JP2024077819A - 風力発電設備用の異常診断システム及び異常診断方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024077819000001
【課題】風力発電設備の稼働率の低下を抑制することを可能とする風力発電装置用の異常診断システムを提供する。
【解決手段】風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差と定義すると、風力発電設備は、風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、異常診断システムは、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、風力発電設備の風向計の異常診断を行うように構成される。
【選択図】 図3

Description

本開示は、風力発電設備用の異常診断システム及び異常診断方法に関する。
特許文献1には、風力発電設備における風向計のシャフトをモータによって強制的に駆動させてシャフトの駆動に必要なトルクを検出し、トルクの検出値に基づいて風向計の着氷の有無を判定することが記載されている。
特開2014‐163265号公報
特許文献1に記載の風力発電設備では、風向計の異常を検出するため専用のモータが必要であり、風力発電設備の構成が複雑化して高コスト化を招く。
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、簡素な構成で風力発電設備の風向計の異常を診断することが可能な風力発電装置用の異常診断システム及び異常診断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備用の異常診断システムは、
風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、
前記風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差と定義すると、前記風力発電設備は、前記風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、
前記異常診断システムは、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、前記風力発電設備の風向計の異常診断を行うように構成される。
上記目的を達成するため、本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備の異常診断方法は、
前記風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差と定義すると、前記風力発電設備は、前記風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、
前記異常診断方法は、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、前記風力発電設備の風向計の異常診断を行うステップを備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、簡素な構成で風力発電設備の風向計の異常を診断することが可能な風力発電装置用の異常診断システム及び異常診断方法が提供される。
本開示の異常診断システムによる異常診断の対象である風力発電設備の構成の一例を説明するための図である。 図1に示した風力発電設備1の異常診断を行うための異常診断システム40のハードウェア構成の一例を示す図である。 図2に示した異常診断システム40の機能的な構成を説明するためのブロック図である。 図2及び図3に示した異常診断システム40による異常診断のフローの一部を示す図である。 図4に示した異常診断のフローの続きの一部を示す図である。 図5に示した異常診断のフローの続きの一部を示す図である。 風向計の回転部の固着に起因する風向追従制御の異常を説明するため図である。 平均風速と乱れ強さの閾値Itthとの関係の一例を示す図である。 風向偏差Δαを説明するための図である。 通常運転モードと荷重抑制モードの各々について風速と目標出力との関係の一例を示す図である。 通常運転モードと荷重抑制モードの各々について発電機11の出力と目標翼ピッチ角度との関係の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本開示の異常診断システム40による異常診断の対象である風力発電設備1の構成の一例を説明するための図である。
図1に示すように、風力発電設備1は、基礎等の上に立設される支柱2と、支柱2の上端に設置されるナセル3と、ナセル3の一端側に回転可能に設けられた風車ロータ4とを備える。風車ロータ4は、ロータヘッド5と、ロータヘッド5に放射状に取り付けられた複数枚の風車翼6とを含む。また、風力発電設備1は、風車翼6の各々のピッチ角度(以下、「翼ピッチ角度」と記載する。)を調節するための翼ピッチ機構12と、ナセル3のヨー角を調節するためのヨー旋回機構14とを備える。
ナセル3の内部には、風車ロータ4に増速機10を介して連結された発電機11が設置されている。風車ロータ4の回転が増速機10を介して発電機11に伝達されて発電機11を駆動することにより、発電機11から電力が出力される。
風力発電設備1は、風力発電設備1を通過する風の風速Vを計測する風速計7と、風車ロータ4の回転軸線に対して風向がなす角度である風向偏差Δαを計測する風向計8と、気温Tを計測する気温計9と、翼ピッチ角度θを計測する翼ピッチ角度センサ15と、ナセル3のヨー角αzを計測するヨー角センサ18とを備える。風速計7、風向計8及び気温計9はナセル3の外面(たとえばナセル3の上部等)に設けられている。風速計7は、例えば風杯式又は風車式の風速計であってもよい。風杯式風速計は、回転軸の周りに回転する風杯(カップ)の回転数をロータリーエンコーダ等で測定して風速を計測するものであり、風車式風速計は、回転軸の周りに回転するプロペラ状の羽根の回転数をロータリーエンコーダ等で測定して風速Vを計測するものである。風向計8は、例えば回転軸の周りに回転する矢羽根の向きの変化を電気抵抗の変化に変換するポテンショメータ式の風向計であってもよい。ヨー角センサ18は、例えば、上記所定の基準方位に対して風車ロータ4の回転軸線がなす角度をナセル3のヨー角αzとして計測する。図1に示す例示的形態では、風向計8は、ナセル3に固定されているため、図9に示すように、風向αwと、ナセル3のヨー角αzとの差分である風向偏差Δα(=αw-αz)を計測する。なお、メットマストのように風向計8が風車とは別に設けられている場合(例えば地面等に固定されている場合)には、風向計8によって計測した風向とヨー角センサ18によって計測したナセル3のヨー角との差分を求めることで風向偏差Δαを求めてもよい。
風力発電設備1の適所(例えばナセル3の内部又は支柱2の内部等)には、風力発電設備1の各種運転制御を行うための制御装置20が設けられている。制御装置20には、風速計7で計測した風速V、風向計8によって計測した風向偏差Δα、気温計9で計測した気温T、翼ピッチ角度センサ15で計測した翼ピッチ角度θ及びヨー角センサ18によって計測したナセル3のヨー角αz等の各々を示す信号が入力される。
制御装置20は、風速計7によって計測した風速V等の諸条件に基づいて翼ピッチ角度を最適と考えられる翼ピッチ角度に調節するように、翼ピッチ機構12を制御する。制御装置20は、風速計7によって計測した風速Vが予め定められたカットアウト風速を超えた場合に、翼ピッチ角度をフェザー位置に制御して風車ロータ4の回転を自動的に停止させるカットアウト制御を行う。
また、制御装置20は、風車ロータ4の向きを風向に正対させるように風向に追従させる制御である風向追従制御を実行可能に構成されている。風向追従制御とは、具体的には、風向計8によって計測した風向偏差Δαの絶対値が閾値Δαthを超えた場合に、風向偏差Δαの絶対値を減少させるように(好ましくは0にするように)ヨー旋回機構14を制御してナセル3のヨー角を調節する制御である。
制御装置20は、通信ネットワーク21を介して異常診断システム40と通信可能に構成されている。制御装置20は、風速計7で計測した風速V、風向計8によって計測した風向偏差Δα、気温計9で計測した気温T、翼ピッチ角度センサ15で計測した翼ピッチ角度θ、及びヨー角センサ18で計測したヨー角αz等の風力発電設備1で計測した各種計測データを異常診断システム40に送信する。異常診断システム40は、制御装置20から送信された各種計測データを時系列データとして保存し、後述のように風力発電設備1の異常診断に利用する。
図2は、図1に示した異常診断システム40のハードウェア構成の一例を示す図である。図3は、図2に示した異常診断システム40の機能的な構成を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、異常診断システム40は、例えばプロセッサ72、RAM(Random Access Memory)74、ROM(Read Only Memory)76、HDD (Hard Disk Drive)78、入力I/F80、及び出力I/F82及び表示器83を含み、これらがバス84を介して互いに接続されたコンピュータを用いて構成される。なお、異常診断システム40のハードウェア構成は上記に限定されず、制御回路と記憶装置との組み合わせにより構成されてもよい。また異常診断システム40は、異常診断システム40の各機能を実現するプログラムをコンピュータが実行することにより構成される。以下で説明する異常診断システム40における各部の機能は、例えばROM76に保持されるプログラムをRAM74にロードしてプロセッサ72で実行するとともに、RAM74やROM76におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。異常診断システム40を構成するハードウェアは、1つの場所に集約されていてもよいし、複数の場所に分散して設けられていてもよい。以下では、異常診断システム40が風力発電設備1から離れた場所に設けられていて風力発電設備1の異常診断を遠隔で行う場合の例を説明するが、異常診断システム40の各機能は、例えば風力発電設備1が備える制御装置20によって実現されてもよい。
図3に示すように、異常診断システム40は、計測データ取得部42、旋回データ演算部44、異常診断部46及び記憶部50を含む。以下、異常診断システム40の各部の機能について、図4~図6等を用いて説明する。
図4は、図2及び図3に示した異常診断システム40による異常診断のフローの一部を示す図である。図5は、図4に示した異常診断のフローの続きの一部を示す図である。図6は、図5に示した異常診断のフローの続きの一部を示す図である。
図4に示すように、S101において、計測データ取得部42は、風速計7で計測した風速V、風向計8によって計測した風向偏差Δα、気温計9で計測した気温T、翼ピッチ角度センサ15で計測した翼ピッチ角度θ、及びヨー角センサ18で計測したヨー角αz等の各々の時系列データを制御装置20から通信ネットワーク21を介して取得する。
S102において、旋回データ演算部44は、S101で取得したヨー角αzの時系列データに基づいて、所定期間毎(例えば1時間等の一定時間毎)にナセルのヨー旋回の旋回量Aの積算値ΣAを算出し、積算値ΣAが閾値Athを超えた回数Nをカウントする。ここで、所定期間毎に算出するナセルのヨー旋回の旋回量Aの積算値ΣAは、所定期間が例えば1時間であれば、1時間におけるナセルのヨー旋回の総旋回量(deg)であって、ナセルの各旋回動作におけるナセルを旋回させた角度の大きさ(絶対値)を1時間に亘って積算した値を意味する。また、積算値ΣAが閾値Athを超えた回数Nとは、所定期間毎にナセルのヨー旋回の旋回量Aの積算値ΣAを算出した場合における、閾値Athを超えた積算値ΣAに対応する期間の数である。
S103において、所定期間(例えば6時間等の一定時間)における積算値ΣAが閾値Athを超えた回数Nが所定回数Nthより小さい場合、すなわち積算値ΣAが閾値Athを超える頻度Nが閾値Nthより小さい場合に、S104において、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を以下に記載の状態Xと判定する。状態Xは、風力発電設備1が正常な状態にあり風向計8が正常であることを意味する。異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Xと判定した場合には、風力発電設備1を通常運転モードで運転させる。すなわち、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Xと判定した場合に、風力発電設備1を通常運転モードで運転するように制御装置20に指示するための通常運転モード指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信する。制御装置20は、通常運転モード指示信号を受信した場合に、風力発電設備1を通常運転モードで運転する。
S103において、所定期間(例えば6時間等の一定時間)における積算値ΣAが閾値Athを超えた回数Nが所定回数Nthより小さくない場合、すなわち、積算値ΣAが閾値Athを超える頻度Nが閾値Nthより小さくない場合に、S105に移行する。図5に示すように、S105において、異常診断部46は、風向追従制御を行っても風向偏差Δαが所定時間t1(例えば10分等の一定時間)以上変化しないかどうかを判定する。S105において風向追従制御を行っても風向偏差Δαが所定時間t1以上変化しないと判定した場合にはS106に移行し、S105において、風向追従制御を行うことによって風向偏差Δαが所定時間t1以内に変化したと判定した場合にはS111に移行する。
S106において、異常診断部46は、S101で取得した気温Tが閾値Tth0以下であるか否かを判定する。ここで、閾値Tth0は、水の凝固点を示す温度であり、例えば0℃又は0℃近傍の温度であってもよい。
S106において、気温Tが閾値Tth0以下であると判定された場合には、S107において、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を以下に記載の状態Aと判定する。状態Aは、風向計8が着氷した状態(風向計8が降雪により着雪した状態も含む。)を意味し、この状態では、風向計8の回転抵抗が増加しており、回転部分が固着してナセルに対して回転不能になっている可能性がある。例えば図7に示すように、風車ロータ4の回転軸線に対して風向計8の矢羽根の向きに偏差がある状態で風向計8の回転部分が固着すると、風向追従制御によってナセル3のヨー旋回動作を行ってもその偏差が減少せず、風向追従制御が延々と継続することとなる。なお、ナセル3のヨー角には、所定の基準方向を中心として時計回り及び反時計回りの各々に限界角度があるため、風向追従制御では、ナセル3のヨー角が限界角度に到達するとナセルの旋回方向を逆方向に変更することで風向追従を継続する。状態Aの場合、正確な風向を計測できない状態で風力発電設備1の運転を継続すると、風車ロータ4を風向に正対させた状態での運転(風向偏差Δαを0又は0近傍にした状態での運転)ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。
このため、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Aと判定した場合には、風向計8が着氷した状態であることを知らせるための通知を自動的に発信してもよい。異常診断部46は、当該通知を異常診断システム40の外部に発信してもよいし、例えば異常診断システム40が備える表示器83(図2参照)に表示させてもよい。また、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Aと判定した場合には、風力発電設備1の運転を自動的に停止させてもよい。すなわち、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Aと判定した場合には、風力発電設備1の運転を停止するように制御装置20に指示するための運転停止指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信してもよい。制御装置20は、運転停止指示信号を受信した場合に、風力発電設備1の運転を停止させる。制御装置20による風力発電設備1の運転を停止させる制御は、例えば翼ピッチ角度をフェザー位置に変更して発電機11の発電を停止する制御を含んでいてもよい。
S106において、気温計9によって計測した気温Tが閾値Tth0以下ではないと判定した場合には、S108において、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を以下に記載の状態Bと判定する。状態Bは、風向計8又は気温計9に故障の兆候が表れた状態を意味する。状態Bの場合、風力発電設備1の運転を継続すると、風向偏差Δαを示す信号が安定しないことによりナセル3のヨー旋回動作が継続し、ナセル3のヨー旋回を制御するためのヨー旋回機構14の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータ4を風向に正対させた運転(風向偏差Δαを0又は0近傍にした運転)ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。
このため、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Bと判定した場合には、風向計8又は気温計9に故障の兆候が表れた状態であることを知らせるための通知であって、風向計8及び気温計9のメンテナンスを推奨する通知を自動的に発信する。ここでのメンテナンスを推奨する通知とは、例えば所定期間以内(例えば1か月以内等)に風向計8及び気温計9の部品交換又は修繕を行う計画交換又は計画修繕を推奨する通知であってもよい。また、異常診断部46は、当該通知を異常診断システム40の外部に発信してもよいし、例えば異常診断システム40が備える表示器83に表示させてもよい。なお、風向計8の故障により風力発電設備1の運転の継続が困難な場合には、例えば、風力発電設備1の運転を自動的に停止させてもよい。すなわち、風力発電設備1の運転を停止するように制御装置20に指示するための運転停止指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信してもよい。制御装置20は、運転停止指示信号を受信した場合に、風力発電設備1の運転を停止させる。制御装置20による風力発電設備1の運転を停止させる制御は、例えば翼ピッチ角度をフェザー位置に変更して発電機11の発電を停止する制御及びヨー旋回機構14の旋回動作を停止させる制御を含んでいてもよい。
S105で風向追従制御によって風向偏差Δαが所定時間t1以内に変化したと判定した場合には、S111において、風向追従制御によって風向偏差Δαが上記所定時間t1以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとったか否かを判定する。S111において、風向追従制御によって風向偏差Δαが上記所定時間t2以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとったと判定した場合にはS113へ移行し、S111において、風向追従制御によって風向偏差Δαが上記所定時間t2以内にプラスの値とマイナスの値のうち一方又は両方をとっていないと判定した場合にはS112へ移行する。
S112では、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を以下に記載の状態Fと判定する。状態Fは、風向計8の配線に異常がある状態を意味し、この状態で風力発電設備1の運転を継続すると、風向偏差Δαを示す信号が安定しないことによりナセル3のヨー旋回動作が継続し、ナセル3のヨー旋回を制御するためのヨー旋回機構14の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータ4を風向に正対させた運転(風向偏差Δαを0又は0近傍にした運転)ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。
このため、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Fと判定した場合には、風向計8のメンテナンスを推奨する通知を発信する。ここでのメンテナンスを推奨する通知とは、例えば所定期間以内(例えば1か月以内等)に風向計8の部品交換又は修繕を行う計画交換又は計画修繕を推奨する通知であってもよい。また、異常診断部46は、当該通知を異常診断システム40の外部に発信してもよいし、例えば異常診断システム40が備える表示器83に表示させてもよい。なお、風向計8の故障により風力発電設備1の運転の継続が困難な場合には、例えば、風力発電設備1の運転を自動的に停止させてもよい。すなわち、風力発電設備1の運転を停止するように制御装置20に指示するための運転停止指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信してもよい。制御装置20は、運転停止指示信号を受信した場合に、風力発電設備1の運転を停止させる。制御装置20による風力発電設備1の運転を停止させる制御は、例えば翼ピッチ角度をフェザー位置に変更して発電機11の発電を停止する制御を含んでいてもよい。
S113において、風向計8を用いて計測した現在の風向が風力発電設備1に特有の特定風向又は風力発電設備1を含むウインドファームのサイトに特有の特定風向であるか否かを判定する。ここでの「特定風向」は、立地条件に起因して風向の乱れが大きくなる傾向がある特定の風向であり、風力発電設備1毎又は風力発電設備1を含むウインドファームのサイト毎に予め調査されて風力発電設備1又はウインドファームのサイトに関連付けられて記憶部50に記憶され、S113で記憶部50から読み出されて風向計8で計測した風向と照合される。
S113において、風向計8を用いて計測した現在の風向が風力発電設備1に特有の特定風向又は風力発電設備1を含むウインドファームのサイトに特有の特定風向であると判定した場合には、S114において、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Dと判定する。状態Dは、現在の風向が風力発電設備1に特有の特定風向又は風力発電設備1を含むウインドファームのサイトに特有の特定風向であることに起因してナセルの旋回動作が頻繁に行われている状態を意味する。状態Dの場合、ヨー旋回を頻繁に行うことによりヨー旋回機構14に故障が発生する懸念がある。また、疲労荷重が蓄積することによりその他の機械部品の早期劣化や故障が生じる懸念がある。また、余計なヨー旋回動作が増えて消費電力が増大してしまう。
このため、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Dと判定した場合に、風力発電設備1を荷重抑制モードで運転させる。すなわち、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Dと判定した場合に、風力発電設備1を荷重抑制モードで運転するように制御装置20に指示するための荷重抑制モード指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信する。制御装置20は、荷重抑制モード指示信号を受信した場合に、風力発電設備1を荷重抑制モードで運転する。なお、ここでの荷重抑制モードとは、風車翼6に作用する風荷重を通常運転モードよりも抑制するモードである。荷重抑制モードは、例えば翼ピッチ角度を通常運転モードよりもフェザー側に制御するモードであってもよい。荷重抑制モードにおいて、制御装置20は、例えば図10に示すように、風速に応じて定まる発電機11の目標出力を通常運転モードよりも小さくするとともに、例えば図11に示すように、発電機11の出力に応じて定まる目標翼ピッチ角度を通常運転モードよりもフェザー側に閉じることにより、発電機11の出力を通常運転モードよりも抑制してもよい。また、この状態Dの判定の妥当性の確認および抑制量の設定のために、風力発電設備1が設置される位置の地形の影響や風向変化の大きさを確認し、荷重抑制に関する設定値の最適化を行ってもよい。
また、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Dと判定した場合に、風力発電設備1の運転を自動的に停止させてもよい。すなわち、風力発電設備1の運転を停止するように制御装置20に指示するための運転停止指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信してもよい。制御装置20は、運転停止指示信号を受信した場合に、風力発電設備1の運転を停止させる。制御装置20による風力発電設備1の運転を停止させる制御は、例えば翼ピッチ角度をフェザー位置に変更して発電機11の発電を停止する制御を含んでいてもよい。
S115において、異常診断部46は、風速の乱れの強さItが閾値Itth以上であるか否かを判定する。風速の乱れの強さ(風速の乱流強度)は、風速の標準偏差の平均風速に対する比であり、S101で取得した風速の時系列データに基づいて算出される。また、図8に示すように、閾値Itthは風速が大きくなるにつれて低下してもよい。
S115において、風速の乱れの強さItが閾値Itth以上であると判定された場合には、S116において、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を以下に記載の状態Eと判定する。状態Eは、台風や爆弾低気圧等の一時的に風況が乱れる状況に起因してヨー旋回が頻繁に行われている状況を意味する。状態Eの場合、ヨー旋回を頻繁に行うことによりヨー旋回機構14に故障が発生する懸念がある。また、疲労荷重が蓄積することによりその他の機械部品の早期劣化や故障が生じる懸念がある。また、余計なヨー旋回動作が増えて消費電力が増大してしまう。
このため、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Eと判定した場合に、風力発電設備1を荷重抑制モードで運転させる。すなわち、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Eと判定した場合に、風力発電設備1を荷重抑制モードで運転するように制御装置20に指示するための荷重抑制モード指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信する。制御装置20は、荷重抑制モード指示信号を受信した場合に、風力発電設備1を荷重抑制モードで運転する。なお、ここでの荷重抑制モードとは、風車翼6に作用する風荷重を通常運転モードよりも抑制するモードである。荷重抑制モードは、例えば翼ピッチ角度を通常運転モードよりもフェザー側に制御するモードであってもよい。荷重抑制モードにおいて、制御装置20は、例えば図11に示すように、高風速域において、発電機11の出力に応じて定まる目標翼ピッチ角度を通常運転モードよりもフェザー側に閉じることにより、発電機11の出力及び風車翼6に作用する風荷重を通常運転モードよりも抑制してもよい。また、この状態Eの判定の妥当性の確認および抑制量の設定のために、風力発電設備1が設置される位置の地形の影響や風向変化の大きさを確認し、荷重抑制に関する設定値の最適化を行ってもよい。また、台風や低気圧の通過に伴う一過性の事象であれば、状態の改善後に通常運転モードに復帰させてもよい。
また、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Eと判定した場合に、風力発電設備1の運転を自動的に停止させてもよい。すなわち、風力発電設備1の運転を停止するように制御装置20に指示するための運転停止指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信してもよい。制御装置20は、運転停止指示信号を受信した場合に、風力発電設備1の運転を停止させる。制御装置20による風力発電設備1の運転を停止させる制御は、例えば翼ピッチ角度をフェザー位置に変更して発電機11の発電を停止する制御を含んでいてもよい。
S115において、風速の乱れの強さItが閾値Itth以上ではないと判定された場合には、S117において、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を以下に記載の状態Cと判定する。状態Cは、風向計8の内部のポテンショメータの摩耗によって風向計8に故障の兆候が表れた状態である。状態Cの場合に風力発電設備1の運転を継続すると、風向偏差Δαを示す信号が安定しないことによりナセル3のヨー旋回動作が継続し、ナセル3のヨー旋回を制御するためのヨー旋回機構14の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータ4を風向に正対させた運転(風向偏差Δαを0又は0近傍にした運転)ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。
このため、異常診断部46は、風力発電設備1の状態を状態Cと判定した場合には、風向計8に故障の兆候が表れた状態であることを知らせるための通知であって、風向計8のメンテナンスを推奨する通知を発信する。ここでのメンテナンスを推奨する通知とは、例えば所定期間以内(例えば1か月以内等)に風向計8の部品交換又は修繕を行う計画交換又は計画修繕を推奨する通知であってもよい。異常診断部46は、当該通知を異常診断システム40の外部に発信してもよいし、例えば異常診断システム40が備える表示器83に表示させてもよい。なお、風向計8の故障により風力発電設備1の運転の継続が困難な場合には、例えば、風力発電設備1の運転を自動的に停止させてもよい。すなわち、風力発電設備1の運転を停止するように制御装置20に指示するための運転停止指示信号を通信ネットワーク21を介して制御装置20に送信してもよい。制御装置20は、運転停止指示信号を受信した場合に、風力発電設備1の運転を停止させる。制御装置20による風力発電設備1の運転を停止させる制御は、例えば翼ピッチ角度をフェザー位置に変更して発電機11の発電を停止する制御を含んでいてもよい。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
幾つかの実施形態では、例えばS102において、積算値ΣAが閾値Athを超えた回数Nをカウントしなくてもよい。この場合、例えばS103では、積算値ΣAが閾値Athを超えたか否かを判定し、積算値ΣAが閾値Athを超えていなければS104へ移行し、積算値ΣAが閾値Athを超えていればS105に移行してもよい。
幾つかの実施形態では、例えばS102において、ナセルの旋回量の積算値ΣAを算出しなくてもよい。この場合、異常診断システム40は、例えばS102では所定期間におけるナセルの旋回回数をカウントし、S103では所定期間におけるナセルの旋回回数が閾値を超えたか否かを判定し、所定期間におけるナセルの旋回回数が閾値を超えていなければS104へ移行し、所定期間におけるナセルの旋回回数が閾値を超えていればS105へ移行してもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備用の異常診断システム(例えば上述の異常診断システム40)は、
風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、
前記風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差(例えば上述の風向偏差Δα)と定義すると、前記風力発電設備は、前記風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、
前記異常診断システムは、所定期間(例えば1時間等)におけるナセルの旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、前記風力発電設備の風向計の異常診断を行うように構成される。
上記[1]に記載の風力発電設備用の異常診断システムによれば、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて風向計の異常診断を行うため、特許文献1の異常診断方法と比較して、風向計の異常を検出するため専用のモータが不要であり、簡素な構成で風力発電設備の風向計の異常を診断することができる。また、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方が十分に小さい場合には、風向偏差の絶対値を減少させる制御(風向追従制御)が適切に行われており、風向計に異常は生じていないと考えられるため、風力発電設備の運転を継続させることが可能である。このため、異常診断部の診断結果に基づいて風力発電設備の稼働率の低下を抑制することが可能となる。
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さい場合に、前記風向計を正常と診断するように構成される。
上記[2]に記載の風力発電設備用の異常診断システムによれば、風向偏差の絶対値を減少させる制御(風向追従制御)が適切に行われているかどうかを判断するための適切な第1閾値及び第2閾値を設定することにより、風向計に異常は生じていないことを精度よく判定することができる。このため異常診断部の診断結果に基づいて風力発電設備の稼働率の低下を抑制することが可能となる。
[3]幾つかの実施形態では、上記[1]又は[2]に記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(b)及び(c)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の運転を停止させるように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(b)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以上変化しない。
(c)前記風力発電設備における気温の計測値(例えば上述の気温T)が水の凝固点を示す温度(例えば上述の閾値Tth0)以下である。
上記風力発電設備において、条件(a)、(b)及び(c)の全てを満たす場合は、風向計が着氷した状態を意味する。この場合、正確な風向を計測できない状態で風力発電設備の運転を継続すると、風車ロータを風向に正対させた運転(風向偏差を0又は0近傍にする運転)ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。このため、上記[3]に記載のように、条件(a)、(b)及び(c)の全てを満たす場合には、風力発電設備の運転を停止させることにより、風力発電設備の損傷を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。
[4]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[3]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の風向計及び気温計のメンテナンスを推奨する通知を発信するように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(b)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以上変化しない。
(d)前記風力発電設備における気温の計測値(例えば上述の気温T)が水の凝固点を示す温度(例えば上述の閾値Tth0)以下でない。
上記風力発電設備において、条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合は、風向計又は気温計に故障の兆候が表れた状態を意味する。この場合、風力発電設備の運転を継続すると、風向偏差を示す信号が安定しないことによりナセルのヨー旋回動作が継続し、ナセルのヨー旋回を制御するための機器の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータを風向に正対させた運転ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。このため、上記[4]に記載のように条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合には、風力発電設備の風向計及び気温計のメンテナンスを推奨するための通知を発信することにより、風向計及び気温計のメンテナンスを行って風力発電設備の損傷等を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。また、突発工事の回避による作業員の業務負荷を削減することができる。
[5]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[4]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の運転を停止させるように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(b)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以上変化しない。
(d)前記風力発電設備における気温の計測値(例えば上述の気温T)が水の凝固点を示す温度(例えば上述の閾値Tth0)以下でない。
上記風力発電設備において、条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合は、風向計又は気温計に故障の兆候が表れた状態を意味する。この場合、風力発電設備の運転を継続すると、風向偏差を示す信号が安定しないことによりナセルのヨー旋回動作が継続し、ナセルのヨー旋回を制御するための機器の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータを風向に正対させた運転ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。このため、上記[5]に記載のように条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合には、風力発電設備の運転を停止させることにより、風力発電設備の損傷等を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。また、突発工事の回避による作業員の業務負荷を削減することができる。
[6]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[5]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)及び(e)を満たし且つ条件(f)を満たさない場合に、前記風向計のメンテナンスを推奨する通知を発信するように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(e)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内に変化する。
(f)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
上記風力発電設備において、条件(a)及び(e)を満たし、条件(f)を満たさない場合は、風向計の配線に異常がある状態を意味する。この場合、風力発電設備の運転を継続すると、風向偏差を示す信号が安定しないことによりナセルのヨー旋回動作が継続し、ナセルのヨー旋回を制御するためのヨー旋回機構の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータを風向に正対させた運転ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。このため、上記[6]に記載のように、条件(a)及び(e)を満たし、条件(f)を満たさない場合には、風向計のメンテナンスを推奨する通知を発信することにより、風向計のメンテナンスを行って風力発電設備の損傷等を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。また、突発工事の回避による作業員の業務負荷を削減することができる。
[7]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[6]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さい場合に、前記風力発電設備を通常運転モードで運転させ、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)及び(g)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を前記通常運転モードよりも抑制する運転モードで前記風力発電設備を運転させるように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(e)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内に変化する。
(f)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
(g)前記異常診断システムは、前記風向計によって計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計によって計測した風向と特定の風向とが一致する。
上記風力発電設備において、条件(a)、(e)、(f)及び(g)の全てを満たす場合、風向が風力発電設備に特有の特定風向又は風力発電設備を含むウインドファームのサイトに特有の特定風向(風力発電設備の立地条件に起因して風向の乱れが大きくなる傾向がある特定の風向)であることに起因してナセルの旋回動作が頻繁に行われている状態を意味する。この場合、ヨー旋回を頻繁に行うことによりヨー旋回機構に故障が発生する懸念がある。また、疲労荷重が蓄積することによりその他の機械部品の早期劣化や故障が生じる懸念がある。また、余計なヨー旋回動作が増えて消費電力が増大してしまう。このため、上記[7]に記載のように、条件(a)、(e)、(f)及び(g)の全てを満たす場合に、風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を通常運転モードよりも抑制する運転モードで風力発電設備を運転させることにより、疲労荷重に起因する損傷等の発生を抑制しつつ、風力発電設備の稼働率の低下を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。
[8]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[7]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さい場合に、前記風力発電設備を通常運転モードで運転させ、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(i)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を前記通常運転モードよりも抑制する運転モードで前記風力発電設備を運転させるように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(e)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内に変化する。
(f)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
(h)前記異常診断システムは、前記風向計を用いて計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計を用いて計測した風向と特定の風向とが一致しない。
(i)前記風力発電設備の風速計によって計測した風速に基づいて算出される風速の乱れの強さ(例えば上述の乱れの強さIt)が第3閾値(例えば上述の閾値Itth)以上である。
上記風力発電設備において、条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(i)の全てを満たす場合は、台風や爆弾低気圧等の一時的に風況が乱れる状況に起因してヨー旋回が頻繁に行われている状況を意味する。この場合、ヨー旋回を頻繁に行うことによりヨー旋回機構に故障が発生する懸念がある。また、疲労荷重が蓄積することによりその他の機械部品の早期劣化や故障が生じる懸念がある。また、余計なヨー旋回動作が増えて消費電力が増大してしまう。このため、上記[8]に記載のように、条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(i)の全てを満たす場合に、風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を通常運転モードよりも抑制する運転モードで風力発電設備を運転させることにより、疲労荷重に起因する損傷等の発生を抑制しつつ、風力発電設備の稼働率の低下を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。また、突発工事の回避による作業員の業務負荷を削減することができる。
[9]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[8]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合に、前記風向計のメンテナンスを推奨する通知を発信するように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(e)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内に変化する。
(f)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
(h)前記異常診断システムは、前記風向計を用いて計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計を用いて計測した風向と特定の風向とが一致しない。
(j)前記風力発電設備の風速計によって計測した風速に基づいて算出される風速の乱れの強さ(例えば上述の乱れの強さIt)が第3閾値(例えば上述の閾値Itth)以上でない。
上記風力発電設備において、条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合は、風向計の内部のポテンショメータの摩耗によって風向計に故障の兆候が表れた状態である。この場合、風力発電設備の運転を継続すると、風向偏差を示す信号が安定しないことによりナセルのヨー旋回動作が継続し、ナセルのヨー旋回を制御するためのヨー旋回機構14の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータを風向に正対させた運転ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。このため、上記[9]に記載のように、条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合に、風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を通常運転モードよりも抑制する運転モードで風力発電設備を運転させることにより、疲労荷重に起因する損傷等の発生を抑制しつつ、風力発電設備の稼働率の低下を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。また、突発工事の回避による作業員の業務負荷を削減することができる。
[10]幾つかの実施形態では、上記[1]乃至[9]の何れかに記載の風力発電設備用の異常診断システムにおいて、
前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の運転を停止させるように構成される。
(a)前記異常診断システムは、所定期間毎(例えば1時間毎等)に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)を算出し、算出した前記積算値が第1閾値(例えば上述の閾値Ath)を超える頻度(例えば上述の回数N)が第2閾値(例えば上述の所定回数Nth)より小さくない。
(e)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内に変化する。
(f)前記風向偏差が所定時間(例えば上述の所定時間t1)以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
(h)前記異常診断システムは、前記風向計を用いて計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計を用いて計測した風向と特定の風向とが一致しない。
(j)前記風力発電設備の風速計によって計測した風速に基づいて算出される風速の乱れの強さ(例えば上述の乱れの強さIt)が第3閾値(例えば上述の閾値Itth)以上でない。
上記風力発電設備において、条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合は、風向計の内部のポテンショメータの摩耗によって風向計に故障の兆候が表れた状態である。この場合、風力発電設備の運転を継続すると、風向偏差を示す信号が安定しないことによりナセルのヨー旋回動作が継続し、ナセルのヨー旋回を制御するためのヨー旋回機構14の故障が発生する懸念がある。また、風車ロータを風向に正対させた運転ができなくなり、機械の故障や保安機能の低下が懸念される。このため、上記[9]に記載のように、条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合に、風力発電設備の運転を停止させることにより、疲労荷重に起因する損傷等の発生を抑制しつつ、風力発電設備の稼働率の低下を抑制することができる。また、風力発電設備の損傷等に起因する重大事故の発生を抑制し、公衆の安全を確保することができる。また、突発工事の回避による作業員の業務負荷を削減することができる。
[11]本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備の異常診断方法において、
前記風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差(例えば上述の風向偏差Δα)と定義すると、前記風力発電設備は、前記風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、
前記異常診断方法は、所定期間(例えば1時間等)におけるナセルの旋回量の積算値(例えば上述の積算値ΣA)及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、前記風力発電設備の風向計の異常診断を行うステップを備える。
上記[11]に記載の風力発電設備の異常診断方法によれば、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて風向計の異常診断を行うため、特許文献1の異常診断方法と比較して、風向計の異常を検出するため専用のモータが不要であり、簡素な構成で風力発電設備の風向計の異常を診断することができる。また、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方が十分に小さい場合には、風向偏差を減少させる制御(風向追従制御)が適切に行われており、風向計に異常は生じていないと考えられるため、風力発電設備の運転を継続させることが可能である。このため、異常診断部の診断結果に基づいて風力発電設備の稼働率の低下を抑制することが可能となる。
1 風力発電設備
2 支柱
3 ナセル
4 風車ロータ
5 ロータヘッド
6 風車翼
7 風速計
8 風向計
9 気温計
10 増速機
11 発電機
12 翼ピッチ機構
14 ヨー旋回機構
15 翼ピッチ角度センサ
18 ヨー角センサ
20 制御装置
21 通信ネットワーク
40 異常診断システム
42 計測データ取得部
44 旋回データ演算部
46 異常診断部
50 記憶部
72 プロセッサ
74 RAM
76 ROM
78 HDD
80 入力I/F
82 出力I/F
83 表示器
84 バス

Claims (11)

  1. 風力発電設備の異常診断を行うための風力発電設備用の異常診断システムであって、
    前記風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差と定義すると、前記風力発電設備は、前記風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、
    前記異常診断システムは、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、前記風力発電設備の風向計の異常診断を行うように構成された、風力発電設備用の異常診断システム。
  2. 前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さい場合に、前記風向計を正常と診断するように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
  3. 前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(b)及び(c)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の運転を停止させるように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (b)前記風向偏差が所定時間以上変化しない。
    (c)前記風力発電設備における気温の計測値が水の凝固点を示す温度以下である。
  4. 前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の風向計及び気温計のメンテナンスを推奨するための通知を発信するように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (b)前記風向偏差が所定時間以上変化しない。
    (d)前記風力発電設備における気温の計測値が水の凝固点を示す温度以下でない。
  5. 前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(b)及び(d)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の運転を停止させるように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (b)前記風向偏差が所定時間以上変化しない。
    (d)前記風力発電設備における気温の計測値が水の凝固点を示す温度以下でない。
  6. 前記異常診断システムは、以下の条件(a)及び(e)を満たし且つ条件(f)を満たさない場合に、前記風向計のメンテナンスを推奨するための通知を発信するように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (e)前記風向偏差が所定時間以内に変化する。
    (f)前記風向偏差が所定時間以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
  7. 前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さい場合に、前記風力発電設備を通常運転モードで運転させ、
    前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)及び(g)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を前記通常運転モードよりも抑制する運転モードで前記風力発電設備を運転させるように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (e)前記風向偏差が所定時間以内に変化する。
    (f)前記風向偏差が所定時間以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
    (g)前記異常診断システムは、前記風向計によって計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計によって計測した風向と特定の風向とが一致する。
  8. 前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さい場合に、前記風力発電設備を通常運転モードで運転させ、
    前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(i)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の風車翼に作用する風荷重を前記通常運転モードよりも抑制する運転モードで前記風力発電設備を運転させるように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (e)前記風向偏差が所定時間以内に変化する。
    (f)前記風向偏差が所定時間以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
    (h)前記異常診断システムは、前記風向計を用いて計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計を用いて計測した風向と特定の風向とが一致しない。
    (i)前記風力発電設備の風速計によって計測した風速に基づいて算出される風速の乱れの強さが第3閾値以上である。
  9. 前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合に、前記風向計のメンテナンスを推奨するための通知を発信するように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (e)前記風向偏差が所定時間以内に変化する。
    (f)前記風向偏差が所定時間以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
    (h)前記異常診断システムは、前記風向計を用いて計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計を用いて計測した風向と特定の風向とが一致しない。
    (j)前記風力発電設備の風速計によって計測した風速に基づいて算出される風速の乱れの強さが第3閾値以上でない。
  10. 前記異常診断システムは、以下の条件(a)、(e)、(f)、(h)及び(j)の全てを満たす場合に、前記風力発電設備の運転を停止させるように構成された、請求項1に記載の風力発電設備用の異常診断システム。
    (a)前記異常診断システムは、所定期間毎に前記ナセルのヨー旋回の旋回量の積算値を算出し、算出した前記積算値が第1閾値を超える頻度が第2閾値より小さくない。
    (e)前記風向偏差が所定時間以内に変化する。
    (f)前記風向偏差が所定時間以内にプラスの値とマイナスの値の両方をとる。
    (h)前記異常診断システムは、前記風向計を用いて計測した風向を特定の風向と照合し、前記風向計を用いて計測した風向と特定の風向とが一致しない。
    (j)前記風力発電設備の風速計によって計測した風速に基づいて算出される風速の乱れの強さが第3閾値以上でない。
  11. 風力発電設備の異常診断方法であって、
    前記風力発電設備における風車ロータの回転軸線に対して風向がなす角度を風向偏差と定義すると、前記風力発電設備は、前記風向偏差の絶対値を減少させるようにナセルを旋回させるよう構成されており、
    前記異常診断方法は、所定期間におけるナセルの旋回量の積算値及び旋回回数のうち少なくとも一方に基づいて、前記風力発電設備の風向計の異常診断を行うステップを備える、風力発電設備の異常診断方法。
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