JP2024506664A - 抗vegf抗体およびその使用 - Google Patents

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Abstract

VEGFタンパク質に結合可能である、および/またはVEGFタンパク質のVEGFRタンパク質に対する結合を阻害可能である、単離された抗原結合タンパク質が提供される。さらに、上記単離された抗原結合タンパク質の、薬物の製造における使用が提供される。

Description

本願は、バイオ医薬の分野に関し、特に、抗VEGF抗体および医薬の製造におけるその使用に関する。
現在、悪性腫瘍は世界的にヒトの健康を深刻に脅かす疾患であり、ヒトを死に至らしめる主要な疾患である。国内人口の高齢化が進み、腫瘍の発生率が増加する中、有効な治療薬の開発が急務となっており、中でも抗血管新生薬の開発が近年の研究ホットスポットとなっている。腫瘍の増殖と転移には、十分な酸素と栄養を供給するための豊富な血管が必要であり、腫瘍組織は、様々な血管新生促進物質を分泌しうる。
腫瘍増殖中、上皮成長因子VEGFは、内皮細胞の増殖を特異的に刺激し得、様々なタイプの腫瘍血管新生において重要な役割を果たしている。VEGFは、上皮成長因子受容体VEGFRに結合した後、下流のシグナル伝達経路を通じて細胞内関連タンパク質遺伝子の転写と発現を仲介し、血管内皮細胞の増殖を促進する。現在、ベバシズマブ等のヒトVEGFを標的とするヒト化モノクローナル抗体が数多く開発されているが、応答率が低い、治療過程において薬剤耐性を容易に形成する等の現象が依然として存在する。そのため、安定した構造を持ち、有効性が高く、大規模な工業的生産に好適な抗腫瘍VEGF抗体の開発が急務となっている。
本願は、以下の特性:(1)1×10-7M以下のK値でVEGFタンパク質に結合可能である;および(2)VEGFタンパク質のVEGFRタンパク質に対する結合を阻害可能である、の1つ以上を有する、単離された抗原結合タンパク質を提供する。
具体的な実施態様によれば、VEGFタンパク質がVEGF165を含む。
具体的な実施態様によれば、VEGFRタンパク質がVEGFR2を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質が抗体またはその抗原結合断片を含む。
具体的な実施態様によれば、上記抗原結合断片が、Fab、Fab’、F(ab)、Fv断片、F(ab’)、scFv、di-scFv、VHHおよび/またはdAbを含む。
具体的な実施態様によれば、上記抗原結合断片がVHHである。
具体的な実施態様によれば、上記抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体からなる群より選択される。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質が、VEGFタンパク質への結合に対して参照抗体と競合可能であり、前記参照抗体が重鎖可変領域VHを含み、前記参照抗体の該VHがHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、前記参照抗体の該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、前記参照抗体の該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、前記参照抗体の該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記参照抗体のHCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記参照抗体のHCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記参照抗体のHCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がVH中に少なくとも一つのCDRを含み、該VHが配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がVH中に少なくとも一つのCDRを含み、該VHが配列番号1~6のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がHCDR3を含み、該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記HCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がHCDR2を含み、該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記HCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がHCDR1を含み、該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、該HCDR1、HCDR2およびHCDR3が以下のアミノ酸配列の群:
(1)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号12、およびHCDR3:配列番号17;
(2)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号17;
(3)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号14、およびHCDR3:配列番号17;
(4)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号18;ならびに
(5)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号19;
のいずれか一つから選択される。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質が重鎖可変領域VHを含み、該VHがフレームワーク領域H-FR1を含み、該H-FR1のC末端が直接的にまたは間接的にHCDR1のN末端に連結し、該H-FR1が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記H-FR1が配列番号7または8に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記VHがフレームワーク領域H-FR2を含み、該H-FR2がHCDR1とHCDR2の間に位置し、該H-FR2が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記H-FR2が配列番号10または11に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記VHがフレームワーク領域H-FR3を含み、該H-FR3がHCDR2とHCDR3の間に位置し、該H-FR3が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記H-FR3が配列番号15または16に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、H-FR4のN末端がHCDR3のC末端に連結し、該H-FR4が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記H-FR4が配列番号20~22のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がH-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含み、該H-FR1が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR2が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR3が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR4が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がH-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含み、該H-FR1が配列番号7または8に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR2が配列番号10または11に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR3が配列番号15または16に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR4が配列番号20~22のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質がH-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含み、該H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4が以下のアミノ酸配列の群:
(1)F-FR1:配列番号7、H-FR2:配列番号10、H-FR3:配列番号15、およびH-FR4:配列番号20;
(2)H-FR1:配列番号8、H-FR2:配列番号11、H-FR3:配列番号16、およびH-FR4:配列番号21;ならびに
(3)H-FR1:配列番号8、H-FR2:配列番号11、H-FR3:配列番号16、およびH-FR4:配列番号22;
のいずれか一つから選択される。
具体的な実施態様によれば、上記単離された抗原結合タンパク質が重鎖可変領域VHを含み、該VHが配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様によれば、上記VHが配列番号1~6のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質をコードする、一つ以上の単離された核酸分子を提供する。
別の態様によれば、本願は、上記核酸分子を含む、ベクターを提供する。
別の態様によれば、本願は、上記核酸分子また上記ベクターを含む、細胞を提供する。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質を製造する方法であって、上記単離された抗原結合タンパク質が発現されるような条件下で上記細胞を培養することを含む、方法を提供する。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質、上記核酸分子、上記ベクターおよび/または上記細胞と、場合により薬学的に許容可能な坦体とを含む、医薬組成物を提供する。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質を含む、ポリペプチドを提供する。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質または上記ポリペプチドを含む、免疫コンジュゲートを提供する。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質、上記核酸分子、上記ベクター、上記細胞、上記医薬組成物、上記ポリペプチドおよび/または上記免疫コンジュゲートの、腫瘍の予防、緩和および/または治療のための医薬の製造における使用を提供する。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む。
別の態様によれば、本願は、腫瘍を予防する、緩和するまたは治療する方法であって、それを必要とする対象に上記単離された抗原結合タンパク質、上記核酸分子、上記ベクター、上記細胞、上記医薬組成物、上記ポリペプチドおよび/または上記免疫コンジュゲートを投与することを含む、方法を提供する。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む。
別の態様によれば、本願は、腫瘍の予防、緩和または治療における使用のための、上記単離された抗原結合タンパク質、上記核酸分子、上記ベクター、上記細胞、上記医薬組成物、上記ポリペプチドおよび/または上記免疫コンジュゲートを提供する。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む。
具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む。
別の態様によれば、本願は、VEGFタンパク質のVEGFRタンパク質に対する結合を阻害する方法であって、上記単離された抗原結合タンパク質、上記核酸分子、上記ベクター、上記細胞、上記医薬組成物、上記ポリペプチドおよび/または上記免疫コンジュゲートを投与することを含む、方法を提供する。
本願の他の態様および利点は、以下の詳細な説明から当業者によって容易に認識されうる。以下の詳細な説明は、本願の例示的な実施形態を図示し、説明するのみである。当業者には理解されるであろうが、本願の内容は、本願に関わる精神および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態を当業者が変更することを可能にする。したがって、本願に添付の図面および明細書の説明は、単に例示的なものであって限定的なものではない。
本願に関する本発明の具体的な特徴は、添付の特許請求の範囲に列挙されている。本願に関する本発明の特徴および利点は、以下に詳細に記載される例示的な実施形態および添付の図面を参照することにより、よりよく理解されうる。図面の簡単な説明は以下のとおりである:
酵母ディスプレイライブラリー構築法の模式図を示す。 本願に記載の抗原結合タンパク質Ab1910VE8、Ab1910VE9およびAb1910VE6が、ヒトVEGF165のヒトVEGFR2に対する結合を阻害することを示す。 本願に記載の抗原結合タンパク質Ab1910VE18、Ab1910VE21およびAb1910VE24が、ヒトVEGF165のヒトVEGFR2に対する結合を阻害することを示す。
発明の具体的説明
好ましい実施態様の詳細な説明
以下、本願発明の実施形態を具体的な例により説明する。当業者であれば、本明細書に開示された内容から本願の他の利点および効果を容易に理解しうる。
用語および定義
本願において、用語「VEGF」は、一般に、血管内皮細胞増殖因子を指し、天然に存在する対立遺伝子の形態およびプロセッシングされた形態を含む。VEGFは、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、VEGF-E、VEGF-Fおよび/またはPlGFを含んでもよい。本願において、VEGFは、VEGF-Aであってもよく、これはVEGF165とも呼ばれる場合がある。VEGF-Aは、受容体チロシンキナーゼ、すなわちVEGFR-1(Flt-1)、VEGFR-2(Flk-1/KDR)、VEGFR3およびニューロピリン-1(NRP-1)に結合しうる。VEGF165は、VEGFR2に結合した後、下流のPLC-γ-PKC-Raf-MEK-MAPKシグナル伝達経路を通じて細胞内関連タンパク質遺伝子の転写と発現を仲介し、血管内皮細胞の増殖を促進しうる(Takahashi T et al., Oncogene, 18(13):2221- 2230. (1999))。また、用語「VEGF」は、マウス、ラット、霊長類などの非ヒト種由来のVEGFを指すこともある。本願において、特定種由来のVEGFは、hVEGFがヒトVEGFを意味し、mVEGFがマウスVEGFを意味するように表されうる。一般に、VEGFは、ヒトVEGFを指す場合がある。用語「VEGF」は、インタクトなVEGFの切断型または断片を示すためにも使用され、また、VEGFの機能的変異体、アイソフォーム、種相同体、誘導体、アナログ、およびVEGFと少なくとも1つの共通エピトープを有するアナログも含む。VEGFの配列は、当技術分野で既に知られている。例えば、例示的な全長ヒトVEGFAタンパク質配列は、NCBIアクセッション番号 NP_001020537、NP_001020538、NP_001020539、NP_001020540またはNP_001020541に見いだすことができる。
本願において、用語「VEGFR」は、一般に、血管内皮増殖因子受容体を指し、天然に存在する対立遺伝子の形態およびプロセッシングされた形態を含む。VEGFRは、VEGFR1、CEGFR2およびVEGFR3、ならびに他の選択的スプライシングがなされた変異体を含みうる。VEGFRは、膜結合型または可溶性でありうる。また、用語「VEGFR」は、マウス、ラットまたは霊長類などの非ヒト種由来のVEGFRを指すこともある。本願において、特定の種由来のVEGFRは、hVEGFRがヒトVEGFRを意味し、mVEGFRがマウスVEGFRを意味するように表されうる。典型的には、VEGFRは、ヒトVEGFRを指す場合がある。用語「VEGFR」は、インタクトなVEGFRの切断型または断片を示すためにも使用され、VEGFRの機能的変異体、アイソフォーム、種の相同体、誘導体、アナログ、およびVEGFRと少なくとも1つの共通エピトープを有するアナログも含む。VEGFRの配列は、当該技術分野で既に知られている。例えば、例示的な全長ヒトVEGFR2タンパク質配列は、NCBIアクセッション番号 NP_002244で見いだすことができる。
本願において、用語「相同体」は、一般に、野生型アミノ酸配列および野生型ヌクレオチド配列と一定の相同性を有するアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を指す。用語「相同性」は、配列の「同一性」と同一視してもよい。相同性配列には、対象配列と少なくとも80%、85%、90%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%同一でありうるアミノ酸配列が含まれてもよい。一般に、相同体は、対象のアミノ酸配列と同じ活性部位などを含む。相同性は、類似性(すなわち、類似の化学的性質/機能を有するアミノ酸残基)の観点から考慮されうるか、または配列同一性の観点から表現されうる。本願において、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列の配列番号のいずれか1つとパーセント同一性を有する配列への言及は、言及された配列番号の全長にわたって記載されたパーセント同一性を有する配列を指す。
本願において、用語「抗原結合タンパク質」は、一般に、抗原に結合する部分と、場合により、抗原に結合する部分が抗原結合タンパク質の抗原への結合を促進するコンフォメーションをとることを可能にする足場部分または骨格部分とを含むタンパク質を指す。抗原結合タンパク質は、通常、抗体軽鎖可変領域(VL)、抗体重鎖可変領域(VH)、またはその両方、およびそれらの機能的断片を含んでもよい。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗原結合タンパク質の例としては、これらに限定されるものではないが、抗体、抗原結合断片、免疫コンジュゲート、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、抗体断片、抗体誘導体、抗体アナログまたは融合タンパク質など(ただし、所望の抗原結合活性を示すもの)が挙げられる。
本願において、用語「抗体」は、一般に、特定のタンパク質もしくはペプチドまたはその断片と反応性を有する免疫グロブリンを指す。抗体は、任意のクラスの抗体(これらに限定されるものではないが、IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgE)、ならびに任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)の抗体でありうる。抗体は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4から選択される重鎖定常領域を有しうる。抗体はまた、例えばκ(カッパ)またはλ(ラムダ)から選択される軽鎖を有してもよい。本願の抗体は、任意の生物種に由来するものでありうる。
本願において、用語「抗原結合断片」は、一般に、抗体分子の部分を指し、その部分は、抗原と相互作用し、抗原に対する特異性および親和性を抗体に付与するアミノ酸残基を含む。抗原結合断片の例としては、これらに限定されるものではないが、Fab、Fab’、F(ab)、Fv断片、F(ab’)、scFv、di-scFvおよび/またはdAbが挙げられる。本願において、用語「Fab」は、一般に、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含み、さらに軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)からなる断片を指す;用語「Fab’」は、一般に、重鎖のCH1ドメインのカルボキシル末端への数残基(抗体のヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む)の付加によってFabとは異なる断片を指す;用語「F(ab’)」は、一般に、2つのFab断片がヒンジ領域上のジスルフィド橋によって連結された抗体断片を含む、Fab’の二量体を指す。用語「Fv」は、一般に、完全な抗原認識および結合部位を含む最小の抗体断片を指す。場合によっては、この断片は、1つの重鎖可変領域と1つの軽鎖可変領域とが非共有結合で強固に結合した二量体からなることもある。用語「dsFv」は、一般に、単一の軽鎖可変領域と単一の重鎖可変領域との間の結合がジスルフィド結合である、ジスルフィド結合安定化Fv断片を指す。「dAb断片」は、一般に、VHドメインからなる抗体断片を指す。本願において、用語「scFv」は、一般に、抗体の1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとを可撓性ペプチドリンカーによって共有結合で連結し、対合させることによって形成される、一価の分子を指す;このようなscFv分子は、一般的な構造(NH-VL-リンカー-VH-COOHまたはNH-VH-リンカー-VL-COOH)を有してもよい。本願において、用語「VHH」は、一般に、重鎖抗体の可変抗原結合ドメインを含む抗体を指す(Vanlandschoot P. et al., 2011, Antiviral Research 92, 389-407を参照)。VHHは、ナノボディ(Nb)とも呼ばれる場合がある。
本願において、用語「可変領域」または「可変ドメイン」は、一般に、抗原に対する抗体の結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖ドメインを指す。本願において、用語「可変」は、一般に、抗体の可変ドメイン配列の特定の部分が強く変化することを意味し、これは、その特定の抗原に対する様々な特異的抗体の結合性および特異性に寄与する。上記可変は、抗体の可変領域全体に均一に分布しているわけではない。相補性決定領域(CDR)または超可変領域(HVR)と呼ばれる軽鎖および重鎖可変領域の3つのセグメントに集中しており、それぞれLCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1、HCDR2、HCDR3と呼ばれている。可変ドメイン中のより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然型重鎖と軽鎖の各可変ドメインは、4つのFR領域(H-FR1、H-FR2、H-FR3、H-FR4、L-FR1、L-FR2、L-FR3、L-FR4)を含み、そのほとんどがβシート配置をとり、3つのCDR構造ループ領域によって連結されている。各鎖のCDRは、FR領域によって相互に近接し、もう一方の鎖のCDRとともに抗体の抗原結合部位を形成する。
当技術分野において、種々の方法(例えば、配列の可変に基づくKabat番号付けスキームおよび定義規則(Kabat et al., Protein Sequences in Immunology, 第5版, National Institutes of Health、Bethesda, Maryland(1991)を参照)、構造ループ領域の位置に基づくChothia番号付けスキームおよび定義規則(A1-Lazikani et al., JMol Biol 273:927-48、1997を参照)、生殖細胞系列のV遺伝子のアミノ酸配列アラインメントに基づくefrancらのIMGT番号付けスキームおよび定義規則、ならびに、Honnegerの番号付けスキーム(AHo’s)、Martin番号付けスキーム、Gelfand番号付けスキームなど(Mathieu Dondelinger et al.Understanding the Significance and Implications of Antibody Numbering and Antigen-binding Surface/Residue Definition, Front. Immunol., 2018年10月16日を参照)により、抗体の可変領域がコード化されうるか、または抗体のCDRが分割されうる。
本願において、用語「モノクローナル抗体」は、一般に、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を指す。すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、極微量に存在するかもしれない、天然に起こりうる変異および/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同一である。モノクローナル抗体は、単一の抗原部位に対して特異性が高い。
本願において、用語「キメラ抗体」は、一般に、可変領域がある種に由来し、定常領域が他の種に由来する抗体を指す。一般に、可変領域がげっ歯類などの実験動物の抗体(「親抗体」)由来であり、定常領域がヒト抗体由来であるため、得られるキメラ抗体によってヒト個体に有害な免疫応答を引き起こす可能性は、親(例えばマウス由来)抗体と比較して低減される。
本願において、用語「ヒト化抗体」は、一般に、非ヒト抗体(マウス抗体など)のCDR外のアミノ酸の一部または全部がヒト免疫グロブリン由来の対応するアミノ酸で置換された抗体を指す。CDRにおいて、アミノ酸の付加、欠失、挿入、置換または修飾も、抗体が特異的抗原に結合する能力を保持する限り、許容されてもよい。ヒト化抗体は、場合によりヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。「ヒト化抗体」は、元の抗体と同様の抗原特異性を保持する。非ヒト抗体(例えば、マウス抗体)の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリン配列に由来するキメラ抗体を最小限含んでもよい。場合によっては、ヒト免疫グロブリン(受容体抗体)のCDR領域の残基は、所望の特性、親和性および/または能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)(マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類など)のCDR領域由来の残基に置換されてもよい。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFR領域の残基は、対応する非ヒト残基と置換されてもよい。さらに、ヒト化抗体は、受容体抗体やドナー抗体には存在しないアミノ酸修飾を含んでいてもよい。
本願において、「完全ヒト抗体」とは、一般に、ヒト抗体コード遺伝子を、抗体遺伝子欠損の遺伝子改変動物に導入することで、動物により発現される抗体を指す。抗体のすべての部分(抗体の可変領域と定常領域を含む)は、ヒト由来の遺伝子によってコードされている。当該技術分野における完全ヒト抗体を得るための方法としては、ファージディスプレイ技術、トランスジェニックマウス技術、リボソームディスプレイ技術、RNA-ポリペプチド技術などが挙げられてもよい。
本願において、用語「結合」、「特異的結合」または「~に特異的」は、一般に、抗原と抗体の結合のような、測定可能で再現可能な相互作用を意味し、これによって、標的の存在が分子(生体分子を含む)の不均質な集団の存在下で決定されてもよい。例えば、抗体は、その抗原結合ドメインによってエピトープに結合し、この結合には、抗原結合ドメインとエピトープの間の一定の相補性が必要である。例えば、標的(エピトープであってもよい)に特異的に結合する抗体とは、他の標的に結合するよりも高い親和性、アビディティ、容易性および/または持続時間で標的に結合する抗体である。抗体がその抗原結合ドメインによってエピトープに結合し、ランダムで無関係なエピトープに結合するよりも容易に結合する場合、その抗体は、その抗原に「特異的に結合する」と呼ばれる。
本願において、用語「KD」、「K」は、互換的に使用され、一般に、平衡解離定数を指す。「KD」は、解離速度定数(kdis、「オフ速度(koff)」または「kd」とも呼ばれる)の会合速度定数(kon、「オン速度(kon)」または「ka」とも呼ばれる)に対する比である。会合速度定数(kon)、解離速度定数(kdis)および平衡解離定数(KD)は、抗原結合タンパク質(例えば、抗体)の抗原に対する結合親和性を表すために使用されうる。会合速度定数および解離速度定数を決定する方法は、当技術分野でよく知られており、これらに限定されるものではないが、バイオフィルム干渉技術(BLI)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、平衡透析、表面プラズモン共鳴(SPR)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、共免疫沈降(Co-IP)およびタンパク質チップ技術が挙げられる。異なる条件下(例えば、塩濃度やpHなどの観点)で測定を行った場合、特定のタンパク質-タンパク質相互作用の親和性の測定値が異なることがある。
本願において、「霊長類」は、通常、サル類および類人猿類を指し、サル類としては、マカカ属のサル(例えば、カニクイザル(カニクイザル(Macaca fascicularis))および/またはアカゲザル(アカゲザル(Macaca mulatta)))およびヒヒ(ヒヒ(Papio ursinus))ならびにマーモセット(Callithrix属の一種)、リスザル(リスザル属の一種)、タマリン(タマリン属の一種)、類人猿(例えば、チンパンジー(チンパンジー(Pan troglodytes)))、さらにはホモ・サピエンスも含まれる。
本願において、用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に使用される。これらの用語はまた、天然に存在するアミノ酸ポリマーと同様に、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸のアナログまたはミメティックであるアミノ酸ポリマーにも適用される。これらの用語はまた、例えば、糖タンパク質を形成するための炭水化物残基の付加やリン酸化などの修飾を受けたアミノ酸ポリマーをも包含しうる。ポリペプチドおよびタンパク質は、天然に存在する非組換え細胞によって、または遺伝子操作細胞もしくは組換え細胞によって産生され得、天然のタンパク質のアミノ酸配列を有する分子、または天然の配列の1つ以上のアミノ酸の欠失、付加および/または置換を有する分子を含みうる。用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、特に、本願に記載の抗原結合タンパク質の1つ以上のアミノ酸からの欠失、付加および/または置換を有する配列を具体的に含む。
本願において、用語「単離された」は、一般に、ウイルス、核酸またはタンパク質のような生物学的材料を指し、この生物学的物質は、その天然に存在する環境において通常付随するかまたは相互作用する成分を実質的に含まない。単離された生物学的材料は、場合により、その自然環境において生物学的材料とともに見いだされない付加的な材料(例えば、核酸またはタンパク質)を含む。本願において、タンパク質が言及される場合、「単離された」とは、一般に、その分子が天然に存在することが見いだされた生物全体から単離され、分離されていること意味するか、または同じタイプの他の生物学的高分子が実質的に存在しないことを意味する。核酸分子が言及される場合、その分子が天然に関連する配列から完全にまたは部分的に分離されているか、核酸がそれに関連する異種配列を有するか、または核酸が染色体から単離されていることを意味する。
本願において、用語「免疫コンジュゲート」は、一般に、抗原結合タンパク質と、低分子活性剤であってもよい他の活性剤(例えば、化学療法剤、毒素、免疫療法剤、イメージングプローブまたは分光プローブ)とを連結することによって形成される物質を指す。
本願において、用語「核酸」分子は、一般に、それらの自然環境から単離され、ヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、またはそれらのアナログから任意の長さで単離された形態のもの、または人工的に合成されたものを指す。
本願において、用語「ベクター」は、一般に、好適な宿主において自己複製が可能な核酸分子を指し、挿入された核酸分子を宿主細胞内および/または宿主細胞間に移送する。ベクターには、主にDNAまたはRNAを細胞に挿入するためのベクター、主にDNAまたはRNAを複製するためのベクター、主にDNAまたはRNAの転写および/または翻訳のための発現ベクターが含まれてもよい。また、ベクターには、上記の複数の機能を有するものも含まれる。ベクターは、好適な宿主細胞に導入されたときにポリペプチドへの転写および翻訳が可能なポリヌクレオチドであってもよい。一般に、ベクターは、ベクターを含む好適な宿主細胞を培養することにより、所望の発現産物を産生しうる。
本願において、用語「細胞」は、一般に、本願の核酸分子からなるプラスミドまたはベクターを含んでもよいか、または既に含んでいてもよいか、または本願の抗原結合タンパク質を発現することが可能な、個々の細胞、細胞株または細胞培養物を指す。細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含んでもよい。自然変異、偶発的変異または意図的変異により、子孫細胞と元の親細胞は、本願の抗体またはその抗原結合断片を発現することが可能な限り、形態またはゲノムの点で必ずしも同一でなくてもよい。細胞は、本願のベクターを用いてin vitroで細胞をトランスフェクションすることにより得てもよい。細胞は、原核細胞(例えば、大腸菌)であってもよいし、真核細胞(例えば、酵母細胞、例えば、COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、HEK293細胞、COS-1細胞、NSO細胞、または骨髄腫細胞)であってもよい。場合によっては、細胞は、哺乳動物細胞であってもよい。例えば、哺乳動物細胞は、CHO-K1細胞であってもよい。
本願において、用語「医薬組成物」は、一般に、有効成分の生物学的活性を有効にすることが可能な形態で存在し、組成物が投与される対象にとって許容できないほど有毒な追加成分を含まない、処方物を指す。
本願において、用語「治療」は、一般に、治療される個体における疾患の自然経過を変化させることを望むことを指し、予防および治療を達成するための臨床的介入であっても、臨床疾患の経過中であってもよい。望ましい治療効果としては、これらに限定されるものではないが、疾患の発生または再発の予防、症状の軽減、疾患の直接的または間接的な病理学的結果のいかなる減弱、転移の予防、疾患の進行速度の低下、疾患状態の改善または寛解、および予後の緩和または改善が挙げられる。場合によっては、抗原結合タンパク質(例えば、抗VEGF抗体)は、疾患の進行を遅延させるか、または疾患の進行を遅らせることに使用されうる。
本願において、用語「投与」は、一般に、ある用量の化合物(例えば、抗腫瘍治療剤)または医薬組成物(例えば、抗腫瘍治療剤を含む医薬組成物)を対象(例えば、患者)に投与する方法を指す。投与は、非経口投与、肺内投与、経鼻投与および(局所治療が必要な場合には)病巣内投与を含む、任意の好適な手段によって実施されうる。非経口注入には、例えば、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下投与が含まれる。
本願において、用語「腫瘍」は、一般に、すべての腫瘍性細胞の成長および増殖(悪性か良性かを問わない)、ならびにすべての前がん性およびがん性の細胞および組織を指す。本願において、腫瘍は、細胞および組織においてVEGFまたはVEGFRが高発現している腫瘍であってもよい。腫瘍には、固形腫瘍および/または非固形腫瘍(例えば、血液腫瘍、リンパ腫)が含まれうる。
本願において、用語「間」は、一般に、アミノ酸断片のC末端が第一のアミノ酸断片のN末端に直接的または間接的に連結し、そのN末端が第二のアミノ酸断片のC末端に直接的または間接的に連結することを意味する。軽鎖では、例えば、L-FR2のN末端がLCDR1のC末端に直接的または間接的に連結しており、L-FR2のC末端がLCDR2のN末端に直接的または間接的に連結している。別の例では、L-FR3のN末端がLCDR2のC末端に直接的または間接的に連結しており、L-FR3のC末端がLCDR3のN末端に直接的または間接的に連結している。重鎖では、例えば、H-FR2のN末端がHCDR1のC末端に直接的または間接的に連結され、H-FR2のC末端がHCDR2のN末端に直接的または間接的に連結される。別の例では、H-FR3のN末端がHCDR2のC末端に直接的または間接的に連結しており、H-FR3のC末端がHCDR3のN末端に直接的または間接的に連結している。本願において、「第一のアミノ酸断片」および「第二のアミノ酸断片」は、同一であっても異なっていてもよい任意のアミノ酸断片である。
本願において、用語「含む(include/includes)」は、一般に、「含む(comprising)」、「含む(inclusive)」、「含む(containing)」、または「包含する(encompassing)」の意味を指す。場合によっては、「である(is)」、「からなる(consist of)」という意味も表す。
本願において、用語「約」は、一般に、特定の値より0.5%~10%の上下の変動の範囲、例えば、特定の値より、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%または10%の上下の変動の範囲を指す。
発明の詳細な説明
抗原結合タンパク質
一態様によれば、本願は、1×10-8M以下のKD値で霊長類(例えば、ヒト)由来のVEGF(例えば、VEGF165)に結合可能な、単離された抗原結合タンパク質を提供する。VEGF抗原結合タンパク質のVEGFに対する結合親和性は、当技術分野で知られている任意の方法で決定されてもよい。場合によっては、結合親和性は、表面プラズモン共鳴(SPR)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、結合抗原沈殿、平衡透析、バイオレイヤー干渉法(BLI)によって決定されてもよい。場合によっては、VEGF抗原結合タンパク質のVEGFに対する結合親和性及びKD値は、バイオレイヤー干渉法(BLI)によって決定されてもよい。例えば、ForteBio Octet分子間相互作用解析メータを用いて抗原抗体間の結合動態解析が実施されてもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、1×10-7M以下のKD値でVEGF(例えば、VEGF165)に結合しうる。例えば、ヒト由来のVEGFは、例えばForteBio Octet分子相互作用分析メータにより検出された場合、約5×10-8M以下、約4×10-8M以下、約3×10-8M以下、約2×10-8M以下、約1×10-8M以下、約9×10-9M以下、約8×10-9M以下、約7×10-9M以下、約6×10-9M以下、約5×10-9M以下、約4×10-9M以下、約3×10-9M以下、約2×10-9M以下、約1×10-9M以下、約9×10-10M以下、約8×10-10M以下、約7×10-10M以下のKD値で結合されてもよい。
本願の抗原結合タンパク質は、VEGF(例えば、VEGF165)のVEGFR(例えば、VEGFR2)に対する結合を阻害可能である。いくつかの場合、上記抗原結合タンパク質によるVEGFのVEGFRに対する結合の阻害は、フローサイトメトリ FACS、酵素結合免疫吸着アッセイ ELISAにより決定されてもよい。
例えば、ヒトVEGFR(例えば、VEGFR2)をまず漸減量の非標識抗原結合タンパク質とインキュベートし、続いて標識VEGFタンパク質とインキュベートする。次に、OD450が測定され、抗原結合タンパク質がVEGF(例えば、VEGF165)のVEGFR(例えば、VEGFR2)に対する結合を阻害することを確認する。例えば、阻害活性のIC50は、約0.001~約10μg/mL、約0.001~約5μg/mL、約0.01~約1μg/mL、約0.02~約0.5μg/mL、約0.2~約15μg/mL、約0.2~約12μg/mL、約0.2~約10μg/mL、約0.3~約8μg/mL、約0.3~約6μg/mL、約0.5~約5μg/mL、約0.1~約2μg/mL、または約0.5~約1.5μg/mLである。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、VEGFタンパク質への結合に対して参照抗体と競合可能であり、上記参照抗体が重鎖可変領域VHを含んでもよく、上記参照抗体の該VHがHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、VEGFタンパク質への結合に対して参照抗体と競合可能であり、上記参照抗体がHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、VEGFタンパク質への結合に対して参照抗体と競合可能であり、上記参照抗体がHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、上記参照抗体の該HCDR1、HCDR2およびHCDR3が以下のアミノ酸配列の群:
(1)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号12、およびHCDR3:配列番号17;
(2)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号17;
(3)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号14、およびHCDR3:配列番号17;
(4)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号18;ならびに
(5)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号19;
のいずれか一つから選択されてもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、VH中に少なくとも一つのCDRを含んでもよく、該VHが配列番号29に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、VHHであってもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR3を含んでもよく、これは、アミノ酸配列が配列番号29に記載されるVHのCDR3を含んでもよい。本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、アミノ酸配列が配列番号1~6のいずれか一つに記載のVHのCDR3を含むHCDR3を含んでもよい。
例えば、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR3を含んでもよく、これは、配列番号24:RLRIX10ERLDY(配列番号24)(式中、Xは、PまたはTであり、Xは、DまたはHであり、Xは、E、QまたはWであり、Xは、R、WまたはYであり、Xは、RまたはSであり、X10は、RまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
いくつかの場合、配列番号17に記載のアミノ酸配列と比較して、HCDR3は、X、X、X、X、Xおよび/またはX10でのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記HCDR3は、配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR2を含んでもよく、これは、アミノ酸配列が配列番号29に記載されるVHのCDR2を含んでもよい。本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR2を含んでもよく、これは、アミノ酸配列が配列番号1~6のいずれか一つに記載のVHのCDR2を含んでもよい。
例えば、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR2を含んでもよく、これは、配列番号23:AVXAXWXYVEDSVX15G(配列番号23)(式中、Xは、FまたはLであり、Xは、EまたはPであり、Xは、DまたはGであり、Xは、RまたはSであり、X15は、KまたはRである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、上記配列は、Chothiaにより定義された規則に従って決定された配列であってもよい。
いくつかの場合、配列番号12に記載のアミノ酸配列と比較して、HCDR2は、X、X、X、Xおよび/またはX15でのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記HCDR2は、配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1を含んでもよく、これは、アミノ酸配列が配列番号29に記載されるVHのCDR1を含んでもよい。本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1を含んでもよく、これは、アミノ酸配列が配列番号1~6のいずれか一つに記載のVHのCDR1を含んでもよい。
例えば、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1を含んでもよく、これは、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、アミノ酸配列が配列番号29に記載されるVHのCDR1を含んでもよく、該HCDR2は、アミノ酸配列が配列番号29に記載されるVHのCDR2を含んでもよく、該HCDR3は、アミノ酸配列が配列番号29に記載されるVHのCDR3を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、アミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかに記載されるVHのCDR1を含んでもよく、該HCDR2は、アミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかに記載されるVHのCDR2を含んでもよく、該HCDR3は、アミノ酸配列が配列番号1~6のいずれかに記載されるVHのCDR3を含んでもよい。
本願において、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号23に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDRは、配列番号24に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR3は、配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
例えば、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号12に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR3は、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
例えば、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR3は、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
例えば、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR3は、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
例えば、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR3は、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
例えば、本願に記載の単離された抗原結合タンパク質は、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含んでもよく、該HCDR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR2は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を含んでもよく、該HCDR3は、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、H-FR1を含んでもよく、これは、配列番号25:XVQLVESGGGLVQX14GGSX18RLSCAASGSTSD(配列番号25)(式中、Xは、AまたはEであり、X14は、AまたはPであり、X18は、AまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、上記配列は、Chothiaにより決定された規則により決定された配列であってもよい。
いくつかの場合、配列番号7に記載のアミノ酸配列と比較して、上記H-FR1は、X、X14および/またはX18でのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記H-FR1は、配列番号7または8に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、H-FR2を含んでもよく、これは、配列番号26:WYRQAPGKERXQQLVX14(配列番号26)(式中、X11は、DまたはEであり、X14は、AまたはSである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、上記配列は、Chothiaにより定義された規則により決定された配列であってもよい。
いくつかの場合、配列番号10に記載のアミノ酸配列と比較して、上記H-FR2は、X11および/またはX14でのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記H-FR2は、配列番号10または11に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、H-FR3を含んでもよく、これは、配列番号27:RFTISRDNXKNTVX14LQMNX19LX2122EDTAX27YYCNV(配列番号27)(式中、Xは、SまたはTであり、X14は、DまたはYであり、X19は、NまたはSであり、X21は、KまたはRであり、X22は、AまたはPであり、X27は、IまたはVである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、上記配列は、Chothiaにより定義された規則により決定された配列であってもよい。
いくつかの場合、配列番号15に記載のアミノ酸配列と比較して、上記H-FR3は、X、X14、X19、X21、X22および/またはX27でのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記H-FR3は、配列番号15または16に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、H-FR4を含んでもよく、これは、配列番号28:WGX3GTX6VTVSS(配列番号28)(式中、Xは、KまたはQであり、Xは、L、QまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、上記配列は、Chothiaにより定義された規則により決定された配列であってもよい。
いくつかの場合、配列番号20に記載のアミノ酸配列と比較して、上記H-FR4は、Xおよび/またはXでのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記H-FR4は、配列番号20~22のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、重鎖可変領域VHを含んでもよく、これは、配列番号29:XVQLVESGGGLVQX14GGSX18RLSCAASGSTSDIVSMAWYRQAPGKERX46LVX49AVX52AX5455WX57YVEDSVX64GRFTISRDNX74KNTVX79LQMNX84LX8687EDTAX92YYCNVRLRIX102103104105106107ERLDYWGX115GTX118VTVSS(配列番号29)(式中、Xは、AまたはEであり、X14は、AまたはPであり、X18は、AまたはLであり、X46は、DまたはEであり、X49は、AまたはSであり、X52は、FまたはLであり、X54は、EまたはPであり、X55は、DまたはGであり、X57は、RまたはSであり、X64は、KまたはRであり、X74は、SまたはTであり、X79は、DまたはYであり、X84は、NまたはSであり、X86は、KまたはRであり、X87は、AまたはPであり、X92は、IまたはVであり、X102は、PまたはTであり、X103は、DまたはHであり、X104は、E、QまたはWであり、X105は、R、WまたはYであり、X106は、RまたはSであり、X107は、RまたはTであり、X115は、KまたはQであり、X118は、L、QまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。例えば、上記配列は、Chothiaにより定義された規則により決定された配列であってもよい。
いくつかの場合、配列番号1に記載のアミノ酸配列と比較して、上記VHは、X、X14、X18、X46、X49、X52、X54、X55、X57、X64、X74、X79、X84、X86、X87、X92、X102、X103、X104、X105、X106、X107、X115および/またはX118でのアミノ酸置換、から選択される位置にアミノ酸置換を少なくとも含んでもよい。
例えば、上記VHは、配列番号1~6のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記単離された抗原結合タンパク質は、VHHであってもよい。例えば、上記VHHは、配列番号1~6のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含んでもよい。
本願において、上記抗原結合タンパク質の各重鎖または軽鎖のアミノ酸配列の一部は、特定の種に由来するかまたは特定のクラスに属する抗体の対応するアミノ酸配列と相同である。例えば、軽鎖および重鎖の可変領域および定常部分はいずれも、ある動物種(ヒトなど)の抗体の可変領域および定常領域に由来する。本願において、相同体は、タンパク質および/またはポリペプチド(例えば、VEGFタンパク質に特異的に結合する抗体またはその断片)のアミノ酸配列と少なくとも約85%(例えば、少なくとも約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはそれ以上)の配列相同性を有するタンパク質またはポリペプチドであってもよい。
本願において、相同性とは、一般に、2つ以上の配列間の類似性、相似性または関連性を指す。配列相同性のパーセンテージを決定するためのアラインメントは、当該分野で知られている種々の方法(例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用することによって)で達成されてもよい。当業者は、全長配列範囲内または標的配列領域内における比較中の最大アラインメントを実施するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列アラインメントのための適切なパラメータを決定してもよい。相同性はまた、以下の方法(FASTAおよびBLAST)によって決定されてもよい。FASTAアルゴリズムの説明については、W. R. Pearson and D. J. Lipman, “Improved Tools for Biological Sequence Comparison”, Proc. Natl. Acad. Sci.), 85: 2444-2448, 1988; および D. J. Lipman and W. R. Pearson, “Rapid and Sensitive Protein Similarity Searches”, Science, 227: 1435-1441, 1989が参照されてもよい。BLASTアルゴリズムの説明については、S. Altschul, W. Gish, W. Miller, E. W. Myers and D. Lipman, “A Basic Local Alignment Search Tool”, J. Mol. Biol., 215: 403-410, 1990が参照されてもよい。
核酸、ベクター、宿主細胞および製造方法
別の態様において、本願はさらに、1つ以上の単離された核酸分子を提供する。上記1つ以上の核酸は、本願の抗原結合タンパク質をコードしてもよい。例えば、上記1つ以上の核酸分子の各核酸分子は、インタクトな抗原結合タンパク質をコードしてもよく、またその一部(例えば、HCDR1~3、LCDR1~3、VL、VH、軽鎖または重鎖の1つ以上)をコードしてもよい。
本願の核酸分子は、単離されていてもよい。例えば、以下の方法によって産生または合成されてもよい:(i)in vitroでの増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介した増幅による産生)、(ii)クローン組み換えによる産生、(iii)精製(例えば、酵素切断およびゲル電気泳動を介した画分分離)、または(iv)合成(例えば、化学合成によって)。いくつかの実施形態において、上記単離された核酸は、DNA組換え技術によって製造される核酸分子である。
本願において、抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸は、当技術分野で知られている種々の方法(これらに限定されるものではないが、制限フラグメント操作の使用、または合成オリゴヌクレオチドによるオーバーラッピング伸長PCRの使用を含む)によって製造されてもよい。
別の態様において、本願は、本願に記載の1つ以上の核酸分子を含む、1つ以上のベクターを提供する。各ベクターは、1つ以上の核酸分子を含んでいてもよい。その上、上記ベクターは、他の遺伝子(例えば、ベクターが適切な宿主細胞で適切な条件下で選択されることを可能にするマーカー遺伝子)を含んでいてもよい。その上、上記ベクターはまた、コード領域が適切な宿主において正しく発現されることを可能にする発現制御エレメントを含んでいてもよい。例えば、上記ベクターは、発現ベクターである。
別の態様において、本願は、本願の1つ以上の核酸分子および/または本願の1つ以上のベクターを含んでもよい、宿主細胞を提供する。具体的な実施形態において、宿主細胞の各タイプまたは宿主細胞の各々は、本願の1つ以上の核酸分子またはベクターを含んでもよい。いくつかの実施形態において、宿主細胞の各タイプまたは宿主細胞の各々は、本願発明の核酸分子またはベクターの複数(例えば、2つ以上)または複数タイプ(例えば、2つ以上のタイプ)を含んでもよい。
別の態様において、本願は、抗体またはその抗原結合断片を製造する方法を提供する。上記方法は、本願の宿主細胞を、抗体またはその抗原結合断片が発現される条件下で培養することを含んでもよい。例えば、適切な培地、適切な温度および培養時間等を用いることにより達成されてもよく、これらの方法は、当業者に知られている。
医薬組成物、方法および使用
別の態様において、本願は、本願の抗原結合タンパク質、ポリペプチド、核酸分子、ベクター、宿主細胞と、場合により薬学的に許容可能な担体とを含んでもよい、医薬組成物を提供する。薬学的に許容可能なアジュバントは、使用される用量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、本願の医薬組成物はまた、互いに悪影響を及ぼすことなく相補的な活性を有する活性化合物である複数の活性化合物を含んでもよい。このような医薬の種類および有効量は、例えば、処方物中に存在するアンタゴニストの量および種類、ならびに対象の臨床パラメータに依存する。
上記医薬組成物は、腫瘍の成長の阻害のために使用されてもよい。例えば、本願の医薬組成物は、疾患の発症または進行を阻害または遅延させ、腫瘍サイズを縮小させ(基本的に腫瘍を消失させることさえある)、ならびに/または疾患状態を緩和させおよび/もしくは安定化させてもよい。
本願の医薬組成物は、予防上および/または治療上有効な量の抗体、その抗原結合断片を含んでもよい。予防上および/または治療上有効な量は、疾患または障害を有するか、または疾患または障害を発症する危険性のある対象において、疾患もしくは障害および/またはその任意の合併症を予防および/または治療(少なくとも部分的に治療)するのに必要な用量である。
別の態様によれば、本願は、上記単離された抗原結合タンパク質および/または上記融合タンパク質の、医薬の製造における使用を提供する。上記医薬は、ガンの治療、腫瘍の成長の阻害および/または腫瘍の増殖の阻害に使用される。具体的な実施態様によれば、上記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む。具体的な実施態様によれば、上記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む。具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む。具体的な実施態様によれば、上記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む。
別の態様によれば、本願は、VEGFタンパク質のVEGFRタンパク質に対する結合を阻害する方法であって、本願の単離された抗原結合タンパク質および/またはポリペプチドを投与することを含む、方法を提供する。例えば、上記方法は、ex vivo法またはin vitro法でありうる。例えば、上記方法は、非治療目的の方法であってもよい。いくつかの場合、上記方法は、抗原結合タンパク質および/またはVEGFRとVEGFとの結合を可能にする条件下で、生物学的試料と本願の抗原結合タンパク質および/またはVEGFRとを接触させること、上記抗原結合タンパク質とVEGFとの間に複合体が形成されるか否かを検出すること、ならびにVEGFとVEGFRとの間に複合体が形成されるか否かを検出すること、を含みうる。
別の態様によれば、本願は、VEGFタンパク質の存在および/または量を検出する方法であって、上記抗原結合タンパク質および/またはポリペプチドを投与することを含む、方法を提供する。例えば、上記方法は、ex vivo法またはin vitro法でありうる。例えば、上記方法は、非治療目的の方法であってもよい。
本願は、腫瘍またはガンに罹患している対象を診断する方法における上記抗原結合タンパク質の使用であって、上記方法は、対象から得られた試料を本願の抗原結合タンパク質と接触させ、結合した抗体の存在を検出することにより、試料中のVEGFの存在または発現レベルを決定することを含む、方法をさらに提供する。
別の態様によれば、本願は、細胞傷害性薬剤と本願の抗原結合断片とを含んでもよい、抗体-薬物コンジュゲートを提供する。抗体-薬物コンジュゲートとは、通常、特定のリンカーを用いて低分子細胞傷害性薬に連結された抗体を指し、その主成分は、抗体、リンカーおよび低分子細胞傷害性薬を含んでもよい。
別の態様によれば、本願は、本願の抗原結合タンパク質、キメラ抗原受容体、遺伝子改変細胞、抗体薬物コンジュゲートおよび/または本願の医薬組成物を含んでもよい、キットを提供する。これは、単一の従来の容器内に、本願の抗原結合タンパク質、キメラ抗原受容体、遺伝子改変細胞および/または抗体薬物コンジュゲートを含んでもよく、また、場合により1つ以上の治療剤と組み合わせてもよく、場合によりそれらを一緒に処方化して医薬組成物としてもよい。
別の態様によれば、本願は、本願に記載の抗原結合タンパク質またはその医薬組成物の投与のために使用されてもよい、薬物送達デバイスを提供する。
いかなる理論によっても限定されることを意図することなく、以下の実施例は、本願発明の様々な技術的解決策を説明するために使用されるに過ぎず、本願発明の範囲を限定するために使用されるものではない。
実施例1 抗VEGF単一ドメイン抗体の製造および検出
標的抗原で免疫されていない3頭のアルパカの血液サンプルをそれぞれ150ml採取した。血液サンプルからリンパ球を単離して全RNAを抽出し、3×10cfuのサイズのファージディスプレイ化ナノボディライブラリーを構築した。6mlの形質転換抗体ライブラリーファージを選択し、特異的パンニング用ファージを調製し、ファージの総量はライブラリー容量の50倍となった。
50mlのストレプトアビジン磁気ビーズ(Thermo fisher社、Cat.No.: 88817)を1mlのファージに予め結合させ、室温で30分間インキュベートして非特異的結合を除去した。バックグラウンドが除去されたナノボディライブラリーファージを選択し、これに10ugのビオチン化ヒトVEGF165(ACROBiosystems社、Cat.No.: VE5-H82Q0)、150ulストレプトアビジン磁気ビーズを加え、室温で15分間インキュベートした後、PBST(0.05%Tween-20を含むPBS)で14回洗浄し、結合していないファージを洗い流した。抗原特異的に結合したファージを450ulの100mM塩酸で溶出し、50ulの1M Tris-HCl(pH11)を加えて中和し、対数増殖期の大腸菌SS320に感染させ、次のラウンドのスクリーニングのためにファージを産生・精製した。スクリーニング方法は、抗原量を4ugに減らした以外、第1ラウンドと同じであった。2ラウンドのスクリーニング後に濃縮されたファージの濃縮度を、酵素結合免疫吸着法(ELISA)で同定した。結果を以下の表1に示す。この結果は、2ラウンドのパンニング後、ファージが有意に濃縮されたことを示す。
実施例2 単一ドメイン抗体のスクリーニングおよびin vitro活性の同定
実施例1の単一ドメイン抗体ライブラリーを2ラウンドのパンニング後のプラスミドを鋳型として、プライマーを設計し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりナノボディ遺伝子(VH)を増幅した;PCRで増幅したVH遺伝子断片を回収し、酵母ディスプレイプラスミドと共形質転換(co-transformed)してサッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)EBY100株(ATCCより購入)に導入し、サッカロミケス・セレビシエの相同組換えによりVHH遺伝子を酵母ディスプレイプラスミドに挿入することで、酵母細胞壁表面への単一ドメイン抗体のディスプレイを実現した。構築スキームを図1に示す。
酵母ディスプレイライブラリーを、フローソーターを用いて2ラウンドのソーティングを実施し、ソーティングで得られた酵母を栄養要求性のプレート培地にまき、そこから46個の単一のクローンをシークエンシングのために選択し、最終的にユニークな配列を持つ5個の単一ドメイン重鎖抗体を得た。同定プロトコールを表2に示す。対応する酵母モノクローナルコロニーをフロー染色で解析し、表2のプロトコールに従う染色用に1×10個の細胞を選択した。プロトコール1では、ヒトVEGF165-Bioに結合する細胞集団の強さをPE平均蛍光シグナル強度(MFI)として反映する。同様に、プロトコール2とプロトコール3を用いてマウスVEGF-Bioと非特異的結合レベルを評価し得、プロトコール4では競合シグナルをAPC平均蛍光シグナル強度(MFI)として反映する。結果を表3に示す。表3から理解されうるように、ヒトVEGFやマウスVEGFに結合しないクローンを除いた後、抗ヒトVEGF165単一ドメイン重鎖抗体のモノクローンY20A6が得られ、Y20A6の結合能、競合能ともに満足できるものであった。
実施例3 単一ドメイン抗体のヒト化
3.1 ヒト化設計および単一ドメイン抗体の発現
モノクローナル抗体Y20A6の配列をIMGT/Domain Gap Alignに供し、最も相同性の高いヒト生殖細胞系列がIGHV3-2304であった。抗体配列をChothiaルールにしたがって番号付けし、異なる部位の配列(H1、H14、H18など)を有する部位を、表4に示すように変異させた。Ab1910VE6と番号付けされたタンパク質がヒト化前のオリジナルの抗体であった。
表4の全長配列をIgG1 Fc N297A(Taizhou Biointron社より購入)と融合させ、コドンを最適化し、遺伝子合成後に発現ベクターpcDNA3.4(Life Technologies社)にロードした。発現プラスミドを増幅し、プラスミドを抽出した後、プラスミドをExpiCHO細胞(ThermoFisher Scientific社、A29133)に導入し、供給元のExpiCHO発現システムの方法にしたがって抗体を一過性に発現させた。得られた精製抗体を表5に示す。
実施例4 VEGF165に対する本願の抗原結合タンパク質の結合活性アッセイ
(1)Octet RED96e(Fortebio社)を用いて、Ab1910VE6、AB1910VE8およびAb1910VE9のヒトVEGF165(Acro社、Cat.No.:VE5-H82Q0)に対する親和性を測定した。抗原および抗体をともに1×PBST(1×PBS:Sango Biotech社、B548117-0500;0.02%Tween20:sigma-alorich社、P1379)で希釈し、抗原を100nM、抗体を50nMの濃度で使用した。
(2)サンプルのオンボード検出(Octet Data Acquisition 11.1.0.11):まず、サンプルを96ウェルプレート(Greiner bio-one社、655209)に加え、200μL/ウェルの系とした。次に、ソフトウェアのパラメータを設定し、プレート温度を30℃に設定し、標準動態シグナルを収集する周波数を5.0Hzとした。次に、AHCセンサー(Fortebio社、Cat.No.: 18-0015)を、1×PBSTで予め10分間湿らせ、装置上で検出した。各サイクルは、以下のステップからなる:1)バッファーに60秒間浸漬;2)抗原とセンサーの非特異的結合の有無の検出;3)pH1.7の10mMグリシン溶液の再生;4)緩衝液に60秒間浸漬;5)抗体をセンサーに20秒間固定化;6)センサーを緩衝液に180秒間浸漬;7)180秒間、抗原と抗体の結合;8)10分間、抗原と抗体の解離;9)センサーの再生。
(3)データ解析
Fortebio社のData Analysis 11.0ソフトウェアを用い、抗原-抗体の1:1結合モードでの会合速度(Ka)と解離速度(Kd)を測定し、抗体の平衡解離定数(KD)を算出した。結果を表6に示す。Ab1910VE6、AB1910VE8およびAb1910VE9はいずれも、VEGFに対して強い親和性を示す。このことは、本願の抗原結合タンパク質がVEGFに対して高い結合親和性を有することを示す。
実施例5 ヒトVEGF165のヒトVEGFR2に対する結合阻害における本願の抗原結合タンパク質の活性アッセイ
VEGF165のヒトVEGFR2に対する結合阻害における単一ドメイン抗体の活性を測定するため、競合ELISA法を用いた。具体的な工程は、以下のように行った:ヒトVEGFR2(Acro社、Cat.No.: KDR-H5227)をPBS(Gibco社、Cat.No.: 10010-023)で1μg/mLに希釈し、96ウェルプレートに添加し(100μL/ウェル)、シールフィルムを貼付し、4℃で一晩インキュベートした。翌日、プレートを洗浄液 PBST(0.05%TWEEN-20:sigma-alorich社、P1379)で3回洗浄した後、上記洗浄液を用いてブロッキング液 PBST+2%BSA(BSA:VWR社、0332-1KG)を調製し、各ウェルにブロッキング液300μLを加え、37℃で1時間ブロッキングした。抗VEGFとビオチン-hVEGF(Acro社、Cat.No.:VE5-H82Q0)をブロッキング液で調製し、抗VEGFの初期調製濃度を200μg/mLとし、その後に5倍連続希釈(7濃度点+1ゼロ濃度点)を行い、ビオチン-hVEGFの調製濃度を90ng/mLとした。その後、シーリングしたELISAプレートを取り出し、洗浄液でプレートを3回洗浄した後、希釈した抗VEGF 50μLを選択して96ウェルプレートに添加し、ビオチン-hVEGF 50μLを選択して96ウェルプレートに添加し、37℃で1時間共インキュベートした。プレートを洗浄液で3回洗浄し、二次抗体SA-HRP(sigma社、S2438)をブロッキング液で1:5000に希釈し、100μL/ウェルでELISAプレートに添加し、37℃で1時間インキュベートした。プレートを洗浄液で3回洗浄し、TMB発色液(Biopanda社、Cat.No.: TMB-S-003)を各ウェルに100μLずつ加え、室温暗所で発色させた後、反応停止液(Solarbio社、Cat.No.: C1058)を各ウェルに50μLずつ加えて反応を停止させ、波長450nmの吸光度を測定した。この結果(図2)は、Ab1910VE8、Ab1910VE9およびAb1910VE6がいずれも強いブロッキング能を有することを示す。このことは、本願の抗原結合タンパク質がVEGFのVEGFRに対する結合阻害において良好な効果を有することを示す。
実施例6 本願の抗原結合タンパク質の親和性の成熟化およびin vitroでの同定
6.1 単一ドメイン抗体の親和性成熟化ライブラリーの構築
Ab1910VE9の配列を親和性成熟化のために選択し、Ab1910VE9のCDR領域をChothiaによって定義した。可変領域CDR1、CDR2およびCDR3については、NNK変異プライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用に設計し、各CDR変異ライブラリーの遺伝子断片を増幅した。各CDR変異ライブラリーを酵母表面に表示させるために、文献に記載された方法に従って、各CDR変異ライブラリー遺伝子断片と酵母ディスプレイプラスミドをそれぞれサッカロミケス・セレビシエ EBY100株(ATCCより購入)に形質転換させた。同時に、Ab1910VE9の親配列を酵母表面に表示し、コントロールとして使用した。
ライブラリーを培養・誘導した後、ビオチン-ヒトVEGF165を用いて、初期濃度3nMから10倍の連続希釈を行い、3ラウンドのソーティングを行った。表示レベルが高く、抗原結合能の強い細胞集団を回収し;ソーティング後、細胞をSD-Trp固形培地にまき、30℃で3日間、静置培養に供した。
6.2 モノクローナルの同定
単一のクローンを採取し、シークエンスに出し、得られた単一クローンをフロー染色(1nM ビオチンヒトVEGF165とインキュベートして染色)により同定し、異なるクローンにおける抗原結合平均蛍光シグナル強度に対する表示平均蛍光シグナル強度の比を比較した(単一分子の抗原結合能を反映)。結合力の値にしたがって、各CDR領域の変異配列が異なる合計3分子を選択し、その後のin vitro評価に供した(詳細は表7を参照)。
6.3 親和性成熟化単一ドメイン抗体の発現およびSEC-HPLC純度分析
表7の各単一ドメイン抗体を発現させ、精製した。発現した抗体をSEC-HPLCによる純度分析に供し、その方法は以下のとおりである:
(1)サンプルを1mg/mLに希釈し、よく混合した後、12,000rpmで5分間遠心し、上清を選択してサンプルボトルに移し、HPLCサンプルトレイに入れた。クロマトグラフィ条件を以下のように設定した:
(2)クロマトグラフィカラムを移動相(200mMリン酸緩衝液、pH6.8)で平衡化し、注入、分析した後、クロマトグラフィソフトを用いてデータ解析を行い、ピーク面積正規化法により各ピークのピーク面積率を算出した。
具体的な結果を表8に示す。
実施例7 本願の抗原結合タンパク質の動態パラメータの測定
実施例4の方法を参照して、ヒトVEGF165に対する抗体の親和性を、親和性成熟化の前後で測定した。
結果を表9に示す。Ab1910VE18は、親和性成熟化前の分子であり、成熟化後は、抗体分子の親和性が約2~5倍に向上している。このことは、本願の抗原結合タンパク質がVEGFに対して高い結合親和性を有することを示す。
実施例8 ヒトVEGF165のヒトVEGFR2に対する結合阻害能における本願の抗原結合タンパク質の試験
実施例5の方法を参照し、親和性成熟化VEGF抗体がヒトVEGF165のヒトVEGFR2に対する結合阻害の機能を決定するための実験を行った(ここで、ビオチン-hVEGF165の調製濃度は、700ng/mLであった)。実験結果を図3に示す。Ab1910VE18抗体、Ab1910VE21抗体およびAb1910VE24抗体の阻害効果は、ベバシズマブと同等であった。このことは、本願の抗原結合タンパク質がVEGFのVEGFRに対する結合阻害において良好な効果を有することを示す。
上記の詳細な説明は、説明および例として提供されるものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本願に列挙された実施形態の様々な変更は、当業者にとって自明であり、添付の特許請求の範囲およびその同等な解決策の範囲内に留保される。

Claims (54)

  1. 以下の特性:
    (1)1×10-7M以下のK値でVEGFタンパク質に結合可能である;および
    (2)VEGFタンパク質のVEGFRタンパク質に対する結合を阻害可能である
    の1つ以上を有する、単離された抗原結合タンパク質。
  2. VEGFタンパク質がVEGF165を含む、請求項1に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  3. VEGFRタンパク質がVEGFR2を含む、請求項1または2に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  4. 抗体またはその抗原結合断片を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  5. 前記抗原結合断片が、Fab、Fab’、F(ab)、Fv断片、F(ab’)、scFv、di-scFv、VHHおよび/またはdAbを含む、請求項4に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  6. 前記抗原結合断片がVHHである、請求項4または5に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  7. 前記抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体からなる群より選択される、請求項4~6のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  8. VEGFタンパク質への結合に対して参照抗体と競合可能であり、前記参照抗体が重鎖可変領域VHを含み、前記参照抗体の該VHがHCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、前記参照抗体の該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、前記参照抗体の該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、前記参照抗体の該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  9. 前記参照抗体のHCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  10. 前記参照抗体のHCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項8または9に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  11. 前記参照抗体のHCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  12. VH中に少なくとも一つのCDRを含み、該VHが配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  13. VH中に少なくとも一つのCDRを含み、該VHが配列番号1~6のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  14. HCDR3を含み、該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  15. 前記HCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  16. HCDR2を含み、該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  17. 前記HCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  18. HCDR1を含み、該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  19. HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR2が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR3が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  20. HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、該HCDR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR2が配列番号12~14のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み、該HCDR3が配列番号17~19のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  21. HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含み、該HCDR1、HCDR2およびHCDR3が以下のアミノ酸配列の群:
    (1)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号12、およびHCDR3:配列番号17;
    (2)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号17;
    (3)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号14、およびHCDR3:配列番号17;
    (4)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号18;ならびに
    (5)HCDR1:配列番号9、HCDR2:配列番号13、およびHCDR3:配列番号19;
    のいずれか一つから選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  22. 重鎖可変領域VHを含み、該VHがフレームワーク領域H-FR1を含み、該H-FR1のC末端が直接的にまたは間接的にHCDR1のN末端に連結し、該H-FR1が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  23. 前記H-FR1が配列番号7または8に記載のアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  24. 前記VHがフレームワーク領域H-FR2を含み、該H-FR2がHCDR1とHCDR2の間に位置し、該H-FR2が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む、請求項22または23に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  25. 前記H-FR2が配列番号10または11に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  26. 前記VHがフレームワーク領域H-FR3を含み、該H-FR3がHCDR2とHCDR3の間に位置し、該H-FR3が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  27. 前記H-FR3が配列番号15または16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  28. H-FR4のN末端がHCDR3のC末端に連結し、該H-FR4が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  29. 前記H-FR4が配列番号20~22のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項28に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  30. H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含み、該H-FR1が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR2が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR3が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR4が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  31. H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含み、該H-FR1が配列番号7または8に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR2が配列番号10または11に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR3が配列番号15または16に記載のアミノ酸配列を含み、該H-FR4が配列番号20~22のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  32. H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4を含み、該H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4が以下のアミノ酸配列の群:
    (1)F-FR1:配列番号7、H-FR2:配列番号10、H-FR3:配列番号15、およびH-FR4:配列番号20;
    (2)H-FR1:配列番号8、H-FR2:配列番号11、H-FR3:配列番号16、およびH-FR4:配列番号21;ならびに
    (3)H-FR1:配列番号8、H-FR2:配列番号11、H-FR3:配列番号16、およびH-FR4:配列番号22;
    のいずれか一つから選択される、請求項1~31のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  33. 重鎖可変領域VHを含み、該VHが配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  34. 前記VHが配列番号1~6のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項33に記載の単離された抗原結合タンパク質。
  35. 請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質をコードする、一つ以上の単離された核酸分子。
  36. 請求項35に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  37. 請求項35に記載の核酸分子または請求項36に記載のベクターを含む、細胞。
  38. 請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質を製造する方法であって、請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質が発現されるような条件下で請求項37に記載の細胞を培養することを含む、方法。
  39. 請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項35に記載の核酸分子、請求項36に記載のベクターおよび/または請求項37に記載の細胞と、場合により薬学的に許容可能な坦体とを含む、医薬組成物。
  40. 請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質を含む、ポリペプチド。
  41. 請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質または請求項40に記載のポリペプチドを含む、免疫コンジュゲート。
  42. 請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項35に記載の核酸分子、請求項36に記載のベクター、請求項37に記載の細胞、請求項39に記載の医薬組成物、請求項40に記載のポリペプチドおよび/または請求項41に記載の免疫コンジュゲートの、腫瘍の予防、緩和および/または治療のための医薬の製造における使用。
  43. 前記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む、請求項42に記載の使用。
  44. 前記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む、請求項42または43に記載の使用。
  45. 前記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む、請求項42~44のいずれか一項に記載の使用。
  46. 腫瘍を予防する、緩和するまたは治療する方法であって、それを必要とする対象に請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項35に記載の核酸分子、請求項36に記載のベクター、請求項37に記載の細胞、請求項39に記載の医薬組成物、請求項40に記載のポリペプチドおよび/または請求項41に記載の免疫コンジュゲートを投与することを含む、方法。
  47. 前記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む、請求項46または47に記載の方法。
  49. 前記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 腫瘍の予防、緩和または治療における使用のための、請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項35に記載の核酸分子、請求項36に記載のベクター、請求項37に記載の細胞、請求項39に記載の医薬組成物、請求項40に記載のポリペプチドおよび/または請求項41に記載の免疫コンジュゲート。
  51. 前記腫瘍がVEGF過剰発現の腫瘍を含む、請求項50に記載の単離された抗原結合タンパク質、核酸分子、ベクター、細胞、医薬組成物、ポリペプチドおよび/または免疫コンジュゲート。
  52. 前記腫瘍が固形腫瘍および/または非固形腫瘍を含む、請求項50または51に記載の単離された抗原結合タンパク質、核酸分子、ベクター、細胞、医薬組成物、ポリペプチドおよび/または免疫コンジュゲート。
  53. 前記腫瘍が、肺ガン、結腸直腸ガン、乳ガン、腎臓ガン、胃ガン、肝臓ガン、芽腫、頚部ガンおよび/または卵巣ガンを含む、請求項50~52のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質、核酸分子、ベクター、細胞、医薬組成物、ポリペプチドおよび/または免疫コンジュゲート。
  54. VEGFタンパク質のVEGFRタンパク質に対する結合を阻害する方法であって、請求項1~34のいずれか一項に記載の単離された抗原結合タンパク質、請求項35に記載の核酸分子、請求項36に記載のベクター、請求項37に記載の細胞、請求項39に記載の医薬組成物、請求項40に記載のポリペプチドおよび/または請求項41に記載の免疫コンジュゲートを投与することを含む、方法。
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