JP2024506336A - 膠芽腫の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象の膠芽腫を治療する方法であって、前記対象に有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月9日に出願された係属中の米国仮特許出願第63/147,625号の利益及び優先権を主張し、その内容はその全体が参照により本出願に明示的に組み込まれる。
多形膠芽腫(GBM)としても知られる膠芽腫は、脳から発生する進行性の癌である。多くの薬剤が血液脳関門を通過できず、従来の治療法では脳が損傷を受けやすいため、GBMの治療は困難である。放射線療法はGBMの治療に頻繁に使用されているが、疲労、頭痛、記憶力や言語障害、発作、脳卒中様症状、脳機能低下などの副作用を引き起こすことがよくある。さらに、GBM腫瘍は放射線療法に耐性がある可能性がある。
酵素補因子テトラヒドロビオプテリン(BH)の代謝前駆体であるセピアプテリンは、経口での良好な生物学的利用能とヒトに対する優れた安全性プロファイルを備えており、現在、特定の代謝障害の治療薬として試験が行われている。セピアプテリンは血液脳関門を通過し、神経伝達物質の産生に影響を与えることも示されている。セピアプテリンは、脳内に入ると、BHに変換される。
必要とされているのはGBMを治療する方法である。さらに必要とされているのは、血液脳関門を通過できるGBMの治療に有用な薬剤である。さらに、GBM腫瘍を放射線増感する方法が必要とされている。さらに、GBMを治療するための放射線防護剤がさらに必要とされている。
有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む対象における膠芽腫の治療方法が提供される。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約10mg/kg~約60mg/kgである。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約20mg/kg~約60mg/kgである。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約40mg/kgである。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約60mg/kgである。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、2等量で投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、食品と共に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、対象への投与は、食物を摂取する前又は食物を摂取した後30分以内に行われる。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、対象への投与は、食物と実質的に同時に行われる。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、食品は高タンパク質及び/又は高脂肪食品である。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、食品は低脂肪食である。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、食品は高カロリー食品である。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、食事なしで投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、対象への投与は、食物を摂取する30分以上前、又は食物を摂取した後2時間以上前に行われる。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、対象への投与は、食物を摂取する30分以上前、又は食物を摂取した後3時間以上前に行われる。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、懸濁用経口粉末として製剤化される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、フレーバー付き懸濁ビヒクル中の懸濁液として投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、水又はジュース(例えば、リンゴ、オレンジ、ブドウなど)中の懸濁液として投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、経口錠剤、カプセル、又はカプレットとして製剤化される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、この方法はさらに、対象を治療用放射で治療することを含む。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射療法の期間中に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の前に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の後に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも5日間投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも6日間投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも10日間投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも14日間投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも15日間投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも14日間投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、放射線治療の少なくとも6日前、又は少なくとも10日前、又は少なくとも14日前、又は少なくとも30日前に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の少なくとも6日後、又は少なくとも10日後、又は少なくとも14日後、又は少なくとも30日後に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射と同時に継続的に投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、28日間の治療サイクルで毎日投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、連続28日間の治療サイクルの間、毎日投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも6回の28日間治療サイクルの間、毎日投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、進行性疾患(PD)が発生するまで、連続28日間の治療サイクルで毎日投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、死亡するまで連続28日間の治療サイクルで毎日投与される。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、この方法は、対象をテモゾロミド(TMZ)で治療することをさらに含む。上記実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、前記対象は、ヒトである。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、投与後10時間以内に、対象の血漿中に少なくとも50ng/ml(例えば、少なくとも60ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも200ng/ml、少なくとも400ng/ml、少なくとも600ng/ml、少なくとも1000ng/ml、又は少なくとも2000ng/ml、又は50ng/ml~100ng/ml、60ng/ml~400ng/ml、及び 200ng/ml~600ng/ml、400ng/ml~1000ng/ml、又は600ng/ml~1500ng/ml)のBH濃度が生じる。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、有効量は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の投与から10時間以内に、対象の血漿中に少なくとも50ng/ml(例えば、少なくとも60ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも200ng/ml、少なくとも400ng/ml、少なくとも600ng/ml、少なくとも1000ng/ml、又は少なくとも2000ng/ml、又は50ng/ml~100ng/ml、60ng/ml~400ng/ml。200ng/ml~600ng/ml、400ng/ml~1000ng/ml、又は600ng/ml~1500ng/ml)のBH濃度を生じさせるのに十分な量(例えば、1回の投与当たり2.5mg/kg~100mg/kg)である。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回の投与当たり約2.5mg/kg~約100mg/kg(例えば、約20mg/kg~約60mg/kg、又は、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg)である。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量が、食品と共に投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、有効量は、食品と共に投与してから10時間以内に対象の血漿中に少なくとも50ng/ml(例えば、少なくとも60ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも200ng/ml、少なくとも400ng/ml、少なくとも600ng/ml、少なくとも1000ng/ml、又は少なくとも2000ng/ml、又は50ng/ml~100ng/ml、60ng/ml~400ng/ml、200ng/ml~600ng/ml、400ng/ml~1000ng/ml、又は600ng/ml~1500ng/ml)のBH4濃度を生じさせるのに十分な量(例えば、1回の投与当たり1mg/kg~100mg/kg、又は1回の投与当たり2.5mg/kg~100mg/kg)である。いくつかの実施形態では、有効量は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を食品を伴わずに投与してから10時間以内に、対象の血漿中に少なくとも50ng/mlの最大BH4血漿濃度(Cmax)をもたらすのに十分な用量よりも少なくとも5%(例えば、少なくとも60ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも200ng/ml、少なくとも400ng/ml、少なくとも600ng/ml、少なくとも1000ng/ml、又は少なくとも2000ng/ml、又は50ng/ml~100ng/ml、60ng/ml~400ng/ml、200ng/ml~600ng/ml、400ng/ml~1000ng/ml、又は600ng/ml~1500ng/ml)低い用量を含む。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、対象への投与は、食品を摂取する30分未満前、又は食品を摂取した後、例えば、食品の摂取直前又は摂取後1時間までに行われる。いくつかの実施形態では、対象への投与は、食品と実質的に同時である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品は高蛋白質食品である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品は高脂肪食品である(例えば、カロリーの少なくとも25、30、40、又は50%が脂肪からである)。本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態では、食品は、高蛋白質及び高脂肪食品である。いくつかの実施形態では、食品は高カロリー食品である(例えば、食品は少なくとも100カロリー、例えば、少なくとも200カロリー、少なくとも300カロリー、少なくとも400カロリー、少なくとも500カロリー、例えば、500~1500又は800~1000カロリーを含む)。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品は、食事、例えば、朝食、昼食、又は夕食である。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、食品は低脂肪食品である(例えば、カロリーの25%以下が脂肪由来である)。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品と共に投与すること(例えば、食品を摂取する30分未満前に実施、又は食品を摂取した後、例えば、食品の摂取直前から摂取後1時間までの間に実施する)により、食品を伴わない投与(例えば、食品を摂取した後2時間以上経過し、さらに食品を摂取する30分前までに実施する)と比較して、BHのCmaxの増加(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、又は少なくとも150%)をもたらす。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、食品と共に投与すること(例えば、食品を摂取する30分未満前に実施、又は食品を摂取した後、例えば、食品の摂取直前から摂取後1時間までの間に実施する)により、食品を伴わない投与(例えば、食品を摂取する30分未満前に実施、又は食品を摂取した後、例えば、食品の摂取直前から摂取後1時間までの間に実施する)と比較して、BH4の生産の程度及び得られる血漿曝露(AUC0-last)の増加(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、又は少なくとも150%)をもたらす。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、摂取された食品とは別の組成物で提供される(例えば、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は食品製品に組み込まれない)。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品の摂取は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の投与前に実施される(例えば、食品の摂取は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の投与の1時間前から直前までの間に実施される)。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品の摂取は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の投与後に実施される(例えば、食品の摂取は、投与直後から投与後30分までの間に実施される)。
上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、有効量は、食品なしで投与後1時間以内に対象の血漿中に少なくとも0.5ng/mL(例えば、少なくとも1ng/mL、少なくとも1.5ng/mL、少なくとも2.5ng/mL、又は少なくとも3.5ng/mL)のセピアプテリン血漿濃度を生成するのに十分な量(例えば、1回当たり2.5mg/kgから100mg/kg)である。例えば、有効量には、食品と共にセピアプテリンを投与してから1時間以内に対象の血漿中に少なくとも0.5ng/mL(例えば、少なくとも1ng/mL、少なくとも1.5ng/mL、少なくとも2.5ng/mL又は少なくとも3.5ng/mL)の最大血漿濃度(Cmax)を生じるのに十分な用量より少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%又は少なくとも120%)低い用量が含まれる。いくつかの実施形態では、投与(例えば、食品摂取の約30分以上前又は食品摂取の少なくとも2時間後に行われる)は、食品と共に投与した場合と比較して、セピアプテリンの最大血漿、CSF、及び/又は脳濃度(Cmax)の増加(例えば、少なくとも10%(少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%又は少なくとも120%)をもたらす(例えば、食品摂取後2時間までの30分未満の間に行われる)。いくつかの実施形態では、投与(例えば、食品摂取の約30分以上前又は食品摂取の少なくとも2時間後に行われる)は、食品と共に投与した場合と比較して、セピアプテリンの吸収程度(AUC0-last)の増加(例えば、少なくとも10%(少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%又は少なくとも120%)をもたらす(例えば、対象への投与は食品摂取前30分未満から食品摂取後2時間未満までに行われる)。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、2等量(例えば、1日の異なる時間に2回の用量)で投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩が1日1回投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、2回の60mg/kg用量(例えば、朝(morning)に1回の60mg/kg用量及び夜(evening)に1回の60mg/kg用量)で投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、2回の40mg/kg用量(例えば、朝に1回の40mg/kg用量、夜に1回の40mg/kg用量)で投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、2回の30mg/kg用量(例えば、朝に1回の30mg/kg用量、夜に1回の30mg/kg用量)で投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、2回の20mg/kg用量(例えば、朝に1回の20mg/kg用量、夜に1回の20mg/kg用量)で投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、2回の10mg/kg用量(例えば、朝に1回の10mg/kg用量、夜に1回の10mg/kg用量)で投与される。
本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態では、上記方法は、対象に有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を1日1回食物と共に投与することを含む。本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態では、上記方法は、対象に有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を食品と共に1日1回を超えて、例えば1日2回投与することを含む。本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態では、上記方法は、対象に有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を食物なしで1日1回投与することを含む。本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態では、上記方法は、対象に有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を食物なしで1日1回を超えて、例えば1日2回投与することを含む。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、子供(例えば、対象は、18歳未満、17歳未満、16歳未満、15歳未満、14歳未満、13歳未満、12歳未満、11歳未満、10歳未満、9歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、5歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1歳未満)である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は成人である(例えば、対象は18歳超である)。いくつかの実施形態では、対象は、20歳超、30歳超、40歳超、50歳超、60歳超、70歳超、80歳超、90歳超である。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を、懸濁用経口粉末として製剤化する。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態において、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、風味を有する懸濁用ビヒクル(例えば、MEDISCA(登録商標)Oral Mix)中の懸濁液として投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、水又はジュース(例えば、リンゴジュース)中の懸濁液として投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、アップルソースやプリンなどの食品の懸濁液として投与される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、錠剤、カプセル、又はカプレットとして製剤化される。
定義
本出願において、文脈から他に明らかでない限り、(i)用語「a」は、「少なくとも1つ」を意味すると理解してもよく、(ii)用語「又は」は、「及び/又は」を意味すると理解してもよく、(iii)用語「含む」及び「包含する」という用語は、それ自体で提示されるか又は1つ以上の追加の構成要素もしくは工程と共に提示されるかにかかわらず、箇条書きされた構成要素又は工程を包含するものと理解してもよく、且つ(iv)「約」という用語は、当業者によって理解されるように標準的な変形を可能にすると理解してもよく、且つ(v)範囲が提供されている場合は、終点が含まれる。
本明細書中に記載の化合物、組成物、製剤、及び治療方法についての記載は、実施形態「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」ことを含むと理解すべきである。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の全ての組成物及び本明細書中に記載の組成物を使用する全ての方法について、組成物は、列挙した成分又は工程を含むことができるか、列挙した成分又は工程「から本質的になる」ことができる。組成物が列挙した成分「から本質的になる」と記載する場合、組成物は列挙した成分を含み、且つ、治療される状態に実質的に影響を及ぼさない他の成分を含んでいてもよいが、明確に列挙した成分以外の、治療される状態に実質的に影響を及ぼすいかなる他の成分も含まないか;又は、組成物が、列挙した成分以外の、治療される状態に実質的に影響を及ぼす追加成分を実際に含む場合、組成物は、治療される状態に実質的に影響を及ぼすのに十分な濃度又は量の追加成分を含まない。方法が列挙した工程「から本質的になる」と記載する場合、方法は列挙した工程を含み、且つ、治療される状態に実質的に影響を及ぼさない他の工程を含んでいてもよいが、方法は、明確に列挙した工程以外の、治療される状態に実質的に影響を及ぼすいかなる他の工程も含まない。非限定的な具体例として、組成物がある成分「から本質的になる」と記載する場合、組成物は、任意の量の薬学的に許容され得るキャリア、ビヒクル、又は希釈剤及び治療される状態に実質的に影響を及ぼさない他のかかる成分をさらに含み得る。
文脈から他に明らかでない限り、本明細書に含まれるセピアプテリンへの全ての言及は、セピアプテリン又はセピアプテリンの薬学的に許容される塩を指す。
本明細書で使用される用語「約」は、用語「約」に続く値の±10%の範囲にある値を表す。本明細書において、値又はパラメータに「約」と言及することは、その値又はパラメータ自体に向けられた変形を含む(及び説明する)。例えば、「約X」に言及する記述は、「X」の記述を含む。
本明細書で使用される用語「投与」は、対象又は系への組成物(例えば、本明細書に記載の化合物又はそれを含む調製物)の投与を指す。動物対象への投与(例えば、ヒトへの投与)は、任意の適切な経路によるものであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、投与は気管支(気管支点滴注入を含む)、口腔内、経腸、インターダーマル、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、粘膜、経鼻、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管内(気管内点滴注入を含む)、経皮、膣内及び硝子体を含む。
化合物の「有効量」は、個々の病状、年齢、性別、及び体重、並びに所望の反応を誘発するための化合物の能力等の要因によって異なっていてもよい。治療上有効量は、治療上有益な効果が化合物の任意の毒性又は有害な効果を上回っている量を包含する。有効量はまた、利益、例えば、臨床的利益を与えるのに十分な量も包含する。
本明細書で使用される「食品」という用語は、胃で急速に溶解及び吸収されないような十分な嵩高さ及び脂肪含有量を有する固体食品を指す。例えば、朝食、昼食、又は夕食のような食事である。本明細書で使用される「食品と共に(with food)」という用語は、(例えば、食べ物を)食べる前約30分から食後約2時間までの間に組成物を投与することを指す。用語「食品を伴わない(without food)」、「絶食」、又は「空腹」は、さらに固体食品を摂取するより約30分前までで、少なくとも約2時間後(少なくとも3時間後)、固体食品を摂取していない状態を指す。
「低脂肪食品」とは、脂肪由来のカロリーが25%以下の食事を指す。いくつかの実施形態では、低脂肪食は約11~14gの脂肪を含む。いくつかの実施形態では、低脂肪食品は総カロリー約400~500カロリーを含む。
「天然蛋白質」は、天然源(例えば、動物、植物、又は菌類)由来の蛋白質を意味する。
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化された本明細書に記載の化合物を含む組成物を表す。医薬組成物は、例えば、単位製剤の経口投与用(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ゲルキャップ、懸濁液、溶液、又はシロップ)、局所投与用(例えば、クリーム、ゲル、ローション、又は軟膏剤として)、静脈内投与用(例えば、粒状塞栓フリーで、静脈内使用に適した溶媒系の滅菌溶液として)、又は任意の他の薬学的に許容される製剤中で製剤化することができる。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応なしにヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に相応する任意の塩を意味する。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。例えば、薬学的に許容される塩は、Berge et al., J. Pharmaceutical Sciences 66:1-19, 1977、及びPharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, (Eds. P.H. Stahl and C.G. Wermuth), Wiley-VCH, 2008に記載されている。塩は、本明細書に記載の化合物の最終的な単離及び精製の間にin situで調製することができ、あるいはフリー塩基グループを適切な有機酸と反応させることによって別々に調製することができる。
多くの場合、化合物は、薬学的に許容される酸の付加生成物として調製される薬学的に許容される塩として調製又は使用される。適切な薬学的に許容される酸、並びに適切な塩の調製方法は当技術分野において周知である。塩は、無機及び有機の酸を含む薬学的に許容される無毒性の酸から調製されてもよい。
代表的な酸付加塩としては、アセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ベシレート、ビサルフェート、ボレート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、シトレート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルサウルフェート、エタンスルホネート、フマレート、ゲンチセート、グルコヘプトネート、グリセロフォスフェイト、グリコレート、ヘミサルフェート、ヘプトネート、ヘキサネート、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロイオディド、2-ヒドロキシ-エタンスルホネート、ラクトビオネート、ラクテート、ラウレート、ラウリルサルフェート、マレート、マレエート、マロネート、メタンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ペクチネート、パーサルフェート、3-フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、サクシネート、サルフェート、ターレート、チオシアネート、トルエンスルホネート、ウンデカノエート、及びバレラート塩を含む。
本明細書で使用する用語「実質的にフリー」は、全て又はほぼ全ての範囲又は程度の目的の化合物又は化合物の種類が存在しないことを示す定性的状態を意味する。生物学分野の通常の技術者であれば、生物学的及び化学的現象は、例えば、あらゆる測定における固有の誤差のために、間違いなくゼロであると決定されることは、ほとんどないことを理解するであろう。従って、本明細書では、多くの生物学的及び化学的測定に固有の完全性の潜在的な欠如を捕らえるために、「実質的にフリー」という用語が使用される。
本明細書中で使用される用語「対象」、「参加者」又は「患者」は、例えば、実験、診断、予防、及び/又は治療目的のために、本発明に係る化合物又は組成物が投与され得る任意の生物をいう。典型的な対象は、任意の動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳動物)を含む。対象は、治療を必要としていてもよく、治療を受けていてもよく、将来治療を受けてもよく、又は特定の疾患又は状態について訓練を受けた専門家によってケアされているヒト又は動物であってもよい。
本明細書で使用される用語「治療する」、「治療された」、又は「治療する工程」は、治療的処置及び予防又は抑制手段の両方を意味し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、又は疾患を抑制又は減速(軽減)すること、あるいは有益又は望ましい臨床結果を得ることである。有益又は望ましい臨床結果は、症状の軽減、状態、障害、又は疾患の程度の減少、状態、障害、又は疾患の安定した(即ち悪化していない)様子、状態、障害、又は疾患の進行の発症又は遅延、検出可能であるか検出不可能であるかにかかわらず、状態、障害、又は病状又は寛解(部分的又は全体的)の改善、対象によって識別できることが必須ではない、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善、又は状態、障害、又は疾患の改善又は向上が含まれるが、これらに限定されない。治療は、過度のレベルの副作用なしに臨床的に有意な反応を引き出すことを含む。治療はまた、治療を受けていない場合の予想生存期間と比較して生存期間を延長することを含む。
「進行性疾患(PD)」とは、以下の1つ以上を指す。(1)1つ以上の新たな病変の出現;(2)研究上の最小の合計を参考として、標的病変の直径合計の少なくとも20%の増加(研究上の最小の場合、これにはベースラインの合計が含まれる)。20%の相対的な増加に加えて、合計は少なくとも 5 mm の絶対的な増加を証明する必要がある。Eisenhauer EA,Therasse P,Bogaerts J et al.New response evaluation criteria in solid tumours: revised RECIST guideline (versions1.1).Eur J Cancer.2009;45:228-247.
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野の通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。方法及び材料は、本明細書の開示で使用するために本明細書に記載され、当技術分野で知られている他の、適切な方法及び材料もまた使用できる。材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図していない。本明細書で言及される全ての出版物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が支配することになる。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
セピアプテリンと放射線照射との組み合わせ、又は放射線照射単独で治療した膠芽腫腫瘍を有するヌード(U87)マウスの生存率を対照と比較して示すグラフである。
セピアプテリン(SP)単独、セピアプテリンと放射線(IR)の組み合わせ、又は放射線単独で治療した同系(GL261)マウスの生存率を対照と比較して示すグラフである。
テモゾロミド(TMZ)単独又はセピアプテリンで治療した膠芽腫腫瘍を有するマウスの生存率を対照と比較して示すグラフである。
放射線、又は放射線とセピアプテリンのいずれかで治療したマウスの新規物体認識(NOR)識別指数を対照(ナイーブ)と比較して示すグラフである。
新たに診断された又は再発性膠芽腫におけるテモゾロミド及び治療用放射と組み合わせたセピアプテリンの第2相研究の概略図である。
本発明者らは、セピアプテリンが膠芽腫患者の治療に有効であることを発見した。いくつかの実施形態では、セピアプテリンは食事と共に投与される。いくつかの実施形態では、セピアプテリンは食事なしで投与される。理論に束縛されるつもりはないが、セピアプテリンは治療用放射及び/又は化学療法剤に対して膠芽腫を感作させるだけではなく、治療用放射や化学療法剤による副作用から脳を保護する可能性もある。いくつかの実施形態では、セピアプテリンは、治療用放射及び/又は化学療法剤による認知機能の低下を予防、遅延、及び/又は緩和する。したがって、本発明は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を投与することにより対象の膠芽腫を治療する方法を特徴とする。本明細書の方法は、化学療法剤及び/又は治療用放射による治療をさらに含み得る。
セピアプテリン
セピアプテリン((S)-2-アミノ-6-(2-ヒドロキシプロパノイル)-7,8-ジヒドロプテリジン-4(3H)-オン)は、細胞内へ通過し、セピアプテリンレダクターゼによって7,8-ジヒドロビオプテリンに変換される。7,8-ジヒドロビオプテリンは、さらに、ジヒドロ葉酸レダクターゼによる還元を介してBH4に変換される。
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、医薬組成物中に配合できる。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、セピアプテリン又はその塩を総重量に対して20~30%、例えば、約20%、22%、25%、27%、又は30%含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、セピアプテリンを総重量に対して20%超、例えば、25%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、セピアプテリンを総重量に対して20%未満、例えば、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩、及び総重量に対して10%未満(例えば、約9%、7%、5%、3%、1%、0.5%、0.25%、0.1%、又は抗酸化剤を含まない)の抗酸化剤を含む医薬組成物を特徴とする。抗酸化剤は、アスコルビン酸であってもよい。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩と抗酸化剤との比率は、重量で1:1、又は1:1より大きい、例えば、2:1、5:1、7:1、又は10:1である。医薬組成物は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を総重量に対して20~30%、例えば、約20%、22%、25%、27%、又は30%含んでもよい。医薬組成物は、分散剤、例えば、クロスカメロースナトリウムをさらに含んでもよい。医薬組成物は、分散剤を総重量に対して0.1~1.5%、例えば、0.1%、0.5%、1%又は1.5%含んでもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つのアンチケーキング剤、例えば、コロイダル二酸化ケイ素又は微結晶セルロースを含む。医薬組成物は、アンチケーキング剤を総重量に対して65~75%、例えば、約65%、67%、70%、73%、又は75%含んでもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、コロイダル二酸化ケイ素及び微結晶セルロースの両方を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、総重量に対して60~65%の微結晶セルロース、及び総重量に対して5~7%のコロイダル二酸化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、セピアプテリン結晶形は、140μm未満(例えば、約120μm、110μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、又は5μm)の粒子として製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ラクトイルプテリンのような不純物を総重量に対して1%未満、例えば、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、又は0.2%未満を含む。
いくつかの実施形態では、セピアプテリンは、セピアプテリンの塩、例えば、硫酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、酒石酸(例えば、L-酒石酸)、リン酸、ゲンチシン酸、フマル酸、グリコール酸、酢酸、又はニコチン酸との塩である。
いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、結晶形である。結晶性セピアプテリンフリー塩基又はセピアプテリンの塩の結晶形は、無水物(例えば、任意の結合水又は溶媒又は水和又は溶媒和を持たない)として、又は水和物、部分水和物(例えば、半水和物、セスキ水和物など)として、二水和物、三水和物などとして生じ得る。ここで、結晶形は、セピアプテリン結晶形又はその塩に関連する水和水又は溶媒分子を結合する。一実施形態では、結晶性セピアプテリンは、一水和物又は半水和物として生じる。
セピアプテリンの例示的な塩、共結晶、及び結晶形は、WO2018/102314、WO2018/102315、WO2019/232120、及びWO2019/046849に記載されている。これらの結晶形、塩、及び共結晶は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、セピアプテリン遊離塩基の結晶形はセピアプテリン遊離塩基の結晶形Fであり、9.7°±0.5、例えば、9.7°±0.2、10.2°±0.5、例えば、10.2°±0.2、及び11.3°±0.5、例えば、11.3°±0.2の2θで表されるピークを有するCuKαX線の照射によって得られる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。他の実施形態では、セピアプテリン結晶形は、9.7°±0.5、例えば、9.7°±0.2、10.2°±0.5、例えば、10.2°±0.2、11.3°±0.5、例えば、11.3°±0.2、14.0°±0.5、例えば、14.0°±0.2、14.6°±0.5、例えば、14.6°±0.2、19.9°±0.5、例えば、19.9°±0.2、22.2°±0.5、例えば、22.2°±0.2、25.3°±0.5、例えば、25.3°±0.2、及び32.4°±0.5、例えば、32.4°±0.2の2θで表されるピークを有するCuKαX線の照射によって得られる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。この結晶形の本質的に純粋な形態では、表1に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、この結晶形は、71.6°C及び233.4°Cで2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形は、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Bであり、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、8.4°±0.5、例えば、8.4°±0.2、16.9°±0.5、例えば、16.9°±0.2、及び25.4°±0.5、例えば、25.4°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Bは、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、8.4°±0.5、例えば、8.4°±0.2、14.9°±0.5、例えば、14.9°±0.2、16.9°±0.5、例えば、16.9°±0.2、25.4°±0.5、例えば、25.4°±0.2、及び34.1°±0.5、例えば、34.1°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。この結晶形の本質的に純粋な材料では、表2に示されるような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、この結晶形は、195.2℃での融解イベントを示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形は、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Cであり、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、5.7°±0.5、例えば、5.7°±0.2、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2、及び25.4°±0.5、例えば、25.4°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Cは、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、5.7°±0.5、例えば、5.7°±0.2、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2、9.1°±0.5、例えば、9.1°±0.2、11.5°±0.5、例えば、11.5°±0.2、15.3°±0.5、例えば、15.3°±0.2、16.0°±0.5、例えば、16.0°±0.2、20.1°±0.5、例えば、20.1°±0.2、25.4°±0.5、例えば、25.4°±0.2、及び26.6°±0.5、例えば、26.6°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。この結晶形の本質的に純粋な材料では、表3に示されるような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、この結晶形は、58.3°C、101.8°C、129.8°C、156.5°C、及び168.3°Cの5つの吸熱ピークを示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形は、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Dであり、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、8.9°±0.5、例えば、8.9°±0.2、10.3°±0.5、例えば、10.3°±0.2、及び26.0°±0.5、例えば、26.0°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Dは、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、8.9°±0.5、例えば、8.9°±0.2、10.3°±0.5、例えば、10.3°±0.2、10.9°±0.5、例えば、10.9°±0.2、17.8°±0.5、例えば、17.8°±0.2、24.9°±0.5、例えば、24.9°±0.2、26.0°±0.5、例えば、26.0°±0.2、26.7°±0.5、例えば、26.7°±0.2、26.8°±0.5、例えば、26.8°±0.2、及び28.3°±0.5、例えば、28.3°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。この結晶形の本質的に純粋な材料では、表4に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、この結晶形態は、42.7℃、66.3℃、及び232.9℃の3つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形は、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Aであり、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、4.7°±0.5、例えば、4.7°±0.2、7.4°±0.5、例えば、7.4°±0.2、及び26.2°±0.5、例えば、26.2°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Aは、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、4.7°±0.5、例えば、4.7°±0.2、7.4°±0.5、例えば、7.4°±0.2、9.5°±0.5、例えば、9.5°±0.2、11.3°±0.5、例えば、11.3°±0.2、15.6°±0.5、例えば、15.6°±0.2、16.4°±0.5、例えば、16.4°±0.2、26.2°±0.5、例えば、26.2°±0.2、及び27.2°±0.5、例えば、27.2°±0.2の回折角2θ(°)にピーク有する。この結晶形の本質的に純粋な材料では、表5に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、この結晶形は、82.8℃及び179.8℃の吸熱ピークを示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形は、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Eであり、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、6.0°±0.5、6.0°±0.210.6°±0.5、10.6°±0.2、12.1°±0.5、例えば、12.1°±0.2、15.9°±0.5、例えば、15.9°±0.2、20.9°±0.5、例えば、20.9°±0.2、及び24.6°±0.5、例えば、24.6°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Eは、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、6.0°±0.5、例えば、6.0°±0.2、10.6°±0.5、例えば、10.6°±0.2、12.1°±0.5、例えば、12.1°±0.2、15.9°±0.5、例えば、15.9°±0.2、18.1°±0.5、例えば、18.1°±0.2、20.9°±0.5、例えば、20.9°±0.2、22.1°±0.5、例えば、22.1°±0.2、24.6°±0.5、例えば、24.6°±0.2、26.1°±0.5、例えば、26.1°±0.2、28.1°±0.5、例えば、28.1°±0.2、28.9°±0.5、例えば、28.9°±0.2、32.1°±0.5、例えば、32.1°±0.2、及び37.0°±0.5、例えば、37.0°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。この結晶形の本質的に純粋な形態では、表6に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、この結晶形は、112.9℃及び195.8℃の2つの吸熱ピークを示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形は、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Gであり、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、10.0°±0.5、例えば、10.0°±0.2、10.6°±0.5、例えば、10.6°±0.2、及び25.7°±0.5、例えば、25.7°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態において、セピアプテリン遊離塩基の結晶形Gは、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、10.0°±0.5、例えば、10.0°±0.2、10.6°±0.5、例えば、10.6°±0.2、11.2°±0.5、例えば、11.2°±0.2、15.3°±0.5、例えば、15.3°±0.2、15.9°±0.5、例えば、15.9°±0.2、22.8°±0.5、例えば、22.8°±0.2、24.4°±0.5、例えば、24.4°±0.2、25.0°±0.5、例えば、25.0°±0.2、25.7°±0.5、例えば、25.7°±0.2、及び26.6°±0.5、例えば、26.6°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。この結晶形の本質的に純粋な材料では、表7に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。
いくつかの実施形態において、セピアプテリンの塩酸塩の結晶形は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2、12.9°±0.5、例えば、12.9°±0.2、及び26.2°±0.5、例えば、26.2°±0.2の回折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、セピアプテリンの塩酸塩の結晶形のX線回折図における最も強いピークは、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2の屈折角2θにおいて観察される。このセピアプテリンの塩酸塩の結晶の本質的に純粋な材料は、表8に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性塩酸塩は、225.9°Cで吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリンのメタンスルホン酸塩の結晶形1は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2、23.5°±0.5、例えば、23.5°±0.2、及び29.0°±0.5、例えば、29.0°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、23.5°±0.5、例えば、23.5°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶形1メタンスルホン酸塩の本質的に純粋な材料では、表9に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶形1メタンスルホン酸塩は、186.0℃及び229.1℃の2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリンのメタンスルホン酸塩の結晶形2は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.8°±0.5、例えば、7.9°±0.5、例えば、7.9°±0.2、23.4°±0.5、例えば、23.4°±0.2、及び28.9°±0.5、例えば、28.9°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、7.9°±0.5、例えば、7.9°±0.2の屈折角度2θで観察される。セピアプテリンの結晶形2メタンスルホン酸塩の本質的に純粋な材料では、表10に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶形2メタンスルホン酸塩は、75.5℃、182.6℃及び234.9℃の3つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴づけられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリンのメタンスルホン酸塩の結晶形3は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.8°±0.5、例えば、21.7°±0.5、例えば、21.7°±0.2、26.0°±0.5、例えば、26.0°±0.2、及び28.9°±0.5、例えば、28.9°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、26.1°±0.5、例えば、26.1°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶形3メタンスルホン酸塩の本質的に純粋な材料では、表11に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶形3メタンスルホン酸塩は、195.1℃及び240.1℃の2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのニコチン酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、9.5°±0.5、例えば、9.5°±0.2、9.9°±0.5、例えば、9.9°±0.2、及び24.5°±0.5、例えば、24.5°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、24.5°±0.5、例えば、24.5°±0.2の屈折角度2θで観察される。セピアプテリンの結晶性ニコチン酸塩の本質的に純粋な材料では、表12に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性ニコチン酸塩は、221.9°Cで吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのp-トルエンスルホン酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、6.5°±0.5、例えば、6.5°±0.2、15.1°±0.5、例えば、15.1°±0.2、及び23.4°±0.5、例えば、23.4°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、6.5°±0.5、例えば、6.5°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンのp-トルエンスルホン酸塩の本質的に純粋な材料では、表13に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性p-トルエンスルホン酸塩は、77.2℃、202.4℃及び260.2℃の3つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのベンゼンスルホン酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、6.5°±0.5、例えば、6.5°±0.2、14.8°±0.5、例えば、14.8°±0.2、及び19.6°±0.5、例えば、19.6°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、6.5°±0.5、例えば、6.5°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンのベンゼンスルホン酸塩の本質的に純粋な材料では、表14に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性ベンゼンスルホン酸塩は、202.3°C及び265.5°Cの2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのリン酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、16.6°±0.5、例えば、16.6°±0.2、22.2°±0.5、例えば、22.2°±0.2、及び25.6°±0.5、例えば、25.6°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、25.6°±0.5、例えば、25.6°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性リン酸塩の本質的に純粋な材料では、表15に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性リン酸塩は、125.9°C、152.1°C、及び157.6°Cの3つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのマロン酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、6.9°±0.5、例えば、6.9°±0.2、22.7°±0.5、例えば、22.7°±0.2、及び23.8°±0.5、例えば、23.8°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、6.9°±0.5、例えば、6.9°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性マロン酸塩の本質的に純粋な材料では、表16に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性マロン酸塩は、115.8°Cでの融解イベントを示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのL-酒石酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.4°±0.5、例えば、7.4°±0.2、14.2°±0.5、例えば、14.2°±0.2、及び21.8°±0.5、例えば、21.8°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、7.4°±0.5、例えば、7.4°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性L-酒石酸塩の本質的に純粋な材料では、表17に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性L-酒石酸塩は、97.2℃及び160.6℃の2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのゲンチジン酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.1°±0.5、例えば、7.1°±0.2、8.7°±0.5、例えば、8.7°±0.2、及び26.7°±0.5、例えば、26.7°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、7.1°±0.5、例えば、7.1°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性ゲンチジン酸塩の本質的に純粋な材料では、表18に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性ゲンチジン酸塩は、70.5℃、128.2℃、及び184.7℃の3つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのフマル酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、11.4°±0.5、例えば、11.4°±0.2、24.0°±0.5、例えば、24.0°±0.2、及び28.2°±0.5、例えば、28.2°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、少なくとも24.0°±0.5、例えば、24.0°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性フマル酸塩の本質的に純粋な材料では、表19に示すような屈折角2θでピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性フマル酸塩は、114.3℃及び229.7℃の2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けることができる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンのグリコール酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.6°±0.5、例えば、7.6°±0.2、10.7°±0.5、例えば、10.7°±0.2、及び24.0°±0.5、例えば、24.0°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、7.6°±0.5、例えば、7.6°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性グリコール酸塩の本質的に純粋な材料では、表20に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性グリコール酸塩は、133.9°C及び147.7°Cに2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、結晶性のセピアプテリンの酢酸塩は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、6.2°±0.5、例えば、6.2°±0.2、12.0°±0.5、例えば、12.0°±0.2、及び18.1°±0.5、例えば、18.1°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、少なくとも6.2°±0.5、例えば、6.2°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶性酢酸塩の本質的に純粋な材料では、表21に示すような屈折角2θでピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶性酢酸塩は、146.1°C及び175.4°Cの2つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン硫酸塩の結晶形1は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、5.1°±0.5、例えば、5.1°±0.2、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2、及び23.0°±0.5、例えば、23.0°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、5.1°±0.5、例えば、5.1°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶形1硫酸塩の本質的に純粋な材料では、表22に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。代替的に又は追加的に、セピアプテリンの結晶形1硫酸塩は、94.5℃、158.3℃、及び209.9℃の3つの吸熱を示すDSC曲線によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン硫酸塩の結晶形2は、CuKαX線の照射によるX線回折により測定される、又はX線回折から計算される、7.8°±0.5、例えば、7.8°±0.2、8.8°±0.5、例えば、8.8°±0.2、及び24.1°±0.5、例えば、24.1°±0.2の屈折角2θ(°)にピークを有する。いくつかの実施形態では、X線回折図の最も強いピークは、8.8°±0.5、例えば、8.8°±0.2の屈折角2θで観察される。セピアプテリンの結晶形2硫酸塩の本質的に純粋な材料では、表23に示すような屈折角2θにピークが観察され得る。
本発明は、薬学的に許容される賦形剤と、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量とを含む医薬組成物を採用できる。セピアプテリン及びその塩の医薬組成物の例は、WO2019/046849及びWO2019/232120に見出すことができ、その組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
薬学的に許容される賦形剤は、従来使用されてきたもののいずれであってもよく、溶解性や投与経路などの物理化学的な考慮事項によってのみ制限される。当業者であれば、以下に説明する医薬組成物に加えて、セピアプテリンは、シクロデキストリン包接複合体のような包接複合体、又はリポソームとして製剤化できることが理解されるであろう。
本明細書に記載の薬学的に許容される賦形剤、例えば、ビヒクル、アジュバント、賦形剤、又は希釈剤は、当業者にはよく知られており、容易に入手可能である。薬学的に許容される賦形剤は、セピアプテリンに対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害な副作用又は毒性を有さないものであることが好ましい。
胃及び/又は前腸滞留時間を増加させる製剤
胃保持性薬物送達は、薬物放出が完了するまで、薬物製剤がより長く胃内に留まるように設計されているアプローチである。
生体接着性製剤は、表面に接着することができ、薬剤の制御された放出をもたらすポリマーを利用する。生体接着性ポリマーは、アニオン性(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ポリアクリル酸、ペクチン、カラギーナン、ポリカルボフィル、又はカルボマー)、カチオン性(例えば、キトサン、ポリリシン、又はポリブレン)、又は非イオン性(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)であってもよい。
高密度製剤は、幽門括約筋よりも低いレベルで胃の中に存在するように設計されており、従って、空になることを避けることができる。高密度製剤に適した賦形剤としては、鉄粉、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどを含む。
膨張性製剤は、胃の中で幽門括約筋よりも大きくなるように膨張し、従って、空腹を回避できるように設計されている。例えば、薬剤コア、膨潤性ハイドロコロイド、及び外側半透性ポリマーを含む製剤は、膨張性製剤に適している。
超多孔性ヒドロゲル製剤は、膨張性製剤と同様に、胃の中で幽門括約筋よりも大きく膨張するように設計されている。超多孔性ヒドロゲル製剤は、クロスカルメロースナトリウムのようなポリマーを含んでもよい。
浮遊性製剤は、胃液よりも低い密度を有するように設計されている。浮遊性製剤は、イオン交換樹脂、ラフトシステム、インフラタブルチャンバー、発泡性混合物、膨潤性ヒドロコロイド、又はマルチ粒子システムを含む組成物を含んでもよい。
抗酸化剤
セピアプテリンは、空気にさらされると急速に酸化する傾向がある。従って、本発明の医薬組成物は、抗酸化剤を含んでもよい。抗酸化剤は、セピアプテリンの酸化的分解を最小限に抑えてもよい。抗酸化剤の例として、限定されないが、4-クロロ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、トコフェロール、α-トコフェロール、アルキル化ジフェニルアミン、アスコルビン酸、ミリスチン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、β-カロテン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸、システイン、D-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩、デフェロキサミンメタンスルホン酸塩、没食子酸ドデシル、エチレンジアミン四酢酸、エチルパラベン、葉酸、フマル酸、没食子酸、グルタチオン、レシチン、リンゴ酸、メチルパラベン、モノチオグリセロール、N-アセチルシステイン、ノルジヒドログアヤレチン酸、没食子酸オクチル、p-フェニレンジアミン、アスコルビン酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、レチノール、ソルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ハイドロ亜硫酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酒石酸、tert-ブチルハイドロキノン、チオ尿素、酢酸トコフェロール、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、又はビタミンEを含む。抗酸化剤の例として、限定されないが、アスコルビン酸、トコフェロール、レチノール、パルミチン酸アスコルビル、N-アセチルシステイン、グルタチオン、エチレンジアミン四酢酸、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ尿素、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ビタミンEを含む。抗酸化剤の例としては、限定されないが、アスコルビン酸、トコフェロール、レチノール、アスコルビルパルミテート、N-アセチルシステイン、グルタチオン、エチレンジアミン四酢酸、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオウレア、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びビタミンEを含む。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、抗酸化剤として、アスコルビン酸、トコフェロール、レチノール、アスコルビルパルミテート、N-アセチルシステイン、グルタチオン、ブチル化ヒドロキシトルエン、及び/又はブチル化ヒドロキシアニソールを含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗酸化剤を10重量%未満、例えば、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は実質的に抗酸化剤を含まないものを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗酸化剤を総重量に対して2~9%、例えば、2~4%、3~5%、4~6%、5~7%、6~8%、又は7~9%を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗酸化剤のUSP最大1日投与量の5~100%を含み、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗酸化剤のUSP最大1日投与量の約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%を含む。いくつかの実施形態では、セピアプテリンと抗酸化剤の比率は、重量で少なくとも1:1、例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、又は10:1である。
分散剤
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの分散剤を含む。分散剤は、製剤中の粒子を分離させてもよく、例えば、水分との接触でその薬効物質を放出させてもよい。分散剤の例としては、架橋ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース(例えば、クロスカルメロース塩、例えば、クロスカルメロースナトリウム)、澱粉(例えば、澱粉グリコール酸ナトリウム)、又はアルギン酸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の分散剤は、クロスカルメロースの薬学的に許容される塩のようなカルボキシメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、総重量に対して0.1~1.5%(例えば、約0.1%、0.5%、1%、又は1.5%)の分散剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、総重量に対して1.5%未満(例えば、1%未満、0.5%未満、又は0.1%未満)の分散剤を含む。
アンチケーキング剤
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのアンチケーキング剤を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも2つのアンチケーキング剤を含む。例示的なアンチケーキング剤には、コロイダル二酸化ケイ素、微結晶セルロース、リン酸三カルシウム、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、コロイダル二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルカムパウダー、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、アルミノケイ酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、及びポリジメチルシロキサンを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンチケーキング剤は、コロイダル二酸化ケイ素又は微結晶セルロースである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、総重量に対して65~75%(例えば、約65%、67%、70%、73%、又は75%)のアンチケーキング剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、コロイダル二酸化ケイ素及び微結晶セルロースの両方を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、総重量に対して60~65%の微結晶セルロース、及び総重量に対して5~7%のコロイダル二酸化ケイ素を含む。
投与ビヒクル
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、投与前に投与用ビヒクルと組み合わされる(例えば、約50~1750センチポイズ(cP)の粘度を有する投与ビヒクル)。使用することができる懸濁剤の1つのタイプは、水中のグリセリンとショ糖の組み合わせである(例えば、2.5%のグリセリン及び27%のショ糖を水中に含むMEDISCA(R) oral mix)。適切な量の組成物を投与ビヒクル混合物に添加し、投与直前に組成物を懸濁させるために撹拌できる。
また、他の懸濁剤を投与ビヒクルとして使用してもよい。例示的な懸濁剤としては、水、アガー、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ハイプロメロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポビドン、トラガカンス、キサンタンガム、又は当技術分野で知られている他の懸濁剤を含む。
用量
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、任意の適切な用量で使用できる。適切な用量及び用量レジメンは、従来技術の範囲で決定できる。一般に、治療は、最適な用量よりも小さい用量で開始される。その後、状況下で最適な効果が得られるまで、投与量を小刻みに増加させる。便宜上、1日の総投与量は、所望であれば、1日の間に分割して投与できる。適切な用量及び特定の化合物の適切な投与では、本発明は広い範囲の応答を提供する。典型的には、投与量は、治療される対象の約1~約150mg/kg又は約2.5~約150mg/kg体重/日の範囲(例えば、60mg/kg/日)である。例えば、実施形態では、セピアプテリン、又はその薬学的に許容される塩を、所望の治療効果を得るために、約10mg/kg~約150mg/kg、約20mg/kg~約150mg/kg、約10mg/kg~約60mg/kg、約20mg/kg~約60mg/kg、約40mg/kg~約100mg/kg、約100mg/kg~約150mg/kg、約60mg/kg~約120mg/kg、約80mg/kg~約100mg/kg、約40mg/kg~約60mg/kg、約2.5mg/kg~約20mg/kg、約2.5mg/kg~約10mg/kg、又は約2.5mg/kg~約5mg/kg対象体重/日で、1日に1回以上投与できる。
いくつかの実施形態において、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、粒子のような単位固形経口投与製剤として製剤化できる。これらの実施形態において、各単位固形経口投与製剤、例えば、サシェは、任意の適当な量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を含むことができる。例えば、各固形経口投与製剤は、約2.5mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約750mg、約1g、約1.25g、又は約1.5gを含み得る。
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、溶液、懸濁液又はエマルションの形態のような液体製剤の調製に使用できる。経口投与に適した製剤は、限定されないが、(a)カプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ、及びトローチのような、それぞれが所定量の活性成分を含む、固形又は顆粒、(b)粉末、(c)水、生理食塩水、又はオレンジジュースのような希釈剤に溶解した有効量の化合物のような液剤、(d)適当な液体中の懸濁液、及び(e)適当なエマルションを含む。好ましくは、カプセル形態、錠剤形態、及び粉末形態のような固形経口製剤である。カプセル形態は、例えば、界面活性剤、滑沢剤、及び不活性充填剤、例えば、乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、及びコーンスターチを含む、通常の硬い又は軟らかい殻状ゼラチンタイプのものであり得る。錠剤形態は、ラクトース、ショ糖、マンニトール、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸、微結晶セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーガム、コロイダル二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、防腐剤、香料、及び薬理学的に適合する賦形剤のうちの1種以上を含むことができる。ロゼンジ形態は、活性成分に加えて、フレーバー(通常はショ糖及びアカシア又はトラガカンス)内に活性成分を含むことができ、同様にパスティールはゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアカシア、エマルション、ゲル等の不活性基剤内に活性成分を含むことができ、そのような賦形剤は当技術分野で知られている。
経口及び/又は非経口投与に適した製剤は、水性及び非水性の等張性無菌注射液を含み、これらは抗酸化剤、緩衝剤、バクテリオスタッツ、及び製剤を対象のレシピエントの血液と等張性にする溶質、及び懸濁剤を含むことができる水性及び非水性の無菌懸濁液、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び防腐剤を含むことができる。本発明の化合物は、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液及び関連する糖液、エタノール、ベンジルアルコール、又はヘキサデシルアルコール等のアルコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール及びポリエチレンアルコール等のグリコール類、2,2-ジメチルl-1,3-ジオキソラン-4-メタノール等のグリセロールケタール類、ポリ(エチレングリコール)400等のエーテル類、油、脂肪酸、脂肪酸エステル又はグリセリド、又はソープ又はデタージェント等の薬学的に許容される界面活性剤の添加又は無添加のアセチル化脂肪酸グリセリド、ペクチン等の懸濁化剤、カーボマー類、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロース、又は乳化剤、及びその他の製薬アジュバントを含む無菌液体又は液体の混合物などの製薬用賦形剤中の生理学的に許容される希釈剤中で投与できる。
本発明は、治療上有効な量のセピアプテリン及び10%未満の抗酸化剤を含む、経口許容可能な処方の医薬組成物を特徴とする。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤に分散された顆粒製剤であり、例えば、組成物は、水に混合され、対象に摂取され得る(例えば、5分から10分の間に)。本発明で使用するための好適な製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA 22nd ed.,2010に記載されている。任意の従来の賦形剤が活性成分と適合しない場合を除き、本発明の医薬組成物におけるその使用が企図される。さらに、動物(例えば、ヒト)投与のために、製剤は、FDAオフィスの生物学的基準によって要求されるように、無菌性、発熱性、一般的な安全性及び純度の基準を満たすべきであることが理解されるであろう。
経口投与用固形製剤
経口使用のための製剤は、非毒性の薬剤学的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含む粒子を含み、そのような製剤は当業者に知られている(例えば、U.S. Patent Nos.:5,817,307、5,824,300、5,830,456、5,846,526、5,882,640、5,910,304、6,036,949、6,036,949、6,372,218。これらは参照として本明細書に組み込まれる)。賦形剤は、例えば、不活性希釈剤又は充填剤(例えば、ショ糖、ソルビトール、砂糖、マンニトール、微結晶セルロース、ポテトスターチを含む澱粉、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム)、造粒・崩壊剤(例えば、微結晶セルロースを含むセルロース誘導体、ポテトスターチを含む澱粉、クロスカルメロースナトリウム、アルギネート類又はアルギン酸)、結合剤(例えば、ショ糖、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、澱粉、プレゼラチン化澱粉、微結晶セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール)、及び潤滑剤、滑剤、付着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、水添植物油、又はタルク)、及びアンチケーキング剤(例えば、コロイダル二酸化ケイ素、微結晶セルロース、リン酸三カルシウム、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、コロイダル二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルカムパウダー、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、アルミノケイ酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、ポリジメチルシロキサン)であってもよい。他の薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、香料、可塑剤、腐植剤、及び緩衝剤であり得る。いくつかの実施形態では、賦形剤(例えば、香料)は、組成物と共に包装される。いくつかの実施形態では、賦形剤(例えば、香料)は、組成物とは別に包装される(例えば、投与前に組成物と組み合わされる)。
本発明の固体組成物は、組成物を望ましくない化学変化(例えば、活性物質の放出前の化学的分解)から保護するように適合されたコーティングを含んでもよい。コーティングは、上記のEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されているのと同様の方法で固体投与形態に適用されてもよい。
上記成分を用いて、従来の方法で、例えば、ミキサー、流動層装置、溶融凝固装置、ローター造粒機、押出/球状化装置、又は噴霧乾燥装置等を用いて、粉体、顆粒を調製してもよい。
治療方法
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、膠芽腫の治療に有用な治療剤として機能する。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、上記方法は、治療用放射治療をさらに含む。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、上記方法は、化学療法剤(例えば、テモゾロミド)の投与をさらに含む。従って、本発明によるセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩塩の様々な形態は、疾患、障害又は状態の治療又は改善を得るために有効な量で対象に投与され得る。
本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、前記方法は、治療用放射をさらに含む。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、治療サイクル中に照射される放射線量は、少なくとも約1Gy、少なくとも約2Gy、少なくとも約5Gy、少なくとも約10Gy、少なくとも約20Gy、少なくとも約30Gy、少なくとも約40Gy、少なくとも約50Gy、少なくとも約60Gy、少なくとも約70Gy、少なくとも約80Gy、少なくとも約90Gy、少なくとも約100Gy、少なくとも約150Gy、少なくとも約200Gy、少なくとも約300Gy、少なくとも約400Gy又は少なくとも約500Gyであり得る。様々な実施形態では、各治療サイクルについて放射線量が複数の分割、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40又は50以上の分割に分けられる。様々な実施形態では、治療サイクルは、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間又は少なくとも約10週間であり得る。様々な実施形態では、1つ以上の治療サイクル(例えば、2、3、4、5又はそれ以上の治療サイクル)が実施されてもよい。
本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、 セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の前に投与される。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10日前又はそれ以上前に投与される。
本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的塩は、治療用放射の前に投与される。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10、20、30、60、90、120、150、180、210、300又はそれ以上の日数後に投与される。
本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、前記方法は、化学療法剤の投与をさらに含む。化学療法剤の非限定的な例は、テモゾロミド(TMZ)である。様々な実施形態では、TMZの用量は、対象の体の表面積で測定すると、1日あたり約1~約1000mg/mである。様々な実施形態では、TMZの用量は、1日あたり約1~約500mg/m、約1日あたり1~約250mg/m、1日あたり約1~約100mg/m、1日あたり約10~約500mg/m、1日あたり約50~約250mg/m、又は1日あたり約50~約100mg/mである。化学療法剤(例えば、TMZ)は、少なくとも約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間投与され得る。様々な実施形態では、化学療法剤(例えば、TMZ)は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の投与前、投与と同時、及び/又は投与後に投与され得る。様々な実施形態では、化学療法剤(例えば、TMZ)は、治療的放射線の投与前、投与と同時に、及び/又は投与後に投与される。さらに、化学療法剤(例えば、TMZ)は、維持サイクルで投与され得る。化学療法剤(例えば、TMZ)は、例えば28日間の治療サイクル中に少なくとも1日間、例えば、28日間のメンテナンス治療サイクル中に少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10日間投与される。
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射及び/又は化学療法剤の投与前、投与中、及び/又は投与後に対象に投与され得る。本明細書に記載のいずれかの方法の様々な実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、放射線治療の開始前の少なくとも約1、2、3、5、6、10、14、21、28、又は30日間投与される。本明細書に記載のいずれかの方法の様々な実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、放射線治療の間中継続的に(例えば、毎日)投与される。本明細書に記載のいずれかの方法の様々な実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、放射線治療後の少なくとも約1、2、3、5、6、10、14、21、28、30、60、90、120、150、180、210、240日間又はそれ以上投与される。本明細書に記載のいずれかの方法の様々な実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、化学療法治療(例えば、TMZ治療)の開始前の少なくとも約1、2、3、5、6、10、14、21、28又は30日間投与される。本明細書に記載のいずれかの方法の様々な実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、化学療法治療(例えば、TMZ治療)を通して連続的に(例えば、毎日)投与される。本明細書に記載のいずれかの方法の様々な実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、化学療法治療(例えば、TMZ治療)後の少なくとも約1、2、3、5、6、10、14、21、28、30、60、90、120、150、180、210、240日間又はそれ以上投与される。
本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、対象者の治療スケジュールは、次の通りである。(1)セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩のみの導入期(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日間又はそれ以上;セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩のみの);(2)セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の放射期+化学療法剤(例えば、TMZ)+放射(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10週間又はそれ以上);(3)化学療法の「中断」期(例えば、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩のみ、化学療法剤(例えば、TMZ)なし);(4)1つ以上の28日間サイクル(例えば、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上のサイクル)を含む維持期(ここで、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、サイクルを通して継続的に投与される一方、化学療法剤(例えば、TMZ)は、各28日間サイクルの最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日間のみ投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、子供(例えば、対象は、18歳未満、17歳未満、16歳未満、15歳未満、14歳未満、13歳未満、12歳未満、11歳未満、10歳未満、9歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、5歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1歳未満)である。いくつかの実施形態では、対象は成人である(例えば、対象は18歳超である)。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも20歳、20歳、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳、80歳である。
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、食品と共に投与してもよいし、投与しなくてもよい。理論に束縛されるものではないが、食品と共にセピアプテリンを投与すると、(例えば、セピアプテリンの吸収速度を低下させることにより)BH4の血漿露出が増加する。投与されたセピアプテリンが、例えば、空腹時に投与されることにより迅速に吸収される場合、細胞内のセピアプテリンレダクターゼ及び/又はジヒドロ葉酸レダクターゼは、Vmaxを超えて飽和し、結果として投与されたセピアプテリンの少なくとも一部が7,8-ジヒドロビオプテリンと続くBH4に還元されずに細胞外に出ることが考えられる。この過剰なセピアプテリンは、その後、BH4に変換されることなく***され、その結果、セピアプテリンの吸収速度を低下又は延長させ、セピアプテンレダクターゼ及び/又はジヒドロ葉酸レダクターゼの基質飽和のVmax以下、Vmaxあるいはそれをわずかに超える反応速度をもたらす食品と一緒にセピアプテリンを投与する場合と比較して血漿中のBH4レベルが低くなり得る。食品を伴うセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の投与は、予想外に、食品なしの投与と比較して、最大BH4血漿濃度(Cmax)及びBH4の時間ゼロから最終濃度までの濃度時間曲線下面積(AUC0-last)により測定した曝露の程度を増加させる結果をもたらす。例えば、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、食品と共に投与の10時間以内に、対象の血漿中に少なくとも50ng/ml(例えば、少なくとも60ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも200ng/ml、少なくとも400ng/ml、少なくとも600ng/ml、少なくとも1000ng/ml、又は少なくとも2000ng/ml、又は50ng/ml~100ng/ml、60ng/ml~400ng/ml。200ng/ml~600ng/ml、400ng/ml~1000ng/ml、又は600ng/ml~1500ng/ml)のBH4濃度を生じさせるのに十分な量(例えば、1回の投与当たり1.0mg/kg~100mg/kg又は2.5mg/kg~100mg/kg)である。有効量は、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を食品を伴わずに投与してから10時間以内に、対象の血漿中に少なくとも50ng/mlの最大BH4血漿濃度(Cmax)をもたらすのに十分な用量よりも少なくとも5%(例えば、少なくとも60ng/ml、少なくとも100ng/ml、少なくとも200ng/ml、少なくとも400ng/ml、少なくとも600ng/ml、少なくとも1000ng/ml、又は少なくとも2000ng/ml、又は50ng/ml~100ng/ml、60ng/ml~400ng/ml、200ng/ml~600ng/ml、400ng/ml~1000ng/ml、又は600ng/ml~1500ng/ml)低い用量を含み得る。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品は、高蛋白質食品である。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品は高脂肪食品である(例えば、カロリーの少なくとも25、30、40、又は50%が脂肪からである)。本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態では、食品は、高蛋白質及び高脂肪食品である。いくつかの実施形態では、食品は高カロリー食品である(例えば、食品は少なくとも100カロリー、例えば、少なくとも200カロリー、少なくとも300カロリー、少なくとも400カロリー、少なくとも500カロリー、例えば、500~1500又は800~1000カロリーを含む)。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、食品は、食事、例えば、朝食、昼食、又は夕食である。セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、摂取された食品とは別の組成物で提供されてもよい(例えば、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は食品製品に組み込まれない)。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、食品は低脂肪食品である。
対象への投与は、食品を摂取する30分未満前に、又は食品を摂取した後に、例えば、食品の摂取直前から摂取後1時間まで、例えば、食品と実質的に同時に行われてもよい。食品と共に投与すること(例えば、食品を摂取する30分未満前に実施、又は食品を摂取した後、例えば、食品の摂取直前から摂取後1時間までの間に実施する)により、食品を伴わない投与(例えば、食品を摂取した後2時間以上経過し、さらに食品を摂取する30分前までに実施する)と比較して、BH4のCmax又はBH4の生成の程度及び得られる血漿曝露(AUC0-last)の増加(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、又は少なくとも150%)をもたらし得る。
セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、食品なし、例えば、食品を摂取する30分以上前又は食品を摂取してから少なくとも2時間後に、対象に投与され得る。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態では、投与は、食品を摂取する30分以上前、又は食品を摂取してから少なくとも3時間後に行われる。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、高タンパク食品なしで投与される。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、高脂肪食(例えば、カロリーの少なくとも25、30、40又は50%は脂肪に由来する)なしで投与される。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、高タンパク質、高脂肪食なしで投与される。いくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、高カロリーの食品なしで投与される(例えば、この食品は、少なくとも100カロリー、例えば、少なくとも200カロリー、少なくとも300カロリー、少なくとも400カロリー、少なくとも500カロリー、例えば、500-1500又は800-1000カロリーを有する)。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、朝食、昼食、夕食などの食事となる食品なしで投与される。
理論に束縛されるものではないが、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を食物なしで投与すると、セピアプテリンの吸収速度が増加することにより、血漿、CSF、及び/又は脳へのセピアプテリンの曝露が増加する可能性がある。セピアプテリンは効率よく細胞膜を通過するため、空腹時に投与するなどして投与したセピアプテリンがすぐに吸収されると、細胞内のセピアプテリンの膜輸送体及び/又はセピアプテリンレダクターゼ酵素が飽和している可能性があり、その結果、投与されたセピアプテリンの少なくとも一部が細胞に入らず、及び/又は7,8-ジヒドロビオプテリンに還元されずに細胞から出る可能性がある。この血漿中の過剰なセピアプテリンは、BH4に変換される前に血液脳関門(BBB)を通過して脳細胞に入り、その結果、食品と共に投与した場合と比較して、脳(及び/又はCSF)内のBH4レベルが高くなる。食品と共に投与する場合、セピアプテリンの吸収速度が低下し、セピアプテリントランスポーターと細胞内セピアプテリンレダクターゼ酵素が飽和しない可能性がある。したがって、食品なしでセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を投与することにより、食品と共に投与する場合と比較して、予想外にセピアプテリンの最大血漿、CSF、及び/又は脳濃度(Cmax)及び/又は吸収範囲(AUC0-last)が増加する。血漿、CSF、及び/又は脳内のセピアプテリンレベルの増加は、治療中に有益である可能性がある。
対象に投与される本発明の組成物の実際の投与量は、体重、状態の重症度、治療される疾患の種類、以前の又は同時の治療介入、対象の特質、及び投与経路などの物理的及び生理学的要因によって決定できる。投与量及び投与経路に応じて、好ましい投与量及び/又は有効量の投与回数は、対象の反応に応じて変化し得る。投与に責任を負う医師は、いずれのイベントにおいても、組成物中の有効成分の濃度及び個々の対象に対する適切な投与量を決定する。
いくつかの実施形態では、対象は、1回当たり約1mg/kg~120mg/kg(例えば、約10mg/kg~約60mg/kg、約20mg/kg~約60mg/kg、又は約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg)投与される。対象は、治療中、セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を1日1回、1日2回、又は1日3回投与され得る。いくつかの実施形態では、対象は、葉酸合成を阻害することが知られている薬物(例えば、メトトレキサート、ペメトレキサート、又はトリメトレキサート)を服用することが許可されない場合がある。セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、2等量(例えば、1日の異なる時間に2回の用量)で投与してもよく、例えば、2回の60mg/kg用量(例えば、朝に1回の60mg/kg用量、及び夜に1回の60mg/kg用量)、2回の40mg/kg用量(例えば、朝に1回の40mg/kg用量、及び夜に1回の40mg/kg用量)、2回の30mg/kg用量(例えば、朝に1回の30mg/kg用量、及び夜に1回の30mg/kg用量)、2回の20mg/kg用量(例えば、朝に1回の20mg/kg用量、及び夜に1回の20mg/kg用量)、又は2回の10mg/kg用量(例えば、朝に1回の10mg/kg用量、及び夜に1回の10mg/kg用量)であってもよい。
同等物及び範囲
当業者は、本明細書に記載の本発明に基づく特定の実施形態と同等のものを多く認識し、又はルーティン実験のみを使用して確認できる。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図したものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲に記載されている通りである。
さらに、先行技術に該当する本発明の任意の特定の実施形態は、特許請求の範囲のいずれか1つ以上から明示的に除外され得ることが理解される。そのような実施形態は、当該技術における当業者に知られているものとみなされるので、除外が本明細書に明示的に規定されていなくても、除外できる。本発明の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の化合物、任意の生産方法、任意の使用方法など)は、先行技術の存在に関連するか否かにかかわらず、任意の理由で、1つ以上の請求項から除外できる。
実施例
実施例1
ヌード(U87)及び同系(GL261)マウスモデルを用いて0日目に同所性膠芽腫腫瘍を確立した(N=13/群)。U87マウスモデルでは、6日目からセピアプテリン(SP)を6日間(10mg/kgセピアプテリン)又は実験終了(60日間)まで毎日(1mg/kgセピアプテリン)経口投与した。GL261マウスモデルでは、6日目から開始し、実験終了(60日間)までSPを毎日経口投与した(10mg/kg)。3D治療計画及び実施を伴う放射(IR)(5fx、2Gy)は、13日目から開始し、17日目に終了した。
U87マウスの結果を図1に示す。図1に示すように、セピアプテリンの投与は、以下のように対照(つまり、IR又はSPなし)又はIR単独よりも生存率を改善した。6d+IR(10mg/kg)群と継続+IR(1mg/kg)群の両方は、対照群と有意に異なった。6dの10mg/kg群とIR単独群との間の差は、統計的有意性を達成しなかった。1mg/kgの継続群は、他のすべての群(対照、IR単独及び6dの10mg/kg)とは有意に異なった。
生存曲線の比較
ログランク(Mantel-Co)検定:カイ二乗34.39、df3、P値<0.0001、P値サマリー****、生存曲線における有意差。
傾向性のログランク検定:カイ二乗6.590、df1、P値0.0103、P値サマリー*、有意な傾向。
ゲーハン・ブレスロウ・ウィルコクソン検定:カイ二乗28.79、df3、P値<0.0001、P値サマリー****、生存曲線における有意差。
GL261マウスモデルの結果を図2に示す。図2に示すように、10mg/kgのSPの継続投与の結果は、対照及びIR単独と比較して大きく異なった。
生存曲線の比較
ログランク(Mantel-Co)検定:カイ二乗21.32、df3、P値<0.0001、P値サマリー****、生存曲線における有意差。
傾向性のログランク検定:カイ二乗17.42、df1、P値<0.0001、P値サマリー*、意な傾向。
ゲーハン・ブレスロウ・ウィルコクソン検定:カイ二乗16.37、df3、P値<0.0010、P値サマリー****、生存曲線における有意差。
実施例2
同所性GL261腫瘍を0日目に確立した。7日目からマウスを60mg/kgのテモゾロミド(TMZ)で5日間+/-10mg/kgのSPで治療し、7日目から研究終了まで経口投与した。結果を図3に示す。図3は、TMZ+SPを投与したマウスがTMZのみを投与したマウスよりも生存率が向上したことを示す。その後の動物実験は、分割放射線療法と組み合わせる。
実施例3
新規物体認識試験は、最初の(訓練)セッション中にマウスに2つの類似した物体を探索させ、一定の時間が経過した後、後の(試験)セッション中に2つの訓練物体のうちの1つを新しい物体に置き換える行動試験である。マウスは生来目新しいものを好むため、マウスが見慣れた物体を認識すると、ほとんどの時間をその新しい物体で過ごすことになる。新しい物体の探索にかかる時間は、認識記憶の尺度を提供する。
24匹の成体雌C57BL/6Jマウスを次のように治療した。(1)8匹のマウスに総線量10GyのIR照射(IR)を行い、間に「休息」日を挟んで3回に分け、頭の中心の約1mm四方をカバーした。(2)8匹のマウスに同様に放射線を照射し、IRの1日目から最後の放射線分割の6日後まで(合計11日間)、強制経口投与として10mg/kg/日のセピアプテリン(SP)で治療した。(3)8匹のマウスは未治療のナイーブマウスであった。
治療の1か月後、海馬媒介記憶を評価するために、1時間の試行間隔(ITI)を伴う新規物体認識(NOR)タスクで試験をテストした(つまり、試験は訓練の1時間後に行われた)。訓練段階と試験段階の両方で、物体の調査時間は5分間と測定された。評価は2人の独立した観察者によって行われた。識別指数=(新規-なじみ)/(新規+なじみ)。図4に示すように、SPの投与は、照射のみ群比較して識別指数を増加させた。
一元配置分散分析
正規性検定(Shapiro-Wilk):合格(P=0.992)
等分散検定(Brown-Forsythe):合格(P=0.540)
全てのペアワイズ多重比較手順(Tukey検定)
因子の比較:治療群
治療の2か月後、マウスのy字迷路での自発的交替を試験する。治療の3ヶ月後、マウスを1時間のITIで再度NOR試験する。
実施例4:RNA研究
高線量の放射線照射後の脳への進行性遅発性損傷は、放射線誘発性の長命フリーラジカル、活性酸素種、炎症誘発性サイトカインによって引き起こされると考えられている。ICAM-1、TNF-α、IL-1β、及びIFN-γはすべて、全脳照射後のマウスの脳で上方制御され、脳における遅発性損傷の発生に関与する。10mg/kgのSPを6日間投与した場合と投与しない場合の10Gy(3fxs x 3.3Gy)の全脳照射(TBI)後の脳組織からのRNA抽出物を8、30及び60日目に採取し、上記のサイトカインについて分析する。以前に肺組織で実証したように、これらの炎症誘発性サイトカインの発現は外傷性脳損傷後に増加し、SPによる治療によりその発現が正常化されることが予想される。
実施例5:新たに診断された又は再発した膠芽腫におけるセピアプテリンとテモゾロミドの併用の第2相試験
サマリー
これは、新たに診断された又は再発した神経膠芽腫の治療におけるセピアプテリン(SP)の安全性と有効性をテストする非盲検ランダム化第2相臨床試験である。研究設計を図5に示す。この研究の目的は、安全性プロファイルを試験し、新たに診断された又は再発した膠芽腫患者におけるセピアプテリンと標準テモゾロミド(TMZ)化学放射線療法の第3相のために推奨用量(RD)を確立することである。この研究では、標準的なTMZ化学放射線療法と組み合わせたセピアプテリンの3つの用量レベル(20、40、又は60mg/kg/日)及び標準的なTMZ化学放射線療法単独を試験する。セピアプテリンにランダムに割り付けられた患者は、導入治療の一環として、20mg/kg/日、40mg/kg/日、又は60mg/kg/日で6日間治療される(図5の「導入治療」)。その後、60Gy/30分割の6週間の放射線療法、毎日75mg/mのTMZ、さらにセピアプテリン群のセピアプテリンからなる標準治療が続く(図5の「放射治療」)。さらに、その後、TMZのみの治療を4週間中断し、セピアプテリンの継続治療を行い(図5の「TMZ中断」)、続いて、28日間の化学療法維持サイクルごとに毎日投与されるセピアプテリンとTMZ150~200mg/m(28日間ごとの1~5日目)の6維持サイクルを含む維持治療(図5の「維持治療」)を行う。TMZのみにランダムに割り付けられた患者は、標準治療(6週間の60Gy/30分割の放射線療法と毎日75mg/mのTMZからなる)で治療される。その後、4週間のTMZの治療中断を行う。28日間の化学療法維持サイクルごとに1日目から5日目までのTMZ150~200mg/mの6維持サイクルを含む維持治療を行う。研究スキームを図5に示す。
目的
一次成果測定
・RECISTバージョン1.1による全参加者の6か月無増悪生存率(PFS)
二次成果測定
・RECISTバージョン1.1による全患者の全奏効率(ORR)
ORRは、治験治療の初回投与後6~9週間ごとに治験画像検査を行うことによって評価される。ORRは、完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)を示した分析集団の参加者の割合として定義される。完全奏効(CR)は、短軸が10mm未満に縮小している病理学的リンパ節を伴うすべての標的病変の消失として定義されます。部分奏効(PR)は、ベースラインの合計直径を基準として使用し、標的病変の直径の合計が少なくとも30%減少することとして定義される。
・RECISTバージョン1.1による全患者の疾患制御率
疾患制御率は、RECISTバージョン1.1によって、最良の治療効果が完全寛解、部分寛解、又は疾患制御が少なくとも4週間維持された患者の割合として定義される。
・全参加者の全生存期間(OS)
OSは、研究治療の初日から何らかの原因による死亡までの時間として定義され、打ち切りデータのカプラン・マイヤー法によって分析され、月単位で報告される。
・全参加者のPFS中央値
PFS中央値は、治験治療初日からRECISTバージョン1.1に従って最初に記録された進行性疾患(PD)又は何らかの原因による死亡のいずれか早い方までの時間の中央値として定義される。
・全参加者のOS中央値は、治験治療の初日から何らかの原因による死亡までの時間として定義される。
・重篤な有害事象(SAE)を含む有害事象(AE)によって測定された安全性
基準
包含基準
1.自発的な参加と書面インフォームドコンセント
2.対象≧18歳
3.病理学により膠芽腫と診断されたテント上場所占拠性病変
4.術後に標準放射線療法とテモゾロミド同時化学療法を予定する患者
5.MRIにより、新たな診断又は腫瘍の明確な再発が確認された。再発については、強調病巣の直径が1cmを超え、2層(層間隔は5mm)を超えていたか、又は再生検若しくは手術後の病理学によって再発が確認された。
6.RECISTバージョン1.1によると、少なくとも1つの測定可能な病変があった。
7.Karnofsky Performance Status Scale(KPS)スコア≧60点
8.SEPIAPTERIN又はTMZを正常に飲み込むことができる。
9.予想される生存期間は3か月以上である。
10.十分な臓器と骨髄機能。 定義は次の通りである。
a.好中球数(ANC)≧1500/mm(1.5×10/L)
b.血小板数(PLT)≧100000/mm(100×10/L)
c.ヘモグロビン(HB)≧9g/dl(90g/L)
d.血清アルブミン≧2.8g/dl
e.血清クレアチニンが正常値の上限(ULN)の1.5倍以下、又はクレアチニンクリアランス速度が60ml/分以上である。
f.総ビリルビン(TB)≦1.5×ULN、又は総ビリルビン(TB)>1.5×ULN、ただし、直接ビリルビン(DBIL)≦1×ULN。肝転移のある患者は2×ULN以下である必要がある。
g.肝転移患者では、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)又はアラニントランスアミナーゼ(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)のレベルは、≦2.5×ULN及び≦5×ULNである必要がある。
h.左室駆出率(LVEF)≧50%、補正Q-T間隔(QTc)が男性で450ミリ秒未満、女性で470ミリ秒未満。
11.抗凝固療法を受けていない患者では、プロトロンビン時間の国際正規化比(INR)が1.5以下、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が正常値の上限の1.5倍以下である。抗凝固薬の全量投与又は非経口抗凝固薬療法を受けている患者は、抗凝固薬の投与量が臨床試験に参加する前に少なくとも2週間安定し、かつ凝固検査の結果が局所治療の範囲内である限り、臨床試験に参加することができる。
12.出産可能年齢の女性は、登録前7日以内に妊娠検査(血清又は尿)が陰性である必要があり、観察期間中及び治験薬の最後の投与後8週間以内に適切な避妊方法を自発的に使用する。男性の場合、観察期間中及び治験薬の最後の投与後8週間以内に、外科的不妊手術を行うか、適切な避妊方法を使用することに同意する必要がある。
13.良好なコンプライアンスは、プログラムの要件に従って研究とフォローアップに協力できる。
除外基準
1.テモゾロミド又はセピアプテリンの以前のアレルギー歴
2.大手術(診断により生検は許可され、可能であれば腫瘍切除が許可される)又は治験薬の最初の使用前4週間以内の重度の外傷
3.現在他の臨床研究に参加している(観察(非介入)臨床研究又は新しい臨床研究の追跡調査における介入を除く)、又は最初の投与前4週間以内に他の薬物臨床研究に参加している、又は最後の治験薬からの半減期が5以下である。
4.皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮がん、表在性膀胱がん、子宮頸部上皮内がん、***上皮内がん、甲状腺乳頭がん(局所治療が可能で、過去5年以内又は同時に治癒した)を除く。
5.症状が内臓にまで広がり、短期間で生命を脅かす合併症を引き起こすリスクがある進行患者(制御不能な多量の滲出液を有する患者を含む[胸腔、心膜、腹腔])
6.スクリーニング期間中又は最初の投与前に38.5℃を超える原因不明の発熱が発生した患者(研究者の判断によると、腫瘍に起因する発熱はグループに含めることができる)
7.治験薬の最初の使用前4週間以内に、重度の肺炎、菌血症、感染症合併症などの重度の感染症(CTCAE>レベル2)が発生した患者;ベースラインの胸部画像検査により、治験薬の最初の使用前の2週間以内に活動性肺炎症、症状及び感染症の兆候が明らかになった患者;或いは経口又は静脈内抗生物質治療(抗生物質の予防的使用を除く)を必要とする患者
8.研究に入る前の6か月以内に、次の状況が発生した患者:心筋梗塞、重度/不安定狭心症、ニューヨーク心臓協会(NYHA)グレード2以上の心不全、及び臨床介入を必要とする臨床的に重大な上室性不整脈又は心室性不整脈、薬物コントロールが不十分な高血圧(収縮期血圧が150mmhg以上継続的に上昇する、又は拡張期血圧が100mmhg以上に継続的に上昇する)
9.過去6か月以内の消化管出血の既往又は消化管出血の傾向、例えば、食道静脈瘤、局所活動性潰瘍病変、便潜血≧(+)(便潜血が(+)の場合は胃カメラ検査が必要)
10.治験薬を飲み込めないこと、慢性的な下痢(過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎を含むがこれらに限定されない)、腸閉塞及び薬物の投与と吸収に影響を与えるその他の要因
11.同種臓器移植又は同種造血幹細胞移植又は先天性免疫不全症の病歴が知られている。
12.病歴やCT検査により活動性肺結核感染症が判明した患者、登録前1年以内に活動性肺結核感染症を患っている患者、或いは1年前に活動性の肺結核感染歴があるが、定期的な治療を受けていない患者
13.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染又は後天性免疫不全症候群(AIDS);活動性B型肝炎(B型肝炎ウイルス表面抗原[HBsAg]陽性検査結果、HBV-DNA≧500として定義されるB型肝炎);C型肝炎(C型肝炎抗体[HCV AB]陽性として定義され、HCV-RNAが分析法の検出限界を超え、肝機能に異常がある);又はB型肝炎とC型肝炎の同時感染を伴う
14.患者は、てんかんや認知症などの神経障害や精神障害の明らかな既往歴を有し、向精神薬乱用、アルコール依存症、薬物乱用の既往があることが知られた。
15.研究に不適当と判断された患者
16.メトトレキサート又は他の葉酸拮抗薬の併用
他の実施形態は特許請求の範囲に記載される。

Claims (36)

  1. 対象の膠芽腫を治療する方法であって、前記対象に有効量のセピアプテリン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  2. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約10mg/kg~約60mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約20mg/kg~約60mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約20mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約40mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩の有効量は、1回当たり約60mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  7. 有効量の前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 有効量の前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 有効量の前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、2等量で投与される、請求項8記載の方法。
  10. 有効量の前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、食品と共に投与される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記対象への投与が、食品を摂取する30分未満前又は食品を摂取した後に行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記対象への投与が、食品と実質的に同時である、請求項10項に記載の方法。
  13. 前記食品が高蛋白質及び/又は高脂肪食品である、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記食品が低脂肪食品である、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記食品が高カロリー食品であるである、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  16. 有効量の前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、食品なしで投与される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記対象への投与は、食事を摂取する30分以上前又は食品を摂取した後2時間以上経過してから行われる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記対象への投与は、食事を摂取する30分以上前又は食品を摂取した後3時間以上経過してから行われる、請求項16に記載の方法。
  19. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、懸濁用経口粉末として製剤化される請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、風味を有する懸濁ビヒクル中の懸濁液として投与される、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、水又はジュースに懸濁した粉末として投与される、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
  22. 治療用放射で前記対象を治療することをされに含む、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の期間中に投与される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の前に投与される、請求項22又は23に記載の方法。
  25. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射の後に投与される、請求項22から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも6日間投与される、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも14日間投与される、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも30日間投与される、請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射後、少なくとも14日間投与される、請求項1から28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射後、少なくとも30日間投与される、請求項1から28のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、治療用放射と同時に継続的に投与される、請求項1から30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、28日間サイクルで継続投与される、請求項1から31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、6回の28日間サイクルで投与される、請求項1から31のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記セピアプテリン又はその薬学的に許容される塩は、6回を超える28日間サイクルで投与される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記対象は、ヒトである、請求項1から34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記方法は、前記対象をテモゾロミド(TMZ)で治療することをさらに含む、請求項1から35のいずれか1項に記載の方法。
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