JP2024089144A - 造形物の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接ビードの積層高さの管理が難しい形状等においても、造形物を目標形状に造形することが可能な造形物の製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】積層計画情報と造形物14の目標形状情報を取得する情報取得工程と、溶接条件、ビード形状おおび積層軌道から、複数の溶接ビードBが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出工程と、積算指標と目標形状情報に基づいて、溶接条件を調整する溶接条件調整工程と、取得した溶接条件にて溶接ビードBを繰り返し積層する積層造形工程と、を含み、溶接条件調整工程は、積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ積算指標と目標形状の乖離を低減するように、溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する。【選択図】図3

Description

本発明は、造形物の製造方法及び製造装置に関する。
近年、生産手段としての3Dプリンタのニーズが高まっており、特に金属材料への適用については航空機業界等で実用化に向けて研究開発が行われている。金属材料を用いた3Dプリンタは、レーザーやアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させて造形物を造形する。
特許文献1には、NC制御によって、溶着面が常に所定角度とされ、且つ溶加材トーチと溶着面とが所定の距離を保持するように、被形成体または被造形物及び溶加材トーチを移動させながら溶着ビードを形成する造形方法が開示されている。
特開2007-275945号公報
ところで、溶接ビードを積層させて造形物を製造する積層造形では、溶接ビードの積層状況を管理するため、積層された溶接ビードの高さを監視しつつ、そのビード高さに応じて積層条件を調整することが一般に行われる。
しかし、オーバーハング状に溶接ビードを積層する場合、高さのみに注目して積層条件を調整すると、溶接ビードに垂れが生じ、造形物の形状が目標形状から乖離してしまうことがある。
特に、溶接ビードをアーチ状に積層する場合では、パスごとに溶接ビードのオーバーハング角が異なるため、一度位置ずれが生じると、それ以降はずれが拡大しやすい。同様に、滑らかな曲面上に溶接ビードを積層する場合においても、曲面の傾きに異存して溶接ビードの垂れやすさが異なることで、造形物の形状が目標形状から乖離しやすい。
そこで本発明は、溶接ビードの積層高さの管理が難しい形状等においても、造形物を目標形状に造形することが可能な造形物の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は下記構成からなる。
(1) 溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する造形物の製造方法あって、
積層する前記溶接ビードの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物の目標形状情報を取得する情報取得工程と、
前記溶接条件、前記ビード形状および前記積層軌道から、複数の前記溶接ビードが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出工程と、
前記積算指標と前記目標形状情報に基づいて、前記溶接条件を調整する溶接条件調整工程と、
取得した前記溶接条件にて前記溶接ビードを繰り返し積層する積層造形工程と、
を含み、
前記溶接条件調整工程は、前記積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ前記積算指標と目標形状の乖離を低減するように、前記溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する、
造形物の製造方法。
(2) 溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する造形物の製造装置あって、
積層する前記溶接ビードの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物の目標形状情報を取得する情報取得部と、
前記溶接条件、前記ビード形状および前記積層軌道から、複数の前記溶接ビードが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出部と、
前記積算指標と前記目標形状情報に基づいて、前記溶接条件を調整する溶接条件調整部と、
取得した前記溶接条件にて前記溶接ビードを繰り返し積層する積層造形部と、
を有し、
前記溶接条件調整部は、前記積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ前記積算指標と目標形状の乖離を低減するように、前記溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する、
造形物の製造装置。
本発明によれば、溶接ビードの積層高さの管理が難しい形状等においても、造形物を目標形状に造形することができる。
図1は、積層造形システムの全体構成を示す概略図である。 図2は、造形制御装置の機能ブロック図である。 図3は、造形制御装置による造形手順を示すフローチャートである。 図4は、アーチ状の造形物のモデルを示す模式図である。 図5Aは、積層計画情報の例を示す説明図である。 図5Bは、積層計画情報の例を示す説明図である。 図5Cは、積層計画情報の例を示す説明図である。 図5Dは、積層計画情報の例を示す説明図である。 図5Eは、積層計画情報の例を示す説明図である。 図6は、溶接ビードの積層位置修正の影響を説明する図である。 図7は、造形物における積算指標を示す模式図である。 図8は、溶接条件の調整前後における積層状態の対比を説明する図である。 図9は、造形制御装置による造形手順を示すフローチャートである。 図10は、アーチ状の造形物のモデルを示す模式図である。 図11は、ビード幅の異なる溶接ビードのビードモデルを示す模式図である。 図12は、ビード幅の異なる溶接ビードのビードモデルに基づいて造形した造形物の模式図である。 図13は、溶接条件の調整後におけるアーチ状の造形物のモデルを示す模式図である。 図14は、傾斜面での造形物の造形について説明する模式図である。 図15は、傾斜面の傾斜方向に沿って溶接ビードを形成した場合の溶接ビードの断面形状を示す模式図である。 図16は、異なる断面形状の溶接ビードを積層させた場合の造形物を示す模式図である。 図17は、溶接条件の調整を実施した場合の造形物を示す模式図である。 図18は、造形制御装置による造形手順の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここで示す積層造形システムは、マニピュレータに保持された溶加材(溶接ワイヤ)を熱源装置によって溶融させて溶接ビードを形成し、形成された溶接ビードを所望の形状に繰り返し積層して、溶接ビードが積層されてなる造形物を造形するものである。
<積層造形システムの構成>
上記の軌道計画支援装置が決定する軌道計画に基づいて動作する、積層造形システムの一構成例を説明する。
図1は、積層造形システムの全体構成を示す概略図である。
積層造形システム100は、造形制御装置15と、マニピュレータ17と、溶加材供給装置19と、マニピュレータ制御装置21と、熱源制御装置23とを含んで構成される。
マニピュレータ制御装置21は、マニピュレータ17と、熱源制御装置23とを制御する。マニピュレータ制御装置21には不図示のコントローラが接続されて、マニピュレータ制御装置21の任意の操作がコントローラを介して操作者から指示可能となっている。
マニピュレータ17は、例えば多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ11には、溶加材Mが連続供給可能に支持される。トーチ11は、溶加材Mを先端から突出した状態に保持する。トーチ11の位置及び姿勢は、マニピュレータ17を構成するロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。マニピュレータ17は、6軸以上の自由度を有するものが好ましく、先端の熱源の軸方向を任意に変化させられるものが好ましい。マニピュレータ17は、図1に示す4軸以上の多関節ロボットの他、2軸以上の直交軸に角度調整機構を備えたロボット等、種々の形態であってもよい。
トーチ11は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。シールドガスは、大気を遮断し、溶接中の溶融金属の酸化、窒化などを防いで溶接不良を抑制する。本構成で用いるアーク溶接法としては、被覆アーク溶接又は炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接又はプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、造形対象に応じて適宜選定される。ここでは、ガスメタルアーク溶接を例に挙げて説明する。消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ11は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。
溶加材供給装置19は、トーチ11に向けて溶加材Mを供給する。溶加材供給装置19は、溶加材Mが巻回されたリール19aと、リール19aから溶加材Mを繰り出す繰り出し機構19bとを備える。溶加材Mは、繰り出し機構19bによって必要に応じて正方向又は逆方向に送られながらトーチ11へ送給される。繰り出し機構19bは、溶加材供給装置19側に配置されて溶加材Mを押し出すプッシュ式に限らず、ロボットアーム等に配置されるプル式、又はプッシュ-プル式であってもよい。
熱源制御装置23は、マニピュレータ17による溶接に要する電力を供給する溶接電源である。熱源制御装置23は、溶加材Mを溶融、凝固させるビード形成時に供給する溶接電流及び溶接電圧を調整する。また、熱源制御装置23が設定する溶接電流及び溶接電圧等の溶接条件に連動して、溶加材供給装置19の溶加材供給速度が調整される。
溶加材Mを溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザーとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビーム又はレーザーを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。電子ビーム又はレーザーにより加熱する場合、加熱量を更に細かく制御でき、形成するビードの状態をより適正に維持して、積層構造物の更なる品質向上に寄与できる。また、溶加材Mの材質についても特に限定するものではなく、例えば、軟鋼、高張力鋼、アルミ、アルミ合金、ニッケル、ニッケル基合金など、造形物14の特性に応じて、用いる溶加材Mの種類が異なっていてよい。
造形制御装置15は、上記した各部を統括して制御する。
上記した構成の積層造形システム100は、造形物14の造形計画に基づいて作成された造形プログラムに従って動作する。造形プログラムは、多数の命令コードにより構成され、造形物の形状、材質、入熱量等の諸条件に応じて、適宜なアルゴリズムに基づいて作成される。この造形プログラムに従って、トーチ11を移動させつつ、送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、溶加材Mの溶融凝固体である線状の溶接ビードBがベースプレート13上に形成される。つまり、マニピュレータ制御装置21は、造形制御装置15から提供される所定のプログラムに基づいてマニピュレータ17、熱源制御装置23を駆動させる。マニピュレータ17は、マニピュレータ制御装置21からの指令により、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ11を移動させて溶接ビードBを形成する。このようにして溶接ビードBを順次に形成、積層することで、目的とする形状の造形物14が得られる。
図2は、造形制御装置15の機能ブロック図である。造形制御装置15は、情報取得部31と、溶接条件特定部33と、積算指標算出部35と、溶接条件調整部37と、を含んで構成されている。
上記の造形制御装置15は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置を用いたハードウェアにより構成される。造形制御装置15の各機能は、不図示の制御部が不図示の記憶装置に記憶された特定の機能を有するプログラムを読み出し、これを実行することで実現される。記憶装置としては、揮発性の記憶領域であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶領域であるROM(Read Only Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを例示できる。また、制御部としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)などのプロセッサ、又は専用回路等を例示できる。造形制御装置15は、上記した形態のほか、ネットワーク等を介して積層造形システム100から遠隔から接続される他のコンピュータであってもよい。
上記の造形制御装置15では、溶接ビードBを積層して造形物14を造形するにあたり、情報取得工程、積算指標算出工程、溶接条件調整工程、積層造形工程を行う。
<造形物の造形手順例>
次に、造形制御装置15による造形物14の造形手順の一例について説明する。
図3は、造形制御装置15による造形物の造形手順を示すフローチャートである。図4は、アーチ状の造形物14のモデルを示す模式図である。なお、図4に示すように、ここでは、溶接ビードBを積層させてアーチ状の造形物14を造形する場合を例にとって説明する。
(情報取得工程)
情報取得部31が、積層する溶接ビードBの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物14の目標形状情報を取得する(ステップS1)。
図5A~図5Eは、積層計画情報の例を示す説明図である。
図5Aに示すように、積層する溶接ビードBの溶接条件としては、トーチ11を移動して溶接ビードBを形成する際の移動速度Vt及び溶加材Mの送給速度Vwなどがある。図5Bに示すように、ビード形状としては、溶接ビードBのビード高さh、ビード幅w、溶着量Swなどがある。図5Cに示すように、積層軌道としては、特定のパス(k層)にてビードが積層される積層始点Ps(i)から積層終点Pe(i)までのビード積層位置r(r=(x,y,z))や、図5Dに示すように、パス間(k層とk+1層との間)における積層始点Ps(i)及び積層終点Pe(i)と積層始点Ps(j)及び積層終点Pe(j)との間の移動量Δr(Δr=(Δx,Δy,Δz))からなる複数の溶接ビードBが積み重ねられる積層軌道Cなどがある。図5Eに示すように、造形物14の目標形状としては、造形する造形物14の幅寸法である造形物幅Wおよび高さ寸法である造形物高さHなどがある。
(積算指標算出工程)
積算指標算出部35が、溶接条件、ビード形状および積層軌道から、複数の溶接ビードBが積層された積層形状の積算指標を算出する(ステップS2)。
この積算指標算出工程では、高さや幅など積層形状の進捗を反映した指標を算出する。図7は、造形物14における積算指標を示す模式図である。図7に示すように、積算指標は、積算高さHa、積算幅Wa、造形物14の上端における積層方向に垂直な溶接ビードBの上面のビード幅wi⊥c、積層位置の積算値Aaなどであり、積算指標算出工程では、これらの指標の一部のみを算出するだけでもよい。これらの積算高さHa、積算幅Wa、上面のビード幅wi⊥c、積層位置の積算値Aaは、それぞれ式(1)~式(4)で算出される。
Figure 2024089144000002
なお、上面のビード幅wi⊥cについては、溶接ビードBに垂れが生じると、その分ビード幅が細ってしまうので、その垂れの蓄積影響を式(3)における右辺で表現する。また、積層位置の積算値Aaは、積層軌道C上のどのあたりに位置するかを示し、座標でもよいし、積層軌道C上の経路長として算出してもよい。ここで、式(1)~式(3)では、高さや幅についてどの方向で定義されるか規定するために添え字を設けて区別している。添え字におけるVはvertical、Hはhorizontal、⊥cは積層軌道Cに垂直という意味である。なお、ビード上面のビード幅wi⊥cに限らずビード下面のビード幅wiu⊥c(図7参照)でも式(3)と同じことが言えるのでビード下面のビード幅wiu⊥cで積算指標を算出してもよい。ただし、ビード下面のビード幅wiu⊥cは上下の溶接ビードB同士が融合した後の積層体から評価されることに対し、ビード上面のビード幅wi⊥cは上層の溶接ビードBと融合される前に直接計測できるので、造形中に溶接条件を逐次修正する場合はビード上面のビード幅wi⊥cで式(7)を評価することがより好ましい。例えば、ビード下面のビード幅wiu⊥cは、積層方向の傾斜がきつくなるとレーザセンサによる計測が困難となるが、ビード上面のビード幅wi⊥cであればカメラ以外にもレーザセンサによって計測できる。
(溶接条件調整工程)
溶接条件調整部37が、積算指標と目標形状情報に基づいて、溶接条件を調整する。 そして、上記の溶接条件調整工程において、溶接条件調整部37は、積層軌道Cに垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ積算指標と目標形状の乖離を低減するように、溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する(ステップS3)。
ここで、式(5)~式(7)は、溶接条件を調整するための式であり、これらの式(5)~式(7)から、式(8)の調整後の指標(求めたい解)を導く。なお、調整後の指標である式(8)はハット記号を付して区別している。
Figure 2024089144000003
式(5)は高さの調整を考慮した式であり、式(6)は幅の調整を考慮した式である。これらの式(5)及び式(6)では、オーバーハングのように溶接ビードBを斜めに積層すると、垂直に積層した場合と比べて高さや幅がそのまま積み増すわけではないので、R1やR2によって傾斜分の影響を表している。なお、最も単純には、水平からの傾きαに対してcosαやsinαなどによって表現できる。一方、式(5)及び式(6)における右辺の{}の項は、積算指標と目標形状の乖離を表す項であり、この乖離に応じて分母のnを変えるか、溶着位置rを変えることができる。
式(7)は、どの層のビード幅も実質的に一定と見なせる条件を課す式である。もちろんオーバーハングのように溶接ビードBを斜めに積層する場合は、傾斜した分だけ側方に垂れて幅が細りやすく、その影響を中辺の第二項が表している。また、式(7)における中辺の第一項は、溶着量でビード幅が増減することを表している。例えば、関数θについては、傾斜方向や溶着量と垂れの相関を調べた実験から回帰式を作成してよい。また、関数Λも関数θと同様に実験的に求めてよい。また、式(7)における右辺と左辺には、所定の定数となるビード幅に対して予め定められた変動許容値が設定される。
図7は、溶接ビードBの積層位置修正の影響を説明する図である。図7において、Paが修正前のビード積層位置を表し、Pbが修正後のビード積層位置を表している。図7では、i層目のビード積層位置を修正することで、高さおよび幅の増加量が変わることを示している。
(積層造形工程)
その後、調整した溶接条件にて溶接ビードBを繰り返し積層し、造形物14を造形する(ステップS4)。
図8は、溶接条件の調整前後における積層状態の対比を説明する図である。
図8左側は、溶接ビードBの垂れの影響を考慮しない狙い位置Paで溶接ビードBを形成してユニットとして積層方向に沿って積み上げた状態を示している。この状態では、下層のビード上面幅と上層のビード下面幅とが一致せず、現実には垂れが生じる。図8中央は、溶接ビードBの垂れの影響を考慮した狙い位置Pbで溶接ビードBを形成して各層のビード上面幅が同じ値に近づくよう溶着量と積層位置を修正した状態を示している。この例では上層ほど垂れやすいので溶着量が上層につれて少なく、下層ほど多い。図8右側は、溶接ビードBの垂れの影響を考慮しない場合(図8左側)の積層位置と、溶接ビードBの垂れの影響を考慮した場合(図8中央)の積層位置とを重ねて図示したものであり、最終の積層形状が目標形状と合うように積層位置が修正されている。このように、本構成例に係る製造方法によれば、例えば、オーバーハングを有するために積層形状の管理が難しい形状等の造形物を目標形状に造形することができる。
<造形物の造形手順の応用例>
次に、造形制御装置15による造形物14の造形手順の応用例について説明する。
図9は、造形制御装置15による造形物の造形手順を示すフローチャートである。
図10は、アーチ状の造形物14のモデルを示す模式図である。図11は、ビード幅BWの異なる溶接ビードBのビードモデルBMを示す模式図である。図12は、ビード幅BWの異なる溶接ビードBのビードモデルBMに基づいて造形した造形物14の模式図である。図13は、溶接条件の調整後におけるアーチ状の造形物14のモデルを示す模式図である。
情報取得部31が、積層する溶接ビードBのビード形状として基準幅Bwを含む積層計画情報と造形する造形物14の目標形状情報を取得する(ステップS11)。
例えば、図10に示すように、アーチ状の造形物14を造形する場合、造形物14に対して等分割した同一形状の台形状のビードモデルBMを割り当てて配置する。そして、このビードモデルBMのサイズを調整することで、造形すべき目標形状(図10中の黒実線)を満足するビードモデルBMを作成し、このビードモデルBMの基準のビード幅BWとなる基準幅BWbを取得する。この基準幅BWbは、溶接ビードBの積層方向DLに対して直交する向きのビードモデルBMの寸法である。
なお、造形物14に対する溶接ビードBの割り当て方としては、例えば、読み込んだ造形物14の3次元形状データ(CADデータ等)の形状を、溶接ビードBの積層方向DLと直交する方向にスライスし、さらに、溶接ビードBのビード形状に対応するように、矩形状のビードモデルBMに分割する。そして、分割した複数の矩形状のビードモデルBMを、単純な幾何図形である台形に当てはめ、台形状のビードモデルBMに変更する。
溶接条件特定部33が、基準幅BWbを満たす溶着量の溶接ビードBを形成する際の溶接条件を特定する(ステップS12)。各溶接ビードBの溶着量は、溶接ビードBの積層方向DLや積層数に合せて調整する。調整する際には、各溶接ビードBのビード幅BWが基準幅BWbを満たすように制限する。なお、この溶接条件の特定は、積層計画から直接取得してもよい。
ここで、図11及び図12に示すように、異なるビード幅BW1,BW2のビードモデルBM1,BM2に基づいて溶接ビードB1,B2を交互に積層した場合、溶接ビードB1よりも広いビード幅BW2の溶接ビードB2は、両端のはみ出し部分に垂れが生じやすくなる。このように、異なるビード幅BW1,BW2のビードモデルBM1,BM2で溶接ビードB1,B2を積層すると、積層高さを満たせないばかりか全体的な形状が目標形状から著しく乖離する場合がある。このような現象は、例えば、傾斜面を有するベースプレート13に溶接ビードBを積層する場合に生じやすい。ベースプレート13が傾斜面の場合、傾斜方向上方側へ形成する上進の溶接ビードBではビード幅BWが狭くなり、傾斜方向下方側へ形成する下進の溶接ビードBではビード幅BWが広くなる。つまり、造形物14の形状の目標形状からの乖離は、上進の溶接ビードBと下進の溶接ビードBとを交互に積層する場合に生じやすい。
このため、溶接条件特定部33は、各溶接ビードBのビード幅BWを基準幅BWbに合わせつつ溶接ビードBの溶着量を調整したビードモデルBMを作成する。各溶接ビードBのビードモデルBMのビード幅BWは、理想的には、一定値であることが望ましいが、微小な許容値αを定めてビード幅BWが基準幅BWbに対して±α以内に収まるように溶着量を調整してもよい。
なお、ビードモデルBMの溶接ビードBのビード幅BWを優先して基準幅BWbに合わせる場合、各溶接ビードBにおいて、溶着量やビード高さが異なる場合が生じる。溶接条件特定部33は、このような各溶接ビードBにおける溶着量やビード高さの相異については許容しつつ各溶接ビードBの溶接条件を算出する。
溶接条件の具体的な算出方法は特に限定されないが、例えば、溶接条件の代表的パラメータを基にモデル化した式を用意して、その式より条件調整を行ってもよい。
例えば、ビード高さBHは式(9)から求め、ビード幅BWは式(10)から求めてもよい。
BH =C1+C2Wf+C3Ts+C4Wf2+C5Ts2+C6WfTs ・・・式(9)
BW=D1+D2Wf+D3Ts+D4Wf2+D5Ts2+D6WfTs ・・・式(10)
Ts:トーチ移動速度
Wf:溶加材送給速度
C1~C6:係数
D1~D6:係数
積算指標算出部35が、溶着条件、ビード形状である基準幅BWbおよび積層軌道から、積算指標として、積層させる溶接ビードBの高さの積算高さHaを算出する(ステップS13)。つまり、溶接ビードBを積層させる造形物14の鉛直方向の寸法からなる高さ寸法を積算高さHaとする。なお、積算高さHaとしては、溶接ビードBの積層方向DLに沿った曲線の線分長さとして算出してもよい。
溶接条件調整部37が、積算指標である積算高さHaと目標形状情報に基づいて、溶接条件を調整する(ステップS14)。具体的には、積算指標算出部35が算出した積算高さHaについて、目標形状情報に基づく目標高さHtと比較する。そして、これらの積算高さHaと目標高さHtとのずれ(|Ha-Ht|が、予め定めた変動許容値ε以下に収まっているか否かを判定する。
溶接条件調整部37は、積算高さHaと目標高さHtとのずれが変動許容値εを越えていると判定すると(ステップS14:No)、溶接条件特定部33で特定した溶接条件を、溶接ビードBのパス数もしくは溶着量を変更した溶接条件に調整する(ステップS15)。この溶接条件の調整では、例えば、造形物14を造形する溶接ビードBのパス数の変更及び各溶接ビードBのビード高さBHの配分の少なくとも一方を調整する。
例えば、アーチ状の造形物14を造形する場合では(図10参照)、図13に示すように、積層方向DLが垂直に近いほど溶接ビードBの溶着量を多くしつつ、傾きが大きいほど溶接ビードBの溶着量を小さくする。なお、1つの溶接ビードBで実現できる部分のビード幅BWとアスペクト比とに基づいて、各溶接ビードBの溶接条件やパス数を調整してもよい。例えば、溶接ビードBが垂れやすい箇所ではパス数を増やして1つの溶接ビードBあたりの溶着量を減らしてアスペクト比が小さくなるように溶接条件を調整してもよい。
この溶接条件は、例えば、溶接ビードBを形成するトーチ11の角度、溶接ビードBの溶接速度、トーチ11へ送給する溶加材Mの送給速度、溶接ビードBの溶接電流、溶接ビードBの溶接電圧、トーチ11の運棒方向、トーチ11のウィービング条件のいずれかまたは組合せによって比較的簡便に調整できる。
そして、溶接条件調整部37は、積算高さHaと目標高さHtとのずれが変動許容値ε以下に収まっていると判定すると(ステップS14:YES)、溶接条件特定部33で特定または調整した溶接条件を維持し、その後、この溶接条件で溶接ビードBを繰り返し積層して造形物14を造形する(ステップS16)。
このように、本構成例の造形物14の製造方法によれば、ビード幅BWの統一性を優先して溶接ビードBを積層することで、溶接ビードBを積層させる際の溶接ビードBの垂れを抑制でき、造形物14の積層高さを容易に調整できる。
また、ビード幅BWを合わせる際に、各溶接ビードBの溶着量やビード高さBHは固定しないので、積層場所や積層姿勢に合せて溶接条件を柔軟に調整でき、特に、オーバーハング部の造形や傾斜面上における良好な積層が可能である。
次に、上記の造形制御装置15による造形物の造形方法の適用例について説明する。
図14は、傾斜面Siでの造形物14の造形について説明する模式図である。図15は、傾斜面Siの傾斜方向に沿って溶接ビードBを形成した場合の溶接ビードBの断面形状を示す模式図である。図16は、異なる断面形状の溶接ビードBを積層させた場合の造形物を示す模式図である。図17は、溶接条件の調整を実施した場合の造形物14を示す模式図である。
図14に示すように、本適用例では、ベースプレート13が、水平面に対して傾斜角θaで傾斜する傾斜面Siとされており、この傾斜面Siに溶接ビードBを積層させて造形物14を造形する。溶接ビードBは、傾斜面Siに対して傾斜方向上方Du及び傾斜方向下方Ddに形成する。つまり、傾斜面Siに対して、傾斜方向上方Duに向かって形成する上進の溶接ビードBuと、傾斜方向下方Ddに向かって形成する下進の溶接ビードBdとを交互に積層させる。このように、傾斜面Siに対して上進の溶接ビードBuと、下進の溶接ビードBdとを交互に積層させれば、各パス間でトーチ11を折り返せるので、トーチ11の移動量を抑えて生産性を向上させることができる。
ところが、図15に示すように、傾斜面Siに溶接ビードBを傾斜方向に沿って形成すると、上進の溶接ビードBu及び下進の溶接ビードBdは、水平面に形成した場合の通常の溶接ビードBfに対して、断面において、異なるアスペクト比に形成される。
このため、図16に示すように、水平面に溶接ビードBfを積層させた場合(図16における左側)と比べ、傾斜面Siに上進の溶接ビードBuと下進の溶接ビードBdとを交互に積層させた場合(図16における右側)では、形状及び造形高さに乖離が生じてしまう。
このような場合に、上進の溶接ビードBu及び下進の溶接ビードBdのビード幅BWが、基準のビードモデルから取得した基準幅BWbを満たすような溶着量となるように、各溶接ビードBu,Bdの溶接条件を調整する(ステップS12~S15)。例えば、溶接速度を調整することにより、上進の溶接ビードBuを形成する際の溶着量を増加させ、下進の溶接ビードBdを形成する際の溶着量を減少させる。すると、図17に示すように、水平面に溶接ビードBfを積層させた場合(図17における左側)に対して、傾斜面Siに上進の溶接ビードBuと下進の溶接ビードBdとを交互に積層させた場合(図17における右側)においても、溶接ビードBu,Bdをバランスよく積層でき、形状及び造形高さを近似させることができる。
次に、変形例について説明する。
なお、上記構成例と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
図18は、造形制御装置15による造形手順の変形例を示すフローチャートである。
図18に示すように、変形例では、溶接ビードBを形成して積層させた際に(ステップS16)、造形途中の造形物14を形状計測センサによって形状計測し、形状プロファイルを取得する(ステップS17)。なお、形状計測センサは、マニピュレータ17の先端軸にトーチ11と並設させてもよく、また、マニピュレータ17とは別に設置したものでもよい。
そして、この取得した形状プロファイルに基づいて、積層された溶接ビードBのビード幅BWや積層高さを抽出する。さらに、これらのビード幅BWや積層高さの情報を参照して造形途中に基準幅BWbや積算高さHaを監視し、必要に応じて溶接条件を調整する。例えば、ビード幅BWを監視して基準幅BWbを下回らないように、溶接条件をリアルタイムで補正してもよい。また、形状計測により得られたビード幅BWで基準幅BWbを補正したのち、積算高さHaと目標高さHtとを比較し、溶加材Mの送給速度、溶接ビードBの溶接速度、ウィービングの有無などの溶接条件の調整を造形中に再度行ってもよい。
この変形例によれば、造形途中の造形物14の形状に基づいて、形状計測によって得られた形状プロファイルから積算高さHaを補正するので、積算高さHaと目標形状とをより正確に比較でき、その結果、精度の高い溶接条件の調整が行える。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する造形物の製造方法あって、
積層する前記溶接ビードの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物の目標形状情報を取得する情報取得工程と、
前記溶接条件、前記ビード形状および前記積層軌道から、複数の前記溶接ビードが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出工程と、
前記積算指標と前記目標形状情報に基づいて、前記溶接条件を調整する溶接条件調整工程と、
取得した前記溶接条件にて前記溶接ビードを繰り返し積層する積層造形工程と、
を含み、
前記溶接条件調整工程は、前記積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ前記積算指標と目標形状の乖離を低減するように、前記溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する、造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、ビード幅の統一性を優先して溶接ビードを積層することで、溶接ビードを積層させる際の溶接ビードの垂れを抑制でき、造形物の積層高さを容易に調整できる。
また、ビード幅を合わせる際に、各溶接ビードの溶着量やビード高さは固定しないので、積層場所や積層姿勢に合せて溶接条件を柔軟に調整でき、特に、オーバーハング部の造形や傾斜面上における良好な積層が可能である。
(2) 前記溶接条件調整工程は、前記溶接ビードを形成するトーチの角度、前記溶接ビードの溶接速度、前記トーチへ送給する溶加材の送給速度、前記溶接ビードの溶接電流、前記溶接ビードの溶接電圧、前記トーチの運棒方向、前記トーチのウィービング条件のいずれかまたは組合せの調整を伴う、(1)に記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、比較的簡便に溶接ビードの溶着量、ビード幅、アスペクト比を調整できる。
(3) 前記溶接条件調整工程は、層数の修正を行い、前記溶着量を下げて前記層数が増えるように修正する、(1)または(2)に記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、層数を増やすことで、積層形状の高さや幅の微調整が可能となり、積層形状を目標形状に近づけやすい。
(4) 積層された前記溶接ビードの形状を計測して形状プロファイルを取得する形状プロファイル取得工程をさらに含み、
取得した前記形状プロファイルに基づいて、前記積算指標を補正する、(1)~(3)のいずれか一つに記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、形状計測によって得られた形状プロファイルに基づいて積算指標を補正するので、積算指標と目標形状とをより正確に比較でき、その結果、より精度の高い溶接条件の調整が行える。また、溶接ビードの積層途中において、造形途中の造形物の形状に基づいて、溶接条件の調整及び修正が行える。
(5) 前記溶接条件調整工程において、鉛直方向に対する前記溶接ビードの積層方向の傾斜角が大きいほど前記溶着量を少なくするように調整する、(1)~(4)のいずれか一つに記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、例えば、鉛直方向に対する溶接ビードの積層方向の傾きが大きいために積層高さを稼ぎにくく垂れやすいところでは、溶接ビードの溶着量を少なくして垂れ量を抑制できる。また、鉛直方向に対する傾きが小さいために垂れにくいところでは、溶接ビードの溶着量を多くして効率的に造形できる。
(6) 傾斜面に対して、傾斜方向上方に向かって形成する上進の溶接ビードと、傾斜方向下方に向かって形成する下進の溶接ビードとを交互に積層させる、(1)~(5)のいずれか一つに記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、上進の溶接ビードと下進の溶接ビードとを交互に積層させることで、パス間のトーチの移動量を短縮でき、生産性を向上できる。
(7) 前記溶接条件調整工程において、前記上進の溶接ビードの溶着量を増加させ、前記下進の溶接ビードの溶着量を減少させる、(6)に記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、上進の溶接ビードの溶着量を増加させ、下進の溶接ビードの溶着量を減少させることにより、溶接ビードをバランスよく積層でき、より目標形状に近い造形物を造形できる。
(8) 溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する造形物の製造装置あって、
積層する前記溶接ビードの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物の目標形状情報を取得する情報取得部と、
前記溶接条件、前記ビード形状および前記積層軌道から、複数の前記溶接ビードが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出部と、
前記積算指標と前記目標形状情報に基づいて、前記溶接条件を調整する溶接条件調整部と、
取得した前記溶接条件にて前記溶接ビードを繰り返し積層する積層造形部と、
を有し、
前記溶接条件調整部は、前記積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ前記積算指標と目標形状の乖離を低減するように、前記溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する、造形物の製造装置。
この造形物の製造装置によれば、ビード幅の統一性を優先して溶接ビードを積層することで、溶接ビードを積層させる際の溶接ビードの垂れを抑制でき、造形物の積層高さを容易に調整できる。
また、ビード幅を合わせる際に、各溶接ビードの溶着量やビード高さは固定しないので、積層場所や積層姿勢に合せて溶接条件を柔軟に調整でき、特に、オーバーハング部の造形や傾斜面上における良好な積層が可能である。
11 トーチ
14 造形物
31 情報取得部
35 積算指標算出部
37 溶接条件調整部
100 積層造形システム(積層造形部,製造装置)
B 溶接ビード
Bu 上進の溶接ビード
Bd 下進の溶接ビード
Ha 積算高さ(積算指標)
Ht 目標高さ
Si 傾斜面

Claims (8)

  1. 溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する造形物の製造方法あって、
    積層する前記溶接ビードの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物の目標形状情報を取得する情報取得工程と、
    前記溶接条件、前記ビード形状および前記積層軌道から、複数の前記溶接ビードが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出工程と、
    前記積算指標と前記目標形状情報に基づいて、前記溶接条件を調整する溶接条件調整工程と、
    取得した前記溶接条件にて前記溶接ビードを繰り返し積層する積層造形工程と、
    を含み、
    前記溶接条件調整工程は、前記積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ前記積算指標と目標形状の乖離を低減するように、前記溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を修正する、
    造形物の製造方法。
  2. 前記溶接条件調整工程は、前記溶接ビードを形成するトーチの角度、前記溶接ビードの溶接速度、前記トーチへ送給する溶加材の送給速度、前記溶接ビードの溶接電流、前記溶接ビードの溶接電圧、前記トーチの運棒方向、前記トーチのウィービング条件のいずれかまたは組合せの調整を伴う、
    請求項1に記載の造形物の製造方法。
  3. 前記溶接条件調整工程は、層数の修正を行い、前記溶着量を下げて前記層数が増えるように修正する、
    請求項1に記載の造形物の製造方法。
  4. 積層された前記溶接ビードの形状を計測して形状プロファイルを取得する形状プロファイル取得工程をさらに含み、
    取得した前記形状プロファイルに基づいて、前記積算指標を補正する、
    請求項1に記載の造形物の製造方法。
  5. 前記溶接条件調整工程において、鉛直方向に対する前記溶接ビードの積層方向の傾斜角が大きいほど前記溶着量を少なくするように調整する、
    請求項1に記載の造形物の製造方法。
  6. 傾斜面に対して、傾斜方向上方に向かって形成する上進の溶接ビードと、傾斜方向下方に向かって形成する下進の溶接ビードとを交互に積層させる、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の造形物の製造方法。
  7. 前記溶接条件調整工程において、前記上進の溶接ビードの溶着量を増加させ、前記下進の溶接ビードの溶着量を減少させる、
    請求項6に記載の造形物の製造方法。
  8. 溶接材料を溶融して溶接ビードを形成し、前記溶接ビードが積層された造形物を造形する造形物の製造装置あって、
    積層する前記溶接ビードの溶接条件、ビード形状および積層軌道を含む積層計画情報と造形する造形物の目標形状情報を取得する情報取得部と、
    前記溶接条件、前記ビード形状および前記積層軌道から、複数の前記溶接ビードが積層された積層形状の積算指標を算出する積算指標算出部と、
    前記積算指標と前記目標形状情報に基づいて、前記溶接条件を調整する溶接条件調整部と、
    取得した前記溶接条件にて前記溶接ビードを繰り返し積層する積層造形部と、
    を有し、
    前記溶接条件調整部は、前記積層軌道に垂直方向のビード幅が各層において同じ値に近づき、且つ前記積算指標と目標形状の乖離を低減するように、前記溶接条件に含まれる溶着量と積層位置を少なくとも修正する、
    造形物の製造装置。
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