JP2024076926A - 車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、車両、車両用表示制御方法及びプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】乗員が車線変更状況を迅速に把握できる車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、車両、車両用表示制御方法及びプログラムを得る。【解決手段】車両用表示制御装置は、走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域Ｖ３に車線変更に関する情報を表示する車両用表示制御装置であって、前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで表示領域に表示する情報を変化させる。【選択図】図４

Description

本発明は、車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、車両、車両用表示制御方法及びプログラムに関する。

特許文献１には、車両が走行している第一車線から第一車線と異なる第二車線へ車線変更する前に、車室内に設けられた表示部に第一車線及び第二車線に対応する車線表示を表示させる表示装置が開示されている。

特開２０２２－４１２８８号公報

しかしながら、上記特許文献１に記載された装置では、運転支援機能などによって車両が車線変更する際に、車線変更の目的が一見して区別できないため、乗員に車線変更状況を迅速に把握させる観点で改善の余地がある。

本発明は、乗員に車線変更状況を迅速に把握させることができる車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、車両、車両用表示制御方法及びプログラムを得ることを目的とする。

請求項１に係る車両用表示制御装置は、走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する車両用表示制御装置であって、前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる。

請求項１に係る車両用表示制御装置では、走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否が判断される。また、車線変更が必要な場合には、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する。これにより、運転支援などによって車両が車線変更を行う際に、乗員に対して車線変更が行われることを通知できる。

また、車両用表示制御装置は、前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで表示領域に表示する情報を変化させる。これにより、乗員が表示領域に表示された情報を確認するだけで、車線変更の目的が追い越しであるか否かを迅速に把握できる。

請求項２に係る車両用表示制御装置は、請求項１において、前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで、車両の走行予定経路の表示態様を変化させる。

請求項２に係る車両用表示制御装置では、乗員が表示領域に表示された車両の走行予定経路を確認するだけで、車線変更の目的が追い越しであるか否かを迅速に把握できる。

請求項３に係る車両用表示制御装置は、請求項１において、前記表示領域に車線変更の目的を文字及びアイコンの少なくとも一方で表示する。

請求項３に係る車両用表示制御装置では、表示領域に文字及びアイコンの少なくとも一方が表示されるため、乗員が車線変更の目的を直接的に把握することができる。

請求項４に係る車両用表示制御装置は、請求項２において、追い越し以外を目的とする車線変更のうち、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更と、分岐路へ進入するための車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる。

請求項４に係る車両用表示制御装置では、前方車両の追い越しを目的とする車線変更に加えて、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更と、分岐路へ進入するための車線変更とを区別できる。

請求項５に係る車両用表示制御装置は、請求項４において、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更時には、前記走行予定経路の先端を矢印状に表示する。

請求項５に係る車両用表示制御装置では、乗員が表示領域に表示された走行予定経路の先端を見るだけで車線変更の目的を把握できる。

請求項６に係る車両用表示制御装置は、請求項４において、分岐路へ進入するための車線変更時には、前記走行予定経路の先端を断続的に表示する。

請求項６に係る車両用表示制御装置では、乗員が表示領域に表示された走行予定経路の先端を見るだけで車線変更の目的を把握できる。

請求項７に係る車両用表示制御システムは、請求項１～６の何れか１項に記載の車両用表示制御装置と、前記表示領域に車線変更に関する情報を表示する表示装置と、を有する。

請求項７に係る車両用表示制御システムでは、車両用表示制御装置が表示装置によって車線変更に関する情報を表示領域に表示させる。このとき、車線変更の目的に応じて表示領域に表示する情報を変化させることで、乗員が車線変更の目的を容易に確認できる。

請求項８に係る車両用表示制御システムは、請求項７において、前記表示装置は、ウインドシールドガラスへ映像を投影可能なヘッドアップディスプレイ装置である。

請求項８に係る車両用表示制御システムでは、ヘッドアップディスプレイ装置によってウインドシールドガラスへ映像が投影されるため、乗員が視線を前方へ向けた状態で車線変更の目的を確認できる。

請求項９に係る車両は、請求項８に記載の車両用表示制御システムを備えている。

請求項１０に係る車両用表示制御方法は、走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する車両用表示制御方法であって、前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる。

請求項１０に係るプログラムは、走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる、処理をコンピュータに実行させる。

以上説明したように、本発明に係る車両用表示制御装置、車両用表示制御システム、車両、車両用表示制御方法及びプログラムによれば、乗員が車線変更状況を迅速に把握できる。

実施形態に係る車両用表示制御装置が適用された車両における車室内の前部を車両後方側から見た概略図である。 実施形態に係る車両用表示制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施形態に係る車両用表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。 実施形態における表示領域の表示例を示す図であり、前方車両の追い越しを目的とする車線変更時の表示例である。 実施形態における表示領域の表示例を示す図であり、分岐路への進入するための車線変更時の表示例である。 実施形態における表示領域の表示例を示す図であり、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更時の表示例である。 実施形態における表示領域の表示例を示す図であり、障害物を回避するための車線変更時の表示例である。 実施形態における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。

実施形態に係る車両用表示制御装置２８を備えた車両用表示制御システム１０について、図面を参照して説明する。なお、図１に記載された矢印ＵＰは車両上下方向の上方側を示し、矢印ＲＨは車両幅方向の右方側を示す。以下の説明中の上下方向及び左右方向はそれぞれ、車両上下方向の上下及び車両幅方向の左右を意味する。

図１に示されるように、車両１２における車室内の前部には、インストルメントパネル１４が設けられている。インストルメントパネル１４は、車両幅方向に延在されており、このインストルメントパネル１４の車両右側にはステアリングホイール１６が設けられている。すなわち、本実施形態では一例として、右側にステアリングホイール１６が設けられた右ハンドル車とされており、運転席が車両右側に設定されている。なお、これに限定されず、運転席が車両左側に設定された車両に適用してもよい。

インストルメントパネル１４の前端部にはウインドシールドガラス１８が設けられている。ウインドシールドガラス１８は、車両上下方向及び車両幅方向に延在されて車室内部と車室外部とを区画している。

ウインドシールドガラス１８の車両右側端部は、車両右側のフロントピラー２０に固定されている。フロントピラー２０は、車両上下方向に延在されており、このフロントピラー２０の車両幅方向内側端部にはウインドシールドガラス１８が固定されている。また、フロントピラー２０の車両幅方向外側端部にはフロントサイドガラス２２の前端部が固定されている。なお、ウインドシールドガラス１８の車両左側端部は、図示しない車両左側のフロントピラーに固定されている。

ここで、インストルメントパネル１４には、画像の表示領域Ｖ１を備えた第一表示部２４が設けられている。第一表示部２４は、インストルメントパネル１４の車両右側において、運転席の車両前方に設けられたメータディスプレイによって構成されている。第一表示部２４は、車両１２に搭載された各種メータ機器と接続されており、運転者が車両前方へ視線を向けた状態で視界に入る位置に設けられている。

インストルメントパネル１４には、画像の表示領域Ｖ２を備えた第二表示部２５が設けられている。第二表示部２５は、インストルメントパネル１４の車両幅方向の中央部に配設されたセンタディスプレイによって構成されている。

ウインドシールドガラス１８には、画像の表示領域Ｖ３を有する第三表示部２６が設けられている。第三表示部２６は、第一表示部２４の車両上方側に設定されており、表示装置としてのヘッドアップディスプレイ装置４６（図２参照）によって投影された投影面によって構成されている。具体的には、インストルメントパネル１４の車両前方側には、画像を投影可能なヘッドアップディスプレイ装置４６が設けられており、このヘッドアップディスプレイ装置４６からウインドシールドガラス１８の第三表示部２６へ画像が投影されるように構成されている。すなわち、第三表示部２６は、ヘッドアップディスプレイ装置４６の投影面とされたウインドシールドガラス１８の一部とされている。

ここで、車両１２には、車両用表示制御システム１０を構成する車両用表示制御装置２８が設けられている。本実施形態の車両用表示制御装置２８は、例えば、種々の制御を行うＥＣＵ（Electronic Control Unit）である。

（車両用表示制御装置２８のハードウェア構成）
図２に示されるように、車両用表示制御装置２８は、ＣＰＵ（Central Processing Unit：プロセッサ）３０、ＲＯＭ（Read Only Memory）３２、ＲＡＭ（Random Access Memory）３４、ストレージ３６、通信インターフェース（通信Ｉ／Ｆ）３８及び入出力インターフェース（入出力Ｉ／Ｆ）４０を含んで構成されている。各構成は、内部バス４２を介して相互に通信可能に接続されている。

ＣＰＵ３０は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、ＣＰＵ３０は、ＲＯＭ３２又はストレージ３６からプログラムを読み出し、ＲＡＭ３４を作業領域としてプログラムを実行する。また、ＣＰＵ３０は、ＲＯＭ３２又はストレージ３６に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。

ＲＯＭ３２は、各種プログラムおよび各種データを格納する。ＲＡＭ３４は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ３６は、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）又はＳＳＤ（Solid State Drive）により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する非一時的記録媒体である。本実施形態では、ＲＯＭ３２又はストレージ３６には、表示処理などを行うための表示プログラム等が格納されている。

通信インターフェース３８は、車両用表示制御装置２８がサーバ及び他の機器と通信するためのーフェースであり、たとえば、ＣＡＮ（Controller Area Network）、イーサネット（登録商標）、ＬＴＥ（Long Term Evolution）、ＦＤＤＩ（Fiber Distributed Data Interface）、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）などの規格が用いられる。

入出力インターフェース４０には、視線検出センサ４４、第一表示部２４、第二表示部２５及びヘッドアップディスプレイ装置４６が接続されている。また、ヘッドアップディスプレイ装置４６によって第三表示部２６へ画像が投影される。

視線検出センサ４４は、例えば、インストルメントパネル１４に設けられており、運転席に着座した乗員（ドライバ）の顔へ向けて配置されている。そして、視線検出センサ４４は、乗員の目を認識することで、角膜反射法、強膜反射法などの原理を用いて乗員の視線方向を検出する。

（車両用表示制御装置２８の機能構成）
車両用表示制御装置２８は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用表示制御装置２８が実現する機能構成について図３を参照して説明する。

図３に示されるように、車両用表示制御装置２８は、機能構成として、走行予定経路取得部５２、周辺状況取得部５４、車線変更要否判断部５６及び情報表示部５８を含んで構成されている。なお、各機能構成は、ＣＰＵ３０がＲＯＭ３２又はストレージ３６に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。

走行予定経路取得部５２は、ナビゲーションシステムなどによって設定された走行予定経路に関する情報を取得する。例えば、乗員がナビゲーションシステムなどに対して目的地を入力することで、目的地までの走行予定経路が設定される。走行予定経路には、走行予定の道路の情報、及び右左折など進路を変更する交差点の位置情報などが含まれている。また、走行予定経路に自動車専用道路が含まれる場合、分岐路の位置情報、及び自動車専用道路の出入口の位置情報などが含まれている。

なお、走行予定経路は、車両１２に搭載されたストレージなどに格納されていてもよく、サーバなど車両１２の外部に格納されていてもよい。走行予定経路取得部５２は、走行予定経路が車両１２のストレージに格納されている場合、ストレージにアクセスして走行予定経路の情報を取得する。また、走行予定経路取得部５２は、車両１２の外部のサーバなどに走行予定経路が格納されている場合、通信Ｉ／Ｆ３８を介してサーバから走行予定経路を取得してもよい。

周辺状況取得部５４は、車両１２に搭載された複数のセンサからの信号に基づく車両１２の周辺状況を取得する。例えば、車両１２には、車両前方を撮像する前方カメラ、車両後方を撮像する後方カメラ、及び車両側方を撮像する側方カメラなどのカメラ類が搭載されている。また、車両１２には、周囲の障害物を検出するためのレーダ類が搭載されている。周辺状況取得部５４は、これらのカメラ類及びレーダ類から受信した信号に基づいて、車両１２の周辺を走行する他車両の情報、及び障害物などの情報を取得する。

車線変更要否判断部５６は、走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断する。例えば、車線変更要否判断部５６は、走行予定経路取得部５２によって取得された走行予定経路に関する情報に基づいて、車両の右左折地点が近づいた状況において、右左折を行う車線と異なる車線を走行している場合、車線変更が必要であると判断する。

また、車線変更要否判断部５６は、分岐路への進入地点が近づいた状況において、分岐路と隣接しない車線を走行している場合、分岐路と隣接する車線への車線変更が必要であると判断する。

さらに、車線変更要否判断部５６は、自動車専用道路の出入口が近づいた場合などの状況において、出入口に繋がる車線とは異なる車線を走行している場合、出入口と繋がる車線への車線変更が必要であると判断する。

さらにまた、車線変更要否判断部５６は、周辺状況取得部５４によって取得された車両１２の周辺状況から、前方を走行する前方車両の速度が遅い場合、追い越しを目的とする車線変更が必要であると判断する。例えば、運転支援機能であるＡＣＣ（アクティブクルーズコントロール）が有効となっている状態について考える。このような状態において、前方車両の速度がＡＣＣの設定速度よりも遅い場合で、かつ、前方車両との車間距離が所定の距離未満となった場合、車線変更要否判断部５６は、追い越しを目的とする車線変更が必要であると判断してもよい。

また、車線変更要否判断部５６は、周辺状況取得部５４によって取得された車両１２の周辺状況から、走行車線の前方に落下物などの障害物が検出された場合、障害物を回避するための車線変更が必要であると判断する。

情報表示部５８は、車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する。具体的には、車線変更要否判断部５６の機能によって車線変更が必要であると判断された場合、情報表示部５８は、表示領域Ｖ１、表示領域Ｖ２及び表示領域Ｖ３の少なくとも一つの表示領域に車線変更に関する情報を表示する。

ここで、本実施形態では、情報表示部５８は、車線変更の目的に応じて表示する情報を変化せる。情報表示部５８による車線変更の表示例について、図４から図７を参照して説明する。なお、図４から図７では、車両１２が自動車専用道路を走行しており、運転支援機能の一つであるＡＣＣが有効になっている状態である。このため、車両１２の車線変更はシステムによって実行される。また、図４から図７に記載された表示例は、あくまで一例であり、これらの表示例に限定されない。

図４は、本実施形態における表示領域Ｖ３の表示例を示す図であり、前方車両の追い越しを目的とする車線変更時の表示例である。

図４に示されるように、表示領域Ｖ３の下部には、ＡＣＣの設定速度及び現在の車速などが表示されている。また、車速の左側には、ＡＣＣが有効であることを示すアイコンが表示されている。なお、表示領域Ｖ３の下部の表示については特に限定されず、図４とは異なる情報が表示されてもよい。

表示領域Ｖ３の中央には、車両１２の走行予定経路６２が表示されており、情報表示部５８は走行予定経路６２の表示態様を変化させることで、車線変更の目的を乗員に認識させる。図４では、走行予定経路６２が走行車線に対して右側に隣接する車線へ向かっており、右車線へ車線変更が行われることが示唆されている。また、走行予定経路６２の先端は、徐々に薄くなるように表示されている。

なお、図４では、走行予定経路６２上に３つの矩形が間隔をあけて配置されており、これらの矩形の間隔を車速に応じて変化させるように表示される構成であるが、これに限定されず、矩形を表示しなくてもよい。

表示領域Ｖ３の右上には、車線変更の目的が文字６４で示されている。図４では、前方車両を追い越すための車線変更であることが表示されている。

図５は、本実施形態における表示領域Ｖ３の表示例を示す図であり、分岐路への進入するための車線変更時の表示例である。

図５に示されるように、分岐路への進入するための車線変更時には、走行予定経路６２の先端が分岐路へ向かうように延びており、走行予定経路６２の先端が断続的に表示されている。

表示領域Ｖ３の右上には、車線変更の目的が文字６４で示されている。図５では、分岐路に進入するための車線変更であることが表示されている。

図６は、本実施形態における表示領域Ｖ３の表示例を示す図であり、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更時の表示例である。

図６に示されるように、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更時には、走行予定経路６２の先端が出口へ繋がる方向へ延びており、走行予定経路６２の先端が矢印状に表示されている。

表示領域Ｖ３の右上には、車線変更の目的が文字６４で示されている。図６では、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更であることが表示されている。

図７は、本実施形態における表示領域Ｖ３の表示例を示す図であり、障害物を回避するための車線変更時の表示例である。

図７に示されるように、障害物を回避するための車線変更時には、走行予定経路６２が走行車線に対して右側に隣接する車線へ向かっており、右車線へ車線変更が行われることが示唆されている。また、走行予定経路６２の先端は、徐々に薄くなるように表示されている。さらに、元の走行予定経路６４は、トーンダウンして表示される。また、表示領域Ｖ３には、障害物を模した画像６６を表示してもよい。

（作用）
次に、本実施形態の作用を説明する。

（表示処理）
ヘッドアップディスプレイ装置４６の投影面である第三表示部２６に車線変更に関する情報を表示させる表示処理の一例について、図８に示されるフローチャートを用いて説明する。この表示処理は、ＣＰＵ３０がＲＯＭ３２又はストレージ３６から表示プログラムを読み出して、ＲＡＭ３４に展開して実行することによって実行される。なお、本実施形態では一例として、表示処理は、車両１２が自動車専用道路を走行しており、ＡＣＣが有効になっている場合に、所定の間隔で実行される。

ＣＰＵ３０は、ステップＳ１０２で走行予定経路に関する情報を取得する。具体的には、ＣＰＵ３０は、走行予定経路取得部５２の機能によって、車両１２の走行予定経路を取得する。例えば、ＣＰＵ３０は、直近の車線変更が必要となるイベント時までの走行予定経路のみを取得してもよい。

ＣＰＵ３０は、ステップＳ１０４で周辺状況を取得する。具体的には、ＣＰＵ３０は、周辺状況取得部５４の機能によって車両１２の周辺状況を取得する。

ＣＰＵ３０は、ステップＳ１０６で車両１２の車線変更が必要であるか否かについて判定する。具体的には、ＣＰＵ３０は、車線変更要否判断部５６の機能によって、走行予定経路取得部５２が取得した情報と周辺状況取得部５４が取得した情報とに基づいて、車線変更が必要であるか否かについて判定する。

ＣＰＵ３０は、ステップＳ１０６で車線変更が必要であると判定した場合、ステップＳ１０８の処理へ移行する。一方、ＣＰＵ３０は、ステップＳ１０６で車線変更が不要であると判定した場合、表示処理を終了させる。

ＣＰＵ３０は、ステップＳ１０８で所定の表示領域に車線変更に関する情報を表示する。本実施形態では、ＣＰＵ３０は、情報表示部５８の機能によって、第三表示部２６の表示領域Ｖ３に車線変更が行われる旨の表示を行う。具体的には、ＣＰＵ３０は、表示領域Ｖ３に車線変更を示す走行予定経路６２及び文字６４を表示する（図４から図７参照）。このとき、ＣＰＵ３０は、車線変更の目的に応じて表示領域Ｖ３に表示する情報を変化させる。そして、ＣＰＵ３０は、表示処理を終了させる。

なお、車線変更の情報が表示された後、車両１２に搭載された運転支援機能によって、ステアリング及びアクセルなどの制御が行われ、走行予定経路６２に沿って車両１２の車線変更が実行される。

以上のように、本実施形形態に係る車両用表示制御装置２８を備えた車両用表示制御システム１０では、車両１２の走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否が判断される。また、車線変更が必要な場合には、運転席周辺の表示領域Ｖ３に車線変更に関する情報が表示される。これにより、運転支援などによって車両１２が車線変更を行う際に、乗員に対して車線変更が行われることを通知できる。

また、本実施形態では、図４に示されるような前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、図５から図７に示されるような追い越し以外を目的とする車線変更とで表示領域Ｖ３に表示する情報を変化させる。これにより、乗員が表示領域Ｖ３に表示された情報を確認するだけで、車線変更の目的が追い越しであるか否かを迅速に把握できる。

特に、本実施形態では、車線変更の目的に応じて走行予定経路６２の表示態様を変化させるため、乗員が表示領域Ｖ３に表示された車両の走行予定経路６２を確認するだけで、車線変更の目的が追い越しであるか否かを迅速に把握できる。

さらに、本実施形態では、表示領域Ｖ３に車線変更の目的を示す文字及びアイコンの少なくとも一方が表示されるため、乗員が車線変更の目的を直接的に把握することができる。

さらにまた、本実施形態では、前方車両の追い越しを目的とする車線変更に加えて、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更と、分岐路へ進入するための車線変更とを区別できる。特に、乗員が表示領域Ｖ３に表示された走行予定経路６２の先端を見るだけで車線変更の目的を把握できる。

以上、実施形態に係る車両用表示制御システム１０、車両用表示制御装置２８及び車両１２について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、第三表示部２６の表示領域Ｖ３に車線変更に関する情報を表示する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、第一表示部２４の表示領域Ｖ１、又は第二表示部２５の表示領域Ｖ２に車線変更に関する情報を表示する構成を採用してもよい。

また、表示領域Ｖ１、表示領域Ｖ２及び表示領域Ｖ３のうち、複数の表示領域に対して車線変更に関する情報を表示してもよい。

さらに、表示領域Ｖ３に情報を表示する場合において、車線変更に関する情報をウインドシールドガラス１８越しに見える前景に重畳して表示してもよい。重畳表示は、既知のＡＲ（Augmented Reality：拡張現実）技術を用いて行うことができ、例えば、視線検出センサ４４によって乗員の視線方向を検出し、この視線方向に基づいて情報の表示位置を調整してもよい。

さらにまた、上記実施形態では、走行予定経路６２の形状を変更することで車線変更の目的が異なることを乗員に認識させる構成としたが、これに限定されない。例えば、走行予定経路６２の色及び大きさなどを変化させてもよい。また、走行予定経路６２自体の態様は変更せず、文字６４によってのみ車線変更の目的を表示してもよい。ここで、文字６４の表示位置及び大きさなどは限定されない。

また、上記実施形態では、表示領域Ｖ３に車線を模した画像と、走行予定経路６２のみを表示したが、これに限定されず、自車両を模した画像を加えてもよい。この場合、三人称視点で表示されることとなり、自車両の走行予定経路がより把握しやすくなる。

さらに、上記実施形態では、車線変更要否判断部５６は、走行予定経路取得部５２によって取得された走行予定経路に関する情報、及び周辺状況取得部５４によって取得された車両１２の周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断したが、これに限定されない。例えば、車線変更要否判断部５６は、走行予定経路取得部５２によって取得された走行予定経路に関する情報のみに基づいて車線変更の要否を判断してもよい。また、車線変更要否判断部５６は、周辺状況取得部５４によって取得された車両１２の周辺状況のみに基づいて車線変更の要否を判断してもよい。

また、上記実施形態でＣＰＵ３０がプログラムを読み込んで実行した処理を、ＣＰＵ３０以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）等の製造後に回路構成を変更可能なＰＬＤ（Programmable Logic Device）、及びＡＳＩＣ（Application Spec Integrated Circuit）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの１つで実行してもよいし、同種又は異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよく、例えば、複数のＦＰＧＡ、及びＣＰＵとＦＰＧＡとの組み合わせ等で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。

さらに、上記実施形態では、ストレージ３６に種々のデータを記憶させる構成としたが、これに限定されない。例えば、ＣＤ（Compact Disk）、ＤＶＤ（Digital Versatile Disk）、及びＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリ等の非一時的記録媒体を記憶部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラム及びデータなどが格納されることとなる。

さらにまた、上記実施形態で説明した処理の流れは一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。

また、上記実施形態で説明した表示処理は、自動運転が可能な車両の自動運転時、及び自動運転が可能な車両の手動運転時の両方に適用可能である。また、手動運転のみ可能な車両の手動運転時、及び自動運転のみ可能な車両の自動運転時にも適用可能である。

１０ 車両用表示制御システム
１２ 車両
１８ ウインドシールドガラス
２８ 車両用表示制御装置
４６ ヘッドアップディスプレイ装置（表示装置）
６２ 走行予定経路
Ｖ３ 表示領域

Claims (11)

1. 走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、
   車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する車両用表示制御装置であって、
   前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる、車両用表示制御装置。
2. 前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで、車両の走行予定経路の表示態様を変化させる請求項１に記載の車両用表示制御装置。
3. 前記表示領域に車線変更の目的を文字及びアイコンの少なくとも一方で表示する請求項１に記載の車両用表示制御装置。
4. 追い越し以外を目的とする車線変更のうち、自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更と、分岐路へ進入するための車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる請求項２に記載の車両用表示制御装置。
5. 自動車専用道路の出口へ向かうための車線変更時には、前記走行予定経路の先端を矢印状に表示する請求項４に記載の車両用表示制御装置。
6. 分岐路へ進入するための車線変更時には、前記走行予定経路の先端を断続的に表示する請求項４に記載の車両用表示制御装置。
7. 請求項１～６の何れか１項に記載の車両用表示制御装置と、
   前記表示領域に車線変更に関する情報を表示する表示装置と、
   を有する車両用表示制御システム。
8. 前記表示装置は、ウインドシールドガラスへ映像を投影可能なヘッドアップディスプレイ装置である請求項７に記載の車両用表示制御システム。
9. 請求項８に記載の車両用表示制御システムを備えた車両。
10. 走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、
    車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する車両用表示制御方法であって、
    前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる、
    車両用表示制御方法。
11. 走行予定経路及び周辺状況の少なくとも一方に基づいて車線変更の要否を判断し、
    車線変更が必要な場合に、運転席周辺の表示領域に車線変更に関する情報を表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前方車両の追い越しを目的とする車線変更と、追い越し以外を目的とする車線変更とで前記表示領域に表示する情報を変化させる、
    処理をコンピュータに実行させるプログラム。