JP2024086545A - 装着状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボビンの装着状態が適切か否かを精度良く判定できる装着状態検出装置を提供する。【解決手段】装着状態検出装置は、制御装置と、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置とを備える。制御装置は、複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得する処理を実行する。複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けている。制御装置は、さらに、ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで撮影装置から判定用ボビン画像を取得する処理と、判定用ボビン画像を推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される装着状態情報に基づいて、ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定する処理とを実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、主として、ボビンホルダへのボビンの装着状態を検出する装置に関する。
特許文献1には、巻取機と、台車と、紙管供給装置と、が開示されている。巻取機は、2つ並べて設けられている。巻取機は、糸を巻き取ってパッケージを製造する。台車は、2つの巻取機のそれぞれに対して紙管を押送してセットする。紙管供給装置は、台車に対して紙管を供給する。紙管供給装置は、光電センサを用いて紙管のスリットの位置を検出することにより、紙管の種類及び紙管の向きを判定する。
実開平4-97769号公報
特許文献1のように光電センサを用いて紙管のスリットを検出する方法は、例えば紙管の凹凸、紙管同士の隙間、又は異物等の影響により、誤検出の可能性があり得る。また、スリットの検出に限られず、例えばボビン間の隙間の大きさ等、ボビンの装着状態に関する様々な事象を検出する際においても、同様に誤検出の可能性があり得る。従って、ボビンの装着状態が適切か否かを精度良く判定できる構成が求められていた。
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、ボビンの装着状態が適切か否かを精度良く判定できる装着状態検出装置、装着状態検出方法、および装着状態検出プログラムを提供することにある。
本開示の一例では、装着状態検出装置が提供される。上記装着状態検出装置は、制御装置と、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置とを備える。上記制御装置は、複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得する処理を実行する。上記複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けている。上記制御装置は、さらに、上記ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで上記撮影装置から判定用ボビン画像を取得する処理と、上記判定用ボビン画像を上記推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される上記装着状態情報に基づいて、上記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定する処理とを実行する。
この装着状態検出装置おいては、学習用ボビン画像と装着状態情報との関係が学習された推定モデルが用いられる。これにより、装着状態検出装置は、当該推定モデルに対して判定用ボビン画像を入力することでボビンの装着状態情報を取得することができ、ボビンの装着状態を判定することができる。
本開示の一例では、上記判定する処理では、上記ボビンホルダに対するボビンの装着向きが正常であるか否かが判定される。
これにより、装着状態検出装置は、ボビンの具体的な装着異常を検出することができる。
本開示の一例では、上記ボビンには、スリットが形成されている。上記ラベルとしての上記装着状態情報は、上記学習用ボビン画像内におけるボビンの範囲を示すボビン範囲と、当該学習用ボビン画像内におけるスリットの範囲を示すスリット範囲とを含む。上記推定モデルは、上記判定用ボビン画像の入力を受けて、当該判定用ボビン画像内における上記ボビン範囲と、当該判定用ボビン画像内における上記スリット範囲とを装着状態情報として出力する。上記装着向きが正常であるか否かは、上記推定モデルから出力される上記ボビン範囲と上記スリット範囲との位置関係に基づいて判定される。
装着状態検出装置は、ボビン画像内におけるボビン範囲とスリット範囲との位置関係に着目することで、ボビンホルダに対するボビンの装着向きが正常であるか否かをより正確に判定することができる。
本開示の一例では、上記ボビンホルダには、複数のボビンが並べて配置されている。上記判定する処理では、上記判定用ボビン画像に含まれている各ボビンの間隔が正常であるか否かが判定される。
これにより、装着状態検出装置は、ボビンの具体的な装着異常を検出することができる。
本開示の一例では、上記ラベルとしての上記装着状態情報は、上記学習用ボビン画像内におけるボビンの範囲を示すボビン範囲を含む。上記推定モデルは、上記判定用ボビン画像の入力を受けて、当該判定用ボビン画像内に含まれている各ボビンについて上記ボビン範囲を出力する。上記間隔が正常であるか否かは、上記推定モデルから出力される各ボビン範囲の内の隣り合うボビン範囲の位置関係に基づいて判定される。
装着状態検出装置は、ボビン画像内におけるボビン範囲の間隔に着目することで、隣り合うボビンの間隔が正常であるか否かをより正確に判定することができる。
本開示の一例では、上記制御装置は、さらに、上記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されていないと判定された場合に、当該ボビンの装着異常を報知する処理を実行する。
これにより、装着状態検出装置は、ボビンの装着状態の異常をオペレータに知らせることができる。
本開示の一例では、上記撮影装置は、上記ボビンホルダにボビンを装着する作業の開始後は、かつ、上記糸巻取機による糸の巻取りの開始前に、当該ボビンを撮影する。
これにより、装着状態検出装置は、ボビンの装着ミスに伴う不具合が発生する前に、ボビンの装着状態を判定できる。
本開示の一例では、上記ボビンは、上記ボビンホルダに並べて複数配置されている。上記ボビンホルダの軸方向に沿って、複数の上記撮影装置が配置されている。上記撮影装置は、1又は複数の上記ボビンを含む上記判定用ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、複数の撮影装置を用いることにより、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
本開示の一例では、上記ボビンは、上記ボビンホルダに並べて複数配置されている。1つの上記撮影装置が、全ての上記ボビンを含む上記判定用ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、複数のボビンをまとめて撮影できるような広角の撮影装置を用いることにより、撮影装置の個数を抑えつつ、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
本開示の一例では、上記ボビンは、上記ボビンホルダに並べて複数配置されている。上記撮影装置は、上記ボビンホルダの軸方向に沿って走行可能に構成されている。上記撮影装置は、上記ボビンを含む上記判定用ボビン画像を生成した後に走行して、別の上記ボビンを含む上記判定用ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、ボビンホルダの軸方向に沿って撮影装置を走行させることにより、撮影装置の個数を抑えつつ、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
本開示の一例では、上記ボビンホルダの挿入端から上記ボビンが挿入されて上記ボビンがスライド移動されることで、上記ボビンが並べて複数配置されている。上記撮影装置は、上記挿入端から挿入される上記ボビンを順次撮影することにより、全ての上記ボビンについての上記判定用ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、ボビンの挿入時に当該ボビンを順次撮影することにより、撮影装置の個数を抑えつつ、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
本開示の一例では、上記撮影装置を複数備える。上記撮影装置は、上記ボビンを複数方向から撮影する。上記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かは、複数方向から撮影された複数の上記判定用ボビン画像に基づいて、判定される。
これにより、ボビンの周方向の広い範囲の撮影結果に基づいて判定するため、検出精度を高くすることができる。
本開示の一例では、上記撮影装置は、上記ボビンホルダの軸方向を回転中心として上記ボビンが回転している状態で上記ボビンを複数回撮影して複数の上記判定用ボビン画像を生成する。上記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かは、複数の上記判定用ボビン画像に基づいて、判定される。
これにより、ボビンの周方向の全体の撮影結果に基づいて判定するため、検出精度を高くすることができる。
本開示の他の例では、装着状態検出装置によって実行される装着状態検出方法が提供される。上記装着状態検出装置は、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置を備える。上記装着状態検出方法は、複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得するステップを備える。上記複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けている。上記装着状態検出方法は、さらに、上記ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで上記撮影装置から判定用ボビン画像を取得するステップと、上記判定用ボビン画像を上記推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される上記装着状態情報に基づいて、上記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定するステップとを備える。
この装着状態検出方法おいては、学習用ボビン画像と装着状態情報との関係が学習された推定モデルが用いられる。これにより、装着状態検出方法は、当該推定モデルに対して判定用ボビン画像を入力することでボビンの装着状態情報を取得することができ、ボビンの装着状態を判定することができる。
本開示の他の例では、装着状態検出装置によって実行される装着状態検出プログラムが提供される。上記装着状態検出装置は、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置を備える。上記装着状態検出プログラムは、上記装着状態検出装置に、複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得するステップを実行させる。上記複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けている。上記装着状態検出プログラムは、上記装着状態検出装置に、さらに、上記ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで上記撮影装置から判定用ボビン画像を取得するステップと、上記判定用ボビン画像を上記推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される上記装着状態情報に基づいて、上記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定するステップとを実行させる。
この装着状態検出プログラムおいては、学習用ボビン画像と装着状態情報との関係が学習された推定モデルが用いられる。これにより、装着状態検出プログラムは、当該推定モデルに対して判定用ボビン画像を入力することでボビンの装着状態情報を取得することができ、ボビンの装着状態を判定することができる。
一実施形態に係る糸巻取機の正面図を示す図である。 糸巻取機の側面図を示す図である。 糸巻取機のブロック図を示す図である。 機械学習により推定モデルを構築する方法を示す図である。 推定モデルを用いて推定データを得る方法を示す図である。 推定モデルの推定結果をボビン画像に重畳した図を示す図である。 ボビン装着状態が適切か否かを判定するためのフローチャートを示す図である。 制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 学習用データセットの一例を示す図である。 制御装置の機能構成の一例を示す図である。 学習部による学習処理を概念的に示す図である。 判定部による装着状態判定処理を概念的に示す図である。 第2変形例における装着状態判定システムの装置構成を示す図である。 第3変形例における学習用データセットの一例を示す図である。 第3変形例における学習部による学習処理を概念的に示す図である。 第3変形例における判定部による装着異常の判定処理を概念的に示す図である。 第4変形例における糸巻取機の側面図を示す図である。 第5変形例における糸巻取機の側面図を示す図である。 第6変形例における糸巻取機の側面図を示す図である。 第7変形例における糸巻取機の正面図を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<A.概要>
まず、実施の形態に従う装着状態検出装置の概要について説明する。
装着状態検出装置は、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影することで撮影装置から得られるボビン画像に基づいて、当該ボビンが正常に装着されたか否かを判定する。このような判定機能を実現するために、まず、装着状態検出装置は、複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得する。
複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けている。ここでいう「装着状態情報」とは、ボビンホルダに対するボビンの装着状態を直接的または間接的に特定することが可能な情報を意味する。異なる言い方をすれば、装着状態情報は、ボビンホルダに対するボビンの装着状態と相関する情報である。装着状態情報の具体例については後述する。
装着状態検出装置は、ボビンホルダに装着されたボビンを撮影装置に撮影させることで当該撮影装置から判定用ボビン画像を取得し、当該判定用ボビン画像を上記推定モデルに入力する。次に、装着状態検出装置は、当該推定モデルから出力される装着状態情報に基づいて、ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定する。これにより、装着状態検出装置は、ボビンホルダに対するボビンの装着状態を正確に判定することができる。
<B.糸巻取機1>
次に、図面を参照して本開示の実施形態についてさらに詳細に説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る糸巻取機1の正面図である。図2は、糸巻取機1の側面図である。図3は、糸巻取機1のブロック図である。以下の説明では、糸の走行方向の上流又は下流を単に上流又は下流と称することがある。
図1に示す糸巻取機1の上流には、図略の紡糸機が配置されている。紡糸機は、糸93を製造して糸巻取機1に供給する。糸巻取機1は、糸93をボビン91に巻き取ってパッケージ94を製造する。
ボビン91は、円筒状の部材である。図2に示すように、ボビン91にはスリット91aが形成されている。スリット91aは、ボビン91の表面に周方向に沿って形成された溝である。スリット91aは全周にわたって形成されていてもよいし、周方向の一部のみに形成されていてもよい。スリット91aはボビン91の軸方向の片側に寄った位置に形成されている。言い換えれば、スリット91aは軸方向の中央に対して非対称な形状であるため、ボビン91を正しい装着向きで配置する必要がある。
図1に示すように、上側の巻取位置にあるボビン91には、糸93が巻き取られて糸層が形成されパッケージ94が形成されている。一方、下側の待機位置にあるボビン91には、糸93が巻き取られていない。糸93の対象は、例えばナイロン又はポリエステル等の合繊糸である。また、糸93の対象には、スパンデックス等の弾性糸も含まれる。
また、図2に示すように、本実施形態では、紡糸機から糸巻取機1には、糸送りローラ100から、第1ボビンホルダ41(第2ボビンホルダ42)の軸方向に並ぶ複数の糸93が供給される。また、ボビン91は、第1ボビンホルダ41(第2ボビンホルダ42)の軸方向に並べて複数設けられている。糸巻取機1は、複数の糸93をそれぞれボビン91に巻き取って、複数のパッケージ94を製造する。以下では、第1ボビンホルダ41(第2ボビンホルダ42)の軸方向のうち、後述のターレット板40側を第2側と称し、その反対側を第1側と称する。ボビン91を正しい装着向きで配置した場合、スリット91aが第1側に位置する。
以下、糸巻取機1の詳細について説明する。図1に示すように、糸巻取機1は、フレーム11と、第1ハウジング20と、第2ハウジング30と、ターレット板(ボビンホルダ移動機構)40と、を備える。
フレーム11は、糸巻取機1が備える各部を保持する部材である。フレーム11には、第1ハウジング20及び第2ハウジング30が取り付けられている。第1ハウジング20及び第2ハウジング30は、フレーム11に対して昇降可能である。
第1ハウジング20には、トラバース装置21が取り付けられている。トラバース装置21は、後述するトラバースガイド23が糸93と係合した状態で後述する第1ボビンホルダ41の軸方向に沿って、パッケージ94の巻幅に往復動することにより、下流側に送られる糸93をトラバースさせる。この糸93のトラバース動作によりボビン91又はパッケージ94に糸層が形成される。図3に示すように、トラバース装置21は、トラバースカム22と、トラバースガイド23と、を備える。
トラバースカム22は、ボビン91又はパッケージ94と平行に配置されたローラ状の部材である。トラバースカム22の外周面には、螺旋状のカム溝が形成されている。トラバースカム22は、トラバースモータ51により回転駆動される。
トラバースモータ51は、後述する制御装置50によって制御される。トラバースガイド23は、糸93と係合する部分である。トラバースガイド23の先端は例えば略U字状のガイド部を有しており、糸93を巻幅方向で挟み込むようにして、糸93と係合する。トラバースガイド23の基端はトラバースカム22のカム溝に位置している。この構成により、トラバースカム22を回転駆動することで、トラバースガイド23を巻幅方向に往復動させることができる。
第2ハウジング30には、接触ローラ31が回転可能に取り付けられている。接触ローラ31は、糸93の巻取り時にパッケージ94の糸層に所定の圧力で接触しながら従動回転することにより、トラバースガイド23からの糸93をパッケージ94の糸層に送るとともにパッケージ94の糸層形状を整える。なお、モータ等の駆動部を用いて接触ローラ31を回転駆動してもよい。
第2ハウジング30には、操作パネル32が設けられている。操作パネル32は、オペレータによって操作される装置である。オペレータは、操作パネル32を操作することにより、糸巻取機1に対して指示を行う。オペレータが行う指示としては、例えば、巻取りの開始、巻取りの停止、巻取条件の変更等である。
ターレット板40は、円板形状の部材である。ターレット板40は、フレーム11に回転可能に取り付けられている。ターレット板40は、円板の中心を通る法線を回転軸として回転可能である。ターレット板40は、図3に示すターレットモータ53により回転駆動される。ターレットモータ53は、後述する制御装置50により制御される。
ターレット板40のうち、円板の中心を挟んで対向する2箇所には、それぞれ第1ボビンホルダ41と第2ボビンホルダ42が設けられている。第1ボビンホルダ41には、第1ボビンホルダ41の軸方向に並べて複数のボビン91を装着可能である。第2ボビンホルダ42には、第2ボビンホルダ42の軸方向に並べて複数のボビン91を装着可能である。ターレット板40を回転させることにより、第1ボビンホルダ41と第2ボビンホルダ42の位置を変更することができる。なお、第1ボビンホルダ41と第2ボビンホルダ42の位置を変更可能であれば、ターレット板40に代えて別の装置を用いてもよい。
第1ボビンホルダ41は、第1ボビンホルダ41の軸位置を回転中心として、ターレット板40に対して回転可能である。第1ボビンホルダ41は、図3に示す第1ボビンホルダモータ54により回転駆動される。同様に、第2ボビンホルダ42は、第2ボビンホルダ42の軸位置を回転中心として、ターレット板40に対して回転可能である。第2ボビンホルダ42は、図3に示す第2ボビンホルダモータ55により回転駆動される。第1ボビンホルダモータ54及び第2ボビンホルダモータ55は、後述する制御装置50により制御される。
以下では、第1ボビンホルダ41と第2ボビンホルダ42をまとめて、ボビンホルダ41,42と称する。図1では、ボビンホルダ41,42が上下に並んだ状態が示されている。このとき、高い方にあるボビンホルダ41,42の位置が巻取位置であり、低い方にあるボビンホルダ41,42の位置が待機位置である。糸巻取機1は、巻取位置にあるボビンホルダ41,42のボビン91に対して糸93を巻き取ってパッケージ94を製造する。
また、所定量の糸93を巻き取って、第1ボビンホルダ41のパッケージ94が満巻となった場合、ターレット板40が回転することにより、第1ボビンホルダ41と第2ボビンホルダ42の位置が切り替わる。その後、満巻となって待機位置にある第1ボビンホルダ41のパッケージ94が回収され、巻取位置にある第2ボビンホルダ42のボビン91に対して糸93が巻き取られる。パッケージ94が回収された第1ボビンホルダ41には、新たにボビン91が装着される。
制御装置50は、制御部50aと、学習部50bと、判定部50cと、記憶部50dと、を備える。具体的に説明すると、制御装置50は公知のコンピュータとして構成されており、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)等を備える。CPUは、プロセッサの一種である。SSDには、糸巻取機1を制御するためのプログラム及びデータが予め記憶されている。CPUがプログラムをRAMに読み出して実行することにより、制御装置50を、制御部50a、学習部50b、及び判定部50cとして動作させることができる。また、SSDは記憶部50dに相当する。なお、SSDに代えて、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリを用いてもよい。あるいは、制御装置50の外部に設けられ、制御装置50と通信可能なストレージを記憶部として用いてもよい。
制御部50aは、制御装置50が行う制御の全般を司る。制御部50aは、外部から制御装置50に入力されたデータ、又は、記憶部50dに記憶されているデータを処理する。制御部50aは、この処理により得られたデータを記憶部50dに記憶するか、制御装置50の外部に出力する。学習部50bは、機械学習を用いて推定モデルを構築する処理を行う。学習部50bが構築する推定モデルの詳細は後述する。判定部50cは、制御装置50に外部から入力されたデータと、学習部50bが構築して記憶部50dに記憶された推定モデルと、に基づいて、判定処理を行う。記憶部50dは、制御部50aの処理に応じてデータを記憶する。
図3には、撮影装置61及び報知部65が示されている。撮影装置61は、ボビン91を撮影してボビン画像を生成する。撮影装置61は、例えば、静止画を撮影するカメラである。ただし、撮影装置61は動画を撮影するビデオカメラであってもよい。撮影装置61がビデオカメラである場合、撮影装置61は動画から画像を生成すればよい。報知部65は、判定部50cの判定結果をオペレータに報知する。報知部65は、例えば、報知ランプ又は報知ブザーである。
図3には、装着状態検出装置10が示されている。装着状態検出装置10は、糸巻取機1のボビンホルダ41へのボビン91の装着状態を検出する。装着状態検出装置10は、制御装置50と、撮影装置61と、報知部65と、を備える。制御装置50は、装着状態検出装置10を構成する部分として、以下の処理を行う。
即ち、制御部50aは、データを学習部50b及び判定部50cに出力して、処理を行わせる。制御部50aは、学習部50b及び判定部50cが処理を行うことで得られたデータを記憶部50dに記憶させる。また、制御部50aは、撮影装置61が撮影して生成したデータ(ボビン画像)を記憶部50dに記憶させる。制御部50aは、検出された装着状態を出力するために、報知部65を制御して動作させる。なお、制御部50aの制御対象としては、更に、トラバースモータ51、ターレットモータ53、第1ボビンホルダモータ54、及び第2ボビンホルダモータ55が挙げられる。学習部50bは、記憶部50dに記憶されたボビン画像等に基づいて機械学習を行って推定モデルを構築する。判定部50cは、制御装置50に外部から入力されたデータと、学習部50bが構築して記憶部50dに記憶された推定モデルと、に基づいて、ボビン91の装着状態に関する判定処理を行う。判定部50cの判定処理により得られた判定結果は、制御部50aにより、外部に出力されたり、記憶部50dに記憶されたりする。記憶部50dは、上述したように、制御部50a、学習部50b、及び判定部50cの処理により得られたデータを記憶する。
ボビン91の装着向きについて簡単に説明する。上述したようにボビン91にはスリット91aが形成されているため、ボビン91は軸方向の第1側と第2側が対称ではない。従って、ボビン91を正しい向きでボビンホルダ41,42に装着する必要がある。具体的には、ボビン91は、スリット91aがターレット板40とは反対側に位置する向きで、ボビンホルダ41,42に取り付ける必要がある。
次に、隣接するボビン91の隙間について簡単に説明する。上述したように、本実施形態では複数のボビン91が第1ボビンホルダ41(第2ボビンホルダ42)の軸方向に並べて配置され、それぞれのボビン91で糸93が巻き取られる。そのため、トラバースガイド23及び図示しない糸ガイド等も、軸方向に並べて配置される。ここで、ボビン91の隙間が適切な範囲から外れた場合、ボビン91の位置が適切な範囲から外れる。その結果、トラバースガイド23等の位置と、ボビン91の位置と、の差異が大きくなり、糸93の巻取りを適切に行うことができない。
装着状態検出装置10は、ボビン91の装着向きと、隣接するボビン91の隙間と、のうち一方のみを検出してもよい。あるいは、装着状態検出装置10は、これら以外のボビン91の装着状態を検出してもよい。
図1及び図2に示すように、撮影装置61は、レンズがボビンホルダ41,42を向くように配置されている。本実施形態では、撮影装置61は、待機位置にあるボビン91を撮影するが、それに代えて又は加えて、巻取位置にあるボビン91を撮影してもよい。図2に示すように、1つの撮影装置61が2つのボビン91を撮影する。ただし、撮影装置61は、1つ又は3つ以上のボビン91を撮影する構成であってもよい。撮影装置61がボビン91を撮影して生成する画像をボビン画像と称する。
撮影装置61は、第2ボビンホルダ42が第2ボビンホルダモータ55により回転駆動されている間に、ボビン91を撮影して複数枚のボビン画像を生成する。上述したように、ボビン91には、周方向の一部にのみスリット91aが形成されていることがある。そのため、スリット91aが形成されている部分が撮影装置61の死角になっている状況では、スリット91aを撮影できない可能性がある。この点、第2ボビンホルダ42を回転させながらボビン91を撮影することにより、ボビン91の外周面の様々な箇所を撮影できるので、スリット91aが含まれるボビン画像をより確実に生成できる。
図4には、学習部50bが機械学習を用いて推定モデルを構築するための処理が概念的に示されている。推定モデルは、学習用データとしての、ボビン画像と、このボビン画像内のボビンの範囲とスリットの範囲を示す正解データと、を機械学習することにより構築されている。従って、この機械学習は教師あり学習である。機械学習を行う具体的な手法は任意であるが、本実施形態では、深層学習が用いられる。これにより、学習部50bは、ボビン画像と、ボビン91の範囲と、の関連性を学習し、ボビン画像からボビン91の範囲を推定するための特徴を抽出できる。同様に、学習部50bは、ボビン画像と、スリット91aの範囲と、の関連性を学習し、ボビン画像からスリット91aの範囲を推定するための特徴を抽出できる。以上により、学習部50bは、推定モデルを構築する。学習部50bが構築した推定モデルは記憶部50dに記憶される。
図5に示すように、撮影装置61が生成したボビン画像と推定モデルから、判定部50cが、ボビン画像内のボビンの範囲とスリットの範囲を示す推定データを生成する。図6には、推定モデルの推定結果が示されている。図6は、ボビン範囲81と、スリット範囲82と、をボビン画像に重畳した図である。
上述した推定モデルは一例であり、別の方法で推定モデルを構築してもよい。即ち、深層学習に代えて、ユーザがボビン91の輪郭等に関連する特徴量を指定して機械学習を行ってもよい。また、推定モデルは一例であり、例えばボビン91の向きを推定モデルとしてもよい。
記憶部50dは、ボビン91の正しい装着向きを記憶する。本実施形態では、スリット91aが第1側に位置する向きが、ボビン91の正しい装着向きである。また、記憶部50dは、隣り合うボビン91の隙間の適切な範囲である閾値範囲を記憶する。閾値範囲は、予め実験的又は経験的に求められている。
判定部50cは、ボビン91の装着状態が適切か否かを判定する。詳細には、判定部50cは、推定モデルによるボビン範囲81に基づいて、ボビン範囲81の軸方向の中央の位置を示す中央仮想線81aを作成する。判定部50cは、記憶部50dにアクセスして、ボビン91の正しい装着向きを取得する。次に、判定部50cは、スリット範囲82が中央仮想線81aより軸方向の第1側にあるか第2側にあるかを判定する。判定部50cは、スリット範囲82が中央仮想線81aよりも第1側にある場合、ボビン91の装着向きが正しいと判定する。なお、判定部50cが記憶装置を有する場合、判定部50cの記憶装置にボビン91の正しい装着向きを記憶してもよい。
次に、判定部50cは、隣り合う2つのボビン範囲81を比較し、ボビン範囲81同士の隙間である長さL1を算出する。判定部50cは、記憶部50dにアクセスして、隣り合うボビン91の隙間の適切な範囲である閾値範囲を取得する。次に、判定部50cは、長さL1が閾値範囲を満たすか否かを判定する。判定部50cは、ボビン画像から算出した長さL1が閾値範囲を満たす場合は、ボビン範囲81同士の隙間が適切であると判定する。なお、図6は、判定部50cの処理を分かり易く示すための図であり、ボビン画像にボビン範囲81及びスリット範囲82を重畳させる処理を省略してもよい。なお、判定部50cが記憶装置を有する場合、判定部50cの記憶装置に閾値範囲を記憶してもよい。
次に、主に図7を参照して、装着状態検出装置10が行う処理について説明する。
制御装置50は、ボビン装着状態の検出タイミングか否かを判定する(S101)。検出タイミングは、ボビン91をボビンホルダ41,42に装着する作業の開始後であって、かつ、糸巻取機1による糸93の巻取りの開始前である。制御装置50は、センサの検出値により検出タイミングか否かを判定してもよいし、オペレータの指示があった場合に検出タイミングであると判定してもよい。
制御装置50の制御部50aは、検出タイミングと判定した場合、撮影装置61にボビン91の撮影を指示する(S102)。次に、制御装置50の判定部50cは、撮影装置61が生成したボビン画像と、記憶部50dに記憶された推定モデルと、を用いて、上述したように、ボビン画像のボビン91の範囲と、スリット91aの範囲と、を推定する(S103)。
次に、制御装置50の判定部50cは、判定部50cの推定結果に基づいて、上述したように、ボビン91の装着状態が適切か否かを判定する(S104)。制御装置50の制御部50aは、ボビン91の装着状態が適切と判定した場合、再びステップS101の処理に戻る。制御装置50の制御部50aは、ボビン91の装着状態が適切でないと判定した場合、報知部65を制御して、オペレータに異常を報知する(S105)。
以上の処理を繰返し行うことにより、装着状態検出装置10は、ボビン91の装着状態が適切か否かを検出できる。特に、機械学習により構築した推定モデルを用いて検出を行うことにより、検出精度を高くすることができる。
<C.制御装置50のハードウェア構成>
次に、図8を参照して、図3に示される制御装置50のハードウェア構成について説明する。図8は、制御装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。
制御装置50は、上述の記憶部50d(図3参照)と、プロセッサ101と、通信インターフェイス104と、表示インターフェイス105と、入力インターフェイス107とを含む。これらのコンポーネントは、バス115に接続される。記憶部50dとしては、ROM(Read Only Memory)102、RAM103と、および補助記憶装置120などが挙げられる。
プロセッサ101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
プロセッサ101は、各種プログラムを実行することで制御装置50の動作を制御する。プロセッサ101は、各種プログラムの実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置120またはROM102からRAM103に実行対象のプログラムを読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、プログラムの実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス104には、LAN(Local Area Network)やアンテナなどが接続される。制御装置50は、通信インターフェイス104を介して、外部機器との間でデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、サーバーなどを含む。
表示インターフェイス105には、表示デバイス106が接続される。表示インターフェイス105は、プロセッサ101などからの指令に従って、表示デバイス106に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。表示デバイス106は、たとえば、液晶表示ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他のディスプレイである。なお、表示デバイス106は、制御装置50と一体的に構成されてもよいし、制御装置50とは別に構成されてもよい。
入力インターフェイス107には、入力デバイス108が接続される。入力デバイス108は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの操作を受け付けることが可能なその他の装置である。なお、入力デバイス108は、制御装置50と一体的に構成されてもよいし、制御装置50とは別に構成されてもよい。
補助記憶装置120は、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリ、およびSSDなどの記憶媒体である。補助記憶装置120は、たとえば、学習用データセット122と、上述の推定モデル124と、学習プログラム126と、装着状態検出プログラム128とを格納する。これらの格納場所は、補助記憶装置120に限定されず、プロセッサ101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
学習プログラム126は、学習用データセット122を用いて推定モデル124を生成するためのプログラムである。学習プログラム126は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、学習プログラム126による学習処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う学習プログラム126の趣旨を逸脱するものではない。さらに、学習プログラム126によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが学習プログラム126の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で制御装置50が構成されてもよい。
装着状態検出プログラム128は、学習済みの推定モデル124を用いて、糸巻取機1のボビンホルダ41,42に対するボビン91の装着状態を判定するためのプログラムである。装着状態検出プログラム128は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、装着状態検出プログラム128による判定処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う装着状態検出プログラム128の趣旨を逸脱するものではない。さらに、装着状態検出プログラム128によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが装着状態検出プログラム128の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で制御装置50が構成されてもよい。
<D.学習用データセット122>
次に、図9を参照して、図8に示される学習用データセット122について説明する。図9は、学習用データセット122の一例を示す図である。
学習用データセット122は、複数の学習用データ123を含む。学習用データセット122に含まれる学習用データ123の数は、任意である。一例として、学習用データ123の数は、数十~数十万である。
学習用データ123の各々は、ボビン91を写す学習用ボビン画像に対して、ボビン91の装着状態を表わす装着状態情報をラベル(正解値)として関連付けている。図9には、装着状態情報の一例として、分類情報と範囲情報との組み合わせが示されている。分類情報および範囲情報の組み合わせは、1つの学習用ボビン画像に対して1つ以上関連付けられる。
分類情報は、ボビン画像内に写る物体の種別を規定する情報である。分類情報は、たとえば、物体の種別を一意に示す識別情報で示される。当該識別情報は、物体ごとに予め規定されている。一例として、識別情報「1」は物体種別「ボビン」を示し、識別情報「2」は物体種別「スリット」を示す。
範囲情報は、ボビン画像内における物体の範囲を座標情報で規定する情報である。当該座標情報は、たとえば、物体の中心座標と、物体の横幅と、物体の縦幅とで規定される。
<E.制御装置50の機能構成>
次に、図10~図12を参照して、制御装置50の機能構成について説明する。図10は、制御装置50の機能構成の一例を示す図である。
図10に示されるように、制御装置50は、機能構成として、学習部50bと、判定部50cとを含む。以下では、これらの機能構成について順に説明する。
(E1.学習部50b)
まず、図11を参照して、図10に示される学習部50bの機能について説明する。図11は、学習部50bによる学習処理を概念的に示す図である。
学習部50bは、上述の学習用データセット122(図9参照)を用いて学習処理を実行し、ボビン画像内に写る物体の種別と、ボビン画像内に写る物体の範囲とを出力する推定モデル124を生成する。物体種別および物体範囲の検出を実現にするための機械学習アルゴリズムは、特に限定されない。当該機械学習アルゴリズムとしては、R-CNN(Regions with Convolutional Neural Network)、Fast R-CNN、Faster R-CNN、SSD(Single Shot MultiBox Detector)、YOLO(You Only Look Once)などが挙げられる。以下では、機械学習アルゴリズムの一例について説明する。
推定モデル124は、学習用データ123に規定されている学習用ボビン画像の入力を受けるように構成される。学習用ボビン画像は、予め定められた設定に応じた複数の領域に分割されている。以下では、ボビン画像内における分割された各領域を「グリッドセル」とも称する。図11の例では、学習用ボビン画像は、35個(=7×5)のグリッドセルに分割されている。
推定モデル124は、たとえば、分類モデル125Aと、範囲予測モデル125Bとで構成される。分類モデル125Aおよび範囲予測モデル125Bは、それぞれ別のネットワーク構造を有していてもよいし、一部のネットワーク構造を共有するように構成されてもよい。
分類モデル125Aは、学習用ボビン画像の入力を受けて、当該学習用ボビン画像に含まれている物体の種別を推定結果として出力する。推定結果として出力される分類情報の数は、分類対象物の数と、学習用ボビン画像内のグリッドセルの数とに比例する。一例として、分類対象物の数がボビンおよびスリットの2個であり、グリッドセルの数が35個(=7×5)である場合、分類モデル125Aは、70個(=2×35)のスコアを分類情報として出力する。
範囲予測モデル125Bは、学習用ボビン画像の入力を受けて、当該学習用ボビン画像に含まれている物体の範囲情報を推定結果として出力する。当該範囲情報は、物体の中心座標を示す「cx」,「cy」と、物体の横幅を示す「w」と、物体の縦幅を示す「h」との組み合わせで規定される。推定結果として出力される範囲情報の数は、学習用ボビン画像内のグリッドセルの数に比例する。一例として、学習用ボビン画像が35個(=7×5)のグリッドセルに分割されている場合、範囲予測モデル125Bは、35個の範囲情報を出力する。
なお、採用される機械学習アルゴリズムによっては、各グリッドセルに対して1つ以上のバウンディングボックスが設定され得る。バウンディングボックスとは、ボビン画像中に写る各物体のおおよその範囲を示す矩形の枠を意味する。この場合、分類モデル125Aが出力する分類情報の数は、分類対象物の数と、学習用ボビン画像内のグリッドセルの数とに比例するだけでなく、設定されるバウンディングボックスの数にも比例する。また、範囲予測モデル125Bが出力する範囲情報の数は、グリッドセルの数に比例するだけでなく、設定されるバウンディングボックスの数にも比例する。
次に、学習部50bによる推定モデル124の内部パラメータの更新処理について説明する。
学習部50bは、学習用データ123に規定されている学習用ボビン画像を推定モデル124に入力する。これにより、学習部50bは、推定モデル124の推定結果として、分類情報および範囲情報を取得する。その後、学習部50bは、学習用データ123に規定されている正解値としての装着状態情報を参照して、当該装着状態情報と推定モデル124の推定結果との誤差を算出する。次に、学習部50bは、当該誤差が小さくなるように、推定モデル124の内部パラメータ(たとえば、重みやバイアス)を更新する。内部パラメータの更新は、たとえば、誤差逆伝播法により実現される。
学習部50bは、推定モデル124の内部パラメータの更新処理を、学習用データセット122に含まれる各学習用データ123について繰り返し行う。推定モデル124Aは、学習が進むにつれて正確な推定結果を出力するようになる。以上の学習処理により、推定モデル124は、ボビン画像の入力を受けて、分類対象物が写っている可能性を示すスコアと、分類対象物の座標情報を示す範囲情報とをグリッドセル別に出力するようになる。
なお、学習部50bは、学習用データセット122に含まれる全ての学習用データ123を学習処理に用いる必要はなく、学習用データセット122に含まれる一部の学習用データ123を用いて推定モデル124を生成してもよい。残りの学習用データ123は、たとえば、推定モデル124の評価などに用いられる。
(E2.判定部50c)
次に、図12を参照して、図10に示される判定部50cの機能について説明する。図12は、判定部50cによる装着状態判定処理を概念的に示す図である。
まず、判定部50cは、学習部50bによって生成された推定モデル124を格納先から取得する。推定モデル124の取得先は、上述の記憶部50dであってもよいし、外部機器であってもよい。
次に、判定部50cは、ボビンホルダ41,42に装着されたボビン91を撮影することで撮影装置61から判定用ボビン画像を取得する。判定用ボビン画像とは、ボビンホルダ41,42に対してボビン91が正常に装着されているか否かを判定するために用いられる画像である。判定部50cは、取得した判定用ボビン画像を推定モデル124に入力し、推定モデル124から出力される装着状態情報を取得する。その後、判定部50cは、当該装着状態情報に基づいて、ボビンホルダ41,42に対してボビン91が正常に装着されているか否かを判定する。図12の例では、推定モデル124から出力される装着状態情報として、上述の分類情報と、上述の範囲情報とが示されている。
判定部50cは、推定モデル124から出力される分類情報と範囲情報とを統合し、推定用画像内における分類対象物の有無と、当該物体の範囲情報とを検出する。より具体的には、分類対象物がボビン91およびスリット91aの2種類である場合、分類情報には、ボビン91が存在する可能性を示すスコアと、スリット91aが存在する可能性を示すスコアとが、グリッドセル別に規定されている。判定部50cは、ボビン91に関するスコアが所定値を超えているグリッドセルについてはボビン91が写っていると判定する。また、判定部50cは、スリット91aに関するスコアが所定値を超えているグリッドセルについてはスリット91aが写っていると判定する。その後、判定部50cは、それらのグリッドセルに対応する範囲情報を参照して、判定用ボビン画像内におけるボビン91の範囲を示すボビン範囲と、判定用ボビン画像内におけるスリット91aの範囲を示すスリット範囲とを特定する。
判定部50cは、特定したボビン範囲およびスリット範囲に基づいて、ボビン91の様々な装着異常を検出する。
一例として、判定部50cは、ボビンホルダ41,42に対するボビン91の装着向きが正常であるか否かを判定する。ボビン91の装着向きが正常であるか否かは、たとえば、当該ボビン範囲と当該スリット範囲との位置関係に基づいて判定される。より具体的には、判定部50cは、当該ボビン範囲を基準とした当該スリット範囲の相対的な位置が上述の第1側(図6参照)に近いか、上述の第2側(図6参照)に近いかを判定する。ボビン91に対するスリット91aの位置が第1側にある場合、判定部50cは、ボビン91の装着向きが正常であると判定する。一方で、ボビン91に対するスリット91aの位置が第2側にある場合、判定部50cは、ボビン91の装着向きが異常であると判定する。
他の例として、判定部50cは、判定用ボビン画像に含まれている各ボビン91の間隔が正常であるか否かを判定する。当該間隔が正常であるか否かは、たとえば、判定用ボビン画像内における各ボビン範囲の内の隣り合うボビン範囲の位置関係に基づいて判定される。より具体的には、判定部50cは、隣り合うボビン範囲の間の距離を算出し、当該距離に基づいて、隣り合うボビン91の間隔である上述の長さL1(図6参照)を算出する。当該長さL1が予め定められた閾値範囲に含まれている場合、判定部50cは、隣り合うボビン91の間隔が正常であると判定する。一方で、当該長さL1が予め定められた閾値範囲に含まれていない場合には、判定部50cは、隣り合うボビン91の間隔が異常であると判定する。
なお、判定部50cによる判定結果の出力態様は、特に限定されない。一例として、判定部50cは、発生している装着異常の種別を含む警告を出力する。当該警告は、たとえば、上述の表示デバイス106においてメッセージとして表示されてもよいし、音声で出力されてもよいし、ログとして記憶部50dに記憶されてもよい。
<F.第1変形例>
次に、図13を参照して、上記実施形態の第1変形例について説明する。なお、以後の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
上述の図11の例では、学習部50bおよび判定部50cが同一の糸巻取機1に実装されていた。しかしながら、学習部50bおよび判定部50cは、必ずしも同一の糸巻取機1に実装される必要はない。一例として、学習部50bは、異なる装置に実装されてもよい。
図13は、本変形例における装着状態判定システム500の装置構成の一例を示す図である。図13に示されるように、装着状態判定システム500は、1つ以上の糸巻取機1と、1つ以上の情報処理装置200とを含む。図13の例では、装着状態判定システム500は、3つの糸巻取機1A~1Cと、1つの情報処理装置200とで構成されている。
糸巻取機1A~1Cおよび情報処理装置200は、同一のネットワークNWに接続されており、互いに通信可能に構成される。糸巻取機1および情報処理装置200は、有線で通信接続されてもよいし、無線で通信接続されてもよい。
情報処理装置200は、デスクトップ型のパソコン、ノート型のパソコン、タブレット端末、または、その他の情報処理端末である。
図13の例では、学習部50bは、情報処理装置200に実装されている。また、判定部50cは、糸巻取機1Cに実装されている。
情報処理装置200は、ネットワークNWに接続されている糸巻取機1(たとえば、糸巻取機1A,1B)から上述の学習用データ123(図9参照)を収集する。次に、情報処理装置200の学習部50bは、あらゆる糸巻取機1から収集した学習用データ123を用いて学習処理を実行し、上述の推定モデル124を生成する。学習部50bの機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
その後、情報処理装置200は、生成した推定モデル124を糸巻取機1(たとえば、糸巻取機1C)に送信する。糸巻取機1Cの判定部50cは、当該推定モデル124を用いて、糸巻取機1のボビンホルダ41,42に装着されるボビン91の装着異常を検出する。判定部50cの機能については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
<G.第2変形例>
次に、図14~図17を参照して、上記実施形態の第2変形例について説明する。
上述の装着状態検出装置10は、判定用ボビン画像内におけるボビン範囲とスリット範囲とを特定し、当該ボビン範囲と当該スリット範囲とに基づいて、ボビン91の装着異常を検出していた。これに対して、本変形例では、装着状態検出装置10は、判定用ボビン画像からボビン91の装着異常の種別を直接的に検出する。なお、装着状態検出装置10のハードウェア構成などのその他の点については上述の通りであるので、それらの説明については繰り返さない。
(G1.学習用データセット122A)
まず、図14を参照して、ボビン91の装着異常の種別を出力する推定モデルを生成するために用いられる学習用データセット122Aについて説明する。図14は、学習用データセット122Aの一例を示す図である。
学習用データセット122Aは、複数の学習用データ123Aを含む。学習用データセット122Aに含まれる学習用データ123Aの数は、任意である。一例として、学習用データ123Aの数は、数十~数十万である。
学習用データ123Aの各々は、ボビン91を写す学習用ボビン画像に対して、ボビン91の装着状態を表わす装着状態情報をラベル(正解値)として関連付けている。図14には、装着状態情報の一例として、ボビン91の装着異常の種別が示されている。
学習用データセット122Aに規定されるラベルの種類は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。図14の例では、装着異常のラベルとして、ボビン91の装着向きが異常であることを示す異常「A」と、ボビン91の間隔が異常であることを示す異常「B」とが示されている。
(G2.学習部50e)
次に、図15を参照して、上述の学習部50b(図10参照)の変形例である学習部50eについて説明する。図15は、本変形例における学習部50eによる学習処理を概念的に示す図である。
学習部50eは、上述の学習用データセット122A(図14参照)を用いて学習処理を実行し、ボビン91の装着異常を判別するための推定モデル124Aを生成する。学習処理に採用される機械学習アルゴリズムは、特に限定されず、たとえば、ディープラーニング、コンボリューションニューラルネットワーク(CNN)、全層畳み込みニューラルネットワーク(FCN)、サポートベクターマシンなどが採用され得る。以下では、ディープラーニングを用いた学習処理について説明する。
図15に示されるように、推定モデル124Aは、入力層Xと、中間層Hと、出力層Yとで構成される。
入力層Xは、学習用データ123Aのボビン画像の入力を受けるように構成される。入力層Xは、たとえば、N個のユニットx~xで構成されている(Nは自然数)。入力層Xを構成するユニット数は、入力される情報の次元数と同数である。
一例として、ボビン画像の画素数がNピクセルであり、ボビン画像の各画素がそのまま入力層Xに入力される場合、入力層Xは、N個のユニットで構成される。他の例として、ボビン画像から特徴抽出された特徴量が入力層Xに入力されてもよい。この場合、入力層Xは、そのユニット数が特徴抽出後の特徴量の次元数と同数になるように構成される。入力層Xを構成する各ユニットは、入力されたデータを中間層Hの1層目の各ユニットに出力する。
中間層Hは、1層または複数層で構成されている。図15の例では、中間層Hは、L層で構成されている(Lは自然数)。中間層Hの各層は、複数のユニットを含む。中間層Hの各層におけるユニット数は、同数であってもよいし、異なっていてもよい。図15の例では、中間層Hの1層目は、Q個のユニットhA1~hAQで構成されている(Qは自然数)。また、中間層Hの最終層は、R個のユニットhL1~hLRで構成されている(Rは自然数)。
中間層Hの各層を構成する各ユニットは、前の層の各ユニットと、次の層の各ユニットとに接続されている。各層の各ユニットは、前の層の各ユニットから出力値を受けて、各出力値に重みを乗算し、それらの乗算結果を積算し、その積算結果に対して所定のバイアスを加算(または減算)し、その加算結果(または減算結果)を所定の関数(たとえば、シグモナイト関数)に入力し、その関数の出力値を次の層の各ユニットに出力する。
出力層Yは、入力されたボビン画像に応じた推定結果を出力する。出力層Yは、たとえば、ユニットy~yで構成される。以下では、ユニットy~yをユニットyとも称する。
ユニットyの各々は、中間層Hの最終層のユニットhL1~hLRと接続されている。ユニットyの各々は、中間層Hの最終層の各ユニットからの出力値を受けて、各出力値に重みを乗算し、それらの乗算結果を積算し、その積算結果に対して所定のバイアスを加算(または減算)し、その加算結果(または減算結果)を所定の関数(たとえば、シグモナイト関数)に入力し、その関数の出力結果を出力値として出力する。
出力層Yを構成するユニット数は、学習用データ123Aに規定される装着異常の種別数に応じて決定される。一例として、装着異常「A」,「B」を検出する場合、出力層Yを構成するユニット数は、ユニットy~yの2つとなる。この場合、ユニットyは、装着異常「A」が発生している可能性を示すスコア「sa」を出力するように構成される。ユニットyは、装着異常「B」が発生している可能性を示すスコア「sb」を出力するように構成される。
なお、図15の例では、推定モデル124Aが複数のスコアを出力するように構成されているが、1つの推定モデルが1つのスコアを出力するように構成されてもよい。一例として、第1の推定モデルが異常種別「A」に係るスコア「sa」を出力するように構成され、第2の推定モデルが異常種別「B」に係るスコア「sb」を出力するように構成されてもよい。
次に、学習部50eによる推定モデル124Aの内部パラメータの更新処理について説明する。
学習部50eは、1つ目の学習用データ123Aに規定されているボビン画像を推定モデル124Aに入力する。次に、学習部50eは、推定モデル124Aから出力された推定結果「sa」,「sb」と、1つ目の学習用データ123Aに対応付けられている異常種別に応じた正解スコア「sa'」,「sb'」とを比較する。
一例として、学習用データ123Aに対応付けられている異常種別が「A」である場合には、正解スコアは、(sa',sb')=(1,0)となる。学習用データ123Aに対応付けられている異常種別が「B」である場合には、正解スコアは、(sa',sb')=(0,1)となる。
学習部50eは、推定モデル124Aの出力結果「sa」,「sb」と、正解スコア「sa'」,「sb'」との間の誤差「Z」を算出する。誤差「Z」は、たとえば、下記の式(1)に基づいて算出される。
Z={(sa-sa')+(sb-sb')}/2・・・(1)
次に、学習部50eは、誤差「Z」が小さくなるように、推定モデル124Aに含まれる各種のパラメータ(たとえば、重みやバイアス)を更新する。当該パラメータの更新は、たとえば、誤差逆伝播法により実現される。
学習部50eは、推定モデル124Aの内部パラメータの更新処理を、学習用データセット122Aに含まれる各学習用データ123Aについて繰り返し行う。その結果、推定モデル124Aは、学習が進むにつれて正確な推定結果を出力するようになる。
なお、学習部50eは、学習用データセット122Aに含まれる全ての学習用データ123Aを学習処理に用いる必要はなく、学習用データセット122Aに含まれる一部の学習用データ123Aを用いて推定モデル124Aを生成してもよい。残りの学習用データ123Aは、たとえば、推定モデル124Aの評価などに用いられる。
(G3.判定部50f)
次に、図16を参照して、上述の判定部50c(図10参照)の変形例である判定部50fの機能について説明する。図16は、本変形例に従う判定部50fによる装着異常の判定処理を概念的に示す図である。
まず、判定部50fは、学習部50eによって生成された推定モデル124Aを格納先から取得する。推定モデル124Aの取得先は、上述の記憶部50dであってもよいし、外部機器であってもよい。
次に、判定部50fは、ボビンホルダ41,42に装着されたボビン91を撮影することで撮影装置61から判定用ボビン画像を取得する。その後、判定部50fは、当該判定用ボビン画像を推定モデル124Aに入力する。これにより、推定モデル124Aは、ボビン91の装着異常が発生している可能性を示すスコアを異常種別に出力する。推定モデル124Aは、たとえば、推定結果として、装着異常「A」が発生している可能性を示すスコア「sa」と、装着異常「B」が発生している可能性を示すスコア「sb」とを出力する。
判定部50fは、スコア「sa」,「sb」に基づいて、発生している装着異常の種別を判定する。一例として、判定部50fは、スコア「sa」が第1閾値を超えている場合には、ボビン91の装着向き異常が発生していると判定する。第1閾値は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって任意に設定されてもよい。
また、判定部50fは、スコア「sb」が第2閾値を超えている場合には、ボビン91の間隔異常が発生していると判定する。第2閾値は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって任意に設定されてもよい。また、第2閾値は、上記第1閾値と同じであってもよいし、上記第1閾値と異なっていてもよい。
また、判定部50fは、スコア「sa」が第1閾値以下であり、かつスコア「sb」が第2閾値以下である場合、ボビン91がボビンホルダ41,42に正常に装着されていると判定する。
なお、判定部50fによる判定結果の出力態様は、特に限定されない。一例として、判定部50fは、発生している装着異常の種別を含む警告を出力する。当該警告は、たとえば、上述の表示デバイス106においてメッセージとして表示されてもよいし、上述の報知部65において音で出力されてもよいし、ログとして記憶部50dに記憶されてもよい。
<H.変形例4>
次に、図17を参照して、上記実施形態の第4変形例を説明する。図17は、第4変形例の糸巻取機1の側面図である。
上記実施形態では、1つの撮影装置61が2つのボビン91を撮影する。これに対し、第4変形例では、1つの撮影装置61が第2ボビンホルダ42に装着された全てのボビン91を撮影する。第4変形例の撮影装置61は広角カメラであり、広範囲を撮影可能である。また、全てのボビン91を撮影するために、ボビン91からある程度の距離を離して配置される。例えば、第4変形例の撮影装置61は、糸巻取機1から離れた位置に配置されてもよい。
<I.変形例5>
次に、図18を参照して、上記実施形態の第5変形例を説明する。図18は、第5変形例の糸巻取機1の側面図である。
上記実施形態では、撮影装置61の位置は固定されている。これに対し、第5変形例では、撮影装置61は、第2ボビンホルダ42の軸方向に沿って走行可能である。具体的には、レール62と、台車63と、が設けられている。レール62は、第2ボビンホルダ42の軸方向に沿って形成されている。台車63は、レール62に沿って走行可能である。台車63には、撮影装置61が配置されている。この構成により、撮影装置61は、第2ボビンホルダ42の軸方向に沿って走行させることができる。
撮影装置61を走行させることにより、1つの撮影装置61を用いて多数のボビン91を撮影できる。撮影装置61は、走行しながらボビン91を撮影してもよいし、走行して規定の位置で停止した後にボビン91を撮影してもよい。また、図18には、1つの台車63が表示されているが、複数の台車63を設けてもよい。
<J.変形例6>
次に、図19を参照して、上記実施形態の第6変形例を説明する。図19は、第6変形例の糸巻取機1の側面図である。
上記実施形態では、装着状態検出装置10は、第2ボビンホルダ42に全てのボビン91が装着された状態で、ボビン91の装着状態が適切か否かを検出する。これに対し、第6変形例では、第2ボビンホルダ42にボビン91を挿入する作業を行っている間において、ボビン91の装着状態が適切か否かを検出する。
具体的には、第6変形例では、撮影装置61は第2ボビンホルダ42の挿入端の近傍に配置されている。挿入端とは、第2ボビンホルダ42を挿入する側の端部であり、言い換えれば、ターレット板40とは反対側の端部である。挿入端から挿入されたボビン91はスライド移動され、その後に次のボビン91が挿入される。
撮影装置61は、挿入端に挿入されるボビン91を撮影可能な位置に配置されている。撮影装置61は、ボビン91の挿入時において、当該ボビン91を撮影する。第2ボビンホルダ42に挿入される全てのボビン91は、少なくとも挿入時には挿入端を通る。また、ボビン91の挿入後に装着向きが変わることはない。従って、挿入時にボビン91を撮影して、上記実施形態の方法で判定することにより、全てのボビン91の挿入向きが適切か否かを検出できる。
第4変形例から第6変形例では、撮影装置61の個数を削減できるので、上記実施形態と比較して、低コストかつ省スペースを実現できる可能性がある。
<K.変形例7>
次に、図20を参照して、上記実施形態の第7変形例を説明する。図20は、第7変形例の糸巻取機1の正面図である。
上記実施形態では、装着状態検出装置10は、ボビン91を1方向から撮影してボビン画像を生成する。これに代えて、第7変形例では、ボビン91を2方向から撮影してボビン画像を生成する。そのため、第7変形例では、ボビン91に対して異なる方向に撮影装置61がそれぞれ配置されている。
第7変形例では、ボビン91の外周面の様々な箇所のボビン画像を作成できるので、ボビン91の装着状態をより精度良く検出できる。特に、ボビン91の全周にスリット91aが形成されていない場合であっても、スリット91aを精度良く検出できる。
第7変形例は、上記実施形態、第4変形例から第6変形例の何れにも適用可能である。また、撮影装置61を移動させることにより、ボビン91を2方向から撮影してもよい。
以上に説明したように、上記実施形態及び変形例の装着状態検出装置10は、ボビンホルダ41,42へのボビン91の装着状態を検出する。装着状態検出装置10は、撮影装置61と、学習部50bと、記憶部50dと、判定部50cと、を備える。撮影装置61は、ボビン91を含む範囲を撮影してボビン画像を生成する。学習部50bは、ボビン画像と、当該ボビン画像におけるボビン91の範囲と、を学習用データとして機械学習を行うことにより推定モデルを構築する。記憶部50dは、学習部50bが構築した推定モデルを記憶する。判定部50cは、撮影装置61が生成したボビン画像と記憶部50dが記憶する推定モデルに基づいて、ボビン91の範囲を生成し、ボビン91の範囲に基づいてボビン91の装着状態を判定する。
機械学習を用いることにより、ボビン91の装着状態に関する僅かな特徴及び傾向を考慮できるため、ボビン91が適切に装着されているか否かを精度良く判定できる。
上記実施形態及び変形例の装着状態検出装置10において、ボビン91にはスリット91aが形成されている。記憶部50dは、ボビン91の正しい装着向きを記憶する。学習部50bは、ボビン画像と、当該ボビン画像におけるボビン91の範囲及びスリット91aの範囲と、を学習用データとして機械学習を行うことにより推定モデルを構築する。判定部50cがボビン画像と記憶部50dが記憶する推定モデルに基づいて、ボビン91の範囲とスリット91aの範囲が生成される。判定部50cは、当該ボビン91の範囲及び当該スリット91aの範囲と、記憶部50dが記憶するボビン91の正しい装着向きと、に基づいて、ボビン91の装着向きが正しいか否かを判定する。
機械学習を用いることにより、スリット91aとそれ以外の類似物を精度良く区別できるため、ボビン91の装着向きを精度良く判定できる。
上記実施形態及び変形例の装着状態検出装置10において、ボビン91はボビンホルダ41,42に並べて複数配置される。記憶部50dは隣り合うボビン91の隙間の適切な範囲を記憶する。判定部50cは、当該判定部50cが生成した複数のボビン91の範囲と記憶部50dが記憶する隣り合うボビン91の隙間の適切な範囲に基づいて、隣り合うボビン91の隙間が適切な範囲であるか否かを判定する。
機械学習を用いることにより、隣り合うボビン91の隙間とそれ以外の類似物を精度良く区別できるため、ボビン91の隙間が適切な範囲であるか否かを精度良く判定できる。
上記実施形態及び変形例の装着状態検出装置10において、ボビン91の装着状態が異常と判定部50cが判定した場合に報知する報知部65を備える。
これにより、ボビンの装着状態の異常をオペレータに知らせることができる。
上記実施形態及び変形例の装着状態検出装置10において、撮影装置61は、ボビン91をボビンホルダ41,42に装着する作業の開始後であって、かつ、糸巻取機1による糸93の巻取りの開始前に、ボビン91を含む範囲を撮影する。
これにより、ボビンの装着ミスに伴う不具合が発生する前に、ボビンの装着状態を判定できる。
上記実施形態の装着状態検出装置10において、ボビン91はボビンホルダ41,42に並べて複数配置される。第2ボビンホルダ42の軸方向に沿って、複数の撮影装置61が配置されている。撮影装置61は、1又は複数のボビン91を含むボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダ41,42に複数のボビン91が並べて配置される場合においても、複数の撮影装置を用いることにより、これらのボビン91の装着状態を精度良く検出できる。
第4変形例の装着状態検出装置10において、ボビン91はボビンホルダ41,42に並べて複数配置される。1つの撮影装置61が、全てのボビン91を含むボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダ41,42に複数のボビン91が並べて配置される場合においても、複数のボビン91をまとめて撮影できるような広角の撮影装置61を用いることにより、撮影装置61の個数を抑えつつ、これらのボビン91の装着状態を精度良く検出できる。
第5変形例の装着状態検出装置10において、ボビン91はボビンホルダ41,42に並べて複数配置される。撮影装置61は、第2ボビンホルダ42の軸方向に沿って走行可能である。撮影装置61は、ボビン91を含むボビン画像を生成した後に走行して、別のボビン91を含むボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダ41,42に複数のボビン91が並べて配置される場合においても、第2ボビンホルダ42の軸方向に沿って撮影装置61を走行させることにより、撮影装置61の個数を抑えつつ、これらのボビン91の装着状態を精度良く検出できる。
第6変形例の装着状態検出装置10において、ボビンホルダ41,42の挿入端からボビン91が挿入されてボビン91がスライド移動されることで、ボビン91が並べて複数配置される。撮影装置61は、挿入端から挿入されるボビン91を順次撮影することにより、全てのボビン91についてのボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダ41,42に複数のボビン91が並べて配置される場合においても、ボビン91の挿入時に当該ボビン91を順次撮影することにより、撮影装置61の個数を抑えつつ、これらのボビン91の装着状態を精度良く検出できる。
第7変形例の装着状態検出装置10は、撮影装置61を複数備える。撮影装置61は、ボビン91を複数方向から撮影する。判定部50cは、複数方向から撮影された複数のボビン画像に基づいて、ボビン91の装着状態を判定する。
これにより、ボビン91の周方向の広い範囲の撮影結果に基づいて判定するため、検出精度を高くすることができる。
本実施形態の装着状態検出装置10において、撮影装置61は、ボビンホルダ41,42の軸方向を回転中心としてボビン91が回転している状態でボビン91を複数回撮影して複数の撮影装置61を生成する。判定部50cは、1つのボビン91について複数のボビン画像に基づいて、ボビン91の装着状態を判定する。
これにより、ボビン91の周方向の全体の撮影結果に基づいて判定するため、検出精度を高くすることができる。
以上に本開示の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態で示したフローチャートは一例であり、一部の処理を省略したり、一部の処理の内容を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。
上記実施形態のトラバース装置21はカムドラム式であるが、トラバースガイド23を巻幅方向に往復動させることが可能であれば異なる構成であってもよい。例えば、トラバース装置21に代えて、ベルト式のトラバース装置を用いることもできる。
<L.付記>
以上のように、本実施形態は以下のような開示を含む。
本開示の観点によれば、以下の構成の装着状態検出装置が提供される。即ち、装着状態検出装置は、糸巻取機のボビンホルダへのボビンの装着状態を検出する。装着状態検出装置は、撮影装置と、学習部と、記憶部と、判定部と、を備える。前記撮影装置は、前記ボビンを含む範囲を撮影してボビン画像を生成する。前記学習部は、前記ボビン画像と、当該ボビン画像における前記ボビンの範囲と、を学習用データとして機械学習を行うことにより推定モデルを構築する。前記記憶部は、前記学習部が構築した前記推定モデルを記憶する。前記判定部は、前記撮影装置が生成した前記ボビン画像と前記記憶部が記憶する前記推定モデルに基づいて、前記ボビンの範囲を生成し、ボビンの範囲に基づいて前記ボビンの装着状態を判定する。
機械学習を用いることにより、ボビンの装着状態に関する僅かな特徴及び傾向を考慮できるため、ボビンが適切に装着されているか否かを精度良く判定できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビンにはスリットが形成されている。前記記憶部は、前記ボビンの正しい装着向きを記憶する。前記学習部は、前記ボビン画像と、当該ボビン画像における前記ボビンの範囲及び前記スリットの範囲と、を学習用データとして機械学習を行うことにより推定モデルを構築する。前記判定部が前記ボビン画像と前記記憶部が記憶する前記推定モデルに基づいて、前記ボビンの範囲と前記スリットの範囲が生成される。前記判定部は、当該ボビンの範囲及び当該スリットの範囲と、前記記憶部が記憶する前記ボビンの正しい装着向きと、に基づいて、前記ボビンの装着向きが正しいか否かを判定する。
機械学習を用いることにより、スリットとそれ以外の類似物を精度良く区別できるため、ボビンの装着向きを精度良く判定できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビンは前記ボビンホルダに並べて複数配置される。前記記憶部は、隣り合う前記ボビンの隙間の適切な範囲を記憶する。前記判定部は、当該判定部が生成した複数の前記ボビンの範囲と前記記憶部が記憶する隣り合う前記ボビンの隙間の適切な範囲に基づいて、隣り合う前記ボビンの隙間が適切な範囲であるか否かを判定することが好ましい。
機械学習を用いることにより、隣り合うボビンの隙間とそれ以外の類似物を精度良く区別できるため、ボビンの隙間が適切な範囲であるか否かを精度良く判定できる。
前記の装着状態検出装置においては、前記ボビンの装着状態が異常と前記判定部が判定した場合に報知する報知部を備えることが好ましい。
これにより、ボビンの装着状態の異常をオペレータに知らせることができる。
前記の装着状態検出装置においては、前記撮影装置は、前記ボビンを前記ボビンホルダに装着する作業の開始後であって、かつ、前記糸巻取機による糸の巻取りの開始前に、前記ボビンを含む範囲を撮影することが好ましい。
これにより、ボビンの装着ミスに伴う不具合が発生する前に、ボビンの装着状態を判定できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビンは前記ボビンホルダに並べて複数配置される。前記ボビンホルダの軸方向に沿って、複数の前記撮影装置が配置されている。前記撮影装置は、1又は複数の前記ボビンを含む前記ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、複数の撮影装置を用いることにより、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビンは前記ボビンホルダに並べて複数配置される。1つの前記撮影装置が、全ての前記ボビンを含む前記ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、複数のボビンをまとめて撮影できるような広角の撮影装置を用いることにより、撮影装置の個数を抑えつつ、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビンは前記ボビンホルダに並べて複数配置される。前記撮影装置は、前記ボビンホルダの軸方向に沿って走行可能である。前記撮影装置は、前記ボビンを含む前記ボビン画像を生成した後に走行して、別の前記ボビンを含む前記ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、ボビンホルダの軸方向に沿って撮影装置を走行させることにより、撮影装置の個数を抑えつつ、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ボビンホルダの挿入端から前記ボビンが挿入されて前記ボビンがスライド移動されることで、前記ボビンが並べて複数配置される。前記撮影装置は、前記挿入端から挿入される前記ボビンを順次撮影することにより、全ての前記ボビンについての前記ボビン画像を生成する。
これにより、ボビンホルダに複数のボビンが並べて配置される場合においても、ボビンの挿入時に当該ボビンを順次撮影することにより、撮影装置の個数を抑えつつ、これらのボビンの装着状態を精度良く検出できる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、装着状態検出装置は、前記撮影装置を複数備える。前記撮影装置は、前記ボビンを複数方向から撮影する。前記判定部は、複数方向から撮影された複数の前記ボビン画像に基づいて、前記ボビンの装着状態を判定する。
これにより、ボビンの周方向の広い範囲の撮影結果に基づいて判定するため、検出精度を高くすることができる。
前記の装着状態検出装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記撮影装置は、前記ボビンホルダの軸方向を回転中心として前記ボビンが回転している状態で前記ボビンを複数回撮影して複数の前記ボビン画像を生成する。前記判定部は、1つの前記ボビンについて複数の前記ボビン画像に基づいて、前記ボビンの装着状態を判定する。
これにより、ボビンの周方向の全体の撮影結果に基づいて判定するため、検出精度を高くすることができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 糸巻取機
10 装着状態検出装置
50 制御装置
50a 制御部
50b 学習部
50c 判定部
61 撮影装置
65 報知部
124 推定モデル
学習部50bは、推定モデル124の内部パラメータの更新処理を、学習用データセット122に含まれる各学習用データ123について繰り返し行う。推定モデル124は、学習が進むにつれて正確な推定結果を出力するようになる。以上の学習処理により、推定モデル124は、ボビン画像の入力を受けて、分類対象物が写っている可能性を示すスコアと、分類対象物の座標情報を示す範囲情報とをグリッドセル別に出力するようになる。
本実施形態の装着状態検出装置10において、撮影装置61は、ボビンホルダ41,42の軸方向を回転中心としてボビン91が回転している状態でボビン91を複数回撮影して複数のボビン画像を生成する。判定部50cは、1つのボビン91について複数のボビン画像に基づいて、ボビン91の装着状態を判定する。

Claims (15)

  1. 制御装置と、
    糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置とを備え、
    前記制御装置は、
    複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得する処理を実行し、前記複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けており、
    前記制御装置は、さらに、
    前記ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで前記撮影装置から判定用ボビン画像を取得する処理と、
    前記判定用ボビン画像を前記推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される前記装着状態情報に基づいて、前記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定する処理とを実行する、装着状態検出装置。
  2. 前記判定する処理では、前記ボビンホルダに対するボビンの装着向きが正常であるか否かが判定される、請求項1に記載の装着状態検出装置。
  3. 前記ボビンには、スリットが形成されており、
    前記ラベルとしての前記装着状態情報は、前記学習用ボビン画像内におけるボビンの範囲を示すボビン範囲と、当該学習用ボビン画像内におけるスリットの範囲を示すスリット範囲とを含み、
    前記推定モデルは、前記判定用ボビン画像の入力を受けて、当該判定用ボビン画像内における前記ボビン範囲と、当該判定用ボビン画像内における前記スリット範囲とを装着状態情報として出力し、
    前記装着向きが正常であるか否かは、前記推定モデルから出力される前記ボビン範囲と前記スリット範囲との位置関係に基づいて判定される、請求項2に記載の装着状態検出装置。
  4. 前記ボビンホルダには、複数のボビンが並べて配置されており、
    前記判定する処理では、前記判定用ボビン画像に含まれている各ボビンの間隔が正常であるか否かが判定される、請求項1に記載の装着状態検出装置。
  5. 前記ラベルとしての前記装着状態情報は、前記学習用ボビン画像内におけるボビンの範囲を示すボビン範囲を含み、
    前記推定モデルは、前記判定用ボビン画像の入力を受けて、当該判定用ボビン画像内に含まれている各ボビンについて前記ボビン範囲を出力し、
    前記間隔が正常であるか否かは、前記推定モデルから出力される各ボビン範囲の内の隣り合うボビン範囲の位置関係に基づいて判定される、請求項4に記載の装着状態検出装置。
  6. 前記制御装置は、さらに、前記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されていないと判定された場合に、当該ボビンの装着異常を報知する処理を実行する、請求項1~5のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  7. 前記撮影装置は、前記ボビンホルダにボビンを装着する作業の開始後であって、かつ、前記糸巻取機による糸の巻取りの開始前に、当該ボビンを撮影する、請求項1~6のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  8. 前記ボビンは、前記ボビンホルダに並べて複数配置されており、
    前記ボビンホルダの軸方向に沿って、複数の前記撮影装置が配置されており、
    前記撮影装置は、1又は複数の前記ボビンを含む前記判定用ボビン画像を生成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  9. 前記ボビンは、前記ボビンホルダに並べて複数配置されており、
    1つの前記撮影装置が、全ての前記ボビンを含む前記判定用ボビン画像を生成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  10. 前記ボビンは、前記ボビンホルダに並べて複数配置されており、
    前記撮影装置は、前記ボビンホルダの軸方向に沿って走行可能に構成されており、
    前記撮影装置は、前記ボビンを含む前記判定用ボビン画像を生成した後に走行して、別の前記ボビンを含む前記判定用ボビン画像を生成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  11. 前記ボビンホルダの挿入端から前記ボビンが挿入されて前記ボビンがスライド移動されることで、前記ボビンが並べて複数配置されており、
    前記撮影装置は、前記挿入端から挿入される前記ボビンを順次撮影することにより、全ての前記ボビンについての前記判定用ボビン画像を生成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  12. 前記撮影装置を複数備え、
    前記撮影装置は、前記ボビンを複数方向から撮影し、
    前記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かは、複数方向から撮影された複数の前記判定用ボビン画像に基づいて、判定される、請求項1~7のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  13. 前記撮影装置は、前記ボビンホルダの軸方向を回転中心として前記ボビンが回転している状態で前記ボビンを複数回撮影して複数の前記判定用ボビン画像を生成し、
    前記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かは、複数の前記判定用ボビン画像に基づいて、判定される、請求項1~7のいずれか1項に記載の装着状態検出装置。
  14. 装着状態検出装置によって実行される装着状態検出方法であって、
    前記装着状態検出装置は、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置を備え、
    前記装着状態検出方法は、
    複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得するステップを備え、前記複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けており、
    前記装着状態検出方法は、さらに、
    前記ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで前記撮影装置から判定用ボビン画像を取得するステップと、
    前記判定用ボビン画像を前記推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される前記装着状態情報に基づいて、前記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定するステップとを備える、装着状態検出方法。
  15. 装着状態検出装置によって実行される装着状態検出プログラムであって、
    前記装着状態検出装置は、糸巻取機のボビンホルダに装着されるボビンを撮影可能に構成されている撮影装置を備え、
    前記装着状態検出プログラムは、前記装着状態検出装置に、
    複数の学習用データを機械学習することにより生成されている推定モデルを取得するステップを実行させ、前記複数の学習用データの各々は、ボビンを写す学習用ボビン画像に対して、当該ボビンの装着状態を表わす装着状態情報をラベルとして関連付けており、
    前記装着状態検出プログラムは、前記装着状態検出装置に、さらに、
    前記ボビンホルダに装着されたボビンを撮影することで前記撮影装置から判定用ボビン画像を取得するステップと、
    前記判定用ボビン画像を前記推定モデルに入力することで当該推定モデルから出力される前記装着状態情報に基づいて、前記ボビンホルダに対してボビンが正常に装着されているか否かを判定するステップとを実行させる、装着状態検出プログラム。
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