JP2024074668A - ポリアミド樹脂組成物及び成型体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及び成型体 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的物性、成型品外観に優れ、セルフタッピングねじを用いた部品の締結において、ネジを高い締め付けトルクでも雌ネジが破壊しない樹脂組成物、及び樹脂成型体を提供する。【解決手段】ポリアミド樹脂組成物は、(A)(A-a)炭素数4以上14以下のラクタム単位及び(A-a’)炭素数4以上14以下のアミノカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、あるいは、(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位及び(A-c)脂肪族ジアミン単位を含む結晶性脂肪族ポリアミド75~89質量部と、(B)ジアミン単位とジカルボン酸単位とを含有する半芳香族ポリアミド11~25質量部を含み、(A)及び(B)の総量100質量部に対して、(C)繊維状強化材100~200質量部、(D)カーボンブラック0~2.5質量部、及び(E)結晶化遅延剤0.05~0.5質量部をさらに含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物及び成型体に関する。
ポリアミド6(以下、「PA6」ともいう)及びポリアミド66(以下、「PA66」ともいう)等に代表されるポリアミド樹脂は、優れた機械的特性をはじめ、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性を有することから、自動車部品、電機部品、電子部品、家庭雑貨等に広く使用されている。
近年、経済性及び生産性の観点から、より成型加工性と2次加工性に優れるポリアミド樹脂が強く望まれており、特に、ネジ締めのタップ加工性、及び成型品外観を両立させポリアミド樹脂材料が市場で特に要求されている。また、自動車に使用されるネジ止めは、常に振動がかかるため、非常に高い締結の信頼性が求められる。そのため、締付トルクのバラツキの影響を抑え、安定した軸力で締結を管理することが課題となっている。
特許文献1では、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂とからなるポリアミド樹脂にガラス繊維と酸変性エラストマ-とを配合することで、機械的強度や耐熱性を保持しながらセルフタップ性、外観性を改善した組成物が開示されているが、自動車内外装などの振動を伴う部品において、外観性や高いトルクでのネジの締付性の点で不十分と言えるものではなかった。
特許文献2では、結晶性半芳香族ポリアミドを主成分として繊維状強化材を複合した組成物が開示されているが、生産性を向上させるために、成形温度を高くし、金型温度を下げて行うハイサイクル成形条件で成形する場合において、成型品外観や寸法安定性の観点で不十分である。
特開2000-248172号公報 特開2015-55538号公報
発明が解決しようする課題
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑み、機械的物性、成型品外観に優れ、セルフタッピングねじを用いた部品の締結において、ネジを高い締め付けトルクで締結しても雌ネジ(ボス)が破壊されない樹脂組成物、及び樹脂成型体を提供する。
発明が解決するための手段
すなわち本発明は下記の通りである。
[1]
(A)(A-a)炭素数4以上14以下のラクタム単位及び(A-a’)炭素数4以上14以下のアミノカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、あるいは、(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位及び(A-c)脂肪族ジアミン単位を含む結晶性脂肪族ポリアミド 75~89質量部と、
(B)(B-a)ジカルボン酸単位と(B-b)ジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド 11~25質量部
を含むポリアミド樹脂組成物であって、
(A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドの総量100質量部に対して、
(C)繊維状強化材 100~200質量部、
(D)カーボンブラック 0~2.5質量部、及び
(E)結晶化遅延剤 0.05~0.5質量部
を含む、ポリアミド樹脂組成物。
[2]
厚み0.75mmの試験片をシリンダー温度280℃、金型温度90℃で成形した際に得られた成型体の、示差走査熱量分析(DSC)で3分×30℃で保温した後に、20℃/minで280℃まで昇温した際の冷結晶化ピークが、2.0J/g以下である、[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]
前記(A)脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6である、[1]又は[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-a)全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を50モル%以上含む、[1]~[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-a)全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を75モル%以上含む、[1]~[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[6]
前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-a)全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を100モル%含有する、[1]~[5]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[7]
重量平均分子量Mwが、10000≦Mw≦40000である、[1]~[6]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[8]
[1]~[7]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成型してなる、セルフタッピングネジの締め付け用の挿入部位を有する成形体。
本発明によれば、成形体としたときの曲げ弾性率、引張歪、外観性且つ、ネジ締付のセルフタップ性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、本明細書において、「ポリアミド」とは主鎖中にアミド(-NHCO-)基を有する重合体を意味する。
<<ポリアミド樹脂組成物>>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)(A-a)炭素数4以上14以下のラクタム単位及び(A-a’)炭素数4以上14以下のアミノカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、あるいは、(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位及び(A-c)脂肪族ジアミン単位を含む結晶性脂肪族ポリアミド 75~89質量部と、(B)(B-a)ジカルボン酸単位と(B-b)ジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド 11~25質量部を含み、(A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドの総量100質量部に対して、(C)繊維状強化材 100~200質量部、(D)カーボンブラック 0~2.5質量部、及び(E)結晶化遅延剤 0.05~0.5質量部をさらに含む。
以下、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の各構成成分の詳細について説明する。
<(A)結晶性脂肪族ポリアミド>
本発明のポリアミド樹脂組成物に含有される(A)結晶性脂肪族ポリアミドは、(A-a)ラクタム単位及び/または(A-a’)アミノカルボン酸単位を含有すること、あるいは(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位と(A-c)脂肪族ジアミン単位を含有することが好ましい。
((A-a)ラクタム単位及び/または(A-a’)アミノカルボン酸単位)
(A)結晶性脂肪族ポリアミドは、(A-a)ラクタム単位及び/または(A-a’)アミノカルボン酸単位を含有することができる。このような単位を含むことにより、靭性に優れるポリアミドが得られる傾向にある。なお、ここで(A-a)ラクタム単位を構成するラクタム及び(A-a’)アミノカルボン酸単位を構成するアミノカルボン酸とは、それぞれ、重(縮)合可能なラクタム及びアミノカルボン酸をいう。
(A-a)ラクタム単位を構成するラクタム及び(A-a’)アミノカルボン酸単位を構成するアミノカルボン酸としては、それぞれ、炭素数が4~14のラクタム及びアミノカルボン酸であり、炭素数6~12のラクタム及びアミノカルボン酸が好ましい。
(A-a)ラクタム単位を構成するラクタムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε-カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、及びラウロラクタム(ドデカノラクタム)等が挙げられる。
中でも、ラクタムとしては、ε-カプロラクタム、ラウロラクタム等が好ましく、ε-カプロラクタムがより好ましい。(A)結晶性脂肪族ポリアミドがこのようなラクタムに由来する(A-a)ラクタム単位を含むことにより、靭性により優れるポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。
(A-a’)アミノカルボン酸単位を構成するアミノカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラクタムが開環した化合物であるω-アミノカルボン酸やα,ω-アミノ酸等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ω位がアミノ基で置換された炭素数4~14の直鎖または分岐状飽和脂肪族カルボン酸が好ましい。このようなアミノカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、及び12-アミノドデカン酸等が挙げられる。また、アミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等も挙げられる。
(A-a)ラクタム単位を構成するラクタム及び(A-a’)アミノカルボン酸単位を構成するアミノカルボン酸は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
((A-b)脂肪族ジカルボン酸単位)
(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、2,3-ジメチルグルタル酸、2,2-ジエチルコハク酸、2,3-ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、及びジグリコール酸等の炭素数3~20の直鎖または分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位は、炭素数が6以上である脂肪族ジカルボン酸を含むことにより、ポリアミド樹脂組成物の耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、及び剛性等がより優れる傾向にあるので、好ましい。(A-b)炭素数が6以上である脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、及びエイコサン二酸等が挙げられる。この中でも、ポリアミド樹脂組成物の耐熱性等の観点で、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン二酸が好ましい。
(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(A)結晶性脂肪族ポリアミドは、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸に由来する単位をさらに含んでもよい。3価以上の多価カルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
((A-c)脂肪族ジアミン単位)
(A-c)脂肪族ジアミン単位を構成する脂肪族ジアミンは、直鎖であっても分岐していてもよい。
(A-c)脂肪族ジアミン単位を構成する直鎖の脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、及びトリデカメチレンジアミン等の炭素数2~20の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
主鎖から分岐した置換基を持つ(A-c)脂肪族ジアミン単位を構成する分岐状脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、2-メチルペンタメチレンジアミン(2-メチル-1,5-ジアミノペンタンともいう。)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン(2-メチルオクタメチレンジアミンともいう。)、及び2,4-ジメチルオクタメチレンジアミン等の炭素数3~20の分岐状飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、2-メチルペンタメチレンジアミンと2-メチル-1,8-オクタンジアミンが好ましく、2-メチルペンタメチレンジアミンがより好ましい。このような(A-c)脂肪族ジアミン単位を含むことにより、耐熱性及び剛性等により優れるポリアミド樹脂組成物となる傾向にある。
(A-c)脂肪族ジアミン単位の炭素数は、6以上12以下であることが好ましい。炭素数が6以上であると、耐熱性に優れるため好ましく、12以下であると結晶性、離形性に優れるため好ましい。(A-c)ジアミン単位の炭素数は、6以上10以下がより好ましい。
(A-c)脂肪族ジアミンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(A)結晶性脂肪族ポリアミドは、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、ビスヘキサメチレントリアミン等の3価以上の多価脂肪族アミンに由来する単位をさらに含んでもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いられる(A)結晶性脂肪族ポリアミドとしては、具体的には、ポリアミド6(PA6)が挙げられる。PA6は、機械特性、外観性、成形性及び靱性の観点に優れていることから、自動車用部品に適した材料と考えられている。
本発明において、(A)結晶性脂肪族ポリアミドの含有量は、ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド全量に対し、75.0質量部以上89.0質量部以下であり、好ましくは78.0質量%以上85質量%以下であり、より好ましくは80.0質量部以上82.0質量部以下であり、さらに好ましくは80.0質量%である。(A)結晶性脂肪族ポリアミドの含有量を上記範囲とすることで、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
<(B)半芳香族ポリアミド>
(B)半芳香族ポリアミドは、(B-a)ジカルボン酸単位と(B-b)ジアミン単位とを含有するポリアミドである。
(B)半芳香族ポリアミドは、(B)半芳香族ポリアミドの全構成単位に対して、20モル%以上80モル%以下の芳香族構成単位を含むことが好ましく、30モル%以上70モル%以下の芳香族構成単位を含むことがより好ましく、40モル%以上60モル%以下の芳香族構成単位を含むことがさらに好ましい。ここでいう、「芳香族構成単位」とは、芳香族ジアミン単位及び芳香族ジカルボン酸単位を意味する。
((B-a)ジカルボン酸単位)
(B-a)ジカルボン酸単位は、芳香族ジカルボン酸単位、脂肪族ジカルボン酸単位、脂環族ジカルボン酸単位を含有してもよく、特に限定されない。中でも、(B-a)ジカルボン酸単位は、ジカルボン酸全モル数基準で、芳香族ジカルボン酸単位であるイソフタル酸単位を50モル%以上100モル%以下含むことが好ましく、65モル%以上100モル%以下含むことがより好ましく、70モル%以上100モル%以下含むことがさらに好ましく、75モル%以上100モル%以下含むことがよりさらに好ましく、80モル%以上100モル%以下含むことがよりさらに好ましく、100モル%含むことが特に好ましい。
(B-a)ジカルボン酸単位中のイソフタル酸単位の割合が上記下限値以上であることにより、機械的性質、特に吸水剛性、熱時剛性、流動性、表面外観性等を同時に満足する、ポリアミド樹脂組成物を得ることができる傾向にある。
上記イソフタル酸単位の割合は、核磁気共鳴分光法(NMR)等により測定することができる。
-芳香族ジカルボン酸単位-
イソフタル酸単位以外の芳香族ジカルボン酸単位を構成する芳香族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環を有するジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸の芳香族環は、無置換でも置換基を有していてもよい。
この置換基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1~4のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアリールアルキル基、クロロ基及びブロモ基等のハロゲン基、炭素数1~6のシリル基、並びにスルホン酸基及びその塩(ナトリウム塩等)等が挙げられる。
具体的には、以下に限定されるものではないが、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、及び5-ナトリウムスルホイソフタル酸等の無置換または所定の置換基で置換された炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸単位を構成する芳香族ジカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
-脂肪族ジカルボン酸単位-
脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、2,3-ジメチルグルタル酸、2,2-ジエチルコハク酸、2,3-ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、及びジグリコール酸等の炭素数3~20の直鎖または分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
-脂環族ジカルボン酸単位-
脂環族ジカルボン酸単位(以下、「脂環式ジカルボン酸単位」ともいう。)を構成する脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂環構造の炭素数が3~10の脂環族ジカルボン酸が挙げられ、脂環構造の炭素数が5~10の脂環族ジカルボン酸が好ましい。
このような脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,3-シクロペンタンジカルボン酸等が挙げられる。この中でも、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
なお、脂環族ジカルボン酸単位を構成する脂環族ジカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環族ジカルボン酸の脂環構造としては、以下に限定されるものではないが、例えば、炭素数が3~10の、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、二環式アルカン構造、二環式アルケン構造、多環式化合物構造、スピロ化合物構造等が挙げられる。脂環族ジカルボン酸の脂環構造は、無置換でも置換基を有していてもよい。置換基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びtert-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基等が挙げられる。
イソフタル酸単位以外の(B-a)ジカルボン酸単位としては、芳香族ジカルボン酸単位を含むことが好ましく、炭素数が6以上である芳香族ジカルボン酸を含むことがより好ましい。
このようなジカルボン酸を用いることにより、ポリアミド樹脂組成物の機械的性質、特に吸水剛性、熱時剛性、流動性、表面外観性等がより優れる傾向にある。
本発明において、(B-a)ジカルボン酸単位を構成するジカルボン酸としては、上記ジカルボン酸として記載の化合物に限定されるものではなく、上記ジカルボン酸と等価な化合物であってもよい。
ここで「ジカルボン酸と等価な化合物」とは、上記ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構造と同様のジカルボン酸構造となり得る化合物をいう。このような化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジカルボン酸の無水物及びハロゲン化物等が挙げられる。
また、(B)半芳香族ポリアミドは、必要に応じて、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸に由来する単位をさらに含んでもよい。
3価以上の多価カルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
((B-b)ジアミン単位)
(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-b)ジアミン単位は、芳香族ジアミン酸単位、脂肪族ジアミン単位、脂環族ジアミン単位を含有してもよく、特に限定されない。中でも、炭素数4以上10以下のジアミン単位を含むことが好ましい。
炭素数4以上10以下のジアミン単位の合計量は、(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-b)全ジアミン単位100モル%に対して、50モル%以上100モル%以下含むことが好ましく、80モル%以上100モル%以下であることがより好ましく、90モル%以上100モル%以下であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
(B-b)全ジアミン単位中の炭素数4以上10以下のジアミン単位の割合が上記下限値以上であることにより、機械的性質、特に吸水剛性、高温使用下での剛性(熱時剛性)、流動性、表面外観性等を同時に満足する、ポリアミド樹脂組成物となる傾向にある。
上記炭素数4以上10以下のジアミン単位の合計量は、核磁気共鳴分光法(NMR)等により測定することができる。
-脂肪族ジアミン単位-
脂肪族ジアミン単位を構成する脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、及びトリデカメチレンジアミン等の炭素数4以上20以下の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
-脂環族ジアミン単位-
脂環族ジアミン単位を構成する脂環族ジアミン(以下、「脂環式ジアミン」ともいう。)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、及び1,3-シクロペンタンジアミン等が挙げられる。
-芳香族ジアミン単位-
芳香族ジアミン単位を構成する芳香族ジアミンとしては、芳香族環を含有するジアミンであれば以下に限定されるものではないが、例えば、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
(B-b)ジアミン単位のなかでも、好ましくは脂肪族ジアミン単位であり、より好ましくは、炭素数4以上10以下の直鎖飽和脂肪族基を有するジアミン単位であり、さらに好ましくは、炭素数6以上10以下の直鎖飽和脂肪族基を有するジアミン単位であり、さらにより好ましくはヘキサメチレンジアミンである。
このようなジアミンを用いることにより、機械的性質、特に吸水剛性、高温使用下での剛性(熱時剛性)、流動性、表面外観性等により優れるポリアミド樹脂組成物となる傾向にある。
なお、ジアミンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(B)半芳香族ポリアミドは、必要に応じて、ビスヘキサメチレントリアミン等の3価以上の多価脂肪族アミンをさらに含んでもよい。
3価以上の多価脂肪族アミンは、1種のみ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いられる(B)半芳香族ポリアミドとしては、ポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリアミド9I、ポリアミド10Iであることが好ましく、ポリアミド6Iが最も好ましい。ポリアミド6Iは、結晶性脂肪族ポリアミドとの相溶性しやすく、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物になる傾向がある。
本発明において、(B)半芳香族ポリアミドの含有量は、ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド全量に対し、好ましくは11.0質量部以上25.0質量部以下であり、より好ましくは15.0質量%以上22.0質量%以下であり、さらに好ましくは18.0質量部以上20.0質量部以下であり、よりさらに好ましくは20.0質量%である。(B)半芳香族ポリアミドの含有量を上記下限値以上とすることにより、セルフタップの寸法安定性が良く、ネジとの接地面積が増えることに加え、(A)結晶性脂肪族ポリアミドの靭性を損なわないため、高い締付力でタップネジ締付することが可能である。一方、(B)半芳香族ポリアミドの含有量を上記上限値以下とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の結晶性や靭性が低下を抑制し、締付するネジが空転する前のクラック破壊を予防することが可能である。
(末端封止剤)
本発明において用いるポリアミドの末端は、公知の末端封止剤により末端封止されていてもよい。
このような末端封止剤は、上述したジカルボン酸とジアミンと、必要に応じて用いるラクタム及び/またはアミノカルボン酸とから、ポリアミドを製造する際に、分子量調節剤としても添加することができる。
末端封止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、及びモノアルコール類等が挙げられる。
この中でも、モノカルボン酸、及びモノアミンが好ましい。ポリアミドの末端が末端封止剤で封鎖されていることにより、熱安定性により優れるポリアミド樹脂組成物となる傾向にある。
末端封止剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、ポリアミドの末端に存在し得るアミノ基との反応性を有するものであればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、及びイソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環族モノカルボン酸;並びに安息香酸、トルイル酸、α-ナフタレンカルボン酸、β-ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、及びフェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。
特に、(B)芳香族ポリアミドの末端は、流動性、成形品の寸法安定性、機械的強度の観点から、酢酸によって封止されていることが好ましい。
モノカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤として使用できるモノアミンとしては、ポリアミドの末端に存在し得るカルボキシル基との反応性を有するものであればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、及びジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミン;並びにアニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、及びナフチルアミン等の芳香族モノアミン等が挙げられる。
モノアミンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤により末端封止されたポリアミドを含有するポリアミド樹脂組成物は、流動性、成形品の寸法安定性、機械的強度に優れている傾向にある。
<ポリアミドの製造法>
本実施形態のポリアミド樹脂組成物に含まれるポリアミド((A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミド)を製造する際に、ジカルボン酸の添加量とジアミンの添加量とは、同モル量付近であることが好ましい。重合反応中のジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、ジカルボン酸全体のモル量1に対して、ジアミン全体のモル量は、0.9以上1.2以下が好ましく、0.95以上1.1以下がより好ましく、0.98以上1.05以下がさらに好ましい。
ポリアミドの製造方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、以下の(1)又は(2)の重合工程を含む。
(1)ラクタム単位(例、(A-a)炭素数4以上14以下のラクタム単位)を構成するラクタム、及び、アミノカルボン酸単位(例、(A-a’)炭素数4以上14以下のアミノカルボン酸単位)を構成するアミノカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上を重合して重合体を得る工程。
(2)ジカルボン酸単位を構成するジカルボン酸と、ジアミン単位を構成するジアミンとの組合せ(例、(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位と(A-c)脂肪族ジアミン単位との組合せ、(B-a)ジカルボン酸単位と(B-b)ジアミン単位との組合せ)を重合して重合体を得る工程。
また、ポリアミドの製造方法としては、前記重合工程の後に、ポリアミドの重合度を上昇させる上昇工程を、更に含むことが好ましい。また、必要に応じて、前記重合工程及び前記上昇工程の後に、得られた重合体の末端を末端封止剤により封止する封止工程を含んでいてもよい。
ポリアミドの具体的な製造方法としては、例えば、以下の1)~4)に例示するように種々の方法が挙げられる。
1)ラクタム、及び、アミノカルボン酸、ジカルボン酸-ジアミン塩、ジカルボン酸とジアミンとの混合物からなる群より選ばれる1種以上の水溶液又は水懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」と称する場合がある)。
2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「熱溶融重合・固相重合法」と称する場合がある)。
3)ジカルボン酸-ジアミン塩、ジカルボン酸とジアミンとの混合物、ラクタム、及び/またはアミノカルボン酸からなる群より選ばれる1種以上を、固体状態を維持したまま重合させる方法(以下、「固相重合法」と称する場合がある)。
4)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド成分と、ジアミン成分とを用いて重合させる方法(以下、「溶液法」と称する場合がある)。
中でも、ポリアミドの具体的な製造方法としては、熱溶融重合法を含む製造方法が好ましい。また、熱溶融重合法によりポリアミドを製造する際には、重合が終了するまで、溶融状態を保持することが好ましい。溶融状態を保持するためには、ポリアミド樹脂組成物に適した重合条件で製造することが必要となる。重合条件としては、例えば、以下に示す条件等が挙げられる。まず、熱溶融重合法における重合圧力を14kg/cm以上25kg/cm以下(ゲージ圧)に制御し、加熱を続ける。次いで、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm)になるまで30分以上かけながら降圧する。
ポリアミドの製造方法において、重合形態としては、特に限定されず、バッチ式でもよく、連続式でもよい。
ポリアミドの製造に用いる重合装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置を用いることができる。重合装置として具体的には、例えば、オートクレーブ型反応器、タンブラー型反応器、押出機型反応器(ニーダー等)等が挙げられる。
以下、ポリアミドの製造方法として、バッチ式の熱溶融重合法によりポリアミドを製造する方法を具体的に示すが、ポリアミドの製造方法は、これに限定されない。
まず、ポリアミドの原料成分(ラクタム及び/またはアミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミン)を、約40質量%以上60質量%以下含有する水溶液を調製する。次いで、当該水溶液を110℃以上180℃以下の温度、及び。約0.035MPa以上0.6MPa以下(ゲージ圧)の圧力で操作される濃縮槽で、約65質量%以上90質量%以下に濃縮して濃縮溶液を得る。
次いで、得られた濃縮溶液をオートクレーブに移し、オートクレーブにおける圧力が約1.2MPa以上2.2MPa以下(ゲージ圧)になるまで加熱を続ける。
次いで、オートクレーブにおいて、水及びガス成分のうち少なくともいずれかを抜きながら圧力を約1.2MPa以上2.2MPa以下(ゲージ圧)に保つ。次いで、温度が約220℃以上260℃以下に達した時点で、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。オートクレーブ内の圧力を大気圧に降圧後、必要に応じて減圧することにより、副生する水を効果的に除くことができる。
次いで、オートクレーブを窒素等の不活性ガスで加圧し、オートクレーブからポリアミド溶融物をストランドとして押し出す。押し出されたストランドを、冷却、カッティングすることにより、ポリアミドのペレットを得る。
(ポリアミドのポリマー末端)
本発明に用いるポリアミドのポリマー末端としては、特に限定されないが、以下のように分類され、定義することができる。
すなわち、1)アミノ末端、2)カルボキシル末端、3)封止剤による末端、4)その他の末端である。
1)アミノ末端は、アミノ基(-NH基)を有するポリマー末端であり、原料のジアミン単位に由来する。
2)カルボキシル末端は、カルボキシル基(-COOH基)を有するポリマー末端であり、原料のジカルボン酸に由来する。
3)封止剤による末端は、重合時に封止剤を添加した場合に形成される末端である。封止剤としては、上述した末端封止剤が挙げられる。
4)その他の末端は、上述した1)~3)に分類されないポリマー末端であり、アミノ末端が脱アンモニア反応して生成した末端や、カルボキシル末端から脱炭酸反応して生成した末端等が挙げられる。
<(A)脂肪族ポリアミドの特性>
(A)結晶性脂肪族ポリアミドの分子量は、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)脂肪族ポリアミドの分子量の指標としては、Mw(A)(重量平均分子量)を利用できる。(A)結晶性脂肪族ポリアミドのMw(A)(重量平均分子量)は、好ましくは10000以上であり、より好ましくは15000以上であり、さらに好ましくは17000以上であり、よりさらに好ましくは20000以上であり、好ましくは50000以下であり、より好ましく40000以下であり、さらに好ましくは34000以下であり、よりさらに好ましくは30000以下である。Mw(A)(重量平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性、成型品の外観、タップ部の寸法安定性、機械的性質等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観に優れたものとなる。なお、Mw(A)(重量平均分子量)の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定することができる。
(A)結晶性脂肪族ポリアミドの分子量分布は、Mw(A)(重量平均分子量)/Mn(A)(数平均分子量)を指標とする。(A)結晶性脂肪族ポリアミドのMw(A)(重量平均分子量)/Mn(A)(数平均分子量)は、好ましくは1.8以上であり、より好ましくは1.9以上であり、好ましくは2.2以下であり、より好ましくは2.1以下である。分子量分布の下限は、1.0である。Mw(A)(重量平均分子量)/Mn(A)(数平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観に優れたものとなる。
(A)結晶性脂肪族ポリアミドのMw(A)(重量平均分子量)/Mn(A)(数平均分子量)を上記範囲内に制御する方法としては、例えば、ポリアミドの熱溶融重合時の添加物としてリン酸や次亜リン酸ナトリウムのような公知の重縮合触媒を加える方法、及び加熱条件や減圧条件のような重合条件を制御する方法等が挙げられる。本発明において、(A)結晶性脂肪族ポリアミドのMw(A)(重量平均分子量)/Mn(A)(数平均分子量)の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて得られたMw(A)(重量平均分子量)、Mn(A)(数平均分子量)を使用して計算することができる。
<(B)半芳香族ポリアミドの特性>
(B)半芳香族ポリアミドの分子量、融点Tm2、結晶化エンタルピーΔH、tanδピーク温度は、具体的には下記に示す方法により測定することができる。
(B)半芳香族ポリアミドの分子量の指標としては、Mw(B)(重量平均分子量)を利用できる。(B)ポリアミドのMw(B)(重量平均分子量)は、好ましくは10000以上であり、より好ましくは13000以上であり、さらに好ましくは15000以上であり、よりさらに好ましくは18000以上であり、特に好ましくは、19000以上であり、好ましくは50000以下であり、より好ましくは40000以下であり、さらに好ましくは25000以下であり、よりさらに好ましくは22000以下であり、特に好ましくは、21000以下である。
Mw(B)(重量平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性、成形品の寸法安定性、機械的強度等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観に優れたものとなる。なお、Mw(B)(重量平均分子量)の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定することができる。
(B)半芳香族ポリアミドの分子量分布は、Mw(B)(重量平均分子量)/Mn(B)(数平均分子量)を指標とする。
(B)半芳香族ポリアミドのMw(B)(重量平均分子量)/Mn(B)(数平均分子量)は好ましくは2.4以下であり、より好ましくは1.7以上2.4以下であり、さらに好ましくは1.8以上2.3以下であり、よりさらに好ましくは1.9以上2.2以下であり、最も好ましくは1.9以上2.1以下である。Mw(B)(重量平均分子量)/Mn(B)(数平均分子量)の下限は1.0である。Mw(B)(重量平均分子量)/Mn(B)(数平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観に優れたものとなる。
(B)半芳香族ポリアミドのMw(B)(重量平均分子量)/Mn(B)(数平均分子量)を上記範囲内に制御する方法としては、例えば、ポリアミドの熱溶融重合時の添加物としてリン酸や次亜リン酸ナトリウムのような公知の重縮合触媒を加える方法が挙げられる。また加熱条件や減圧条件のような重合条件を制御し、できるだけ低温で且つ短時間で重縮合反応を完了させることが重要となる。特に(B)半芳香族ポリアミドが非晶性ポリアミドであれば、融点を持たないため、反応温度を低くすることができ望ましい。
ポリアミドの分子構造中に芳香族化合物単位を含有していると、高分子量化に伴い、分子量分布(Mw/Mn)が高くなる傾向がある。分子量分布が高いことは分子の三次元構造を有するポリアミド分子の割合が高いことを示し、高温加工時において分子の三次元構造化がさらに進行しやすく、流動性が低下し、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観が悪化する。
本発明において、(B)半芳香族ポリアミドのMw(B)(重量平均分子量)/Mn(B)(数平均分子量)の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて得られたMw(B)(重量平均分子量)、Mn(B)(数平均分子量)を使用して計算することができる。
(B)半芳香族ポリアミドの結晶化エンタルピーΔHは、流動性、成形品の寸法安定性、機械的強度等の観点から、好ましくは15J/g以下であり、より好ましくは10J/g以下であり、さらに好ましくは5J/g以下であり、よりさらに好ましくは2J/g以下であり、特に好ましくは0J/gである。
(B)半芳香族ポリアミドの結晶化エンタルピーΔHを上記範囲内に制御する方法としては、(B-a)ジカルボン酸単位に対する芳香族モノマー比率を高めることが挙げられる。(B-a)ジカルボン酸単位としてイソフタル酸を75モル%以上含むことが重要であり、100モル%含むことがより好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドの結晶化エンタルピーΔHの測定装置としては、例えば、PERKIN-ELMER社製Diamond-DSC等が挙げられる。
(B)半芳香族ポリアミドのアミノ末端の量は、ポリアミド1gに対して、好ましくは5~100μ当量/gであり、より好ましくは10~90μ当量/gであり、さらに好ましくは20~80μ当量/gであり、さらにより好ましくは30~70μ当量/gであり、よりさらに好ましくは、40~60μ当量/gである。アミノ末端の量が上記の範囲であることにより、熱や光に対する変色に優れた組成物とすることができる。アミノ末端の量は、中和滴定により測定することができる。
(B)半芳香族ポリアミドのカルボキシル末端の量は、ポリアミド1gに対して、好ましくは50~300μ当量/gであり、より好ましくは100~280μ当量/gであり、さらに好ましくは150~260μ当量/gであり、さらにより好ましくは180~250μ当量/gであり、よりさらに好ましくは、200~240μ当量/gである。カルボキシル末端の量が上記の範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観に優れたものとなる。カルボキシル末端の量は、中和滴定により測定することができる。
アミノ末端の量とカルボキシル末端の量の合計量は、ポリアミド1gに対して、好ましくは150~350μ当量/gであり、より好ましくは160~300μ当量/gであり、さらに好ましくは170~280μ当量/gであり、さらにより好ましくは180~270μ当量/gであり、よりさらに好ましくは190~260μ当量/gである。アミノ末端の量とカルボキシル末端の量の合計量が上記の範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物とした場合に、表面外観に優れたものとなる。
<(C)繊維状強化材>
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上記(A)~(B)成分に加えて、(C)繊維状強化材を更に含有する。(C)繊維状強化材はポリアミド樹脂組成物の機械強度、成形品の耐久性を向上できるものが使用できる。
化材を含む。
(C)繊維状強化材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、アラミド繊維、セルロースナノファイバー、等が挙げられる。中でも、得られる成形品の強度及び剛性を増大させる観点から、円形及び非円形断面を有するガラス繊維、炭素繊維、又はチタン酸カリウム繊維が好ましい。また、円形及び非円形断面を有するガラス繊維、又は炭素繊維がより好ましい。これら(C)繊維状強化材を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ガラス繊維及び炭素繊維としては、優れた機械的特性をポリアミド樹脂組成物に付与できるという観点から、数平均繊維径が3μm以上30μm以下であり、重量平均繊維長が100μm以上750μm以下であり、かつ数平均繊維径に対する重量平均繊維長のアスペクト比(重量平均繊維長を数平均繊維径で除した値)が10以上100以下であるものが好ましい。
ケイ酸カルシウム繊維としては、優れた機械的特性をポリアミド樹脂組成物に付与できるという観点から、数平均繊維径が3μm以上30μm以下であり、重量平均繊維長が10μm以上500μm以下であり、かつアスペクト比が3以上100以下であるものが好ましい。
ここで、本明細書における数平均繊維径及び重量平均繊維長は、以下のようにして求めることができる。
すなわち、ポリアミド樹脂組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上の(C)繊維状強化材を任意に選択し、SEMで観察して、これらの繊維径を測定し、平均値を算出することにより数平均繊維径を求めることができる。
また、倍率1000倍のSEM写真を用いて繊維長を計測し、所定の計算式(n本の繊維長を測定した場合、重量平均繊維長=Σ(I=1→n)(n番目の繊維の繊維長)2/Σ(I=1→n)(n番目の繊維の繊維長))により重量平均繊維長を求めることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物中の(C)繊維状強化材の含有量は、(A)結晶性脂肪族ポリアミド、(B)半芳香族ポリアミドの合計を100質量部としたとき、100.0質量部以上200.0質量部以下であり、110.0質量部以上175.0質量部以下が好ましく、120.0質量部以上150.0質量部以下がより好ましい。(C)繊維状強化材の含有量が上記上限から超えると、ポリアミド樹脂組成物の靭性が下がり、セルフタッピング特性が低下する傾向がある。(C)繊維状強化材の含有量が上記範囲を下回ると、ポリアミド樹脂組成物が強度を発現しない傾向にある。そのため(C)繊維状強化材の含有量を上記範囲とすることで、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
<(D)カーボンブラック>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(D)カーボンブラックを更に含有してもよい。カーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、平均一次粒径が10nm~40nmの範囲が好ましく、10~30nmがより好ましく、10~20nmが特に好ましい。組成物中への分散性の観点から10nm以上が好ましく、成型片薄肉部の強度、剛性、発現の観点から40nm以下が好ましい。また、比表面積が50~300m/g(BET吸着法)の範囲、吸油量(ジブチルフタレートを用いた測定値)が50mL/100g~150mL/100gの範囲であるものが好ましく使用できる。
また、(D)カーボンブラックを使用する場合、その添加量は(A)結晶性脂肪族ポリアミド樹脂と(B)半芳香族ポリアミドと(C)繊維状強化材の合計を100質量部としたとき、0質量部以上であればよく、好ましくは0.04質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上であり、さらに好ましくは0.4質量部以上であり、好ましくは1.00質量部以下であり、より好ましくは0.8質量部以下であり、さらに好ましくは0.7質量部以下である。また、(D)カーボンブラックの添加量は(A)結晶性脂肪族ポリアミド樹脂と(B)半芳香族ポリアミドの合計を100質量部としたとき、0質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.25質量部以上であり、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは2.5質量部以下であり、より好ましくは2.0質量部以下であり、さらに好ましくは1.75質量部以下でである。(D)カーボンブラックの含有量を上記範囲とすることで、効率的に結晶核剤として機能し、ボス部の結晶化度を高められる傾向にある。そのため、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
<(E)結晶化遅延剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形品外観及び機械的強度をより一層向上させる観点から、(E)結晶化遅延剤を更に含有する。結晶化遅延剤とは、ポリアミド樹脂に配合することにより、ポリアミド樹脂の結晶化開始点を降下させる作用効果を有する物質である。(E)結晶化遅延剤としては、特に限定されるものではないが、アジン系染料、フタロシアニン系染料や塩化リチウムなどが挙げられる。中でもアジン系染料あるいはフタロシアニン系染料が好ましい。アジン系染料としては、ニグロシンが好ましく、フタロシアニン系染料としては、銅フタロシアニン系染料が好ましい。
(E)結晶化遅延剤の含有量は、(A)結晶性脂肪族ポリアミド樹脂と(B)半芳香族ポリアミドと(C)ガラス繊維の合計を100質量部としたとき、0.02質量部以上が好ましく、より好ましくは0.03質量部以上であり、さらに好ましくは0.04質量部以上であり、0.2質量部以下が好ましく、より好ましくは0.08質量部以下であり、さらに好ましくは0.06質量部以下である。また、(E)結晶化遅延剤の含有量は、(A)結晶性脂肪族ポリアミド樹脂と(B)半芳香族ポリアミドの合計を100質量部としたとき、0.05質量部以上が好ましく、より好ましくは0.075質量部以上であり、、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、、0.5質量部以下が好ましく、より好ましくは0.2質量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.15質量部以下である。(E)結晶化遅延剤の含有量を上記範囲から超えると結晶性や靭性が低下し、クラックが発生しやすい傾向であり、結晶化に均一性が低下し、成型品外観やタッピング部の強度低下につながる傾向にある。(E)結晶化遅延剤の含有量を上記範囲とすることで、均一な結晶化を誘発し、寸法が安定する傾向にあり、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる
<その他の添加剤>
ポリアミド樹脂組成物は、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ポリアミドに慣用的に用いられるその他の添加剤を含有することもできる。その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、フィブリル化剤、潤滑剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤、補強剤、展着剤、造核剤、ゴム、強化剤、難燃剤、その他のポリマー等が挙げられる。本実施形態のポリアミド樹脂組成物中のその他の添加剤の含有量は、その目的に応じて、適宜当業者が設定することができる。
<ポリアミド樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、(A)結晶性脂肪族ポリアミドと(B)半芳香族ポリアミド、(C)繊維状強化材、(D)カーボンブラック、(E)結晶化遅延剤、とを混合する方法であれば、特に限定されるものではない。
上記(A)、(B)、(D)、(E)の各成分の混合方法としては、例えば、以下の(1)又は(2)の方法等が挙げられる。
(1)上記(A)、(B)、(D)、(E)の各成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し溶融混練機に供給し混練する方法。
(2)単軸又は2軸押出機で、上記(A)、(B)、(D)、(E)の各成分を、予めヘンシェルミキサー等を用いて混合して(A)~(D)の各成分を含む混合物を調製し、当該混合物を溶融混練機に供給し混練した後に、任意に、サイドフィダーから(C)成分を配合する方法。
ポリアミド樹脂組成物を構成する成分を溶融混練機に供給する方法は、すべての構成成分を同一の供給口に一度に供給してもよく、構成成分をそれぞれ異なる供給口から供給してもよい。
溶融混練の温度は、(A)結晶性脂肪族ポリアミドの融点より1℃以上100℃以下程度高い温度が好ましく、(A)結晶性脂肪族ポリアミドの融点より20℃以上70℃以下程度高い温度がより好ましい。
混練機での剪断速度は100sec-1以上程度が好ましい。また、混練時の平均滞留時間は0.5分間以上5分間以下程度が好ましい。
溶融混練を行う装置としては、公知の装置であればよく、例えば、単軸又は2軸押出機、バンバリーミキサー、溶融混練機(ミキシングロール等)等が好ましく用いられる。
本実施形態のポリアミド樹脂組成物を製造する際の各成分の配合量は、上述したポリアミド樹脂組成物における各成分の含有量と同様である。
<ポリアミド樹脂組成物の物性>
ポリアミド樹脂組成物の分子量の指標としては、Mw(重量平均分子量)を利用できる。ポリアミド樹脂組成物のMw(重量平均分子量)は、好ましくは10000以上であり、好ましくは17000以上であり、より好ましくは20000以上であり、さらに好ましくは25000以上であり、よりさらに好ましくは27000以上であり、最も好ましくは29000以上であり、好ましくは40000以下であり、好ましくは37000以下であり、より好ましくは35000以下であり、さらに好ましくは34000以下であり、よりさらに好ましくは33000以下であり、最も好ましくは32000以下である。Mw(重量平均分子量)が上記範囲であることにより、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
ポリアミド組成物のMwを上記範囲内に制御する方法としては、(A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドのMwを上述した範囲のものを使用すること等が挙げられる。
なお、Mw(重量平均分子量)の測定は、下記実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定することができる。
数平均分子量Mnが500以上2000以下である(A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドの合計含有量は、ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド全量に対し好ましくは0.5質量%以上2.5質量%未満であり、より好ましくは0.8質量%以上2.5質量%未満であり、さらに好ましくは1.0質量%以上2.5質量%未満であり、よりさらに好ましくは1.2質量%以上2.5質量%未満であり、最も好ましくは1.4質量%以上2.5質量%未満である。数平均分子量Mnが500以上2000以下である含有量が0.5質量%以上であることにより、流動性に優れ、且つ無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとすることができる傾向にある。また、2.5質量%未満であることにより、成形時のガス発生を抑制することができる傾向にある。
数平均分子量Mnが500以上2000以下であるポリアミドの合計含有量を上記範囲内に制御する方法としては、(B)半芳香族ポリアミドの分子量を調整する方法が挙げられ、Mw(重量平均分子量)は好ましくは10000~25000である。
なおポリアミド全量に対する数平均分子量Mnが500以上2000以下である(A)脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドの合計含有量はGPCを用いて、後述する実施例での測定条件における溶出曲線より求める。
GPC測定の際に(A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドを含有する組成物中に、ポリアミドを溶解させる溶媒に可溶である他の成分が含有される場合は、ポリアミドは不溶だが他の成分は可溶な溶媒を用いて、他の成分を抽出して除去した後、GPC測定を行う。また、ポリアミド樹脂を溶解させる溶媒に不溶である無機充填材などは、ポリアミド樹脂組成物を溶解させる溶媒に溶解させ、次いでろ過して不溶物を除去した後、GPC測定を行う。
本発明のポリアミド樹脂組成物の分子量分布は、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を指標とする。
本発明のポリアミド樹脂組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は好ましくは2.4以下であり、より好ましくは1.7~2.3であり、さらに好ましくは1.8~2.2であり、よりさらに好ましくは1.9~2.1である。分子量分布の下限は1.0である。Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、セルフタッピング特性や表面外観等に優れたものとなる傾向にある。
ポリアミド樹脂組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を上記範囲内に制御する方法としては、(B)半芳香族ポリアミドのMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)を上述した範囲にすることが重要である。
ポリアミド樹脂組成物の分子構造中に芳香族化合物単位が含有していると、高分子量化に伴い、分子量分布(Mw/Mn)が高くなる傾向がある。分子量分布が高いことは分子の三次元構造を有するポリアミド分子の割合が高いことを示し、高温加工時において分子の三次元構造化がさらに進行しやすく、流動性が低下し、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド樹脂組成物は、表面外観が悪化する。
本発明において、ポリアミド樹脂組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)の測定は、下記実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて得られたMw(重量平均分子量)、Mn(数平均分子量)を使用して計算することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物において、厚み0.75mmの試験片をシリンダー温度280℃、金型温度90℃で成形した際に得られた成型体を、示差走査熱量分析(DSC)で3分×30℃で保温した後に、20.0℃/minで280℃まで昇温した際の冷結晶化ピークは、2.0J/g以下が好ましく、冷結晶化のピークが、1.0J/g以下がより好ましく、0.5J/g以下がさらに好ましく、0.2J/g以下がよりさらに好ましい。本発明のポリアミド樹脂組成物において、上記の範囲を超える場合は、射出成型時の金型内で結晶化不良が生じるため、セルフタッピング時にネジが空転する前にボスがクラックで破壊する傾向にあり、上記範囲にすることで、機械的性質、成型加工性、セルフタッピング特性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
<成型体>
本実施形態の成形品は、上記ポリアミド樹脂組成物を成形してなる。
また、本実施形態の成形品は、表面光沢値が高い。本実施形態の成形品の表面光沢値は、60以上であり、、70以上が好ましく、80以上がよりに好ましい。成形品の表面光沢値が上記下限値以上であることにより、得られる成形品を自動車用、電気及び電子用、産業資材用、工業材料用、並びに、日用及び家庭品用等、各種部品として好適に使用することができる。また、ネジ締付のセルフタップ性に優れることからセルフタップネジ挿入部を有する成形品に好適である。
成形品の製造方法としては、特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。公知の成形方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、プレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、溶融紡糸等、一般に知られているプラスチック成形方法が挙げられる。
<用途>
本実施形態の製造方法によって得られたポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品は、上記ポリアミド樹脂組成物から得られるので、機械的物性、成型品外観且つ、ネジ締付のセルフタップ性に優れる。そのため、この成形品は、自動車部品、電気及び電子部品、家電部品、OA(Office Automation)機器部品、携帯機器部品、産業機器部品、日用品及び家庭品用等の各種部品として、また、押出用途等に好適に用いることができる。中でも、成形品は、自動車部品、電気及び電子部品、家電部品、OA機器部品又は携帯機器部品として好適に用いられる。さらにその中でもセルフタップネジ挿入部を有する成形品に好適である。
自動車部品としては、特に限定されるものではないが、例えば、吸気系部品、冷却系部品、燃料系部品、内装部品、外装部品、電装部品等が挙げられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例に用いたポリアミド樹脂組成物の各構成成分について説明する。
<構成成分>
[(A)結晶性脂肪族ポリアミド]
A-1:ポリアミド6(宇部興産社製、商品名:「SF1013A」、Mw(A)=31500、Mw(A)/Mn(A)=2.2)
[(B)半芳香族ポリアミド]
B-1:ポリアミド6I
B-2:ポリアミド6I/6T(エムス社製、商品名:「G21」、Mw(B)=27000、Mw(B)/Mn(B)=2.4)
B-3:ポリアミドMXD6(東洋紡社製東洋紡ナイロン、商品名「T―600」、Mw(B):45000、Mw(B)/Mw(B):2.2)
[(C)繊維状強化材]
C-1:ガラス繊維(GF)(日本電気硝子製、商品名:「ECS03T275H」、平均繊維径10μmφ、カット長3mm)
C-2:ウォラストナイト(NYCO社製、「400WC」(商品名)、数平均粒子径8.0μm、数平均粒子長35μm)
[(D)カーボンブラック]
D-1:カーボンブラック(CB)(三菱化学社製、商品名:「#52B」)
[(E)結晶化遅延剤]
E-1:ニグロシン染料(オリエント化学社製 TH807)
<ポリアミドの製造>
半芳香族ポリアミドB-1の各製造方法について以下に詳細を説明する。なお、下記製造方法によって、得られた、半芳香族ポリアミドB-1は、窒素気流中で乾燥し、水分率を約0.2質量%に調整してから、後述の実施例及び比較例におけるポリアミド樹脂組成物の原料として用いた。
[合成例1]半芳香族ポリアミドB-1(ポリアミド6I)の合成
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
まず、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩:1500g、並びに、全等モル塩成分に対して1.5モル%過剰のアジピン酸、及び、0.5モル%の酢酸を蒸留水:1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。次いで、 110℃以上150℃以下程度の温度下で撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。次いで、内部温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。そのまま1時間、内部温度が245℃になるまで、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。次いで、30分かけて圧力を降圧した。次いで、オートクレーブ内を真空装置で650torr(86.66kPa)の減圧下に10分維持した。このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。次いで、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出した。次いで、ペレットを100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、半芳香族ポリアミドB-1(ポリアミド6I)を得た。
得られた半芳香族ポリアミドB-1(ポリアミド6I)は、ジカルボン酸単位中のイソフタル酸単位の含有量は100モル%であった。Mw(B)=20000であった。
<物性の測定方法>
まず、実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを、窒素気流中で乾燥し、ポリアミド樹脂組成物中の水分量を500ppm以下にした。次いで、水分量を調整した各ポリアミド樹脂組成物のペレットを用いて下記の方法を用いて、各種物性及び各種評価を実施した。
[物性1]ポリアミド樹脂組成物の分子量
(ポリアミド樹脂組成物の分子量(Mn、Mw/Mn)
実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、東ソー株式会社製、HLC-8020、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒、PMMA(ポリメチルメタクリレート)標準サンプル(ポリマーラボラトリー社製)換算)で測定したMwとMnを用いて計算した。なお、GPCカラムはTSK-GEL GMHHR-MとG1000HHRを使用した。
[物性2]ポリアミド樹脂組成物の冷結晶化度
射出成形機[NEX50III-5EG:日精樹脂工業株式会社製]を用いて、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpm、金型温度を90℃、シリンダー温度を280℃に設定し、充填時間が1.6±0.1秒の範囲となるように、射出圧力及び射出速度を適宜調整し、短冊成形片(12.7cm×1.27cm、厚さ0.75mm)を製造した。このようにして作製した短冊成形片の中央部を、ニッパーで8g切削し、示差走査熱量分析(DSC)で3分×30℃で保温した後に、20℃/minで昇温した際の吸熱ピークから算出した。
<評価方法>
[評価1]成型体の外観
射出成形機[NEX50III-5EG:日精樹脂工業株式会社製]を用いて、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpm、金型温度を90℃、シリンダー温度を280℃に設定し、充填時間が1.6±0.1秒の範囲となるように、射出圧力及び射出速度を適宜調整し、平板プレート成形片(6cm×9cm、厚さ3mm)を製造した。このようにして作製した平板プレート成形片の中央部を、光沢計(HORIBA製IG320)を用いてJIS-K7150に準じて60度グロスを測定した。該測定値が大きいほど表面外観に優れると判断した。
[評価2]引張歪
射出成形機[NEX50III-5EG:日精樹脂工業株式会社製]を用いて、樹脂温度290℃、金型温度:80℃に設定し、射出+保圧時間:25秒、冷却時間:15秒の成形条件で、ISOタイプAの多目的試験片を成形した。得られた多目的試験片を用いて、ISO527に従って、引張速度5mm/minの条件で、引張破断歪みを測定した。得られた破断歪みを引張歪みとした。引張ひずみが高いほど、優れものと判断した。
[評価3]曲げ弾性率
射出成形機[NEX50III-5EG:日精樹脂工業株式会社製]を用いて、樹脂温度290℃、金型温度:80℃に設定し、射出+保圧時間:25秒、冷却時間:15秒の成形条件で、ISOタイプAの多目的試験片を成形した。得られた多目的試験片を用いて、ISO178に従って、曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率が高いものほど、優れるものと判断した。
[評価4]セルフタップ成型体の内径変化量
Φ140mmで3mm厚の円形平板に、肉厚5.6mm、内径3.4mmφのボスがついた成形体を射出成形した。実際の成型片の内径は、ピンゲージを使用し、0.1mm刻みで測定した。内径と実際の内径の差、つまり収縮量が0.06~0.15mm、好ましくは0.07~0.13mm、より好ましくは0.08~0.10mmの範囲のものを優れるものと判断した。
[評価5]セルフタッピングネジによる破壊トルク強度と破壊形態
Φ140mmで3mm厚の円形平板に、肉厚5.6mm、内径3.4mmφのボスがついた成形体を射出成形し、デジタルトルクメーターHDP-50(ハイオス製)によりセルフタップネジ(大阪魂製 鍋頭タッピングねじ M4×10、ネジ呼び径4mm、呼び長さ10mm、穴の形状は十字穴)をボス口に挿入し、樹脂の内部が破壊し、ネジが空転するまでの最大トルクを締付トルクとして評価した。締付トルクが高いものを優れるものと判断した。また、締付時の破壊挙動について以下の基準で評価した。
(評価基準)
OK:ネジが空転した
NG:ネジが空転する前にボスがクラックで破壊した
<ポリアミド樹脂組成物の製造方法>
[実施例1]樹脂組成物の製造
東芝機械社製、TEM35mm2軸押出機(設定温度:280℃、スクリュー回転数300rpm)を用いて、押出機最上流部に設けられたトップフィード口よりポリアミド(A-1)と(B-1)、(D-1)、及び(E-1)とを予めブレンドしたものを供給し、押出機下流側(トップフィード口より供給された樹脂が充分溶融している状態)のサイドフィード口より(C-1)を供給し、ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。配合量は表1に示すとおりとした。
また、得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを用いて、上記方法により成形品を製造し、各種物性及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2~6及び比較例1~6]樹脂組成物の製造
配合成分及び配合量を表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、樹脂組成物のペレットを得た。得られた樹脂組成物のペレットを用いて、上記方法により成形体を製造し、各種物性及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2024074668000001
表1から、(A)結晶性脂肪族ポリアミド、(B)半芳香族ポリアミド、(C)繊維状充填材、(D)カーボンブラック、及び(E)結晶化遅延剤を所定の数値範囲内で含有するポリアミド樹脂組成物では、成型体の外観、機械的特性、ボスの寸法安定性、タッピング特性が良好であり、タッピング時にボスのクラック破壊がしない成型体が得られた。
ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド全量に対して、(B)芳香族ポリアミドの含有量の異なるPA-a1~PA-a3の比較において、(B)結晶性脂肪族ポリアミドの含有量が増加するほど、成形体の外観や曲げ弾性率がより優れる傾向がみられた。一方、(B)芳香族ポリアミドの含有量が減少するほど(ポリアミドA-1の含有量が増加するほど)、引張歪、セルフタップの内径変化がより優れる傾向がみられた。さらに(B)芳香族ポリアミドの含有量が18.0-20.0質量部の範囲にすることでタッピング強度が高くなる傾向がみられた。
(E)結晶化遅延剤成分の含有量が異なるポリアミド樹脂組成物PA-a2及びPA-a6の比較において、(E)結晶化遅延剤成分の含有量が増加するほど、成型体の外観良くなる傾向がみられた。一方、(E)結晶化遅延剤成分の含有量が減少するほど、セルフタップの内径変化がより優れる傾向がみられた。
(B)芳香族ポリアミドの種類が異なるPA-a2及びPA-a4の比較において、ポリアミド6Iを配合したものでは、曲げ弾性率、セルフタップの内径変化、タッピング強度がより優れる傾向がみられた。
(B)芳香族ポリアミドの種類が異なるPA-a2及びPA-b4の比較において、ポリアミド6Iを配合したものでは、成形体の外観、引張歪、セルフタップの内径変化、セルフタップの破壊挙動、タッピング強度がより優れる傾向がみられた。
(C)繊維状強化材の含有量が異なるPA-a2及びPA-a5の比較において、(C)繊維状強化材の含有量が増加するほど、曲げ弾性率、セルフタップの内径変化、セルフタップの破壊挙動、タッピング強度がより優れる傾向がみられた。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、機械的物性、成型品外観且つ、ネジ締付のセルフタップ性に優れ、自動車用、電気及び電子用、産業資材用、工業材料用、並びに日用及び家庭品用等、各種部品の成形材料、その中でも特にセルフタップネジ挿入部を有する成形材料として好適に使用することができる等、産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. (A)(A-a)炭素数4以上14以下のラクタム単位及び(A-a’)炭素数4以上14以下のアミノカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも1種、あるいは、(A-b)脂肪族ジカルボン酸単位及び(A-c)脂肪族ジアミン単位を含む結晶性脂肪族ポリアミド 75~89質量部と、
    (B)(B-a)ジカルボン酸単位と(B-b)ジアミン単位とを含む半芳香族ポリアミド 11~25質量部
    を含むポリアミド樹脂組成物であって、
    (A)結晶性脂肪族ポリアミド及び(B)半芳香族ポリアミドの総量100質量部に対して、
    (C)繊維状強化材 100~200質量部、
    (D)カーボンブラック 0~2.5質量部、及び
    (E)結晶化遅延剤 0.05~0.5質量部
    を含む、ポリアミド樹脂組成物。
  2. 厚み0.75mmの試験片をシリンダー温度280℃、金型温度90℃で成形した際に得られた成型体の、示差走査熱量分析(DSC)で3分×30℃で保温した後に、20℃/minで280℃まで昇温した際の冷結晶化ピークが、2.0J/g以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記(A)脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-a)全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を50モル%以上含む、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-a)全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を75モル%以上含む、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(B)半芳香族ポリアミドが、前記(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B-a)全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を100モル%含有する、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 重量平均分子量Mwが、10000≦Mw≦40000である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物を成型してなる、セルフタッピングネジの締め付け用の挿入部位を有する成形体。
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