JP2024509376A - 家族性ヘテロ接合型及びホモ接合型高コレステロール血症のシクロデキストリンによる治療方法 - Google Patents

家族性ヘテロ接合型及びホモ接合型高コレステロール血症のシクロデキストリンによる治療方法 Download PDF

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Abstract

本明細書に開示されるのは、個体において、酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する、総コレステロール量(例えば濃度)を減少させる、総LDLの蓄積を軽減する、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)及び/または粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させる及び/またはその形状を変化させる方法である。本明細書にさらに開示されるのは、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある対象について、家族性高コレステロール血症を治療する、スタチン、コレステロール取込み阻害剤もしくはPCSK9阻害剤治療を低減する、または血漿アフェレーシス治療の頻度を低減するもしくはそれを遅らせる方法である。方法は、総じて、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与することを伴う。本明細書にさらに提供されるのは、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物である。【選択図】図1A

Description

本出願は、2021年2月18日に出願された米国仮出願第63/150,908号の利益を主張するものであり、参照によりその全体を本明細書に援用する。
家族性高コレステロール血症(FH)は、脂質異常疾患に属する遺伝子障害である。FHは、希少なホモ接合型(HoFH、有病率1:1,000,000)とより高い頻度のヘテロ接合型FH(HeFH、有病率:1:200~1:500)とに分けられ得る。ヘテロ接合型FH(HeFH)患者は、欧州では有病率が500人におよそ1人と推定されている。米国では有病率が1人:311人である、または有病者数が百万人超である。これらの推定値の一部が、多遺伝子性高コレステロール血症を有する個人(真性FHを有さない患者)を含んでいる可能性があること、及びしばしばHeFHが識別されないままになっていることに留意すべきである。FHは、早いうちからアテローム性動脈硬化性心血管疾患の発生可能性を上昇させ、したがって、余命を大幅に減少させる。
ヘテロ接合型及びホモ接合型家族性高コレステロール血症、及び/またはその症候のための有効な治療が必要とされている。本開示は、この未だ満たされていない医学的需要に対処する。
一態様では、本開示は、i)酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する、ii)総コレステロール量(例えば濃度)を減少させる、iii)総LDLの蓄積を軽減する、iv)循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)及び/または粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させる及び/またはその形状を変化させる、あるいは個体におけるコレステロール(由来物)の腎(及び/または)肝クリアランスを促進する方法を、提供する。当該方法は、治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を個体に投与してそれによって、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある個体において、酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する、及び/または循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量及び/または粒径を減少させる及び/またはその形状を変化させる、及び/または個体におけるコレステロール(由来物)の腎(及び/または)肝クリアランスを促進することを、含む。場合によっては、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)は、シクロデキストリンまたはその誘導体による治療の前の循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれよりも大きく)減少する。場合によっては、シクロデキストリンまたはその誘導体は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。場合によっては、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)は、シクロデキストリンまたはその誘導体による治療の前の循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれよりも大きく)減少する。場合によっては、治療は、個体における家族性高コレステロール血症の重症度または症候を低減する、あるいは心血管疾患の臨床徴候の発生、または脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、跛行もしくは壊疽を含むがこれらに限定されない重大な心及び脳血管合併症の発生を低減する。場合によっては、治療は、個体におけるコレステロールまたはコレステロール由来物の腎及び/または肝クリアランスを、治療の前のコレステロール及び/またはコレステロール由来物の除去量と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、またはそれよりも大きく)増大させる。
本開示はまた、個体における家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療する、あるいは家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を有する疑いがある個体を治療する方法も、提供する。当該方法は、治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)を個体に投与してそれによって個体における家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療することを含む。場合によっては、治療することは、対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径及び/または量を減少させることを含む。場合によっては、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれよりも大きく)減少する。場合によっては、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれよりも大きく)減少する。場合によっては、治療することによって、循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状が変化する。場合によっては、治療することによって、(例えば測定される、例えば、サイトカインタンパク質及び/またはRNAレベルによって測定される)炎症が、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の炎症のレベルと比較して減少する。場合によっては、治療することによって、皮膚学的徴候が、治療の前と比較して改善される。場合によっては、治療は、個体における家族性高コレステロール血症の重症度または症候を低減する、あるいは心血管疾患の臨床徴候の発生、または脳卒中、TIA、狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、跛行もしくは壊疽を含むがこれらに限定されない重大な心及び脳血管合併症の発生を低減する。場合によっては、治療は、個体におけるコレステロールまたはコレステロール由来物の腎及び/または肝クリアランスを、治療の前のコレステロール及び/またはコレステロール由来物の除去量と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、またはそれよりも大きく)増大させる。
先行態様のいずれか1つにおいて、治療的有効量は約50mg/kg~約8,000mg/kgである。先行態様のいずれか1つにおいて、治療的有効量は約4g~約250gである。先行態様のいずれか1つにおいて、治療的有効量は、約0.01mM~約5mMの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの血清中、血漿中及び/または全血中濃度を達成するのに十分な量である。先行態様のいずれか1つにおいて、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンは、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)、及びVTS-270/アドラベタデクスからなる群から選択される。先行態様のいずれか1つにおいて、対象は家族性高コレステロール血症の1つ以上のリスク因子を有する。場合によっては、FHの1つ以上のリスク因子は、家族性高コレステロール血症の家族歴、少なくとも片方の親における高レベルのLDLコレステロール、LDLR遺伝子、ApoB遺伝子、ApoE、SATP1、LDLRAP1/ARHまたはPCSK9遺伝子における変化からなる群から選択される。先行態様のいずれか1つにおいて、対象は、家族性高コレステロール血症に関連する1つ以上の分析検査結果を有する。場合によっては、家族性高コレステロール血症に関連する1つ以上の分析検査結果は、増加した血清中/血漿中総コレステロール及び/または増加した低比重リポタンパク質(LDL)である。
先行態様のいずれか1つにおいて、個体は、1歳未満、3歳未満、5歳未満、または少なくとも5歳(例えば、少なくとも10歳、少なくとも15歳、少なくとも20歳、少なくとも25歳、少なくとも30歳、少なくとも40歳)である。先行態様のいずれか1つにおいて、個体はヒトである。先行態様のいずれか1つにおいて、投与することは、(i)第1時間点において、治療的に有効な第1用量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与すること、及び(ii)第2時間点において、治療的に有効な第2用量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与することをさらに含む。先行態様のいずれか1つにおいて、第2時間点は、第1時間点の少なくとも4時間後、少なくとも6時間後、少なくとも8時間後、少なくとも12時間後、少なくとも1日後、少なくとも2日後、少なくとも3日後、少なくとも4日後、少なくとも5日後、少なくとも6日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、または少なくとも4週間後である。先行態様のいずれか1つにおいて、投与することは、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与することをさらに含む。先行態様のいずれか1つにおいて、投与することは、静脈内、血管内、筋肉内、皮下、クモ膜下腔内、デポ剤、蠕動ポンプ投与を含めた非経口的方法によって、及び/または血漿アフェレーシスと併せて行われる。
本開示はまた、家族性高コレステロール血症に関係する合併症を軽減する方法であって、治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を個体に投与してそれによって個体における家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療することを含む、当該方法も提供する。いくつかの例では、合併症は、冠動脈(急性心筋梗塞(AMI)、狭心症、虚血性心不全)、末梢動脈疾患(跛行、壊疽、肢切断)、虚血性脳血管疾患(一過性脳虚血発作(TIA)、脳血管障害(CVA)、腎不全または高い血圧(高血圧)を含めた進行性(加速性または早発性)アテローム性動脈硬化疾患のリスクの増大を含む。いくつかの例では、治療することは、対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させること、対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)を減少させること、対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状を変化させること、対象における(例えば測定される、例えば、サイトカインタンパク質及び/またはRNAレベルによって測定される)炎症を軽減すること、循環からのコレステロールの腎もしくは肝クリアランスを促進すること、対象における皮膚学的徴候を改善すること、及び/または脳卒中、TIA、狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、跛行もしくは壊疽の発生、重症度もしくは症候を低減することを含む。
いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはその誘導体は2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの例では、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンは、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)、及び/またはVTS-270/アドラベタデクスからなる群から選択される。いくつかの例では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、複合体化2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、及び/またはシクロデキストリンポリマーを含む。いくつかの態様では、治療的有効量は約50mg/kg~約8,000mg/kgである。あるいは、及び/またはさらに、治療的有効量は約4g~約250gである。あるいは、及び/またはさらに、治療的有効量は、約0.01mM~約5mMの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの血清中、血漿中及び/または全血中濃度を達成するのに十分な量である。
いくつかの例では、投与することは、(i)第1時間点において、治療的に有効な第1用量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与すること、及び(ii)第2時間点において、治療的に有効な第2用量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与することをさらに含む。いくつかの態様では、投与することは、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与することをさらに含む。いくつかの態様では、投与することは、静脈内、血管内、筋肉内、皮下、クモ膜下腔内、デポ剤、蠕動ポンプ投与を含めた非経口的方法によって、及び/または血漿アフェレーシスと併せて行われる。
本開示はまた、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある対象に対して、i)スタチン、コレステロール取込み阻害剤もしくはPCSK9阻害剤治療を低減する、またはii)血漿アフェレーシス治療の頻度を低減するもしくはそれを遅らせる方法であって、治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を対象に投与してそれによって対象における家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療することを含む、当該方法も提供する。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはその誘導体は2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの例では、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンは、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)、及び/またはVTS-270/アドラベタデクスからなる群から選択される。いくつかの態様では、治療的有効量は約50mg/kg~約8,000mg/kgである。あるいは、及び/またはさらに、治療的有効量は約4g~約250gである。あるいは、及び/またはさらに、治療的有効量は、約0.01mM~約5mMの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの血清中、血漿中及び/または全血中濃度を達成するのに十分な量である。
いくつかの例では、投与することは、(i)第1時間点において、治療的に有効な第1用量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与すること、及び(ii)第2時間点において、治療的に有効な第2用量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを個体に投与することをさらに含む。いくつかの態様では、投与することは、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与することをさらに含む。いくつかの態様では、投与することは、静脈内投与によって、及び/または血漿アフェレーシスと併せて行われる。
いくつかの例では、スタチン、コレステロール取込み阻害剤またはPCSK9阻害剤治療は、シクロデキストリンまたはその誘導体を投与する前と比較して少なくとも30%低減される。あるいは、及び/またはさらに、いくつかの例では、血漿アフェレーシス治療の頻度は、シクロデキストリンまたはその誘導体を投与する前と比較して少なくとも30%低減される。あるいは、及び/またはさらに、いくつかの例では、血漿アフェレーシス治療は少なくとも6ヶ月遅らされる。
別の態様では、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある個体において、酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する、コレステロールの腎及び肝クリアランスを促進する、及び/または循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量及び/または粒径を減少させる及び/またはその形状を変化させるのに有効な量のシクロデキストリンまたはその誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)、ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
別の態様では、個体における家族性高コレステロール血症及び/またはその症候を治療するのに有効な量のシクロデキストリンまたはその誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)、ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
先行態様のいずれか1つにおいて、医薬組成物は、単回用量または反復投与のために製剤化される。先行態様のいずれか1つにおいて、医薬組成物は、静脈内、血管内、筋肉内、皮下、クモ膜下腔内、デポ剤、蠕動ポンプ投与を含めた非経口的投与方法のために製剤化される。
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個の刊行物、特許または特許出願を参照により援用することを具体的かつ個別に示すのと同じ程度に、参照により援用される。
本開示の様々な態様は、別記の特許請求の範囲において詳しく示される。本開示の特徴及び利点についてのよりよい理解は、本開示の原理が利用されている例示的態様を示した以下の詳細な説明、及び以下の添付図面を参照することによって得られよう。
HoFH患者の血漿試料における2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPBCD)のコレステロール結晶溶解能力を示す。 HoFH患者から得られたヒト末梢全血試料におけるABCA1のmRNA発現レベルを示す。 HoFH患者から得られたヒト末梢全血試料におけるSREBP2のmRNA発現レベルを示す。 A及びBは、マウスモデルの肝臓重量に対する2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPBCD)の影響を評価するための実験デザインを示す。 2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPBCD)が、HPBCD処置マウスにおいて、未処置マウスと比較して肝臓重量の増加を阻害することを示す。
家族性高コレステロール血症のほとんど(80~90%)は19番染色体における遺伝子欠陥によって引き起こされるが、当該染色体は、LDLに結合してそれを血液から除去してLDLレベルを低下させるまたは維持することを担っているLDL(低比重リポタンパク質)受容体をコードするものである。他の原因は、LDLの主要構造タンパク質、アポリポタンパク質B(ApoB)、ARH/LDLRAP1、ApoE、STAP1をコードする遺伝子における変異、またはLDL受容体の分解を担う酵素であるプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)の中での変異によって顕在化する。したがって、家族性高コレステロール血症の主な症候は、高いLDLコレステロール(LDL-C)のレベル、冠動脈、脳血管及び末梢血管が関与する早発性アテローム性動脈硬化症、手、肘、膝、踵の上、及び/または眼の角膜周囲における脂肪皮膚沈着(黄色腫)、ならびに眼瞼におけるコレステロール沈着(黄色板腫)を含む。
HoFHの臨床所見としては、皮膚及び腱黄色腫、典型的に500~1,000mg/dLである総コレステロールレベル、及び小児期に発症する症候性冠動脈疾患、ならびに大動脈弁及び近位大動脈基部疾患が挙げられる。HoFHでは10歳までに皮膚及び腱黄色腫がみられる一方、HeFHでは若年成人期にそれらが出現し得る。腱黄色腫は、40~50歳までのFHを有する患者の70%超において存在する。取り立てて探されない限りこれらの黄色腫が簡単に見落とされ得ることに留意することが重要である。他の脂質異常症と比較して転帰は、加速性アテローム性動脈硬化症を伴う早期内皮機能不全であり、未治療の場合、早期心血管疾患及び早死に至る。当該疾患は、より若い患者においてすでにアテローム性動脈硬化疾患の兆候、例えば、末梢動脈疾患(PAD)、冠動脈疾患(CAD、心筋梗塞、狭心症、及び関連する梗塞後鬱血性心不全)及び脳血管動脈疾患(脳卒中、TIA)を伴って顕在化するので、強力な脂質低減療法(例えば、他の脂質低減療法を伴うまたは伴わないスタチン)の非存在下では寿命が著しく短縮される(例えば早死)。ヘテロ接合型FHの臨床所見は、30~50歳において心血管疾患または有害心血管疾患事象の症候または兆候を有して存在する患者を含む。多くは、心血管リスクスクリーニングのための検査が実施された場合に年齢ごと及び性別ごとの典型的には90パーセンタイルよりも高いLDLによって同定されることになる。存在する固有の遺伝子欠陥(複数可)よりもむしろLDL上昇の持続期間及び度合いの方が、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(CVD)の進展の主因である。
現行の指針は、コレステロール取込み阻害剤と組み合わせたスタチンを第一選択療法として推奨している。ヘテロ接合型FHを有する小児において、スタチン療法はLDL-Cレベルを成人と同程度には低下させないが(用量及び力価に応じてベースラインから約25~40%の低下)、小児期における開始は、患者転帰を最大限にするためには必須である。但し、ほとんどのFH患者は、単剤療法で目標LDLレベルを達成することがなく、集学的療法(スタチン、エゼチミブ、ベンペド酸及び/またはPCSK9阻害剤の組合せ)を必要とするが、これは高価であり、現行では第三者の支払者の対象範囲に入っておらず、その結果、ほとんどのFH患者にとって最適未満の療法となる。薬理学的脂質低減療法が奏効しない個人においては、LDLアフェレーシスが唯一の選択肢である。
不良な(例えば、変異ApoB)または不十分な(例えば、変異LDL受容体)脂質輸送に基づくものである脂質輸送の欠陥ゆえに、過剰量のLDL及びコレステロールは蓄積してマクロファージなどの食作用免疫細胞を引き寄せるが、この細胞が脂質を取り込み、泡沫細胞に変わる。泡沫細胞は、アテローム性動脈硬化疾患の証となる特徴(プラーク泡沫細胞)であるが、脂質を含んだ泡沫状マクロファージの局所蓄積によっても、つまり、黄色腫においても臨床的に顕在化する。LDLが1つの主要なリスク因子であることは広く受け入れられており、それはコレステロールの大部分を保有し、炎症性の強い酸化生成物(oxLDL、acLDL)に変化し得る。コレステロールに富むLDL粒子はマクロファージによって取り込まれ、マクロファージ脂質恒常性が傾いて泡沫細胞に変化することの主因を構成する。マクロファージの脂質貯蔵プール能力に負荷を掛けすぎることに加えて、一旦取り込まれたLDL-コレステロールは、血管壁における局所炎症を誘発することが知られている結晶質コレステロールとして析出する。
スカベンジャー受容体取込み、細胞内CC沈着による炎症性マクロファージ/泡沫細胞の蓄積/形成を招く多量の循環LDL-コレステロールは、HPBCDの投与によって治療され得る。いかなる特定の作用機序にも限定されないが、前臨床データは、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPBCD)が、i)強力な炎症促進的刺激となり得るものであるコレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量及び/または粒径を減少させる及び/またはその形状を変化させること、ii)コレステロール代謝(オキシステロール)を増進すること、iii)コレステロール逆輸送(RCT;ABCトランスポーター経由)を改善すること、iv)(オキシステロール産生及びLXR遺伝子転写活性化による)局所的な抗炎症免疫プログラムの転写、v)コレステロール排出及び/または恒常性を調節することによって、ならびにvi)(脂質酸化を除去することによって)抗酸化性免疫環境を作り出すこと、またはvii)コレステロール及びその由来物の腎及び/または肝クリアランスを促進することによって、家族性高コレステロール血症の一因となる病理機序に対する遠大で有益な作用を有する可能性があることを示唆している。したがって、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPBCD)は、家族性高コレステロール血症及びその症候のための新規な治療選択肢を提供し得る。
本明細書に開示されるのは、酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する、総コレステロール量(例えば濃度)を減少させる、総LDLの蓄積を軽減する、及び/または個体におけるコレステロールの腎及び/または肝クリアランスを改善する、及び/または個体(例えばヒト)において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量及び/または粒径を減少させる及び/またはその形状を変化させる方法である。場合によっては、方法は、(例えば、アテローム性動脈硬化プラーク病巣負荷の増大、プラーク不安定化、及び急性血管閉塞をきたす起こり得るプラーク破裂を含めた、アテローム性動脈硬化疾患の進展及び進行を防止することによって)家族性高コレステロール血症を治療することを伴う。場合によっては、方法は、家族性高コレステロール血症の症候及び/または臨床徴候を治療することを伴う。場合によっては、方法は、例えば家族性高コレステロール血症によって引き起こされた、様々な器官及び/または組織に対する虚血を治療することを伴う。場合によっては、方法は、プラーク破裂の発生率が高い、脂質コアを有する炎症を起こしたアテローム性動脈硬化プラーク(傷付きやすいプラーク、高コレステロールプラーク)を、プラーク破裂(及び心血管合併症)の発生率が低い、より線維的なアテローム性動脈硬化プラーク(低炎症、低壊死コア)に変換することを伴う。場合によっては、方法は、LDL粒子の質を改善すること及び/または著しく酸化したLDLの炎症特性を低減/遮蔽することを伴う。総じて、本明細書に提供される方法は、治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体の投与を、それを必要とする対象(例えば、上昇した循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)のレベルを有する対象)に対して行うことを伴う。いくつかの態様では、本明細書で使用されるシクロデキストリン誘導体は、化学修飾シクロデキストリン分子を意味する。例えば、シクロデキストリン誘導体には、少なくとも1つの-OH基がヒドロキシプロピル基で置換されたシクロデキストリン分子が含まれる。特定の態様では、シクロデキストリン誘導体は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンである。本発明の別の態様では、シクロデキストリン誘導体は、様々な度合いの置換を有する(例えばヒドロキシプロピル基を有する)2つ以上の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン分子画分の混合物であり得る。
一態様では、シクロデキストリンまたはその誘導体は、コレステロール結晶形成を減少させてCC再吸収及び溶解を促進することができ、循環中へのLDLコレステロール輸送を改善することができ、オキシステロール(例えば、24、-25-、27-ヒドロキシコレステロール;24S-、25-、27-OHC)への内因的コレステロール代謝、ならびにコレステロール逆トランスポーターABCA1及びABCG1をコードする遺伝子を含めたLXR転写因子調節遺伝子の局所的活性化を増進することができ、その結果、コレステロール逆輸送(RCT)が改善されることになり、コレステロールクリアランスが改善されることになり、かくして、アテローム性動脈硬化プラーク負荷、ならびにアテローム性動脈硬化疾患及びその転帰の全リスクが減少することになる。結果として、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある個体において、心血管疾患及びその転帰の軽減によるFHの臨床徴候の軽減、例えば、皮膚、腱、脂質沈着(黄色腫)の軽減だけでなく、末梢動脈疾患(跛行、壊疽)、脳血管疾患(脳卒中、TIA)及び心血管疾患(狭心症、心筋梗塞及び鬱血性心不全)の臨床兆候及び症候の軽減も、もたらされる。
用語
以下の用語は、当業者によるこれらの用語の理解に加えて、本明細書で使用されている用語の意味を説明するために記述される。本明細書及び別記の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は複数形の意味を含み、但し、そうでないことが文脈から明らかに読み取れる場合を除く。さらに記しておくが、請求項は、いかなる任意選択要素も排除するように書かれている場合がある。この明記自体は、請求項要素の列挙に関連した「単に」、「のみ」などといった排他的術語の使用、または「消極的」限定の使用の先例的根拠としての役割を果たすことを意図したものである。
本明細書で使用される場合、数に付いた「約」という用語は、その数の10%がその数に加減されることを意味する。範囲に付いた「約」という用語は、その範囲に、その最小値の10%が減算され、かつその最大値の10%が加算されることを意味する。
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」及び「患者」という用語は互換的に使用される。どの用語も、医療従事者(例えば、医師、看護師、内科医の助手、用務員、ホスピス従業員)の監督を必要としていると解釈されるべきでない。本明細書で使用される場合、対象は、哺乳動物(例えば、ヒトまたは非ヒト動物)及び非哺乳動物を含めた任意の動物であり得る。一実施形態では、対象はヒトである。
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」または「治療」という用語、及び他の文法上の同等語は、疾患または病態の1つ以上の症候の根本原因を改善または防止すること;疾患または病態の1つ以上の症候を緩和、軽減または改善すること;疾患または病態の1つ以上の症候の出現、重症度または頻度を改善、防止または低減すること;疾患または病態を抑制すること、例えば、疾患もしくは病態の進展を阻止すること、疾患もしくは病態を和らげること、疾患もしくは病態の逆行を生じさせること、疾患もしくは病態によって引き起こされた病態を和らげること、または疾患もしくは病態の症候の予防的及び/または治療的抑制のいずれかを行うことなどを含む。
「薬学的に許容される」という用語は、概して安全であり、無毒であり、生物学的にも別様にも不都合でなく、獣医学的使用及びヒトへの薬学的使用が許容される、医薬組成物の調製に有用な材料の属性を表す。「薬学的に許容される」は、化合物の生物学的活性または特性をなくさせることがなく比較的無毒である材料、例えば担体または希釈剤を指し得、例えば、材料は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、またはそれを含有する組成物の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく個体に投与され得る。
本明細書で使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、治療活性を有さず、投与される対象に対して無毒である医薬組成物中の任意の薬学的に許容される成分、例えば、医薬製品の製剤化に使用される崩壊剤、結合剤、充填剤、溶剤、緩衝剤、張度調整剤、安定化剤、酸化防止剤、界面活性剤、担体、希釈剤、賦形剤、保存剤または滑沢剤を指す。
「有効量」または「治療的有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、治療しようとする疾患もしくは病態の症候の1つ以上をある程度和らげる、または治療しようとする疾患もしくは病態の根本原因を減少させる、投与しようとする薬剤または化合物の十分な量を指す。いくつかの態様では、転帰は、疾患の兆候、症候または原因の軽減及び/または緩和、あるいは生体系の他の任意の望ましい変化である。例えば、治療用途のための「有効量」は、(例えば過度の有害副作用を伴わずに)疾患症候または疾患の根本原因の臨床的に重要な低減をもたらすのに必要とされる、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。いくつかの態様では、任意の個別の症例での適切な「有効量」は、用量漸増試験などの技術を用いて決定される。「治療的有効量」という用語は、例えば予防的有効量を含む。本明細書に開示される化合物の「有効量」は、(例えば過度の有害副作用を伴わずに)所望の効果または治療的改善を達成するのに有効な量であり得る。本明細書に開示される化合物の「有効量」は、1つ以上の所望の転帰をもたらすのに有効な量であり得る。組成物の代謝、年齢、体重、対象の全身状態、対象が服用中であり得る付随的医薬、治療しようとする病態、治療しようとする病態の重症度、及び処方医の判断が様々であるために、場合によって「有効量」または「治療的有効量」が対象ごとに異なることは、理解されるべきである。いくつかの例では、治療しようとする疾患または病態は、家族性高コレステロール血症である。いくつかの例では、治療しようとする疾患または病態は、ホモ接合型家族性高コレステロール血症である。いくつかの例では、治療しようとする疾患または病態は、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症である。いくつかの例では、治療しようとする疾患または病態は、家族性高コレステロール血症に関連する、またはそれによって引き起こされる、疾患または病態である。
家族性高コレステロール血症及びその症候を治療する方法
本明細書に開示されるのは、家族性高コレステロール血症あるいはその症候及び/または臨床徴候を有する、有する疑いがある対象を、(例えば、(酸化)LDL(例えばオキシステロールなど)によって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減することによって、及び/または循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量及び/または粒径を減少させること、及び/または循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状を変化させること、及び/またはLDL量もしくはレベルを低下させること及び/または腎もしくは肝コレステロールクリアランスを促進することによって)治療する方法である。場合によっては、その症候及び/または臨床徴候は、家族性高コレステロール血症の1つ以上の皮膚徴候である。家族性高コレステロール血症の1つ以上の皮膚徴候としては、手、肘、膝、踵の上、及び/または眼の角膜周囲における脂肪皮膚沈着(黄色腫)、眼瞼におけるコレステロール沈着(黄色板腫)が挙げられるが、これらに限定されない。HoFHの臨床所見としては、皮膚及び腱黄色腫、500~1,000mg/dLの総コレステロールレベル、500mg/dlを上回るLDLレベル、及び小児期に発症する症候性冠動脈疾患、ならびに大動脈弁及び近位大動脈基部疾患、末梢動脈疾患(PAD;跛行、壊疽を含む)、及びより高い有病率の心血管動脈疾患(CAD)、ならびに結果としての心筋梗塞、狭心症及び鬱血性虚血性心不全(MI)、及び/または脳血管疾患、例えばTIA及び脳卒中が挙げられ得る。HoFHでは10歳までに皮膚及び腱黄色腫がみられる一方、HeFHでは若年成人期にそれらが出現し得る。腱黄色腫は、40~50歳までのFHを有する患者の70%超において存在する。
HeFHの臨床所見は、30~50歳で心血管疾患または有害心血管疾患事象の症候または兆候を呈する患者を含む。多くは、心血管リスクスクリーニングのための検査を実施した場合に年齢及び性別ごとに90パーセンタイルよりも高いLDL-Cによって同定され得る。
場合によっては、本明細書に記載の対象を治療することは、酸化LDL(例えばオキシステロールなど)によって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する。家族性高コレステロール血症は、欠陥のあるLDL受容体(LDLR)に、及び/またはLDL受容体をコードする遺伝子、ApoB、ARH/LDLRAP1、STAP1、ApoEもしくはPCSK9における変異に関連付いていることが多い。LDLR変異多様体(または変異したLDLRアダプタータンパク質1)に冒された対象では、酸化に曝される細胞外空間においてLDLの量及び/またはレベルが増大する。そのような酸化LDLは、スカベンジャー受容体(例えば、CD36)によって取り込まれ得、その結果、炎症細胞取込み(LDLR以外)、NFkB経路が活性化することによる細胞炎症、及びその後のCD36媒介シグナル伝達経路による炎症促進遺伝子またはタンパク質の発現、NLRP3インフラマソームの活性化を招くコレステロール結晶の沈着、酸化ストレス(例えば、C/EBP相同タンパク質媒介ERストレス)の誘発などが起こり得る。したがって、場合によっては、対象の治療は、肝臓X受容体(LXR)が誘発するATP結合カセットトランスポーター(ABC)媒介コレステロール逆輸送(RCT)により抗炎症シグナル伝達カスケードを誘発するもしくは容易にすることによって、及び/または細胞内コレステロール結晶沈着の軽減によって、そのような転帰を緩和及び/または軽減し得る。また、いくつかの例では、変異LDL(ApoB)に冒された対象において、対象を治療することは、コレステロール結晶負荷及び/またはLDLの輸送を増進する/誘発する/容易にすることによっても、そのような転帰を緩和及び/または軽減し得る。
場合によっては、本明細書に記載の対象を治療することは、対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させる。場合によっては、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれ以上)減少する。場合によっては、本明細書に記載の対象を治療することは、対象において、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)を減少させる。場合によっては、循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれ以上)減少する。場合によっては、本明細書に記載の対象を治療することは、対象における循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の溶解をもたらす。場合によっては、本明細書に記載の対象を治療することによって、循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状が変化する。場合によっては、尿中及び/または便中のコレステロール(及び/またはコレステロール由来物)の量(例えば、濃度)は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の分泌されるコレステロールの量(例えば、濃度)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、またはそれ以上)増加する。場合によっては、対象において循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の数及び/または粒径を減少させること、及び/またはその形状を変化させること、及び/またはコレステロールクリアランスを促進することは、対象における家族性高コレステロール血症の重症度または症候を改善または低減する。場合によっては、治療は、個体における家族性高コレステロール血症の重症度または症候を低減する、あるいは心血管疾患の臨床徴候の発生、または脳卒中、TIA、狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、(間欠性)跛行もしくは壊疽を含むがこれらに限定されない重大な心及び脳血管合併症の発生を低減する。場合によっては、対象において循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の数及び/または粒径を減少させること、及び/またはその形状を変化させることは、対象における家族性高コレステロール血症の1つ以上の症候及び/または臨床徴候を改善または軽減する。場合によっては、本明細書に記載の対象を治療することによって、(例えば測定される、例えば、サイトカインタンパク質及び/またはRNAレベルによって測定される)炎症が、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の炎症のレベルと比較して減少する。場合によっては、対象を治療することによって、皮膚学的徴候が、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前と比較して改善される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の対象を治療することは、対象に対する他のコレステロール低減剤または薬の投薬の必要性を低減する。いくつかの例では、コレステロール低減剤または薬として、スタチン(例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンなど)、コレステロール取込み阻害剤(例えばエゼチミブ)またはPCSK9阻害剤(PCSK9i、例えば、エボロクマブ、アリロクマブなど)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、本明細書に記載の対象を治療することは、スタチン、コレステロール取込み阻害剤(例えばエゼチミブ)またはPCSK9iによる治療の必要性をなくし得る。いくつかの態様では、本明細書に記載の対象を治療することは、スタチンまたはPCSK9i治療の投薬量(例えば、サイズ、量、頻度など)を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減し得る。例えば、本明細書に記載の対象を治療することは、治療1回あたりのスタチン、コレステロール取込み阻害剤またはPCSK9iの量を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%減少させ得る。あるいは、及び/またはさらに、本明細書に記載の対象を治療することは、治療1回あたりのスタチン、コレステロール取込み阻害剤またはPCSK9iの頻度を少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%減少させ得、例えば、毎日から3日ごとへ、毎日から5日ごとへ、毎日から7日ごとへ、7日ごとから2週間ごとへ、2週間ごとから4週間ごとへ、4週間ごとから6週間以上ごとへなどと減少させ得る。ある特定の例では、本明細書に記載の対象を治療することは、対象に対するスタチン、コレステロール取込み阻害剤またはPCSK9iによる治療の効果を、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%維持し、もっと言えば、効果を少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%増大させる。あるいは、及び/またはさらに、本明細書に記載の対象を治療することは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、例えば、毎日から3日ごとへ、毎日から5日ごとへ、毎日から7日ごとへ、7日ごとから2週間ごとへ、2週間ごとから4週間ごとへ、4週間ごとから6週間超ごとへなどと、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある対象に対する血漿アフェレーシス治療の頻度を減少させ得る、またはそれを遅らせ得る。
様々な態様において、方法は、(例えば、家族性高コレステロール血症及び/またはそれに関連する1つ以上の疾患もしくは病態を有する、それを有する疑いがある、またはそれを進展させるリスクを有する)対象にシクロデキストリンを投与することを伴う。シクロデキストリンは、α-1,4グリコシド結合によって繋げられた環式(例えば大環式)のグルコースサブユニットの環からなる環状オリゴ糖のファミリーである。シクロデキストリンは、環形態のグルコースモノマーを複数含有する。一般的なシクロデキストリンとしては、(6つのグルコースモノマーからなる)アルファ-シクロデキストリン、(7つのグルコースモノマーからなる)ベータ-シクロデキストリン、(8つのグルコースモノマーからなる)ガンマ-シクロデキストリン、及び(9つのグルコースモノマーからなる)デルタ-シクロデキストリンが挙げられる。環構造の外側部分は親水性であり、環構造の内部空洞は疎水性であり、かくして、シクロデキストリンは概して(例えば、親水性の外部ゆえに)水溶性であり、(例えば疎水性の空洞ゆえに)空洞内に疎水性分子を取り込むことができる。親シクロデキストリンは水溶性に限りがあり、そのため、例えば溶解性を向上させるべく、ヒドロキシル基を他の化学部分で置換した、いくつかの化学修飾シクロデキストリンが合成されている。様々な態様において、本明細書に提供される方法は、シクロデキストリンの投与を、それを必要とする(例えば、上昇した循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量を有する、例えば、家族性高コレステロール血症を有する、それを有する疑いがある)対象(例えば、ヒト)に対して行うことを伴う。場合によっては、対象は、(例えばアテローム性動脈硬化プラークの破裂後に)循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)または上昇したレベルの循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発達させるリスクを有する。いくつかの態様では、本明細書に記載のシクロデキストリン(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の任意の原子が任意の好適な同位体で置換されていてもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載のシクロデキストリン(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の任意の1つ以上の水素原子は、重水素原子で置換されていてもよい、またはそれに置き換わっていてもよい。そのようなシクロデキストリンは、重水素を含有しない元のシクロデキストリンと比較して類似するかまたは改善された特性を有することが予期される。重水素は、水素の安全で安定した非放射性の同位体である。水素と比較して重水素は炭素とより強い結合を形成する。いくつかの例では、重水素によって付与された増大した結合強度は、シクロデキストリンの特性に対して有益に影響を与え、改善された薬物有効性、安全性及び/または忍容性の可能性を生み出す。加えて、重水素はin vivoでの代謝クリアランスの減少をもたらし得、それによって化合物の半減期及び循環を延長し得る。同時に、重水素の大きさ及び形状が水素と本質的に同一であることから、水素を重水素に置き換えることで化合物の生化学的力価及び選択性が、水素のみを含有する元の化学的実体と比較して影響を受けるとは想定されないであろう。
特定の態様では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピルベタデックス及びヒドロキシプロピルベータ-シクロデキストリンとしても知られる2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPBCD)である。いくつかの例では、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンは、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード(Roquette Freres、#346114;2020年8月26日現在、roquette.com/-/media/roquette-sharepoint-libraries/sdol_product-specification-sheet/roquette_quality_specification-sheet_kleptose-hp-parenteral-grade_50_346114_en.pdfにて入手可能)、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード(Roquette Freres、#346111;2020年8月26日現在、roquette.com/-/media/roquette-sharepoint-libraries/sdol_product-specification-sheet/roquette_quality_specification-sheet_kleptose-hpb-parenteral-grade_50_346111_en.pdfにて入手可能)、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード(Roquette Freres、#346115;2020年8月26日現在、roquette.com/-/media/roquette-sharepoint-libraries/sdol_product-specification-sheet/roquette_quality_specification-sheet_kleptose-hpb-lb-parenteral-grade_50_346115_en.pdfにて入手可能)、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン(Ashland;2020年8月26日現在、ashland.com/file_source/Ashland/Product/Documents/Pharmaceutical/PC_11734_Cavitron_Cavasol.pdfにて入手可能)、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン(Ashland;2020年8月26日現在、ashland.com/file_source/Ashland/Product/Documents/Pharmaceutical/PC_11734_Cavitron_Cavasol.pdfにて入手可能)、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)(Cyclo Therapeutics,Inc.;2020年8月26日現在、cyclotherapeutics.com/cyclodextrins/trappsol-cycloにて入手可能)、及びVTS-270/アドラベタデクスからなる群から選択される。
いくつかの態様では、本明細書に記載のシクロデキストリン分子またはシクロデキストリン分子を含む組成物(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)は、β-シクロデキストリン空洞を含み得る。いくつかの態様では、β-シクロデキストリン空洞は、7つの1.4-結合グルコース単位からなる空洞を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシクロデキストリン(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の1つ以上の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、置換基は、2-ヒドロキシプロピル単位であり得る。いくつかの態様では、本明細書に記載のシクロデキストリン分子は、平均置換度によって特徴付けられ得る。「置換度」または「DS」という用語は、ベータ-シクロデキストリン分子上で直接的または間接的に置換された置換基の総数を指す。「平均置換度」または「平均DS」という用語は、ベータ-シクロデキストリン分子の集団の中の置換基の総数をベータ-シクロデキストリン分子の数で除したものを指す。いくつかの実施形態では、分子の平均DSは、電子スプレーイオン化質量分析(ESI-MS)(例えば、HPLC-ESI-MSなど)を用いて測定される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシクロデキストリン分子(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の平均置換度は、1~16、2~14、3~12、4~10、6~8である。いくつかの態様では、分子の平均DSは、エレクトロスプレーMSスペクトルのピーク高さによって決定される。いくつかの態様では、分子の平均DSは、MSに7を乗ずることによって決定される。いくつかの態様では、本明細書に提供されるシクロデキストリン分子または組成物は、平均MSが少なくとも約0.3である複数のベータ-シクロデキストリン分子を含有する。いくつかの態様では、本明細書に提供されるシクロデキストリン分子または組成物は、平均MSが約0.3~1.2である複数のベータ-シクロデキストリン分子を含有する。いくつかの態様では、本明細書に提供される(例えば医薬)組成物は、平均MSが0.8~1.2である複数のベータ-シクロデキストリン分子を含有する。特定の態様では、本明細書に記載のシクロデキストリン分子(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンは、2-ヒドロキシプロピル単位の固有平均置換度、及び制御された不純物レベルを含み得、それによって製品の安全性を改善し得る。
特定の態様では、シクロデキストリンはポリマーである。いくつかの態様では、シクロデキストリンポリマーは、α-シクロデキストリン系ポリマー、β-シクロデキストリン系ポリマー、またはγ-シクロデキストリン系ポリマーである。
様々な態様において、治療的有効量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)が対象(例えば、FH患者、HoFH患者、HeFH患者)に投与される。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを投与する前の対象でのベースラインと比較してコレステロールの1つ以上の誘導体の循環及び/または全身レベルを上昇させる。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、ベースラインまたは2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与前と比較して対象のコレステロール結晶量及び/または粒径を減少させる。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、対象においてABCA1遺伝子の発現を、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与の前のベースラインと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも200%増大させる。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、対象における脂質恒常性を維持する。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、対象においてSREBP2遺伝子発現を、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与の前のベースラインと比較して約±5%以内、約±10%以内、約±15%以内、約±20%以内の変動に維持する。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、対象の肝臓重量が対象において増加するのを、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与の前のベースラインと比較して約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満または約5%未満だけ抑制する。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、対象において、対象の肝臓重量を、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与の前のベースラインと比較して約±5%以内、約±10%以内、約±15%以内、約±20%以内の変動に維持する。いくつかの態様では、治療的有効量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与は、対象において肝臓重量を、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与の前のベースラインと比較して少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%減少させる。いくつかの態様では、コレステロールの1つ以上の誘導体は、コレステロール生合成の副生成物である。いくつかの態様では、コレステロールの1つ以上の誘導体は、水素化生成物、別様に水素化された1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オール生成物を伴った生成物、またはヒドロキシル、エポキシルもしくはケト基を有して形成された生成物を含む。場合によっては、コレステロールの1つ以上の誘導体はオキシステロールまたはステロールである。
いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、本明細書に記載の治療効果をもたらすのに適した量である。いくつかの態様では、治療的有効量は、少なくとも約50mg/kg、少なくとも約100mg/kg、少なくとも約200mg/kg、少なくとも約300mg/kg、少なくとも約400mg/kg、少なくとも約500mg/kg、少なくとも約600mg/kg、少なくとも約700mg/kg、少なくとも約800mg/kg、少なくとも約900mg/kg、少なくとも約1000mg/kg、少なくとも約1100mg/kg、少なくとも約1200mg/kg、少なくとも約1300mg/kg、少なくとも約1400mg/kg、少なくとも約1500mg/kg、少なくとも約1600mg/kg、少なくとも約1700mg/kg、少なくとも約1800mg/kg、少なくとも約1900mg/kg、少なくとも約2000mg/kg、少なくとも約2100mg/kg、少なくとも約2200mg/kg、少なくとも約2300mg/kg、少なくとも約2400mg/kg、少なくとも約2500mg/kg、少なくとも約3500mg/kg、少なくとも約3500mg/kg、少なくとも約4000mg/kg、少なくとも約4500mg/kg、少なくとも約5000mg/kg、少なくとも約5500mg/kg、少なくとも約6000mg/kg、少なくとも約6500mg/kg、少なくとも約7000mg/kg、少なくとも約7500mg/kgまたは少なくとも約8000mg/kgである。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、少なくとも約100mg/kgである。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、少なくとも約250mg/kgである。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、少なくとも約500mg/kgである。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、少なくとも約1000mg/kgである。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、少なくとも約1500mg/kgである。
いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、本明細書に記載の治療効果をもたらすのに適した量である。いくつかの態様では、治療的有効量は、約50mg/kg~約2500mg/kg(例えば、約50mg/kg~約1000mg/kg、約500mg/kg~約1000mg/kg、約500mg/kg~約1500mg/kg、約800mg/kg~約1500mg/kg、約800mg/kg~約1200mg/kg、約1000mg/kg~約1500mg/kg、約1000mg/kg~約2500mg/kgである。いくつかの態様では、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの治療的有効量は、約500mg/kg~約1500mg/kgである。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、約800mg/kg~約1200mg/kgである。
いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、本明細書に記載の治療効果をもたらすのに適した量である。いくつかの態様では、治療的有効量は、少なくとも約4g(例えば、少なくとも約10g、少なくとも約25g、少なくとも約50g、少なくとも約75g、少なくとも約100g、少なくとも約125g、少なくとも約150g、少なくとも約175g、少なくとも約200g、少なくとも約250g)である。いくつかの態様では、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの治療的有効量は、約4g~約250g(例えば、約4g~約200g、約4g~約150g、約4g~約100g、約4g~約50g、約50g~約250g、約50g~約200g、約50g~約150g、約50g~約100g、約100g~約250g、約100g~約200g)であり得る。(例えば単回用量投与で、例えば治療的有効量で)投与されるシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の総量は、対象の年齢、性別、体重などを含むがこれらに限定されない複数の因子によって決まり得る。
いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療的有効量は、本明細書に記載の治療効果をもたらすのに適したシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の全血中、血清中及び/または血漿中濃度をもたらすのに十分な量である。いくつかの態様では、全血中、血清中及び/または血漿中濃度は、少なくとも約0.01mM(例えば、少なくとも約0.05mM、少なくとも約0.1mM、少なくとも約0.2mM、少なくとも約0.3mM、少なくとも約0.4mM、少なくとも約0.5mM、少なくとも約0.6mM、少なくとも約0.7mM、少なくとも約0.8mM、少なくとも約0.9mM、少なくとも約1.0mM、少なくとも約1.5mM、少なくとも約2.0mMまたは少なくとも約2.5mM)である。
本明細書に開示される方法は、第1時間点において、治療的に有効な第1用量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)を対象に投与すること、及び第2時間点において、治療的に有効な第2用量のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)を対象に投与することをさらに含み得る。第2時間点は、第1時間点の少なくとも4時間後、少なくとも6時間後、少なくとも8時間後、少なくとも12時間後、少なくとも1日後、少なくとも2日後、少なくとも3日後、少なくとも4日後、少なくとも5日後、少なくとも6日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、または少なくとも4週間後であり得る。いくつかの態様では、投与することは、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与することをさらに含む。いくつかの態様では、投与することは、少なくとも1年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも5年間、少なくとも7年間、少なくとも10年間、少なくとも15年間、少なくとも20年間、またはシクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)が家族性高コレステロール血症の少なくとも1つの症候を改善するのに有効である限り、継続される。いくつかの態様では、投与することは、静脈内投与によって行われ得る。
場合によっては、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体(例えば、-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の治療剤は、他のコレステロール低減治療剤及び/またはLDL阻害剤(例えば、スタチン、コレステロール取込み阻害剤またはPSCK9阻害剤)と組み合わされる。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と他のコレステロール低減治療剤とが同時進行的に個体に共投与される。いくつかの態様では、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と他のコレステロール低減治療剤とが逐次的に個体に投与される。
場合によっては、第2時間点は、さらなる用量の薬物が対象にとって有益であろうという1つ以上の指標に基づいて決定され得る。例えば、第2時間点は、第1用量の治療的利益が縮小したかまたは縮小し始めた後に投与され得る。
様々な態様において、対象はヒトであり得る。場合によっては、対象は、上昇したレベルの循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)及び/または家族性高コレステロール血症を発達させるリスクがあるまたはその傾向がより強い任意の年齢であり得る。対象は、1歳未満、3歳未満、5歳未満または少なくとも5歳(例えば、少なくとも10歳、少なくとも15歳、少なくとも20歳、少なくとも25歳、少なくとも30歳、少なくとも40歳)であり得る。対象は、アテローム性動脈硬化症及び/またはアテローム性動脈硬化心血管疾患と診断され得る。場合によっては、対象は、進行性アテローム性動脈硬化症を有する。場合によっては、対象は、血管が関与する医療行為、例えば血管手術または血管造影を受けたことがある。場合によっては、対象は、抗凝固薬または血栓溶解薬による治療を開始している。対象は、1つ以上のリスク因子を5(例えば、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40)にわたって有し得る。家族性高コレステロール血症のリスク因子としては、家族性高コレステロール血症の家族歴、少なくとも片方の親における高レベルのLDLコレステロール、LDLR遺伝子、ApoB遺伝子またはPCSK9遺伝子における変化が挙げられるが、これらに限定されない。
対象は、家族性高コレステロール血症と診断され得る、及び/または家族性高コレステロール血症の症候及び/または臨床徴候を有し得る、または血縁家族に徴候を有する。家族性高コレステロール血症は、遺伝子スクリーニング検査によって、あるいは他の臨床検査、例えば生検(例えば、皮膚生検、筋生検、腎生検、骨髄生検、胃粘膜生検、結腸粘膜生検)、または典型的な皮膚学的徴候、例えば黄色腫及び黄色板腫、もしくは若年での他の不良な皮膚灌流の兆候(跛行、皮斑、つま先または指のチアノーゼを含む)、及びまたは組織学的に顕在化した皮膚もしくはプラーク病巣における泡沫マクロファージの蓄積、上昇した総コレステロールレベル、上昇したLDLレベルとこれに伴うアテローム性動脈硬化疾患併存症もしくはその発生、例えば、アテローム性動脈硬化末梢動脈、冠動脈、及び/または脳血管疾患、例えば、狭心症、心筋梗塞、跛行、TIA及び/または脳卒中と組み合わせて、診断され得る。場合によっては、対象は、疾患の特徴的な徴候の組合せ、例えば、著しいLDL-Cレベルまたは早発性アテローム性動脈硬化疾患とこれに伴う強い家族性素因または皮膚学的兆候(例えば、黄色腫、黄色板腫、皮膚、腎、中枢神経系、眼徴候(例えばホーレンホースト斑)、例えば本明細書に記載されているものを含む)によって診断され得る。場合によっては、対象は、非侵襲的撮像モダリティ(例えば、早発性または急速進行性アテローム性動脈硬化症を示す、腹部超音波、胸部/腹部コンピュータ断層撮影(CT)、経胸部心エコー図(TTE)、経食道心エコー図(TEE))によって診断され得る。
対象は、家族性高コレステロール血症と整合する1つ以上の分析検査結果を有し得る。家族性高コレステロール血症と整合する1つ以上の分析検査結果は、限定はされないが、高い総コレステロール(最大で200mg/dL、最大で250mg/dL、最大で300mg/dL、最大で350mg/dL、最大で400mg/dL、最大で500mg/dl、最大で600mg/dl、最大で700mg/dl、最大で800mg/dl、最大で900mg/dl、最大で1,000mg/dl)、高いLDLレベル(200mg/dL超、250mg/dL超、300mg/dL超、350mg/dL超、400mg/dL超、500mg/dl超)を含み得る。場合によっては、家族性高コレステロール血症は二次徴候を伴う。いくつかの態様では、LDL>200mg/dl、>300mg/dl、>400mg/dl、もしくは>500mg/dl、及び/または、及び総コレステロール>650~1000mg/dl、または第1度近親における早期冠状動脈性心疾患(55歳未満の男性、60歳未満の女性)は、FHの臨床診断に十分なものである。DNA検査は、症例の80%において診断を裏付け得る。コレステロールレベルは幼児期から上昇するので、いくつかの態様では、小児は、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、10歳、20歳、30歳よりも前などにスクリーニングされる。
対象は、家族性高コレステロール血症の症候を進展させる前に(例えば、本明細書に記載の方法によって)治療され得る。例えば、家族性高コレステロール血症を進展させるリスクを有する対象(例えば、上昇したレベルの循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)、家族性高コレステロール血症の家族歴、少なくとも片方の親における高レベルのLDLコレステロール、LDLR遺伝子またはLDLRアダプタータンパク質1(LDLRAP1)、ApoB遺伝子またはPCSK9遺伝子における変化を有する対象)は、(例えば、本明細書に記載の方法によって)治療されて、例えば、コレステロール及び/またはLDLの量が減少し得る、及び/または循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径が減少し得る及び/またはその形状が変化し得る(例えば、それによって、家族性高コレステロール血症の重症度または症候が低減され得る)。場合によっては、家族性高コレステロール血症の1つ以上のリスク因子を有する対象は、上昇したレベルの循環コレステロールを発達させる前に治療されてアテローム性動脈硬化冠動脈、末梢動脈または脳血管疾患のさらなる進展が防止される。対象は、家族性高コレステロール血症及び/またはその症候もしくは臨床徴候が進展した後に(例えば、本明細書に記載の方法によって)治療され得る。
本明細書に開示される方法は、家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候及び/または臨床徴候を治療するために用いられ得る。例えば、本明細書に開示される方法は、進行性冠動脈疾患(及び虚血性心筋症)、虚血性脳血管疾患、または家族性高コレステロール血症の皮膚徴候(例えば、黄色腫、黄色板腫、網状皮斑、チアノーゼ)を治療するために用いられ得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載の方法は、対象における循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)の減少を生じさせる、またはもたらす。場合によっては、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)は、治療前の循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)と比較して減少し得る。いくつかの態様では、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)は、少なくとも約0.5%減少し得る。いくつかの態様では、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)は、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、またはそれよりも大きく減少し得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載の方法は、対象におけるABCA1遺伝子発現の増大を生じさせる、またはもたらす。場合によっては、対象におけるABCA1遺伝子発現は、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、またはそれよりも大きく増大する。場合によっては、ABCA1遺伝子発現の増大は、SREBP2遺伝子発現の増大または減少を伴わない。
いくつかの態様では、本明細書に記載の方法は、肝臓重量の少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%の減少を生じさせる、またはもたらす。
いくつかの態様では、本明細書に記載の方法は、対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)の減少を生じさせる、またはもたらす。場合によっては、循環コレステロール結晶は豊富なLDLレベルに由来し、制御されない細胞内または細胞外コレステロール結晶沈着を招く。場合によっては、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)は、治療前の循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)と比較して減少し得る。いくつかの態様では、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)は、少なくとも約0.5%減少し得る。いくつかの態様では、循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば、濃度)は、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、またはそれよりも大きく減少し得る。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法によって、循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状が変化する。
場合によっては、本明細書に記載の方法は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前の炎症のレベルと比較して、(例えば測定される、例えば、サイトカインタンパク質及び/またはRNAレベルによって測定される)炎症の軽減を生じさせる、またはもたらす。場合によっては、本明細書に記載の方法によって皮膚学的徴候が、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる治療の前と比較して改善する。
いくつかの態様では、方法は、(例えば、家族性高コレステロール血症を有する、有する疑いがある、またはそれを進展させるリスクを有する)対象を、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンと付加的治療(例えば、治療用医薬化合物、医療行為または療法)との組合せで治療することを伴う。
場合によっては、付加的治療はフェレーシス(例えば、血漿アフェレーシス)を含む。場合によっては、付加的治療はコレステロール低減治療を含む。場合によっては、付加的治療は、LDL低減治療またはLDL低減薬を含む。場合によっては、付加的治療は、HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)、コレステロール取込み阻害剤(例えば、エゼチミブ、フィブリン)、ロミタピド、抗炎症薬(例えば、低用量アセチルサリチル酸(ASS)、カナキヌマブ)、コルチコステロイド、及びプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤、及び/または血漿アフェレーシスからなる群から選択される治療薬を含む。場合によっては、付加的治療は、2つ以上の上記治療、医薬、医療行為を含む。
場合によっては、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、及び付加的治療薬は、同時に、またはほぼ同時に(例えば、単一の製剤で、または別個の製剤として)対象に投与される。場合によっては、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、及び付加的治療薬は、異なる時間に(例えば、別個の製剤で)投与される。場合によっては、付加的治療薬は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる投与の前に投与される。場合によっては、付加的治療薬は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンと同時に投与される。場合によっては、付加的治療薬は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの投与の後に投与される。
場合によっては、対象は、以前に(例えば、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンによる投与の前に)付加的治療薬による治療を受けたことがあり得る。場合によっては、付加的治療薬による治療は、無効であり得るかまたは限られた有効性を有し得る。そのよう場合、(例えば、付加的治療薬による治療の後に、または付加的治療薬と同時に)2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンで治療された対象は、付加的治療薬単独の投与の場合よりも大きな治療的利益を呈し得る。
場合によっては、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンと付加的治療薬との両方によって治療された対象は、付加的治療薬か2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンかのどちらか単独による治療によって呈する治療的利益よりも大きな治療的利益を呈し得る。場合によっては、付加的治療薬と2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンとの両方による治療は、付加的治療薬と2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンとの相互作用が治療薬の総合的効果を各治療薬の個別の効果の総和よりも大きくするような、相乗効果を有する。場合によっては、付加的治療薬と2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンとの両方による治療は、付加的効果を有する。
医薬組成物
ある特定の態様において本明細書に開示されるのは、ヒトにおける家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候及び/または臨床徴候を治療するのに有効な量の2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、ならびに賦形剤を含む、医薬組成物である。賦形剤は、薬学的に許容される賦形剤であり得る。
賦形剤は、張度調整剤、保存剤、可溶化剤、緩衝剤、溶液(例えばIV溶液)、またはその任意の組合せを含み得る。張度調整剤は、デキストロース、グリセロール、塩化ナトリウム、グリセリン、マンニトールまたはその組合せであり得る。保存剤は、酸化防止剤、抗菌剤、キレート剤またはその組合せであり得る。酸化防止剤は、アスコルビン酸、アセチルシステイン、亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩)、モノチオグリセロール、またはその組合せであり得る。抗菌剤は、フェノール、メタ-クレゾール、ベンジルアルコール、パラベン、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀塩(例えば、酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩)、またはその組合せであり得る。キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム(EDTA)、EDTA二ナトリウム、EDTAナトリウム、カルシウムベルセタミドナトリウム、カルテリドール、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、またはその組合せであり得る。可溶化剤は界面活性剤または共溶媒であり得る。界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween80)、ソルビタンモノオレエートポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20、Tween(登録商標)20)、レシチン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(Pluronics)、またはその組合せであり得る。共溶媒は、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、ポリエチレングリコール(PEG)、ソルビトール、ジメチルアセトアミド、Cremophor EL、またはその組合せであり得る。ポリエチレングリコールは、PEG300、PEG400、PEG600、PEG3350またはPEG4000であり得る。緩衝剤は、酢酸ナトリウム、酢酸、氷酢酸、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、アルギニン、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸、重炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、ジエタノールアミン、グルコノデルタラクトン、グリシン、グリシンHCl、ヒスチジン、ヒスチジンHCl、塩酸、臭化水素酸、リジン、マレイン酸、メグルミン、メタンスルホン酸、モノエタノールアミン、リン酸、一塩基性カリウム、二塩基性カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウム、コハク酸ナトリウム、亜硫酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸、トロメタミン(トリス)、またはその組合せを含み得る。
医薬組成物は、少なくとも約4g、少なくとも約10g、少なくとも約50g、少なくとも約100g、少なくとも約150g、少なくとも約200gまたは少なくとも約250gの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも約4gの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも約50gの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも約100gの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、少なくとも約200gの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む。いくつかの態様では、医薬組成物は、約4g~約250gの2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(例えば、約4g~約100g、約4g~約50g、約50g~約150g、約50g~約250g、約100g~約200g、約100g~約250g、約150g~約250g)を含む。
医薬組成物は、単回用量投与のために製剤化され得る。医薬組成物は、静脈内投与のために製剤化され得る。医薬組成物は、等張になるように製剤化され得る。
本開示の好ましい態様を本明細書に示し、記載してきたが、そのような態様が例として提供されているにすぎないことは当業者には明らかであろう。今や当業者は、本開示から逸脱することなく多数の変化形態、変更及び置換を考え付くであろう。本開示を実施する際に、本明細書に記載される本開示の態様の様々な代替形態が採用され得ることは、理解されるべきである。以下の請求項は、本開示の範囲を画定すること、ならびにそれによって、これらの請求項の範囲に入る方法及び構造、及びそれらの均等物を包含することを意図している。
実施例1.HoFH患者におけるコレステロール結晶溶解能力
D6標識コレステロール結晶を、HPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)で処置されたホモ接合型家族性高コレステロール血症(HoFH)患者から採取されたヒト血漿に添加した。反応混合物を濾過して結晶を除去し、濾液をD6標識コレステロールの存在についてガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)を用いて検査した。濾液において測定されたコレステロールは、コレステロール結晶を溶解させるHPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の能力を示していた。
図1Aに示されるように、HPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)は、対照群と比較してコレステロール結晶溶解を顕著に増進した。この実施例は、循環からコレステロール結晶を除去する治療的潜在能力をHPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)が有していることを示している。HoFH患者におけるコレステロール結晶の溶解は、粥腫における炎症を軽減することになる。コレステロールを循環から及び組織から移動できるようにすることによって、プラーク進行が軽減され得、プラーク安定性が改善され得る。これは、心血管死、心筋梗塞、または心不全による入院などの重大な粥腫関連の有害臨床転帰の発生を著しく減少させるであろう。
実施例2.HoFH患者におけるコレステロール排出能力に対する影響
この実施例は、HoFH患者におけるコレステロール排出能力に対するHPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の影響を調査することを目的とする。HPBCDを、HoFH患者から得られた全血に1.2mMの濃度で添加した。未処理試料を対照として使用した。混合物を6時間にわたってインキュベートした。全mRNAを単離し、mRNA発現レベルを測定した。データを、生理食塩水対照に対して正規化された遺伝子発現のレベルとして示す。
図1Bに示されるように、HPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)はヒト全血においてコレステロール逆トランスポーターABCA1の顕著な誘導をもたらした。LXRを標的とすることは、通常、SREBP2の上方制御に関連付く。それにもかかわらず、図1Cに示されるように、HPBCDで処置されたHoFH患者におけるSREBP2のmRNA発現レベルは対照群と同程度である。この実施例は、HPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)が、循環コレステロールレベルを増大させることなく(つまり、コレステロール恒常性を維持しながら)細胞からの余分なコレステロールの除去をもたらし得ることを示している。
実施例3.マウスモデルの肝臓重量に対する影響
肝臓重量に対するHPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)の影響を評価するために、図2のA及びBに描かれているようなLdlr-/-マウスを使用する実験を企画した。表1及び表2に示されるように、通常の食餌(NC)、または高脂肪(42%)、高コレステロール(1.2)食である西洋食(WD)をマウスに給餌した。5週間後、マウスに2g/kgのBPBCDを皮下注射した。5週間後(群1、2、6)、6週間後(群3)、7週間後(群4)及び9週間後(群5)にそれぞれ肝臓を切り出し、計量した。
Figure 2024509376000002
図3に示されるとおり、未処置マウス群は肝臓重量の著しい増加を示したが、HPBCD処置マウスは高脂肪食による肝臓重量のさらなる増加を何ら示さなかった。この実施例は、HPBCD(2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン)がFH患者における肝臓重量の増加を効果的に抑制する可能性があることを示唆している。
本開示の好ましい実施形態を本明細書に示し、記載してきたが、そのような実施形態が例として提供されているにすぎないことは当業者には明らかであろう。今や当業者は、本開示から逸脱することなく多数の変化形態、変更及び置換を考え付くであろう。本開示を実施する際に、本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代替形態が採用され得ることは、理解されるべきである。以下の請求項が本開示の範囲を画定していること、ならびにこれらの請求項の範囲に入る方法及び構造とそれらの均等物がそれに包含されていることを意図する。

Claims (49)

  1. i)酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減する、
    ii)総コレステロール量(例えば濃度)を減少させる、
    iii)総LDLの蓄積を軽減する、
    iv)循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)及び/または粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させる及び/またはその形状を変化させる、及び/または
    v)個体におけるコレステロールの腎及び/または肝クリアランスを改善する
    方法であって、
    前記方法は、家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある個体において、治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を前記個体に投与するステップ、それによって、
    酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和または軽減するステップ、及び/または
    循環コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)及び/または粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させる及び/またはその形状を変化させるステップ、及び/または
    コレステロール(由来物)の腎(及び/または)肝クリアランスを促進するステップ
    を含む、方法。
  2. 前記循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の前記粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)が、前記シクロデキストリンまたはその誘導体による治療の前の前記循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の前記粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれよりも大きく)減少する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コレステロール(由来物)の腎(及び/または)肝クリアランスを促進するステップが、
    前記個体における前記コレステロールまたはコレステロール由来物の腎及び/または肝クリアランスを、治療の前の前記コレステロール及び/またはコレステロール由来物のクリアランス量と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、またはそれよりも大きく)増大させるステップ
    を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の前記量(例えば濃度)が、前記シクロデキストリンまたはその誘導体による治療の前の前記循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の前記量(例えば濃度)と比較して少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、またはそれよりも大きく)減少する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記治療するステップが、前記個体における前記家族性高コレステロール血症の症候を軽減する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 個体における家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療する方法であって、前記方法は、
    治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を前記個体に投与するステップ、それによって前記個体における前記家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療するステップ
    を含む、方法。
  8. 前記治療するステップが、
    前記対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させるステップ
    前記対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)を減少させるステップ、
    前記対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状を変化させるステップ、
    前記対象における(例えば測定される、例えば、サイトカインタンパク質及び/またはRNAレベルによって測定される)炎症を軽減するステップ、
    コレステロールもしくはコレステロール由来物の腎及び/または肝クリアランスを促進して前記対象における皮膚学的徴候を改善するステップ、及び/または
    脳卒中、TIA、狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、跛行もしくは壊疽の発生、重症度もしくは症候を低減するステップ
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む、請求項7~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記治療的有効量が約50mg/kg~約8,000mg/kgである、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記治療的有効量が約4g~約250gである、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記治療的有効量が、約0.01mM~約5mMの前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの血清中、血漿中及び/または全血中濃度を達成するのに十分な量である、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンが、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)、及び/またはVTS-270/アドラベタデクスからなる群から選択される、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記対象が前記家族性高コレステロール血症の1つ以上のリスク因子を有する、請求項7~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記家族性高コレステロール血症の前記1つ以上のリスク因子が、
    家族性高コレステロール血症の家族歴、
    少なくとも片方の親における、または前記対象における高レベルのLDLコレステロール、
    LDLR遺伝子、LDLRAP1遺伝子、ApoB遺伝子、ApoE遺伝子、LDLRAP1/ARH遺伝子、STAP1遺伝子またはPCSK9遺伝子における変化
    からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記対象が、前記家族性高コレステロール血症に関連する1つ以上の分析検査結果を有する、請求項7~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記家族性高コレステロール血症に関連する前記1つ以上の分析検査結果が、増加した血清中/血漿中総コレステロールまたはLDLを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記個体が、少なくとも5歳(例えば、少なくとも10歳、少なくとも15歳、少なくとも20歳、少なくとも25歳、少なくとも30歳、少なくとも40歳)である、請求項7~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記個体がヒトである、請求項7~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記投与するステップが、
    (i)第1時間点において、治療的に有効な第1用量の前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを前記個体に投与するステップ、及び
    (ii)第2時間点において、治療的に有効な第2用量の前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを前記個体に投与するステップ
    をさらに含む、請求項7~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記第2時間点が、前記第1時間点の少なくとも4時間後、少なくとも6時間後、少なくとも8時間後、少なくとも12時間後、少なくとも1日後、少なくとも2日後、少なくとも3日後、少なくとも4日後、少なくとも5日後、少なくとも6日後、少なくとも1週間後、少なくとも2週間後、少なくとも3週間後、または少なくとも4週間後、2ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記投与することが、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与するステップをさらに含む、請求項7~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記投与するステップが、非経口的方法(例えば、静脈内、血管内、筋肉内、皮下、クモ膜下腔内、デポ剤、蠕動ポンプ投与)によって、及び/または血漿アフェレーシスと併せて行われる、請求項7~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を個体に投与ステップ、それによって前記個体における前記家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療するステップ、を含む、家族性高コレステロール血症に関係する合併症を軽減する方法。
  25. 前記合併症が、冠動脈(心筋梗塞、狭心症、虚血性心不全)、末梢動脈疾患(跛行、壊疽、肢切断)、虚血性脳血管疾患(TIA、CVA)、腎不全または高い血圧(高血圧)
    を含めた進行性(加速性または早発性)アテローム性動脈硬化疾患のリスクの増大を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記治療するステップが、前記対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の粒径(例えば、平均粒径、最大粒径)を減少させるステップ、
    前記対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量(例えば濃度)を減少させるステップ、
    前記対象において循環(例えば、血中、血漿中、血清中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の形状を変化させるステップ、
    前記対象における(例えば測定される、例えば、サイトカインタンパク質及び/またはRNAレベルによって測定される)炎症を軽減するステップ、
    コレステロールもしくはコレステロール由来物の腎及び/または肝クリアランスを促進するステップ、
    前記対象における皮膚学的徴候を改善するステップ、及び/または
    脳卒中、TIA、狭心症、心筋梗塞、虚血性心不全、跛行もしくは壊疽の発生、重症度もしくは症候を低減するステップ
    を含む、請求項24~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む、請求項24~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記治療的有効量が約50mg/kg~約8,000mg/kgである、請求項24~27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記治療的有効量が約4g~約250gである、請求項24~28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記治療的有効量が、約0.01mM~約5mMの前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの血清中、血漿中及び/または全血中濃度を達成するのに十分な量である、請求項24~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンが、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)、及びVTS-270/アドラベタデクスからなる群から選択される、請求項27~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記投与するステップが、
    (i)第1時間点において、治療的に有効な第1用量の前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを前記個体に投与するステップ、及び
    (ii)第2時間点において、治療的に有効な第2用量の前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを前記個体に投与するステップ
    をさらに含む、請求項24~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記投与するステップが、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与するステップをさらに含む、請求項24~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記投与するステップが、非経口的方法(例えば、静脈内、血管内、筋肉内、皮下、クモ膜下腔内、デポ剤、蠕動ポンプ投与)によって、及び/または血漿アフェレーシスと併せて行われる、請求項24~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある対象に対する
    i)スタチン、コレステロール取込み阻害剤もしくはPCSK9阻害剤治療を、低減する、または
    ii)血漿アフェレーシス治療の頻度を、低減するもしくはそれを遅らせる
    方法であって、前記方法は、
    治療的有効量のシクロデキストリンまたはその誘導体を前記対象に投与するステップ、それによって前記対象における前記家族性高コレステロール血症及び/またはその1つ以上の症候を治療するステップ
    を含む、方法。
  36. 前記シクロデキストリンまたはその誘導体が2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記治療的有効量が約50mg/kg~約8,000mg/kgである、請求項35~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記治療的有効量が約4g~約250gである、請求項35~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記治療的有効量が、約0.01mM~約5mMの前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの血清中、血漿中及び/または全血中濃度を達成するのに十分な量である、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンが、Kleptose(登録商標)HP 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB 非経口グレード、Kleptose(登録商標)HPB-LB 非経口グレード、Cavitron(登録商標)W7 HP5 Pharma シクロデキストリン、Cavitron(登録商標)W7 HP7 Pharma シクロデキストリン、Trappsol(登録商標)Cyclo(商標)、及びVTS-270/アドラベタデクス
    からなる群から選択される、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記投与するステップが、
    (i)第1時間点において、治療的に有効な第1用量の前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを前記対象に投与するステップ、及び
    (ii)第2時間点において、治療的に有効な第2用量の前記2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを前記対象に投与するステップ
    をさらに含む、請求項35~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記投与するステップが、3日ごと、7日ごと、10日ごと、14日ごと、21日ごと、28日ごと、2ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、12ヶ月ごとに投与するステップをさらに含む、請求項35~41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記スタチン、コレステロール取込み阻害剤またはPCSK9阻害剤治療が、前記シクロデキストリンまたはその誘導体を投与する前と比較して少なくとも30%低減される、請求項35~42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記血漿アフェレーシス治療の前記頻度が、前記シクロデキストリンまたはその誘導体を投与する前と比較して少なくとも30%低減される、請求項35~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記血漿アフェレーシス治療が少なくとも6ヶ月遅らされる、請求項35~44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 家族性高コレステロール血症と診断されたかまたはそれを有する疑いがある個体において、
    酸化LDLによって誘発された炎症及び/または酸化ストレスを緩和もしくは軽減する、及び/または
    コレステロールの腎及び/または肝クリアランスを促進する、及び/または
    循環(例えば、血中、血清中、血漿中)コレステロール結晶(及び/またはコレステロール結晶を含む凝血塊)の量及び/または粒径を減少させる及び/またはその形状を変化させる
    のに有効な量の、シクロデキストリンまたはその誘導体、ならびに
    薬学的に許容される賦形剤
    を含む、医薬組成物。
  47. 個体における家族性高コレステロール血症及び/またはその症候を治療するのに有効な量のシクロデキストリンまたはその誘導体、ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  48. 単回用量または反復投与のために製剤化される、請求項46または請求項47に記載の医薬組成物。
  49. 静脈内投与のために製剤化される、請求項46~48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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