg、約243mg、約244mg、約245mg、約246mg、約247mg、約248mg、約249mg、または約250mgのリン酸水素カルシウム二水和物を含む。
一実施形態では、固体製剤は、炭酸水素ナトリウムをさらに含む。一実施形態では、製剤は、約0.01%~20%w/w、約0.01%~18%w/w、約0.01%~16%w/w、約0.01%~14%w/w、約0.01%~12%w/w、約0.01%~10%w/w、約1%~10%w/w、約1%~8%w/w、約1%~6%w/w、または約2%~6%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約13%、約14、または約15%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約1mg~40mg、約1mg~35mg、約1mg~30mg、約1mg~25mg、約1mg~20mg、約5mg~15mg、または約8mg~14mgの炭酸水素ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、または約30mgの炭酸水素ナトリウムを含む。別の実施形態では、固体製剤は、約5mg~80mg、約10mg~75mg、約10mg~70mg、約10mg~65mg、約10mg~60mg、約10mg~55mg、約10mg~50mg、約10mg~45mg、約10mg~40mg、約10mg~35mg、約10mg~30mg、約15mg~25mg、または約18mg~24mgの炭酸水素ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、または約32mgの炭酸水素ナトリウムを含む。
一実施形態では、固体製剤は、約0.01%~40%w/w、約0.01%~35%w/w、約0.01%~30%w/w、約0.01%~25%、約0.01%~20%、約0.01%~15%w/w、約0.01%w/w~10%w/w、約4%~約8%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約1mg~40mg、約1mg~35mg、約1mg~30mg、約1mg~25mg、約5mg~25mg、約10mg~25mg、約10mg~20mg、または約15mg~20mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、または約26mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。別の実施形態では、製剤は、約5mg~70mg、約10mg~65mg、約15mg~60mg、約20mg~55mg、約25mg~50mg、約25mg~45mg、約25mg~40mg、または約30mg~35mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。一実施形態では、製剤は、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、または約43mgのデンプングリコール酸ナトリウムを含む。
一実施形態では、固体製剤は、ステアリン酸マグネシウムをさらに含む。一実施形態では、製剤は、約0.001%~20%w/w、約0.001%~18%w/w、約0.001%~16%w/w、約0.001%~14%w/w、約0.001%~12%w/w、約0.001%~10%w/w、約0.01%~10%w/w、約0.01%~8%w/w、約0.01%~6%、約0.01%~4%、または約1%~4%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。一実施形態では、製剤は、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、または約12%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。一実施形態では、製剤は、約0.001mg~15mg、約0.001mg~12mg、約0.001mg~10mg、約0.001mg~8mg、約0.001mg~6mg、約0.01mg~6mg、約0.1mg~6mg、または約2.5mg~約4.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。一実施形態では、製剤は、約0.1mg、約0.5mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、または約14mgのステアリン酸マグネシウムを含む。別の実施形態では、製剤は、約0.1mg~25mg、約0.1mg~22mg、約0.1mg~20mg、約0.1mg~18mg、約0.1mg~16mg、約0.1mg~14mg、約0.1mg~12mg、約0.1mg~10mg、約2mg~8mg、または約3mg~7mgのステアリン酸マグネシウムを含む。一実施形態では、製剤は、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
一実施形態では、固体製剤は、コロイド状二酸化ケイ素をさらに含む。一実施形態では、固体製剤は、約0.001%~20%w/w、約0.001%~18%w/w、約0.001%~16%w/w、約0.001%~14%w/w、約0.001%~12%w/w、約0.001%~10%w/w、約0.01%~10%w/w、約0.01%~8%w/w、約0.01%~6%、約0.01%~4%、または約1%~4%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。一実施形態では、製剤は、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、または約12%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む。一実施形態では、製剤は、約0.001mg~15mg、約0.001mg~12mg、約0.001mg~10mg、約0.001mg~8mg、約0.001mg~6mg、約0.01mg~6mg、約0.1mg~6mg、または約2.5mg~約4.5mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む。一実施形態では、製剤は、約0.1mg、約0.5mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、または約14mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む。別の実施形態では、製剤は、約0.1mg~30mg、約0.1mg~25mg、約0.1mg~20mg、約0.1mg~18mg、約0.1mg~15mg、約1mg~14mg、約1mg~12mg、約1mg~10mg、約1mg~8mg、または約3mg~8mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む。一実施形態では、製剤は、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、または約15mgのコロイド状二酸化ケイ素を含む。
一実施形態では、固体製剤は錠剤である。一実施形態では、錠剤は、フィルムコーティングでコーティングされる。一実施形態では、フィルムコーティングは、オパドライII 85F18422ホワイト(Opadry II 85F18422 White)である。
一実施形態では、固体製剤は、約50mgの遊離塩基ボルシクリブである、約61mgのボルシクリブマロン酸塩を含む錠剤である(すなわち、50mg錠剤)。一実施形態では、50mg錠剤は、約40mgの微結晶セルロース、約24mgのラクトース一水和物、約121mgのリン酸水素カルシウム二水和物、約11mgの炭酸水素ナトリウム、約17mgのデンプングリコール酸ナトリウム、約3mgのコロイド状二酸化ケイ素、および約3mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む。
別の実施形態では、固体製剤は、約100mgの遊離塩基ボルシクリブである、約122mgのボルシクリブマロン酸塩を含む錠剤である(すなわち、100mg錠剤)。一実施形態では、100mg錠剤は、約80mgの微結晶セルロース、約48mgのラクトース一水和物、約243mgのリン酸水素カルシウム二水和物、約22mgの炭酸水素ナトリウム、約34mgのデンプングリコール酸ナトリウム、約6mgのコロイド状二酸化ケイ素、および約6mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む。
固形腫瘍のがん、血液悪性腫瘍、炎症性疾患、自己免疫障害、免疫障害、および他の疾患を治療する方法
本明細書に記載される医薬組成物は、疾患を治療するための方法で使用することができる。好ましい実施形態では、それらは、過増殖性障害の治療に使用するためのものである。それらはまた、本明細書に記載される他の障害、および以下の段落に記載される他の障害の治療に使用され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物の過増殖性障害を治療する方法であって、本明細書に記載されるように、哺乳動物に、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体もしくは本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの結晶性固体形態の治療有効量を、または本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体もしくは本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの結晶性固体形態を含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法を提供する。好ましい実施形態では、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、過増殖性障害はがんである。好ましい実施形態では、がんは、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される。好ましい実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫(例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、急性骨髄性白血病、胸腺、脳、肺、扁平上皮細胞、皮膚、眼、網膜芽細胞腫、眼内黒色腫、口腔と中咽頭、膀胱、胃部(gastric)、胃(stomach)、膵、膀胱、***、子宮頸部、頭、首、腎臓(renal)、腎臓(kidney)、肝臓、卵巣、前立腺、結腸直腸、骨(例えば、転移性骨)、食道、精巣、婦人科系、甲状腺、CNS、PNS、AIDS関連(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)、子宮頸がん(ヒトパピローマウイルス)などウイルス性のがん、B細胞リンパ増殖性疾患および上咽頭がん(エプスタイン-バーウイルス)、カポジ肉腫および原発性滲出性リンパ腫(カポジ肉腫ヘルペスウイルス)、肝細胞がん(B型肝炎およびC型肝炎ウイルス)、およびT細胞白血病(ヒトT細胞白血病ウイルス-1)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、バーキット白血病、若年性骨髄単球性白血病、有毛細胞白血病、ホジキン病、多発性骨髄腫、肥満細胞白血病、および肥満細胞症からなる群から選択される。選択された実施形態では、方法は、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、または前立腺の状態(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))などの非がん性の過増殖性障害の治療に関する。いくつかの実施形態では、過増殖性障害は、炎症性、免疫性、または自己免疫性の障害である。いくつかの実施形態では、過増殖性障害は、腫瘍血管新生、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、例えば乾癬、湿疹および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性、血管腫、神経膠腫と黒色腫、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、嚢炎、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛症、巨細胞性動脈炎、サルコイドーシス、川崎病、若年性特発性関節炎、化膿性汗腺炎(hidratenitis suppurativa)、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、ループス、およびループス腎炎からなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
一実施形態では、前述の実施形態のいずれかに記載の方法は、哺乳動物に制酸剤を投与する工程をさらに含む。一実施形態では、制酸剤は、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、およびイラプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤、シメチジン、ラニチジン、およびファモチジンなどのH受容体拮抗薬、ならびにアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウムの炭酸水素塩、炭酸塩、および水酸化物などの制酸薬からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示は、胸腺がん、脳腫瘍(例えば、神経膠腫)、肺がん、扁平上皮細胞性がん、皮膚がん(例えば、黒色腫)、眼がん、網膜芽細胞腫がん、眼内黒色腫がん、口腔がん、中咽頭がん、膀胱がん、胃部がん、胃がん、膵がん、膀胱がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、腎(renal)がん、腎臓(kidney)がん、肝がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、結腸がん、食道がん、精巣がん、婦人科系がん、卵巣がん、甲状腺がん、CNSがん、PNSがん、AIDS関連がん(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)、ウイルス性がん、および類表皮がんなどのがんの治療に使用するための、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブ固体形態の医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))などの非がん性過増殖性障害の治療のための、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態の医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、骨髄増殖性障害(MPD)、骨髄増殖性新生物、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病(BCR-ABL1陽性)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、または肥満細胞症などの障害の治療に使用するための、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブ固体形態の医薬組成物を提供する。本開示はまた、腫瘍血管新生、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患、炎症性腸疾患、アテローム性動脈硬化症、乾癬、湿疹および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性症、ならびに血管腫として顕在化し得る哺乳動物の血管形成または血管新生に関連する疾患の治療に使用するための組成物も提供する。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を含む組成物を用いて、固形腫瘍のがんを治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、膵がん、乳がん、卵巣がん、黒色腫、肺がん、頭頸部がんを含む扁平上皮細胞がん、または血液がんを治療する方法を提供する。一実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態と、ベンダムスチン、ベネトクラクス、ベムラフェニブ、アブラキサン、エナシデニブ、ポマリドミド、レナリドミド、アザシチジン、デシタビン、低メチル化剤、ゲムシタビン、アルブミン結合パクリタキセル、リツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブ、ボルテゾミブ、マリゾミブ、イキサゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン-3-ガレート、サリノスポルアミドA、カルフィルゾミブ、ONX 0912、CEP-18770、MLN9708、エポキソマイシン、またはMG13からなる群から選択される第二の薬剤とを併用して、膵がん、乳がん、卵巣がん、黒色腫、肺がん、頭頸部がん、結腸直腸がん、または血液がんを治療する方法を提供する。一実施形態では、本開示は、CDK阻害剤と、ベンダムスチン、ベネトクラクス、ベムラフェニブ、アブラキサン、エナシデニブ、ポマリドミド、レナリドミド、アザシチジン、デシタビン、低メチル化剤、ゲムシタビン、アルブミン結合パクリタキセル、リツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、アテゾリズマブとを併用して、膵がん、乳がん、卵巣がん、黒色腫、肺がん、頭頸部がん、結腸直腸がん、または血液がんを治療する方法を提供する。本明細書に記載の特定の方法では、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ、マリゾミブ、イキサゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン-3-ガレート、サリノスポルアミドA、カルフィルゾミブ、ONX 0912、CEP-18770、MLN9708、エポキソマイシン、またはMG13から選択され、この場合CDK阻害剤は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態である。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を含む組成物を用いて、固形腫瘍のがんを治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、膵がん、乳がん、卵巣がん、黒色腫、肺がん、頭頸部がんを含む扁平上皮細胞がんを治療する方法を提供する。一実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を使用して、膵がん、乳がん、卵巣がん、黒色腫、肺がん、頭頸部がん、および結腸直腸がんを治療するための方法を提供する。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を含む組成物を用いて、哺乳動物における炎症性、免疫性、または自己免疫性の障害を治療する方法に関する。選択された実施形態では、本開示はまた、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を含む組成物を用いて、疾患を治療する方法に関し、この場合において疾患は、腫瘍血管新生、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、例えば乾癬、湿疹および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性、血管腫、神経膠腫と黒色腫、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、嚢炎、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛症、巨細胞性動脈炎、サルコイドーシス、川崎病、若年性特発性関節炎、化膿性汗腺炎、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、ループス、およびループス腎炎からなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を含む組成物を用いて、哺乳動物における過増殖性障害を治療する方法に関し、この場合において過増殖性障害は、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ性白血病(SLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、または骨髄線維症からなる群から選択されるB細胞血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される任意のボルシクリブ遊離塩基多形体または本明細書に記載される任意のボルシクリブ塩の多形体をはじめとするボルシクリブの固体形態を含む組成物を用いて、哺乳動物における過増殖性障害を治療する方法に関し、この場合において過増殖性障害は、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、DLBCL(活性化B細胞(ABC)および生殖中心B細胞(GCB)の亜型を含む)、濾胞中心リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫、および成熟B細胞ALLからなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるボルシクリブの固体形態は、ボルシクリブマロン酸塩、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩、ボルシクリブリン酸塩、ボルシクリブシュウ酸塩、およびボルシクリブナパジシル酸塩から選択され、それぞれ本明細書に記載されるとおりである。
いくつかの実施形態では、過増殖性障害はCLLの亜型である。CLLの多くの亜型が特徴付けられてきた。CLLは、白血病細胞における免疫グロブリン重鎖可変領域(IgV)変異状態に分類されることが多い。R.N.Damle,et al.,Blood 1999,94,1840-47、T.J.Hamblin,et al.,Blood 1999,94,1848-54。IgV変異を有する患者は、IgV変異のない患者よりも一般的に長く生存する。ZAP70発現(陽性または陰性)も、CLLを特徴付けるために使用される。L.Z.Rassenti,et al.,N.Engl.J.Med.2004,351,893-901。CpG3におけるZAP-70のメチル化も、例えばパイロシーケンスによって、CLLを特徴付けるために使用される。R.Claus,et al.,J.Clin.Oncol.2012,30,2483-91、J.A.Woyach,et al.,Blood 2014,123,1810-17。CLLは、BinetまたはRaiによる基準の下で、疾患の段階によっても分類される。J.L.Binet,et al.,Cancer 1977,40,855-64、K.R.Rai,T.Han,Hematol.Oncol.Clin.North Am.1990,4,447-56。11q欠失、13q欠失、および17p欠失などの他の一般的な変異は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などの周知の技術を使用して評価することができる。一実施形態では、本開示は、ヒトにおいてCLLを治療する方法に関し、CLLは、IgV変異陰性CLL、ZAP-70陽性CLL、CpG3においてZAP-70がメチル化されたCLL、CD38陽性CLL、17p13.1(17p)欠失により特徴付けられる慢性リンパ性白血病、および11q22.3(11q)欠失により特徴付けられるCLLからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、過増殖性障害は、CLLであり、この場合においてCLLはリヒター転化を受けているものである。リヒター症候群としても知られるリヒター転化を評価する方法は、Jain and O’Brien,Oncology,2012,26,1146-52に記載されている。リヒター転化は、患者の5~10%で見られるCLLの亜型である。これはCLLから悪性度の高いリンパ腫の発症を伴い、概して予後不良である。
いくつかの実施形態では、過増殖性障害は、患者におけるCLLまたはSLLであり、患者は、リンパ球増加症に感受性である。一実施形態では、本開示は、患者においてCLLまたはSLLを治療する方法に関し、患者は、ウイルス感染、細菌感染、原虫感染、または脾摘後の状態からなる群から選択される障害によって生じたリンパ球増加症を呈する。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおけるウイルス感染は、感染性単核球症、肝炎、およびサイトメガロウイルスからなる群から選択される。一実施形態では、前述の実施形態のいずれかにおける細菌感染は、百日咳、結核、およびブルセラ症からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、過増殖性障害は血液がんである。特定の実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)などの白血病である。特定の実施形態では、血液がんは、B細胞またはT細胞リンパ腫などの非ホジキンリンパ腫である。B細胞リンパ腫としては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫が挙げられる。T細胞リンパ腫としては、Tリンパ芽球性リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、くすぶり型慢性型、急性型およびリンパ腫型の亜型を伴う成人T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、鼻型節外性ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、亜型IおよびIIを伴う腸疾患関連腸管T細胞リンパ腫(EATL)、ならびに未分化大細胞リンパ腫(ALCL)が挙げられる。血液がんを治療するためにボルシクリブを使用する方法は、国際公開第2017/172826号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
以下の各項は、特定の実施形態を説明する。
第1項
対象における疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量のボルシクリブを対象に投与することを含み、疾患または障害は、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、B細胞リンパ増殖性疾患、B細胞急性リンパ芽球性白血病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、バーキット白血病、ホジキン病、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、有毛細胞白血病、肥満細胞白血病、肥満細胞症、骨髄増殖性障害(MPD)、骨髄増殖性新生物、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病(BCR-ABL1陽性)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、末梢神経系(PNS)の原発性多巣性リンパ腫、胸腺がん、脳腫瘍、神経膠芽腫、肺がん、扁平上皮細胞性皮膚がん、皮膚がん(例えば、黒色腫)、眼がん、網膜芽細胞腫、眼内黒色腫、口腔および中咽頭がん、膀胱がん、胃部がん、胃がん、膵がん、乳がん、子宮頸がん、頭頸部がん、腎(renal)がん、腎臓(kidney)がん、肝がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、骨がん(例えば、転移性骨がん)、食道がん、精巣がん、婦人科系がん、甲状腺がん、類表皮がん、AIDS関連がん(例えば、リンパ腫)、ウイルス性子宮頸がん(ヒトパピローマウイルス)、上咽頭がん(エプスタイン-バーウイルス)、カポジ肉腫、原発性滲出性リンパ腫(カポシ肉腫ヘルペスウイルス)、肝細胞がん(B型肝炎およびC型肝炎ウイルス)、T細胞白血病(ヒトT細胞白血病ウイルス-1)、皮膚の良性過形成、再狭窄、良性前立腺肥大、腫瘍血管新生、慢性炎症性疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、例えば乾癬、湿疹および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性症、血管腫、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、嚢炎、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛症、巨細胞性動脈炎、サルコイドーシス、川崎病、若年性特発性関節炎、化膿性汗腺炎(hidratenitis suppurativa)、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、ループス、およびループス腎炎から選択される、方法。
第2項
対象における過増殖性の疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量のボルシクリブを対象に投与することを含み、過増殖性の疾患または障害は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、B細胞リンパ増殖性疾患、B細胞急性リンパ芽球性白血病、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症から選択される、方法。
第3項
対象において血液がんを治療する方法であって、治療有効量のボルシクリブを対象に投与することを含む、方法。
第4項
血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される、第3項に記載の方法。
第5項
対象において過増殖性の疾患または障害を治療する方法であって、治療有効量のボルシクリブを対象に投与することを含み、過増殖性の疾患または障害はKRAS変異がんである、方法。
第6項
KRAS変異がんが、G12A、G12C、G12D、G12S、G12V、G13C、G13D、およびQ61Hから選択される変異によって特徴付けられる、第5項に記載の方法。
第7項
がんは、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫から選択される、第5項または第6項に記載の方法。
第8項
がんは、膵がん、肺がん、結腸直腸がん、食道がん、および卵巣がんから選択される、第5項から第7項のいずれか一項に記載の方法。
第9項
がんは、NSCLC、SCLC、CRC、膵がん、TNBC、黒色腫、乳がん、および肝がんから選択される、第5項から第7項のいずれか一項に記載の方法。
第10項
疾患または障害は、再発性/難治性(R/R)の疾患または障害である、第1項から第9項のいずれか一項に記載の方法。
第11項
ボルシクリブが、1,5-ナフタレンジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ジベンゾイル-L-酒石酸、エタンスルホン酸、ゲンチシン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、オルトリン酸、硫酸、およびp-トルエンスルホン酸から選択される酸に対応する対イオンを含むボルシクリブ塩を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第12項
ボルシクリブが、ボルシクリブ遊離塩基、または1,5-ナフタレンジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ジベンゾイル-L-酒石酸、エタンスルホン酸、ゲンチシン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、オルトリン酸、硫酸、およびp-トルエンスルホン酸から選択される酸に対応する対イオンを含むボルシクリブ塩を含むボルシクリブの結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第13項
ボルシクリブは、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第14項
結晶形が、ボルシクリブマロン酸塩を含む、第13項に記載の方法。
第15項
ボルシクリブは、5.06°±0.2°、6.42°±0.2°、9.34°±0.2°、10.14°±0.2°、12.30°±0.2°、13.66°±0.2°、14.14°±0.2°、15.82°±0.2°、17.02°±0.2°、19.74°±0.2°、20.38°±0.2°、21.82°±0.2°、22.66°±0.2°、24.62°±0.2°、25.78°±0.2°、26.58°±0.2°、28.66°±0.2°、および29.98°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第16項
結晶形が、ボルシクリブジベンゾイル酒石酸塩を含む、第15項に記載の方法。
第17項
ボルシクリブは、4.94°±0.2°、6.78°±0.2°、9.34°±0.2°、10.94°±0.2°、12.70°±0.2°、13.38°±0.2°、14.90°±0.2°、15.66°±0.2°、17.54°±0.2°、18.82°±0.2°、22.02°±0.2°、23.98°±0.2°、24.78°±0.2°、25.30°±0.2°、26.66°±0.2°、および29.98°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第18項
結晶形が、ボルシクリブリン酸塩を含む、第17項に記載の方法。
第19項
ボルシクリブは、6.86°±0.2°、12.66°±0.2°、13.58°±0.2°、14.74°±0.2°、15.98°±0.2°、19.38°±0.2°、23.94°±0.2°、24.78°±0.2°、および25.94°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第20項
結晶形が、ボルシクリブシュウ酸塩を含む、第19項に記載の方法。
第21項
ボルシクリブは、9.02°±0.2°、10.50°±0.2°、11.06°±0.2°、12.30°±0.2°、12.82°±0.2°、13.90°±0.2°、14.82°±0.2°、15.30°±0.2°、15.94°±0.2°、17.26°±0.2°、19.34°±0.2°、20.62°±0.2°、22.18°±0.2°、22.86°±0.2°、24.58°±0.2°、25.42°±0.2°、25.86°±0.2°、27.38°±0.2°、および28.66°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブの結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第22項
結晶形が、ボルシクリブナパジシル酸塩を含む、第21項に記載の方法。
第23項
結晶形が、結晶性無水物である、第12項~第22項のいずれか一項に記載の方法。
第24項
結晶形が、結晶性水和物である、第12項~第22項のいずれか一項に記載の方法。
第25項
ボルシクリブは、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第26項
ボルシクリブは、6.86°±0.2°の2θ、9.70°±0.2°の2θ、10.84°±0.2°の2θ、12.50°±0.2°の2θ、12.66°±0.2°の2θ、12.81°±0.2°の2θ、13.41°±0.2°の2θ、13.71°±0.2°の2θ、14.54°±0.2°の2θ、15.35°±0.2°の2θ、15.83°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、19.00°±0.2°の2θ、19.43°±0.2°の2θ、19.62°±0.2°の2θ、21.75°±0.2°の2θ、22.75°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、23.47°±0.2°の2θ、23.81°±0.2°の2θ、23.98°±0.2°の2θ、24.36°±0.2°の2θ、24.60°±0.2°の2θ、24.86°±0.2°の2θ、25.11°±0.2°の2θ、25.60°±0.2°の2θ、25.75°±0.2°の2θ、および26.25°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブシュウ酸塩の結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第27項
ボルシクリブは、4.93°±0.2°の2θ、6.79°±0.2°の2θ、9.35°±0.2°の2θ、10.58°±0.2°の2θ、10.91°±0.2°の2θ、12.64°±0.2°の2θ、13.35°±0.2°の2θ、13.58°±0.2°の2θ、14.81°±0.2°の2θ、15.60°±0.2°の2θ、17.18°±0.2°の2θ、17.52°±0.2°の2θ、18.32°±0.2°の2θ、18.78°±0.2°の2θ、19.34°±0.2°の2θ、19.64°±0.2°の2θ、19.78°±0.2°の2θ、22.02°±0.2°の2θ、23.20°±0.2°の2θ、23.67°±0.2°の2θ、24.00°±0.2°の2θ、24.71°±0.2°の2θ、25.21°±0.2°の2θ、25.39°±0.2°の2θ、26.55°±0.2°の2θ、27.22°±0.2°の2θ、28.07°±0.2°の2θ、および29.90°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブリン酸塩の結晶形を含む、第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。
第28項
ボルシクリブが、約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1,000mgの一日量で投与される、第1項から第27項のいずれか一項に記載の方法。
第29項
ボルシクリブが、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1,000mgの一日量で投与される、第1項から第27項のいずれか一項に記載の方法。
第30項
ボルシクリブが、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、毎日投与される、第1項から第29項のいずれか一項に記載の方法。
第31項
ボルシクリブが、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、毎日投与される、第1項から第29項のいずれか一項に記載の方法。
第32項
ボルシクリブの投与が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される、第1項から第31項のいずれか一項に記載の方法。
第33項
ボルシクリブの投与が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される、第1項から第31項のいずれか一項に記載の方法。
第34項
ボルシクリブが、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで投与される、第1項から第29項のいずれか一項に記載の方法。
第35項
ボルシクリブが、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間投与される、第1項から第34項のいずれか一項に記載の方法。
第36項
ボルシクリブが、追加の治療剤と併用で投与される、第1項から第35項のいずれか一項に記載の方法。
第37項
治療剤が、抗がん剤である、第36項に記載の方法。
第38項
抗がん剤が、AMG510、MRTX849、オンバンセルチブ、ボラセルチブ、およびME-344から選択される、第37項に記載の方法。
第39項
抗がん剤が、KRAS阻害剤、TKI+RAF阻害剤、RAF阻害剤、RAF+MEK阻害剤、MEK阻害剤、およびERK阻害剤から選択される、第38項に記載の方法。
第40項
抗がん剤が、ナビトクラクス、ベネトクラクス、A-1155463、A-1331852、ABT-737、オバトクラクス、TW-37、A-1210477、AT101、HA14-1、BAM7、S44563、サブトクラクス(sabutoclax)、UMI-77、ガンボギン酸、マリトクラクス(maritoclax)、MIM1、メチルプレドニゾロン、iMAC2、Bax阻害剤ペプチドV5、Bax阻害剤ペプチドP5、Baxチャネルブロッカー、およびARRY 520トリフルオロ酢酸塩から選択されるBCL-2阻害剤である、第38項に記載の方法。
第41項
抗がん剤は、ボルテゾミブ、マリゾミブ、イキサゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン-3-ガラート、サリノスポラミドA、カルフィルゾミブ、ONX 0912、CEP-18770、MLN9708、エポキソマイシン、MG132、およびそれらのいずれか一つの薬学的に許容可能な塩から選択されるプロテアソーム阻害剤である、第38項に記載の方法。
第42項
追加の治療剤が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、毎日投与される、第36項から第41項のいずれか一項に記載の方法。
第43項
追加の治療剤が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、毎日投与される、第36項から第41項のいずれか一項に記載の方法。
第44項
追加の治療剤投与が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される、第36項から第43項のいずれか一項に記載の方法。
第45項
追加の治療剤投与が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される、第36項から第43項のいずれか一項に記載の方法。
第46項
追加の治療剤が、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで投与される、第36項から第41項のいずれか一項に記載の方法。
第47項
追加の治療剤が、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間投与される、第36項から第46項のいずれか一項に記載の方法。
第48項
本明細書に記載の、ボルシクリブマロン酸塩の製剤。
第101項
約15%~約35%w/wのボルシクリブマロン酸塩と一以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、製剤。
第102項
約18%~約30%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む、第101項に記載の製剤。
第103項
約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、または約28%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む、第101項に記載の製剤。
第104項
約20%~約23%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む、第101項に記載の製剤。
第105項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約5%~約37%w/wの微結晶セルロースを含む、第101項から第104項のいずれか一項に記載の製剤。
第106項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%w/wの微結晶セルロースを含む、第101項から第104項のいずれか一項に記載の製剤。
第107項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約1%~約48%w/wのラクトース一水和物を含む、第101項から第106項のいずれか一項に記載の製剤。
第108項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%w/wのラクトース一水和物を含む、第101項から第106項のいずれか一項に記載の製剤。
第109項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約20%~約70%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む、第101項から第108項のいずれか一項に記載の製剤。
第110項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む、第101項から第108項のいずれか一項に記載の製剤。
第111項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.1%~約15%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む、第101項から第110項のいずれか一項に記載の製剤。
第112項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む、第101項から第110項のいずれか一項に記載の製剤。
第113項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約1%~約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。
第114項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、または約12%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む、第101項から第112項のいずれか一項に記載の製剤。
第115項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.01%~約10%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、第101項から第114項のいずれか一項に記載の製剤。
第116項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.25%、約1.5%、約1.75%、約2%、約3%、約4%、または約5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、第101項から第114項のいずれか一項に記載の製剤。
第117項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.01%~約10%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、第101項から第116項のいずれか一項に記載の製剤。
第118項
一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.25%、約1.5%、約1.75%、約2%、約3%、約4%、または約5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、第101項から第116項のいずれか一項に記載の製剤。
第119項
製剤が、錠剤に構成される、第101項から第118項のいずれか一項に記載の製剤。
第120項
錠剤がフィルムコーティングでコーティングされる、第119項に記載の製剤。
第121項
ボルシクリブマロン酸塩は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、第101項から第120項のいずれか一項に記載の製剤。
第122項
ボルシクリブマロン酸塩は、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択されるされる一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、第101項から第120項のいずれか一項に記載の製剤。
第123項
結晶形が、結晶性無水物である、第121項または第122項に記載の製剤。
第124項
結晶形が、結晶性水和物である、第121項または第122項に記載の製剤。
第125項
対象における疾患または障害を治療する方法であって、第101項から第124項のいずれか一項に記載の治療効果のある製剤を対象に投与することを含む、方法。
第126項
対象における疾患または障害を治療する方法であって、約15%~35%w/wのボルシクリブマロン酸塩、約5%~37%w/wの微結晶セルロース、約1%~約48%w/wのラクトース一水和物、約20%~約70%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物、約0.1%~約15%w/wの炭酸水素ナトリウム、約1%~約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.01%~約10%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む治療効果のある製剤を対象に投与することを含む、方法。
第127項
ボルシクリブマロン酸塩は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、第126項に記載の方法。
第128項
ボルシクリブマロン酸塩は、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択されるされる一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、第126項に記載の方法。
第129項
製剤が、約0.01%~約10%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、第126項から第128項のいずれか一項に記載の方法。
第130項
製剤が錠剤に構成され、錠剤がフィルムコーティングでコーティングされる、第126項から第129項のいずれか一項に記載の方法。
第131項
疾患または障害が、血液がんである、第125項から第130項のいずれか一項に記載の方法。
第132a項
血液がんが、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される、第131項に記載の方法。
第132b項
血液がんが、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される白血病である、第131項に記載の方法。
第132c項
血液がんが、B細胞またはT細胞リンパ腫などの非ホジキンリンパ腫であり、B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、および原発性中枢神経系リンパ腫から選択される、第131項に記載の方法。
第132d項
血液がんが、Tリンパ芽球性リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、くすぶり型、慢性型、急性型およびリンパ腫型の亜型を伴う成人T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、鼻型節外性ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、亜型IおよびIIを伴う腸疾患関連腸管T細胞リンパ腫(EATL)、ならびに未分化大細胞リンパ腫(ALCL)から選択されるT細胞リンパ腫である、第131項に記載の方法。
第133項
製剤は、対象が約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1,000mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される、第125項から第132項のいずれか一項に記載の方法。
第134項
製剤は、対象が約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1,000mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される、第125項から第132項のいずれか一項に記載の方法。
第135項
製剤は、対象が約200mgまたは約250mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される、第125項から第132項のいずれか一項に記載の方法。
第136項
製剤は、対象が350mgを超えないボルシクリブの一日量を受けるように、対象に投与される、第125項から第132項のいずれか一項に記載の方法。
第137項
ボルシクリブの用量は、ボルシクリブ遊離塩基用量である、第133項から第136項のいずれか一項に記載の方法。
第138項
製剤が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、対象に毎日投与される、第125項から第137項のいずれか一項に記載の方法。
第139項
製剤が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、対象に毎日投与される、第125項から第137項のいずれか一項に記載の方法。
第140項
製剤の投与が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される、第125項から第139項のいずれか一項に記載の方法。
第141項
製剤の投与が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される、第125項から第139項のいずれか一項に記載の方法。
第142項
製剤が、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで対象に投与される、第125項から第141項のいずれか一項に記載の方法。
第143項
製剤が、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間投与される、第125項から第142項のいずれか一項に記載の方法。
第144項
製剤が、BCL-2阻害剤との併用で投与される、第125項から第143項のいずれか一項に記載の方法。
第145項
BCL-2阻害剤は、ナビトクラクス、ベネトクラクス、A-1155463、A-1331852、ABT-737、オバトクラクス、S44563、TW-37、A-1210477、AT101、HA14-1、BAM7、サブトクラクス(sabutoclax)、UMI-77、ガンボギン酸、マリトクラクス(maritoclax)、MIM1、メチルプレドニゾロン、iMAC2、Bax阻害剤ペプチドV5、Bax阻害剤ペプチドP5、Baxチャネルブロッカー、ARRY 520トリフルオロ酢酸塩、またはそれらのいずれか一つの薬学的に許容可能な塩から選択される、第144項に記載の方法。
第146項
BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスまたはその薬学的に許容可能な塩である、第144項に記載の方法。
第147項
BCL-2阻害剤が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、対象に毎日投与される、第144項から第146項のいずれか一項に記載の方法。
第148項
BCL-2阻害剤が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、対象に毎日投与される、第144項から第146項のいずれか一項に記載の方法。
第149項
BCL-2阻害剤の投与が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される、第144項から第148項のいずれか一項に記載の方法。
第150項
BCL-2阻害剤の投与が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される、第144項から第148項のいずれか一項に記載の方法。
第151項
BCL-2阻害剤が、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで対象に投与される、第144項から第150項のいずれか一項に記載の方法。
第152項
BCL-2阻害剤が、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間、対象に投与される、第144項から第151項のいずれか一項に記載の方法。
実施例1:固形腫瘍での単剤療法の第I相試験
以下のとおりの2週間投与/1週間休薬のスケジュール:75~850mg、600mgコホートでの用量漸増/用量拡大で患者29名;疾患制御率41%;1名がPRおよび8名がSDで2~6か月間持続。
以下のとおりの連日投与スケジュール:75~500mg、350mgコホートでの用量漸増/用量拡大で患者39名、疾患制御率31%、12名がSDで中央値15週間持続。
以下のとおりの安全性プロファイル:最もよく見られたAEは消化管に関係した;骨髄抑制のエビデンスはなし。
以下のような固形腫瘍におけるc-MYC発現の減少があった:第I相の連日投与試験で10種の遺伝子バイオマーカーが評価され、試験した患者17/25名(68%)でc-MYC発現が減少した(図1Aおよび図1B)。
実施例2:BRAF変異の進行性/手術不能な悪性黒色腫でのボルシクリブ+ベムラフェニブの試験
28日サイクルで、ボルシクリブ150mgを一日一回+ベムラフェニブ720mgまたは960mgを一日二回;試験終了までに患者9名が治療を受けた;患者8名が有効性を評価可能;患者5名がBRAFi不応性、応答=PD;患者3名がBRAF/MEKナイーブ;1名がCR、および2名がPRで3~14か月間継続;最もよく見られたAEは、疲労、便秘、下痢、関節痛、および頭痛;1名がDLT=グレード3の疲労。
実施例3:肺転移のある患者でのCR
図2A~図2Cは、肺転移のある患者でのCRを示す;図2AはベースラインのCTスキャンであり、図2Bは試験開始2か月後の、公式の放射線科レポートに基づく放射線CRであり、図2Cは試験開始14か月後、患者は12か月間のみ試験を継続し、CRは14か月間持続した。
実施例4:MCL1のCDK9抑制を活用:R/RのB細胞悪性腫瘍およびAMLでの第I相試験
試験対象集団:再発性/難治性のB細胞悪性腫瘍;再発性/難治性のAML;標準の3+3デザインでの用量漸増。
評価項目:安全性および忍容性、薬物動態、生物学的相関試験(BH3プロファイリング、MCL-1発現、分子変異解析)、奏効率。
ボルシクリブ単剤の用量漸増:50mg>100mg>150mg>200mg。
血液悪性腫瘍での第I相試験:3つの用量レベルで患者24名を治療、10名のAMLおよび14名のB細胞悪性腫瘍、試験された用量での消化管毒性または好中球減少はなし、すべてのボルシクリブ試験で好ましいPKプロファイル(半減期24~28時間が、一日一回の投与の用量比例的なCmaxおよびAUCを支持;高い分布量であることが組織への広範な侵入を示す);150~200mgの用量が、分子標的を阻害するのに十分な血漿濃度を達成し得る。
実施例5:ボルシクリブは、前臨床モデルにおいて優先的な腫瘍蓄積を示す
ボルシクリブは、前臨床モデルにおいて優先的な腫瘍蓄積を示す(図3A~図3D)。SCIDマウスでのHCT-116 CRC細胞異種移植。各時点で8匹のマウス(対照2匹、ボルシクリブ100mpkの経口投与6匹)。腫瘍が直径100mmに達した時に、動物を2つの群に無作為化した。A群は単回投与を割り当てた。B群は5日間の投与を割り当てた。各時点で8匹のマウス(対照2匹、ボルシクリブ100mpkの経口投与6匹)。薬物濃度は、最終投与後0、4、8、24、48、72時間の時点で、腫瘍および血漿中で測定された。5日間の反復投与後の腫瘍におけるボルシクリブ蓄積指数は1.45であった。血漿中のボルシクリブ濃度はμg/ml単位、腫瘍に関してはμg/g単位である。血漿と比較した腫瘍でのボルシクリブの増加倍率が示されている。
より高いレベル(>5倍)のボルシクリブが、投与後24時間と比較して、8時間での腫瘍中で見られた。24時間時点での血漿中で無視できるレベルのボルシクリブが観察された。さらに、腫瘍/血漿比は、両方の時点で>5倍であることが分かった。
実施例6:AMLでの生物活性のエビデンス
分化症候群が患者5名(50%)に見られた(芽球の増加を伴わないWBCの増加、骨痛、肺症状、コルチコステロイドに対する反応)。
分化症候群にATRA、IDHi、およびその他のAML標的療法を施す。
実施例7:ベネトクラクス感受性およびベネトクラクス耐性細胞株におけるボルシクリブのベネトクラクスとの相乗効果
図4Aおよび図4Bは、ボルシクリブが、ベネトクラクス(Venetoclax)感受性細胞株およびベネトクラクス(Venetoclax)耐性細胞株においてベネトクラクスと相乗効果を示すことを図示している。図4AはVen感受性、図4BはVen耐性である。
AMLでのボルシクリブ+ベネトクラクスの第I相試験;試験対象集団:再発性/難治性のB細胞悪性腫瘍;再発性/難治性のAML;標準の3+3デザインでの用量漸増。
評価項目:安全性および忍容性、薬物動態、生物学的相関試験(BH3プロファイリング、MCL-1発現、分子変異解析)、奏効率。
ボルシクリブ単剤の用量漸増:50mg>100mg>150mg>200mg
ボルシクリブ+ベネトクラクスの用量漸増:100mg>150mg>200mg。
実施例8:ボルシクリブ投与レジメン
2週間毎日投与した後、1週間投与しない21日サイクルでのPKデータを表1に示し、毎日連続投与でのPKデータを表2に示す。
ボルシクリブ半減期は、表中t1/2として示している(時間(hours)単位で表示)。定常状態(すなわち、13~15日目)での半減期は、16時間~358時間の範囲であり、平均24~48時間である。患者間にばらつきがあり、外れ値の原因になっている。薬物を停止すると、血漿から薬物が除去されるまでに約5半減期、または5~10日かかる。
ボルシクリブの分布量は、Vz/F(リットル単位で表示)として示している。定常状態(すなわち、13~15日目)での分布量は、185L~982Lの範囲であり、平均約300L(および外れ値)である。血液量は約5Lであり、それゆえ、いくつかの実施形態では、ボルシクリブ分布量は、血液量よりも約60倍大きく、組織への広範な分布を示す。薬物を停止すると、血漿から除去された後、組織から除去されるのにさらに3日かかる。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、14日間投与の療法に続いて14日間休薬の療法を行うと、薬物が血漿から除去されるのに十分な時間(19日目~24日目)と、組織から除去されるさらなる3日間(22日目~27日目)とがあるので、それによって、連続的な毎日の投与でも組織への蓄積および潜在的な毒性が防止されると考えられる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、14日間投与/14日間休薬のスケジュールでボルシクリブを投与すると、組織毒性を防止できると考えられる。いくつかの実施形態では、こうした投与レジメンは、併用する薬物の投与スケジュールと一致させることができる。
実施例9:ボルシクリブマロン酸塩の製剤開発の概要
ボルシクリブは、存在する他の化学物質に応じて、様々な媒体中に溶解したときにゲルを形成する可能性がある。ボルシクリブマロン酸塩は、ボルシクリブ塩酸塩とは対照的に、水または水性緩衝液中でそのpH範囲にわたってゲルを形成しない。しかしながら、マロン酸塩の即放性錠剤製剤の開発中、当該錠剤が、製剤中に存在していた賦形剤に応じて、酸性pH(溶出試験に使用される媒体)でゲル化することが観察された。
以下に、溶出中にゲルを形成しない錠剤製剤の発見をもたらした取り組みを要約する。
1.低水溶性の賦形剤および様々な濃度で薬剤を製剤化しようと試みた-肯定的な効果はなかった。
2.低水溶性の複数の賦形剤および様々な濃度で薬剤を製剤化しようと試みた-肯定的な効果はなかった。
3.水溶性の賦形剤と低水溶性の賦形剤の組み合わせおよび様々な濃度で薬剤を製剤化しようと試みた-肯定的な効果はなかった。
4.高濃度の崩壊剤を含んで製剤化を試みた-肯定的な効果はなかった。
5.製剤に様々な濃度で炭酸水素ナトリウムを添加しようと試みた-炭酸水素ナトリウムを添加すると酸と相互作用して、錠剤の崩壊を助けるCO2が生成されると考えられる。ゲル化は、より高濃度の炭酸水素ナトリウムで低減または除去された。残念なことに、炭酸水素ナトリウムが増加すると、錠剤製造の問題(不十分な流れ、重い錠剤重量)をもたらし、溶出試験中に錠剤を浮遊させ、溶出プロファイルの不良をもたらした。
6.炭酸水素ナトリウムの濃度を低減することによって流れを改善することができ、第二リン酸カルシウムを増加させることにより錠剤が浮遊しなくなり、ゲル化の問題を除去しながら溶出プロファイルの改善をもたらしたことが見出された。
7.また、特定の製剤では、錠剤のサイズ、形状、および重量を変更することによって、浮遊を排除できることも見出された。
賦形剤適合性試験は、表4に列挙された賦形剤とボルシクリブマロン酸塩の二成分混合物を作製することによって行われた。これら二成分(薬剤:賦形剤、1:1)混合物を40℃/相対湿度(RH)75%で保管し、0、2、および4週間でアッセイおよび関連物質について試験した。
賦形剤適合性試験結果に基づいて、表4に列挙された賦形剤を、最初の製剤スクリーニング試験のために選択した。ボルシクリブおよびその塩は、薬物の水和時にゲル化する可能性があり、このゲル化が、医薬調製物からのボルシクリブの崩壊および溶出に影響を与え得ることが以前に観察された。錠剤製剤の賦形剤は、ボルシクリブマロン酸塩とのそれらの適合性、ならびにボルシクリブマロン酸塩錠剤の製造を補助し、ボルシクリブマロン酸塩錠剤のゲル化を低減するそれらの能力に基づいて選択された。
炭酸水素ナトリウムを含有しない最初の試作製剤を開発したが、この最初の製剤ではゲル化が原因で、崩壊および溶出(0.1N HCl媒体中)が許容できないことがわかった。製剤を改変する試みにおいて、観察されたゲル化の問題を克服するために、微結晶セルロース、ラクトース、リン酸水素カルシウム、およびデンプングリコール酸ナトリウムの濃度を変更する効果が評価された。これら変更は、ゲル化の問題にわずかな改善をもたらすのみであった。次いで、炭酸水素ナトリウムを製剤に添加して、ボルシクリブマロン酸塩錠剤の崩壊を補助し、それによって、溶出試験に対するゲル化現象の影響を低減した。
開発アプローチは、一般的な造粒アプローチを使用し、錠剤の総重量を調整することによって様々な錠剤強度を製造することであった(表5)。
製剤開発試験の結果に基づいて、表6に列挙された製剤を選択し、およそ0.3kgのバッチサイズまでスケールアップした。
表6に示した製剤は、崩壊および溶出に関して予想通りの挙動であった(例えば、ゲル化はもはや問題ではなく、迅速な溶出が観察された)が、製剤の製造可能性を確実にするために混合物の流れを改善する必要があった。流れを改善するために、コロイド状二酸化ケイ素(1.0%)を製剤に添加し、臨床試験での使用を意図した、表7に列記した最終製剤を得た。
最終的なコア錠剤を、表7に示すように3%w/wのオパドライII(Opadry II)の非機能性コーティングでコーティングした。
製造工程は、ボルシクリブマロン酸塩とリン酸水素カルシウム二水和物、微結晶セルロース、ラクトース一水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウムとの簡単な直接圧縮錠剤の混合物として開発された。コロイド状二酸化ケイ素を添加して、混合物の流れを改善した。混合物をステアリン酸マグネシウムで潤滑する。分子が開発プロセスを進むにつれて、追加のプロセス開発が行われることとなる。
いくつかの実施形態では、炭酸水素ナトリウムの使用で、ゲル化を低減または排除する。いくつかの実施形態では、リン酸水素カルシウムを炭酸水素ナトリウムと使用することで、ゲル化を低減または排除する。いくつかの実施形態では、リン酸水素カルシウムの使用で、錠剤の浮遊を防止する。いくつかの実施形態では、炭酸水素ナトリウムとリン酸水素カルシウムとの比が、ボルシクリブの製剤を、ゲルを含まない、浮遊しない、そして再現性のある溶出プロファイルをもつように調節する。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズ、形状、および製剤の組み合わせにより、錠剤の浮遊を防止する。
従来のHDPEボトル、誘導密封ライナー、ポリプロピレン製チャイルドプルーフキャップ、および乾燥剤キャニスターを、ボルシクリブマロン酸塩錠剤の容器施栓系として選択した。製剤が開発プロセスを進むにつれて、乾燥剤の必要性が評価されることとなる。50mgおよび100mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の仕様を表8に提供する。
実験室スケールで製造された50mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の開発ロットに関するバッチ分析データを表9に示す。製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含有しないという点で、意図される臨床製剤とは異なる。このロットの製造工程は、コロイド状二酸化ケイ素が処理中に添加されなかったことを除いて、実施例10に記載されたものと同様であった。
実験室スケールで製造された50mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の開発ロットに関するバッチ分析データを表10に示す。製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含有する意図される臨床製剤である。このロットの製造工程を実施例10に記載する。
実施例10: ボルシクリブマロン酸塩錠剤の製造
50mgおよび100mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の製造に使用されるバッチの処方を表11に示す。工業的バッチサイズは1.2~1.3kgの範囲であったが、臨床的バッチサイズはニーズに応じて変動することとなる。
ボルシクリブマロン酸塩およびすべての賦形剤(微結晶セルロース、ラクトース一水和物、リン酸水素カルシウム二水和物、炭酸水素ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウム)は、使用前に篩過する(図5)。
微結晶セルロースおよびボルシクリブマロン酸塩を使用して、混合物を作製する。篩過したリン酸水素カルシウム二水和物、炭酸水素ナトリウム、およびデンプングリコール酸ナトリウムを最初の混合物に添加し、混合する。篩過したラクトース一水和物およびコロイド状二酸化ケイ素を篩過し、混合物に添加し、混合する。ステアリン酸マグネシウムを篩過し、混合物に添加し、混合する。最終的な混合物は、適切な錠剤成形プレスを使用して錠剤成形される。コア錠剤から粉塵を除き、金属検出器を通過させ、その後、好適なパンコーター内でオパドライII 85F18422ホワイトでコーティングする。コーティングされた錠剤を検査した後、LDPE(低密度ポリエチレン)ポリバッグにバルク包装し、密封する。このポリバッグは、二つの100グラムの乾燥剤バッグと共に第二のポリバッグの内側に入れられて密封される。二重のポリバッグに入った錠剤は、硬質の出荷用容器に入れられるよりも多い。バルク包装された錠剤は、包装現場に出荷され、そこで高密度ポリエチレンボトルおよび乾燥剤を含むポリプロピレンクロージャに包装される。
ボルシクリブマロン酸塩錠剤製造の工程内管理および観察を表12に示す。
実施例11:ボルシクリブマロン酸塩錠剤の溶出
溶出試験は、50rpmで装置2(シンカー付きパドル)を使用してUSP<711>に従って実施された。製剤中に炭酸水素ナトリウムが含まれているため、シンカーを用いるが、これが錠剤を浮遊させ得る。表13に記載されるイソクラティックHPLC法による検出で、溶出媒体は900mLの0.1N HClとした。サンプル時点は30分である。クロマトグラムの例を、図6に示す。
ボルシクリブマロン酸塩錠剤(50mg、バッチ000011382)の溶出プロファイルも、ボルシクリブ塩酸塩カプセル(50mg、バッチXZGC)の溶出プロファイルと比較した(表14および図7)。
実施例12:ボルシクリブマロン酸塩錠剤の安定性
開発バッチ108700C1の安定性データを生成した(表15~17)。製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含有しないという点で、意図される臨床製剤とは異なる。このバッチの製造工程は、コロイド状二酸化ケイ素が処理中に添加されなかったことを除いて、実施例10に記載されたものと同様であった。安定性試験試料を実施例9に記載の容器に包装した。
50mgボルシクリブマロン酸塩錠剤、開発バッチ108700C1の安定性データは、25℃/60%相対湿度(RH)の保管条件または40℃/75%RHの保管条件で三ヶ月にわたって、および50℃/周囲RHでの二ヶ月の保管にわたって、試験された属性のいずれにも有意な変化はなかったことを示す。
開発バッチ02MEI06-01-107の安定性データを生成した(表18および19)。製剤は、コロイド状二酸化ケイ素を含有する。このバッチの製造工程は、実施例10に記載のものと同様であった。安定性試験試料を実施例9に記載の容器に包装した。
ボルシクリブマロン酸塩、バッチ02MEI06-01-107について得られた安定性データを、表18および19に示す。長期条件(25℃/60%相対湿度(RH))で6カ月間、または促進条件(40℃/75%RH)で6カ月間の保管後に有意な変化は観察されなかった。
50mgボルシクリブマロン酸塩錠剤、開発バッチ108700C1の安定性プロトコルを表20に示す。このバッチは実験室で製造され、コロイド状二酸化ケイ素を含まないという点で意図される臨床製剤とは異なる。このバッチの製造工程は、コロイド状二酸化ケイ素が処理中に添加されなかったことを除いて、実施例10に記載されたものと同様であった。バッチを、本明細書に記載の分析手順によって試験した。安定性試験試料は、ボトル当たり14錠ではなく7錠であったことを除いて、実施例9に記載の容器に包装した。
実験室スケールで製造された50mgおよび100mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の開発バッチ0000113822および0000113823の安定性プロトコルを表21に示す。これらバッチは、実施例10に記載のプロセスに従って製造した。バッチを、本明細書に記載の分析手順によって試験した。安定性試験試料は、ボトル当たり14錠ではなく7錠であったことを除いて、実施例9に記載の容器に包装した。
臨床試験での使用を意図した50mgおよび100mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の最初のバッチを、実施例10に記載のプロセスに従って製造したが、これは表22に示すプロトコルに従って安定性に移すこととなる。安定性試験の試料は実施例9に記載のとおり容器(合計14)に包装される。
表15~17に示す50mgボルシクリブマロン酸塩錠剤の開発バッチ108700C1の安定性データは、25℃/60%相対湿度(RH)の保管条件または40℃/75%RHの保管条件で三ヶ月にわたって、および50℃/周囲RHでの二ヶ月の保管にわたって、試験された属性のいずれにも有意な変化はなかったことを示す。
実施例13:ボルシクリブマロン酸塩の特性
ボルシクリブマロン酸塩の化学(IUPAC)名は、(2R,3S)-3-(2-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-4-オキソ-4H-クロメン-8-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-1-イウム-2-カルボキシアセタートである。ボルシクリブマロン酸塩に使用される一般的な別名は、(2R,3S)-3-(2-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-4-オキソ-4H-クロメン-8-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-1-イウムマロン酸塩および2-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-((2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-イル)-4H-クロメン-4-オンマロン酸塩である。表23は、ボルシクリブマロン酸塩のいくつかの全般的特性を提供する。
ボルシクリブは、濃度(溶解度測定に使用される懸濁液の濃度)、pH、および緩衝系をはじめとする因子に依存して、溶解性およびゲル化現象を呈する。概して、ボルシクリブは、懸濁液濃度>5mg/mLおよび溶解度>0.5mg/mLでゲル化しやすい。pH1.6(FaSSGF)およびpH6.5(FaSSIF)でゲル化が観察された(表24)。
X線結晶分析
単結晶測定をNonius Kappa-CCD機器で行った。データを296Kで収集した。全球分析データを最大θ=27.5°まで収集し、20755反射(5650が独立)を得た。HKL Scalepakを使用してデータ処理を行い、細胞パラメータを、θ範囲1~27.5°内での26946反射から、DenzoおよびScalepakを使用して得た。構造を、SHELXT-2014/7による直接法を使用して求めた。構造を、SHELXL-2014/7を使用した完全行列最小二乗法の精密化によって精密化した。精密化中、トリフルオロメチルならびにボルシクリブマロン酸塩カチオンのアルコール基が二箇所に無秩序状態となったことが明らかになった。無秩序状態に適用されたモデルは、無秩序状態の基のすべての原子に対して同じ熱パラメータで異方的に精密化された。H原子の全ては、分子の幾何学的形状(接続したCおよびN)から、または水素結合の幾何学的形状に基づいて実行された。精密化中、すべてのH原子を、隣接する非H原子の150%または120%の熱パラメータで維持した。絶対構造は、x=0.06±0.05の値を有するFlackパラメータを使用して確立され、1377の商[(I+)-(I-)]/[(I+)+(I-)]を使用して決定された。X線結晶構造で、ボルシクリブマロン酸塩の化学構造が確認される(図8B)。
ボルシクリブマロン酸塩(形態1)は、単斜晶系の対称心のある空間群P21で結晶化し、非対称ユニット内に活性医薬成分(API)の一分子およびマロン酸の一分子を有する(表22)。C3およびC8の立体中心は、それぞれRおよび配置である。データにより、図8A~図8Bに示す予測された化学構造が確認される。最終的な精密化パラメータを示す結晶データを、表25に報告する。
決定された単結晶構造がバルク材料であることを確認するために、単結晶データからのシミュレーションされた粉末パターンを、バルク材料から得られた高分解能X線粉末回折(HR-XRPD)パターンと比較した(図9)。XRPDパターンの照合から、取得された単結晶と、ボルシクリブの受領したバッチ(バッチ20-07211)とが同じ形態(形態1)であることが確認される。
非晶質ボルシクリブマロン酸塩を、一等モル量のマロン酸を含有する遊離塩基溶液を凍結乾燥することによって調製した。多形体スクリーニング実験を、非晶質ボルシクリブマロン酸塩より開始し、偏りのない結晶化を支持した。形態1は、最も頻繁に観察された形態であった。形態1は、無水であり、非吸湿性である。三つの他の形態が観察されたが、特定の再結晶条件下でのみであって、三つすべての新規結晶形態が水和物であるように思われた。三つの形態はすべて物理的に不安定であり、真空下で乾燥するか、またはストレス条件(40℃/相対湿度75%)に曝露することで、形態1に変換された。
ボルシクリブマロン酸塩の単結晶構造(形態1)は、単斜晶系の対称心のある空間群P21であり(図8B)、非対称ユニット内にAPIの一分子およびマロン酸の一分子を有する。形態1のXRPD回折図を図10に示し、特徴的なピークを表26に列挙する。
実施例14:ボルシクリブマロン酸塩の合成
図11は、ボルシクリブマロン酸塩の合成を示すスキームを示し、図12は、ボルシクリブマロン酸塩の製造工程のフロー図を示す。
中間体1の合成
酢酸を反応器に充填し、続いて無水酢酸を添加した(図13A)。RSM-1を反応器に充填し、添加が完了したら、RSM-1の消費によって反応が完了したとみなされるまで撹拌を継続した。反応溶液を三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートで処理した。添加が完了したら、中間体1aが消費されるまで、反応器内容物を撹拌しながら加熱した。
反応混合物を冷却し、ジクロロメタンを反応混合物に添加し、続いて炭酸ナトリウム水溶液を添加した。添加が完了したら、反応混合物を、二相性混合物の適切な混合を確実にする速度で撹拌した。撹拌を停止して、相を分離させた。有機相(下層)を分離し、別個の容器に移した。残った水相をジクロロメタンで処理し、二相混合物の適切な混合を確実にする速度で撹拌した。撹拌を停止して、相を分離させた。有機相(下層)を分離し、第一の有機相と合わせた。水相を除去し、合わせた有機相を反応器に戻し入れ、塩化ナトリウム水溶液で二回洗浄した。反応溶液を真空蒸留により濃縮した。ジクロロメタンを反応混合物に添加し、次のステップで使用した。
中間体2の合成
ジクロロメタン、RSM-2、および珪藻土を反応器に充填し、ジメチルホルムアミドで処理した(図13B)。塩化オキサリルを反応混合物に添加し、撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空蒸留によって濃縮した。ジクロロメタンを、中間体2を含有する反応器に充填し、均質な溶液が得られるまで撹拌した。ジクロロメタン中に溶解した中間体2を次のステップで使用した。
中間体3の合成
ジクロロメタンおよび中間体1を反応器に充填し、内部温度を0℃に調整しながら撹拌した(図13C)。トリエチルアミンを反応器に充填し、続いて中間体2を添加した。添加が完了したら、中間体1が消費されるまで反応物を撹拌した。撹拌しながら反応溶液に水を添加して、残っている酸塩化物をクエンチした。撹拌を停止して、相を分離させた。有機相(下層)を分離し、別個の容器に移した。
残った水相をジクロロメタンで処理し、二相混合物の適切な混合を確実にする速度で撹拌した。撹拌を停止して、相を分離させた。有機相(下層)を分離し、第一の有機相と合わせた。水相を除去し、合わせた有機相を反応器に戻し入れ、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。2-メチルテトラヒドロフランを中間体3に添加し、次のステップで使用した。
中間体4の合成
水素化ナトリウムおよび2-メチルテトラヒドロフランを反応器に充填し、反応混合物を0℃に冷却した(図13D)。中間体3を、0℃の一貫した内部温度を維持しながら反応混合物に添加した。添加が完了したら、中間体3が消費されるまで反応器の内容物を撹拌しながら加熱した。
次いで、反応混合物を冷却し、2-プロパノール(IPA)中のHClの溶液で処理した。反応混合物を真空蒸留により濃縮し、塩酸で処理した。反応が完了したとみなされるまで混合物を撹拌し、次いで2-メチルテトラヒドロフランで処理した。反応混合物を炭酸ナトリウムおよびジクロロメタンの水溶液で処理し、二相混合物の適切な混合を確実にする速度で撹拌した。
撹拌を停止して、相を分離させた。有機相(下層)を分離し、別個の容器に移した。残った水相をジクロロメタンで処理し、二相混合物の適切な混合を確実にするように撹拌した。水相を除去し、合わせた有機相を反応器に戻し入れ、塩化ナトリウム水溶液で二回洗浄した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。
濾液をMagnesol(登録商標)で処理し、濾過し、真空蒸留により濃縮した。濃縮した反応混合物を酢酸イソプロピルで処理して固体の沈殿を促進し、次いでこれを真空濾過により回収した。湿潤したケーキを酢酸イソプロピル/ヘプタン溶液で洗浄し、乾燥させて、中間体4を得た。
中間体5の合成
中間体4、ピリジン塩酸塩、およびピリジンを反応器に充填し、反応混合物が均質になるまで加熱還流させた(図13E)。中間体4、中間体4a、および中間体4bが消費されるまで混合物を撹拌した。反応混合物を、常圧蒸留を介して濃縮し、メタノールで処理した。次いで、粗反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、その時点で固体が反応混合物から沈殿した。固体を真空濾過により回収し、水およびヘプタンで洗浄し、乾燥させて、中間体5を得た。
ボルシクリブマロン酸塩の合成
中間体5およびアセトンを反応器に充填し、反応混合物が均質になるまで加熱還流させた(図13F)。反応溶液をマロン酸で処理し、還流温度で撹拌した。反応混合物を20℃に冷却し、固体が沈殿し始めるまでこの温度に保持した。さらに撹拌した後、固体を真空濾過により回収し、アセトンで洗浄した。湿潤したケーキを真空下で乾燥させて、ボルシクリブマロン酸塩を得た。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の項のいずれかは、独立した項のいずれか一つまたは従属する項のいずれか一つに従属し得る。一態様では、項(例えば、従属した項または独立した項)のいずれかは、任意の他の一以上の項(例えば、従属した項または独立した項)と組み合わされ得る。一態様では、特許請求の範囲は、項、文、語句、または段落において記載される文言の一部またはすべて(例えば、ステップ、動作、手段、または構成要素)を含み得る。一態様では、特許請求の範囲は、一以上の項、文、語句、または段落において記載される文言の一部またはすべてを含み得る。一態様では、項、文、語句、または段落の各々における文言の一部は、除去され得る。一態様では、追加の文言または要素が、項、文、語句、または段落に追加され得る。一態様では、主題の技術は、本明細書に記載の構成要素、要素、機能、または動作のうちの一部を利用することなく実施され得る。一態様では、主題の技術は、さらなる構成要素、要素、機能、または動作を利用することで実施され得る。
前述の説明は、当業者が本明細書に記載される様々な構成を実施することを可能にするために提供される。主題の技術は、様々な図および構成を参照して特に説明してきたが、これらは例示のみを目的としており、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
主題の技術を実施するための多くの他の方法があり得る。本明細書に記載される様々な機能および要素は、主題の技術の範囲から逸脱することなく、示されているものとは異なるように分割されてもよい。これらの構成に対する様々な変形は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義される全般的な原理が、他の構成に適用されてもよい。したがって、主題の技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって主題の技術に多くの変更および変形がなされ得る。
開示されるプロセスにおけるステップの特定の順序または階層は、例示的なアプローチの説明であることが理解される。設計の選好に基づいて、プロセス内のステップの特定の順序または階層が再構成されてよいことが理解される。ステップの一部は、同時に実施されてもよい。添付の方法は、様々なステップの要素を見本となる順序で提示しているが、提示される特定の順序または階層に限定されることを意図するものではない。
本明細書で使用される場合、ある数量に先行する用語「約」は、その数量からの分散を示す。分散は、製造公差によって引き起こされ得、または測定技術の差異に基づき得る。分散は、一部の例では、列挙された値から最大10%であり得る。当業者であれば、特定の量における分散は状況に依存し得ること、したがって、例えばマイクロスケールまたはナノスケールでの寸法における分散は、メートルスケールでの分散とは異なり得ることを理解するであろう。
本明細書で使用される場合、一連の項目に付された語句「~のうちの少なくとも一つ」は、その項目のうちのいずれかを分離する語「および」または「または」を伴って、当該列挙の各構成要素(すなわち、各項目)ではなく、全体としての列挙を修飾する。語句「~のうちの少なくとも一つ」は、列挙された各項目のうちの少なくとも一つの選択を必要としない。むしろ、この語句は、項目のいずれか一つ、および/または項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも一つ、および/または項目の各々のうちの少なくとも一つを含む意味を許容する。一例として、語句「A、B、およびCのうちの少なくとも一つ」または「A、BまたはCのうちの少なくとも一つ」は、それぞれ、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、A、B、およびCの任意の組み合わせ、ならびに/またはA、B、およびCの各々のうちの少なくとも一つを指す。
本開示で使用される「上」、「下」、「前」、「後」などの用語は、通常の重力基準の枠組みではなく、任意の基準の枠組みを指すものとして理解されるべきである。すなわち、上面、底面、前面、および後面は、重力基準の枠組みで上向き、下向き、対角線状、または水平に延在し得る。
さらに、用語「含む(include)」、「有する(have)」などが本明細書または特許請求の範囲で使用される範囲では、こうした用語は、用語「含む(comprise)」が特許請求の範囲の移行句として用いられる場合に解釈されるとき、用語「含む(comprise)」と同様の様式で包括的であることが意図される。
用語「例示的な」は、本明細書では、「一例、例、または説明として機能する」ことを意味する。「例示的」として本明細書に記載されたあらゆる実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。
単数形の要素への言及は、特に明記されない限り、「一つおよび一つのみ」を意味するものと意図するものではなく、むしろ「一つまたは複数」を意味することを意図する。男性の代名詞(例えば、彼の)には、女性および中性の性別(例えば、彼女の、およびその者の)が含まれ、その逆も同様である。「いくつかの」という用語は、一以上を指す。下線付きおよび/または斜体の見出しおよびサブ見出しは、単に便宜的に使用しているものであり、主題の技術を限定せず、主題の技術の説明の解釈に関連して言及されない。当業者にとって公知であるか、または後に公知となる、本開示全体を通して記載される様々な構成の要素に対する全ての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題の技術によって包含されることが意図される。

Claims (52)

  1. 約15%~約35%w/wのボルシクリブマロン酸塩と一以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、製剤。
  2. 約18%~約30%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む、請求項1に記載の製剤。
  3. 約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、または約28%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む、請求項1に記載の製剤。
  4. 約20%~約23%w/wのボルシクリブマロン酸塩を含む、請求項1に記載の製剤。
  5. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約5%~約37%w/wの微結晶セルロースを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
  6. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%w/wの微結晶セルロースを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
  7. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約1%~約48%w/wのラクトース一水和物を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
  8. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%w/wのラクトース一水和物を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
  9. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約20%~約70%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の製剤。
  10. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の製剤。
  11. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.1%~約15%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。
  12. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%w/wの炭酸水素ナトリウムを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。
  13. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約1%~約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。
  14. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、または約12%w/wのデンプングリコール酸ナトリウムを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。
  15. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.01%~約10%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。
  16. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.25%、約1.5%、約1.75%、約2%、約3%、約4%、または約5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。
  17. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.01%~約10%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤。
  18. 前記一以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約1.25%、約1.5%、約1.75%、約2%、約3%、約4%、または約5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤。
  19. 前記製剤が、錠剤に構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の製剤。
  20. 前記錠剤がフィルムコーティングでコーティングされる、請求項19に記載の製剤。
  21. ボルシクリブマロン酸塩は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の製剤。
  22. ボルシクリブマロン酸塩は、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択されるされる一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の製剤。
  23. 前記結晶形が、結晶性無水物である、請求項21または22に記載の製剤。
  24. 前記結晶形が、結晶性水和物である、請求項21または22に記載の製剤。
  25. 対象における疾患または障害を治療する方法であって、請求項1から24のいずれか一項に記載の治療効果のある製剤を前記対象に投与することを含む、方法。
  26. 対象における疾患または障害を治療する方法であって、約15%~35%w/wのボルシクリブマロン酸塩、約5%~37%w/wの微結晶セルロース、約1%~約48%w/wのラクトース一水和物、約20%~約70%w/wのリン酸水素カルシウム二水和物、約0.1%~約15%w/wの炭酸水素ナトリウム、約1%~約20%w/wのデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.01%~約10%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む治療効果のある製剤を前記対象に投与することを含む、方法。
  27. 前記ボルシクリブマロン酸塩は、7.30°±0.2°、13.58°±0.2°、14.06°±0.2°、15.18°±0.2°、15.66°±0.2°、17.50°±0.2°、18.94°±0.2°、19.54°±0.2°、22.22°±0.2°、23.38°±0.2°、24.10°±0.2°、24.98°±0.2°、25.94°±0.2°、27.26°±0.2°、28.50°±0.2°、および32.82°±0.2°の2θから選択される一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記ボルシクリブマロン酸塩は、6.36°±0.2°の2θ、13.88°±0.2°の2θ、7.31°±0.2°の2θ、9.34°±0.2°の2θ、10.05°±0.2°の2θ、13.59°±0.2°の2θ、14.08°±0.2°の2θ、15.21°±0.2°の2θ、15.67°±0.2°の2θ、17.53°±0.2°の2θ、18.70°±0.2°の2θ、18.98°±0.2°の2θ、19.38°±0.2°の2θ、19.67°±0.2°の2θ、20.16°±0.2°の2θ、20.39°±0.2°の2θ、21.01°±0.2°の2θ、22.27°±0.2°の2θ、23.35°±0.2°の2θ、24.15°±0.2°の2θ、24.67°±0.2°の2θ、25.00°±0.2°の2θ、25.18°±0.2°の2θ、25.57°±0.2°の2θ、25.93°±0.2°の2θ、26.21°±0.2°の2θ、27.19°±0.2°の2θ、および27.38°±0.2°の2θから選択されるされる一以上のピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられるボルシクリブマロン酸塩の結晶形を含む、請求項26または27に記載の方法。
  29. 前記製剤が、約0.01%~約10%w/wのコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記製剤が錠剤に構成され、前記錠剤がフィルムコーティングでコーティングされる、請求項26から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記疾患または前記障害が、血液がんである、請求項25から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記血液がんが、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性リンパ腫(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、節外辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫、Tリンパ芽球性リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、くすぶり型慢性成人T細胞リンパ腫、急性成人T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、鼻型節外ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、亜型IおよびIIを伴う腸疾患関連腸T細胞リンパ腫(EATL)、ならびに未分化大細胞リンパ腫(ALCL)から選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記製剤は、対象が約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1,000mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、前記対象に投与される、請求項25から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記製剤は、対象が約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1,000mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、前記対象に投与される、請求項25から32のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記製剤は、前記対象が約200mgまたは約250mgであるボルシクリブの一日量を受けるように、前記対象に投与される、請求項25から32のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記製剤は、前記対象が350mgを超えないボルシクリブの一日量を受けるように、前記対象に投与される、請求項25から32のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記ボルシクリブの用量は、ボルシクリブ遊離塩基用量である、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記製剤が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、前記対象に毎日投与される、請求項25から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記製剤が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、前記対象に毎日投与される、請求項25から37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記製剤の投与が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される、請求項25から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記製剤の投与が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される、請求項25から39のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記製剤が、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで前記対象に投与される、請求項25から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記製剤が、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間投与される、請求項25から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記製剤が、BCL-2阻害剤との併用で投与される、請求項25から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記BCL-2阻害剤は、ナビトクラクス、ベネトクラクス、A-1155463、A-1331852、ABT-737、オバトクラクス、S44563、TW-37、A-1210477、AT101、HA14-1、BAM7、サブトクラクス(sabutoclax)、UMI-77、ガンボギン酸、マリトクラクス(maritoclax)、MIM1、メチルプレドニゾロン、iMAC2、Bax阻害剤ペプチドV5、Bax阻害剤ペプチドP5、Baxチャネルブロッカー、ARRY 520トリフルオロ酢酸塩、またはそれらのいずれか一つの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記BCL-2阻害剤は、ベネトクラクスまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項44に記載の方法。
  47. 前記BCL-2阻害剤が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、前記対象に毎日投与される、請求項44から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記BCL-2阻害剤が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、前記対象に毎日投与される、請求項44から46のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記BCL-2阻害剤の投与が、約一日、約二日、約三日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または約14日の間、一時中断される、請求項44から48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記BCL-2阻害剤の投与が、約一週間、約二週間、約三週間、または約4週間の間、一時中断される、請求項44から48のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記BCL-2阻害剤が、14日間投与/14日間休薬のスケジュールで前記対象に投与される、請求項44から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記BCL-2阻害剤が、約一か月、約二か月、約三か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月の間、前記対象に投与される、請求項44から51のいずれか一項に記載の方法。
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