JP2024072980A - トナー用外添剤及びトナー - Google Patents

トナー用外添剤及びトナー Download PDF

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Abstract

【課題】優れた帯電立ち上がり性を有し、耐久安定性に優れ、長期に渡り高品質な画像を得ることができるトナー用外添剤の提供。【解決手段】母粒子Aと、該母粒子Aの表面に凸部を形成する複数の凸形成粒子Bと、を有する外添剤粒子を有するトナー用外添剤で、該母粒子Aと該凸形成粒子Bは、シロキサン結合を有するケイ素化合物を有する粒子であり、該母粒子Aと該凸形成粒子Bとの間には、化学結合が形成されており、該母粒子Aと該凸形成粒子Bは、特定式ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下で、該トナー用外添剤のヤング率が10GPa以上30GPa以下で、該トナー用外添剤は、個数平均粒径が0.03μm以上0.30μm以下であり、該トナー用外添剤の個数平均粒径をDA、該外添剤粒子の表面における該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さをHとしたとき、H/DAが0.10以上0.30以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用外添剤及びトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、電子写真に用いられるトナーにおいても高速印刷化への対応や、長寿命化への要求がさらに高まっている。
従来、トナーに用いられる外添剤としては、一般的に球状のシリカなどが広く知られている。しかし、長時間に渡って印字濃度が低い画像を出力する場合などの、トナーがキャリアなどの部材と多く接触しストレスがかかる環境において、トナー表面にシリカが埋没してしまうことでトナーの付着力悪化が課題であった。そこで、外添剤埋没を抑制するため、特許文献1ではシリコーンの外添剤を用いることで埋没を抑制している。
さらに、特許文献2では、網目状の突起部を設けることで付着性を改善し、脱離を抑制させている。
特許第6116711号公報 特許第5522859号公報
上記特許文献1のようなシリコーンを外添剤で用いるとトナーへの埋没が抑制されることで外添剤とトナー母体との接触面積が低下し、トナー母体から脱離してしまうため、改善の余地があった。また、上記特許文献2のように脱離を改善するため、網目状の突起部を有する有機シリコーン微粒子が外添されたトナーは、突起部が低い場合、トナー母体表面を転がり凹部に寄ってしまいトナーの付着力悪化の観点で改善の余地があった。また、突起部が高い場合、凝集粒子と同様の観点から改善の余地があった。
本発明の目的は、上記の課題を解決した外添剤、及びトナーを提供することにある。具体的には、優れた耐久安定性を有し、帯電立ち上がり性に優れ、長期に渡り高品質な画像を得ることである。
本発明は、母粒子Aと、
該母粒子Aの表面に凸部を形成する複数の凸形成粒子Bと、
を有する外添剤粒子を有するトナー用外添剤であって、
該母粒子Aと該凸形成粒子Bは、シロキサン結合を有するケイ素化合物を有する粒子であり、該母粒子Aと該凸形成粒子Bとの間には、化学結合が形成されており、
該母粒子Aは、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
該凸形成粒子Bは、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
該トナー用外添剤のヤング率が10GPa以上30GPa以下であり、
該トナー用外添剤は、個数平均粒径が0.03μm以上0.30μm以下であり、
該トナー用外添剤の個数平均粒径をDA、該外添剤粒子の表面における該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さをHとしたとき、H/DAが0.10以上0.30以下である、
ことを特徴とするトナー用外添剤である。
Figure 2024072980000001
(R1、R2は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)
また、本発明は、トナー粒子及びトナー用外添剤を有するトナーであって、該トナー用外添剤が、上記構成であることを特徴とするトナーである。
本発明のトナー用外添剤は、トナーの耐久安定性、帯電立ち上がり性が向上し、長期に渡り安定して高品質な画像を得ることができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明の効果が発現するメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
従来、トナー用外添剤として用いられてきた網目状の凸部を有する粒子は、トナー粒子への付着性改善に有効であった。しかし、網目状の凸部が高い粒子は、キャリアなどの部材との接触面積が大きく低下し、帯電しにくくなってしまう。その結果、画像比率の低い画像を出力させて現像機内のトナーの帯電が飽和した状態の後、画像比率の高い画像が出力されたときに、現像機内の帯電の飽和したトナーと、現像機内に新たに供給されるトナーとで帯電が異なってしまうことで濃度変化が大きくなってしまうことなど改善の余地があった。また、網目状の凸部が低い粒子は、キャリアや部材などの摺擦により変形した際に、凸部の効果がほとんど得られず、トナー母体表面を転がり、トナーの凹部へ寄ってしまうことから、キャリアや部材と接触するトナー凸部の付着力悪化による現像性や転写性の観点で改善の余地があった。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、外添剤の凸部を独立する粒子形状として外添剤母体に形成し、母体粒径に対する凸部の大きさを最適化することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。そのメカニズムは明確ではないが、凸部が独立し、適度な大きさを有することで、トナー母体との接触面積が増加し、外添剤遊離を抑制しつつ、トナー母体上を外添剤が転がることも抑制することで、現像性や転写性を良好に維持し、かつ、キャリアや部材との摺擦時に変形することで帯電立ち上がりも良化させることが出来ると推測している。
[トナー用外添剤]
本発明のトナー用外添剤は、母粒子Aと、
該母粒子Aの表面に凸部を形成する複数の凸形成粒子Bと、
を有する外添剤粒子を有するトナー用外添剤であって、
該母粒子Aと該凸形成粒子Bは、シロキサン結合を有するケイ素化合物を有する粒子であり、該母粒子Aと該凸形成粒子Bとの間には、化学結合が形成されており、
該母粒子Aは、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
該凸形成粒子Bは、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%100質量%以下であり、
該トナー用外添剤のヤング率が10GPa以上30GPa以下であり、
該トナー用外添剤は、個数平均粒径が0.03μm以上0.30μm以下であり、
該トナー用外添剤の個数平均粒径をDA、該外添剤粒子の表面における該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さをHとしたとき、H/DAが0.10以上0.30以下である、
ことを特徴とする。
Figure 2024072980000002
(R1、R2は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)
本発明のトナー用外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、0.03μm以上0.30μm以下である。一次粒子の個数平均粒径が上記範囲内であると、トナー粒子に対して、微粒子を均一に被覆できる。また、トナーへのストレスを抑制できるため、帯電安定性の効果が得られやすい。微粒子の一次粒子の個数平均粒径が0.03μm未満の場合、長時間に渡って印字濃度が低い画像を大量に出力する場合、トナーへのストレスが大きくなるため、外添剤粒子がトナー表面に埋没しやすくなる可能性がある。また、一次粒子の個数平均径が0.30μmを超える場合、外添剤粒子がトナー表面から脱離しやすくなる可能性がある。外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、加水分解及び縮合工程において、反応温度を低くする、反応時間を短くする、触媒量を増やすことにより大きくすることができる。また、微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、加水分解及び縮合工程において、反応温度を高くする、反応時間を長くする、触媒量を減らすことにより小さくすることができる。
外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、好ましくは0.07μm以上0.20μm以下であり、さらに0.08μm以上0.15μm以下であることが上記の観点でより好ましい。
本発明のトナー用外添剤のヤング率は、10GPa以上30GPa以下である。ヤング率が上記範囲内であると、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、応力を緩和し、外添剤のトナー粒子表面への埋没をより抑制できる。
ヤング率が10GPa以上であると、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、外添剤自体が破壊されにくい。また、ヤング率が30GPa以下であると、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、応力を緩和しやすくなり、外添剤がトナー粒子表面へ埋没することをより抑制できる。そのため、トナー表面状態が変化しにくく、トナーの帯電性や付着力の変化をより抑制することができる。
トナー用外添剤のヤング率は、上記モノマーの混合比率、加水分解工程並びに縮合工程の温度、時間、pH及び触媒の種類を変更することにより制御できる。例えば、ヤング率を大きくしたい場合、上記(a)構造を有するシランモノマーの混合比率を高くする、上記(b)及び(c)構造を有するシランモノマーの混合比率を低くする、加水分解工程並びに縮合工程の温度を高くする、加水分解工程並びに縮合工程の時間を長くする、加水分解工程並びに縮合工程のpHを高くすることなどが挙げられる。ヤング率を小さくしたい場合、上記(a)構造を有するシランモノマーの混合比率を低くする、上記(b)及び(c)構造を有するシランモノマーの混合比率を高くする、加水分解工程並びに縮合工程の温度を低くする、加水分解工程並びに縮合工程の時間を短くする、加水分解工程並びに縮合工程のpHを低くすることなどが挙げられる。トナー用外添剤のヤング率は、13GPa以上20GPa以下であることが好ましい。
本発明のトナー用外添剤の母粒子A及び凸形成粒子B中の、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量は、80質量%以上100質量%以下である。
Figure 2024072980000003
(R1、R2は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)
上記範囲内であり、かつヤング率が上記範囲内であることで、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、外添剤自体が破壊されにくく、さらに適度な柔軟性を有することにより、外添剤がトナー粒子表面へ埋没することを抑制できる。そのため、トナー表面状態が変化しにくく、トナーの帯電性や付着力の変化をより抑制することができる。外添剤中の、上記ユニット(a)、(b)及び(c)の含有割合は、上記モノマーの添加量によって制御できる。
母粒子Aと凸形成粒子Bの上記ユニット(a)、(b)及び(c)の含有割合は、ヤング率を上記範囲内にすることが出来れば、同じでも良いし、異なっていても良い。
また、母粒子Aに対し、凸形成粒子Bが上記ユニットの(a)の含有割合が多いことがより好ましい。凸形成粒子Bに上記ユニット(a)が母粒子Aよりも多く含まれることで、凸部が適度に硬くなり、トナー粒子に外添剤の凸部が埋まることで、更に転がりを抑制し、かつ脱離も抑制することが出来るため好ましい。
本発明のトナー用外添剤の個数平均粒径をDA、該外添剤粒子の表面における該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さをHとしたとき、H/DAが0.10以上0.30以下である。H/DAが上記範囲であると、外添剤のトナー母体への付着力が向上し、脱離が抑制され、かつトナー母体表面での転がりが抑制され、キャリアや部材との摺擦時に接触面積が十分得られ、帯電立ち上がり性も良化させることが出来る。さらにH/DAが0.15以上0.25以下であると上記効果がより得られやすくなるためより好ましい。トナー用外添剤の個数平均粒径DAは、後述する加水分解及び縮合工程における反応条件を調整することによって制御できる。凸部の平均高さHは、凸形成粒子Bの粒径及び、トナー用外添剤製造時における凸形成粒子Bの添加量と時間、及び凸形成粒子Bと母粒子Aを構成するモノマーとの反応時間、反応温度によって制御できる。
なお、上記各種物性値の測定法は後述する。
<製造方法>
本発明のトナー用外添剤の製造方法は、特に限定されないが、ゾルゲル法によるケイ素化合物(シランモノマー)の加水分解、縮重合反応を経て粒子を形成することが好ましい。具体的には、シロキサン結合を2つ有する二官能性シランと、シロキサン結合を4つ有する四官能性シランの混合体を加水分解及び縮重合させることで母粒子Aを作製し、そこに同様の方法であらかじめ作製したシロキサン結合を有するケイ素化合物の微粒子(凸形成粒子B)を反応させることによって、母粒子Aと凸形成粒子Bとの間で化学結合が形成されてなる複合粒子を得ることが好ましい。二官能性シラン及び四官能性シランなどのシランモノマーについては後述する。二官能性シランの割合は、好ましくは30モル%以上70モル%以下であり、より好ましくは40モル%以上60モル%以下である。四官能性シランの割合は、好ましくは30モル%以上80モル%以下であり、より好ましくは40モル%以上70モル%以下である。
本発明のトナー用外添剤は、シロキサン結合を有するケイ素化合物をバインダーとする粒子である。
本発明に係るケイ素化合物の製法は特に限定されず、例えば水にシラン化合物を滴下し、触媒により加水分解、縮合反応させた後、得られた懸濁液を濾過、乾燥し得ることができる。触媒の種類、配合比、反応開始温度、滴下時間などにより粒径をコントロールすることができる。触媒として酸性触媒は塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、塩基性触媒はアンモニア水、水酸ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明に係るケイ素化合物は、次の方法により製造することが好ましい。具体的には、ケイ素化合物の加水分解物を得る第一の工程、該加水分解物と、アルカリ性水系媒体と、コロイダルシリカを混合して、該加水分解物を重縮合反応させ、コロイダルシリカと反応させる第二の工程、重縮合反応物と水性溶液とを混合し粒子化する第三の工程を含むことが好ましい。場合によっては、さらに、疎水化剤を配合してもよい。
第一の工程は、水に触媒となる酸性又はアルカリ性の物質を溶解させた水溶液中において、ケイ素化合物と触媒とを、撹拌、混合等の方法で接触させる。触媒としては公知の触媒を好適に使用することができる。具体的には、触媒として酸性触媒は、酢酸、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、塩基性触媒はアンモニア水、水酸ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
触媒の使用量は、ケイ素化合物及び触媒の種類によって適宜調整すればよい。好ましくは、ケイ素化合物を加水分解する場合に用いる水の量100質量部に対して1×10-3質量部以上1質量部以下の範囲で選ばれる。
触媒の使用量が1×10-3質量部以上であれば、反応が十分に進行する。一方、触媒の使用量が1質量部以下であると、微粒子中に不純物として残存する濃度が低くなり、加水分解させやすくなる。水の使用量は、ケイ素化合物1モルに対して2モル以上15モル以下が好ましい。水の量が2モル以上であると加水分解反応が十分に進行し、15モル以下であると生産性が向上する。
反応温度はとくに制限されず、常温又は加熱状態で行なってもよいが、短時間で加水分解物が得られ、かつ生成した加水分解物の部分縮合反応を抑制できることから、10~60℃に保持した状態で反応を行うことが好ましい。反応時間はとくに制限されず、用いるケイ素化合物の反応性や、ケイ素化合物と酸と水とを調合した反応液の組成、生産性を考慮して適宜選択すればよい。
ケイ素重合体粒子の製造方法では、第二の工程として、上記第一工程で得られた原料溶液と、アルカリ性水系媒体とを混合して、粒子前駆体を重縮合反応させる。これにより重縮合反応液を得る。ここで、アルカリ性水系媒体は、アルカリ成分と、水と、必要に応じて有機溶媒などとを混合して得られる液である。
アルカリ性水系媒体に使用されるアルカリ成分は、その水溶液が塩基性を示すものであり、第一の工程で用いられた触媒の中和剤として、また第二の工程の重縮合反応の触媒として作用するものである。かかるアルカリ成分としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;アンモニア;及びモノメチルアミン、ジメチルアミンのような有機アミン類を例示することができる。
アルカリ成分の使用量は、酸を中和し、重縮合反応の触媒として有効に作用する量であり、例えばアルカリ成分としてアンモニアを用いた場合には水と有機溶媒との混合物100質量部に対して、通常は0.01質量部以上12.5質量部以下の範囲で選ばれる。
第二の工程においては、アルカリ性水系媒体を調製するために、アルカリ成分及び水に加えて、さらに有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒は水に対して相溶性を有するものであれば、特に制限されないが、常温、常圧下で100g当たり10g以上の水を溶解する有機溶媒が好適である。
具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジアセトンアルコール等のエーテル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド化合物等が挙げられる。
以上に挙げた有機溶媒の中でも、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒が好ましい。さらには、加水分解、脱水縮合反応の観点から、脱離生成するアルコールと同一のアルコールを有機溶媒として選択するのがより好ましい。
第三の工程として、第二の工程で得られた重縮合反応物を水性溶液とを混合し粒子化する。水性溶液としては、水(水道水、純水等)が好適に利用できるが、水に塩、酸、アルカリ、有機溶媒、界面活性剤、水溶性高分子等の水と相溶性を示す成分をさらに添加してもよい。混合させる際の重縮合反応液及び水性溶液の温度は特に制限されず、これらの組成、生産性等を考慮して5~70℃の範囲が好適に選択される。
粒子を回収する方法は、公知の方法を特に制限なく使用することができる。例えば、浮遊する粉体をすくい取る方法や濾過法が挙げられるが、操作が簡便であることから濾過法が好ましい。濾過の方法は特に制限されず、減圧濾過や遠心濾過、加圧濾過等、公知の装置を選択すればよい。濾過で使用する濾紙やフィルター、濾布等は、工業的に入手可能なものであれば特に制限されることはなく、使用する装置に応じて適宜選択すればよい。
使用するモノマーは、溶媒及び触媒との相性、あるいは加水分解性などによって適宜選択できるが、上記(a)構造を有する四官能性シランモノマーとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソシアネートシランなどが挙げられるが、その中でもテトラエトキシシランであることが好ましい。
上記(b)構造を有する三官能性シランモノマーとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランなどが挙げられるが、その中でもメチルトリメトキシシランであることが好ましい。
上記(c)構造を有する二官能性シランモノマーとしては、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジ-tert-ブチルジメトキシシラン、ジ-tert-ブチルジエトキシシラン、ジブチルジクロロシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジクロロデシルメチルシラン、ジメトキシデシルメチルシラン、ジエトキシデシルメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエチルジメトキシシランなどが挙げられるが、その中でもジメチルジメトキシシランであることが好ましい。
<トナー用外添剤のその他の物性>
本発明のトナー用外添剤の真比重は、1.00g/cm3以上1.60g/cm3以下であることが好ましい。上記範囲内であると、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、外添剤のトナー粒子表面への埋没や、外添剤自体の破壊を抑制できる。外添剤の真比重は、微粒子Bの添加量によって制御できる。トナー用外添剤の真比重は、1.20g/cm3以上1.40g/cm3以下であることがより好ましい。
本発明のトナー用外添剤は、該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さHに対し、凸形成粒子Bの最大平均径をDBとしたとき、H/DBが0.30以上0.50以下であることが好ましい。上記範囲であると、外添剤のトナー母体への付着力が十分得られ、転がりも抑制されるため好ましい。0.30より小さいと転がりを十分に抑制できず、0.50より大きいとトナー母体との接触面積が低下し、外添剤が遊離しやすくなる。H/DBは凸形成粒子Bの粒径及び、トナー用外添剤製造時における凸形成粒子Bの添加量と時間、及び凸形成粒子Bと母粒子Aを構成するモノマーとの反応時間、反応温度によって制御できる。
本発明のトナー用外添剤は、その表面が疎水化処理剤によって表面処理されていることが好ましい。疎水化処理剤としては特に限定されないが、有機ケイ素化合物であることが好ましい。
例えば、ヘキサメチルジシラザンのようなアルキルシラザン化合物、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランのようなアルキルアルコキシシラン化合物、トリフルオロプロピルトリメトキシシランのようなフルオロアルキルシラン化合物、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランのようなクロロシラン化合物、オクタメチルシクロテトラシロキサンのようなシロキサン化合物、あるいはシリコーンオイル、シリコーンワニスなどを挙げることができる。
トナー用外添剤表面の疎水化処理により、耐久後のトナーの付着力の変化を抑制できる。この中でも、微粒子は、アルキルシラザン化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、クロロシラン化合物、シロキサン化合物及びシリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一の化合物で表面処理されていることが好ましい。さらに、トナー用外添剤は、アルキルシラザン化合物で表面処理されていることが上記の観点でより好ましい。
本発明のトナー用外添剤の母粒子A及び凸形成粒子B中の、上記ユニット(a)、(b)及び(c)の含有割合は、下式(I)、(II)、(III)を満たすことが好ましい。
0.30≦(a)/((a)+(b)+(c))≦0.80・・・(I)
0≦(b)/(a)+(b)+(c)≦0.50 ・・・(II)
0.20≦(c)/(a)+(b)+(c)≦0.70 ・・・(III)
上記範囲内であると、トナーがキャリアなどの部材からストレスを受けた場合に、外添剤のトナー粒子表面への埋没や、外添剤自体の破壊を抑制できる。さらに、
0.40≦(a)/((a)+(b)+(c))≦0.70・・・(I´)
0≦(b)/(a)+(b)+(c)≦0.10 ・・・(II´)
0.30≦(c)/(a)+(b)+(c)≦0.60 ・・・(III´)
であると、外添剤中のSi-CH3の存在量が最適となり、トナーの耐久安定性の観点でより好ましい。
なお、母粒子Aと凸形成粒子B中の含有割合は同じでも良いし、上記範囲内であれば異なっていても良い。
本発明のトナー用外添剤の含有量はトナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上20.0質量部以下であることが帯電安定性の観点で好ましい。さらに、0.5質量部以上15.0質量部以下が好ましい。さらに好ましくは、1.0質量部以上10.0質量部以下である。
外添剤の含有量が0.1質量部未満であると、高温高湿環境のような過酷環境下において長時間に渡って印字濃度が低い画像を大量に出力する場合、トナーにかかるストレスを抑制できず、耐久安定性の効果が得られにくくなる。また、外添剤の含有量が20.0質量部を超える場合、画像を長時間出力する場合において、キャリアや帯電部材及び感光部材への外添剤粒子のフィルミンングが発生する可能性がある。
[トナー粒子]
次に、本発明の上記微粒子が外添されるトナー粒子の構成について詳細に説明する。
<結着樹脂>
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。その中でも、耐久安定性及び帯電安定性の観点からポリエステル樹脂が好ましい。
また、ポリエステル樹脂の酸価が、0.5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが環境安定性、及び帯電安定性の観点で好ましい。ポリエステル樹脂中の酸価と上記微粒子中のSi-CH3が相互作用し、耐久性と高温高湿環境下のトナー帯電性をより向上させることができる。より好ましくは1mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは1mgKOH/g以上15mgKOH/g以下である。
<着色剤>
本発明のトナーには必要に応じて着色剤を用いてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<ワックス>
本発明のトナーには必要に応じてワックスを用いてもよい。ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸のような脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのようなアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して2.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<荷電制御剤>
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
<無機微粉末>
本発明のトナーには、前述したトナー用外添剤のほかに、必要に応じて他の無機微粉末を併用することもできる。無機微粉末は、トナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカのような無機微粉末が好ましい。無機微粉末は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粉末が好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粒子を併用してもよい。
上記無機微粉末は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下で使用されることが好ましい。上記範囲を満たすと、耐久安定性の効果が得られやすい。
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。すなわち、トナー及び磁性キャリアを含有する二成分系現像剤であって、該トナーが本発明のトナーであることが好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、あるいは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2質量%以上15質量%以下、より好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
<トナー粒子の製造方法及びトナーの製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、特に制限されず、懸濁重合法、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知の製造方法を採用できる。
得られたトナー粒子に対し、本発明の外添剤微粒子、及び必要に応じて他の外添剤を混合して、トナーを得てもよい。トナー粒子と本発明の外添剤微粒子、及びその他の外添剤との混合は、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を用いることができる。
[各種物性の測定法]
各種物性の測定法について以下に説明する。
<トナーからの微粒子とトナー粒子の分離>
トナーから、以下の方法により分離した微粒子を用いて各物性を測定することもできる。
ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL加え、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。トナーを添加した分散液が入ったビーカーを超音波分散機にセットし、超音波分散器を作動させ、トナーから微粒子を遊離させる。次に、桐山ロートと吸引鍾にダイアフラム型ドライ真空ポンプDTC-41(アルバック社製)を接続し、桐山ロート用ろ紙No.5Cを用いてトナー粒子と微粒子を濾別する。回収した微粒子が分散した分散液を遠心分離機にて微粒子を沈降させ、微粒子を採取する。必要に応じて、遠心分離を繰り返し行い、分離を十分に行った後、微粒子を採集し、乾燥させて微粒子を得る。
複数の外添剤が添加されている場合には、遠心分離の回転数を調整し、分取することで本発明の外添剤を選別することができる。
<外添剤の一次粒子の個数平均粒径DAの測定方法>
外添剤の一次粒子の個数平均粒径DAは、遠心沈降法による測定で求めることができる。具体的には、乾燥した外添剤粒子0.01gを25mlのガラス製バイアルに投入し、そこに5%トリトン溶液0.2gとRO水19.8gを添加した溶液を作製した。次に、超音波分散機のプローブ(先端の内の先端)を上記溶液に浸し、出力20Wで15分間超音波分散することで分散液を得た。続いて、この分散液を用いて、CPS Instruments社遠心沈降粒度分布測定装置DC24000により一次粒子の個数平均粒径を測定した。ディスクの回転数は18000rpmに設定し、真密度は1.3g/cm3に設定した。測定前に、平均粒径0.476μmのポリ塩化ビニル粒子を使用して装置の校正を行った。
<外添剤のヤング率の測定方法>
外添剤のヤング率は、ハイジトロンPI 85L ピコインデンター(BRUKER社製)を使用した微小圧縮試験から求められる。
測定で得られる変位(nm)と試験力(μN)のプロファイル(荷重変位曲線)の傾きからヤング率(MPa)を算出する。
・機器・治具
ベースシステム:Hysitron PI-85L
測定圧子:直径1μm円形フラットエンド圧子
使用SEM:Thermo Fisher Versa 3D
SEM条件:-10°tilt, 13pA at 10keV
・測定条件
測定モード:変位制御
最大変位:30nm
変位速度:1nm/秒
保持時間:2秒
除荷速度:5nm/秒
・解析方法
得られた荷重変位曲線における0nm~10nm圧縮した際の曲線に対してHertz解析を適応し、微粒子のヤング率を算出する。
・サンプル調整
シリコンウエハー上に微粒子を付着させたもの。
<凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さHと最大平均径DBの測定方法>
凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さHと最大平均径DBの測定は、走査型電子顕微鏡「S-4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。外添剤を20万倍に拡大した視野において無作為に凸部を200箇所観察し、凸形成粒子に由来する凸部それぞれの最大径を測定し、平均した値から最大平均径DBを算出した。また、凸部200箇所の観察時にチルトさせ、凸部の高さが計測可能な角度に調整し、それぞれ高さを測定し、平均した値から平均高さHを算出した。
<外添剤の真比重の測定方法>
外添剤の真比重は、乾式自動密度計オートピクノメーター(ユアサアイオニクス社製)により測定した。条件は下記の通りである。
セル:SMセル(10ml)
サンプル量:0.05g
この測定方法は、気相置換法に基づいて、固体・液体の真比重を測定するものである。液相置換法と同様、アルキメデスの原理に基づいているが、置換媒体としてガス(アルゴンガス)を用いるため、微細孔への精度が高い。
<外添剤の表面処理剤の測定方法>
外添剤の表面処理剤は、熱分解GC-MS(ガスクロマトグラフィ質量分析)により分析する。
測定条件は、具体的には下記の通りである。
装置:GC6890A(アジレント製)、熱分解装置(日本分析工業製)
カラム:HP-5ms 30m
熱分解温度:590℃
測定によって得られたプロファイルの、各ピーク位置を標準サンプルを用いて特定することで、外添剤の表面処理剤を特定する。
<結着樹脂の酸価の測定方法>
酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などの酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。酸価は、JIS-K0070-1992に準じ以下のように測定する。
(1)試薬
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した該水酸化カリウム溶液の量から求める。該0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として該フェノールフタレイン溶液を数滴加え、該水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
<トナーからの、ポリエステル樹脂の酸価の測定>
トナーからの、ポリエステル樹脂の酸価を測定する方法は、下記方法を用いることができる。以下の方法でトナーからポリエステル樹脂の分離を行い、酸価の測定を行う。
トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、得られた可溶分から溶媒を減圧留去して、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分を得る。
得られたトナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分をクロロホルムに溶解し、濃度25mg/mlの試料溶液を調製する。
得られた試料溶液3.5mlを、下記装置に注入し、下記条件で、分子量2000以上を樹脂成分として分取する。
分取GPC装置:日本分析工業(株)製 分取HPLC LC-980型
分取用カラム:JAIGEL 3H、JAIGEL 5H(日本分析工業(株)社製)
溶離液:クロロホルム
流速:3.5ml/min
樹脂由来の高分子量成分を分取した後、溶媒を減圧留去し、さらに90℃雰囲気中、減圧下で24時間乾燥する。該樹脂成分が2.0g程度得られるまで上記操作を繰り返す。得られた試料を用いて、前記手順に従って酸価を測定する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
〔本発明の実施形態に含まれる構成〕
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)母粒子Aと、
該母粒子Aの表面に凸部を形成する複数の凸形成粒子Bと、
を有する外添剤粒子を有するトナー用外添剤であって、
該母粒子Aと該凸形成粒子Bは、シロキサン結合を有するケイ素化合物を有する粒子であり、該母粒子Aと該凸形成粒子Bとの間には、化学結合が形成されており、
該母粒子Aは、上記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
該凸形成粒子Bは、上記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
該トナー用外添剤のヤング率が10GPa以上30GPa以下であり、
該トナー用外添剤は、個数平均粒径が0.03μm以上0.30μm以下であり、
該トナー用外添剤の個数平均粒径をDA、該外添剤粒子の表面における該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さをHとしたとき、H/DAが0.10以上0.30以下である、
ことを特徴とするトナー用外添剤。
(構成2)前記凸形成粒子Bの平均最大径をDBとしたとき、前記凸部の平均高さであるHに対して、H/DBが0.30以上0.50以下である構成1に記載のトナー用外添剤。
(構成3)前記H/DAが0.15以上0.25以下である構成1または2に記載のトナー用外添剤。
(構成4)前記母粒子A及び前記凸形成粒子B中の前記ユニット(a)、(b)及び(c)の含有割合が、下式(I)、(II)、(III)を満たす構成1~3のいずれかに記載のトナー用外添剤。
0.30≦(a)/((a)+(b)+(c))≦0.80・・・(I)
0≦(b)/((a)+(b)+(c))≦0.50 ・・・(II)
20≦(c)/((a)+(b)+(c))≦0.70 ・・・(III)
(構成5)前記凸形成粒子Bのユニット(a)の含有割合が、前記母粒子Aのユニット(a)の含有割合よりも多い構成1~4のいずれかに記載のトナー用外添剤。
(構成6)トナー粒子と、構成1~5のいずれかに記載のトナー用外添剤とを有するトナー。
(構成7)前記トナー用外添剤のトナー粒子100質量部に対する含有量が、0.1質量部以上20.0質量部以下である構成6に記載のトナー。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これらは本発明をなんら限定するものではない。以下の処方の「部」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<凸形成粒子B-1分散液の製造例>
B-1.加水分解及び縮重合工程:
(B-1)500mlビーカーに、RO水21.6g、メタノール135.0g、触媒として酢酸0.004g、及びジメチルジメトキシシラン12.2gを仕込み、45℃で5分間撹拌した。
(B-2)ここに28%アンモニア水1.0g、テトラエトキシシラン15.0gを加えて30℃で3.5時間撹拌し、原料溶液を得た。
B-2.粒子化工程:
1000mlビーカーにRO水120.0gを投入し、これを25℃で撹拌しながら上記1の工程で得た原料溶液を5分間かけて滴下した。その後、この混合液を60℃に昇温し、そのまま60℃に保ったまま1.5時間撹拌して凸形成粒子B-1分散液を得た。
<凸形成粒子B-2分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-1)において、ジメチルジメトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを25.3g添加し、(B-2)においてテトラエトキシシランを1.9gに変更したこと以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-2分散液を得た。
<凸形成粒子B-3分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、撹拌時間を4.0時間に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-3分散液を得た。
<凸形成粒子B-4分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、28%アンモニア水の量を2.0g、温度を35℃に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-4分散液を得た。
<凸形成粒子B-5分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、温度を35℃に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-5分散液を得た。
<凸形成粒子B-6分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、撹拌時間を3.0時間に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-6分散液を得た。
<凸形成粒子B-7分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、温度を45℃に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-7分散液を得た。
<凸形成粒子B-8分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、温度を35℃で撹拌時間を4.0時間に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-8分散液を得た。
<凸形成粒子B-9分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-1)において、ジメチルジメトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを8.2g添加し、(B-2)においてテトラエトキシシランを19.0gに変更したこと以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-9分散液を得た。
<凸形成粒子B-10分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、温度を45℃で撹拌時間を4.0時間に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-10分散液を得た。
<凸形成粒子B-11分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-2)において、28%アンモニア水の量を2.0g、温度を35℃で撹拌時間を3.0時間に変更した以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-11分散液を得た。
<凸形成粒子B-12分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-1)において、ジメチルジメトキシシランを5.4gに変更し、(B-2)においてテトラエトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを21.8g添加したこと以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-12分散液を得た。
<凸形成粒子B-13分散液の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(B-1)において、ジメチルジメトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを5.4g添加し、(B-2)においてテトラエトキシシランを21.8gに変更したこと以外は、凸形成粒子B-1分散液の製造例と同様にして凸形成粒子B-13分散液を得た。
<トナー用外添剤1の製造例>
1.加水分解及び縮重合工程:
(1)500mlビーカーに、RO水21.6g、メタノール135.0g、触媒として酢酸0.004g、及びジメチルジメトキシシラン12.2gを仕込み、45℃で5分間撹拌した。
(2)ここに28%アンモニア水2.0g、テトラエトキシシラン15.0gを加えて35℃で3.5時間撹拌し、原料溶液を得た。
2.粒子化工程:
1000mlビーカーにRO水120.0gを投入し、これを25℃で撹拌しながら上記加水分解及び縮重合工程で得た原料溶液を5分間かけて滴下した。その後、この混合液を60℃に昇温し、そのまま60℃に保ったまま0.5時間撹拌したところで凸形成粒子B-1分散液を180g滴下し、さらに1.0時間撹拌して外添剤微粒子の分散液を得た。
3.疎水化工程:
上記粒子化工程で得た外添剤微粒子の分散液に、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザン6.0gを添加して、60℃で3.0時間撹拌した。5分静置して溶液下部に沈殿した粉体を吸引濾過で回収し、120℃で24時間減圧乾燥してトナー用外添剤1を得た。トナー用外添剤1の一次粒径の個数平均粒径は0.12μmであった。
<トナー用外添剤2の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(1)において、ジメチルジメトキシシランを5.4gに変更し、(2)においてテトラエトキシシランを8.2gに変更し、トリメトキシメチルシランを13.6g加えたこと以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤2を得た。
<トナー用外添剤3の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(1)において、ジメチルジメトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを25.3g添加し、(2)においてテトラエトキシシランを1.9gに変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-2分散液に変更したこと以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤3を得た。
<トナー用外添剤4の製造例>
上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-3分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤4を得た。
<トナー用外添剤5の製造例>
上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-4分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤5を得た。
<トナー用外添剤6の製造例>
上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-5分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤6を得た。
<トナー用外添剤7の製造例>
上記粒子化工程において凸形成粒子を滴下する時間を0.75時間撹拌したところで滴下することに変更し、滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-5分散液に変更し、滴下後の撹拌時間を0.75時間に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤7を得た。
<トナー用外添剤8の製造例>
上記粒子化工程において凸形成粒子を滴下する時間を0.75時間撹拌したところで滴下することに変更し、滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-6分散液に変更し、滴下後の撹拌時間を0.75時間に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤8を得た。
<トナー用外添剤9の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(2)において、28%アンモニア水を3.0gに変更し撹拌温度を25℃に変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-4分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤9を得た。
<トナー用外添剤10の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(2)において、28%アンモニア水を1.0gに変更し撹拌温度を40℃に変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-7分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤10を得た。
<トナー用外添剤11の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(2)において、28%アンモニア水を3.0gに変更し撹拌温度を35℃に変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-4分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤11を得た。
<トナー用外添剤12の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(2)において、28%アンモニア水を1.0gに変更し撹拌温度を30℃に変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-8分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤12を得た。
<トナー用外添剤13の製造例>
上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-9分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤13を得た。
<トナー用外添剤14の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(1)において、ジメチルジメトキシシランを2.7gに変更し、(2)においてテトラエトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを24.5g添加したこと以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤14を得た。
<トナー用外添剤15の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(1)において、ジメチルジメトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを8.2g添加し、(2)においてテトラエトキシシランを19.0gに変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-9分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤15を得た。
<トナー用外添剤16の製造例>
上記粒子化工程において凸形成粒子を滴下する時間を60℃になった直後に滴下することに変更し、滴下後の撹拌時間を1.5時間に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤16を得た。
<トナー用外添剤17の製造例>
上記粒子化工程において凸形成粒子を滴下する時間を1.0時間撹拌したところで滴下することに変更し、滴下後の撹拌時間を0.5時間に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤17を得た。
<トナー用外添剤18の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(2)において、28%アンモニア水を1.0gに変更し撹拌温度を45℃に変更し、撹拌時間を4.0時間に変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-10分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤18を得た。
<トナー用外添剤19の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(2)において、28%アンモニア水を5.0gに変更し撹拌温度を25℃に変更し、撹拌時間を2.0時間に変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-11分散液に変更したこと以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤19を得た。
<トナー用外添剤20の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(1)において、ジメチルジメトキシシランを5.4gに変更し、(2)においてテトラエトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを21.8g添加し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-12分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤20を得た。
<トナー用外添剤21の製造例>
上記加水分解及び重縮合工程の(1)において、ジメチルジメトキシシランを添加せず、トリメトキシメチルシランを5.4g添加し、(2)においてテトラエトキシシランを21.8gに変更し、上記粒子化工程において滴下する凸形成粒子B-1分散液を凸形成粒子B-13分散液に変更した以外は、トナー用外添剤1の製造例と同様にしてトナー用外添剤21を得た。
上記得られたトナー用外添剤1~21のそれぞれの物性を表1に示す。
Figure 2024072980000004
Figure 2024072980000005
<ポリエステル樹脂A1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
76.9部(0.167モル)
・テレフタル酸(TPA) 25.0部(0.145モル)
・アジピン酸 8.0部(0.054モル)
・チタンテトラブトキシド 0.5部
上記材料をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸(TMA)1.2部(0.006モル)を添加し、180℃で1時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂成分であるポリエステル樹脂A1を得た。このポリエステル樹脂A1の酸価は5mgKOH/gであった。
<ポリエステル樹脂A2の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン 71.3部(0.155モル)
・テレフタル酸 24.1部(0.145モル)
・チタンテトラブトキシド 0.6部
上記材料をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。その後、無水トリメリット酸5.8部(0.030モル%)を添加し、180℃で10時間反応させ、結着樹脂成分であるポリエステル樹脂A2を得た。このポリエステル樹脂A2の酸価は10mgKOH/gであった。
<トナー粒子1の製造例>
・ポリエステル樹脂A1 70.0部
・ポリエステル樹脂A2 30.0部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃)5.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.1部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5分で混合した後、温度125℃、回転数300rpmに設定した二軸混練機(PCM-30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて直径1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子1は、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。
<トナー1の製造例>
・トナー粒子1 100部
・トナー用外添剤1 6.0部
上記の材料をヘンシェルミキサーFM-10C型(三井三池化工機製)で回転数30s-1、回転時間10minで混合して、トナー1を得た。
<トナー2~25の製造例>
トナー1の製造例において、トナー用外添剤と添加量を表2に記載の通りに変更したこと以外は同様にして製造を行い、トナー2~25を得た。トナー2~25の物性を表2に示す。
Figure 2024072980000006
<キャリア1の製造例>
・個数平均粒径0.30μm(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am2/kg)のマグネタイト1
・個数平均粒径0.50μm(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am2/kg)のマグネタイト2
上記の材料それぞれ100部に対し4.0部のシラン化合物(3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール:10質量%
・ホルムアルデヒド溶液:6質量%(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト1:58質量%
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト2:26質量%
上記材料100部と、28質量%アンモニア水溶液5部、水20部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体分散型の球状のキャリア1を得た。体積基準の50%粒径(D50)は、34.2μmであった。
<二成分系現像剤1の製造例>
キャリア1を92.0部に対し、トナー1を8.0部加え、V型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2~25の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、トナーを表3のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤2~25を得た。
Figure 2024072980000007
〔実施例1〕
<トナーの評価方法>
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imagePress C800を用いて、上記二成分系現像剤1を、画像形成装置のシアン用現像器に入れ、シアン用トナー容器に上記トナー1を入れて後述の評価を行った。
改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。FFh画像(ベタ画像)におけるトナーの紙上への載り量が0.45mg/cm2となるように、調整した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFが256階調の256階調目(ベタ部)である。
(1)画像比率5%における画像濃度変化の測定
評価紙は、普通紙GF-C081(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
画像比率5%で、10,000枚の画像出力試験を行った。10,000枚連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行った。
上記の試験を常温常湿環境下(温度25℃、相対湿度55%)において行った。X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を使用し、初期(1枚目)の濃度と画像比率5%での印刷における10,000枚目の画像の濃度測定を行い、その差Δを用いて以下の基準でランク付けした。C以上を良好と判断した。
(評価基準 画像濃度差Δ)
A:0.02未満
B:0.02以上0.05未満
C:0.05以上0.10未満
D:0.10以上
(2)常温低湿環境下での帯電立ち上がり性の評価方法
帯電立ち上がり性の評価は、画像印字比率の異なる画像を出力した際の濃度変化を測定することで行った。画像比率の低い画像を出力させて現像機内のトナーの帯電を飽和させた状態にしたのち、画像比率の高い画像を出力させる。すると、現像機内の帯電の飽和したトナーと、現像機内に新たに供給されるトナーとで帯電が異なることによる濃度変化が起こる。帯電の立ち上がりが速いトナーは、現像機内に供給されてすぐに帯電が飽和するために、濃度変化が少なくなる。一方、帯電の立ち上がりの遅いトナーは、現像機内に供給されてから帯電が飽和するまでに時間がかかるため、トナー全体の帯電量が下がり、濃度が変化してしまう。
まず、画像比率1%で、1000枚の画像出力試験を行った。1000枚連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行った。その後、画像比率80%で、1000枚の画像出力試験を行った。1000枚連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行った。画像比率1%での印刷における1000枚目の画像濃度を初期濃度とし、画像比率80%での印刷における1000枚目の画像の濃度測定を行い、以下の評価基準に従って評価した。上記の試験を常温低湿環境下(N/L;温度23℃、相対湿度5%)において行った。
(画像濃度変化の測定)
X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を使用し、初期濃度と画像比率80%での印刷における1000枚目の画像の濃度測定を行い、画像濃度の差を以下の基準でランク付けした。C以上を良好と判断した。
(評価基準 濃度差Δ)
A:0.02未満
B:0.02以上0.05未満
C:0.05以上0.10未満
D:0.10以上
(3)耐久後の転写性の評価方法
常温低湿環境下(温度25℃、相対湿度5%)において、画像比率1%で100000枚の画像出力後に、ベタ画像を出力した。ベタ画像形成時の感光体(感光ドラム)上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取った。
はぎ取った粘着テープを紙上に貼り、その濃度を分光濃度計(500シリーズ、X-Rite社)で測定した。また、粘着テープのみを紙上に貼り、その際の濃度も測定した。前者の濃度から後者の濃度の値を差し引いた濃度差Δを算出し、この濃度差Δを以下に示す評価基準に基づいて評価した。
100000枚連続の画像出力中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で画像出力を行った。100000枚の画像出力耐久試験において、評価用の転写材には、コピー普通紙CS-680(A4紙、坪量:68g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用いた。出力試験後のベタ画像には、コピー用紙Multi-Purpose Paper:通称 ボイス紙(A4紙、坪量:75g/m2、キヤノンUSA社より販売)を用いた。評価は以下の通りである。C以上を良好と判断した。
(評価基準 濃度差Δ)
A:0.02未満
B:0.02以上0.05未満
C:0.05以上0.10未満
D:0.10以上
上記の評価結果を表4に示す。
〔実施例2~19〕
二成分系現像剤2~19をそれぞれ実施例1と同様に評価を行った。実施例2~19の評価結果を表4に示す。
〔比較例1~6〕
二成分系現像剤20~25をそれぞれ実施例1と同様に評価を行った。比較例1~6の評価結果を表4に示す。
Figure 2024072980000008

Claims (7)

  1. 母粒子Aと、
    該母粒子Aの表面に凸部を形成する複数の凸形成粒子Bと、
    を有する外添剤粒子を有するトナー用外添剤であって、
    該母粒子Aと該凸形成粒子Bは、シロキサン結合を有するケイ素化合物を有する粒子であり、該母粒子Aと該凸形成粒子Bとの間には、化学結合が形成されており、
    該母粒子Aは、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
    該凸形成粒子Bは、下記ユニット(a)、(b)及び(c)の合計含有量が、80質量%以上100質量%以下であり、
    該トナー用外添剤のヤング率が10GPa以上30GPa以下であり、
    該トナー用外添剤は、個数平均粒径が0.03μm以上0.30μm以下であり、
    該トナー用外添剤の個数平均粒径をDA、該外添剤粒子の表面における該凸形成粒子Bに由来する凸部の平均高さをHとしたとき、H/DAが0.10以上0.30以下である、
    ことを特徴とするトナー用外添剤。
    Figure 2024072980000009
    (R1、R2は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)
  2. 前記凸形成粒子Bの平均最大径をDBとしたとき、前記凸部の平均高さであるHに対して、H/DBが0.30以上0.50以下である請求項1に記載のトナー用外添剤。
  3. 前記H/DAが0.15以上0.25以下である請求項1または2に記載のトナー用外添剤。
  4. 前記母粒子A及び前記凸形成粒子B中の前記ユニット(a)、(b)及び(c)の含有割合が、下式(I)、(II)、(III)を満たす請求項1または2に記載のトナー用外添剤。
    0.30≦(a)/((a)+(b)+(c))≦0.80・・・(I)
    0≦(b)/((a)+(b)+(c))≦0.50 ・・・(II)
    20≦(c)/((a)+(b)+(c))≦0.70 ・・・(III)
  5. 前記凸形成粒子Bのユニット(a)の含有割合が、前記母粒子Aのユニット(a)の含有割合よりも多い請求項1または2に記載のトナー用外添剤。
  6. トナー粒子と、請求項1または2に記載のトナー用外添剤とを有するトナー。
  7. 前記トナー用外添剤のトナー粒子100質量部に対する含有量が、0.1質量部以上20.0質量部以下である請求項6に記載のトナー。
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