JP2024515808A - 電気機械的トランスフェクションの方法 - Google Patents

電気機械的トランスフェクションの方法 Download PDF

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Abstract

電気機的細胞トランスフェクションの方法、デバイス、システム及びキットが提供される。デバイスは、第1の電極、第2の電極、及びその間の活性ゾーンを含み、第1及び第2の電極に印加される電位差が、活性ゾーンに流れる細胞の少なくともサブセットをトランスフェクションするのに十分な電場を活性ゾーンに発生させる。

Description

米国連邦政府委託研究
本発明は、米国科学財団のフェーズII SBIRグラントNo.1747096号及びフェーズII SBIRグラントNo.1853194号によって実施された。政府は本発明について特定の権利を有する。
本発明は、電気機械的トランスフェクションの方法に関する。
免疫療法は現在、基礎科学研究と薬学的臨床応用の両面で最先端を走っている。この傾向は、標的遺伝子改変における最近の躍進と、治療開発のためのCRISPR/Cas複合体編集の使用拡大によるところもある。治療目的の遺伝子改変を同定するために、研究機関は多くの場合、内因性遺伝子の改変や遺伝子操作された遺伝子の挿入を含む何千もの遺伝子変異体をスクリーニングしなければならない。この創薬プロセスは手間がかかり、一般的に研究室内での多大な手作業が必要とされ、適切なハイスループット技術がないために業界全体のボトルネックとなっている。
バイオテクノロジーや医薬品の研究開発活動は、プロセスのほぼ全てのステップを自動化することにシフトしている。ワークフローには、高度な実験室管理ソフトウエアを搭載したリキッドハンドリングロボットが含まれ、ハイスループットの発見を可能にしている。しかしながら、トランスフェクションのステップは、低スループット、効率の悪い技術、自動化できないユーザ集約型のシステムに限られている。トランスフェクションのための自動化されたプラットフォームは、プロセスコストを大幅に削減する可能性があるだけでなく、細胞の生存率を高め、うまく操作された細胞の量を増やすことができる。
エレクトロポレーションによるトランスフェクションのユニークな強みは、RNA導入である。DNAを導入する既存のウイルス技術はエレクトロポレーションによるトランスフェクションに匹敵すると思われるが、GMP品質の非レトロウイルスRNAウイルスが不足している。そのため、エレクトロポレーションプラットフォームを持つ企業は、mRNAを細胞に送達する目的で、提携や買収の対象となっている。
現在のハイスループット遺伝子導入法では、一般的にウイルス導入(例えばレンチウイルスベクター)を必要とし、ウイルス粒子が細胞に感染し、目的の遺伝子改変を導入する。ウイルス法は高スループットの自動化システムに適用できるが、生産には限界があり、研究努力のタイムラインが延びる。ウイルスベクターはクローン化され、ウイルス生産ラインに導入され、その後ウイルス粒子を精製しなければならない。このプロセスには研究機関が数ヶ月を要することもあり、プラットフォーム開発のタイムラインに大きな影響を与えると同時に、創薬コストも増大する。さらに、遺伝子導入のためのウイルス導入は、ウイルス感染に耐性を持つ細胞(特定の免疫細胞サブセットなど)があるため、すべての細胞タイプの遺伝子改変に適応できるわけではない。従って、バイオテクノロジー業界では、ウイルス導入機構に依存しない遺伝子導入のための高スループット自動化システムに対するアンメットニーズが存在する。
我々は、本明細書に記載された研究を通して、高い流速と組み合わされた電界の使用を含む電気機械的トランスフェクションを用いる非ウイルス性アプローチが、生体外細胞治療の開発と製造のためのスケーラブルな戦略であることを実証した。純粋に電場ベースのポレーション法とも、純粋に機械ベースのポレーション法とも異なり、電気機械的トランスフェクションの複合効果により、高い効率と低い毒性で遺伝物質を送達することができる。本発明は、電気機械的トランスフェクションがヒト初代T細胞で成功裏に使用できることを初めて示した。市販のリキッドハンドリングシステムを利用し、90%超の効率と80%超の生存率で、増殖T細胞への導入の迅速な最適化が観察された。最適化された電気機械的トランスフェクションパラメータの確認は、ナイーブT細胞、NK細胞、B細胞、単球、マクロファージへのデリバリー、複数のペイロードのデリバリー、50倍のスケールアップ実証など、複数のユースケースで評価された。さらに、トランスクリプトームとオントロジ解析は、電気機械的トランスフェクションによる高効率、高生存率の送達が、最小限の遺伝子調節異常(ベースラインからわずか2%の変化)をもたらすことを示している。本発明は、非ウイルス性の電気機械的トランスフェクションが、細胞及び遺伝子治療工学及び開発のための効率的でスケーラブルな方法、であることを示している。
したがって、1つの態様において、本発明は、本発明のデバイスまたはシステムのいずれかを用いて(例えば、電気機械的トランスフェクションによって)、流動する液体中に懸濁された複数の哺乳動物細胞に組成物を導入する方法を提供する。具体的には、本発明の方法は、第1の入口及び第1の出口を備えるエントリゾ-ン、第1及び第2の電極、ならびに第2の入口及び第2の出口を備える活性ゾーンを含むデバイスを提供することを含む。この方法はさらに、電場(E)、平均流速(u)、活性ゾーンの水力直径(d)、液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)、及び液体密度(ρ)の組み合わせを選択して、1×10と1×1010との間の値を有する無次元パラメータΠを与えることを含み、ここで、無次元パラメータΠは、

によって表される。本方法はさらに、(E)、(u)、(d)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の選択された組み合わせを提供しながら、複数の細胞及び組成物を活性ゾーンに通過させ、それによって組成物を複数の哺乳動物細胞に導入することを含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、活性ゾーンあたり毎分少なくとも1×10細胞、例えば10細胞/分~1012細胞/分のフラックスで複数の細胞に、例えば、活性ゾーンあたり、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×1010細胞/分、または1010細胞/分~1011細胞/分、例えば、約10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、1010細胞/分、5×1010細胞/分、または1011細胞/分、導入される。
いくつかの実施形態において、エントリゾーン及び活性ゾーンは、例えばエントリゾーンの平均流速に対して、平均流速の増加を提供するように構成される。
別の態様において、本発明は、流動液体中に懸濁された複数の細胞に組成物を導入する方法を提供する。この方法は、第1の入口及び第1の出口を有するエントリゾ-ン、第1及び第2の電極、ならびに第2の入口及び第2の出口を含む活性ゾーンを含むデバイスを提供することを含む。本方法はさらに、第1及び第2の電極から電気エネルギーを送達し、同時に平均流速から少なくとも部分的に機械的エネルギーを送達しながら、複数の細胞及び組成物を活性ゾーンに通すことを含み、機械的エネルギー及び電気エネルギーが一緒になって、効率、収率、及び/または生存率を達成するために機械的ポレーションのエレクトロポレーションが必要とするよりも少ない電気エネルギーまたは機械的エネルギーで、エレクトロポレーションまたは機械的ポレーション単独と少なくとも等しい効率、収率、及び/または生存率で組成物を複数の細胞に導入する。
いくつかの実施形態において、組成物は、活性ゾーンあたり少なくとも1×10細胞/分のフラックス、例えば、活性ゾ-ンあたり、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×1010細胞/分、または1010細胞/分~1011細胞/分、例えば、約10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、1010細胞/分、5×1010細胞/分、1011細胞/分、5×1011細胞/分、または1012細胞/分、で導入される。
いくつかの実施形態において、電界によって提供される電気的エネルギーの、活性ゾーンにおける圧力降下と流量との積によって流動液体に提供される機械的エネルギーに対する比は、10:1と10:1との間、例えば、10:1と10:1との間、10:1と10:1との間、10:1と10:1との間、または10:1と10:1との間(例えば、約10:1、10:1、10:1、または10:1)、である。いくつかの実施形態において、エントリゾ-ン及び活性ゾーンは、平均流速の増加を提供するように構成される。
本発明の別の態様は、流動液体中に懸濁された複数の細胞に組成物を導入する方法を提供する。この方法は、第1の入口及び第1の出口を有するエントリゾーン、第1及び第2の電極、ならびに第2の入口及び第2の出口を含み、水力直径(d)を有する活性ゾーンを含むデバイスを提供することを含む。本方法はさらに、液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)、及び液体密度(ρ)、ならびに細胞対組成物の比率を共に有する複数の細胞の試験部分と、試験組成物と、を提供することと、電場(E)を印加しながら平均流速(u)で試験部分及び試験組成物を活性ゾーンに通すこととを含み、(u)、(E)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の少なくとも1つが変化する。本方法はさらに、複数の細胞の試験部分への試験組成物の導入のための最大収率、効率、及び/または細胞生存率を含む無次元パラメータΠの範囲を同定することを含み、ここで、

である。次いで、複数の細胞及び組成物は、最大収率、効率、または細胞生存率のうちの少なくとも1つを含むΠの値に対応する(u)、(E)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の組み合わせで活性ゾーンを通過させられ、それによって複数の細胞に組成物が導入される。
いくつかの実施形態において、複数の細胞の試験部分及び試験組成物が、細胞対組成物の第2の比率を有する場合、及び/または活性ゾーンが第2の水力直径(d)を有する場合に、範囲特定が繰り返される。
いくつかの実施形態において、本方法は、電場(E)を一定に保持しながら平均流速(u)を変化させること、またはΠ範囲特定ステップの間に平均流速(u)を一定に保持しながら電場(E)を変化させることを含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、活性ゾーン当たり毎分少なくとも1×10細胞、例えば、活性ゾーン当たり10細胞/分~1012細胞/分、例えば、活性ゾーン当たり10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×1010細胞/分、または1010細胞/分~1011細胞/分、例えば、活性ゾーン当たり約10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、1010細胞/分、5×1010細胞/分、1011細胞/分、5×1011細胞/分、または1012細胞/分、で導入される。
いくつかの実施形態において、エントリゾーン及び活性ゾーンは、平均流速(u)の増加を提供するように構成される。
別の態様において、本発明は、正常な患者またはドナーの血液から採取され、流動する液体中に懸濁された懸濁液から単離された複数のヒト免疫細胞に組成物を導入する方法を提供する。本方法は、第1の入口及び第1の出口を備えるエントリゾーン、第1及び第2の電極、ならびに第2の入口及び第2の出口を備える活性ゾーンを含むデバイスを提供することを含む。本方法はさらに、電場(E)、平均流速(u)、活性ゾーンの水力直径(d)、液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)(例えば、回転粘度計によって測定される)及び液体密度(ρ)の組み合わせを選択して、1×10と1×1010との間の値を有する無次元パラメータΠを与えることを含み、ここで、無次元パラメータΠは、

によって表される。本方法はさらに、(E)、(u)、(d)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の選択された組み合わせを提供しながら、複数の細胞及び組成物を活性ゾーンに通過させ、それにより組成物を複数のヒト免疫細胞に導入して、トランスフェクトされた細胞の治療用量を産生することを含む。
いくつかの実施形態において、懸濁液は、白血球除去法を使用して調製される。いくつかの実施形態において、組成物は、活性ゾーン当たり少なくとも1×10細胞/分、例えば活性ゾーン当たり10細胞/分~1012細胞/分、例えば活性ゾーン当たり10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×1010細胞/分または1010細胞/分~1011細胞/分、例えば活性ゾーン当たり、約10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、1010細胞/分、5×1010細胞/分、1011細胞/分、5×1011細胞/分、または1012細胞/分のフラックスで複数の細胞に導入される。いくつかの実施形態において、エントリゾーン及び活性ゾーンは、例えば、エントリゾーンを通る流速に対する平均流速の増加を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、所望の細胞表面マーカを変化させることなく、複数の哺乳動物細胞に導入される。細胞表面マーカーとしては、CD3、CD4、CD8、CD19、CD45RA、CD45RO、CD28、CD44、CD69、CD80、CD86、CD206、IL-2受容体、CTLA4、OX40、PD-1、TIM3、CD56、TNFa、IFNg、LAG3、TCRα/β、CD64、SIRPα/β(CD172a/b)ネスチン、CD325(N-カドヘリン)、CD183(CXCR3)、CD184(CXCR4)、CD197(CCR7)、CD27、CD11b、CCR7(CD197)、CD16、CD56、TIGIT、TRA-1-60、Nanog、TCRγ/δ、OCT4、T-bet、GATA-3、FoxP3、IL-17、B220、CD25、IgM、PD-L1、IL-23、IL-12、CD11c、及びF4/80、が挙げられるが、これらに限定されない。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンは、100μmを超える最小水力直径(例えば、100μm~10mm、150μm~15mm、200μm~10mm、250μm~5mm、500μm~10mm、1mm~10mm、1mm~50mm、5mm~25mm、または20mm~50mm、例えば、約0.5mm、1.0mm、1.5mm、2mm、5mm、10mm、15mm、25mm、または50mm)を含む。いくつかの実施形態において、先行する態様のいずれかにおいて、活性ゾーンは、複数の細胞における平均細胞直径よりも大きい最小水力直径、例えば、平均細胞直径の少なくとも1.1倍、例えば、平均細胞直径の1~10倍(例えば、1~2倍、2~3倍、3~4倍、4~5倍、5~6倍、6~7倍、7~8倍、8~9倍、または1~10倍)、または、例えば、平均細胞直径の10~100倍(例えば、10~20倍、20~30倍、30~40倍、40~50倍、50~60倍、60~70倍、70~80倍、80~90倍、または10~100倍)、または、例えば、平均細胞直径の100~1,000倍(例えば、100~200倍、200~300倍、300~400倍、400~500倍、500~600倍、600~700倍、700~800倍、800~900倍、または100~1,000倍)、または例えば、平均細胞直径の1,000~10,000倍(例えば、1,000~2,000倍、2,000~3,000倍、3,000~4,000倍、4,000~5,000倍、5,000~6,000倍、6,000~7,000倍、7,000~8,000倍、8,000~9,000倍、または1,000~10,000倍)、または、例えば平均細胞直径の10,000倍より大きい、例えば平均細胞直径の12,000倍、15,000倍、18,000倍、または20,000倍、最小水力直径を含む。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンは実質的に均一な断面積を有する。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンを通る流量は、0.001mL/分と1,000mL/分との間(例えば、0.001mL/分と0.05mL/分との間、0.001mL/分と0.1mL/分との間、0.001mL/分と1mL/分との間、0.05mL/分と0.5mL/分との間、0.05mL/分と5mL/分との間、0.1mL/分と1mL/分との間、0.5mL/分と2mL/分との間、1mL/分と5mL/分との間、1mL/分と10mL/分との間、1mL/分と100mL/分との間、5mL/分と25mL/分との間、5mL/分と150mL/分との間、10mL/分と100mL/分との間、15mL/分と150mL/分との間、25mL/分と100mL/分以との間、25mL/分と200mL/分との間、50mL/分と150mL/分との間、50mL/分と250mL/分との間、75mL/分と200mL/分との間、75mL/分と350mL/分との間、100mL/分と250mL/分との間、100mL/分と400mL/分との間、150mL/分と450mL/分との間、200mL/分と500mL/分との間、250mL/分と700mL/分との間、300mL/分と1,000mL/分との間、400mL/分と750mL/分との間、500mL/分と1,000mL/分との間、または750mL/分と1,000mL/分との間、例えば、約0.001mL/分、0.01mL/分、0.05mL/分、0.1mL/分、0.5mL/分、1mL/分、5mL/分、10mL/分、15mL/分、20mL/分、30mL/分、40mL/分、50mL/分、60mL/分、70mL/分、80mL/分、90mL/分、100mL/分、150mL/分、200mL/分、250mL/分、300mL/分、350mL/分、400mL/分、450mL/分、500mL/分、600mL/分、700mL/分、800mL/分、900mL/分、または1,000mL/分)、である。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンの流動液体のレイノルズ数(ρud/μ)(活性ゾーンの水力直径(d)に基づく)は、10と3000との間(例えば、10と2000との間、100と1600との間、100と1800との間、または183と1530との間)、である。
いくつかの実施形態において、活性ゾーンを流れるその中の懸濁液中の流動液体の平均流速は、1×10-2m/sと10m/sとの間、例えば、0.01と1m/sとの間(例えば、0.01と0.05m/sとの間、0.05と0.1m/sとの間、0.1と0.5m/sとの間、0.5と1m/sとの間、1.5と2m/sとの間、1と2m/sとの間、2と3m/sとの間、3と4m/sとの間、4と5m/sとの間、5と6m/sとの間、6と7m/sとの間、7と8m/sとの間、8と9m/sとの間、または9と10m/sとの間)、例えば0.1~5m/sとの間、0.4~1.4m/sとの間、0.65~1.3m/sとの間、または0.26~2.08m/sとの間、例えば、約0.1m/s、0.2m/s、0.3m/s、0.4m/s、0.5m/s、0.6m/s、0.7m/s、0.8m/s、0.9m/s、1.0m/s、1.1m/s、1.2m/s、1.3m/s、1.4m/s、1.5m/s、2m/s、3m/s、4m/s、5m/s、6m/s、7m/s、8m/s、9m/s、または10m/s、である。
いくつかの実施形態において、活性ゾーンを通過する間の懸濁液中の流動液体のピーク圧力は、1×10-3Paと9.5×10Paとの間(例えば、0.1Paと10,000Paとの間、1Paと5,000Paとの間、100Paと3000Paとの間、または136Paと1600Paとの間)、である。
先の態様のいずれかのいくつかの実施形態において、液体中に懸濁された複数の細胞のいずれかの活性ゾーンにおける滞留時間は、0.1ms~50msとの間(例えば、0.1ms~0.5msとの間、0.5ms~5msとの間、1ms~10msとの間、1ms~15msとの間、5ms~15msとの間、10ms~20msとの間、15ms~25msとの間、20ms~30msとの間、25ms~35msとの間、30ms~40msとの間、35ms~45msとの間、または40ms~50msとの間、例えば、約0.5ms、0.6ms、0.7ms、0.8ms、0.9ms、1ms、1.5ms、2ms、2.5ms、3ms、3.5ms、4ms、4.5ms、5ms、5.5ms、6ms、6.5ms、7ms、7.5ms、8ms、8.5ms、9ms、9.5ms、10ms、10.5ms、11ms、11.5ms、12ms、12.5ms、13ms、13.5ms、14ms、14.5ms、15ms、20ms、25ms、30ms、35ms、40ms、45ms、または50ms)、である。いくつかの実施形態において、滞留時間は5~20ms(例えば、6~18ms、8~15ms、または10~14ms)、である。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、電界は電圧パルスによって生成され、ここで、電圧パルスは、第1の電極を特定の印加電圧で通電する一方、第2の電極を特定の印加電圧で通電し、したがって、第1及び第2の電極間に電位差を印加し、ここで、電圧パルスはそれぞれ、-3kVと3kVとの間(例えば、-3kVと1kVとの間)-3kVと1kVとの間、-3kVと-1.5kVとの間、-2kVと2kVとの間、-1.5kVと1.5kVとの間、-1.5kVと2.5kVとの間、-1kVと1kVとの間、-1kVと2kVとの間、-0.5kVと0.5kVとの間、-0.5kVと1.5kVとの間、-0.5kVと3kVとの間、-0.01kVと2kVとの間、0kVと1kVとの間、0kVと2kVとの間、0kVと3kVとの間、0.01kVと0.1kVとの間、0.01kVと1kVとの間、0.02kVと0.2kVとの間、0.03kVと0.3kVとの間、0.04kVと0.4kVとの間、0.05kVと0.5kVとの間、0.05kVと1.5kVとの間、0.06kVと0.6kVとの間、0.07kVと0.7kVとの間、0.08kVと0.8kVとの間、0.09kVと0.9kVとの間、0.1kVと0.7kVとの間、0.1kVと1kVとの間、0.1kVと2kVとの間、0.1kVと3kVとの間、0.15kVtp5kVとの間、0.2kVと0.6kVとの間、0.2kVと2kVとの間、0.25kVと2.5kVとの間、0.3kVと3kVとの間、0.5kVと1kVとの間、0.5kVと3kVとの間、0.6kVと1.5kVとの間、0.7kVと1.8kVとの間、0.8kVと2kVとの間、0.9kVと3kVとの間、1kVと2kVとの間、1.5kVと2.5kVとの間、または2kVと3kVとの間、例えば、約3kV、-2.5kV、-2kV、-1.5kV、-1kV、-0.5kV、-0.01kV、0kV、0.01kV、0.02kV、0.03kV、0.04kV、0.05kV、0.06kV、0.07kV、0.08kV、0.09kV、0.1kV、0.2kV、0.3kV、0.4kV、0.5kV、0.6kV、0.7kV、0.8kV、0.9kV、1kV、1.1kV、1.2kV、1.3kV、1.4kV、1.5kV、1.6kV、1.7kV、1.8kV、1.9kV、2kV、2.1kV、2.2kV、2.3kV、2.4kV、2.5kV、2.6kV、2.7kV、2.8kV、2.9kV、または3kV)、の振幅を有する。いくつかの実施形態において、第1の電極は特定の印加電圧で通電され、一方、第2の電極は接地(例えば、0kV)に保持され、これにより、第1および第2の電極間に電位差が印加される。いくつかの実施形態において、電圧パルスは、0.01msと1,000msとの間(例えば、0.01msと0.1msとの間、0.01msと1msとの間、0.01msと10msとの間、0.05msと0.5msとの間、0.05msと1msとの間、0.1msと1msとの間、0.1msと5msとの間、0.1msと500msとの間、0.5msと2msとの間、1msと5msとの間、1msと10msとの間、1msと25msとの間、1msと100msとの間、1msと1,000msとの間、5msと25msとの間、5msと150msとの間、10msと100msとの間、15msと150msとの間、25msと100msとの間、25msと200msとの間、50msと150msとの間、50ミリ秒と250ミリ秒との間、75ミリ秒と200ミリ秒との間、75ミリ秒と350ミリ秒との間、100ミリ秒と250ミリ秒との間、100ミリ秒と400ミリ秒との間、150ミリ秒と450ミリ秒との間、200ミリ秒と500ミリ秒との間、250ミリ秒と700ミリ秒との間、300ミリ秒と1,000ミリ秒との間、400ミリ秒と750ミリ秒との間、500ミリ秒と1,000ミリ秒との間、または750ミリ秒と1,000ミリ秒との間、例えば、約0.01ms、0.05ms、0.1ms、0.5ms、1ms、5ms、10ms、15ms、20ms、30ms、40ms、50ms、60ms、70ms、80ms、90ms、100ms、150ms、200ms、250ms、300ms、350ms、400ms、450ms、500ms、600ms、700ms、800ms、900ms、または1,000ms)、の持続時間を有する。いくつかの実施形態において、電圧パルスは少なくとも1000msの持続時間を有する。いくつかの実施形態において、電圧パルスは、1Hzと50,000Hzとの間(例えば、1Hzと10Hzとの間、1Hzと100Hzとの間、1Hzと1,000Hzとの間、5Hzと20Hzとの間、5Hzと2,000Hzとの間、10Hzと50Hzとの間、10Hzと100Hzとの間、10Hzと1,000Hzとの間、10Hzと10,000Hzとの間、20Hzと50Hzとの間、20Hzと100Hzとの間、20Hzと2,000Hzとの間、20Hzと20,000Hzとの間、50Hzと500Hzとの間、50Hzと1,000Hzとの間、50Hzと50,000Hzとの間、100Hzと200Hzとの間、100Hzと500Hzとの間、100Hzと1,000Hzとの間、100Hzと10,000Hzとの間、100Hzと50、200Hzと400Hzとの間、200Hzと750Hzとの間、20Hzと2,000Hzとの間、500Hzと1,000Hzとの間、750Hzと1,500Hzとの間、750Hzと10,000Hzとの間、1,000Hzと2,000Hzとの間、1,000Hzと5,000Hzとの間、1,000Hzと10,000Hzとの間、1、000Hzと50,000Hzとの間、5,000Hzと10,000Hzとの間、5,000Hzと20,000Hzとの間、5,000Hzと50,000Hzとの間、10,000Hzと15,000Hzとの間、10,000Hzと25,000Hzとの間、10,000Hzと50,000Hzとの間、20,000Hzと30,000Hzとの間、または20,000Hzと50,000Hzとの間、例えば、約1Hz、5Hz、10Hz、20Hz、50Hz、75Hz、100Hz、150Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、1,000Hz、2,000Hz、5,000Hz、10,000Hz、15,000Hz、20,000Hz、30,000Hz、40,000Hz、または50,000Hz)、の周波数で第1及び第2の電極に印加される。
いくつかの実施形態において、電圧パルスの波形は、DC、矩形、パルス、バイポーラ、正弦、ランプ、非対称バイポーラ、任意、及びそれらの任意の重ね合わせまたは組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、電圧パルスから生成される電界は、100V/cmと50,000V/cmとの間(例えば、100V/cmと500V/cmとの間、100V/cmと1,000V/cmとの間、100V/cmと2,000V/cmとの間、100V/cmと5,000V/cmとの間、250V/cmと2000V/cmとの間、500V/cmと2500V/cmとの間、500V/cmと5000V/cmとの間、500V/cmと1,500V/cmとの間、300V/cmと500V/cmとの間、1000V/cmと2,000V/cmとの間、例えば、約100V/cm、150V/cm、200V/cm、250V/cm、300V/cm、350V/cm、400V/cm、450V/cm、500V/cm、550V/cm、600V/cm、650V/cm、700V/cm、750V/cm、800V/cm、900V/cm、1,000V/cm、または2,000V/cm)、の振幅を有する。
いくつかの実施形態において、電圧パルスのデューティサイクルは、1%と100%との間(例えば、1%と10%との間、1%と97%との間、2.5%と20%との間、5%と25%との間、5%と40%との間、10%と25%との間、10%と50%との間、10%と95%との間、15%と60%との間、15%と85%との間、20%と40%との間、30%と50%との間、40%と60%との間、40%と75%との間、50%と85%との間、50%と100%との間、75%と100%との間、または90%と100%との間、例えば、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%)、である。
いくつかの実施形態において、液体は、0.001mS/cmと500mS/cmとの間(例えば、0.001mS/cmと0.05mS/cmとの間、0.001mS/cmと0.1mS/cmとの間、0.001mS/cmと1mS/cmとの間、0.05mS/cmと0.5mS/cmとの間、0.05mS/cmと5mS/cmとの間、0.1mS/cmと1mS/cmとの間、0.1mS/cmと100mS/cmとの間、0.5mS/cmと2mS/cmとの間、1mS/cmと5mS/cmとの間、1mS/cmと10mS/cmとの間、1mS/cmと100mS/cmとの間、1mS/cmと500mS/cmとの間、5mS/cmと25mS/cmとの間、5mS/cmと150mS/cmとの間、10mS/cmと100mS/cmとの間、10mS/cmと250mS/cmとの間、15mS/cmと150mS/cmとの間、25mS/cmと100mS/cmとの間、25mS/cmと200mS/cmとの間、50mS/cmと150mS/cmとの間、50mS/cmと250mS/cmとの間、50mS/cmと500mS/cmとの間、75mS/cmと200mS/cmとの間、75mS/cmと350mS/cmとの間、100mS/cmと250mS/cmとの間、mS/cmと400mS/cmとの間、100mS/cmと500mS/cmとの間、150mS/cmと450mS/cmとの間、200mS/cmと500mS/cmとの間、300mS/cmと500mS/cmとの間、例えば、約0.001mS/cm、0.01mS/cm、0.05mS/cm、0.1mS/cm、0.5mS/cm、1mS/cm、5mS/cm、10mS/cm、15mS/cm、20mS/cm、30mS/cm、40mS/cm、50mS/cm、60mS/cm、70mS/cm、80mS/cm、90mS/cm、100mS/cm、150mS/cm、200mS/cm、250mS/cm、300mS/cm、350mS/cm、400mS/cm、450mS/cm、または500mS/cm)、の導電率を有する。
いくつかの実施形態において、液体中に懸濁された複数の細胞の温度は、0℃と50℃との間(0℃と5℃との間、2℃と15℃との間、3℃と30℃との間、4℃と10℃との間、4℃と25℃との間、5℃と30℃との間、7℃と35℃との間、10℃と25℃との間、10℃と40℃との間、15℃と50℃との間、20℃と40℃との間、25°と50℃との間、または35℃と45℃との間、例えば、約0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃)、である。
いくつかの実施形態において、本方法は、トランスフェクション後に、液体中に懸濁された複数の細胞を回収バッファ中に保存することをさらに含む。いくつかの実施形態において、細胞は、組成物導入後、0.1%と99.9%との間(例えば、0.1%と5%との間、1%と10%との間、2.5%と20%との間、5%と40%との間、10%と30%との間、10%と60%との間、10%と90%との間、25%と40%との間、25%と85%との間、30%と50%との間、30%と80%との間、40%と65%との間、50%と75%との間、50%と99.9%との間、60%と80%との間、75%と99.9%との間、または85%と99.9%との間、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または99.9%)、の生存率を有する。
いくつかの実施形態において、組成物は、0.1%と99.9%との間(例えば、0.1%と5%との間、1%と10%との間、2.5%と20%との間、5%と40%との間、10%と30%との間、10%と60%との間、10%と90%との間、25%と40%との間、25%と85%との間、30%と50%との間、30%と80%との間、40%と65%との間、50%と75%との間、50%と99.9%との間、60%と80%との間、75%と99.9%との間、または85%と99.9%との間、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または99.9%)、の効率で複数の細胞に導入される。
いくつかの実施形態において、本方法は0.1%と100%との間(例えば、0.1%と5%との間、1%と10%との間、2.5%と20%との間、5%と40%との間、10%と30%との間、10%と60%との間、10%と90%との間、25%と40%との間、25%と85%との間、30%と50%との間、30%と80%との間、40%と65%との間、50%と75%との間、50%と100%との間、60%と80%との間、75%と100%との間、85%と100%との間、例えば約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%)、の細胞回収率を生じる。いくつかの実施形態において、本方法は、トランスフェクション後24時間で、0.1%と500%との間の(例えば、0.1%と5%との間、1%と10%との間、2.5%と20%との間、5%と40%との間、10%と30%との間、10%と60%との間、10%と90%との間、25%と40%との間、25%と85%との間、30%と50%との間、30%と80%との間、40%と65%との間、50%と75%との間、50%と100%との間、60%と80%との間、60%と150%との間、75%と100%との間、75%と200%との間、85%と150%との間、90%と250%との間、100%と200%との間、100%と400%との間、150%と300%との間、200%と500%との間、または300%と500%との間、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%,1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%,20%,25%,30%,35%,40%,45,50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%,85%,90%,95%,99%,100%,150%,200%,210%,220%,230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%、310%、320%、330%、340%、350%、360%、370%、380%、390%、400%、410%、420%、430%、440%、450%、460%、470%、480%、490%、または500%)、の生操作細胞の収率(例えば、回収収率)を生じる。
いくつかの実施形態において、本方法は、トランスフェクション直後に0.1%と100%との間(例えば、0.1%と5%との間、1%と10%との間、2.5%と20%との間、5%と40%との間、10%と30%との間、10%と60%との間、10%と90%との間、25%と40%との間、25%と85%との間、30%と50%との間、30%と80%との間、40%と65%との間、50%と75%との間、50%と100%との間、60%と80%との間、60%と90%との間、75%と100%との間、または85%と100%との間、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100)、の生操作細胞収率(例えば、回収収率)を生じる。
いくつかの実施形態において、複数の細胞に送達される組成物(例えば、電気機械的に複数の細胞に送達される)は、治療剤、ビタミン、ナノ粒子、荷電分子、非荷電分子、操作されたヌクレアーゼ、DNA、RNA、CRISPR-Cas複合体、CRISPR-Cas複合体、CRISPR-Cas複合体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ホーミングヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ(mns)、メガTAL、酵素、トランスポゾン、ペプチド、タンパク質、ウイルス、ポリマー、リボヌクレオタンパク質(RNP)、及び多糖類からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、0.0001μMと20μMとの間(例えば、0.0001μM~0.001μM、0.001μM~0.01μM、0.001μM~5μM、0.005μM~0.1μM、0.01μM~0.1μM、0.01μM~1μM、0.1μM~1μM、0.1μM~5μM、1μM~10μM、1μM~15μM、または1μM~20μM、例えば、約0.0001μM、0.0005μM、0.001μM、0.005μM、0.01μM、0.02μM、0.03μM、0.04μM、0.05μM、0.06μM、0.07μM,0.08μM,0.09μM,0.1μM,0.2μM,0.3μM,0.4μM,0.5μM,0.6μM,0.7μM,0.8μM,0.9μM,1μM,1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、5.5μM、6μM、6.5μM、7μM、7.5μM、8μM、8.5μM、9μM、9.5μM、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、または20μM、である)液体中濃度を有する。いくつかの実施形態において、組成物は、0.0001μg/mLと1,000μg/mLとの間(例えば、0.0001μg/mL~0.001μg/mL、0.001μg/mL~0.01μg/mL、0.001μg/mL~5μg/mL、0.005μg/mL~0.1μg/mL、0.01μg/mL~0.1μg/mL、0.01μg/mL~1μg/mL、0.1μg/mL~1μg/mL、0.1μg/mL~5μg/mL、1μg/mL~10μg/mL、1μg/mL~50μg/mL、1μg/mL~100μg/mL、2.5μg/mL~15μg/mL、5μg/mL~25μg/mL、5μg/mL~50μg/mL、5μg/mL~500μg/mL、7.5μg/mL~75μg/mL、10μg/mL~100μg/mL、10μg/mL~1,000μg/mL、25μg/mL~50μg/mL、25μg/mL~250μg/mL、25μg/mL~500μg/mL、50μg/mL~100μg/mL、50μg/mL~250μg/mL、50μg/mL~750μg/mL、100μg/mL~300μg/mL、100μg/mL~1,000μg/mL、200μg/mL~400μg/mL、250μg/mL~500μg/mL、350μg/mL~500μg/mL、400μg/mL~1,000μg/mL、500μg/mL~750μg/mL、650μg/mL~1,000μg/mL、または800μg/mL~1,000μg/mL、例えば約0.0001μg/mL、0.0005μg/mL、0.001μg/mL、0.005μg/mL、0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、0.07μg/mL、0.08μg/mL、0.09μg/mL、0.1μg/mL、0.2μg/mL、0.3μg/mL、0.4μg/mL、0.5μg/mL、0.6μg/mL、0.7μg/mL、0.8μg/mL、0.9μg/mL、1μg/mL、1.5μg/mL、2μg/mL、2.5μg/mL、3μg/mL、3.5μg/mL、4μg/mL、4.5μg/mL、5μg/mL、5.5μg/mL、6μg/mL、6.5μg/mL、7μg/mL、7.5μg/mL、8μg/mL、8.5μg/mL、9μg/mL、9.5μg/mL、10μg/mL、15μg/mL、20μg/mL、25μg/mL、30μg/mL、35μg/mL、40μg/mL、45μg/mL、50μg/mL、55μg/mL、60μg/mL、65μg/mL、70μg/mL、75μg/mL、80μg/mL、85μg/mL、90μg/mL、95μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、250μg/mL、300μg/mL、350μg/mL、400μg/mL、450μg/mL、500μg/mL、550μg/mL、600μg/mL、650μg/mL、700μg/mL、750μg/mL、800μg/mL、850μg/mL、900μg/mL、950μg/mL、または1,000μg/mL)、の液体中濃度を有する。
前記態様のいずれかのいくつかの実施形態において、液体中に懸濁された複数の細胞は、真核細胞(例えば、動物細胞、例えば、ヒト細胞)、原核細胞(例えば、細菌細胞)、植物細胞、及び/または合成細胞を含む。細胞は、初代細胞(例えば、初代ヒト細胞)、細胞株(例えば、ヒト細胞株)からの細胞、懸濁液中の細胞、接着細胞、幹細胞、血液細胞(例えば、末梢血単核細胞(PBMC))、及び/または免疫細胞(例えば、白血球(例えば、自然免疫細胞または適応免疫細胞))であり得る。いくつかの実施形態において、細胞(例えば、免疫細胞、例えば、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、単球、または抗原提示細胞)は、未刺激細胞、刺激細胞、または活性化細胞、である。いくつかの実施形態において、細胞は、適応免疫細胞及び/または自然免疫細胞、である。いくつかの実施形態において、複数の細胞は、抗原提示細胞(APC)、単球、T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、好中球、NK細胞、Jurkat細胞、THP-1細胞、ヒト胚性腎臓(HEK-293)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO-K1)細胞、胚性幹細胞(ESC)、間葉系幹細胞(MSC)、または造血幹細胞(HSC)、である。いくつかの実施形態において、細胞は、初代ヒトT細胞、初代ヒトマクロファージ、初代ヒト単球、初代ヒトNK細胞、または初代ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)であり得る。本明細書に記載される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、液体中に懸濁された複数の細胞を、ポレーション後に回収バッファ中に保存することをさらに含む。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載されるデバイスまたはシステムのいずれかを含むキット、及び、例えば、複数のデバイスを包むように構成された複数の外側構造体であって、複数の外側構造体の各々が、少なくとも1つのデバイスの第1の電極、第2の電極、及び活性ゾーンを包むように構成されたハウジング、第1の電極に作動可能に結合された第1の電気入力;及び第2の電極に作動可能に結合された第2の電気入力を含む、複数の外側構造体を提供する。いくつかの実施形態において、複数の外側構造は、複数のデバイスと一体である。いくつかの実施形態において、複数の外側構造は、複数のデバイスに解放可能に連結される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのデバイスの温度を上昇させるように構成された熱コントローラをさらに含み、熱コントローラは、加熱ブロック、液体流、電池式ヒータ、及び薄膜ヒータからなる群から選択される加熱素子、である。いくつかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのデバイスの温度を低下せるように構成された熱コントローラをさらに含み、熱コントローラは、液体流、蒸発冷却器、及びペルチェ素子からなる群から選択される冷却素子、である。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、本発明は、液体中に懸濁された複数の細胞に組成物を導入するためのキットを提供し、キットは、本明細書に記載の複数のデバイスと、複数のデバイスを包囲するように構成された複数の外側構造体とを含み、複数の外側構造体の各々は、少なくとも1つのデバイスの第1の電極、第2の電極、及び活性ゾーンを包囲するように構成されたハウジングと、第1の電極に動作可能に結合された第1の電気入力と、第2の電極に動作可能に結合された第2の電気入力とを含む。いくつかの実施形態において、複数の外側構造は、複数のデバイスと一体である。いくつかの実施形態において、複数の外側構造は、複数のデバイスに解放可能に連結される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのデバイスの温度を上昇させるように構成された熱コントローラをさらに含み、熱コントローラは、加熱ブロック、液体流、電池式ヒータ、及び薄膜ヒータからなる群から選択される加熱素子、である。いくつかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのデバイスの温度を低下させるように構成された熱コントローラをさらに含み、熱コントローラは、液体流、蒸発冷却器、及びペルチェ素子からなる群から選択される冷却素子、である。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、本発明は、液体中に懸濁された複数の細胞に、電気機械的に組成物を送達するためのキットを提供し、キットは、複数のデバイスを含み、複数のデバイスの各々が、上述の実施形態のデバイスを含み、複数のデバイスを包囲するように構成された複数の外側構造体とを含み、複数の外側構造体の各々は、少なくとも1つのデバイスの第1の電極、第2の電極、および活性ゾーンを包囲するように構成されたハウジングと、第1の電極に作動可能に結合された第1の電気入力と、第2の電極に作動可能に結合された第2の電気入力とを含む。いくつかの実施形態において、複数の外側構造は、複数のデバイスと一体である。いくつかの実施形態において、複数の外側構造は、複数のデバイスに解放可能に連結される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのデバイスの温度を上昇させるように構成された熱コントローラをさらに含み、熱コントローラは、加熱ブロック、液体流、電池式ヒータ、および薄膜ヒータからなる群から選択される加熱素子である。いくつかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのデバイスの温度を低下させるように構成された熱コントローラをさらに含み、熱コントローラは、液体流、蒸発冷却器、およびペルチェ素子からなる群から選択される冷却素子である。
先行する方法のいずれかのいくつかの実施形態において、キットは、デバイスのゾーン、例えば、エントリゾーン、活性ゾーン、または回収ゾーンに流体的に接続された、1つ以上のリザーバ、例えば、第1のリザーバ及び第2のリザーバをさらに含む。例えば、第1のリザーバはエントリゾーンに流体的に接続され、第2のリザーバは回収ゾーンに流体的に接続される(例えば、回復バッファ源として)。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンの断面は、円筒形、楕円形、多角形、星形、平行四辺形、台形、及び不規則からなる群から選択される。
いくつかの場合、エントリゾーンの水力直径または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の0.01%から100,000%との間、である。例えば、エントリゾーンの水力直径または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の0.01%~1000%、例えば活性ゾーンの水力直径の0.01%~1%、0.1%~10%、5%~25%、10%~50%、10%~1000%、25%~75%、25%~750%、または50%~1000%であってもよい。あるいは、エントリゾーンの水力直径または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の100%~100,000%、例えば、活性ゾーンの水力直径の100%~1000%、500%~5,000%、1,000%~10,000%、5,000%~25,000%、10,000%~50,000%、25,000%~75,000%、または50,000%~100,000%、であってもよい。
先の態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンの水力直径は0.01mmと50mmとの間、である。いくつかの実施形態において、活性ゾーンの長さは0.01mmと50mmの間、である。特定の実施形態において、活性ゾーンの長さは0.01mmと25mmとの間、である。いくつかの実施形態において、第1の電極または第2の電極のいずれかの水力直径は、0.1mmと500mmとの間、である。特定の実施形態において、エントリゾーン、回収ゾーン、活性ゾーンのいずれも、流体中に懸濁された複数の細胞のいずれかの断面寸法を減少させず、例えば、細胞は変形することなくデバイスを通過することができる。
さらなる実施形態において、デバイスは、デバイスの第1の電極、第2の電極、及び活性ゾーンを包むように構成されたハウジングを有する外側構造を含む。いくつかの実施形態において、外側構造はデバイスと一体である。特定の実施形態において、外側構造体は、デバイスに解放可能に接続される。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンの断面は、円筒形、楕円形、多角形、星形、平行四辺形、台形、及び不規則からなる群から選択される。
先の態様のいずれかのいくつかの実施形態において、エントリゾーンの水力直径または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の0.01%~100,000%の間、である。例えば、エントリゾーンの水力直径または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の0.01%~1,000%、例えば0.01%~1%、0.1%~10%、5%~25%、10%~50%、10%~1,000%、25%~75%、25%~750%、または50%~100%であってもよい。あるいは、エントリゾーンの水力直径または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の100%~100,000%、例えば、100%~1000%、500%~5,000%、1,000%~10,000%、5,000%~25,000%、10,000%~50,000%、25,000%~75,000%、または50,000%~100,000%、であってもよい。
先の態様のいずれかのいくつかの実施形態において、活性ゾーンの水力直径は0.01mmと50mmとの間、である。いくつかの実施形態において、活性ゾーンの長さは0.005mmと50mmとの間、である。特定の実施形態において、活性ゾーンの長さは0.005mmと25mmとの間、である。いくつかの実施形態において、第1の電極または第2の電極のいずれかの水力直径は、0.1mmと500mmとの間、である。特定の実施形態において、エントリゾーン、回収ゾーン、活性ゾーンのいずれも、流体中に懸濁された複数の細胞のいずれかの断面寸法を減少させず、例えば、細胞は変形することなくデバイスを通過することができる。
先の態様のいずれかのいくつかの実施形態において、第1及び/または第2の電極は、多孔質または導電性流体(例えば、液体)、である。
さらなる実施形態において、デバイスは、デバイスの第1の電極、第2の電極、及び活性ゾーンを包むように構成されたハウジングを有する外側構造を含む。いくつかの実施形態において、外側構造は、デバイスと一体である。特定の実施形態において、外側構造は、デバイスに解放可能に接続される。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、本発明は、流れる流体中に懸濁された複数の細胞に電気機械的トランスフェクションによって組成物を導入するためのシステムを提供し、このシステムは、本明細書に記載される任意のデバイス及び電位源を含み、デバイスの第1及び第2の電極は、電位源に解放可能に接続される。このシステムにおいて、流体中に懸濁された複数の細胞は、活性ゾーンに入ると穿孔される。
さらなる実施形態において、デバイスは、デバイスの第1の電極、第2の電極、及び活性ゾーンを包むように構成されたハウジングを有する外側構造を含む。いくつかの実施形態において、外側構造は、第1の電極に動作可能に結合された第1の電気入力と、第2の電極に動作可能に結合された第2の電気入力とを含む。いくつかの実施形態において、第1または第2の電気入力と電位源との間の解放可能な接続は、クランプ、クリップ、バネ、シース、ワイヤブラシ、機械的接続、誘導接続、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、外側構造はデバイスと一体である。特定の実施形態において、外側構造は、デバイスに解放可能に接続される。
いくつかの実施形態において、先の態様のいずれかのデバイス、システム、または方法は、可逆的な細孔形成を誘導する。特定の実施形態において、電気機械的トランスフェクションは、実質的に非熱可逆的電気機械的トランスフェクションである。
いくつかの実施形態において、デバイスと電位源との間の解放可能な接続は、クランプ、クリップ、バネ、シース、ワイヤブラシ、機械的接続、誘導接続、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態において、デバイスと電位源との間の解放可能な接続は、バネ、である。
いくつかの実施形態において、システムは、デバイスのゾーン、例えば、エントリゾーンまたは回収ゾーンに流体的に接続された、1つ以上のリザーバ、例えば、第1のリザーバ及び第2のリザーバをさらに含む。例えば、第1のリザーバは、エントリゾーンに流体的に接続され、第2のリザーバは、回収ゾーンに流体的に接続され得る。
さらなる実施形態において、システムは、エントリゾーンに流体的に接続された流体送出源を含み、流体送出源は、流体中に懸濁された複数の細胞をエントリゾーンを通して回収ゾーンに送出するように構成される。特定の実施形態において、流体送達源からの送達速度は0.001mL/分~1,000mL/分、例えば25mL/分、である。特定の実施形態において、流体中に懸濁された複数の細胞のいずれかの滞留時間は、0.5msと50msとの間、である。特定の実施形態において、流体の導電率は、0.001mS/cm~500mS/cm、例えば、1~20mS/cm、である。
さらなる実施形態において、システムは、第1の電極と第2の電極との間に電位差を生成するために、第1の電極と第2の電極とに電圧パルスを送達するために、電位源に動作可能に結合されたコントローラを含む。いくつかの実施形態において、電圧パルスは最大3kV、例えば0.01kV~3kV、例えば0.2~0.6kVの振幅を有する。いくつかの場合、電気機械的トランスフェクションのデューティサイクルは、0.001%~100%、例えば10~95%、である。特定の実施形態において、電圧パルスは0.01ms~1,000ms、例えば1~10msの持続時間を有する。特定の実施形態において、電圧パルスは、1Hz~50,000Hz、例えば100~500Hzの間の周波数で第1及び第2の電極に印加される。電圧パルスの波形は、DC、矩形、パルス、バイポーラ、正弦、ランプ、非対称バイポーラ、任意、またはそれらの重ね合わせもしくは組み合わせであってもよい。特定の実施形態において、電圧パルスから生成される電界は、1V/cm~50,000V/cm、例えば、100~1,000V/cm、例えば、400~1,000V/cmの間の大きさを有する。さらなる実施態様において、システムは、本明細書に記載の電気機械的トランスフェクションデバイスを収容するように構成されたハウジング(例えば、ハウジング構造)を含む。さらなる実施態様において、ハウジング(例えば、ハウジング構造体)は、ハウジングまたはそのシステムの任意の構成要素の温度を上昇または低下させるように構成された熱コントローラを含む。いくつかの実施形態において、熱コントローラは、加熱素子、例えば、加熱ブロック、液体流、電池式ヒータ、または薄膜ヒータ、である。他の実施形態において、熱コントローラは、冷却素子、例えば、液体流、蒸発冷却器、または熱電素子、例えば、ペルチェ素子、である。
さらなる実施形態において、システムは、複数の電気機械的トランスフェクションデバイスを、例えば、直列または並列に含む。特定の実施形態において、システムは、複数の電気機械的トランスフェクションデバイスのための複数の外側構造を含む。
さらなる実施形態において、本方法は、流体中に懸濁された複数の細胞の一部の健康を評価することを含む。特定の実施形態において、評価することは、流体中に懸濁された複数の細胞の一部の生存率を測定することを含む。特定の実施形態において、評価することは、流体中に懸濁された複数の細胞の一部のトランスフェクション効率を測定することを含む。いくつかの実施形態において、評価することは、流体中に懸濁された複数の細胞の一部の細胞回収率を測定することを含む。特定の実施形態において、評価は、細胞表面マーカ発現のフローサイトメトリ分析を含む。
いくつかの実施形態において、本方法は可逆的な電気機械的トランスフェクションを誘導する。特定の実施形態において、電気機械的トランスフェクションは、実質的に非熱可逆的電気機械的トランスフェクション、である。
いくつかの実施形態において、組成物を有する流体中に懸濁された細胞は、正圧、例えば、ポンプ、例えば、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、または圧力源の印加によって、デバイスの活性ゾーン中の電場を通過させられる。
特定の実施形態において、試料中の複数の細胞中の細胞は、哺乳動物細胞、真核生物、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、合成細胞、初代細胞、細胞株、懸濁細胞、接着細胞、非刺激細胞、刺激細胞、活性化細胞免疫細胞、幹細胞、血液細胞、赤血球、T細胞、B細胞、好中球、樹状細胞、抗原提示細胞(APC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、マクロファージ、または末梢血単核細胞(PBMC)、ヒト胚性腎細胞、例.e.g.,K-293細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、である。特定の実施形態において、複数の細胞は、Jurkat細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、初代ヒトT細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、THP-1細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、初代ヒトマクロファージを含む。特定の実施形態において、複数の細胞は初代ヒト単球を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、ヒト胚腎細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞はB細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は初代ヒトT細胞を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は初代ヒト単球を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は初代ヒトマクロファージを含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、胚性幹細胞(ESC)、間葉系幹細胞(MSC)、または造血幹細胞(HSC)を含む。特定の実施形態において、複数の細胞は、初代ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、治療剤、ビタミン、ナノ粒子、荷電治療剤、ナノ粒子、荷電分子、例えば、溶液中のイオン、非荷電分子、核酸、例えば.DNAまたはRNA、CRISPR-Cas複合体、タンパク質、ポリマー、リボヌクレオタンパク質(RNP)、人工ヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ホーミングヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ(MN)、メガTAL、酵素、ペプチド、トランスポゾン、または多糖類、例えばデキストラン、例えばデキストラン硫酸塩。懸濁液中の細胞に送達され得る組成物としては、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド、mRNA、またはDNA)、抗体(または抗体フラグメント、例えば、二特異性フラグメント、三特異性フラグメント、Fab、F(ab’)2、または単鎖可変フラグメント(scFv))、アミノ酸、ポリペプチド(例えば、ペプチドまたはタンパク質)、細胞、細菌、遺伝子治療薬、ゲノム工学治療薬、エピゲノム工学治療薬、炭水化物、化学薬剤、造影剤、磁性粒子、ポリマービーズ、金属ナノ粒子、金属微粒子、量子ドット、抗酸化剤、抗生物質、ホルモン核タンパク質、多糖類、糖タンパク質、リポタンパク質、ステロイド、鎮痛剤、局所麻酔剤、抗炎症剤、抗微生物剤、化学療法剤、エクソソーム、外膜小胞、ワクチン、ウイルス、バクテリオファージ、アジュバント、ビタミン、ミネラル、オルガネラ、及びこれらの組み合わせ。特定の実施形態において、組成物は、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド、mRNA、またはDNA)、である。特定の実施形態において、組成物はポリペプチド(例えば、ペプチドまたはタンパク質)である。
いくつかの実施形態において、組成物は、0.0001μMと20μMとの間(例えば、0.0001μM~0.001μM、0.001μM~0.01μM、0.001μM~5μM、0.005μM~0.1μM、0.01μM~0.1μM、0.01μM~1μM、0.1μM~1μM、0.1μM~5μM、1μM~10μM、1μM~15μM、または1μM~20μM、例えば、約0.0001μM、0.0005μM、0.001μM、0.005μM、0.01μM、0.02μM、0.03μM、0.04μM、0.05μM、0.06μM、0.07μM,0.08μM,0.09μM,0.1μM,0.2μM,0.3μM,0.4μM,0.5μM,0.6μM,0.7μM,0.8μM,0.9μM,1μM,1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、5.5μM、6μM、6.5μM、7μM、7.5μM、8μM、8.5μM、9μM、9.5μM、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、または20μM)、の液体中濃度を有する。
特定の実施形態において、組成物は、0.0001μg/mLと1,000μg/mLとの間(例えば、0.0001μg/mL~1,000μg/mL)、0.0001μg/mL~0.001μg/mL、0.001μg/mL~0.01μg/mL、0.001μg/mL~5μg/mL、0.005μg/mL~0.1μg/mL、0.01μg/mL~0.1μg/mL、0.01μg/mL~1μg/mL、0.1μg/mL~1μg/mL、0.1μg/mL~5μg/mL、1μg/mL~10μg/mL、1μg/mL~50μg/mL、1μg/mL~100μg/mL、2.5μg/mL~15μg/mL、5μg/mL~25μg/mL、5μg/mL~50μg/mL、5μg/mL~500μg/mL、7.5μg/mL~75μg/mL、10μg/mL~100μg/mL、10μg/mL~1,000μg/mL、25μg/mL~50μg/mL、25μg/mL~250μg/mL、25μg/mL~500μg/mL、50μg/mL~100μg/mL、50μg/mL~250μg/mL、50μg/mL~750μg/mL、100μg/mL~300μg/mL、100μg/mL~1,000μg/mL、200μg/mL~400μg/mL、250μg/mL~500μg/mL、350μg/mL~500μg/mL、400μg/mL~1,000μg/mL、500μg/mL~750μg/mL、650μg/mL~1,000μg/mL、または800μg/mL~1,000μg/mL、例.例えば、約0.0001μg/mL、0.0005μg/mL、0.001μg/mL、0.005μg/mL、0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、0.07μg/mL、0.08μg/mL、0.09μg/mL、0.1μg/mL、0.2μg/mL、0.3μg/mL、0.4μg/mL、0.5μg/mL、0.6μg/mL、0.7μg/mL、0.8μg/mL、0.9μg/mL、1μg/mL、1.5μg/mL、2μg/mL、2.5μg/mL、3μg/mL、3.5μg/mL、4μg/mL、4.5μg/mL、5μg/mL、5.5μg/mL、6μg/mL、6.5μg/mL、7μg/mL、7.5μg/mL、8μg/mL、8.5μg/mL、9μg/mL、9.5μg/mL、10μg/mL、15μg/mL、20μg/mL、25μg/mL、30μg/mL、35μg/mL、40μg/mL、45μg/mL、50μg/mL、55μg/mL、60μg/mL、65μg/mL、70μg/mL、75μg/mL、80μg/mL、85μg/mL、90μg/mL、95μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、250μg/mL、300μg/mL、350μg/mL、400μg/mL、450μg/mL、500μg/mL、550μg/mL、600μg/mL、650μg/mL、700μg/mL、750μg/mL、800μg/mL、850μg/mL、900μg/mL、950μg/mL、または1,000μg/mL)、の流体中濃度を有する。
さらなる実施態様において、本方法は、本明細書に記載の電気機械デバイスを収容するように構成された収容構造を含む。さらなる実施態様において、ハウジング構造は、ハウジングまたはそのシステムの任意の構成要素の温度を上昇または低下させるように構成された熱コントローラを含む。いくつかの実施形態において、熱コントローラは、加熱素子、例えば、加熱ブロック、液体流、電池式ヒータ、または薄膜ヒータ、である。他の実施形態において、熱コントローラは、冷却素子、例えば、液体流、蒸発冷却器、または熱電素子、例えば、ペルチェ素子、である。特定の実施形態において、流体中に懸濁された複数のセルの温度は0℃から50℃との間、である。
さらなる実施形態において、デバイスは、複数の電気機械的トランスフェクションデバイスを、例えば、直列または並列に含む。特定の実施形態において、デバイスは、複数のデバイスのための複数の外側構造を含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、トランスフェクション後に、流体中に懸濁された複数の細胞を回収バッファ中に保存することをさらに含む。特定の実施形態において、トランスフェクトされた細胞は、組成物導入後の生存率が0.1%と99.9%との間、例えば75%と95%との間、である。他の実施形態において、細胞への組成物の導入効率は、0.1と99.9%との間、例えば25%と95%との間、である。特定の実施形態において、細胞回収率は0.1%と100%との間、である。特定の実施形態において、細胞回収収率は0.1%と500%との間、である。
別の態様において、本発明は、流体中に懸濁された複数の細胞に電気機械的トランスフェクションによって組成物を導入するためのキットを提供し、このキットは、本明細書に記載の複数のデバイス、本明細書に記載の複数の外側構造体、及びトランスフェクションバッファを含む。
別の態様において、本発明は、流体中に懸濁された複数の細胞への組成物の電気機械的トランスフェクションのためのキットを提供し、該キットは、本明細書中に記載されるような複数のデバイス、本明細書中に記載されるような複数の外側構造体、及びトランスフェクションバッファを含む。
先行する態様のいずれかのいくつかの実施形態において、外側構造は、複数の細胞デバイスと一体、である。特定の実施形態において、外側構造体は、複数のデバイスに解放可能に連結される。
定義
値が範囲として記載される場合、そのような開示は、特定の数値または特定のサブ範囲が明示的に記載されるか否かにかかわらず、そのような範囲内に入る特定の数値と同様に、そのような範囲内のすべての可能なサブ範囲の開示を含むことが理解されるであろう。
本明細書で使用される用語「約」は、記載された値の±10%を指す。
本明細書で使用される「平均流速」という用語は、(例えば、ポンプなどの流体送達源からの)液体の体積流量(Q、単位m/s)を、例えば、液体が流れる流路または管腔の断面積(A、単位m)で割った商から決定される(例えば、流路または管腔内の)流れる液体の速度を指し、したがって、平均流速(u)は、単位m/sを有する。
本明細書で使用する「複数」という用語は、1つ超を指す。
本明細書で使用する「導電率」という用語は、電気伝導度、すなわち、帯電した粒子(例えば、イオン)が媒体、例えば、流動液体中の塩のイオン、例えば、緩衝剤イオンを通って移動する能力を指す。
用語「実質的に均一」は、本明細書で使用される場合、±5%のばらつきを指す。
「最小水力直径」という用語は、本明細書で使用される場合、断面積の4倍を例えば、管腔(例えば、活性ゾーンまたはエントリゾーンの管腔)の断面の湿潤周囲(例えば、内部周囲)で割った最小商に等しい長さを指す。
「断面積」という用語は、特に断りのない限り、(例えば、長手軸または流れ方向に垂直な平面に沿った)横断面積を意味する。
本明細書で使用される「流体的に接続された」という用語は、少なくとも2つのデバイス要素、例えば、電気機械デバイス、リザーバなどの間の直接的な接続を指し、介在する要素を通過することなく、流体がそのようなデバイス要素間を移動することを可能にする。
用語「流体連通」は、本明細書で使用される場合、少なくとも2つのデバイス要素、例えば、活性ゾーン、リザーバなどの間の間接的な接続であって、流体が、例えば、介在要素、(例えば、介在チューブ、介在チャネルなどを介して)そのようなデバイス要素間を移動することを可能にするものを指す。
「管腔」という用語は、本明細書で使用される場合、流体が通過することを可能にする本発明のデバイスの一部(例えば、活性ゾーンまたはエントリゾーン)の内部空洞を指す。
本明細書で使用する「エントリゾーン」という用語は、活性ゾーンにおける電気機械的トランスフェクションの前に、流体及び流体中に懸濁された複数の細胞が通過し得る本発明のデバイスの一部を構成する。エントリゾーンは、本発明のデバイスの活性ゾーンと流体連通する追加のリザーバをさらに含んでいてもよい。電位差が本発明のデバイスの第1及び第2の電極に印加される場合、本発明のデバイスのエントリゾーン内で発生し得る電場は、細胞のポレーションを生じさせるのに十分な高さではない。
「回収ゾーン」という用語は、本明細書で使用される場合、活性ゾーンにおける電気機械的トランスフェクションの後に、流体及び流体中に懸濁された複数の細胞が通過または存在し得る本発明のデバイスの部分を構成する。回収ゾーンは、活性ゾーンの下流(例えば、すぐ下流、例えば、第2の排出口の近位)、にあるデバイスの一部(例えば、管腔、チューブ、チャネル、リザーバなど)を含んでもよい。回収ゾーンは、活性ゾーンと流体連通する追加のリザーバをさらに含んでもよい。
用語「活性ゾーン」は、本明細書で使用される場合、第1の電極と第2の電極との間に配置され、エントリゾーンと流体連通しており、かつエントリゾーンの下流(例えば、第1出口の下流)、にあるデバイスの部分を指す。電界は活性ゾーン内の流体に送達される。
本明細書で使用する「トランスフェクション」という用語は、生物学的、化学的、電気的、機械的、または物理的方法など、ウイルス送達方法以外の手段を利用してペイロードを細胞に導入することができるプロセスを指す。
用語「エレクトロポレーション」は、本明細書で使用される場合、ペイロードが細胞に導入され得る(例えば、トランスフェクションの方法として)細胞膜に小孔を形成するために、印加される電場を利用するプロセスを指す。
本明細書で使用する「電気機械的トランスフェクション」という用語は、印加電界と機械的穿孔形成機構の組み合わせを利用してペイロードを細胞に導入することができるトランスフェクションプロセスを指す。この導入法は、活性ゾーンにおける細胞の全体的な電場曝露を減少及び/または安定化させ、それによって細胞の生存率及び/またはトランスフェクション効率、あるいはその両方を向上させる可能性がある。本発明のデバイスは、エレクトロポレーション単独ではなく、電気機械的トランスフェクションを介して細胞をトランスフェクションするように構成されている。本発明の方法によって、電気的エネルギー(例えば、電界強度)と機械的エネルギー(例えば、流速)の最適な組み合わせを、所与の細胞型に対して決定することができる。
本明細書で使用する「治療用量」という用語は、状態、障害、または病態を治療するために患者に投与した場合に、そのような治療を達成するのに十分なトランスフェクト細胞の量を指す。治療用量の投与は、単独で、他の薬剤と組み合わせて、一連の投与の一部として、またはそれらの組み合わせであり得る。治療は、治療上の利益、例えば、有益な免疫応答、疾患状態の軽減または除去、例えば、がん細胞またはがんバイオマーカの減少、がん細胞の複製速度の低下または停止などをもたらす可能性がある。治療用量は、例えば、患者の状態のモニタリング(例えば、臨床評価による)、臨床的疾患の進行、疾患または臓器機能バイオマーカの量、例えば、白血球または赤血球の量などによって決定することができる。治療用量は、本明細書に記載される細胞の任意の量または濃度であり得る。
本発明のデバイスの概略図を示す。細胞及びペイロードは、リザーバ内の専用バッファに懸濁される。細胞とペイロードが電気機械的トランスフェクションゾーンを流れる際、電気的エネルギーと連続的な流体流の両方に曝され、一過性の細胞膜破壊と遺伝子ペイロードの細胞内への同時導入が誘導される。トランスフェクトされた細胞は、細胞回収のために増殖培地に直接分注される。 A~Dは、電気機械的トランスフェクションに関連するパラメータと結果データとの相関を示している。本発明のデバイス、システム、及び方法を用いてGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした、増殖ヒトT細胞。培養物は、24時間後の細胞生存率(7AAD陰性)、トランスフェクション効率、収率(1e6入力細胞から観察された生きたGFP細胞)について評価された。電気機械的トランスフェクション特異的パラメータπ(図2A及び図2B)及びπ(図2C及び図2D)に対するパーセント生存率、効率及び収率をプロットすることにより、本発明の方法による増殖T細胞へのGFPレポーターmRNA導入におけるトランスフェクションの作用機序をここで可視化する。すべての解析は、Thermo Fisher Attune(商標)NxTフローサイトメータを用いて完了した;n=89が個々のデータポイントとして描かれている。 本発明の方法に従って電気機械デバイスを用いたトランスフェクションを、2つの市販のエレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))と比較したデータを示す。増殖ヒトT細胞を、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベーストランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いて、ペイロードなしで処理した。代表的なデータを処理後6時間または24時間で示す。6時間後の発現が1倍超と変化した、有意に調節異常のある遺伝子(p<0.05)を示すボルケーノプロットである。 本発明の方法に従って電気機械デバイスを用いたトランスフェクションを、2つの市販のエレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))と比較したデータを示す。増殖ヒトT細胞を、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベーストランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いて、ペイロードなしで処理した。代表的なデータを処理後6時間または24時間で示す。6時間後の発現が1倍超と変化した、有意に調節異常のある遺伝子(p<0.05)を示すボルケーノプロットである。 本発明の方法に従って電気機械デバイスを用いたトランスフェクションを、2つの市販のエレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))と比較したデータを示す。増殖ヒトT細胞を、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベーストランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いて、ペイロードなしで処理した。代表的なデータを処理後6時間または24時間で示す。6時間後の発現が1倍超と変化した、有意に調節異常のある遺伝子(p<0.05)を示すボルケーノプロットである。 本発明の方法に従って電気機械デバイスを用いたトランスフェクションを、2つの市販のエレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))と比較したデータを示す。増殖ヒトT細胞を、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベーストランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いて、ペイロードなしで処理した。代表的なデータを処理後6時間または24時間で示す。6時間におけるベースライン対発現異常を示す遺伝子のグラフ表示である。 本発明の方法に従って電気機械デバイスを用いたトランスフェクションを、2つの市販のエレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))と比較したデータを示す。増殖ヒトT細胞を、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベーストランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いて、ペイロードなしで処理した。代表的なデータを処理後6時間または24時間で示す。6時間及び24時間における、選択された上昇及び下降調節遺伝子のヒートマップである。 本発明の方法に従って電気機械デバイスを用いたトランスフェクションを、2つの市販のエレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))と比較したデータを示す。増殖ヒトT細胞を、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベーストランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いて、ペイロードなしで処理した。代表的なデータを処理後6時間または24時間で示す。T細胞機能に焦点を当てた遺伝子オントロジのヒートマップである。 A及びBは、異なるドナー対コントロールにわたって、本発明の方法にしたがって電気機械的トランスフェクションシステムを使用した結果を示す。3人のユニークなドナーからの増殖ヒトT細胞を、GFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。培養物は24時間後の細胞生存率(7AAD陰性)(A)及びトランスフェクション効率(B)について評価された。棒グラフは、以下のトランスフェクションサンプルサイズ、ドナー#1 n=3、ドナー#2 n=22、ドナー#3 n=3を有する、平均±SDである。 ナイーブT細胞をトランスフェクトするために電気機械的トランスフェクションシステム及び本発明の方法を使用した結果を示す。ナイーブT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。培養物は、トランスフェクションの6日後まで測定された増殖能について評価された。 ナイーブT細胞をトランスフェクトするために電気機械的トランスフェクションシステム及び本発明の方法を使用した結果を示す。ナイーブT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。培養物は、トランスフェクションの6日後まで測定された細胞生存能(トリパンブルー排除)について評価された。 ナイーブT細胞をトランスフェクトするために電気機械的トランスフェクションシステム及び本発明の方法を使用した結果を示す。ナイーブT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。系統マーカCD45RA及びCD45ROの発現について染色したナイーブT細胞とコントロールとの比較を示す。 ナイーブT細胞をトランスフェクトするために電気機械的トランスフェクションシステム及び本発明の方法を使用した結果を示す。ナイーブT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間で測定した0.5M細胞投入からの細胞生存率(7AAD陰性)を示す。棒グラフはn=2トランスフェクション、平均±SDの代表値、である。 ナイーブT細胞をトランスフェクトするために電気機械的トランスフェクションシステム及び本発明の方法を使用した結果を示す。ナイーブT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間で測定した0.5M細胞投入からのトランスフェクション効率を示す。棒グラフはn=2トランスフェクション、平均±SDの代表値、である。 ナイーブT細胞をトランスフェクトするために電気機械的トランスフェクションシステム及び本発明の方法を使用した結果を示す。ナイーブT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間で測定した0.5M細胞投入からの生存GFP+細胞数(収率)を示す。棒グラフはn=2トランスフェクション、平均±SDの代表値、である。 本明細書に記載の本発明の方法及び電気機械的トランスフェクションが、小規模の研究トランスフェクションから大規模な細胞製造トランスフェクションにどのように直接移行できるかを示す。電気機械フローセルが、小規模デバイス(例えば、液体処理機と一体化して96ウェル形式にした)電気機械的トランスフェクション(例えば、バッチワイズトランスフェクションのために配置されたデバイスのアレイ)及び大規模電気機械デバイスまたはシステム(例えば、閉鎖型電気機械的トランスフェクションシステム)においてどのように使用され得るかを示す概略図であり、1つのスケールから他のスケールへの直接変換を可能にする。 本明細書に記載の本発明の方法及び電気機械的トランスフェクションが、小規模の研究トランスフェクションから大規模な細胞製造トランスフェクションにどのように直接移行できるかを示す。小ボリューム電気機械デバイスアレイプラットフォーム(小スケール10~100μLトランスフェクション)及び大ボリュームフロー電気機械的トランスフェクションシステム(大スケール5mL超トランスフェクション)を用いて、増殖ヒトT細胞にGFP mRNAレポーターペイロードをトランスフェクトした。24時間後の細胞生存率(7AAD陰性)及びトランスフェクション効率を評価した。棒グラフは平均±SD小ボリューム n=6 大ボリューム n=2、である。 A及びBは、全細胞数及び生存率を決定するためのゲーティング戦略を示す。Aにおいて、全細胞は前方散乱(FSC)及び側方散乱(SSC)ドットポットであらかじめゲートされる。このゲートは、全細胞集団の正確な解析のために、幅広い形態の細胞を捕捉する。Bでは、全細胞ゲート内から7-AAD-細胞をゲーティングすることで、生存率が決定される。効率ゲートは、バックグラウンド蛍光を除去するために、非処理細胞に基づいて決定される(図示せず)。 A及びBは、生存率(A)及び効率(B)をz軸にとった、電界強度対流速のヒートマップである。大ボリュームトランスフェクションシステムを用いて、増殖ヒトT細胞をGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。培養物は24時間後の細胞生存率(A)(7AAD陰性)及びトランスフェクション効率(B)について評価された。すべての分析はThermo Fisher Attune(商標)NxTフローサイトメータを用いて行った;n=96が個々のデータポイントとして描かれている。 A~Cは、電気機械(A)または市販のエレクトロポレーションベースのトランスフェクションシステム:Neon(商標)(B)及び4D Nucleofector(商標)(C)を用いて、ペイロードなしで処理された2人のユニークドナーのうちの2番目のドナーからの増殖ヒトT細胞についてのボルケーノプロットである。ボルケーノプロットは、処理後6時間で発現が1倍超変化した、有意に調節異常の遺伝子(p<0.05)を示す。 A及びBは、電気機械的トランスフェクションシステムまたは市販のエレクトロポレーションベースのトランスフェクションシステム(Neon(商標)及び4D Nucleofector(商標))を用いてGFPレポーターmRNAをトランスフェクションした増殖ヒトT細胞の24時間後の細胞生存率(7AAD陰性)(A)及びトランスフェクション効率(B)を示す棒グラフである。棒グラフは平均±SD、n=7。 A~Cは、複数のペイロードを送達するための本発明のシステムの使用を示す。増殖ヒトT細胞を、本発明のデバイスのアレイを含むシステムで、GFPレポーターmRNA及びmCherryレポーターmRNAでトランスフェクトした。培養物は、並列(B)または直列(48時間分離)(C)送達後24時間で、細胞生存率(7AAD陰性)(A)及びトランスフェクション効率(B及びC)について評価された。
本発明は、従来のキュベットベースのエレクトロポレーションアプローチまたは市販のエレクトロポレーション器具と比較して、同等以上の体積、同等以上のトランスフェクション効率、同等以上のスループット、同等以上の回収率、同等以上の収率、及び同等以上の細胞生存率で、電気機械的トランスフェクションによる細胞、例えば哺乳動物細胞、例えば初代T細胞のトランスフェクションのための方法を提供する。具体的には、スループット及び細胞数を高めるために、フロースルー様式、連続様式、または本発明の複数の電気機械的トランスフェクションデバイスを使用して電気機械的トランスフェクションを実施することができるシステム及び方法が提供される。より具体的には、本発明の方法は、エレクトロポレーションに基づく技術よりも少ない電気的エネルギーの適用を可能にし、したがって、トランスフェクトされた細胞への損傷を最小にする。
非ウイルス性細胞トランスフェクションは、自己細胞療法と同種細胞療法の両方の有望な進化を示すものである。細胞治療をウイルスベクター生産の課題から切り離すという利点があるにもかかわらず、非ウイルス性トランスフェクションは、臨床応用においてウイルス性方法論に遅れをとってきた。非ウイルス性トランスフェクションの最もよく知られた形態の一つはエレクトロポレーションであり、高エネルギーの電場を静止細胞懸濁液に印加する。古典的なエレクトロポレーションによるトランスフェクションが成功するかどうかは、各細胞が経験する電場の強さに左右される。しかしながら、長時間にわたって強すぎる電場は、不可逆的な細胞膜の破壊を引き起こし、細胞死につながる可能性がある。
電場アシストトランスフェクションの収率を向上させるためには、細胞に印加される電気的エネルギーを最小限に抑える必要がある。本発明の方法は、細胞に加えられる全エネルギーに機械的要素を加えることにより、細胞膜透過性を可能にするために必要な電気的エネルギーを減少させる。この機械的エネルギーは、例えば流体流を介して送達することができ、例えばDNA、RNA、またはCRISPR-RNPを核内に送達するための膜破壊を誘導することによって、遺伝的ペイロードの効率的な送達に必要な高エネルギー電場を減少させる。
電気機械的細胞トランスフェクションは、例えば適度な流速に伴う機械的応力と結合した電場を用いて細胞を透過させ、外来物質を導入する。この技術は電場のみを利用して細胞を浸透させ、通常、流体は流さないか、流体の流速を低くして最小限のストレスで行う、エレクトロポレーションとは異なる。電気機械的細胞トランスフェクションの場合、孔の形成は、電場と、細胞にかかるせん断応力と法線応力の形で入力される機械的エネルギーの複合効果によって媒介される。電気機械的細胞トランスフェクションは、以下のパラメータに依拠する;印加電圧の二乗平均平方根(VRMS);媒体の導電率(すなわち、電気伝導率)s;平均流体速度u;電極間距離l;流体の動的粘度(例えば、回転粘度計で測定)μ、チャネル直径d;細胞直径D;流体密度r。バッキンガムパイ定理による次元解析を適用すると、4つの無次元パラメータが得られる。最初の2つのパラメータ



は、細胞直径でスケーリングされる無次元長さ、である。第3の無次元群は古典的なレイノルズ数

であり、これは流体流れにおける慣性効果と粘性効果の比、である。電気機械的トランスフェクションは、10のオーダーの中程度のReで起こるため、層流領域に入る。第4の無次元群

は、細胞懸濁液に加えられる機械的動力に対する電気的動力の比率を表す。動的粘度(μ)は、例えばPries et al.,“Blood viscosity in tube flow:dependence on diameter and hematocrit”に記載されているような、例えば、回転粘度計で測定することができる。American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology 263.6(1992):H1770-H1778。
このプロセスの重要な物理学は、これら4つの無次元群及びその組み合わせによって支配されると予想される。ReとΠの存在と重要性は、このトランスフェクション機構をエレクトロポレーション及び純粋に機械的なトランスフェクション法と区別している。エレクトロポレーションでは、電場とパルスの条件がトランスフェクション効率を支配し、このプロセスは通常、静止流体のある静的チャンバーで起こる。最近、フローベースのエレクトロポレーションが試みられており、トランスフェクションプロセス中に細胞懸濁液が一定の速度で移動する。しかし、これらのシステムでは、流れは細胞をトランスフェクションゾーンに運ぶために使われるのであって、電気機械的トランスフェクションのようにトランスフェクションそのものに影響を与えるものではない。機械的トランスフェクション法、特に高い流速を用いる機械的トランスフェクション法では、Reに依存することは確かであるが、電場が印加されないので、ここで述べたΠは必要ない。したがって、エレクトロポレーションと表面的には似ているが、電気機械的トランスフェクションは、細胞に外来物質を送達するユニークで新しい技術である。
本発明は、新しいトランスフェクション技術である、電気機械的トランスフェクションを提示する。電気機械的トランスフェクションは、エレクトロポレーション、他のウイルス及び非ウイルス性トランスフェクション方法論と比較して、いくつかの利点を示す、連続的な流れと電気的エネルギーを利用する。次元解析により、電気機械的トランスフェクションは、流体の流れと電場の効果をバランスさせることによって最適化されることが明らかになり、この技術は電場を用いる従来の方法とは一線を画している。提示された物理モデルは、この技術の効果を駆動する重要なパラメータを明らかにするものであり、主に以前の無次元パラメータを第5の無次元群

に結合することによって定義され、電場の二乗と流路速度の比を含んでいる。生存率を維持しながら目的の細胞へのペイロード送達効率を最適化すること(例えば、操作細胞の収量を最適化すること)は、トランスフェクション溶液の目標であり、本発明は、効果的な電気機械的トランスフェクションのための主要なパラメータの迅速な最適化のための効果的な方法を提供する。
本明細書に記載されたトランスクリプトーム解析の結果は、高い送達効率と有意な遺伝子調節異常とは切り離すことができることを示している。本発明による電気機械的トランスフェクションは、処理から6時間後にベースラインから5%未満のシフトを示したが、市販のエレクトロポレーションベースのトランスフェクションデバイスはいずれも、総遺伝子調節異常においてベースラインから5%を超えるシフトを示した。非ウイルス処理によって誘導された調節異常のうち、電気機械的デバイスでは分子機能の変化に起因するものは13%に過ぎなかったが、エレクトロポレーションに基づくデバイスでは分子機能に起因する調節異常が19~24%誘導された。この機能的調節異常は、T細胞疲弊のマーカ(CTLA4及びTIGIT)がエレクトロポレーションベースのデバイスによる処理の6時間後にアップレギュレートされることが判明したが、本発明の方法による電気機械的デバイスによる処理の後はベースラインレベルであることが判明したときに強調された。トランスフェクション効率に関する24時間後の分析では、電気機械的処理後に観察された遺伝子調節異常の減少により、送達効率指標は、Thermo Fisher(Neon(商標))から市販されているエレクトロポレーションベースのデバイス(例えば、それぞれ89.2%及び89.4%)と有意差がないことが示された。本発明により、トランスフェクション後の生存率は75%を超え、送達効率は80%を超えることが複数の使用例で観察された。これらの知見はまた、複数のPBMCドナーで確認され、送達効率に有意差はなく、効率(GFP生細胞)は3つのドナー間で84.0%から93.7%の範囲で観察された。さらに、観察された高いトランスフェクション効率は、系統特異的なナイーブ細胞マーカ発現(CD45RA/CD45RO)の維持によって本研究で示されたように、細胞状態の変化をもたらさなかった。これらの知見は、電気機械的トランスフェクションの24時間後、ナイーブCD4+T細胞において、100%のCD45RA/CD45ROというナイーブマーカ発現を維持しながら、95%超との高い生存率と送達効率を両方維持できることを示している。さらに、50倍にスケールアップしたトランスフェクションの結果は、小規模の結果と比較して、生存率と送達効率の両方で2.5%以下の変化であった。これらのデータを総合すると、非ウイルス性の電気機械的トランスフェクション法を用いた細胞工学は、古典的なエレクトロポレーションとは一線を画し、既存のトランスフェクション法に代わる有意義な方法であることが示唆される。電気機械的トランスフェクションは、探索またはプロセス開発のためのハイスループット自動化とともに活用することができ、また製造のためのスケールアップも容易である。細胞の健全性と高い細胞収量を維持しながら、スケールアウトとスケールアップが可能であることから、電気機械的トランスフェクションは、細胞治療開発と製造のための魅力的な新しいソリューションとなっている。
デバイス
一般に、本発明のデバイスは、従来のピペットチップロボットや大型液体処理システムなどの、既存の液体処理デバイス、ポンプ、または流体輸送デバイスとインターフェースすることができるフロースルーデバイスであるように構成され、液体中に懸濁された細胞の連続的トランスフェクションを提供する。本発明のデバイスは、エレクトロポレーションに基づくトランスフェクションシステムにおける送達機構とは異なる電気機械的トランスフェクション機構を介して、活性ゾーン内で細胞のトランスフェクションが起こるように構成されている。本発明のデバイスは、典型的には2つの異なる領域、すなわち、第1の入口と第1の出口を有するエントリゾーンと、第2の入口と第2の出口を有する活性ゾーンを特徴とする。第1及び第2の電極は、活性ゾーンに電場を生じるように配置される。本発明のデバイスの実施形態の一例を図1に示す。第1及び第2の電極に電位差が印加されると、2つの電極の間の空間、例えば活性ゾーンに局所的な電場が発生し、電場に曝された細胞は穿孔される。本発明の個々のデバイスは、図1に示すように、2つの電極を含んでもよい;あるいは、本発明の個々のデバイスは、複数の活性ゾーンを規定する3つ以上の電極を含んでもよく、したがって、流体中に懸濁された細胞への複数のトランスフェクションを可能にする。本発明のデバイスは、第1の電極と第2の電極との間に複数の活性ゾーンを含んでいてもよく、これにより、細胞は、例えば、複数の活性ゾーンの各々の異なる幾何学的形状によって発現される異なる電場を、単一のデバイスまたは複数のデバイスの中を流れている間に経験することができる。
いくつかの場合、第1の電極及び第2の電極は、導電性ワイヤ、中空円筒、導電性薄膜、金属発泡体、メッシュ電極、液体拡散性膜、導電性液体であってもよく、またはそれらの任意の組み合わせをデバイスに含めることができる。電極は、デバイスの流体の流れの軸と平行に配列されていてもよいし、デバイスの流体の流れの軸と直交するように配列されていてもよい。例えば、第1及び第2の電極は、図1のデバイスのように、流体が電極を通って流れるように、デバイス内の流体の流れの軸と平行に配置された中空の円筒形電極であってもよい。代替例では、第1及び/または第2の電極は、デバイスの流体の流れの軸に整列した細孔を有する多孔質導体、例えば金属メッシュで作られてもよい。代替例では、第1及び/または第2の電極は、導電性流体、例えば液体であってもよい。いくつかの場合、第1及び第2の電極は、活性ゾーンの周囲で、固体導体、例えばワイヤからなるらせん状、例えば二重らせんとして構成されてもよい。この構成では、活性ゾーンの水力直径は実質的に均一なまま、である。が、第1及び第2の電極は活性ゾーンの長さに沿って位置が変化する。第1及び第2の電極は活性ゾーンと流体連通しているが、電極に電位差が印加されたときに発生する電場は、流体中に浮遊する細胞が本発明のデバイス内を移動する際に回転する。特定の実施形態において、第1及び第2の電極は本発明のデバイスに埋め込まれ、懸濁状態の細胞を運ぶ流体が電極の一部と接触するように、活性ゾーンとの流体連通部またはその近傍に配置された活性ゾーンを有し、電場は活性ゾーンで発生する。
中空円筒形電極に構成される場合、電極の直径は、約0.1mm~5mm、例えば、約0.1mm~1mm、0.5mm~1.5mm、1mm~2mm、1.5mm~2.5mm、2mm~3mm、2.5mm~3.5mm、3mm~4mm、3.5mm~4.5mm、または4mm~5mm、例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、4mm、4.1mm、4.2mm、4.3mm、4.4mm、4.5mm、4.6mm、4.7mm、4.8mm、4.9mm、または5mmにあってもよい。例示的な電極外径は1.3mmで、16ゲージの電極に相当する。
活性ゾーンは、本発明のデバイスの第1及び第2の電極を流体的及び/または電気的に接続することができ、電極が通電されると、その間に局所的な電界が発生する。活性ゾーンは、活性ゾーンの下流の回収ゾーンに流体的に接続されていてもよい。活性ゾーンの断面形状は、細胞が活性ゾーン及び活性ゾーン内の電界を通過できるような任意の適切な形状であってよい。断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形、例えば、正方形、長方形、三角形、n角形(例えば、4、5、6、7、8、9、10、またはそれとの辺を有する正多角形または不規則多角形)、星形、平行四辺形、台形、または不規則な形状、例えば、楕円形、または曲線状であってよい。いくつかの場合、活性ゾーンは、その長さに沿って実質的に均一な断面寸法を有する流路であり、例えば、活性ゾーンは円形の断面を有してもよく、直径は、エントリゾーンとの流体接続部から活性ゾーンの出口(例えば、第2の出口)、または回収ゾーンの流体接続部まで一定、である。この構成では、得られる電場はより均一であり、したがって、流体中に浮遊する細胞のより予測可能な電場曝露を可能にする。あるいは、活性ゾーンの水力直径を長さ方向に変化させてもよい。例えば、活性ゾーンの水力直径は、その長さに沿って増加するか減少するか、あるいはその長さに沿って1つ超の次元の変化があってもよく、例えば水力直径、例えば直径は、少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%、あるいは多くとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%増加または減少してもよい。この構成では、活性ゾーンは、直径が上部開口部から底部開口部に向かって増加するか、または上部開口部から底部開口部に向かって減少する、切頭円錐形の断面を有することができる。いくつかの場合、本発明のデバイスは、直列に流体接続された複数の活性ゾーンを含むことができ、各活性ゾーンは均一または不均一な断面のいずれかを有し、各々が異なる断面形状を有することができる。非限定的な例として、本発明のデバイスは、直列に接続された複数の活性ゾーンを含んでもよく、複数の活性ゾーンの各々は、異なる水力直径の円筒形断面を有し、例えば、各々が異なる直径を有する。
いくつかの実施形態において、活性ゾーンの水力直径は、0.005mm~50mm、例えば、0.005mm~0.05mm、0.01mm~0.1mm、0.05mm~0.5mm、0.1mm~1mm、0.5mm~1mm、0.5mm~2mm、0.7mm~1.5mm、1mm~5mm、3mm~7mm、5mm~10mm、7mm~12mm、10mm~15mm、13mm~18mm、15mm~20mm、22mm~30m、25mm~35mm、30mm~40mm、35mm~45mm、または40mm~50mm、例えば、約0.005mm、0.006mm、0.007mm、0.008mm、0.009mm、0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mm,20mm,21mm,22mm,23mm,24mm,25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm、31mm、32mm、33mm、34mm、35mm、36mm、37mm、38mm、39mm、40mm、41mm、42mm、43mm、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、または50mm、であってもよい。一般に、活性ゾーンの直径は、細胞と接触して細胞膜をチャネル壁と変形させるような狭窄部を持たないような大きさであり、例えば、細胞の絞り込みによる機械的変形によって細胞のポレーションが誘発されないような大きさであり、例えば、細胞は活性ゾーンを自由に通過することができる。
いくつかの場合、活性ゾーンの長さは0.005mm~50mm、例えば、0.005mm~50mm、0.005mm~0.05mm、0.01mm~0.1mm、0.05mm~0.5mm、0.1mm~1mm、0.5mm~2mm、1mm~5mm、3mm~7mm、4mm~8mm、5mm~10mm、7mm~12mm、10mm~15mm、13mm~18mm、15mm~20mm、22mm~30mm25mm~35mm、30mm~40mm、35mm~45mm、または40mm~50mm、例えば、約0.005mm、0.006mm、0.007mm、0.008mm、0.009mm、0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mm,6mm,7mm,8mm,9mm,10mm,11mm,12mm,13mm,14mm,15mm,16mm,17mm,18mm,19mm,20mm,21mm,22mm,23mm,24mm,25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm、31mm、32mm、33mm、34mm、35mm、36mm、37mm、38mm、39mm、40mm、41mm、42mm、43mm、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、または50mm、であってもよい。
エントリゾーン及び/または回収ゾーンの水力直径は、独立して、活性ゾーンの水力直径と実質的に同じであってもよい。あるいは、エントリゾーン及び/または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径よりも独立に小さくても大きくてもよい。例えば、エントリゾーン及び/または回収ゾーンの水力直径が、活性ゾーンの水力直径よりも小さくなるように独立して構成される場合、エントリゾーン及び/または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の0.01%~100%、0.01%~1%、0.1%~10%、1%~5%、1%~10%、5%~25%、5%~10%、10%~25%、10%~50%、25%~75%、または50%~100%、例えば、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、であってもよい。
あるいは、エントリゾーン及び/または回収ゾーンの水力直径が、活性ゾーンの水力直径よりも大きくなるように独立して構成されている場合、エントリゾーン及び/または回収ゾーンの水力直径は、活性ゾーンの水力直径の100%~100,000%、例えば.100%~1000%、100%~250%、100%~500%、250%~750%、500%~1,000%、500%~5,000%、1,000%~10,000%、5,000%~25,000%、10,000%~50,000%、25,000%~75,000%、または50,000%~100,000%、例えば、約100%、150%、175%、200%、225%、250%、300%、250%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、1,000%、2,000%、3,000%、4,000%、5,000%、6,000%、7,000%、8,000%、9,000%、10、000%、15,000%、20,000%、25,000%、30,000%、35,000%、40,000%、45,000%、50,000%、55,000%、60,000%、65,000%、70,000%、75,000%、80,000%、85,000%、90,000%、95,000%、または100,000%、であってもよい。
本発明のデバイスはまた、流体試薬、例えばバッファ、または試料、例えば細胞の懸濁液及び細胞に導入される組成物のための1つ以上のリザーバを含むことができる。例えば、本発明のデバイスは、流体中に懸濁された細胞がエントリゾーン及び活性ゾーンに流入するためのリザーバ、及び/またはトランスフェクトされた細胞を保持するためのリザーバを含むことができる。同様に、第1または第2の電極と交差する付加的な入口などの、デバイスの付加的な構成要素に液体を流入させるためのリザーバが存在してもよい。例えば、並列または直列に細胞をトランスフェクションするように構成された本発明の2つ以上の個々のデバイスに同じ液体を導入する場合、単一のリザーバを本発明の複数のデバイスに接続することもできる。あるいは、本発明のデバイスは、バイアル、チューブ、パウチなどの外部リザーバである液体の送達源と嵌合するように構成されてもよい。同様に、デバイスは、リザーバを収容する別個の部品と嵌合するように構成されてもよい。リザーバは、例えば、10mL~5000mL、例えば、10mL~3000mL、25mL~100mL、100mL~1000mL、40mL~300mL、1mL~100mL、10mL~500mL、250mL~750mL、250mL~1000mL、または1000mL~5000mLを収容するための、任意の適切なサイズであってよい。複数のリザーバが存在する場合、各リザーバのサイズは同じでも異なっていてもよい。
上述した構成要素に加えて、本発明のデバイスは追加の構成要素を含んでもよい。例えば、本発明のデバイスの第1及び第2の電極は、非試料流体、例えばバッファをデバイスの適切な領域に導入できるようにするために、1つ以上の追加の流体入口を含むことができる。例えば、本発明のデバイスの回収領域は、トランスフェクションプロセス後に細胞に増殖環境を提供するのを助ける回収バッファを循環させるための追加の入口と出口を含むことができる。
システム及びキット
本発明の1つ以上の電気機械的トランスフェクションデバイスは、様々な外部構成要素、例えば、電源、ポンプ、リザーバ(例えば、バッグ)、コントローラ、試薬、液体、及び/またはサンプルと、システムの形態で組み合わせることができる。いくつかの実施形態において、本発明のシステムは、本発明の複数のデバイスと、本発明のデバイス(複数可)の第1及び第2の電極に解放可能に接続される電位源とを含む。この構成では、本発明のデバイスは電位源に接続され、第1の電極は通電され、第2の電極はアースに保持される。これにより、活性ゾーンに局所的な電場が形成され、デバイスを通過する細胞がトランスフェクションされる。本発明のデバイスを組み込んだ電気機械システムは、本発明のデバイス及びシステムを通過する細胞の可逆的なポレーションを誘導することができる。例えば、本発明のデバイス及びシステムは、実質的に非熱的な可逆的ポレーションを誘導することができる。
いくつかの場合、第1及び第2の電極への解放可能な接続は、電位源と第1及び第2の電極との間の一貫した電気的接触を維持することができる任意の実用的な電気機械的接続を含むことができる。電気的接続の例としては、クランプ、クリップ、例えばワニ口クリップ、バネ、例えば板バネ、外部シースまたはスリーブ、ワイヤブラシ、フレキシブル導体、ポゴピン、機械的接続、誘導接続、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他のタイプの電気接続も当技術分野で知られている。本発明のデバイスは、デバイスの第1及び第2の電極が導電グリッドに接触できるように、導電グリッドの開口部に取り付けることができる。特に、導電グリッドは、バネ負荷電極、例えば、バネに接続された電極を含み、本発明のデバイスが導電グリッドの開口部に設置されたとき、バネ負荷電極がバネを変位させ、圧縮し(これは、さらに、本発明のデバイスの第1及び第2の電極に対して復元力を提供する)、したがって、本発明のデバイスと電位源との間の電気的接触を確実にする。
電位源は、電極間に電位差を与え、活性ゾーンに均一な電界を確立するために、1つ以上の電極に印加電圧を送達するように構成される。2電極回路などでは、印加電圧は第1の電極に送達され、第2の電極はアースに保持される。特定の理論に拘束されることを望まないが、電極に送達される印加電圧は、特定の振幅、特定の周波数、特定のパルス形状、特定の持続時間、特定のパルス印加数、特定のデューティサイクルで送達される。これらのパラメータは、活性ゾーンの形状と相まって、活性ゾーン内に特定の電場をもたらし、流体中に浮遊する細胞によって経験されることになる。本明細書に記載された電気的パラメータは、特定の細胞株及び/または特定の細胞株に送達される組成物に対して最適化されうる。本発明のデバイスの電極への電位の印加は、電位源に作動的に連結されたコントローラ、例えばプログラミング可能なコンピュータによって開始及び/または制御され得る。
本明細書に記載の電位パラメータと共に、本発明のデバイスの形状、例えば、活性ゾーンの断面の形状及び寸法は、活性ゾーン内の結果として生じる電界の形状及び強度を制御する。典型的には、一様な断面を有する活性ゾーンを有するデバイスは、その長さに沿って一様な電界を示す。活性帯内で生じる電界を調節するために、活性帯はその長さに沿って複数の異なる水力直径及び/または異なる断面形状を含むことができる。非限定的な例として、本発明のデバイスは、複数の直列に接続された活性ゾーンを含んでもよく、複数の活性ゾーンの各々は、異なる水力直径の円形断面を有し、例えば、各々が異なる直径を有する。この構成では、活性ゾーンの異なる直径の円形断面はそれぞれ独立した活性ゾーンとして作用し、同一の印加電圧、例えば一定の直流電圧で、寸法の変化毎にそれぞれ異なる電界を誘起する。
いくつかの場合、本発明のデバイスは、直列に流体接続された複数の活性ゾーンを含むことができ、各活性ゾーンは、均一または不均一な断面のいずれかを有し、各々が異なる断面形状を有することができる。あるいは、本発明のシステムは、並列構成の本発明の複数のデバイスを含み得、各デバイスは、電気機械的トランスフェクションの全体的なスループットを増大させるために、互いに独立して作動する。
いくつかの場合、印加電圧の振幅は、-3kV~3kV、例えば、-3kV~-0.1kV、-2kV~-0.1kV、-1kV~-0.1kV、-0.1kV~-0.01kV、0.01kV~3kV、例えば、0.01kV~0.1kV、0.02kV~0.2kV、0.03kV~0.3kV、0.04kV~0.4kV、0.05kV~0.5kV、0.06kV~0.6kV、0.07kV~0.7kV、0.08kV~0.8kV、0.09kV~0.9kV、0.1kV~1kV、0.1kV~2.0kV、0.1kV~3kV、0.15kV~1.5kV、0.2kV~2kV、0.25kV~2.5kV、または0.3kV~3kVなど、例えば、0.01~1kV、0.1kV~0.7kV、または0.2~0.6kV、例えば、約0.01kV、0.02kV、0.03kV、0.04kV、0.05kV、0.06kV、0.07kV、0.08kV、0.09kV、0.1kV、0.2kV、0.3kV、0.4kV、0.5kV、0.6kV、0.7kV、0.8kV、0.9kV、1kV、1.1kV、1.2kV、1.3kV、1.4kV、1.5kV、1.6kV、1.7kV、1.8kV、1.9kV、2kV、2.1kV、2.2kV、2.3kV、2.4kV、2.5kV、2.6kV、2.7kV、2.8kV、2.9kV、または3kV、である。
いくつかの場合、印加電圧の周波数は、1Hz~50,000Hz、例えば、1Hz~1,000Hz、1Hz~500Hz、100Hz~500Hz、100Hz~5,000Hz、500Hz~10,000Hz、1000Hz~25,000Hz、または5,000Hz~50,000Hz、例えば、10Hz~1000Hz、10Hz~500Hz、500Hz~750Hz、または100Hz~500Hz、例えば、約1Hz、2Hz、3Hz、4Hz、5Hz、6Hz、7Hz、8Hz、9Hz、10Hz、20Hz、30Hz、40Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、100Hz、110Hz、120Hz、130Hz、140Hz、150Hz、160Hz、170Hz,180Hz,190Hz,200Hz,210Hz,220Hz,230Hz,240Hz,250Hz,260Hz,270Hz,280Hz,290Hz300Hz,310Hz,320Hz,330Hz,340Hz,350Hz,360Hz,370Hz,380Hz、390Hz、400Hz、410Hz、420Hz、430Hz、440Hz、450Hz、460Hz、470Hz、480Hz、490Hz、500Hz、510Hz、520Hz、530Hz、540Hz、550Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、1,000Hz、2、000Hz、3,000Hz、4,000Hz、5,000Hz、6,000Hz、7,000Hz、8,000Hz、9,000Hz、10,000Hz、15,000Hz、20,000Hz、25,000Hz、30,000Hz、35,000Hz、40,000Hz、45,000Hz、または50,000Hz、である。
いくつかの実施形態において、印加されるパルス、例えば波形の形状は、矩形波、パルス、双極波、正弦波、ランプ、非対称双極波、または任意のものとすることができる。他の電圧波形は当技術分野で知られている。選択された波形は、高電圧-低電圧、低電圧-高電圧、直流(DC)、交流(AC)、単極性、正(+)極性のみ、負(-)極性のみ、(+)/(-)極性、(-)/(+)極性、またはそれらの重ね合わせもしくは組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の実用的な電圧パターンで適用することができる。当業者であれば、これらのパルスパラメータは、細胞に送達される組成物の電気的特性が細胞株に依存することを理解できる。
印加される電圧パルスは、0.01ms~1,000ms、例えば、0.01ms~1ms、0.1ms~10ms、0.1ms~15ms、1ms~10ms、1ms~50ms、10ms~100ms、25ms~200ms、50ms~400ms、100ms~600ms、300ms~800ms、または500ms~1,000ms、例えば、約0.01ms~100ms、0.1ms~50ms、または1ms~10ms、例えば、0.01ms、0.02ms、0.03ms、0.04ms、0.05ms、0.06ms、0.07ms、0.08ms、0.09ms、0.1ms、0.2ms、0.3ms、0.4ms、0.5ms、0.6ms、0.7ms、0.8ms、0.9ms,1ms,2ms,3ms,4ms,5ms,6ms,7ms,8ms,9ms,10ms,11ms,12ms,13ms,14ms,15ms,20ms,30ms,40ms,50ms,60ms,70ms,80ms,90ms、100ms、150ms、200ms、250ms、300ms、350ms、400ms、450ms、500ms、550ms、600ms、650ms、700ms、750ms、800ms、850ms、900ms、950ms、または1,000ms、の持続時間で活性ゾーンに送達することができる。
いくつかの場合、送達される印加電圧パルスの数は、1以上、例えば、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、または100以上、例えば、1~4、2~5、3~6、4~7、5~8、6~9、7~10、8~11、7~12、または9~13、例えば、0.01~1,000、例えば、1~10、1~50、5~10、5~15、10~100、25~200、50~400、100~600、300~800、または500~1,000、例えば1~100、1~50、または1~10、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1000以上、であることができる。
いくつかの場合、送達される印加電圧パルスの数は1以上であり得る。例えば、いくつかの場合、印加電圧パルスの数は、1,000~1,000,000、例えば、1,000~10,000(例えば、1,000~2,000、2,000~3,000、3,000~4,000、4,000~5,000、5,000~6,000、6,000~7,000、7,000~8,000、8,000~9,000、または9,000~10,000、例えば、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、または10,000)、10,000~100,000(例えば、10,000~20,000、20,000~30,000、30,000~40,000、40,000~50,000、50,000~60,000、60,000~70,000、70,000~80,000、80,000~90,000、または、90,000~100,000、例えば10,000、25,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、75,000、80,000、90,000、または100,000)、または100,000~1,000,000(例えば、100,000~200,000、200,000~300,000,300,000~400,000,400,000~500,000,500,000~600,000,600,000~700,000,700,000~800,000,800,000~900,000,~900,000~1,000,000、例えば、約100,000、200,000、250,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、750,000、800,000、900,000、または1,000,000)、である。
印加電圧のパルスは、いくつかの場合、1%~100%、例えば、1%~10%、2.5%~20%、5%~40%、10%~60%、30%~80%、または50%~100%、例えば、0.01%~100%、0.1%~99%、1%~97%、または10%~95%、例えば、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、のデューティサイクルで送達され得る。
本発明のデバイス(複数可)は、電極が電位源に接続され、通電されると、活性ゾーンに局所的な電場を発生し、機械的エネルギー(例えば、流れから)と組み合わせて、通過する細胞をトランスフェクトする。いくつかの場合、活性ゾーンに発生する電場は、2V/cm~50,000V/cm、例えば、2V/cm~1,000V/cm、100V/cm~1,000V/cm、100V/cm~5,000V/cm、400V/cm~2,000V/cm、400~1,000V/cm、500V/cm~10,000V/cm、1,000V/cm~25,000V/cm、または5,000V/cm~50,000V/cm、例えば、2V/cm~20,000V/cm、5V/cm~10,000V/cm、または100V/cm~1,000V/cm、例えば、約2V/cm、3V/cm、4V/cm、5V/cm、6V/cm、7V/cm、8V/cm、9V/cm、10V/cm、20V/cm、30V/cm、40V/cm、50V/cm、60V/cm、70V/cm、80V/cm、90V/cm、100V/cm、200V/cm、300V/cm、400V/cm、500V/cm、600V/cm、700V/cm、800V/cm、900V/cm、1,000V/cm、2,000V/cm、3,000V/cm、4,000V/cm、5,000V/cm、6,000V/cm、7,000V/cm、8,000V/cm、9,000V/cm、10,000V/cm、15,000V/cm、20,000V/cm、25,000V/cm、30,000V/cm、35,000V/cm、40,000V/cm、45,000V/cm、または50,000V/cm、の大きさを有する。
本発明のシステムは、典型的には、流体中に懸濁された複数の細胞を、エントリゾーンを通って活性ゾーンへ(例えば、第1の電極を通って)、及び活性ゾーンから(例えば、第2の電極を通って)、例えば回収ゾーンへ送り出すように構成された流体送出源を含む。流体送達源は、典型的には、高圧源、シリンジポンプ、マイクロポンプ、または蠕動ポンプを含むが、これらに限定されないポンプを含む。あるいは、流体は、送出される流体のリザーバに対する作動流体の置換、または空気置換によって送出され得る。他の流体送達源は、当該技術分野で知られている。いくつかの場合、流体送達源は、正圧の印加によって流体中に浮遊する細胞を流すように構成される。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、懸濁液中の細胞が本発明のデバイスを通して流される流量と、本発明のデバイスの活性ゾーンの特定の形状が、活性ゾーンの電場中での細胞の滞留時間を決定する。
いくつかの場合、流体送達源から送達される流体の体積流量は、活性ゾーンあたり0.001mL/分~1,000mL/分、例えば、活性ゾーンあたり0.001mL/分~1,000mL/分、0.001mL/分~0.1mL/分、0.01mL/分~1mL/分、0.1mL/分~10mL/分、1mL/分~50mL/分、10mL/分~100mL/分、25mL/分~200mL/分、50mL/分~400mL/分、100mL/分~600mL/分、300mL/分~800mL/分、または500mL/分~1,000mL/分、例えば、約0.001mL/分、0.002mL/分、0.003mL/分、0.004mL/分、0.005mL/分、0.006mL/分、0.007mL/分、0.008mL/分、0.009mL/分、0.01mL/分、0.02mL/分、0.03mL/分、0.04mL/分、0.05mL/分、0.06mL/分、0.07mL/分、0.08mL/分、0.09mL/分、0.1mL/分、0.2mL/分、0.3mL/分、0.4mL/分、0.5mL/分、0.6mL/分、0.7mL/分、0.8mL/分、0.9mL/分、1mL/分、2mL/分、3mL/分、4mL/分、5mL/分、6mL/分、7mL/分、8mL/分、9mL/分、10mL/分、15mL/分、20mL/分、25mL/分、30mL/分、35mL/分、40mL/分、45mL/分、50mL/分、55mL/分、60mL/分、65mL/分、70mL/分、75mL/分、80mL/分、85mL/分、90mL/分、95mL/分、100mL/分、150mL/分、200mL/分、250mL/分、300mL/分、350mL/分、400mL/分、450mL/分、500mL/分、550mL/分、600mL/分、650mL/分、700mL/分、750mL/分、800mL/分、850mL/分、900mL/分、950mL/分、または1000mL/分、の体積流量を有する。特定の実施形態において、流量は、活性ゾーンあたり10mL/分~100mL/分、例えば、活性ゾーンあたり約10mL/分、20mL/分、30mL/分、40mL/分、50mL/分、60mL/分、70mL/分、80mL/分、90mL/分、または100mL/分、である。
いくつかの場合、活性ゾーンを通過する間の液体のレイノルズ数は、10と3,000との間(例えば、10~100、25~200、50~400、100~600mL/分、300mL/分~800mL/分、500~1,000、800~1,500、1,200~2,000、1,800~2,500、または2,400~3000、例えば、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1,000、1,500、2,000、2,050、または3,000)である。
いくつかの場合、活性ゾーンを通過する間の液体のピーク圧力は、1×10-3Paと9.5×10Paとの間、例えば、0.001と9,500との間(例えば、0.001Pa~0.1Pa、0.01Pa~1Pa、0.1Pa~10Pa、1Pa~50Pa、10Pa~100Pa、25Pa~200Pa、50Pa~400Pa、100Pa~600Pa、300Pa~800Pa、または500Pa~1,000Pa、1,000Pa~6,000Pa、3,000Pa~8,000Pa、5,000Pa~9,000Pa、または7,500Pa~9,500Pa、例えば、約0.001Pa、0.002Pa、0.003Pa、0.004Pa、0.005Pa、0.006Pa、0.007Pa、0.008Pa、0.009Pa、0.01Pa、0.02Pa、0.03Pa、0.04Pa、0.05Pa、0.06Pa、0.07Pa、0.08Pa、0.09Pa、0.1Pa、0.2Pa、0.3Pa、0.4Pa、0.5Pa、0.6Pa、0.7Pa、0.8Pa、0.9Pa、1Pa、2Pa、3Pa、4Pa、5Pa、6Pa、7Pa、8Pa、9Pa、10Pa、15Pa、20Pa、25Pa、30Pa、35Pa、40Pa、45Pa、50Pa、55Pa、60Pa、65Pa、70Pa、75Pa、80Pa、85Pa、90Pa、95Pa、100Pa、150Pa、200Pa、250Pa、300Pa、350Pa、400Pa、450Pa、500Pa、550Pa、600Pa、650Pa、700Pa、750Pa、800Pa、850Pa、900Pa、950Pa、1,000Pa、1,100Pa、1,500Pa、2,000Pa、2,500Pa、3,000Pa、3,500Pa、4,000Pa、4,500Pa、5,000Pa、5,500Pa、6,000Pa、6,500Pa、7,000Pa、7,500Pa、8,000Pa、8,500Pa、9,000Pa、または9,500Pa、または、例えば、約3,300Pa(例えば、2,500~4,000Pa、例えば、2,500Pa~3,000Pa、2,800~3,300Pa、3,100Pa~3,400Pa)、例えば、約2,800Pa、2,900Pa、3,000Pa、3,100Pa、3,200Pa、3,300Pa、3,400Pa、または3,500Pa、である。いくつかの場合、活性ゾーンを通過する間の液体の平均流速は、1×10-2m/sと10m/sの間、例えば、0.01と1m/sとの間(例えば、0.01と0.05m/sとの間、0.05と0.1m/sとの間、0.1と0.5m/sとの間、0.5と1m/sとの間、1.5と2m/sとの間、1と2m/sとの間、2と3m/sとの間、3と4m/stpとの間、4と5m/sとの間、5と6m/sとの間、6と7m/sとの間、7と8m/sとの間、8と9m/sとの間、または9と10m/sとの間)、例えば、0.1~5m/sとの間、0.4~1.4m/sとの間、0.65~1.3m/sとの間、または0.26~2.08m/sとの間、例えば、約0.1m/s、0.2m/s、0.3m/s、0.4m/s、0.5m/s、0.6m/s、0.7m/s、0.8m/s、0.9m/s、1.0m/s、1.1m/s、1.2m/s、1.3m/s、1.4m/s、1.5m/s、2m/s、3m/s、4m/s、5m/s、6m/s、7m/s、8m/s、9m/s、または10m/s、である。
本発明のデバイスの活性ゾーンにおける細胞の滞留時間は、0.5ms~50ms、例えば、0.5ms~5ms、1ms~10ms、5ms~15ms、10ms~20ms、15ms~25ms、20ms~30ms、25ms~35ms、30ms~40ms、35ms~45ms、または40ms~50ms、例えば、約0.5ms、0.6ms、0.7ms、0.8ms、0.9ms、1ms、1.5ms、2ms、2.5ms、3ms、3.5ms、4ms、4.5ms、5ms、5.5ms、6ms、6.5ms、7ms、7.5ms、8ms、8.5ms、9ms、9.5ms、10ms、10.5ms、11ms、11.5ms、12ms、12.5ms、13ms、13.5ms、14ms、14.5ms、15ms、20ms、25ms、30ms、35ms、40ms、45ms、または50ms、であってもよい。いくつかの実施形態において、滞留時間は5~20ms(例えば、6~18ms、8~15ms、または5~14ms)、である。
本発明のシステムは、典型的には、本発明のデバイス(単数または複数)及び必要な電気接続(例えば、電極接続)を収容し支持するハウジングを特徴とする。ハウジングは、本発明の単一のデバイスを保持し、通電するように構成されてもよく、あるいは、本発明の複数のデバイスを保持し、同時に通電するように構成されてもよい。ハウジングは、トランスフェクションの間、本発明のデバイスの温度を調節する、またはシステムの構成要素、例えば流体、例えば細胞を含むバッファまたは懸濁液を熱的に調節することができる熱コントローラを含むことができる。熱コントローラは、本発明のデバイスまたはそのシステムの構成要素を加熱するように構成されてもよいし、本発明のデバイスまたはそのシステムの構成要素を冷却するように構成されてもよいし、両方の操作を実行するように構成されてもよい。本発明のデバイス、またはそのシステムの構成要素を加熱するように構成される場合、適切な熱制御デバイスには、加熱ブロックまたはマントル、液体加熱、例えば浸漬槽または循環流体槽、電池式ヒータ、または抵抗ヒータ、例えば薄膜ヒータ、例えばヒートテープが含まれるが、これらに限定されない。本発明のデバイスまたはそのシステムのコンポーネントを冷却するように構成される場合、適切な熱制御デバイスには、液冷、例えば浸漬または循環流体バス、蒸発冷却器、または熱電、例えばペルチェ冷却器が含まれるが、これらに限定されない。例えば、液冷で実施される場合、本発明のデバイスまたは本発明のデバイスを保持するように構成されたハウジングは、冷やされた流体を循環させるチューブに直接接触するか、または冷やされた流体を循環させるチューブを含む冷却ジャケットに囲まれる。他の加熱要素及び冷却要素は当該技術分野で知られている。
いくつかの実施形態において、ハウジング(例えば、カートリッジ)は、臨床または病院環境において患者に細胞療法を送達するために使用される自動閉鎖システムと共に使用するため、及び/または、自動閉鎖システムに挿入するために構成される。
いくつかの実施形態において、ハウジング(例えば、カートリッジ)は、検体の電気機械的トランスフェクションの間、その前後における細胞懸濁液及び/またはバッファ保存のための冷却/加熱領域/エンクロージャーをさらに含む。いくつかの実施形態において、システム(例えば、デバイス及びハウジング)は外部から電力を送達される。
いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、流速、波形、印加電位、トランスフェクションする体積、時間遅延、冷却機能、加熱機能、トランスフェクションの状態、進行状況、及び電気機械的トランスフェクションまたは電気機械的プロトコルを最適化するために使用される他のパラメータなどのパラメータをユーザが選択することを可能にするタッチスクリーンユーザインターフェースまたは他の代替的なユーザインターフェース(複数可)を含む。一部の実施形態において、ユーザインターフェースは、ユーザが以前にユーザによって検証された、または製造業者によって推奨された特定のパラメータ及び条件でシステムを操作することを可能にする、あらかじめ設定されたパラメータ選択も含む。一部の実施形態において、ユーザインターフェースは、既知の細胞型とペイロードの組み合わせの所与のサンプルに対するトランスフェクションを最適化するために、システムの自動実行及び/またはアルゴリズムの実行を可能にするプログラミングに接続され得る。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、ユーザがこの機能を選択した場合、電気機械的パラメータを独立してまたは自律的に調整する能力を有する。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、細胞の種類、細胞懸濁液の導電率、細胞懸濁液の量、動的粘度、トランスフェクションカートリッジ(複数可)の寿命、懸濁液の物理的状態、またはトランスフェクションデバイス(複数可)の状態に依存し得る電気機械的トランスフェクションプロセスで使用されるパラメータの連続的な調整を可能にする。
いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、既知の入力細胞型パラメータに基づいて予測分析を行い、それに応じて電気機械パラメータを調整する能力を有する。測定される入力パラメータには、懸濁液導電率、懸濁液温度、懸濁液動的粘度、細胞形態、細胞サイズ、及び細胞インピーダンスが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、本発明のいずれかのデバイス内の電気信号に基づいて電気機械パラメータを調整する。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、本発明のデバイスのいずれか内の検出された流れパラメータに基づいて電気機械パラメータを調整する。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、固有の無次元入力パラメータに基づいてトランスフェクションパラメータを調整する。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムは、高い生存率結果、高い効率結果、または一致した生存率及び効率結果を予測するパラメータのユニークな多変量組み合わせに基づいて、電気機械的トランスフェクションパラメータを調整する能力を有する。
本発明のシステムは、例えば、エンドユーザが生きた電気接続にさらされるのを低減するために、本発明の1つ以上のデバイスの電極を覆うように構成された1つ以上の外側構造を含み得る。典型的には、電気機械システムは、その電極及び活性ゾーンを覆う1つの外側構造を含む。外側構造体は、非導電性材料、例えば、非導電性ポリマーであってよく、デバイスの部品、例えば、電極または活性ゾーンと電気機械的に係合するための構造的特徴を含む。外側構造は、デバイスを収容するために、構造内に1つ以上の凹部、カットアウト、または同様の開口部を含むことができる。外側構造体は、デバイスから取り外すことができる構成要素、である。ように構成されてもよい。例えば、外側構造体は、本発明のデバイスの上に折り畳むことができるように、ヒンジ、例えばリビングヒンジによって接続された2つの別個の構成要素を含むことができる。あるいは、外側構造体は、適切な嵌合機能を用いて連結して単一の構造体を形成することができる1つまたは複数の別個の部分であってもよい。これらの実施形態において、外側構造体は、任意の適切なファスナ、例えば、スナップ、ラッチ、ボタン、またはクリップを使用して本発明のデバイスに貼り付けることができ、これらのファスナは、外側構造体に一体化されていてもよいし、外側構造体に外部から接続されていてもよい。他の適切なファスナータイプは当技術分野で知られている。いくつかの実施形態において、外側構造体は、外側構造体の1つまたは複数の部分の正しい位置合わせを確実にする1つまたは複数の位置合わせ特徴、例えば、ピン、溝、またはタブを含む。いくつかの場合、外側構造は、本発明のデバイスに恒久的に接続されるように構成される。
いくつかの実施形態において、ハウジング(例えば、カートリッジ、例えば、外側構造体)は、先に述べた発明または連続流電気機械的トランスフェクションに使用される1つ以上のデバイスを封入する。いくつかの実施形態において、ハウジング(例えば、カートリッジ)は、患者に細胞療法を送達する自動閉鎖システムと共に使用すること、及び/または自動閉鎖システムに挿入することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、検体の電気機械的トランスフェクションの間、その前後における細胞懸濁液及び/またはバッファ保存のための冷却/加熱領域/エンクロージャーをさらに含む。一部の実施形態において、システム(例えば、1つ以上のデバイス及びハウジング)は外部から給電される。
いくつかの実施形態において、システムはまた、ユーザがこの機能を選択した場合、電気機械的パラメータを独立してまたは自律的に調整する能力を有する最適化アルゴリズムを含む。これらの最適化アルゴリズムは、細胞の種類、導電率、懸濁液の体積、動的粘度、電気機械カートリッジの寿命、懸濁液の物理的状態、または電気機械デバイスの状態に依存し得るトランスフェクションプロセスで使用されるパラメータの継続的な調整を可能にする。
本明細書に記載の外側構造の実施形態のいずれかにおいて、外側構造は、外部電位源と本発明のデバイスの電極との間の電気的接続を提供する。例えば、外側構造体は、外側構造体の内部で電位源と本発明のデバイスの電極との間の電気的接続を容易にする、電気的接続のための1つまたは複数の電気的入力、例えば、スペード、バナナプラグ、またはバヨネット、例えば、BNC、コネクタを含むことができる。
本発明のデバイス及び外部構造体は、試薬、例えばバッファ、例えばトランスフェクションバッファまたは回収バッファ、及び/または試料などの付加的な外部構成要素と、キット内で組み合わせることができる。特定の実施態様において、トランスフェクションバッファは、細胞の電気機械的トランスフェクションに適切な組成物を含む。いくつかの実施態様において、トランスフェクションバッファは、0.1~200mM(例えば、0.1~1.0mM、1.0mM~10mM、または10mM~100mM)の濃度の1つ以上の塩(例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム)または糖(例えば、デキストロースまたはミオイノシトール)、またはそれらの任意の組み合わせの適切な濃度を含む。
バッファと培地
本発明のデバイスおよびシステムは、トランスフェクションバッファまたはトランスフェクションをサポートする添加剤を含む細胞培養増殖培地とともに使用することができる。トランスフェクションバッファ及び/または細胞培養増殖培地の導電性を制御するために、KCl、MgCl、NaCl、グルコース、NaHPO、NaHPO、Ca(NO、マンニトール、コハク酸塩、デキストロース、ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、トレハロース、CaCl、ジメチルスルホキシド(DMSO)、KHPO、KHPO、エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸(EGTA)、KOH、NaOH、KSO、NaSO、ヒスチジンバッファ、クエン酸バッファ、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ATP-二ナトリウム塩、およびNaHCOを含む特定の添加物を加えることができる。使用するトランスフェクションバッファ及び/または細胞培養増殖培地の動的粘度を制御するために、フィコール、デキストラン、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルセルロース(メトセル)、コラーゲンI、及びマトリゲルなどの特定の添加剤を添加することができる。
方法
本発明は、本明細書に記載の電気機械的トランスフェクションデバイスを用いて、流体中に懸濁された複数の細胞の少なくとも一部に組成物、例えば遺伝子ペイロードを導入する方法を特徴とする。本明細書に記載の方法は、遺伝子工学の研究分野及び遺伝子改変細胞療法の治療分野においてしばしばボトルネック、である。と考えられている、細胞型への組成物の送達のスループットを大幅に向上させるために使用され得る。特に、本明細書に記載の方法は、典型的なトランスフェクションの方法、例えば、レンチウイルストランスフェクション、または市販の細胞トランスフェクション器具、例えば、エレクトロポレーションベースの器具よりも、より多くの細胞型に適用して、回収細胞数、トランスフェクション効率、及びトランスフェクション後の細胞生存率を有意に増加させる。
組成物は、本明細書に記載されるように、本発明のデバイス、例えば電気機械的トランスフェクションデバイスに、細胞に導入される組成物も含む浮遊細胞とともに流体を通過させることによって、流体中に浮遊する複数の細胞の少なくとも一部に導入される。流体中に懸濁された組成物及び細胞は、例えば、流体源、例えば、蠕動ポンプ、デジタルピペット、または自動液体処理源に接続されたポンプからの陽圧の適用によって、本発明のデバイスを通して送達され得る。流体中に懸濁された組成物と細胞は、エントリゾーンから活性ゾーン、例えば2つの電極によって生成された電場を通過するように配置された活性ゾーンへと通過する。流体中に懸濁された組成物及び細胞が活性ゾーンを通過すると、電位差が第1及び第2の電極に印加され、活性ゾーンにおいて細胞に電気的エネルギーを与える電場が生成され、その結果細胞が電場に曝される。流体中の細胞は、同時に流れによる機械的エネルギーにさらされる。生成された電場への細胞の曝露は、流れの機械的エネルギーと組み合わさって、複数の細胞の一時的な透過性を高め、その結果、複数の細胞の少なくとも一部に組成物を導入する。特定の実施形態において、電場及び流れは、無次元パラメータ、である、

が1×10~1×1010の間の値を有するように選択される。
いくつかの実施態様では、電界によって流動液体に送達される電気的エネルギーと、活性ゾーンの圧力降下によって送達される機械的エネルギーとの比は、10:1から10:1の間、例えば、10:1と10:1の間、10:1と10:1の間、10:1と10:1の間、または10:1と10:1の間(例えば、約10:1、10:1、10:1、または10:1)、である。
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、最初に、本明細書に記載される任意の方法にしたがって、複数の細胞の試験部分(例えば、より多数の複数の細胞からの試験部分)及び試験組成物を活性ゾーンに通すことを含む。1つ以上の試験部分を用いて、Πの最適範囲を決定することができ、例えば、最大細胞生存率、トランスフェクション効率、及び/または操作細胞収量に対応するΠの範囲を見出すことができる。最大細胞生存率、トランスフェクション効率、及び/または操作細胞収量に対応するΠの範囲を見出すために、(u)、(E)、液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)、及び液体密度(ρ)のうちの1つ以上を変化させながら、電場(E)を印加しながら、試験部分(例えば、組成物に対する細胞のある比率を有するもの)を平均流速(u)で活性ゾーンに通過させてもよい。これは、細胞対組成物の同じ比率及び/または異なる比率で、数回(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回と)繰り返すことができる。あるいは、または加えて、異なる水力直径を有する活性ゾーンで試験を繰り返すこともできる。Πの適切な範囲(複数可)を決定した後、複数の細胞に組成物を導入するために、(u)、(E)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の組み合わせで複数の細胞を活性ゾーン(適切な水力直径の)に通過させてもよい。(u)、(E)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の変数のいずれか1つまたは任意の組み合わせを変化させてもよい。
特定の実施態様では、電極で一定の電場(E)を印加しながら、平均流速(u)を変化させながら試験部分を活性ゾーンに通すか、または電場を変化させながら(例えば、電極間の電圧を変化させることによって)平均流速を一定にすることができる。これらのステップの一方または両方を1回以上、例えば2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回以上と繰り返してもよい。
本方法のいくつかの実施態様において、細胞の健康に関連する細胞の表現型マーカ、または特定の表面マーカの発現、または特定の細胞の特性、例えば治療機能に必要な特性は、本発明のデバイスの活性ゾーンを出る際に、細胞の表現型マーカのベースライン測定値、または細胞の健康、機能などの他の測定値に対して変化しない場合がある。特定の実施態様では、複数の細胞は、活性ゾーンを出る際に、細胞の健康または望ましい機能(例えば、発現)に関連する特定の表現型マーカに測定可能な変化がない。例えば、細胞の表現型を確立するためのベースラインまたはコントロール測定は、本発明のデバイスを用いてトランスフェクトされていない細胞における細胞表面マーカの発現の測定であり得る。細胞表現型の変化を評価するために、本発明のデバイスを用いてトランスフェクトされた細胞上の同じ細胞マーカの発現の対応する同一の測定を用いることができる。細胞表現型は、細胞表面マーカ発現のフローサイトメトリ分析によって評価され、電気機械的トランスフェクション後の細胞表現型の変化が最小限であるか、あるいは変化がないことを確認する。評価する細胞表面マーカの例としては、CD3、CD4、CD8、CD19、CD45RA、CD45RO、CD28、CD44、CD69、CD80、CD86、CD206、IL-2受容体、CTLA4、OX40、PD-1、及びTIM3、CD56、TNFa、IFNg、LAG3、TCRα/β、CD64、SIRPα/β(CD172a/b)、ネスチン、CD325(N-カドヘリン)、CD183(CXCR3)、CD184(CXCR4)、CD197(CCR7)、CD27、CD11b、CCR7(CD197)、CD16、CD56、TIGIT、TRA-1-60、Nanog、TCRγ/δ、OCT4、T-bet、GATA-3、FoxP3、IL-17、B220、CD25、IgM、PD-L1、IL-23、IL-12、CD11c、及びF4/80が挙げられるが、これらに限定されない。細胞形態は、電気機械的トランスフェクション後の表現型変化がないことを確認するために、(例えば、明視野顕微鏡や蛍光顕微鏡を用いて)評価される。
いくつかの実施態様において、組成物を複数の細胞の少なくとも一部に導入した後、複数の細胞を回復バッファ中に保存する。回復バッファは、複数の細胞に形成された孔の最終的な閉鎖を促進するように構成される。回復バッファは、典型的には、細胞に栄養を与え成長させるための他の成分、例えば、血清、ミネラル等を含み得る細胞培養培地を含む。当業者は、回収バッファの選択が、電気機械的トランスフェクションを受ける細胞タイプに依存することを理解できる。
細胞フラックス、すなわち、活性ゾーンあたり1分間に処理される細胞数、例えば、1分間にトランスフェクトされる細胞数は、典型的には、10細胞/分~1011細胞/分、例えば、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×1010細胞/分、または1010細胞/分~1011細胞/分の範囲であり、例えば、約10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、1010細胞/分、5×1010細胞/分、または1011細胞/分である。本方法のいくつかの場合、組成物は、活性ゾーンあたり毎分少なくとも1×10細胞、例えば10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×10細胞/分、10細胞/分~10細胞/分、5×10細胞/分~5×1010細胞/分、1010細胞/分~1011細胞/分、または1011細胞/分~1012細胞/分、例えば、約10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、10細胞/分、5×10細胞/分、1010細胞/分、5×1010細胞/分、1011細胞/分、または1012細胞/分、のフラックスで複数の細胞に導入される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、本発明のデバイスの活性ゾーンを通って流される、浮遊細胞を有する流体の体積(例えば、置換体積)及び細胞に導入される組成物は、活性ゾーンあたり0.001mL~2000mL、0.001mL~1000mL、例えば、0.001mL~0.1mL、0.01mL~1mL、0.01mL~750mL、0.01mL~1500mL、0.1mL~5mL、0.1mL~500mL、0.1mL~2000mL、1mL~10mL、1mL~1000mL、2mL~2000mL、2.5mL~20mL、5mL~40mL、10mL~60mL、10mL~1000mL、20mL~2000mL、30mL~80mL、50mL~200mL、100mL~500mL、または250mL~750mL、500mL~1000mL、500mL~2000mL、750mL~1500mL、または1000mL~2000mL、例えば、0.01mL~100mL、0.1mL~99mL、1mL~97mL、または10mL~95mL、例えば、0.0025mL~10mL、0.01mL~1mL、または0.025mL~0.1mL、例えば、約0.001mL、0.0025mL、0.005mL、0.0075mL、0.01mL、0.025mL、0.05mL、0.075mL、0.1mL、0.25mL、0.5mL、0.75mL,1mL,2mL,3mL,4mL,5mL,6mL,7mL,8mL,9mL,10mL,15mL,20mL,25mL,30mL,35mL,40mL,45mL,50mL,55mL、60mL、65mL、70mL、75mL、80mL、85mL、90mL、95mL、100mL、150mL、200mL、250mL、300mL、350mL、400mL、450mL、500mL、550mL、600mL、650mL、700mL、750mL、800mL、850mL、900mL、950mL、1000mL、1050mL、1100mL、1150mL、1200mL、1250mL、1300mL、1350mL、1400mL、1450mL、1500mL、1550mL、1600mL、1650mL、1700mL、1750mL、1800mL、1850mL、1900mL、1950mL、または2000mL、であってもよい。
いくつかの実施形態において、本発明のデバイスの活性ゾーンを通って流される流体の体積(例えば、置換体積)、置換速度、または他の制御されたパラメータは、複数の細胞のトランスフェクション効率に影響を及ぼすことも及ぼさないこともある。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、反応あたり約10~200μLのボリュームで複数の細胞を処理できる自動流体処理プラットフォームと共に使用するように構成される。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、反応あたり最大数リットルのボリュームを処理できるシステムの一部である。いくつかの実施形態において、自動流体処理プラットフォームは、本発明のデバイスの活性ゾーンを通って流される体積の流体を送達する1つ以上の流体送達源(例えば、ポンプ、例えば、シリンジポンプ、マイクロポンプ、または蠕動ポンプ)と共に使用するように構成される。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスの活性ゾーンを通って流される流体の体積は、送達される流体のリザーバに対する作動流体の変位によって、または空気変位によって送達され得る。幾つかの実施形態において、流体送達源は、正圧の印加によって流体中に懸濁された細胞を流すように構成されている。
特定の態様において、細胞が懸濁された流体の電気伝導度は、懸濁液中の細胞の電気機械的トランスフェクションに影響を与え得る。細胞が懸濁された流体の電気伝導度は、0、0.001mS~500mS、例えば、0、0.001mS~0.1mS、0.01mS~1mS、0.1mS~10mS、1mS~50mS、10mS~100mS、25mS~200mS、50mS~400mS、または100mS~500mS、例えば、0.01mS~100mS、0.1mS~50mS、または1~20mS、例えば、約0.001mS、0.002mS、0.003mS、0.004mS、0.005mS、0.006mS、0.007mS、0.008mS、0.009mS、0.01mS、0.02mS、0.03mS、0.04mS,0.05mS,0.06mS,0.07mS,0.08mS,0.09mS,0.1mS,0.2mS,0.3mS,0.4mS,0.5mS,0.6mS,0.7mS,0.8mS,0.9mS,1mS,2mS,3mS,4mS,5mS,6mS,7mS,8mS,9mS,10mS,15mS,20mS,25mS,30mS,35mS,40mS,45mS,50mS,55mS、60mS、65mS、70mS、75mS、80mS、85mS、90mS、95mS、100mS、150mS、200mS、250mS、300mS、350mS、400mS、450mS、または500mS、であってもよい。
本発明の方法は、哺乳動物細胞、真核生物、原核生物、合成細胞、ヒト細胞、動物細胞、植物細胞、初代細胞、細胞株、懸濁細胞、接着細胞、非刺激細胞、刺激細胞、または活性化細胞免疫細胞、固形腫瘍細胞、幹細胞(例えば、幹細胞(例えば、初代ヒト人工多能性幹細胞、例えばiPSC、胚性幹細胞、例えばESC、間葉系幹細胞、例えば、MSC、または造血幹細胞、例えば造血幹細胞)、血液細胞(例えば赤血球)、T細胞(例えば初代ヒトT細胞)、B細胞、抗原提示細胞(APC)、ナチュラルキラー(NK)細胞(例えば初代ヒトNK細胞)、単球(例えば、単球(例えば、初代ヒト単球)、マクロファージ(例えば、初代ヒトマクロファージ)、及び末梢血単核細胞(PBMC)、好中球、樹状細胞、ヒト胚性腎臓(例えば、HEK-293)細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO-K1)細胞、を含む様々な細胞タイプに組成物を送達することができるが、これらに限定されない。トランスフェクトされ得る典型的な細胞数は、活性ゾーンあたり10細胞から1012細胞であり得る(例えば、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞)、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、5×10細胞から5×10細胞、10細胞から10細胞、10細胞から10細胞、2.5×10細胞~10細胞、5×10細胞~5×10細胞、10細胞~10細胞、10細胞~10細胞、10細胞~1012細胞、5×10細胞~5×10細胞、10細胞~10細胞、10細胞~10細胞、10細胞~1012細胞、5×10細胞~5×10細胞、10細胞~10細胞、10細胞~1010細胞、10細胞~1012細胞、5×10細胞~5×10細胞、10細胞~1010細胞、10細胞~1011細胞、1010細胞~1011細胞、1010細胞~1012細胞、または1011細胞~1012細胞、例えば、約10細胞、2.5×10細胞、5×10細胞、10細胞、2.5×10細胞、5×10細胞、10細胞、2.5×10細胞、5×10細胞、10細胞、2.5×10細胞、5×10細胞、10細胞、2.5×10細胞、5×10細胞、10細胞、2.5×10細胞、5×10細胞、1010細胞、5×1010細胞、1011細胞、または1012細胞)であってもよい。
本明細書に記載される本発明の方法は、流体中に懸濁された細胞に様々な組成物を送達し得る。細胞に送達され得る組成物には、治療薬、ビタミン、ナノ粒子、荷電分子、例えば溶液中のイオン、非荷電分子、核酸、例えばDNAまたはRNA、CRISP、例えば、DNAまたはRNA、CRISPR-Cas複合体、タンパク質、ポリマー、リボヌクレオタンパク質(RNP)、人工ヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ホーミングヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ(MN)、メガTAL、酵素、ペプチド、トランスポゾン、または多糖類、例えばデキストラン、例えばデキストラン硫酸塩。懸濁液中の細胞に送達できる例示的な組成物としては、核酸、オリゴヌクレオチド、抗体(または抗体フラグメント、例えば、二重特異性フラグメント、三重特異性フラグメント、Fab、F(ab’)2、または単鎖可変フラグメント(scFv))、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療薬、ゲノム工学治療薬、エピゲノム工学治療薬、炭水化物、化学薬物、造影剤、磁性粒子、ポリマービーズ、金属ナノ粒子、金属微粒子金属微粒子、量子ドット、抗酸化剤、抗生物質、ホルモン、核タンパク質、多糖類、糖タンパク質、リポタンパク質、ステロイド、抗炎症剤、抗微生物剤、化学療法剤、エクソソーム、外膜小胞、ワクチン、ウイルス、バクテリオファージ、アジュバント、ミネラル、及びそれらの組み合わせ、が含まれるが、これらに限定されない。送達される組成物は、本明細書に記載の化合物などの単一の化合物を含むことができる。あるいは、送達される組成物は、異なる遺伝子を標的とする複数の化合物または成分を含んでもよい。
流体中の組成物の典型的な濃度は、0.0001μg/mL~1000μg/mL、(例えば、0.0001μg/mL~0.001μg/mL、0.001μg/mL~0.01μg/mL、0.001μg/mL~5μg/mL、0.005μg/mL~0.1μg/mL、0.01μg/mL~0.1μg/mL、0.01μg/mL~1μg/mL、0.1μg/mL~1μg/mL、0.1μg/mL~5μg/mL、1μg/mL~10μg/mL、1μg/mL~50μg/mL、1μg/mL~100μg/mL、2.5μg/mL~15μg/mL、5μg/mL~25μg/mL、5μg/mL~50μg/mL、5μg/mL~500μg/mL、7.5μg/mL~75μg/mL、10μg/mL~100μg/mL、10μg/mL~1,000μg/mL、25μg/mL~50μg/mL、25μg/mL~250μg/mL、25μg/mL~500μg/mL、50μg/mL~100μg/mL、50μg/mL~250μg/mL、50μg/mL~750μg/mL、100μg/mL~300μg/mL、100μg/mL~1,000μg/mL、200μg/mL~400μg/mL、250μg/mL~500μg/mL、350μg/mL~500μg/mL、400μg/mL~1,000μg/mL、500μg/mL~750μg/mL、650μg/mL~1,000μg/mL、または800μg/mL~1,000μg/mL、例えば、約0.0001μg/mL、0.0005μg/mL、0.001μg/mL、0.005μg/mL、0.01μg/mL、0.02μg/mL、0.03μg/mL、0.04μg/mL、0.05μg/mL、0.06μg/mL、0.07μg/mL、0.08μg/mL、0.09μg/mL、0.1μg/mL、0.2μg/mL、0.3μg/mL、0.4μg/mL、0.5μg/mL、0.6μg/mL、0.7μg/mL、0.8μg/mL、0.9μg/mL、1μg/mL、1.5μg/mL、2μg/mL、2.5μg/mL、3μg/mL、3.5μg/mL、4μg/mL、4.5μg/mL、5μg/mL、5.5μg/mL、6μg/mL、6.5μg/mL、7μg/mL、7.5μg/mL、8μg/mL、8.5μg/mL、9μg/mL、9.5μg/mL、10μg/mL、15μg/mL、20μg/mL、25μg/mL、30μg/mL、35μg/mL、40μg/mL、45μg/mL、50μg/mL、55μg/mL、60μg/mL、65μg/mL、70μg/mL、75μg/mL、80μg/mL、85μg/mL、90μg/mL、95μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、250μg/mL、300μg/mL、350μg/mL、400μg/mL、450μg/mL、500μg/mL、550μg/mL、600μg/mL、650μg/mL、700μg/mL、750μg/mL、800μg/mL、850μg/mL、900μg/mL、950μg/mL、または1,000μg/mL)、であってもよい。
流体中の組成物の典型的な濃度は、0.0001μMと20μMとの間(例えば、0.0001μM~0.001μM、0.001μM~0.01μM、0.001μM~5μM、0.005μM~0.1μM、0.01μM~0.1μM、0.01μM~1μM、0.1μM~1μM、0.1μM~5μM、1μM~10μM、1μM~15μM、または1μM~20μM、例えば、約0.0001μM、0.0005μM、0.001μM、0.005μM、0.01μM、0.02μM、0.03μM、0.04μM、0.05μM、0.06μM、0.07μM,0.08μM,0.09μM,0.1μM,0.2μM,0.3μM,0.4μM,0.5μM,0.6μM,0.7μM,0.8μM,0.9μM,1μM,1.5μM、2μM、2.5μM、3μM、3.5μM、4μM、4.5μM、5μM、5.5μM、6μM、6.5μM、7μM、7.5μM、8μM、8.5μM、9μM、9.5μM、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、または20μM)、であってもよい。
いくつかの場合、懸濁細胞及び組成物を含む流体の温度は、本発明のデバイスを支持するハウジングに組み込まれた熱制御デバイスを用いて制御される。温度が高すぎると電気機械的トランスフェクション後の細胞の生存性が損なわれる可能性があるため、流体の温度は、活性ゾーンで発生する電場に由来するジュール熱の影響を減らすように制御される。流体の温度は、0℃~40℃、例えば、0℃~10℃、1℃~5℃、2℃~15℃、3℃~20℃、4℃~25℃、5℃~30℃、7℃~35℃、9℃~40℃、10℃~38℃、15℃~40℃、20℃~40℃、25℃~40℃、または35℃~40℃、例えば、約1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃、であってもよい。
本発明の方法を用いてトランスフェクトされた細胞は、典型的なトランスフェクションの方法、例えばレンチウイルスのトランスフェクション、または市販の細胞トランスフェクション器具を用いるよりも、より効率的にトランスフェクションされ、より高い生存率を有する。例えば、本明細書に記載の方法についてのトランスフェクション効率、すなわち、組成物を細胞に正常に送達する効率は、0.1%~99.9%、例えば、0.1%~5%、1%~10%、2.5%~20%、5%~40%、10%~60%、30%~80%、または50%~99.9%、例えば、0.1%~5%、1%~10%、2.5%~20%、5%~40%、10%~60%、30%~80%、または50%~99、10%~90%、25%~85%、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99.9%、であってもよい。
本明細書に記載の本発明の方法を用いて組成物を導入させた後の流体中に懸濁された細胞の細胞生存率、すなわち、電気機械的トランスフェクションプロセス後の健康な細胞の数または割合は、0.1%~99.9%、例えば、0.1%~5%、1%~10%、2.5%~20%、5%~40%、10%~60%、30%~80%、または50%~99.9%、例えば10%~90%、25%~85%、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99.9%、であってもよい。
回収収率、すなわち電気機械的トランスフェクション後に回収された生操作細胞の割合は、トランスフェクション後24時間で0.1%~500%、例えば、0.1%~5%、1%~10%、2.5%~20%、5%~40%、10%~60%、30%~80%、50%~99.9%、75%~150%、100%~200%、150%~250%、200%~300%、250%~350%、300%~400%、350%~450%、または400%~500%、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%,1%,2%,3%,4%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,15%,20%,25%,30%,35%,40%,45%,50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%,85%,90%,95%,99.9%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%、310%、320%、330%、340%、350%、360%、370%、380%、390%、400%、410%、420%、430%、440%、450%、460%、470%、480%、490%、または500%、であってもよい。
いくつかの実施形態において、本方法は、0.1%と100%との間(例えば、0.1%と5%との間、1%と10%との間、2.5%と20%との間、5%と40%との間、10%と30%との間、10%と60%との間、10%と90%との間、25%と40%との間、25%と85%との間、30%と50%との間、30%と80%との間、40%と65%との間、50%と75%との間、50%と100%との間、60%と80%との間、75%と100%との間、85%と100%との間、例えば、約0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%)、の細胞回収収率、すなわち、電気機械的トランスフェクション後に回収された生操作細胞のパーセンテージを生じる。
当業者であれば、最適条件は細胞の種類や他の要因によって異なることを理解するであろう。新しい細胞タイプごとに、波形、電場、パルス時間、バッファ露光時間、バッファ温度、後処理条件などのパラメータを必要に応じて調整することができる。
実施例1-電気機械的トランスフェクションの応用
自動リキッドハンドラーを用いて実施した電気機械的トランスフェクションを本明細書で示す。この実施例では、フローセルをリキッドハンドリングシステムと一体化するように設計し、細胞懸濁液に電気的、機械的エネルギーを送達できるようにした(図1)。このフローセルは、リザーバと一緒に設計されたピペットチップを含み、流体バッファに懸濁された細胞及びペイロードのピックアップと分注を可能にする。流体バッファに懸濁された細胞及びペイロードが決められた流速でフローセルを通過すると、フローセル領域を横切って配置された電極との接触により、正確な電場がフローセル全体に送達される。これらの細胞は、増殖培地を含む96ウェルプレートに分注され、24時間培養される。その後、生物学的分析が行われ、フローサイトメータによる出力指標が決定される(ゲーティングの例は図7に見ることができる)。
電気機械的トランスフェクションを効果的に使用するには、標的とする細胞とペイロードの組み合わせに最適な条件とパラメータを決定する必要がある。これらの条件とパラメータには、流速と電場特性が含まれる。初代T細胞へのmRNAベースのペイロード導入に電気機械的トランスフェクションを適用するための最適条件を決定するために、市販のリキッドハンドリングシステム(PerkinElmerJANUS(登録商標)G3システム、Waltham,MA)と統合された電気機械デバイスのアレイを含む完全自動化プラットフォームで、プレートベースのマトリックス実験を行った。この技術を利用することで、電気機械的トランスフェクションパラメータの独立にプログラムされた最大96の組み合わせを、バッチワイズ方式で送達することができる。この一連の実験では、レポーターmRNAペイロードを、解凍から24時間経過した9日目の増殖ヒトT細胞に導入した。初代ヒトT細胞は、可溶性抗CD3抗体と抗CD28抗体を用いて増殖させ、トランスフェクションバッファに再懸濁した。サンプルは、処理後すぐに培養と下流分析のために回収された。細胞生存率、生細胞数、及びトランスフェクション効率をフローサイトメトリ(Thermo Fisher Attune(商標)NxT)を用いて測定し、GFP(緑色蛍光タンパク質)mRNAを用いて、増殖T細胞への導入効率を測定した(図8)。この一連の実験により、トランスフェクトされた細胞が高い生存率(70%超の生細胞)と高いトランスフェクション効率(90%超のGFP)の両方を示す複数の条件(合計11)が得られた。
生存率、トランスフェクション効率、細胞収量などの最も関連性の高い細胞トランスフェクションパラメータは、Π、Π、Re、Π、及びそれらの組み合わせを含む、上記で定義された無次元パラメータに依存すると予想される(図2)。この4つ全ての組み合わせである第5の無次元群が、細胞トランスフェクションに関連する主要な物理学を支配しているようである。この無次元群を、

と呼ぶ。特定の細胞タイプ、特定のトランスフェクション培地では、括弧の外の項はすべて定数と考えることができる。したがって、細胞トランスフェクションは通常、印加される電場E(例えば、電気的エネルギー)と流路内の平均速度u(例えば、機械的エネルギー)によって最も大きく変化すると予想される。下記の実施例に示すように、細胞生存率、トランスフェクション効率、細胞収量はすべて、Πに強く依存することがわかった。このデータから、チャネルの形状、培地、細胞の種類を固定した場合、Πの値が細胞トランスフェクションの結果を決定する主な要因の一つであることがわかる。この因子は、機械的エネルギー入力と電気的エネルギー入力の両方の効果を結合しており、電気機械的トランスフェクションが、純粋に電気的あるいは純粋に機械的な細胞トランスフェクション方法とは物理的に異なることをさらに示している。
実施例2-転写プロファイリング
電気機械的トランスフェクションを用いたT細胞への遺伝子ペイロード導入の効果をさらに評価するために、処理後に起こる転写変化を評価するトランスクリプトーム解析を行った(図3A~図3F)。さらに、市販されている非ウイルス性のエレクトロポレーションベースのシステムも比較の指標に含めた:Thermo FisherのNeon(商標)トランスフェクションシステム(「Neon(商標)」と呼ぶ)とLonzaの4D Nucleofector(商標)(「4D Nucleofector(商標)」と呼ぶ)。各システムは、5M細胞を含む100μLの反応液と、デバイス固有の独自プログラムとバッファで評価した。各デバイスのプログラム情報は、「材料」のセクションに記載されている。各デバイスについて、細胞はペイロードが存在しない状態で処理され、何も処理されていないドナーのコントロールと比較された。この分析のために、2人のドナーの細胞を各デバイスで重複して処理した。細胞処理後6時間で、1倍を超える有意な(p<0.05)遺伝子調節異常は、図3A~図3Cのボルケーノプロットで赤(アップレギュレート遺伝子)または緑(ダウンレギュレート遺伝子)として示されている(2番目のドナーからの複製データを図9に示す)。電気機械システムは、6時間後にほぼベースラインの遺伝子発現プロフィールを示し、電気機械的トランスフェクションプロセスによって調節異常となった遺伝子は全体のわずか2%であった(図3D)。Neon(商標)静的トランスフェクションシステムは、6時間後に低い調節異常プロフィールを示し、このエレクトロポレーションベースのプロセスによって調節異常となった遺伝子は全体のわずか6%であった(図3D)。4D Nucleofector(商標)は、6時間後に有意な調節異常を示し、全遺伝子の47%がこのエレクトロポレーションベースのトランスフェクションプロセスによって調節異常を示した(図3D)。
細胞産物の機能的能力は、所望の免疫学的応答を誘導するための細胞の有効性に直接影響する可能性がある。例えば、編集された細胞の分化と疲弊が、T細胞治療の効率の制限につながることが示されている。細胞加工がT細胞機能に与える影響をよりよく理解するために、T細胞機能に一般的に関連する遺伝子のアップレギュレーションを、6時間と24時間の時点で評価した(図3E)。炎症性サイトカイン(IFNγとIL-2)と活性化レセプター(CD69とCD27)が含まれるが、これらはプロセス駆動型の細胞の活性化を評価するために選択された。さらに、疲弊受容体(CTLA4とTIGIT)は、処理された細胞における下流の細胞機能へのプロセス影響の指標として選択された。電気機械的処理細胞では、炎症性サイトカイン、活性化レセプター、または疲弊マーカのアップレギュレーションは観察されなかった(図3E)。逆に、エレクトロポレーションはこれらの遺伝子のアップレギュレーションを誘導した;Neon(商標)トランスフェクションシステムはCTLA4をアップレギュレーションし、4D Nucleofector(商標)は処理細胞において炎症性サイトカイン、活性化レセプター、及び疲弊マーカをアップレギュレーションした(図3E)。
細胞全体の健康と機能への影響をさらに調べるために、分子機能、生物学的プロセス、タンパク質クラスに焦点を当てた遺伝子オントロジを、PANTHER(Protein Analysis Through Evolutionary Relationships)分類システムを用いて評価した。6時間の時点で、電気機械的トランスフェクションは、調節異常全体の6%がタンパク質クラスと関連し、13%が分子機能と関連し、調節異常全体の18%が生物学的プロセスと関連することを示した(図3F)。Neon(商標)エレクトロポレーションシステムでは、調節異常全体の10%がタンパク質クラスと関連し、19%が分子機能と関連し、調節異常全体の36%が生物学的過程と関連した(図3F)。4D Nucleofector(商標)を用いたトランスフェクションでは、調節異常全体の13%がタンパク質クラスと関連し、24%が分子機能と関連し、調節異常全体の52%が生物学的過程と関連した(図3F)。
トランスクリプトームデータを、処理後の生存率及び送達効率と相関させるために、同じドナーの細胞を、電気機械的システム、Neon(商標)、及び4D Nucleofector(商標)プラットフォームの同じプログラムと条件を用いて、レポーターmRNAペイロードでトランスフェクトした(図11A~11C)。電気機械的システムは、Neon(商標)システムと同程度の高いトランスフェクション細胞生存率、約80%を示したが、4D Nucleofector(商標)システムは低いトランスフェクション細胞生存率、約45%を示した(図11A)。送達に関しては、電気機械システムとNeon(商標)システムの両方が高い送達効率、約90%を達成したのに対し、4D Nucleofector(商標)システムの送達効率は中程度、約50%であった(図11B)。トランスクリプトーム解析と合わせて考えると、非ウイルス性の送達効率は、処理後の細胞産物の健康状態の悪さとは無関係であることが明らかである。さらに、電気機械的トランスフェクションは、遺伝子調節異常、生存率、効率、細胞の健康出力を含むすべての測定基準において、既存のエレクトロポレーションベースのトランスフェクションデバイスと比較して優れている。
実施例3-初代ヒトT細胞への複数のmRNAの導入
電気機械的トランスフェクション法が、複数のペイロードを1つの細胞へ並行的(すなわち、1回の処理で共送達)に、また直列的(すなわち、48時間間隔で処理をずらす)に送達する能力を評価する実験を行った。並行処理は、GFPレポーターmRNAとmCherryレポーターmRNAを含む2つのmRNAを含むセルミックスで同日に行い、一方、直列処理は、各時点で単一のmRNAを含むセルミックスで2日おきに行い、最初にGFPレポーターmRNAを投与し、48時間後にmCherrymRNAを投与した。mRNAは単一細胞レベルで送達効率を追跡するために蛍光レポーター遺伝子を発現した(図11A~11C)。電気機械的トランスフェクションで処理した24時間後の初代T細胞の生存率は、どちらの方法でも約80%であり(図11A)、並列トランスフェクション及び直列トランスフェクションが細胞の健康に有害でないことが示され、電気機械技術を利用して細胞の生存率を著しく低下させることなく、時間をずらしてトランスフェクションを繰り返すことができた。しかしながら、2つの方法では異なる発現プロファイルが観察された(図11B)。並列法での単一細胞への二重導入効率は94.2%であった。一方、トランスフェクションを直列に行った場合の導入効率は82.3%であった(図11C)。mRNAを並列に共導入した場合、きれいな1:1の発現が観察され、単一の蛍光レポーターのみを発現する細胞はごくわずか(1%)であった(図11B)。対照的に、直列トランスフェクションでは、集団の3.3%がGFPに対して単一陽性であり、集団の11.3%がmCherryに対して単一陽性であった(図11C)。
実施例4-複数のT細胞ドナー
ドナーの異質性は、全ての細胞治療製造及び開発パイプラインにおいて不変であり、したがって、複数のドナーにわたって出力指標を評価することが肝要である。臨床製造の場合、様々なドナーのT細胞を含む原料は、再キャラクタリゼーションと比較可能性試験が必要になることがある。したがって、上記の最適化努力で達成された結果が、様々な出発材料から得られたT細胞にも適用できることを示すことは、細胞治療開発にとって極めて重要である(図4A~4B)。3つの異なる健康なPBMCドナー(人口統計は下記の表1にある)から細胞を単離し、増殖させた後、電気機械的トランスフェクションでGFP mRNAをトランスフェクトした。この研究におけるすべてのドナーは、材料と方法の項で概説した開始時の表現型と生存率の基準を満たしていた。この実験では、複数のドナーの細胞材料で、トランスフェクションなしのコントロールからの生存率の変化が10%未満という一貫した結果が示された(図4A)。さらに、GFP mRNAの導入効率は、3つのドナーすべてについてばらつきが少なかった(84%を超えた)(図4B)。
表1-3人のユニークなドナーからの増殖ヒトT細胞を、電気機械技術を用いてGFPレポーターmRNAでトランスフェクトした。この人口統計表は、3人のユニークなドナーを比較したものである。
実施例5-ナイーブヒトT細胞へのmRNA導入
非活性化ナイーブT細胞は、トランスフェクション前の調製及び処理が比較的簡便であるため、細胞工学の分野では注目されているが、この細胞タイプは、遺伝情報の導入に関連する歴史的な課題や、最初にT細胞を活性化することなくレトロウイルス形質導入を行うことができないため、細胞治療及び遺伝子治療の分野では十分に利用されていない。この伝統的にトランスフェクションが困難な細胞状態に対する電気機械的トランスフェクションの性能を評価するために、単離されたナイーブT細胞(CD3/CD4/CD45RA/CD45RO)にGFPをコードするmRNAをトランスフェクトした(図5A~図5F)。このナイーブT細胞を可溶性抗CD3/抗CD28活性化試薬で増殖させ、トランスフェクション後6日間モニタした。トランスフェクション後のこれらの細胞の増殖速度は、活性化から6日後までは非処理の対照細胞と同等であり(図5A)、生存率に有意な低下は見られなかった(図5B)。さらに、細胞をナイーブT細胞マーカCD45RAとCD45ROで染色したところ(図5B)、トランスフェクト細胞の表現型に変化がなく、細胞がナイーブCD45RA/CD45ROの状態を保持していることが示された。トランスフェクトされたナイーブT細胞の生存率は非処理細胞と同等で、それぞれ95.4%と98.3%であった(図5D)。送達効率は96.7%(図5E)で、高い総収量に相当した(図5F)。
実施例6-製造量のスケールアップ
一般に、標準的なエレクトロポレーションでは、電極とキュベットの両方の形状が変化するため、研究から製造量へのスケールアップの過程でさらなる最適化が必要であることが認められている。この問題に対処するため、エレクトロポレーションに基づくトランスフェクションの分野では、マイクロ流体工学の応用、バッチベースの自動化、及びナノ構造など、数多くの回避策が登場してきた。これまでのところ、これらの解決策は、進化する細胞、遺伝子治療産業におけるハイスループット開発と大量製造の両方の必要条件を満たすことはできなかった。電気機械的トランスフェクション技術は、少量生産システム(図6A~6B)用に以前に説明したのと同じフローセルを利用して、大量生産プラットフォーム(例えば、新しい細胞懸濁液が連続的に再送達されるように構成された電気機械システム及びデバイス)に構成されている。その連続的な流れの性質により、大ボリュームプラットフォームにおける電気機械的トランスフェクションは、時間とともにスケールアップする。したがって、大ボリュームを処理するには、単にそれに比例して長い時間操作する必要がある。大ボリューム電気機械的トランスフェクション・ソリューションは、最大100mLの液体をおよそ2~3分で処理することができ、細胞サンプルをインプットバッグからアウトプットバッグに移すことができる。流体の流れは、蠕動ポンプ(Masterflex(登録商標)L/S)を介して制御される。電気機械システムは、規模に関係なく、全く同じトランスフェクション機構とコンポーネントを利用するため、本発明の小規模システムで最適化中に同定された同じパラメータが、より大ボリュームのシステムに直接適用される(図6A)。5mL(上述のデータから50倍スケールアップ)での実施を実証するために、50M初代ヒトT細胞を1mgのmRNAで10×/mLの密度でトランスフェクトした(図6B)。その結果、電気機械的トランスフェクションから24時間後の細胞生存率に有意な低下は見られず、小型プラットフォーム経由では73.5%、大型プラットフォーム経由では71.0%の生存率であった(図6B)。観察された送達効率も、電気機械的トランスフェクションの24時間後で同様で、小型プラットフォームでは94.3%、大型プラットフォームでは92.2%であった(図6B)。このように、電気機械的トランスフェクションは、臨床的に適切な処理量まで容易にスケールアップできる。
実施例7-方法及び材料
実施例1~実施例6で論じたデータの収集には、以下の方法及び材料を用いた。
T細胞の培養と増殖
ヒト末梢血細胞(PBMC)をSTEMCELL Technologies(商標)(#70025)から購入した。100MのPBMCを、R&D Systems(商標)の組み換えヒトIL-2タンパク質(#202-IL)を添加したLonzaの100mL X-VIVO(商標)10培地(#04-380Q)中で解凍した。解凍後24時間培養した後、PBMCをSTEMCELL Technologies(#10971)のImmunoCult(商標)ヒトCD3/CD28 T細胞活性化試薬で、製造業者のプロトコールにしたがって3日間活性化した。4日目に細胞をペレット化し(500×g、5分間)、500mLの新鮮なX-VIVO(商標)10培地と組換えヒトIL-2とともにWilson WolfのG-Rex100(登録商標)(#80500)に移した。新鮮な組換えヒトIL-2を3日ごとに加え、G-Rex(登録商標)培養で合計12日間培養した。細胞はその後、Bulldog BioのBambanker(商標)細胞凍結培地(#BB01)を用いて、将来の使用のために分注に凍結した。増殖後解凍したT細胞のアリコートを、Sigma-Aldrich(登録商標)(#F-4135)の10%ウシ胎児血清(FBS)、Corning(登録商標)(#30-002-CI)のペニシリン-ストレプトマイシン溶液、組換えIL-2を添加したThermo Fisher(#11875119)のRPMI 1640培地中で、1e6/mLの密度で培養した。ナイーブ初代ヒトT細胞(CD3/CD4/CD45RA)もSTEMCELL Technologies(商標)(#70029)から入手し、10% FBSとIL-2を添加したRPMI中で上記のように培養した。細胞は、標準的な細胞培養器で37℃、5% COで培養した。細胞の生存率とサイズは、Countess(商標)II(Thermo Fisher)を用いて細胞培養中にモニタした。
電気機械的トランスフェクション
TriLink(登録商標)Biotechnologiesから市販されているGFP(#L7601)またはmCherry(#L7203)をコードするmRNAを用いてトランスフェクションを行った。T細胞を数え、ペレット化し(500×g、5分間)、10~50×10/mLの密度で本発明に適合するトランスフェクションバッファに再懸濁した。ペイロードを最大10%ボリュームで添加し、細胞:ペイロード溶液をピペッティングにより混合した。
小ボリューム電気機械デバイスアレイを用いた細胞処理は、8チップVarispan(商標)ヘッドを備えたPerkinElmer JANUS(登録商標)G3 BioTx Pro Plus Workstationで行った。細胞溶液を96ウェルプレート内の4℃に冷却したミキシングプレートに移し、マイクロ流体チャネルの上にある電気機械的デバイスのチップを通して吸引した。その後、電気デリバリー・マニホールドを通してこれらのチップに特定の電場を印加しながら、同じチップを通して溶液を一定の流速で分注した。細胞は96個のディープウェルプレートで回収するため、細胞培地に直接送られる。
大ボリュームの電気機械的トランスフェクションシステムを用いた細胞処理は、チューブで接続されたインプットバッグとアウトプットバッグの間に置かれた電気機械的トランスフェクションデバイスを流れる流体が、Cole-PalmerのMasterflex(登録商標)L/S蠕動ポンプとPharMed(登録商標)BPTチューブ(L/S 13:#06508-13)を用いて流体移送が制御されたプロトタイプを用いて行われた。細胞:ペイロード溶液をインプット容器に移し、特定の電場を印加しながら一定の流速で流路にポンプで流した。その後、細胞は直ちに細胞培地に移され、出力容器で回収された。
両プラットフォームとも、回収液の最終密度は1×10/mLで、10%のトランスフェクションバッファと90%の細胞培養培地を含んでいた。細胞は標準的な細胞培養器で37℃、5% COで培養した。
Neon(商標)トランスフェクション
Thermo Fisher Neon(商標)トランスフェクションシステムを、製造者の指示にしたがって使用した。簡単に説明すると、5Mの9日目増殖T細胞をTバッファに再懸濁し、100μLのNeon(商標)ピペットチップにロードした。実行したプロトコールは、Neon(商標)T細胞マイクロポレーションプロトコール(2100V 1パルス 20ms)であった。処理した細胞を組織培養容器に移した。
4D Nucleofector(商標)トランスフェクション
Lonza 4D Nucleofector(商標)システムを、製造元の指示にしたがって使用した。簡単に説明すると、5Mの9日目増殖T細胞を、新しく調製したヒトT細胞ヌクレオフェクション溶液に再懸濁し、100μLのLonza認証キュベットにロードした。実行したプロトコールは、非刺激ヒトT細胞用Amaxa(商標)4D Nucleofector(商標)プロトコール(EO115)であった。処理した細胞を組織培養容器に移した。
フローサイトメトリ分析
Thermo Fisher Attune(商標)Nxtフローサイトメータを用いて、生存率と効率指標を評価した。200μLの培養細胞をペレット化し(500×g、5分間)、eBiosciences(#00-6993-50)の7-AAD viability solutionを添加したFisher Scientific(#14190250)のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)に懸濁した、その後、Attune(商標)Nxtオートサンプラーを用いたボリューム測定で細胞を分析した。全細胞は前方散乱(FSC)と側方散乱(SSC)のドットプロットでゲートされた。次に、蛍光レポーターの発現による送達効率を測定するために、生存可能細胞(7-AAD)をゲーティングした。総細胞数と収率は、細胞培養の総ボリューム(1mLあたり7.5倍)に基づく適用希釈倍率から計算した。ナイーブT細胞マーカ染色は、BioLegend(登録商標)のAPC/Cy7マウス抗ヒトCD45RA抗体(#304128)及びBV510マウス抗ヒトCD45RO抗体(#304232)を用いて行った。
トランスクリプトーム解析
細胞培養から6時間後と24時間後に全細胞ペレットを回収し、-80℃で保存した。RNAの抽出、cDNA合成、次世代シーケンシング、及びコントロールに対して正規化された予備的な生データはすべてGENEWIZ(登録商標)で完結した。正規化されたデータは、社内で分析(Excel-Microsoft)及びグラフ化(GraphPad-Prism 8)された。遺伝子オントロジ解析には、PANTHER(Protein Analysis Through Evolutionary Relationships)分類システムを使用した。
その他の実施形態
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各独立した刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書と本明細書に組み込まれた文献との間で定義が矛盾する場合は、本明細書に記載された定義が適用される。
本開示は、その特定の実施形態に関連して記載されているが、本開示は、さらなる改変が可能であり、本出願は、一般的に、本開示の原理に従い、本開示が関連する技術分野において公知または慣用の範囲内にあり、本明細書において前述された本質的特徴に適用され得る本開示からの逸脱を含み、特許請求の範囲に従う、本開示の任意の変形、使用、または適応をカバーすることが意図されることが理解されるであろう。
他の実施形態は、特許請求の範囲に含まれる。

Claims (18)

  1. 流動液体中に懸濁された複数の哺乳動物細胞に組成物を導入する方法であって、前記方法が、
    (a)以下を備えるデバイスを提供することと、
    i)第1の入口及び第1の出口を備えるエントリゾーン、
    ii)第1及び第2の電極、ならびに
    iii)第2の入口及び第2の出口を備える活性ゾーン、
    (b)電場(E)、平均流速(u)、前記活性ゾーンの水力直径(d)、液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)、及び液体密度(ρ)の組み合わせを選択して、1×10と1×1010との間の値を有する無次元パラメータΠを与えることであって、前記無次元パラメータΠは、

    によって表される、前記与えることと、
    (c)(E)、(u)、(d)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の前記選択された組み合わせを提供しながら、前記複数の細胞及び前記組成物を前記活性ゾーンに通過させ、それによって前記組成物を前記複数の哺乳動物細胞に導入することと、
    を含む前記方法。
  2. 前記組成物が、活性ゾーンあたり毎分少なくとも1×10細胞のフラックスで前記複数の細胞に導入される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エントリゾーン及び前記活性ゾーンが、平均流速の増加を提供するように構成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組成物が、所望の細胞表面マーカを変化させることなく、前記複数の哺乳動物細胞に導入される、請求項1に記載の方法。
  5. 流動液体中に懸濁された複数の細胞に組成物を導入する方法であって、前記方法が、
    (a)以下を備えるデバイスを提供することと、
    i)第1の入口及び第1の出口を備えるエントリゾーン、
    ii)第1及び第2の電極、ならびに
    iii)第2の入口及び第2の出口を備える活性ゾーン、
    (b)前記第1及び前記第2の電極から電気的エネルギーを送達し、平均流速から少なくとも部分的に機械的エネルギーを送達しながら、前記複数の細胞及び前記組成物を前記活性ゾーンに通すことであって、前記機械的エネルギー及び前記電気的エネルギーが一緒になって、効率、生存率、及び/または収率を達成するためにエレクトロポレーションまたは機械的ポレーションが必要とするよりも少ない電気的または機械的エネルギーで、エレクトロポレーションまたは機械的ポレーション単独と少なくとも等しい前記効率、前記生存率、及び/または前記収率で、前記組成物を前記複数の細胞に導入する結果となる、前記通すことと、
    を含む前記方法。
  6. 前記組成物が、活性ゾーンあたり毎分少なくとも1×10細胞のフラックスで前記複数の細胞に導入される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記電場によって前記流動液体に送達される前記電気的エネルギーと、前記活性ゾーン内の圧力降下によって送達される前記機械的エネルギーの比が、10:1から10:1の間である、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記エントリゾーン及び前記活性ゾーンが、平均流速の増加を提供するように構成される、請求項5に記載の方法。
  9. 流動液体中に懸濁された複数の細胞に組成物を導入する方法であって、前記方法が、
    (a)以下を備えるデバイスを提供することと、
    i)第1の入口及び第1の出口を備えるエントリゾーン、ならびに
    ii)第1及び第2の電極、
    iii)第2の入口及び第2の出口を備え、水力直径(d)を有する活性ゾーン、
    (b)液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)、及び液体密度(ρ)、ならびに細胞対組成物の比率を共に有する前記複数の細胞の試験部分と、試験組成物と、を提供し、電場(E)を印加しながら、前記試験部分及び前記試験組成物を平均流速(u)で前記活性ゾーンに通過させることとであって、(u)、(E)、(σ)、(μ)、及び(ρ)のうちの少なくとも1つが変化する、前記通過させることと、
    (c)前記複数の細胞の前記試験部分への前記試験組成物の導入について、最大細胞生存率、トランスフェクション効率、及び/または操作細胞収率を含む無次元パラメータΠの範囲を同定することであって、

    である、前記同定することと、
    (d)前記最大細胞生存率、前記トランスフェクション効率、または前記操作細胞収率の少なくとも1つを含むΠの値に対応する、(u)、(E)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の組み合わせで、前記複数の細胞及び前記組成物を前記活性ゾーンに通過させ、それによって前記組成物を前記複数の細胞に導入することと、
    を含む前記方法。
  10. 前記細胞の試験部分及び前記試験組成物が、細胞対組成物の第2の比率を有し、及び/または前記活性ゾーンが第2の水力直径(d)を有する状態で、ステップ(b)を繰り返すことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記平均流速(u)を変化させながら前記電場(E)を一定に保持する、または前記電場(E)を変化させながら前記平均流速(u)を一定に保持する、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記組成物が、活性ゾーンあたり毎秒少なくとも1×10細胞のフラックスで前記複数の細胞に導入される、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記エントリゾーン及び前記活性ゾーンが、平均流速(u)の増加を提供するように構成される、請求項9に記載の方法。
  14. 正常な患者またはドナーの血液から採取され、流動液体中に懸濁された懸濁液から、複数のヒト免疫細胞に組成物を導入する方法であって、前記方法が:
    (a)以下を備えるデバイスを提供することと、
    i)第1の入口及び第1の出口を備えるエントリゾーン、
    ii)第1及び第2の電極、ならびに
    iii)第2の入口及び第2の出口を備える活性ゾーン、
    (b)電場(E)、平均流速(u)、前記活性ゾーンの水力直径(d)、液体導電率(σ)、液体動的粘度(μ)、及び液体密度(ρ)の組み合わせを選択して、1×10と1×1010との間の値を有する無次元パラメータΠを与えることであって、前記無次元パラメータΠは、

    によって表される、前記与えることと、
    (c)(E)、(u)、(d)、(σ)、(μ)、及び(ρ)の前記選択された組み合わせを提供しながら、前記複数の細胞及び前記組成物を前記活性ゾーンに通過させ、それにより、前記組成物を前記複数のヒト免疫細胞に導入して、トランスフェクトされた細胞の治療用量を産生することと、
    を含む前記方法。
  15. 前記懸濁液が白血球除去法を用いて調製される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記組成物が、活性ゾーンあたり毎分少なくとも1×10細胞のフラックスで前記複数の細胞に導入される、請求項14に記載の方法。
  17. 前記エントリゾーン及び前記活性ゾーンが、平均流速の増加を提供するように構成される、請求項14に記載の方法。
  18. 前記組成物が、所望の細胞特性を変化させることなく前記複数の哺乳動物細胞に導入される、請求項14に記載の方法。
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