JP2024076048A - 時間検出回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検出時間の検出誤差を低減する。【解決手段】時間検出回路15Aは、スイッチング素子の電圧Vdsをレベルシフトした電圧を出力する電圧調整部24と、反転入力端子に互いに同一の閾値電圧Vth_Hが入力されるコンパレータ25H、25Lと、コンパレータ25H、25Lの各出力信号に基づいて被検出時間を検出する検出部26とを備える。コンパレータ25Hの非反転入力端子には、電圧Vdsに対応する分圧電圧VDIVが入力され、コンパレータ25Lの非反転入力端子には、電圧調整部24の出力電圧が入力される。電圧Vdsが第1リファレンス電圧に達する第1時点においてコンパレータ25Lの出力信号が反転するとともに、電圧Vdsが第2リファレンス電圧に達する第2時点においてコンパレータ25Hの出力信号が反転するように、閾値電圧Vth_H、Vth_Lの値および電圧調整部24におけるレベルシフト量が設定されている。【選択図】図4
Description
本発明は、スイッチング素子の主端子電圧が第1リファレンス電圧に達する第1時点から主端子電圧が第2リファレンス電圧に達する第2時点までの時間である被検出時間を検出する時間検出回路に関する。
従来、IGBT、MOSFETなどのスイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動回路において、スイッチング時に発生するサージを抑制する技術、スイッチング素子の主端子電圧の単位時間当たりの変化率であるdV/dtを制御する技術などが求められている。非特許文献1には、スイッチング素子のドレイン・ソース間電圧Vdsの観測結果に基づいて2種類のゲート抵抗のうち一方をオンするタイミングを操作することによりdV/dtを所望する値に制御する技術が開示されている。なお、以下では、このような技術のことを従来技術とも称することとする。
従来技術では、スイッチング素子のdV/dt、つまりスルーレートを検出するための時間検出回路が設けられる。この場合、時間検出回路は、電圧Vdsを分圧回路などにより降圧した電圧をコンパレータで比較することにより、電圧Vdsの変動時間を求め、その変動時間をアナログ電圧に変換する構成となっている。具体的には、時間検出回路は、電圧Vdsを降圧するための一対の容量からなる分圧回路と、その分圧回路の出力電圧と閾値電圧とを比較する2つのコンパレータと、を備えた構成となっている。
"A 4.5V/ns Active Slew-Rate-Controlling Gate Driver with Robust Discrete-Time Feedback Technique for 600V Superjunction MOSFETs", 2019 IEEE International Solid-State Circuits Conference ,SESSION 15 POWER FOR 5G, WIRELESS POWER, AND GAN CONVERTERS 15.8
上記した電圧Vdsの変動時間、つまり電圧Vdsの遷移時間は、電圧Vdsが第1リファレンス電圧に達する第1時点から電圧Vdsが第1リファレンス電圧とは異なる第2リファレンス電圧に達する第2時点までの時間となっている。そのため、従来技術では、2つのコンパレータのうち一方の閾値電圧は、第1リファレンス電圧に対応した電圧となっており、2つのコンパレータのうち他方の閾値電圧は、第2リファレンス電圧に対応した電圧となっている。つまり、従来技術では、2つのコンパレータには、互いに異なる閾値電圧が入力されている。
従来技術では、スイッチング素子を比較的速い速度でスイッチングする場合、つまり高速スイッチングする場合、電圧Vdsの遷移時間が例えば数nsといった非常に短い時間となるため、2つのコンパレータにおいて、閾値電圧の違いに起因した遅延時間の差が無視できない程度に大きくなり、その結果、電圧Vdsの遷移時間の検出に誤差が生じるおそれがある。電圧Vdsの遷移時間の検出誤差が生じると、その遷移時間と第1リファレンス電圧および第2リファレンス電圧とに基づいて求められるdV/dtの値にも誤差が生じてしまい、スイッチング時におけるサージまたはdV/dtを所望する値に制御することができなくなってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検出時間の検出誤差を低減することができる時間検出回路を提供することにある。
請求項1に記載の時間検出回路は、スイッチング素子(5、5A、5B)の主端子の電圧である主端子電圧が第1リファレンス電圧に達する第1時点から前記主端子電圧が前記第1リファレンス電圧とは異なる第2リファレンス電圧に達する第2時点までの時間である被検出時間を検出する回路である。前記時間検出回路は、前記主端子電圧に対応する電圧をレベルシフトまたは分圧した電圧を出力する電圧調整部(24、32、82)と、第1入力端子および第2入力端子を備えた構成であり且つ前記第1入力端子に互いに同一の閾値電圧が入力される2つのコンパレータ(25H、25L)と、前記2つのコンパレータの各出力信号に基づいて前記被検出時間を検出する検出部(26、62)と、を備える。
前記2つのコンパレータのうちいずれか一方の前記第2入力端子には、前記主端子電圧に対応する電圧が入力される。前記2つのコンパレータのうちいずれか他方の前記第2入力端子には、前記電圧調整部の出力電圧が入力される。上記構成において、前記主端子電圧が前記第1リファレンス電圧に達する第1時点において前記2つのコンパレータのうちいずれか一方の出力信号が反転するとともに、前記主端子電圧が前記第2リファレンス電圧に達する前記第2時点において前記2つのコンパレータのうちいずれか他方の出力信号が反転するように、前記閾値電圧の値および前記電圧調整部におけるレベルシフト量または分圧比が設定されている。
このような構成によれば、主端子電圧が第1リファレンス電圧に達する第1時点から主端子電圧が第2リファレンス電圧に達する第2時点までの被検出時間、つまり主端子電圧の遷移時間を検出することができる。また、上記構成では、このような検出に用いる2つのコンパレータのそれぞれに対して同一の閾値電圧を入力するようになっている。そのため、上記構成では、2つのコンパレータが同じ閾値電圧で動作することになり、2つのコンパレータにおける遅延時間の差が無視できる程度に小さくなり、その結果、主端子電圧の遷移時間、つまり被検出時間の検出誤差を低減することができるという優れた効果が得られる。
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1~図9を参照して説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1~図9を参照して説明する。
<ゲート駆動装置の概略構成>
図1に示すように、本実施形態のゲート駆動装置1Aは、一対の直流電源線2、3の間に接続されたハーフブリッジ回路4の上アームを構成するスイッチング素子5Aを駆動する。また、本実施形態のゲート駆動装置1Bは、ハーフブリッジ回路4の下アームを構成するスイッチング素子5Bを駆動する。この場合、ゲート駆動装置1A、1Bは同様の構成であり、スイッチング素子5A、5Bは同様の構成である。そのため、本明細書では、ゲート駆動装置1A、1Bおよびスイッチング素子5A、5Bのそれぞれについて区別する必要がない場合には、末尾のアルファベットを省略して総称することとする。
図1に示すように、本実施形態のゲート駆動装置1Aは、一対の直流電源線2、3の間に接続されたハーフブリッジ回路4の上アームを構成するスイッチング素子5Aを駆動する。また、本実施形態のゲート駆動装置1Bは、ハーフブリッジ回路4の下アームを構成するスイッチング素子5Bを駆動する。この場合、ゲート駆動装置1A、1Bは同様の構成であり、スイッチング素子5A、5Bは同様の構成である。そのため、本明細書では、ゲート駆動装置1A、1Bおよびスイッチング素子5A、5Bのそれぞれについて区別する必要がない場合には、末尾のアルファベットを省略して総称することとする。
ハーフブリッジ回路4は、図示しないモータを駆動するインバータに含まれるものである。ハーフブリッジ回路4には、例えば電池などの図示しない直流電源から直流電源線2、3を介して電源電圧Vaが供給されている。スイッチング素子5は、パワー素子であり、この場合、Nチャネル型のMOSFETと、そのMOSFETのドレイン・ソース間にソース側をアノードとして接続された、つまりMOSFETに対して逆並列に接続された還流用のダイオードと、を含む構成となっている。なお、この場合、MOSFETとは別の素子として還流用のダイオードが設けられているが、MOSFETのボディダイオードを還流用のダイオードとして利用してもよい。
スイッチング素子5Aの一方の主端子であるドレインは、高電位側の直流電源線2に接続されている。スイッチング素子5Aの他方の主端子であるソースは、スイッチング素子5Bの一方の主端子であるドレインに接続されている。スイッチング素子5Bの他方の主端子であるソースは、低電位側の直流電源線3に接続されている。スイッチング素子5Aおよびスイッチング素子5Bの相互接続ノードであるノードN1は、上記した図示しないモータに接続されている。これにより、ハーフブリッジ回路4の出力電流である負荷電流ILがモータに供給される。コントローラ6は、インバータを構成するハーフブリッジ回路4の動作を制御することによりモータの駆動を制御する。
コントローラ6には、図示しない電流検出部から出力される負荷電流ILの検出値を表す検出信号Scが与えられている。コントローラ6は、検出信号Scに基づいて負荷電流ILが所望の目標電流に一致するように、ゲート駆動装置1Aの動作を指令する指令信号Saおよびゲート駆動装置1Bの動作を指令する指令信号Sbを生成して出力する。ゲート駆動装置1Aは、コントローラ6から与えられる指令信号Saに基づいてスイッチング素子5Aの駆動をPWM制御する。また、ゲート駆動装置1Bは、コントローラ6から与えられる指令信号Sbに基づいてスイッチング素子5Bの駆動をPWM制御する。なお、PWMは、Pulse Width Modulationの略称である。
この場合、スイッチング素子5Aおよびスイッチング素子5Bは、相補的にオンオフされる。したがって、スイッチング素子5Aがオンされる期間にはスイッチング素子5Bはオフされており、また、スイッチング素子5Bがオンされる期間にはスイッチング素子5Aはオフされている。上記構成では、負荷電流ILがノードN1からモータへと流れる期間、スイッチング素子5Aがドレインからソースに向けて順方向に電流を流すように駆動されるとともに、スイッチング素子5Bがソースからドレインに向けて逆方向に電流を流すように駆動される。また、上記構成では、負荷電流ILがモータからノードN1へと流れる期間、スイッチング素子5Bがドレインからソースに向けて順方向に電流を流すように駆動されるとともに、スイッチング素子5Aがソースからドレインに向けて逆方向に電流を流すように駆動される。
スイッチング素子5のターンオフ時の各部の波形は、図2に示すような波形となる。なお、図2では、スイッチング素子5Bに対応した各部の波形を例示しているが、スイッチング素子5Aについても同様の波形となる。図2において、Idはスイッチング素子5Bのドレイン電流を表し、Vdsはスイッチング素子5Bのドレイン・ソース間電圧を表し、Vgsはスイッチング素子5Bのゲート・ソース間電圧を表している。スイッチング素子5Bがオフのときのドレイン・ソース間電圧Vdsであるオフ電圧Vds_offは、電源電圧Vaに概ね等しい電圧となる。
この場合、スイッチング素子5Bのドレイン・ソース間電圧Vdsが主端子電圧に相当し、ドレイン・ソース間電圧Vdsの変動の傾きは、主端子電圧の変化率に相当する。なお、本明細書では、ドレイン・ソース間電圧Vdsのことを、単に電圧Vdsと称することがある。また、本明細書では、電圧Vdsの変動の傾きのことをdV/dtと称することがある。この場合、ターンオフ時における電圧Vdsのピーク値Vds_pであるピーク電圧とオフ電圧Vds_offとの差であるΔVdsが、スイッチング素子5Bに重畳するサージ電圧に相当する。
<ゲート駆動装置の具体的構成>
ゲート駆動装置1の具体的な構成としては、例えば図3に示すような構成例を採用することができる。この場合、ゲート駆動装置1が例えば自動車などの車両に搭載される車載用途を想定しており、スイッチング素子5に印加される電源電圧Vaは、例えば数百Vといった比較的高い電圧となっている。なお、図3では、スイッチング素子5Bを駆動するゲート駆動装置1Bを例にしてゲート駆動装置1の具体的な構成を示しているが、スイッチング素子5Aを駆動するゲート駆動装置1Aについても同様の構成を採用することができる。
ゲート駆動装置1の具体的な構成としては、例えば図3に示すような構成例を採用することができる。この場合、ゲート駆動装置1が例えば自動車などの車両に搭載される車載用途を想定しており、スイッチング素子5に印加される電源電圧Vaは、例えば数百Vといった比較的高い電圧となっている。なお、図3では、スイッチング素子5Bを駆動するゲート駆動装置1Bを例にしてゲート駆動装置1の具体的な構成を示しているが、スイッチング素子5Aを駆動するゲート駆動装置1Aについても同様の構成を採用することができる。
この場合、ゲート駆動装置1は、半導体装置、つまりICとして構成されており、検出回路11、電流演算部12、ゲート駆動回路13などを備えている。なお、ゲート駆動装置1は、必ずしもICとして構成されている必要はなく、その一部の構成をICの外部に設けることが可能である。検出回路11には、ノードN1の電圧、つまりスイッチング素子5Bのドレイン電圧が入力されている。検出回路11は、スイッチング素子5Bのソースの電位を基準とした場合におけるスイッチング素子5Bのドレイン電圧、つまり電圧Vdsを入力し、その電圧Vdsに基づいて、スイッチング素子5Bの電圧Vdsの変化率であるdV/dtを検出する。検出回路11は、変化率dV/dtの検出値を表す信号Sdを出力する。
検出回路11は、分圧回路14、時間検出回路15および変化率演算部16を備えている。分圧回路14は、2つのキャパシタC1、C2を備えている。キャパシタC1、C2は、ICに内蔵することも可能であるし、ICの外部に設けること、つまりICの外部に設けられる外付け部品であるセラミックコンデンサなどを使用することも可能である。キャパシタC1の一方の端子はノードN1に接続され、その他方の端子はキャパシタC2を介して電源線17に接続されている。電源線17は、回路の基準電位であるグランドが与えられるものであり、スイッチング素子5Bのソースが接続される直流電源線3と同電位となっている。このように、分圧回路14は、直列接続されたキャパシタC1、C2を備えた構成となっている。
この場合、キャパシタC1、C2は、一対の分圧容量として機能するものであり、ノードN1に発生する比較的高い電圧が印加されても故障することがないような高い耐圧を有する構成となっている。上記構成により、分圧回路14は、キャパシタC1、C2によりスイッチング素子5Bの主端子電圧である電圧Vdsを分圧して出力する。具体的には、分圧回路14は、電圧VdsをキャパシタC1、C2の容量比で分圧し、キャパシタC1、C2の相互接続ノードであるノードN2から出力する。この場合、分圧回路14から出力される分圧電圧VDIVは、スイッチング素子5の主端子電圧に対応する電圧に相当する。
時間検出回路15は、分圧電圧VDIVに基づいて、電圧Vdsの変動時間である被検出時間を検出する。具体的には、被検出時間は、スイッチング素子5のターンオフ時において、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点から電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点までの時間となっている。第1リファレンス電圧Vr1および第2リファレンス電圧Vr2は、いずれも予め設定された電圧である。
また、第2リファレンス電圧Vr2は、第1リファレンス電圧Vr1とは異なる電圧である。具体的には、第1リファレンス電圧Vr1は、0Vより高く且つ第2リファレンス電圧Vr2より低い所定の電圧に設定されており、第2リファレンス電圧Vr2は、第1リファレンス電圧Vr1より高く且つオフ電圧Vds_offより低い所定の電圧に設定されている。時間検出回路15は、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す信号Seを出力する。
変化率演算部16には、時間検出回路15から出力される信号Seおよびコントローラ6から出力される指令信号Sbが入力されている。また、図示は省略しているが、変化率演算部16には、第1リファレンス電圧Vr1および第2リファレンス電圧Vr2の各電圧値を表す信号が入力されている。変化率演算部16は、信号Seと、指令信号Sbと、第1リファレンス電圧Vr1および第2リファレンス電圧Vr2の各電圧値と、に基づいて、スイッチング素子5のターンオフ時における変化率dV/dtを演算する。変化率演算部16は、このような演算の結果を表す信号として、前述した信号Sdを出力する。
電流演算部12には、変化率演算部16から出力される信号Sdが入力されている。電流演算部12は、スイッチング素子5のターンオフ時における変化率dV/dtを目標変化率dV/dt*に制御するために次のような演算を行う。すなわち、電流演算部12は、信号Sdが表す変化率dV/dtの検出値および目標変化率dV/dt*に基づいて、ターンオフ時における電圧Vdsの変化率dV/dtが目標変化率dV/dt*に等しくなるようなゲート電流Ig_offの電流値を演算する。ゲート電流Ig_offは、スイッチング素子5のゲートをターンオフさせるゲート電流である。電流演算部12は、このような演算の結果により得られるゲート電流Ig_offの電流値を表す信号Sfを出力する。
ゲート駆動回路13は、スイッチング素子5のゲートを定電流駆動する構成となっている。すなわち、ゲート駆動回路13は、電流源18、19、スイッチ20、21およびロジック回路22を備えている。電流源18の上流側端子は、電源電圧Vbが供給される電源線23に接続され、その下流側端子は、スイッチ20を介してスイッチング素子5Bのゲートに接続されている。電源電圧Vbは、スイッチング素子5Bのソースに接続される電源線17の電位を基準とした電圧であり、スイッチング素子5Bのゲート閾値電圧よりも十分に高い電圧となっている。
電流源18は、ターンオン時にスイッチング素子5のゲートに供給するための一定の電流、つまりスイッチング素子5のゲートをターンオンさせるゲート電流Ig_onを生成する定電流回路である。なお、ゲート駆動回路13におけるターンオン側の構成として、電流源18に代えて一定の抵抗値を有する抵抗を設けてもよい。つまり、ゲート駆動回路13は、ターンオン側については、定電流駆動する構成でなくともよい。スイッチ20は、例えばPチャネル型MOSトランジスタなどの半導体スイッチング素子を含む構成であり、電流源18とスイッチング素子5Bのゲートとの間を開閉する。
電流源19の下流側端子は、電源線17に接続され、その上流側端子は、スイッチ21を介してスイッチング素子5Bのゲートに接続されている。電流源19は、ターンオフ時にスイッチング素子5Bのゲートから引き抜くための一定の電流、つまりスイッチング素子5Bのゲートをターンオフさせるためのゲート電流Ig_offを生成する定電流回路である。この場合、電流源19は、電流演算部12から出力される信号Sfに基づいて、その電流値を変更することができる構成となっている。スイッチ21は、例えばNチャネル型MOSトランジスタなどの半導体スイッチング素子を含む構成であり、スイッチング素子5Bのゲートと電流源19との間を開閉する。
ロジック回路22は、指令信号Sbに基づいてスイッチ20、21を相補的にオンオフする。ただし、この場合、スイッチ20、21の双方がオフする期間、いわゆるデッドタイムが設けられる。上記構成によれば、スイッチ20がオンされることによりスイッチング素子5Bがターンオンされるとともに、スイッチ21がオンされることによりスイッチング素子5Bがターンオフされる。また、上記構成では、信号Sfに応じて電流源19の電流値、つまりスイッチング素子5Bのターンオフ時におけるゲート電流Ig_offが変更される。この場合、前回のスイッチング時における各検出値に基づいて演算されたゲート電流Ig_offの電流値が、次回のスイッチング時に適用されるようになっており、それにより次回のスイッチング時のターンオフ時におけるゲート駆動速度が変更される。
<時間検出回路の具体的な構成>
時間検出回路15の具体的な構成としては、例えば図4に示すような第1構成例または図5に示すような第2構成例を採用することができる。
[1]第1構成例
図4に示すように、第1構成例の時間検出回路15Aは、電圧調整部24、コンパレータ25H、25L、検出部26などを備えている。電圧調整部24は、分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力するものであり、分圧電圧VDIVをレベルシフトするレベルシフト回路として構成されている。2つのコンパレータ25H、25Lは、いずれも第1入力端子に相当する反転入力端子および第2入力端子に相当する非反転入力端子を備えた構成である。
時間検出回路15の具体的な構成としては、例えば図4に示すような第1構成例または図5に示すような第2構成例を採用することができる。
[1]第1構成例
図4に示すように、第1構成例の時間検出回路15Aは、電圧調整部24、コンパレータ25H、25L、検出部26などを備えている。電圧調整部24は、分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力するものであり、分圧電圧VDIVをレベルシフトするレベルシフト回路として構成されている。2つのコンパレータ25H、25Lは、いずれも第1入力端子に相当する反転入力端子および第2入力端子に相当する非反転入力端子を備えた構成である。
コンパレータ25H、25Lの各反転入力端子には、互いに同一の閾値電圧Vth_Hが入力される。閾値電圧Vth_Hは、第2リファレンス電圧Vr2に対応する電圧であり、具体的には、第2リファレンス電圧Vr2を分圧回路14のキャパシタC1、C2の容量比、つまり分圧回路14の分圧比で分圧した電圧に相当する。2つのコンパレータ25H、25Lのうちいずれか一方であるコンパレータ25Hの非反転入力端子には、分圧電圧VDIVが入力される。2つのコンパレータ25H、25Lのうちいずれか他方であるコンパレータ25Lの非反転入力端子には、電圧調整部24の出力電圧が入力される。
コンパレータ25Hは、分圧電圧VDIVおよび閾値電圧Vth_Hの比較結果を表す出力信号OUT_Hを出力する。コンパレータ25Lは、電圧調整部24の出力電圧および閾値電圧Vth_Hの比較結果を表す出力信号OUT_Lを出力する。出力信号OUT_HおよびOUT_Lは、いずれも2値の信号となっている。以下の説明では、2値の信号について、相対的に低いレベルのことをロウレベルと称するとともに、相対的に高いレベルのことをハイレベルと称することとする。
この場合、電圧調整部24は、分圧電圧VDIVをレベルアップする構成となっており、そのレベルシフト量LS1は、下記(1)式により表される。ただし、閾値電圧Vth_Lは、第1リファレンス電圧Vr1に対応する電圧であり、具体的には、第1リファレンス電圧Vr1を分圧回路14の分圧比で分圧した電圧に相当する。
LS1=Vth_H-Vth_L …(1)
LS1=Vth_H-Vth_L …(1)
上記構成によれば、図7に示すように、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Lに達する時点t1においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lがロウレベルからハイレベルに転じる。また、上記構成によれば、図7に示すように、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Hに達する時点t2においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hがロウレベルからハイレベルに転じる。時点t1は、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点に相当する。時点t2は、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点に相当する。
このように、上記構成では、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lが反転するとともに、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hが反転するように、閾値電圧Vth_L、Vth_Hの各値および電圧調整部24におけるレベルシフト量LS1が設定されている。
検出部26は、2つのコンパレータ25H、25Lの各出力信号OUT_H、OUT_Lに基づいて被検出時間を検出するものであり、EX-OR回路27、電流源28、スイッチ29および容量30を備えている。EX-OR回路27の一方の入力端子には出力信号OUT_Hが入力され、その他方の入力端子には出力信号OUT_Lが入力される。EX-OR回路27は、これら入力される各出力信号OUT_H、OUT_Lの排他的論理和を演算し、その演算結果を表す信号Sgを出力する。
上記構成によれば、信号Sgは、図7に示すように、出力信号OUT_H、OUT_Lの双方がハイレベルまたはロウレベルである期間にはロウレベルとなり、出力信号OUT_H、OUT_Lの一方だけがハイレベルである期間にはハイレベルとなる。電流源28は、一定の電流を出力する定電流回路として構成されている。電流源28の上流側端子は、電源電圧Vcが供給される電源線31に接続され、その下流側端子は、スイッチ29を介してノードN3に接続されている。
容量30は、ノードN3と回路の基準電位が与えられる電源線17との間に接続されている。スイッチ29は、EX-OR回路27から出力される信号Sgに応じてオンオフされる。具体的には、スイッチ29は、信号Sgがハイレベルである期間にオンされるとともに、信号Sgがロウレベルである期間にオフされる。このような構成によれば、容量30は、信号Sgがハイレベルである期間に電流源28の電流により充電される。
言い換えると、容量30は、出力信号OUT_H、OUT_Lの一方だけがハイレベルである期間、つまり時点t1から時点t2までの期間に電流源28の電流により充電される。このような充電後の容量30の端子電圧、つまりノードN3の電圧Vdは、被検出時間である電圧Vdsの変動時間に応じた電圧となる。すなわち、時間検出回路15Aは、時間-電圧変換回路として構成されている。上記構成では、このような電圧Vdが電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧信号である信号Seとして出力される。
[2]第2構成例
図5に示すように、第2構成例の時間検出回路15Bは、第1構成例の時間検出回路15Aに対し、電圧調整部24に代えて電圧調整部32を備えている点、コンパレータ25H、25Lに入力される閾値電圧が変更されている点などが異なっている。電圧調整部32は、電圧調整部24と同様、分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力するものであり、分圧電圧VDIVをレベルシフトするレベルシフト回路として構成されている。
図5に示すように、第2構成例の時間検出回路15Bは、第1構成例の時間検出回路15Aに対し、電圧調整部24に代えて電圧調整部32を備えている点、コンパレータ25H、25Lに入力される閾値電圧が変更されている点などが異なっている。電圧調整部32は、電圧調整部24と同様、分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力するものであり、分圧電圧VDIVをレベルシフトするレベルシフト回路として構成されている。
この場合、コンパレータ25H、25Lの各反転入力端子には、互いに同一の閾値電圧Vth_Lが入力される。2つのコンパレータ25H、25Lのうちいずれか一方であるコンパレータ25Lの非反転入力端子には、分圧電圧VDIVが入力される。2つのコンパレータ25H、25Lのうちいずれか他方であるコンパレータ25Hの非反転入力端子には、電圧調整部32の出力電圧が入力される。
コンパレータ25Lは、分圧電圧VDIVおよび閾値電圧Vth_Lの比較結果を表す出力信号OUT_Lを出力する。コンパレータ25Hは、電圧調整部32の出力電圧および閾値電圧Vth_Lの比較結果を表す出力信号OUT_Hを出力する。この場合、電圧調整部32は、分圧電圧VDIVをレベルダウンする構成となっており、そのレベルシフト量LS1は、電圧調整部24と同様、上記(1)式により表される。
上記構成によっても、第1構成例の時間検出回路15Aと同様、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Lに達する時点t1においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lがロウレベルからハイレベルに転じるとともに、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Hに達する時点t2においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hがロウレベルからハイレベルに転じる。
このように、上記構成によっても、第1構成例の時間検出回路15Aと同様、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lが反転するとともに、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hが反転するように、閾値電圧Vth_L、Vth_Hの各値および電圧調整部32におけるレベルシフト量LS1が設定されている。
<電圧調整部の具体的な構成>
電圧調整部24の具体的な構成としては、例えば図6に示すような構成例を採用することができる。なお、図6では、第1構成例の時間検出回路15Aが備える電圧調整部24の具体的な構成を示しているが、第2構成例の時間検出回路15Bが備える電圧調整部32についても同様の構成を採用することができる。図6に示すように、電圧調整部24は、スイッチ33、34、35および容量36を備えた容量レベルシフト回路として構成されている。
電圧調整部24の具体的な構成としては、例えば図6に示すような構成例を採用することができる。なお、図6では、第1構成例の時間検出回路15Aが備える電圧調整部24の具体的な構成を示しているが、第2構成例の時間検出回路15Bが備える電圧調整部32についても同様の構成を採用することができる。図6に示すように、電圧調整部24は、スイッチ33、34、35および容量36を備えた容量レベルシフト回路として構成されている。
スイッチ33~35は、例えばMOSトランジスタなどの半導体スイッチング素子により構成されている。容量36の一方の端子は、スイッチ33を介して分圧電圧VDIVが与えられるノードN4に接続されている。また、容量36の一方の端子は、スイッチ34を介して閾値電圧Vth_Hが与えられる電圧線37に接続されている。容量36の他方の端子は、スイッチ35を介して閾値電圧Vth_Lが与えられる電圧線38に接続されている。また、容量36の他方の端子は、コンパレータ25Lの非反転入力端子に接続されている。
上記構成において、スイッチ34、35は、同一のタイミングでオンオフされる。また、上記構成において、スイッチ33と、スイッチ34、35とは、相補的にオンオフされる。この場合、まず、スイッチ34、35がオンされる。これにより、容量36の2つの端子間に「Vth_H-Vth_L」の電圧に相当する電荷、つまり電圧調整部24におけるレベルシフト量LS1に相当する電荷が充電される。次に、スイッチ33がオンされる。これにより、分圧電圧VDIVが「Vth_H-Vth_L」分だけ、つまりレベルシフト量LS1だけ持ち上げられた電圧がコンパレータ25Lの非反転入力端子に入力される。
このような構成によれば、分圧電圧VDIVの電圧が閾値電圧Vth_Lに達した時点t1において、コンパレータ25Lの非反転入力端子に入力される電圧が閾値電圧Vth_Hに達することになる。したがって、上記構成によれば、コンパレータ25Lは、分圧電圧VDIVと閾値電圧Vth_Lとを比較する従来の構成と同様に機能することができる。このように、図6に示す電圧調整部24は、容量36の2つの端子間にレベルシフト量LS1に対応する電圧を印加して充電し、その充電された容量36の一方の端子に主端子電圧に対応する分圧電圧VDIVを印加することにより容量36の他方の端子から分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力するようになっている。
次に、上記構成による具体的な動作のタイミングについて、図7を参照して説明する。なお、ここでは、時間検出回路15の具体的な構成として図4に示した第1構成例を採用するとともに、電圧調整部24の具体的な構成として図6に示した構成例を採用した場合を例に説明を行う。図7および以下の説明では、指令信号Sbについて、スイッチング素子5のオンを指令する状態を「ON指令」と表し、スイッチング素子5のオフを指令する状態を「OFF指令」と表す。
図7および以下の説明では、スイッチ33~35の状態について、オンされた状態を「ON」と表し、オフされた状態を「OFF」と表す。図7および以下の説明では、コンパレータ25H、25Lの非反転入力端子の電圧を「電圧VIN+」と表す。図7では、2値の信号のレベルについて、ハイレベルを「H」と表し、ロウレベルを「L」と表す。この場合、図示は省略しているが、時点ta以前の期間には、「指令信号Sb=OFF指令、スイッチ34、35=OFF、スイッチ33=ON」になっているものとする。
時点taにおいて、指令信号SbがOFF指令からON指令に転じる。すると、スイッチ34、35がOFFからONに転じるとともに、スイッチ33がONからOFFに転じる。これにより、コンパレータ25Lの電圧VIN+がゼロから上昇し、やがて電圧調整部24のレベルシフト量LS1に相当する電圧「Vth_H-Vth_L」に達する。時点taから所定時間が経過した時点tbにおいて、スイッチ34、35がONからOFFに転じるとともに、スイッチ33がOFFからONに転じる。
その後、時点tcにおいて、指令信号SbがON指令からOFF指令に転じる。すると、ゲート駆動回路13によりスイッチング素子5Bがオフ駆動される。時点tcから所定の遅延時間が経過した後、電圧Vds、ひいては分圧電圧VDIVがゼロから上昇し始める。その後、時点t1において、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する、つまり、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Lに達する。
このとき、コンパレータ25Lの電圧VIN+が閾値電圧Vth_Hに達することにより、コンパレータ25Lの出力信号OUT_Lがロウレベルからハイレベルに転じる。そのため、時点t1において、EX-OR回路27から出力される信号Sgがロウレベルからハイレベルに転じる。すると、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seがゼロから上昇し始める。
その後、時点t2において、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する、つまり分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Hに達する。このとき、コンパレータ25Hの電圧VIN+が閾値電圧Vth_Hに達することにより、コンパレータ25Hの出力信号OUT_Hがロウレベルからハイレベルに転じる。そのため、時点t2において、EX-OR回路27から出力される信号Sgがハイレベルからロウレベルに転じる。すると、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seは、その上昇が停止され、その後は、時点t2における電圧値に保持される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態の時間検出回路15は、電圧Vdsに対応する分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力する電圧調整部24または32と、2つのコンパレータ25H、25Lと、2つのコンパレータ25H、25Lの各出力信号OUT_H、OUT_Lに基づいて被検出時間である電圧Vdsの変動時間を検出する検出部26と、を備えている。2つのコンパレータ25H、25Lの各反転入力端子には、互いに同一の閾値電圧が入力される。コンパレータ25H、25Lのうち一方の非反転入力端子には、分圧電圧VDIVが入力される。コンパレータ25H、25Lのうち他方の非反転入力端子には、電圧調整部24または32の出力電圧が入力される。
本実施形態の時間検出回路15は、電圧Vdsに対応する分圧電圧VDIVをレベルシフトした電圧を出力する電圧調整部24または32と、2つのコンパレータ25H、25Lと、2つのコンパレータ25H、25Lの各出力信号OUT_H、OUT_Lに基づいて被検出時間である電圧Vdsの変動時間を検出する検出部26と、を備えている。2つのコンパレータ25H、25Lの各反転入力端子には、互いに同一の閾値電圧が入力される。コンパレータ25H、25Lのうち一方の非反転入力端子には、分圧電圧VDIVが入力される。コンパレータ25H、25Lのうち他方の非反転入力端子には、電圧調整部24または32の出力電圧が入力される。
上記構成において、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lが反転するとともに、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hが反転するように、閾値電圧Vth_H、Vth_Lの値および電圧調整部24または32におけるレベルシフト量LS1が設定されている。
このような構成によれば、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点から電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点までの被検出時間、つまり電圧Vdsの遷移時間を検出することができる。また、上記構成では、このような検出に用いる2つのコンパレータ25H、25Lのそれぞれに対して同一の閾値電圧を入力するようになっている。そのため、上記構成では、2つのコンパレータ25H、25Lが同じ閾値電圧で動作することになり、2つのコンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が無視できる程度に小さくなり、その結果、電圧Vdsの遷移時間、つまり被検出時間の検出誤差を低減することができるという優れた効果が得られる。
なお、このような本実施形態により得られる効果は、従来技術に相当する比較例との比較により一層明らかなものとなる。すなわち、図8に示すように、比較例の時間検出回路41は、図4および図6に示した本実施形態の時間検出回路15Aに対し、電圧調整部24が省かれている点、コンパレータ25Lの各入力端子に入力される電圧が変更されている点などが異なる。この場合、コンパレータ25Lの非反転入力端子には、分圧電圧VDIVが入力され、その反転入力端子には、閾値電圧Vth_Lが入力されている。
図9に示すように、比較例の構成では、コンパレータ25H、25Lが互いに異なる閾値電圧で動作することが原因で、コンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が大きくなる。具体的には、コンパレータ25Lの遅延時間tdLがコンパレータ25Hの遅延時間よりも長いものとなる。なお、この場合、説明を分かり易くするため、遅延時間tdHは略ゼロとしている。そのため、比較例では、出力信号OUT_Lの立ち上がりタイミングが遅れてしまい、その結果、EX-OR回路27から出力される信号gがハイレベルである期間、つまり容量30を充電する期間が本来あるべき時間よりも上記した遅延時間の差だけ短くなる。
したがって、比較例では、図9に破線で示すように、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seの電圧値が、図9に実線で示す真値よりも小さい値を示すものとなってしまい、電圧Vdsの変動時間の検出誤差が生じる。このような比較例において生じる検出誤差は、スイッチング素子5を比較的速い速度でスイッチングする場合、つまり高速スイッチングする場合に一層顕著に表れることになる。これに対し、本実施形態によれば、コンパレータ25H、25Lが互いに同一の閾値電圧で動作するようになっているため、コンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が小さく抑えられ、その結果、たとえスイッチング素子5を高速スイッチングする場合であっても、電圧Vdsの変動時間の検出誤差を低減することができる。
本実施形態では、電圧調整部24、32は、図6に示したように、スイッチ33~35および容量36を備えた容量レベルシフト回路として構成されている。電圧調整部24は、容量レベルシフト回路に限らず、抵抗分圧、ダイオード、バッファなどによるレベルシフト回路として構成することも可能である。ただし、このような別の構成例では、抵抗成分が寄生容量に対する充電時間を長引かせることになり、被検出時間の検出に関する過渡応答性が低下するおそれがある。これに対し、容量レベルシフト回路として構成された本実施形態の電圧調整部24、32によれば、上記した別の構成例に対し、抵抗成分が格段に少ないことから、被検出時間の検出に関する過渡応答性を向上することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図10を参照して説明する。
本実施形態では、時間検出回路の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図10に示すように、本実施形態の時間検出回路51は、図6に示した第1実施形態の時間検出回路15Aに対し、電圧調整部52が追加されている点、2つのコンパレータ25H、25Lのうちいずれか一方であるコンパレータ25Hの非反転入力端子に分圧電圧VDIVに代えて電圧調整部52の出力電圧が入力されている点などが異なる。
以下、第2実施形態について図10を参照して説明する。
本実施形態では、時間検出回路の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図10に示すように、本実施形態の時間検出回路51は、図6に示した第1実施形態の時間検出回路15Aに対し、電圧調整部52が追加されている点、2つのコンパレータ25H、25Lのうちいずれか一方であるコンパレータ25Hの非反転入力端子に分圧電圧VDIVに代えて電圧調整部52の出力電圧が入力されている点などが異なる。
この場合、電圧調整部24が第1電圧調整部として機能するとともに、電圧調整部52が第2電圧調整部として機能する。電圧調整部52は、電圧調整部24と同様のレベルシフト回路、つまりスイッチ33、34、35および容量36を備えた容量レベルシフト回路として構成されている。ただし、この場合、スイッチ34は、ノードN4と容量36の一方の端子との間、つまりスイッチ33の両端子間に接続されている。また、この場合、スイッチ35は、ノードN4とコンパレータ25Hの非反転入力端子との間に接続されている。
このような構成によれば、電圧調整部52のレベルシフト量LS2は0Vとなる。つまり、電圧調整部52は、分圧電圧VDIVを0Vだけレベルシフトした電圧を出力する構成となっている。したがって、電圧調整部52の出力電圧の電圧値は、分圧電圧VDIVの電圧値と略同一の値となる。
このようなことから、上記構成では、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lが反転するとともに、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hが反転するように、閾値電圧Vth_L、Vth_Hの各値および電圧調整部24におけるレベルシフト量LS1および電圧調整部52によるレベルシフト量LS2が設定されている。
以上説明した本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様に電圧Vdsの遷移時間を検出することができる。また、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様、2つのコンパレータ25H、25Lが同じ閾値電圧で動作することになり、2つのコンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が無視できる程度に小さくなり、その結果、被検出時間の検出誤差を低減することができるという優れた効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、第1実施形態の各構成例では、2つのコンパレータ25H、25Lのうち片方の非反転入力端子に至る経路にだけ、容量レベルシフト回路として構成された電圧調整部24または32が設けられていたため、2つのコンパレータ25H、25L間において寄生容量アンバランスが生じるおそれがあった。なお、寄生容量アンバランスは、スイッチ33~35を構成するMOSトランジスタの寄生容量、スイッチ33~35および容量36などを接続するための配線の寄生容量などが原因となって生じる。
2つのコンパレータ25H、25L間において寄生容量アンバランスが生じると、2つのコンパレータ25H、25L間における遅延時間に差が生じてしまい、その結果、被検出時間の検出に誤差が発生する可能性がある。これに対し、本実施形態の構成では、2つのコンパレータ25H、25Lの両方の非反転入力端子に至る経路に互いに同じ容量レベルシフト回路として構成された電圧調整部24、52を設けるようにした。そのため、本実施形態の構成によれば、2つのコンパレータ25H、25Lにおける寄生アンバランスが低減されて遅延時間の差が一層小さく抑えられ、その結果、被検出時間の検出誤差を一層低減することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について図11および図12を参照して説明する。
本実施形態では、時間検出回路の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図11に示すように、本実施形態の時間検出回路61は、図4に示した第1実施形態の時間検出回路15Aに対し、検出部26に代えて検出部62を備えている点などが異なる。検出部62は、検出部26が備える各構成に加え、2つのラッチ63、64を備えている。
以下、第3実施形態について図11および図12を参照して説明する。
本実施形態では、時間検出回路の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図11に示すように、本実施形態の時間検出回路61は、図4に示した第1実施形態の時間検出回路15Aに対し、検出部26に代えて検出部62を備えている点などが異なる。検出部62は、検出部26が備える各構成に加え、2つのラッチ63、64を備えている。
2つのラッチ63、64は、2つのコンパレータ25H、25Lの各出力信号OUT_H、OUT_Lをそれぞれ入力する。2つのラッチ63、64の各出力信号LOUT_H、LOUT_Lは、EX-OR回路27の各入力端子に入力されている。ラッチ63、64は、リセット信号RESETによりリセットされる。このような構成によれば、検出部62は、コンパレータ25H、25Lの各出力信号OUT_H、OUT_Lをラッチした後の出力信号LOUT_H、LOUT_Lに基づいて被検出時間を検出する。
次に、上記構成による具体的な動作のタイミングについて、図12を参照して説明する。なお、図12では、指令信号Sbの図示を省略しているが、指令信号Sbについては図7と同様になっているものとする。時点tcにおいて、指令信号SbがON指令からOFF指令に転じると、ゲート駆動回路13によりスイッチング素子5Bがオフ駆動される。時点tcから所定の遅延時間が経過した後、電圧Vds、ひいては分圧電圧VDIVがゼロから上昇し始める。その後、時点t1において、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する、つまり、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Lに達する。
このとき、コンパレータ25Lの電圧VIN+が閾値電圧Vth_Hに達することにより、コンパレータ25Lの出力信号OUT_Lがロウレベルからハイレベルに転じる。すると、ラッチ64の出力信号LOUT_Lもロウレベルからハイレベルに転じる。そのため、時点t1において、EX-OR回路27から出力される信号Sgがロウレベルからハイレベルに転じる。すると、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seがゼロから上昇し始める。
その後、時点t2において、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する、つまり分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Hに達する。このとき、コンパレータ25Hの電圧VIN+が閾値電圧Vth_Hに達することにより、コンパレータ25Hの出力信号OUT_Hがロウレベルからハイレベルに転じる。すると、ラッチ63の出力信号LOUT_Hもロウレベルからハイレベルに転じる。そのため、時点t2において、EX-OR回路27から出力される信号Sgがハイレベルからロウレベルに転じる。
すると、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seは、その上昇が停止され、その後は、時点t2における電圧値に保持される。その後、期間Taにおいて、ターンオフ時のリンギングに起因してコンパレータ25Hの電圧IN+が閾値電圧Vth_Hを境に上昇および下降を繰り返す。そのため、期間Taでは、コンパレータ25Hの出力信号OUT_Hが誤ってロウレベルに転じた後に再びハイレベルに転じる、といった状態が繰り返されている。
つまり、期間Taでは、リンギングによるコンパレータ25Hの誤反応が生じている。ただし、このようなコンパレータ25Hの誤反応にかかわらず、期間Taにおいてもラッチ63の出力信号LOUT_Hは、ハイレベルに維持されたままとなっている。そのため、図12に実線で示すように、EX-OR回路27から出力される信号Sgもロウレベルに維持されたままとなり、信号Seの電圧値が時点t2における電圧値に正しく保持されたままとなる。
以上説明した本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様に電圧Vdsの遷移時間を検出することができる。また、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様、2つのコンパレータ25H、25Lが同じ閾値電圧で動作することになり、2つのコンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が無視できる程度に小さくなり、その結果、被検出時間の検出誤差を低減することができるという優れた効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、第1実施形態の構成では、ターンオフ時のリンギングなどに起因してコンパレータ25H、25Lの電圧VIN+が閾値電圧Vth_H、Vth_Lを跨ぐように変化すると、コンパレータ25H、25Lが誤反応し、被検出時間の検出値に誤差が生じるおそれがある。具体的には、第1実施形態の構成では、図12に破線で示すように、リンギングによりコンパレータ25Hが誤反応した場合、出力信号OUT_Hが誤ってロウレベルに転じた期間、つまり信号Sgが誤ってハイレベルに転じた期間の分だけ信号Seの電圧値が余分に上昇してしまい、被検出時間の検出値が実際の値よりも高くなってしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態の構成では、ターンオフ時のリンギングなどに起因してコンパレータ25H、25Lの電圧VIN+が閾値電圧Vth_H、Vth_Lを跨ぐように変化したとしても、ラッチ63、64の出力信号LOUT_H、LOUT_Lのレベルが誤ったレベルに変化することはない。したがって、本実施形態の構成によれば、リンギングによるコンパレータ25H、25Lの誤反応が生じた場合でも、信号Seの電圧値は時点t2における電圧値に正しく保持されたままとなるため、被検出時間の検出誤差が発生する可能性を抑制することができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について図13および図14を参照して説明する。
本実施形態では、ゲート駆動装置の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図13に示すように、本実施形態のゲート駆動装置71は、図3に示した第1実施形態のゲート駆動装置1Bに対し、時間検出回路15に代えて時間検出回路72を備えている点などが異なる。
以下、第4実施形態について図13および図14を参照して説明する。
本実施形態では、ゲート駆動装置の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図13に示すように、本実施形態のゲート駆動装置71は、図3に示した第1実施形態のゲート駆動装置1Bに対し、時間検出回路15に代えて時間検出回路72を備えている点などが異なる。
時間検出回路72は、時間検出回路15と同様の構成に加え、電圧検出部73および閾値変動部74を備えている。なお、図13では、時間検出回路72において、時間検出回路15と同様の構成を時間検出部75として表している。電圧検出部73には、分圧回路14から出力される分圧電圧VDIVが入力されている。電圧検出部73は、分圧電圧VDIVに基づいて、スイッチング素子5Bの主端子であるドレインに印加される電源電圧Vaを検出する。
電圧検出部73は、アンプ76、77、スイッチ78、容量79などを備えている。アンプ76の非反転入力端子には、分圧電圧VDIVが入力されている。また、アンプ76は、反転入力端子と出力端子とが接続されている。このように、アンプ76は、ボルテージフォロワとして構成されており、分圧電圧VDIVを入力して出力するバッファとして機能する。アンプ76の出力端子は、スイッチ78を介してノードN5に接続されている。容量79は、ノードN5および回路の基準電位が与えられる電源線17の間に接続されている。
スイッチ78は、変化率演算部16から出力される信号Shに応じてオンオフされる。変化率演算部16は、指令信号Sbに基づいて信号Shを生成する。信号Shは、指令信号Sbがロウレベルである期間、つまりスイッチング素子5をターンオフする期間にハイレベルになるとともに、その他の期間にロウレベルとなる。スイッチ78は、信号Shがハイレベルである期間にオンするとともに、信号Shがロウレベルである期間にオフする。このような構成によれば、容量79は、信号Shがハイレベルである期間にアンプ76の出力電圧により充電される。これにより、容量79には、オフ電圧Vds_off、つまり電源電圧Vaに対応した分圧電圧VDIVに相当する電荷が保持される。
アンプ77の非反転入力端子には、ノードN5の電圧、つまり容量79によって保持された電圧Veが入力されている。また、アンプ77は、反転入力端子と出力端子とが接続されている。このように、アンプ77は、ボルテージフォロワとして構成されており、電圧Veを入力して出力するバッファとして機能する。上記構成によれば、アンプ77から出力される電圧Vfが、電源電圧Vaの検出値を表す電圧となる。閾値変動部74は、電圧検出部73により検出された電源電圧Vaの値に応じて閾値電圧Vth_H、Vth_Lを変動させるものであり、抵抗R1、R2、R3などを備えている。
抵抗R1、R2、R3は、アンプ77の出力端子と電源線17との間に、この順番で直列に接続されており、抵抗分圧回路を構成している。この場合、抵抗R1と抵抗R2との相互接続ノードであるノードN6の電圧が閾値電圧Vth_Hとなり、抵抗R2と抵抗R3との相互接続ノードであるノードN7の電圧が閾値電圧Vth_Lとなる。抵抗R1~R3の各抵抗値は、上記した抵抗分圧回路により生成される閾値電圧Vth_Lおよび閾値電圧Vth_Hが、それぞれ第1リファレンス電圧Vr1および第2リファレンス電圧Vr2に対応する電圧となるような値に設定されている。
詳細は後述するが、第1リファレンス電圧Vr1および第2リファレンス電圧Vr2は、オフ電圧Vds_off、つまり電源電圧Vaの電圧値に応じて、それらの最適な電圧値が変化することになる。上記構成では、電源電圧Vaが変動した場合、その変動に応じて、閾値電圧Vth_Lが最適な第1リファレンス電圧Vr1に対応するような電圧値となり、閾値電圧Vth_Hが最適な第2リファレンス電圧Vr2に対応するような電圧となるように構成されている。
閾値変動部74から出力される閾値電圧Vth_H、Vth_Lは、時間検出部75に加え、変化率演算部16に入力されている。また、電圧検出部73のアンプ77から出力される電源電圧Vaの検出値を表す電圧Vfは、変化率演算部16に入力されている。この場合、変化率演算部16は、信号Seと、指令信号Sbと、電圧Vfが表す電源電圧Vaの電圧値と、閾値電圧Vth_H、Vth_Lと、に基づいて、スイッチング素子5のターンオフ時における変化率dV/dtを演算する。
以上説明した本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様に電圧Vdsの遷移時間を検出することができる。また、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様、2つのコンパレータ25H、25Lが同じ閾値電圧で動作することになり、2つのコンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が無視できる程度に小さくなり、その結果、被検出時間の検出誤差を低減することができるという優れた効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、スイッチング素子5のオフ電圧Vds_off、つまりスイッチング素子5に印加される電源電圧Vaの電圧値は、必ずしも一定ではなく、様々な要因により変動する可能性がある。第1実施形態の構成のように、閾値電圧Vth_H、Vth_Lを一定の電圧値とした場合、電源電圧Vaの電圧値が変動すると被検出時間を用いて検出される変化率dV/dtの検出に誤差が発生する可能性があった。変化率dV/dtを精度良く検出するためには、被検出時間である電圧Vdsの変動時間としては、ターンオフ時における電圧Vdsの立ち上がりの傾きが一定の直線状となる波形部分の時間とすることが望ましい。
例えば、図14に実線の波形で示すように、電源電圧Vaが比較的高い電圧値である場合、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する時点から電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する時点までの期間、電圧Vdsは傾きが一定の直線状の波形となっている。このような期間を被検出時間として検出した場合、変化率dV/dtを精度良く検出することができる。したがって、このようなケースにおける第1リファレンス電圧Vr1および第2リファレンス電圧Vr2は、検出精度を良好にすることができる最適な電圧値であると言える。
これに対し、図14に破線の波形で示すように、電源電圧Vaが比較的低い電圧値である場合、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する時点から電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する時点までの期間、電圧Vdsは傾きが途中で変化するような波形となっている。このような期間を被検出時間として検出した場合、変化率dV/dtの検出に誤差が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態の時間検出回路72は、電源電圧Vaを検出する電圧検出部73と、電圧検出部73により検出された電源電圧Vaの値に応じて閾値電圧Vth_H、Vth_Lを変動させる閾値変動部74と、を備えた構成となっている。このような構成によれば、電源電圧Vaが変動した場合、その変動に応じて、閾値電圧Vth_Lを最適な第1リファレンス電圧Vr1に対応するような電圧値にするとともに、閾値電圧Vth_Hを最適な第2リファレンス電圧Vr2に対応するような電圧とすることができる。したがって、本実施形態の構成によれば、電源電圧Vaの変動にかかわらず、被検出時間の検出精度、ひいては変化率dV/dtの検出精度を良好に維持することができる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について図15および図16を参照して説明する。
本実施形態では、時間検出回路の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図15に示すように、本実施形態の時間検出回路81は、図5に示した第1実施形態の時間検出回路15Bに対し、電圧調整部32に代えて電圧調整部82を備えている点などが異なる。電圧調整部82は、分圧電圧VDIVを分圧した電圧を出力するものであり、分圧電圧VDIVを分圧する分圧回路として構成されている。
以下、第5実施形態について図15および図16を参照して説明する。
本実施形態では、時間検出回路の具体的な構成が第1実施形態と異なっている。図15に示すように、本実施形態の時間検出回路81は、図5に示した第1実施形態の時間検出回路15Bに対し、電圧調整部32に代えて電圧調整部82を備えている点などが異なる。電圧調整部82は、分圧電圧VDIVを分圧した電圧を出力するものであり、分圧電圧VDIVを分圧する分圧回路として構成されている。
この場合、電圧調整部82は、キャパシタC3、C4を備えている。キャパシタC3の一方の端子はノードN2に接続され、その他方の端子はキャパシタC4を介して電源線17に接続されている。この場合、キャパシタC3、C4は、一対の分圧容量として機能する。上記構成により、電圧調整部82は、キャパシタC3、C4により分圧電圧VDIVを分圧して出力する。具体的には、電圧調整部82は、電圧VDIVをキャパシタC3、C4の容量比で分圧し、キャパシタC3、C4の相互接続ノードであるノードN8から出力する。このような電圧調整部82から出力される電圧、つまりノードN8の電圧は、コンパレータ25Hの非反転入力端子に入力される。
上記構成によれば、図16に示すように、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Lに達する時点t1においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lがロウレベルからハイレベルに転じる。また、上記構成によれば、図16に示すように、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Hに達する時点t2においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hがロウレベルからハイレベルに転じる。時点t1は、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点に相当する。時点t2は、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点に相当する。
このように、上記構成では、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する第1時点においてコンパレータ25Lの出力信号OUT_Lが反転するとともに、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する第2時点においてコンパレータ25Hの出力信号OUT_Hが反転するように、閾値電圧Vth_L、Vth_Hの各値および電圧調整部82における分圧比が設定されている。
次に、上記構成による具体的な動作のタイミングについて、図16を参照して説明する。なお、図16では、指令信号Sbの図示を省略しているが、指令信号Sbについては図7と同様になっているものとする。時点tcにおいて、指令信号SbがON指令からOFF指令に転じると、ゲート駆動回路13によりスイッチング素子5Bがオフ駆動される。時点tcから所定の遅延時間が経過した後、電圧Vds、ひいては分圧電圧VDIVがゼロから上昇し始める。その後、時点t1において、電圧Vdsが第1リファレンス電圧Vr1に達する、つまり、分圧電圧VDIVが閾値電圧Vth_Lに達する。
このとき、コンパレータ25Lの電圧VIN+が閾値電圧Vth_Lに達することにより、コンパレータ25Lの出力信号OUT_Lがロウレベルからハイレベルに転じる。そのため、時点t1において、EX-OR回路27から出力される信号Sgがロウレベルからハイレベルに転じる。すると、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seがゼロから上昇し始める。
その後、時点t2において、電圧Vdsが第2リファレンス電圧Vr2に達する。このとき、図16に破線で示すように、分圧電圧VDIVが電圧調整部82により分圧された電圧であるコンパレータ25Hの電圧VIN+が閾値電圧Vth_Lに達することにより、コンパレータ25Hの出力信号OUT_Hがロウレベルからハイレベルに転じる。そのため、時点t2において、EX-OR回路27から出力される信号Sgがハイレベルからロウレベルに転じる。すると、電圧Vdsの変動時間の検出値を表す電圧Vdである信号Seは、その上昇が停止され、その後は、時点t2における電圧値に保持される。
以上説明した本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様に電圧Vdsの遷移時間を検出することができる。また、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様、2つのコンパレータ25H、25Lが同じ閾値電圧で動作することになり、2つのコンパレータ25H、25Lにおける遅延時間の差が無視できる程度に小さくなり、その結果、被検出時間の検出誤差を低減することができるという優れた効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
上記各実施形態におけるゲート駆動装置は、Nチャネル型のMOSFETに限らず、Pチャネル型のMOSFET、IGBTなど、各種のスイッチング素子を駆動対象とすることができる。
本発明は、モータを駆動するインバータに含まれるハーフブリッジ回路4を構成するスイッチング素子5のゲートを駆動するゲート駆動装置に限らず、例えば電源回路などのコンバータに含まれるスイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動装置など、スイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動装置全般に適用することができる。
本発明は、モータを駆動するインバータに含まれるハーフブリッジ回路4を構成するスイッチング素子5のゲートを駆動するゲート駆動装置に限らず、例えば電源回路などのコンバータに含まれるスイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動装置など、スイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動装置全般に適用することができる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
1、1A、1B、71…ゲート駆動装置、5、5A、5B…スイッチング素子、15、15A、15B、51、61、72、81…時間検出回路、24、32、82…電圧調整部、25H、25L…コンパレータ、26…検出部、36…容量、52…電圧調整部、62…検出部、63、64…ラッチ、73…電圧検出部、74…閾値変動部。
Claims (7)
- スイッチング素子(5、5A、5B)の主端子の電圧である主端子電圧が第1リファレンス電圧に達する第1時点から前記主端子電圧が前記第1リファレンス電圧とは異なる第2リファレンス電圧に達する第2時点までの時間である被検出時間を検出する時間検出回路であって、
前記主端子電圧に対応する電圧をレベルシフトまたは分圧した電圧を出力する電圧調整部(24、32、82)と、
第1入力端子および第2入力端子を備えた構成であり且つ前記第1入力端子に互いに同一の閾値電圧が入力される2つのコンパレータ(25H、25L)と、
前記2つのコンパレータの各出力信号に基づいて前記被検出時間を検出する検出部(26、62)と、
を備え、
前記2つのコンパレータのうちいずれか一方の前記第2入力端子には、前記主端子電圧に対応する電圧が入力され、
前記2つのコンパレータのうちいずれか他方の前記第2入力端子には、前記電圧調整部の出力電圧が入力され、
前記主端子電圧が前記第1リファレンス電圧に達する第1時点において前記2つのコンパレータのうちいずれか一方の出力信号が反転するとともに、前記主端子電圧が前記第2リファレンス電圧に達する前記第2時点において前記2つのコンパレータのうちいずれか他方の出力信号が反転するように、前記閾値電圧の値および前記電圧調整部におけるレベルシフト量または分圧比が設定されている時間検出回路。 - 前記電圧調整部(24、32)は、前記主端子電圧に対応する電圧をレベルシフトするレベルシフト回路として構成されている請求項1に記載の時間検出回路。
- 前記電圧調整部は、
容量(36)を備え、
前記容量の2つの端子間にレベルシフト量に対応する電圧を印加して充電し、その充電された前記容量の一方の端子に前記主端子電圧に対応する電圧を印加することにより前記容量の他方の端子から前記主端子電圧に対応する電圧をレベルシフトした電圧を出力するようになっている請求項2に記載の時間検出回路。 - 前記電圧調整部(24)を第1電圧調整部とすると、
さらに、前記第1電圧調整部と同様の前記レベルシフト回路として構成されている第2電圧調整部(52)を備え、
前記2つのコンパレータのうちいずれか一方の前記第2入力端子には、前記主端子電圧に対応する電圧に代えて、前記第2電圧調整部の出力電圧が入力され、
前記主端子電圧が前記第1リファレンス電圧に達する第1時点において前記2つのコンパレータのうちいずれか一方の出力信号が反転するとともに、前記主端子電圧が前記第2リファレンス電圧に達する前記第2時点において前記2つのコンパレータのうちいずれか他方の出力信号が反転するように、前記閾値電圧の値、前記第1電圧調整部におけるレベルシフト量および前記第2電圧調整部におけるレベルシフト量が設定されている請求項3に記載の時間検出回路。 - 前記電圧調整部(82)は、前記主端子電圧に対応する電圧を分圧する分圧回路として構成されている請求項1に記載の時間検出回路。
- 前記検出部(62)は、
前記2つのコンパレータの各出力信号をそれぞれ入力する2つのラッチ(63、64)を備え、
前記2つのラッチの各出力信号に基づいて前記被検出時間を検出する請求項1から5のいずれか一項に記載の時間検出回路。 - さらに、
前記スイッチング素子の主端子に印加される電源電圧を検出する電圧検出部(73)と、
前記電圧検出部により検出された前記電源電圧の値に応じて前記閾値電圧を変動させる閾値変動部(74)と、
を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の時間検出回路。
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JP2022187408A JP2024076048A (ja) | 2022-11-24 | 2022-11-24 | 時間検出回路 |
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