JP2024065331A - クロック生成装置、クロック生成方法、調整装置、調整方法、および調整プログラム - Google Patents

クロック生成装置、クロック生成方法、調整装置、調整方法、および調整プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】出力クロック信号のノイズを低減するクロック生成装置、クロック生成方法、調整装置、調整方法及び調整プログラムを提供する。【解決手段】出力クロック信号XOCLKを生成するクロック生成装置1であって、出力クロック信号XOCLKを出力する第1電圧制御型発振器(第1VCO)120と、出力クロック信号XOCLKの整数倍の周波数を有するように調整されて、デジタル温度信号が温度センサ125からのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて、出力クロック信号に位相ロックされる内部クロック信号を出力する第2電圧制御型発振器(第2VCO)を用いて、アナログ温度信号をデジタル温度信号に変換する温度アナログ-デジタル変換器(TADC)130と、デジタル温度信号を用いて、第1電圧制御型発振器120の出力クロック信号の周波数を温度補償するデジタル温度補償回路135と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、クロック生成装置、クロック生成方法、調整装置、調整方法、および調整プログラムに関する。
特許文献1には、共振器と、温度センサ151と、デュアルパス補償信号生成器153と、周波数補償器155とを備えるクロック生成器が記載されている(第4欄第26~40行、図2)。第9欄第17行目~第10欄第35行目および図6A~6Dには、周波数補償回路としてPLL(Phase-Locked Loop)を用いるものが記載されている。非特許文献1には、2つのMEMS振動子を用いたTDC(温度デジタル変換器)が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 米国特許第10,594,301号明細書
[非特許文献]
[非特許文献1] Meisam Heidarpour Roshan、他13名、「Dual-MEMS-Resonator Temperature-to-Digital Converter with 40μK Resolution and FOM of 0.12pJK」、2016 IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC2016)、2016年2月2日
クロック生成装置が出力する出力クロック信号のノイズを低減する。
本発明の第1の態様においては、出力クロック信号を生成するクロック生成装置であって、出力クロック信号を出力する第1電圧制御型発振器と、出力クロック信号の整数倍の周波数を有するように調整されて、デジタル温度信号が温度センサからのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて出力クロック信号に位相ロックされる内部クロック信号を出力する第2電圧制御型発振器を用いて、アナログ温度信号をデジタル温度信号に変換する温度変換器と、デジタル温度信号を用いて、第1電圧制御型発振器の出力クロック信号の周波数を温度補償するデジタル温度補償回路とを備えるクロック生成装置を提供する。
上記のクロック生成装置において、温度変換器は、内部クロック信号を出力する第2電圧制御型発振器と、出力クロック信号および内部クロック信号の位相差を検出する位相比較器と、位相比較器が検出した位相差に応じたデジタル温度信号を発生するデジタル温度信号発生器とを有してよく、第2電圧制御型発振器は、アナログ温度信号および位相比較器が検出した位相差に応じた周波数の内部クロック信号を出力してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、第2電圧制御型発振器は、アナログ温度信号により指定される温度とデジタル温度信号により指定される温度との差に応じた電源電流を受けて発振するリングオシレータを含んでよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、温度変換器は、位相比較器が検出した位相差が予め定められた範囲外となったか否かを判定する判定回路と、位相比較器が検出した位相差が予め定められた範囲外となったことに応じて、出力クロック信号および内部クロック信号の周波数を検出する周波数検出回路と、位相比較器が検出した位相差が予め定められた範囲内であることに応じて位相比較器が検出した位相差を選択し、位相比較器が検出した位相差が予め定められた範囲外となったことに応じて出力クロック信号の整数倍の周波数と内部クロック信号の周波数との比較結果に応じて決定した位相差を選択する選択回路とを有してよく、第2電圧制御型発振器は、アナログ温度信号および選択回路が選択した位相差に応じた周波数の内部クロック信号を出力してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、温度変換器は、出力クロック信号および内部クロック信号の位相差に応じた位相差信号をデルタシグマ変調して第2電圧制御型発振器へと出力する第1デルタシグマ変調器を有してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、温度変換器は、出力クロック信号および内部クロック信号の位相差に応じた位相差信号にディザを印加して第2電圧制御型発振器へと出力するディザ印加回路を更に備えてよい。
上記のいずれかのクロック生成装置は、アナログ温度信号に応じて第1電圧制御型発振器の出力クロック信号の周波数をアナログにより温度補償するアナログ温度補償回路を更に備えてよく、デジタル温度補償回路は、出力クロック信号の周波数の、アナログ温度補償回路による温度補償によっても残る周波数誤差を温度補償してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、デジタル温度補償回路は、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、デジタル温度補償回路は、デジタル温度信号に応じて複数の温度区間の中から使用する温度区間を選択する温度区間選択回路と、選択された温度区間に応じたパラメータを用いた補償関数を生成する関数生成回路とを備えてよく、生成した補償関数を用いて第1電圧制御型発振器の出力クロック信号の周波数を制御してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、デジタル温度補償回路は、デジタル温度信号が温度区間同士の境界部分の温度を示すことに応じて、ルックアップテーブルに格納された温度補償値を用いて第1電圧制御型発振器の出力クロック信号の周波数を制御してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、デジタル温度補償回路は、デジタル温度信号を線形補正する線形補正回路を有してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、第1電圧制御型発振器は、水晶振動子またはMEMS振動子を用いて出力クロック信号を発生し、第2電圧制御型発振器は、PLLを用いて内部クロック信号を発生してよい。
上記のいずれかのクロック生成装置において、水晶振動子またはMEMS振動子は、温度変換器およびデジタル温度補償回路を内蔵する半導体チップの外部に設けられてよい。
上記のいずれかのクロック生成装置は、前記水晶振動子またはMEMS振動子の温度を一定に保つ制御を行うオーブン制御回路を備えてよい。
本発明の第2の態様においては、出力クロック信号を生成するクロック生成方法であって、第1電圧制御型発振器が、出力クロック信号を出力することと、温度変換器が、出力クロック信号の整数倍の周波数を有するように調整されて、デジタル温度信号が温度センサからのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて出力クロック信号に位相ロックされる内部クロック信号を出力する第2電圧制御型発振器を用いて、アナログ温度信号をデジタル温度信号に変換することと、デジタル温度補償回路が、デジタル温度信号を用いて、第1電圧制御型発振器の出力クロック信号の周波数を温度補償することとを備えるクロック生成方法を提供する。
本発明の第3の態様においては、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償するクロック生成装置を調整する調整装置であって、複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて補償関数を決定する補償関数決定部と、複数の温度区間のそれぞれに対応する補償関数をクロック生成装置に設定する補償関数設定部とを備える調整装置を提供する。
本発明の第4の態様においては、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償するクロック生成装置を調整する調整方法であって、調整装置が、複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて補償関数を決定することと、調整装置が、複数の温度区間のそれぞれに対応する補償関数をクロック生成装置に設定することとを備える調整方法を提供する。
本発明の第5の態様においては、コンピュータを、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償するクロック生成装置を調整する調整装置として機能させる調整プログラムであって、調整プログラムは、コンピュータを、複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて補償関数を決定する補償関数決定部と、複数の温度区間のそれぞれに対応する補償関数をクロック生成装置に設定する補償関数設定部として機能させる調整プログラムを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係るクロック生成装置1の構成を示す。 本実施形態に係るTADC230の構成を示す。 本実施形態に係る第2VCO332の構成を示す。 出力クロック信号が1/2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の時間波形を示す。 出力クロック信号が1/2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の周波数スペクトラムを示す。 出力クロック信号が2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の時間波形を示す。 出力クロック信号が2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の周波数スペクトラムを示す。 本実施形態に係る位相比較器634の構成を示す。 位相比較器634の動作波形例を示す。 変形例に係る位相比較器834の構成を示す。 本実施形態に係るループフィルタ936の構成を示す。 変形例に係るループフィルタ1036の構成を示す。 本実施形態に係るデジタル温度補償回路1135の構成を示す。 本実施形態に係る線形性補正回路1240の構成を示す。 本実施形態に係る多項式回路1342の構成を示す。 変形例に係る多項式回路1442の構成を示す。 多項式回路1442における温度区間毎の設定を示す。 クロック生成装置1の周波数誤差特性の一例を示す。 デジタル温度補償後の周波数誤差特性の一例を示す。 変形例に係る多項式回路1842の構成を示す。 LUTを用いたデジタル温度補償後の周波数誤差特性の一例を示す。 変形例に係るTADC2030の構成を示す。 他の変形例に係るTADC2130の構成を示す。 更に他の変形例に係るTADC2180の構成を示す。 本実施形態に係る調整装置2310の構成を示す。 本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の調整フローを示す。 本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の電流DAC調整フローを示す。 デジタル温度信号の線形性の一例を示す。 本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の線形性補正回路調整フローを示す。 デジタル温度信号の周波数誤差特性の一例を示す。 線形性補正後のデジタル温度信号の周波数誤差特性の一例を示す。 本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301のVDAC調整フローを示す。 本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の補償関数調整フローを示す。 デジタル温度補償後の周波数誤差特性の一例を示す。 デジタル温度補償後の周波数温度スロープの一例を示す。 各区間をオーバーラップさせて補償関数を決定した場合における、デジタル温度補償後の周波数温度スロープの一例を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るクロック生成装置1の構成を示す。クロック生成装置1は、出力クロック信号XOCLKを生成して出力する。クロック生成装置1は、出力クロック信号として第1電圧制御型発振器(第1VCO)120が発生するクロック信号を出力し、かつクロック生成装置1内の他の回路の動作周波数を出力クロック信号の整数倍(1または2以上の整数倍)とすることにより、出力クロック信号のノイズを抑える。
クロック生成装置1は、振動子105と、第1電圧制御型発振器(第1VCO)120と、温度センサ125と、温度アナログ-デジタル変換器(TADC)130と、デジタル温度補償回路135と、電圧デジタル-アナログ変換器(VDAC)140と、ローパスフィルタ(LPF)145とを備える。第1VCO120は、水晶振動子を用いた発振を行う場合には、VCXO(電圧制御水晶発振器)とも示される。振動子105は、水晶振動子またはMEMS振動子等の振動子(共振子)である。
第1VCO120は、振動子105を用いて出力クロック信号を発生して、クロック生成装置1の外部の装置または回路等へと出力する。第1VCO120は、LPF145から入力される制御電圧に応じて出力クロック信号の周波数を変化させる。クロック生成装置1は、温度に応じて制御電圧を調整することにより、第1VCO120が出力する出力クロック信号の周波数を温度に依存しない目標周波数に維持する。
温度センサ125は、クロック生成装置1の温度を計測して、クロック生成装置1の温度に応じたアナログ温度信号を出力する。温度センサ125は、クロック生成装置1の筐体内に設けられて筐体内の温度を測定してよい。また、クロック生成装置1は、振動子105の近傍に設けられて振動子105の温度を測定してもよい。
TADC130は、第1VCO120および温度センサ125に接続される。TADC130は、温度変換器の一例であり、TDC(温度デジタル変換器)とも示される。TADC130は、温度センサ125からのアナログ温度信号をデジタル温度信号に変換する。
デジタル温度補償回路135は、第1VCO120およびTADC130に接続される。デジタル温度補償回路135は、TADC130からのデジタル温度信号を用いて第1VCO120の出力クロック信号の周波数を温度補償する。本実施形態において、デジタル温度補償回路135は、デジタル温度信号をデジタル処理することにより、出力クロック信号の周波数を温度補償するためのデジタル温度補償信号を生成する。
VDAC140は、デジタル温度補償回路135に接続される。VDAC140は、デジタル温度補償回路135からのデジタル温度補償信号をDA変換してアナログ温度補償信号として出力する。
LPF145は、VDAC140に接続される。LPF145は、VDAC140からのアナログ温度補償信号を低域濾波した制御電圧を第1VCO120へと出力する。第1VCO120は、アナログ温度補償信号に応じた制御電圧を入力して、出力クロック信号の周波数を調整する。
クロック生成装置1は、調整データ記憶部150、アナログ温度補償回路160、またはオーブン制御回路170のうちの任意の組合せを更に備えてもよい。調整データ記憶部150は、TADC130、デジタル温度補償回路135、またはVDAC140の少なくとも1つを調整するための調整データを記憶する。クロック生成装置1は、電源がオンとなったことに応じて、TADC130、デジタル温度補償回路135、およびVDAC140のそれぞれの調整パラメータを調整データ記憶部150から読み出して、TADC130、デジタル温度補償回路135、およびVDAC140に設定する。
アナログ温度補償回路160は、温度センサ125に接続される。アナログ温度補償回路160は、温度センサ125からのアナログ温度信号に応じて第1VCO120の出力クロック信号の周波数をアナログにより温度補償する。本図の例においては、第1VCO120は、デジタル温度補償回路135からのデジタル温度補償信号がVDAC140によりアナログに変換されたアナログ温度補償信号と、アナログ温度補償回路160がアナログ処理した第2のアナログ温度補償信号とが抵抗Rdcおよび抵抗Racにより分圧され、かつ低域濾波された制御電圧を受け取る。
アナログ温度補償回路160は、出力クロック信号の周波数誤差を例えば概ね1/2以下に抑える。これにより、デジタル温度補償回路135は、出力クロック信号の周波数の、アナログ温度補償回路160による温度補償によっても残る周波数誤差を温度補償することができ、デジタル温度補償による補償成分を小さくすることができる。この結果、クロック生成装置1がアナログ温度補償回路160を備える場合には、デジタル温度補償回路135は、デジタル補償成分の範囲を小さくしてデジタル補償成分の分解能を高くすることが可能となる。また、クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路135からの120へと伝達するノイズのゲインを小さくすることができ、出力クロック信号のノイズを低減することができる。
また、デジタル温度補償回路135は、デジタル処理によって温度補償の自由度が高く、温度変化に対し急峻な周波数誤差にもフィットする補償成分を生成することができる。その一方で、デジタル温度補償回路135は、デジタル処理に伴って出力クロック信号に量子化ノイズが混入する可能性がある。これに対し、アナログ温度補償回路160は、温度変化に対して急峻な周波数誤差にフィットする補償成分を生成するのが難しい場合があるが、量子化ノイズが存在しない。クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路135およびアナログ温度補償回路160の両方を備えた場合には、大半の周波数誤差をアナログ温度補償回路160によって補償し、温度変化に対し急峻な周波数誤差を含む残りの周波数誤差をデジタル温度補償回路135によって補償することで、周波数誤差が小さくノイズが少ない出力クロック信号を生成することができる。
クロック生成装置1がオーブン制御回路170を備える場合には、振動子105は、温度センサ110およびヒータ115と共にオーブン100内に配置される。ここで、振動子105は、TADC130およびデジタル温度補償回路135等を内蔵する半導体チップの外部に設けられてよい。このような半導体チップは、第1VCO120、VDAC140、LPF145、調整データ記憶部150、またはアナログ温度補償回路160の少なくとも1つ、またはこれらの部品の一部を更に内蔵してもよい。
オーブン100は、振動子105、温度センサ110、およびヒータ115が配置された空間を密封して、この空間の温度を一定温度に維持できるようにする。温度センサ110は、振動子105の近傍に配置され、振動子105の温度を測定する。温度センサ110は、温度センサ125とは別に設けられてよく、温度センサ125としても使用されてもよい。ヒータ115は、振動子105の近傍に配置され、振動子105を加熱する。
オーブン制御回路170は、オーブン100に接続される。オーブン制御回路170は、オーブン100内の振動子105の温度を一定に保つ制御を行う。オーブン制御回路170は、振動子温度検出器175と、目標温度信号生成器180と、差動増幅器190と、ヒータ駆動回路195とを有する。
振動子温度検出器175は、温度センサ110に接続される。振動子温度検出器175は、温度センサ110からのアナログ温度信号を検出する。振動子温度検出器175は、ナログ温度信号に応じた電圧を出力してよい。目標温度信号生成器180は、振動子105の目標温度を示す目標温度信号を生成する。振動子105の目標温度は、例えば110℃等の常温より高い温度であってよい。目標温度信号生成器180は、目標温度信号として、目標温度に応じた電圧を出力してよい。
差動増幅器190は、振動子温度検出器175および目標温度信号生成器180に接続される。差動増幅器190は、振動子温度検出器175からのアナログ温度信号と目標温度信号生成器180からの目標温度信号との差(例えば電圧差)を増幅して出力する。ヒータ駆動回路195は、差動増幅器190に接続される。ヒータ駆動回路195は、アナログ温度信号および目標温度信号の差に応じた電流をヒータ115に流す。ヒータ駆動回路195は、MOSFETであってよく、アナログ温度信号により示される温度が目標温度信号により示される温度より高い場合にオフとなってヒータ115に電流を流さず、アナログ温度信号により示される温度が目標温度信号により示される温度より低くなった場合にオンとなってヒータ115に電流を流してよい。また、消費電流および面積削減を優先する場合は、クロック生成装置1は、オーブン制御回路170、ヒータ115、および温度センサ110を備えなくてよい。
図2は、本実施形態に係るTADC230の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC130として本図に示したTADC230を用いてもよく、他のTADCを用いてもよい。TADC230は、第2電圧制御型発振器(第2VCO)232と、位相比較器234と、ループフィルタ236とを有する。
第2VCO232は、内部クロック信号(VCOCLK)を出力する。第2VCO232は、TADC230全体としてのPLL(Phase-Locked Loop)を用いて内部クロック信号を発生してよい。第2VCO232は、デジタル温度信号が温度センサ125からのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて出力クロック信号に位相ロックされるような内部クロック信号を出力する。
位相比較器234は、第2VCO232に接続される。位相比較器234は、第1VCO120からの出力クロック信号(XOCLK)および内部クロック信号の位相差を検出して、位相差に応じた位相差信号を出力する。
ループフィルタ236は、位相比較器234に接続される。ループフィルタ236は、デジタル温度信号発生器として機能し、位相差信号をフィルタリングすることにより、位相比較器234が検出した位相差に応じたデジタル温度信号を発生する。また、ループフィルタ236は、位相差信号をフィルタリングすることにより、位相比較器234が検出した位相差に応じたフィードバック信号を発生して第2VCO232へと供給する。本図の例においては、ループフィルタ236は、デジタル温度信号をフィードバック信号として第2VCO232へと供給する。これにより、第2VCO232は、アナログ温度信号および位相比較器が検出した位相差に応じた周波数の内部クロック信号を出力する。
以上に示したTADC230においては、第2VCO232が出力する内部クロック信号の位相は、PLLを介してデジタル温度信号からのフィードバック制御を受けることにより、出力クロック信号の位相にロックした状態となる。この状態において第2VCO232へのアナログ温度信号入力が変化した場合、PLLは、内部クロック信号の位相ロック状態を維持し続けるために、代わりにデジタル温度信号を変化させる。すなわち、TADC230によって、アナログ温度信号の変化量がデジタル温度信号の変化量(いずれも温度に換算して同じ変化量)に変換される。このようにして、TADC230は、アナログ温度信号に対応するデジタル温度信号を出力するアナログ-デジタル変換器として機能する。
なお、本図の例においては、内部クロック信号の周波数は、出力クロック信号の周波数に調整される。内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の2以上の整数倍の周波数に調整される場合には、TADC230は、第2VCO232および位相比較器234の間に1/整数倍の分周器を含み、分周器により内部クロック信号を分周してもよい。これに代えて、TADC230は、内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の2以上の整数倍の周波数を有する場合においても上記のような分周器を有さず、位相比較器234により出力クロック信号のサイクル毎に出力クロック信号および内部クロック信号のエッジの位相比較を行ってもよい。具体的には、内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の周波数に対してN倍(Nは1以上の整数)である場合、N=1、2、3、…のいずれであっても、位相比較器234の出力値が更新される周波数は出力クロック信号の周波数と同一である。したがって、Nがいずれの値であっても位相比較器234の出力値は変わらず、内部クロック信号の位相が出力クロック信号の位相にロックする状態を実現できる。そのため、TADC230は、出力クロック信号の周波数のN-1倍を超えN+1倍未満の範囲内の周波数で内部クロック信号を出力するように制限された第2VCOを備えるか、内部クロック信号の周波数を出力クロック信号の周波数のN倍近傍に制御するための回路を別途備えるようにすれば、第2VCO232および位相比較器234の間に1/N倍の分周器を備えなくてもよい。
図3は、本実施形態に係る第2VCO332の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC130内の回路として、あるいはTADC230内の第2VCO232として、第2VCO332を用いてよい。第2VCO332は、リングオシレータ340と、電源電流発生器350とを含む。
リングオシレータ340は、電源電流発生器350から受け取る電源電流に応じた周波数で発振して、内部クロック信号(VCOCLK)を発生する。本図の例において、リングオシレータ340は、リング状に接続された複数の反転遅延素子(奇数個の反転遅延素子)を有し、内部クロック信号が複数の反転遅延素子を通過する毎に反転される。なお、リングオシレータ340は、反転遅延素子同士の間に任意の数の非反転遅延素子を含んでもよい。リングオシレータ340は、電源電流発生器350から入力される電源電流がより高くなると各反転遅延素子のスイッチング速度がより高くなるので、内部クロック信号の周波数をより上昇させる。リングオシレータ340は、電源電流発生器350から入力される電源電流がより低くなると各反転遅延素子のスイッチング速度がより低くなるので、内部クロック信号の周波数をより低下させる。
本実施形態において、リングオシレータ340は、内部クロック信号として、位相が異なる複数の相を有する多相内部クロック信号を出力する。リングオシレータ340は、複数の反転遅延素子のうち予め定められた個数おき(偶数個おき)の反転遅延素子が出力するK個のクロック信号を多相クロック信号の各相のクロック信号VCK[k](k=K-1、…2,1,0)として出力してよい。これにより、リングオシレータ340は、予め定められた個数分の反転論理素子を信号が通過するのに要する時間ずつ位相がずれた多相内部クロック信号VCK[K-1:0]を出力することができる。なおVCK[K-1:0]は、VCK[K-1],…VCK[2],VCK[1],VCK[0]のK個の信号の組を示す。
電源電流発生器350は、温度センサ125からのアナログ温度信号および位相比較器234が検出した位相差に応じた電源電流をリングオシレータ340に供給する。本図の例において、電源電流発生器350は、位相比較器234が出力する位相差信号に応じたフィードバック信号としてデジタル温度信号を入力し、アナログ温度信号により指定される温度とデジタル温度信号により指定される温度との差に応じた電源電流をリングオシレータ340に供給する。
電源電流発生器350は、FET352と、抵抗Raと、電流DAC354と、差動増幅器356と、FET358とを含む。FET352および抵抗Raは、電源およびグランドの間に直列に接続される。FET352は、MOSFETであってよく、制御端子(ゲート)に入力される電圧に応じて主端子間(コレクタ-エミッタ間)に流す電流を調整する。抵抗Raは、FET352および抵抗Raの間のノードを、抵抗Raに流れる電流に応じた電圧(電圧=抵抗値Ra×電流)とする。
電流DAC354は、デジタルのフィードバック信号(デジタル温度信号)により指定される電流をFET352から引き込んで流す。これにより、抵抗Raは、FET352に流れる電流から電流DAC354に流れる電流を減じた電流を流す。差動増幅器356は、FET352および抵抗Raの間のノードの電圧とアナログ温度信号の電圧との比較結果に応じてFET352の制御端子の電圧を制御する。これにより、差動増幅器356は、FET352および抵抗Raの間のノードの電圧がアナログ温度信号の電圧と一致するようにFET352に流れる電流を調整する。
本実施形態において第2VCO332に入力するアナログ温度信号は、温度上昇に伴って電圧が低くなり、温度低下に伴って電圧が高くなる。電源電流発生器350は、デジタル温度信号の値が同じ場合、アナログ温度信号の値が高くなるほど(すなわち、アナログ温度信号により指定される温度が低くなるほど)FET352により多くの電流を流してFET352および抵抗Raの間のノードの電圧を上昇させる。また、電源電流発生器350は、アナログ温度信号の値が同じ場合、デジタル温度信号の値が高くなるほど(すなわち、デジタル温度信号により指定される温度が高くなるほど)電流DAC354による電流引込量を増やしてFET352に流れる電流を増やす。これにより、電源電流発生器350は、アナログ温度信号により指定される温度とデジタル温度信号により指定される温度との差に応じた電流、より具体的にはデジタル温度信号により指定される温度からアナログ温度信号により指定される温度を減じた差に応じた電流、をFET352に流す。
複数のFET358は、リングオシレータ340内の複数の反転論理素子にそれぞれ対応して設けられ、FET352に流れる電流に比例する電源電流を複数の反転論理素子のそれぞれに流す。これにより、電源電流発生器350は、デジタル温度信号が指定する温度がアナログ温度信号が指定する温度よりも高い場合に、内部クロック信号の周波数を基準となる周波数よりも過渡的に上昇させる。しかし、この周波数上昇分はPLLのフィードバックによりデジタル温度信号が低下することに伴う周波数低下によって打ち消され、最終的にデジタル温度信号が指定する温度がアナログ温度信号が指定する温度に一致するように状態が収束する。逆に、デジタル温度信号が指定する温度がアナログ温度信号が指定する温度よりも低い場合に、内部クロック信号の周波数を基準となる周波数よりも過渡的に低下させる。しかし、その周波数低下分はPLLのフィードバックによりデジタル温度信号が上昇することに伴う周波数上昇によって打ち消され、最終的にデジタル温度信号が指定する温度がアナログ温度信号が指定する温度に一致するように状態が収束する。
図4Aは、出力クロック信号が1/2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の時間波形を示す。図4Bは、出力クロック信号が1/2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の周波数スペクトラムを示す。クロック生成装置1内の回路が出力クロック信号の周波数Foutの1/2の周波数(1/2)Foutで動作する場合、図4Aに示したように、出力クロック信号の1周期毎のエッジ(図4A中の立ち上がりエッジ)は、周波数(1/2)Foutの干渉成分の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの影響を交互に受けて、クロック周期の長さが増減してしまう。この結果、図4Bに示したように、出力クロック信号は変調周波数(1/2)Foutで変調されることと等価となり、周波数Foutの主成分に、周波数(1/2)Foutおよび周波数(3/2)Foutのスプリアス成分が重畳されてしまう。同様に、出力クロック信号は、周波数Fout未満の周波数を有する干渉成分の影響によりノイズが重畳される。
図5Aは、出力クロック信号が2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の時間波形を示す。図5Bは、出力クロック信号が2倍の周波数の干渉成分の影響を受ける場合の周波数スペクトラムを示す。クロック生成装置1内の回路が出力クロック信号の周波数Foutの2倍の周波数2×Foutで動作する場合、図5Aに示したように、出力クロック信号の1周期毎のエッジ(図5A中の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ)は、周波数2×Foutの干渉成分の立ち上がりエッジの影響を受けるものの、干渉成分の周波数が変動しない限りクロック周期は変動しない。この結果、図5Bに示したように、出力クロック信号は、周波数2×Foutの干渉成分があっても、スプリアス成分が重畳されない。同様に、出力クロック信号は、周波数Foutの整数倍(正の整数倍)の周波数を有する干渉成分の影響によりノイズが重畳されない。
そこで、本実施形態に係る第2VCO232は、出力クロック信号の整数倍の周波数を有するように調整されて、デジタル温度信号が温度センサからのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて出力クロック信号に位相ロックされる内部クロック信号を発生するように構成される。これにより、クロック生成装置1は、内部クロック信号がスプリアス成分を出力クロック信号に対して重畳させないようにして、出力クロック信号に重畳するノイズを低減することができる。
また、本実施形態に係るクロック生成装置1は、第1VCO120からのクロック信号をクロック生成装置1の出力クロック信号として外部に出力し、第2VCO232からのクロック信号をクロック生成装置1内部のみで使用する。ここで、MEMS振動子のQ値(品質係数)は、例えば数万程度であるのに対し、IC内蔵のPLLによるVCOのQ値は例えばノイズ性能が良いとされるLCタンク型発振器構成とした場合でも10程度であり、IC内蔵のVCOは、MEMS振動子等を用いるVCOよりも遥かにノイズ性能が悪い。そこで、第1VCO120として水晶振動子またはMEMS振動子等の振動子105を用いて発振する発振器を用い、第2VCO232としてPLLを用いて発振する発振器を用いるようにした場合には、クロック生成装置1は、ノイズが小さい第1VCO120からのクロック信号を出力クロック信号として出力することができる。
図6は、本実施形態に係る位相比較器634の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC130内の回路として、あるいはTADC230内の位相比較器234として、位相比較器634を用いてよい。位相比較器634は、複数のフリップフロップ(FF)と、バイナリ変換器640とを含む。
複数のFF(図中FF5~0)は、多相内部クロック信号VCK[5:0]を出力クロック信号のタイミング(例えは立ち上がりエッジ)でそれぞれサンプリングする。そして、複数のFFは、多相内部クロック信号VCK[5:0]をサンプリングした値Q[5:0]を出力する。本実施形態においては、位相比較器634は6個のFFを含むが、FFの数は2以上の任意の数でよい。バイナリ変換器640は、複数のFFに接続され、値Q[5:0]を位相差信号TDC[3:0]に変換する。
図7は、位相比較器634の動作波形例を示す。位相比較器634は、それぞれが出力クロック信号と同じ周波数を有するように調整された、予め定められた位相差分ずつ位相がずれた多相内部クロック信号VCK[5:0]を入力する。複数のFFは、多相内部クロック信号VCK[5:0]を出力クロック信号(XOCLK)のタイミングでサンプリングする。本図の例においては、複数のFFは、出力クロック信号の1番目の立ち上がりエッジでQ[5:0]=6'b001110、2番目の立ち上がりエッジでQ[5:0]=6'b000111、3番目の立ち上がりエッジでQ[5:0]=6'b100011、4番目の立ち上がりエッジでQ[5:0]=6'b110001をサンプリングする。なお、6'bXXXXXXは、2進数6ビットで「XXXXXX」の値を示す。
バイナリ変換器640は、値Q[5:0]を、位相差を示す位相差信号TDC[3:0]に変換する。本図の例において、バイナリ変換器640は、Q[5:0]の各桁の値を上位ビットから見て、値が0から1に変化している桁の位置に応じて出力TDC[3:0]の値を決定する。ただし、バイナリ変換器640は、Q[5:0]のビットは循環するものとみなし、Q[0]はQ[5]の上位桁とみなして値が0から1に変化している桁を特定する。Q[5:0]=6'b001110の場合にTDC[3:0]を4'b0011として出力クロック信号XOCLKが内部クロック信号VCOCLKよりも+1.5ステップ先行していること(すなわち内部クロック信号VCOCLKを+1.5ステップ早めるべきこと)を示す。バイナリ変換器640は、Q[5:0]=6'b000111の場合にTDC[3:0]を4'b0001として出力クロック信号XOCLKが内部クロック信号VCOCLKよりも+0.5ステップ先行していることを示す。バイナリ変換器640は、Q[5:0]=6'b100011の場合にTDC[3:0]を4'b1111として出力クロック信号XOCLKが内部クロック信号VCOCLKよりも-0.5ステップ先行している(0.5ステップ遅い)ことを示す。バイナリ変換器640は、Q[5:0]=6'b110001の場合にTDC[3:0]を4'b1101として出力クロック信号XOCLKが内部クロック信号VCOCLKよりも-1.5ステップ先行している(1.5ステップ遅い)ことを示す。なお、以上に示した位相差信号TDC[3:0]は、0.5ステップを1単位とし、負の値を2の補数表現で表したものである。
位相比較器634は、上述のように出力クロック信号および内部クロック信号のデジタル位相比較を行って、デジタルの位相差信号TDC[5:0]を出力する。第2VCO232または第2VCO332は、ループフィルタ236を介して位相差信号TDC[5:0]に応じたフィードバック信号(デジタル温度信号)を受け取り、位相差信号TDC[5:0]が正の場合に概ね高めのフィードバック信号を受けて内部クロック信号の周波数を概ね上昇させ、位相差信号TDC[5:0]が負の場合に概ね低めのフィードバック信号を受けて内部クロック信号の周波数を概ね低下させる。これにより、TADC230は、出力クロック信号の整数倍の周波数を有するように内部クロック信号の周波数を調整して、内部クロック信号を出力クロック信号に位相ロックさせることができる。
以上に示したように、TADC130は、TADC230により実現されてよく、この場合にTADC230は出力クロック信号の整数倍の周波数を有する内部クロック信号を用いて温度センサ125からのアナログ温度信号をデジタル温度信号に変換する。ここで、TADC130としてアナログ温度信号の電圧を直接デジタル値に変換するAD変換器を用いるとすると、出力クロック信号のノイズを低減するためには、デジタル温度信号を表現するのに十分な高分解能のAD変換器を、出力クロック信号の整数倍の周波数で動作させなければならない。しかし、このような高分解能のAD変換器は、高速動作をさせることが困難であり、またスプリアス発生を防止するのが難しい。例えばΔΣ変調器型のAD変換器の場合には、アナログ電圧をサンプリングするスイッチドキャパシタ回路やアナログ積分器の動作速度により全体の動作速度が律速されて、出力クロック信号の整数倍の周波数での動作させることが困難となる。また、例えば逐次比較型(SAR型)のAD変換器の場合には、逐次比較によりMビットのデジタル値を得るためにM回の変換動作を行うことになる。このM回の変換動作を周波数Foutの出力クロック信号に同期して行わせると、AD変換器に周波数(1/M)Foutの周波数成分が発生し、出力クロック信号にスプリアス成分が重畳してしまう。TADC230は、PLLを用いてアナログ温度信号をデジタル温度信号に変換することにより、このような高速かつ高分解能のAD変換器を使用せずに実現することが可能となる。
図8は、変形例に係る位相比較器834の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC130内の回路として、あるいはTADC230内の位相比較器234として、位相比較器834を用いてもよい。位相比較器834は、位相比較器634を含んで構成されてよく、位相比較器834における複数のFFおよびバイナリ変換器640は、位相比較器634の対応する構成部材と同様であるから説明を省略する。
位相比較器834は、複数のFFおよびバイナリ変換器640を含む位相比較器634に加えて、ロック検出回路842、周波数検出回路844、周波数比較回路850、および選択回路862を含む。ロック検出回路842は、バイナリ変換器640に接続される。ロック検出回路842は、判定回路の一例であり、位相比較器634が検出した位相差が予め定められた範囲外となったか否かを判定する。
ロック検出回路842は、バイナリ変換器640が出力する位相差信号P[3:0](図6におけるTDC[3:0]に相当)を出力クロック信号(XOCLK)のタイミングでサンプリングする。位相差信号P[3:0]は6種類の値-2.5、-1.5、-0.5、+0.5、+1.5、+2.5のいずれかであり、予め定められた位相ロック状態の範囲は-1.5、-0.5、+0.5、+1.5であるとする。ロック検出回路842は、位相差信号P[3:0]が-1.5から+1.5までの範囲内であること、あるいは、出力クロック信号の予め定められた数(2以上の数)のサイクルの間、位相差信号P[3:0]が-1.5から+1.5までの範囲内であることに応じて、内部クロック信号(VCOCLK)が出力クロック信号に位相ロックしていると判定する。ロック検出回路842は、位相差信号P[3:0]が-1.5から+1.5までの範囲外であること、あるいは、出力クロック信号の予め定められた数(2以上の数)のサイクルの間に位相差信号P[3:0]が-1.5から+1.5までの範囲から外れたことに応じて、内部クロック信号が出力クロック信号に位相ロックしていないと判定する。
周波数検出回路844は、ロック検出回路842に接続される。周波数検出回路844は、カウンタ846およびカウンタ848を含み、位相比較器634が検出した位相差が予め定められた範囲外となったことに応じて、出力クロック信号および内部クロック信号の周波数を検出する。カウンタ846およびカウンタ848は、内部クロック信号が出力クロック信号に位相ロックしている場合(ロック検出回路842が出力するLOCK信号=RESET信号が1の場合)には出力するカウント値が0にリセットされる。カウンタ846は、内部クロック信号が出力クロック信号に位相ロックしていない状態(LOCK信号=RESET信号が0)となると、内部クロック信号の周期毎にインクリメントされる。カウンタ848は、内部クロック信号が出力クロック信号に位相ロックしていない状態(LOCK信号=RESET信号が0)となると、出力クロック信号の周期毎にインクリメントされる。これにより、カウンタ846およびカウンタ848は、内部クロック信号および出力クロック信号の時間当たりのパルス数(すなわち周波数)を計測する。
なお、内部クロック信号が出力クロック信号の2以上の整数倍の周波数を有するように調整される場合には、カウンタ846は、内部クロック信号を1/整数倍に分周する分周器を介して受け取ってカウントアップしてもよい。これに代えて、周波数検出回路844は、カウンタ848が出力するカウント値に整数倍を乗じて周波数比較回路850へと出力してもよい。
周波数比較回路850は、周波数検出回路844に接続される。周波数比較回路850は、内部クロック信号の周波数と出力クロック信号の周波数(出力クロック信号の整数倍の周波数)とを比較する。周波数比較回路850は、比較器852と、増幅器854と、比較器856と、増幅器858と、加算器860とを含む。比較器852は、カウンタ846のカウント値がカウンタ848のカウント値よりも大きいか否か、すなわち内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の整数倍の周波数より高いか否か、を判定する。増幅器854は、比較器852の比較結果に-2.5を乗じることにより増幅して、内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の整数倍の周波数より高い場合に位相差信号の最小値-2.5を出力する。
比較器856は、カウンタ846のカウント値がカウンタ848のカウント値以下か否か、すなわち内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の整数倍の周波数以下か否か、を判定する。増幅器858は、比較器856の比較結果に+2.5を乗じることにより増幅して、内部クロック信号の周波数が出力クロック信号の整数倍の周波数以下の場合に位相差信号の最大値+2.5を出力する。加算器860は、増幅器854および増幅器858の出力を加えて、最小値-2.5または最大値+2.5を示す位相差信号FCOMP[3:0]を出力する。この位相差信号FCOMP[3:0]は、周波数を出力クロック信号の整数倍の周波数に一致させるために内部クロック信号の位相を出力クロック信号に対して相対的に変化させていく上で、内部クロック信号の位相を遅らせていく(または進めていく)大きさを示す。
選択回路862は、バイナリ変換器640および周波数比較回路850に接続される。選択回路862は、位相比較器634が検出した位相差が予め定められた範囲内であること(位相ロックしている状態)に応じて位相比較器634が検出した位相差(位相差信号P[3:0])を選択する。また、選択回路862は、位相比較器634が検出した位相差が予め定められた範囲外となったこと(位相ロックしていない状態)に応じて出力クロック信号の整数倍の周波数と内部クロック信号の周波数との比較結果に応じて決定した位相差(位相差信号FCOMP[3:0])を選択する。選択回路862は、選択した位相差信号を位相差信号TDC[3:0]として出力する。
クロック生成装置1は、位相比較器834を用いることにより、内部クロック信号が出力クロック信号に位相ロックされていない間は内部クロック信号および出力クロック信号の周波数を近付けるように位相差を変化させる位相差信号FCOMP[3:0]を出力し、内部クロック信号が出力クロック信号に位相ロックされると内部クロック信号および出力クロック信号の位相差を低減させる位相差信号P[3:0]を出力することができる。第2VCO232は、温度センサ125からのアナログ温度信号と、選択回路862が選択した位相差信号とをループフィルタ236を介して受け取り、受け取った位相差に応じた周波数の内部クロック信号を出力する。これにより、クロック生成装置1は、内部クロック信号の周波数と、出力クロック信号の整数倍の周波数との間に大きな差がある場合でも、内部クロック信号および出力クロック信号の周波数を調整して位相ロックさせることができる。
図9は、本実施形態に係るループフィルタ936の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC230内のループフィルタ236としてループフィルタ936を用いてよい。ループフィルタ936は、増幅器940と、遅延素子942と、増幅器944と、積分器946と、加算器948とを含む。
増幅器940は、位相差信号TDC[3:0]をゲインGにより増幅する。遅延素子942は、増幅器940に接続される。遅延素子942は、増幅器940が出力する信号を出力クロック信号のタイミングでサンプリングする。
増幅器944は、位相差信号TDC[3:0]をゲインGにより増幅する。積分器946は、増幅器944に接続される。積分器946は、増幅器944が出力する信号を出力クロック信号のタイミング毎に積分する。積分器946は、出力クロック信号の現サイクルにおける積分値に現サイクルにおける増幅器944の出力値を加えて次サイクルの積分値としてよい。これに代えて、積分器946は、出力クロック信号の現サイクルにおける積分値に予め定められた減衰係数(1.0未満の正の係数)を乗じて減衰させてから現サイクルにおける増幅器944の出力値を加えて次サイクルの積分値としてよい。
加算器948は、遅延素子942および積分器946の出力を加算して、デジタル温度信号および第2VCO232へのフィードバック信号として出力する。以上に示したループフィルタ936は、増幅器940および遅延素子942を含む比例パス(Proportional Path)と、増幅器944および積分器946を含む積分パス(Integral Path)とを有するPIフィードバック回路として機能する。
図10は、変形例に係るループフィルタ1036の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC230内のループフィルタ236としてループフィルタ1036を用いてもよい。ループフィルタ1036は、ループフィルタ936と同様に増幅器940と、遅延素子942と、増幅器944と、積分器946と、加算器948とを含む。本図に示したように、ループフィルタ1036は、ループフィルタ1036の最終出力であるフィードバック信号をデジタル温度信号としても使用するのに代えて、ループフィルタ1036内の中間ノード(本図の例においては積分器946の出力ノード)からデジタル温度信号を出力してよい。
図11は、本実施形態に係るデジタル温度補償回路1135の構成を示す。クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路135としてデジタル温度補償回路1135を用いてよい。デジタル温度補償回路1135は、線形性補正回路1140と、多項式回路1142と、ΔΣ変調器1144とを含む。
線形性補正回路1140は、デジタル温度信号を線形補正する。多項式回路1142は、線形性補正回路1140に接続される。多項式回路1142は、線形補正されたデジタル温度信号を多項式変換した信号を出力する。ΔΣ変調器1144は、多項式回路1142が出力した信号をデルタシグマ変換して、デジタル温度補償信号として出力する。ΔΣ変調器1144は、一例としてMASH-111等のデルタシグマ変換器であってよい。
図12は、本実施形態に係る線形性補正回路1240の構成を示す。クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路1135内の線形性補正回路1140として、線形性補正回路1240を用いてよい。線形性補正回路1240は、出力クロック信号に同期して動作する。線形性補正回路1240は、複数のべき乗器1250と、複数の増幅器1252と、加算器1254とを含む。複数のべき乗器1250は、デジタル温度信号を複数の次数によりべき乗した複数のべき乗値(1乗、2乗、3乗等した値)を算出する。複数の増幅器1252は、デジタル温度信号の複数のべき乗値のそれぞれに対して複数のゲイン(P1、P2、P3等)のそれぞれを乗じる。加算器1254は、複数の増幅器1252の出力を加算して補正後のデジタル温度信号として出力する。
図12に示した線形性補正回路1240は、デジタル温度信号を3次関数により補正することにより線形に補正されたデジタル温度信号を出力する。これに代えて、線形性補正回路1240は、補正関数として次数が異なるM次関数を用いてもよく、M次関数以外の任意の関数を補正関数として用いてもよい。なお、線形性補正回路1240は、調整データ記憶部150に記憶された調整データに含まれる1または複数の調整パラメータを、補正関数のパラメータ(例えば複数のゲインP~P)として用いてよい。
図13は、本実施形態に係る多項式回路1342の構成を示す。クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路1135内の多項式回路1142として、多項式回路1342を用いてよい。多項式回路1342は、出力クロック信号に同期してデジタル温度信号をデジタル温度補償信号に変換する。多項式回路1342は、複数のべき乗器1350と、複数の増幅器1352と、加算器1354とを含む。複数のべき乗器1350は、線形性補正回路1140からのデジタル温度信号を複数の次数によりべき乗した複数のべき乗値(1乗、2乗、…、N乗等した値)を算出する。複数の増幅器1352は、デジタル温度信号の複数のべき乗値のそれぞれに対して複数のゲイン(G、G、…、G等)を乗じる。加算器1354は、複数の増幅器1352の出力を加算してデジタル温度補償信号として出力する。
図13に示した多項式回路1342は、デジタル温度信号をN次関数によってデジタル温度補償信号に変換する。多項式回路1342は、温度補償のための補償関数として任意の次数のN次関数を用いてもよく、N次関数以外の任意の関数を補償関数として用いてもよい。例えば、多項式回路1342は、補償関数としてN次スプライン関数を用いるスプライン回路に置換されてもよい。なお、多項式回路1342は、調整データ記憶部150に記憶された調整データに含まれる1または複数の調整パラメータを、補償関数のパラメータ(例えば複数のゲインG~G)として用いてよい。
図14は、変形例に係る多項式回路1442の構成を示す。クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路1135内の多項式回路1142として、多項式回路1342の代わりに多項式回路1442を用いてよい。多項式回路1442は、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いてデジタル温度信号をデジタル温度補償信号に変換する。これにより、デジタル温度補償回路1135は、複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償することができる。
多項式回路1442は、出力クロック信号に同期してデジタル温度信号をデジタル温度補償信号に変換する。多項式回路1442は、複数のべき乗器1350と、複数の増幅器1352と、加算器1354と、温度区間選択回路1450と、関数生成回路1452と、温度シフト回路1454とを含む。複数のべき乗器1350と、複数の増幅器1352と、加算器1354とは、図13の複数のべき乗器1350と、複数の増幅器1352と、加算器1354と同様であるから、以下相違点を除き説明を省略する。
温度区間選択回路1450は、デジタル温度信号に応じて複数の温度区間の中から使用する温度区間を選択する。関数生成回路1452は、温度区間選択回路1450に接続される。関数生成回路1452は、温度区間選択回路1450によって選択された温度区間に応じたパラメータを用いた補償関数を生成する。本変形例の関数生成回路1452は、選択された温度区間に応じて複数の増幅器1352のそれぞれに設定すべきゲインを複数の増幅器1352のそれぞれに供給する。また、関数生成回路1452は、選択された温度区間に応じてデジタル温度信号をシフトすべき温度シフト量を出力する。
温度シフト回路1454は、関数生成回路1452に接続される。温度シフト回路1454は、デジタル温度信号を、関数生成回路1452から受け取る温度シフト量だけシフトする。これにより、温度シフト回路1454は、デジタル温度信号が示す温度値がいずれの温度区間に含まれる場合であっても、温度区間内の最小温度値が基準値(例えば0)となるようにデジタル温度信号を変換することができる。この温度シフト動作により、温度区間毎に別々のべき乗器1350を用意せずに済み、回路面積の増加を防ぐことができる。
多項式回路1442は、関数生成回路1452が生成した補償関数を用いて、複数のべき乗器1350、複数の増幅器1352、および加算器1354によりデジタル温度補償信号を生成する。多項式回路1442は、生成したデジタル温度補償信号をVDAC140およびLPF145を介して第1VCO120に供給することにより、第1VCO120の出力クロック信号の周波数を制御する。
図15は、多項式回路1442における温度区間毎の設定を示す。関数生成回路1452は、本設定を用いて、温度区間選択回路1450が選択した温度区間に対応する複数の補償ゲインおよび温度シフト量を出力する。本図の例においては、クロック生成装置1の温度補償範囲は、-40℃~+105℃である。クロック生成装置1の温度補償範囲は、温度区間1~5の5つの温度区間に分割される。
温度区間1は、-40℃~-11℃の範囲である。温度区間1には、温度シフト量0および各増幅器1352に設定する各次数の補償ゲインG11、G12、…、G1Nが対応付けられている。
温度区間2は、-11℃~+18℃の範囲である。温度区間2には、温度シフト量29および各増幅器1352に設定する各次数の補償ゲインG21、G22、…、G2Nが対応付けられている。温度区間2においては、温度シフト回路1454は、デジタル温度信号が示す温度から温度シフト量29分を減じる。例えばデジタル温度信号が-40℃で0となり温度が1℃増える毎に1ずつ増える値を取る場合、デジタル温度信号は-11℃で29となる。この場合において、温度シフト回路1454は、温度区間2においてデジタル温度信号から29を減じることにより、温度区間2における-11℃を0に変換する。他の温度区間においてもデジタル温度信号を同様にシフトすることにより、温度シフト回路1454は、全ての温度区間内の最小温度を同じ基準値(例えば0)に変換することができる。
温度区間3は、+18℃~+47℃の範囲である。温度区間3には、温度シフト量58および各増幅器1352に設定する各次数の補償ゲインG31、G32、…、G3Nが対応付けられている。
温度区間4は、+47℃~+76℃の範囲である。温度区間4には、温度シフト量87および各増幅器1352に設定する各次数の補償ゲインG41、G42、…、G4Nが対応付けられている。
温度区間5は、+76℃~+105℃の範囲である。温度区間5には、温度シフト量116および各増幅器1352に設定する各次数の補償ゲインG51、G52、…、G5Nが対応付けられている。
図16は、クロック生成装置1の周波数誤差特性の一例を示す。本図に示したグラフの横軸は温度であり、縦軸は周波数誤差[ppm]である。温度補償を行わない場合には、クロック生成装置1の周波数誤差は、クロック生成装置1の温度補償範囲(-40℃~+105℃)内で多くの極値および変曲点を有しうる。多項式回路1442は、温度補償範囲を複数の温度区間に分割してそれぞれの温度区間に対応付けられた補償関数を生成することにより、個々の温度区間に含まれる極値および変曲点の数を減らしてより低い次数の補償関数を用いて温度補償の精度を高めることを可能とする。
図17は、デジタル温度補償後の周波数誤差特性の一例を示す。本図に示したグラフの横軸は温度であり、縦軸は周波数誤差[ppb]である。図15に示したように温度補償範囲(-40℃~+105℃)を分割した各温度区間に補償関数を割り当てることにより、多項式回路1442は、温度補償範囲の全域に亘って周波数誤差を低減することができる。
ここで、アナログ温度補償回路で温度補償範囲を分割して温度区間毎に温度補償を行おうとした場合には、温度区間の境界近傍で隣接温度区間の補償成分が漏出してしまい、正確な温度補償値を行うことが困難となる。クロック生成装置1は、TADC130によりアナログからデジタルに変換したデジタル温度信号を用いて多項式回路1442によるデジタル処理でデジタル温度補償信号を生成することにより、温度補償範囲を分割した各温度区間に補償関数を割り当てることができる。
図18は、変形例に係る多項式回路1842の構成を示す。クロック生成装置1は、デジタル温度補償回路1135内の多項式回路1142として、多項式回路1342および多項式回路1442の代わりに多項式回路1842を用いてよい。多項式回路1842は、デジタル温度信号が温度区間同士の境界部分の温度を示すことに応じて、ルックアップテーブルに格納された温度補償値を用いて第1VCO120の出力クロック信号の周波数を制御する。
多項式回路1842は、図14に示した多項式回路1442の各部材に加えてルックアップテーブル1850を含む。多項式回路1842における、多項式回路1442と同一の符号を付した各部材の機能および構成は多項式回路1442における対応する部材と同様であるから、以下相違点を除き説明を省略する。
ルックアップテーブル1850は、記憶領域1852と、補正量選択回路1854とを含む。記憶領域1852は、隣接する温度区間同士の境界部分の温度に対応付けて、その温度における周波数補正量を記憶する。記憶領域1852は、デジタル温度信号の複数個(例えばL個(L>2))の値のそれぞれに対応付けて、周波数補正量を記憶する。
補正量選択回路1854は、記憶領域1852に接続される。補正量選択回路1854は、デジタル温度信号の値が記憶領域1852内のいずれかの温度値と一致する場合に、その温度値に対応付けられた周波数補正量(温度補償値)を出力する。補正量選択回路1854は、デジタル温度信号の値が記憶領域1852内のいずれの温度値とも一致しない場合には、周波数補正量0を出力する。
加算器1354は、複数の増幅器1352の出力と補正量選択回路1854が出力する周波数補正量とを加えてデジタル温度補償信号として出力する。これにより、多項式回路1842は、デジタル温度信号が特定の値である場合に、ルックアップテーブル1850に格納された温度補償値を用いて出力クロック信号の周波数を制御することができる。
なお、以上に示した多項式回路1842においては、ルックアップテーブル1850は、複数のべき乗器1350および複数の増幅器1352を用いた補償関数の値に加えるべき調整値としての温度補償値を出力する。これに代えて、多項式回路1842は、記憶領域1852に登録された特定の温度においては複数の増幅器1352からの出力をディセーブルまたは0とする等により補償関数をディセーブルし、ルックアップテーブル1850が出力する温度補償値をデジタル温度補償信号の値として出力してもよい。
また、以上に示したルックアップテーブル1850は、温度および周波数補正量の組を複数記憶し、デジタル温度信号が示す温度に対応する周波数補正量を出力する連想メモリとして機能する。これに代えて、ルックアップテーブル1850は、温度区間の境界近傍にアドレス付けされた記憶領域を有し、デジタル温度信号が示す温度がアドレスとして入力されたことに応じてそのアドレスに格納された周波数補正量を出力してもよい。
図19は、ルックアップテーブル(LUT)を用いたデジタル温度補償後の周波数誤差特性の一例を示す。本図に示したグラフの横軸は温度であり、縦軸は周波数誤差[ppb]である。本図において、破線はルックアップテーブルを用いない場合の周波数誤差特性であり図17の周波数誤差特性と同一である。実線はルックアップテーブルを更に用いる場合の周波数誤差特性を示す。多項式回路1842は、デジタル温度信号が温度区間同士の境界部分の温度を示す場合にルックアップテーブル1850に記憶した温度補償値を用いることにより、温度区間同士の境界部分における周波数温度スロープを低減して不連続性を抑え、周波数誤差を低減することができる。
図20は、変形例に係るTADC2030の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC230の代わりにTADC2030を用いてもよい。TADC2030は、TADC230の変形例であるから、TADC230と同様の機能および構成を有する部材についてはTADC230における符号と同一の符号を付し、以下相違点を除き説明を省略する。
TADC2030は、TADC230の各部材に加えてΔΣ変調器2038を更に含む。ΔΣ変調器2038は、出力クロック信号および内部クロック信号の位相差に応じた位相差信号をデルタシグマ変調して第2VCO232へと出力する。
第2VCO232はデジタルのフィードバック信号に対して離散的に応答するので、ΔΣ変調器2038を設けないTADC230においては第2VCO232の離散的応答に伴う周期的動作によってデジタル温度信号の周波数スペクトラムにスプリアスのピークが生じることがある。TADC2030においては、ループフィルタ236の出力をΔΣ変調器2038によってデルタシグマ変換することによりスプリアスを拡散し、スプリアスのピークを低減することができる。
図21は、他の変形例に係るTADC2130の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC230の代わりにTADC2130を用いてもよい。TADC2130は、TADC230の変形例であるから、TADC230と同様の機能および構成を有する部材についてはTADC230における符号と同一の符号を付し、以下相違点を除き説明を省略する。
TADC2130は、TADC230の各部材に加えてディザ印加回路2140を更に含む。ディザ印加回路2140は、出力クロック信号および内部クロック信号の位相差に応じた位相差信号にディザを印加して第2VCO232へと出力する。
図20に関連して示したように、TADC230においてはデジタル温度信号の周波数スペクトラムにスプリアスのピークが生じることがある。TADC2130においては、ディザ印加回路2140が、ループフィルタ236によりフィルタリングされた位相差信号に擬似ランダムパターンを有するディザを印加する。ディザ印加回路2140は、一例としてフィボナッチLFSR(Linear Feedback Shift Register)等の、線形帰還シフトレジスタを用いた回路であってよい。TADC2130においては、ループフィルタ236の出力にディザを印加することによりデジタル温度信号に生じるスプリアスを拡散し、スプリアスのピークを低減することができる。
図22は、更に他の変形例に係るTADC2180の構成を示す。クロック生成装置1は、TADC230の代わりにTADC2180を用いてもよい。TADC2180は、TADC230、TADC2030、およびTADC2130の変形例であるから、TADC230、TADC2030、およびTADC2130と同様の機能および構成を有する部材についてはTADC230、TADC2030、およびTADC2130における符号と同一の符号を付し、以下相違点を除き説明を省略する。
TADC2180は、TADC230の各部材に加えて、図20に示したΔΣ変調器2038と、図21に示したディザ印加回路2140との両方を含む。図20に関連して示したように、ΔΣ変調器2038は、デジタル温度信号のスプリアスピークを抑えることができる。しかし、ΔΣ変調器2038の出力は、ΔΣ変調器2038による量子化のための周期的な動作に伴う裾野が広いアイドルトーンを有することがある。TADC2180は、ΔΣ変調器2038に加えて更にディザ印加回路2140を含むことにより、ΔΣ変調器2038によって生じるアイドルトーンを拡散して、アイドルトーンによるスプリアスのピークを抑えることができる。
図23は、本実施形態に係る調整装置2310の構成をクロック生成装置2301および温度制御装置2305と共に示す。クロック生成装置2301は、図1から図22までに示したいずれかのクロック生成装置1であってよく、他のクロック生成装置であってもよい。本実施形態においては、説明の便宜上、クロック生成装置2301がクロック生成装置1である場合を例に説明する。クロック生成装置2301は、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償する機能を有してよい。クロック生成装置2301は、調整可能な1または複数の部品を有してよく、調整対象とする対象部品を調整するための調整モードを有してよい。
温度制御装置2305は、クロック生成装置2301の調整作業中にクロック生成装置2301の温度を制御する。温度制御装置2305は、クロック生成装置2301を目標温度に設定するための加熱器および冷却器等を有してよい。
調整装置2310は、クロック生成装置2301の工場出荷前または工場出荷後の点検時等においてクロック生成装置2301に接続され、クロック生成装置2301を調整する。調整装置2310は、コンピュータにクロック生成装置2301および温度制御装置2305に接続する入出力インターフェースを付加することにより実現されてよい。このようなコンピュータは、クロック生成装置2301を調整するための調整プログラムを実行することにより調整装置2310として機能する。調整装置2310は、条件設定部2320と、測定部2340と、調整データ決定部2360と、調整データ設定部2380とを備える。
条件設定部2320は、クロック生成装置2301を調整する調整条件(温度、調整モード、調整に使用する信号)を設定する。条件設定部2320は、温度設定部2325と、モード設定部2330と、信号供給部2335とを有する。温度設定部2325は、クロック生成装置2301の目標温度を温度制御装置2305に設定することにより、クロック生成装置2301の温度を目標温度にする。
モード設定部2330は、クロック生成装置2301内における調整対象の部品を調整するための調整モードをクロック生成装置2301に設定する。信号供給部2335は、クロック生成装置2301の調整に用いる信号をクロック生成装置2301に供給する。
測定部2340は、条件設定部2320が設定した調整条件においてクロック生成装置2301の動作状態を測定する。測定部2340は、デジタル入力部2345と、周波数測定部2350と、電圧測定部2355とを有する。デジタル入力部2345は、調整モードにおいてクロック生成装置2301内の回路が出力するデジタル値(デジタル温度信号等)を入力する。
周波数測定部2350は、クロック生成装置2301が出力するクロック信号(出力クロック信号、調整モードにおいて出力される内部クロック信号等)の周波数を測定する。周波数測定部2350は、クロック生成装置2301が単位時間(1秒、10秒等)内に出力するクロックパルスの数を測定することにより、クロック信号の周波数を測定してよい。これに代えて、周波数測定部2350は、クロック生成装置2301が出力するクロックの位相にロックするPLLを備え、そのPLL制御信号から周波数換算値を算出してよい。電圧測定部2355は、クロック生成装置2301が調整モードにおいて出力する電圧(VDAC140の出力電圧等)を測定する。
調整データ決定部2360は、条件設定部2320が設定した調整条件および測定部2340による測定結果に基づいて、クロック生成装置2301を調整するための調整データを決定する。調整データ決定部2360は、線形性調整部2365と、補償関数決定部2370とを有する。
線形性調整部2365は、調整対象回路の入出力特性の線形性を調整するための調整データを決定する。補償関数決定部2370は、クロック生成装置2301の出力クロック信号の周波数を温度補償するための補償関数を決定する。
調整データ設定部2380は、調整データ決定部2360が決定した調整データをクロック生成装置2301に設定する。調整データ設定部2380は、線形性設定部2385と、補償関数設定部2390とを有する。
線形性設定部2385は、線形性調整部2365による線形性調整により決定された調整データをクロック生成装置2301に設定する。補償関数設定部2390は、補償関数決定部2370により決定された温度補償用の調整データをクロック生成装置2301に設定する。
図24は、本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の調整フローを示す。S2400(ステップ2400)において、調整装置2310は、クロック生成装置2301内の第2VCO332が有する電流DAC354等の電流DACの線形性を調整する。
S2410において、調整装置2310は、クロック生成装置2301内のデジタル温度補償回路1135が有する線形性補正回路1140等の線形性補正回路の線形性を調整する。S2420において、調整装置2310は、クロック生成装置2301内のVDAC140等のVDACの線形性を調整する。S2430において、調整装置2310は、クロック生成装置2301内の多項式回路1342、多項式回路1442、または多項式回路1842等の補償関数を調整する。
図25は、本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の電流DAC調整フローを示す。本図に示した電流DAC調整フローは、図24のS2400において実行されてよい。調整装置2310は、本図に示した電流DAC調整フローにおいて、クロック生成装置2301内の第2VCO332が有する電流DAC354等の、第2VCO232内の電流DACを調整する。以下、調整装置2310が電流DAC354を調整する場合について例示する。なお、本図に示した電流DAC調整フローは、電流DAC354が、Iビットのデジタル温度信号の各ビットi(i=0,1,…,I-1)毎に、2に重み付けされた電流を流す構成をとる場合について例示する。
S2500において、調整装置2310内のモード設定部2330は、クロック生成装置2301を電流DAC調整モードに設定する。クロック生成装置2301は、電流DAC調整モードにおいて、調整装置2310からの指示に応じて電流DAC354の調整パラメータの読み出しおよび書き込みを可能とする。クロック生成装置2301は、電流DAC調整モードにおいて、位相比較器234からの位相差信号に応じたデジタル温度信号(またはフィードバック信号)に代えて、信号供給部2335がクロック生成装置2301へと入力するデジタル温度信号(またはフィードバック信号)を第2VCO332内の電流DAC354に入力するように設定される。また、クロック生成装置2301は、電流DAC調整モードにおいて、第2VCO332が出力する内部クロック信号をクロック生成装置2301の外部へと出力するように設定される。
また、クロック生成装置2301は、電流DAC調整モードにおいて、アナログ温度信号を強制的に固定値(例えば1V)とするように設定されてよい。これに代えて、調整装置2310内の温度設定部2325は、クロック生成装置2301の温度を予め定められた固定温度とすることを温度制御装置2305に指示してもよい。
S2510において、信号供給部2335は、最小値(例えば0)および最大値(例えば最大コード値H=2-1)のデジタル温度信号をクロック生成装置2301へと入力する。周波数測定部2350は、デジタル温度信号が最小の場合における内部クロック信号の周波数Fおよびデジタル温度信号が最大の場合における内部クロック信号の周波数Fを測定する。
調整装置2310は、デジタル温度信号のビット毎にS2520~S2550の間の処理を繰り返す。例えば、調整装置2310は、デジタル温度信号の最下位ビットから最上位ビットまでの各ビットiについて、S2520からS2550の間の処理を繰り返す。
信号供給部2335は、デジタル温度信号の対象ビットiを変化させ、周波数測定部2350は対象ビットiを変化させた場合の内部クロック信号の周波数変化量ΔFを測定する。例えばデジタル温度信号が10ビットであり、対象ビットが第2ビット(i=2)であるとすると、信号供給部2335は、デジタル温度信号を10'b0000000000および10'b0000000100に設定し、周波数測定部2350は、デジタル温度信号が10'b0000000000の場合の内部クロック信号の周波数と、デジタル温度信号が10'b0000000100の場合の内部クロック信号の周波数とを測定してこれらの差を周波数変化量ΔFとする。なお、対象ビットi以外の残りの複数のビットは、対象ビットiが0の場合および1の場合の周波数の測定において同一パターンであればよく、必ずしも全て0または全て1でなくてもよい。
S2540において、線形性調整部2365は、周波数変化量ΔFが対象ビットiの重みに最も近くなるように電流DAC354の対象ビットiについての調整パラメータを決定する。対象ビットiによる周波数変化量ΔFの理想値ΔFidealは(F-F)×(2/2)であるから、線形性調整部2365は、対象ビットiの現在の重みをΔFideal/ΔF倍した調整パラメータを算出する等により、周波数変化量ΔFを理想値ΔFidealに近付けるように対象ビットkの重みの調整パラメータを決定する。
調整装置2310は、デジタル温度信号の全てのビットについての処理が終了するまで、S2520~S2550の間の処理を繰り返す。繰り返し処理の終了後、線形性設定部2385は、S2560において、各ビットの重みの調整パラメータを含む調整データを調整データ記憶部150に書き込むことにより、クロック生成装置2301に設定する。
なお、対象ビットi毎の調整パラメータの決定方法は、他の様々は方法を採用しうる。例えば、信号供給部2335は、対象ビットiのみが1であり他のビットが0であるデジタル温度信号(例えば10'b0000000100)と、この値から1を減じたデジタル温度信号(例えば10'b0000000011)とをクロック生成装置2301に入力したときの周波数変化量ΔFが、デジタル温度信号が1変化したときの理想の周波数変化量となるように、対象ビットiの重みを調整してよい。
図26は、デジタル温度信号の線形性の一例を示す。本図の横軸は温度センサ125からのアナログ温度信号が示す温度、縦軸はデジタル温度信号の平均コード値である。「DC-VCOの素子ばらつき有り」と示した実線のグラフは、第2VCO332内の電流DAC354の各ビットの重みにばらつきがあり、温度に対するデジタル温度信号の線形性が低い状態を示す。
温度に対するデジタル温度信号の線形性が低い場合には、デジタル温度信号は温度の1次関数で表すことができず、温度の2次以上の成分を含むこととなる。この場合、多項式回路1342、多項式回路1442、多項式回路1842、またはその他の多項式回路1142がN次多項式を用いてデジタル温度補償信号を算出すると、デジタル温度補償信号には温度のN+1次以上の高次成分が混入してしまい、デジタル温度補償信号による温度補償に周波数誤差を生じさせてしまう。
本図の「DC-VCOの素子ばらつき無し」と示した破線のグラフは、第2VCO332内の電流DAC354の各ビットの重みを調整した結果、デジタル温度信号が温度に対して高い線形性を有する状態を示す。調整装置2310は、電流DAC354の各調整パラメータを調整することにより、デジタル温度補償信号にN+1次以上の高次成分が混入することに伴う周波数誤差の発生を低減することができる。
図27は、本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の線形性補正回路調整フローを示す。本図に示した線形性補正回路調整フローは、図24のS2410において実行されてよい。図25に示した電流DAC調整フローによる調整においては、デジタル温度信号に対する内部クロック信号の周波数の線形性を調整する。これに対し、本図の線形性補正回路調整フローは、温度に対するデジタル温度信号の線形性を調整する。本図に示した線形性補正回路調整フローにおいて、調整装置2310は、クロック生成装置2301内の線形性補正回路1240等の、デジタル温度補償回路1135が有する線形性補正回路1140を調整する。以下、調整装置2310が線形性補正回路1240を調整する場合について例示する。
S2700において、調整装置2310内のモード設定部2330は、クロック生成装置2301を線形性補正回路調整モードに設定する。クロック生成装置2301は、線形性補正回路調整モードにおいて、調整装置2310からの指示に応じて線形性補正回路1240の調整パラメータの読み出しおよび書き込みを可能とする。クロック生成装置2301は、線形性補正回路調整モードにおいて、TADC230が出力するデジタル温度信号をクロック生成装置2301の外部へと出力するように設定される。
S2710において、温度設定部2325は、温度制御装置2305を制御して、クロック生成装置2301の実温度を温度補償範囲内の様々な温度に設定する。デジタル入力部2345は、クロック生成装置2301内の線形性補正回路1240が各実温度において出力するデジタル温度信号をクロック生成装置2301から取得する。
S2720において、線形性調整部2365は、各実温度におけるデジタル温度信号の値を用いて、デジタル温度信号を線形補正するための線形性補正回路1240の各調整パラメータを算出する。例えば、線形性調整部2365は、最小二乗法等を用いて、TADC230が出力したデジタル温度信号の各値を、対応する実温度を示す値に変換する近似曲線(補正関数が3次多項式の場合には3次関数の近似関数)を算出して、近似曲線における各次元のゲインP、P、P等を調整パラメータとしてよい。S2730において、線形性設定部2385は、算出した各調整パラメータを含む調整データを調整データ記憶部150に書き込むことにより、クロック生成装置2301内の線形性補正回路1240に設定する。
図28Aは、デジタル温度信号の周波数誤差特性の一例を示す。図28Bは、線形性補正回路1140の線形性補正後のデジタル温度信号の周波数誤差特性の一例を示す。これらの図の横軸は温度センサ125からのアナログ温度信号が示す温度、縦軸はアナログ温度信号が示す温度に対するデジタル温度信号(平均)の誤差である。
図26に関して説明したように、温度に対してデジタル温度信号が線形性を有しない場合には、デジタル温度補償信号には温度のN+1次以上の高次成分が混入してしまい、デジタル温度補償信号による温度補償に周波数誤差が生じてしまう。調整装置2310は、線形性補正回路1140を調整することにより、温度に対するデジタル温度信号の線形性を高め、温度補償後の出力クロック信号の周波数誤差を低減することができる。なお、クロック生成装置1および調整装置2310は、図25および図27のいずれか一方の調整のみが可能であってもよい。
図29は、本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301のVDAC調整フローを示す。本図に示したVDAC調整フローは、図24のS2420において実行されてよい。調整装置2310は、本図に示したVDAC調整フローにおいて、クロック生成装置2301内のVDAC140等の電圧DACを調整する。以下、調整装置2310がVDAC140を調整する場合について例示する。なお、本図に示したVDAC調整フローは、VDAC140が、Pビットのデジタル温度補償信号の各ビットp(p=0,1,…,P-1)毎に、2に重み付けされた電圧を出力する構成をとる場合について例示する。
S2900において、調整装置2310内のモード設定部2330は、クロック生成装置2301をVDAC調整モードに設定する。クロック生成装置2301は、VDAC調整モードにおいて、調整装置2310からの指示に応じてVDAC140の調整パラメータの読み出しおよび書き込みを可能とする。クロック生成装置2301は、VDAC調整モードにおいて、デジタル温度補償回路135からのデジタル温度補償信号に代えて、信号供給部2335がクロック生成装置2301へと入力するデジタル温度補償信号をVDAC140に入力するように設定される。また、クロック生成装置2301は、VDAC調整モードにおいて、VDAC140が出力するアナログ温度補償信号をクロック生成装置2301の外部へと出力するように設定される。また、クロック生成装置2301は、VDAC調整モードにおいて、アナログ温度補償回路160およびLPF145の接続を遮断してもよい。
S2910において、信号供給部2335は、最小値(例えば0)および最大値(例えば最大コード値Q=2-1)のデジタル温度補償信号をクロック生成装置2301へと入力する。電圧測定部2355は、デジタル温度補償信号が最小値である場合にVDAC140が出力するアナログ温度補償信号の電圧Vと、デジタル温度補償信号が最大値である場合にVDAC140が出力するアナログ温度補償信号の電圧Vとを測定する。
調整装置2310は、デジタル温度補償信号のビット毎にS2920~S2950の間の処理を繰り返す。例えば、調整装置2310は、デジタル温度補償信号の最下位ビットから最上位ビットまでの各ビットpについて、S2920からS2950の間の処理を繰り返す。
S2930において、電圧測定部2355は、デジタル温度補償信号の対象ビットpを変化させた場合のデジタル温度補償信号の電圧変化量ΔVを測定する。例えばデジタル温度信号が5ビットであり、対象ビットが第2ビット(p=2)であるとすると、信号供給部2335は、デジタル温度補償信号を5'b00000および5'b00100に設定し、電圧測定部2355は、デジタル温度補償信号が5'b00000の場合のアナログ温度補償信号の電圧と、デジタル温度補償信号が5'b00100の場合のアナログ温度補償信号の電圧とを測定してこれらの差を電圧変化量ΔVとする。なお、対象ビットp以外の残りの複数のビットは、対象ビットpが0の場合および1の場合の周波数の測定において同一パターンであればよく、必ずしも全て0または全て1でなくてもよい。
S2940において、線形性調整部2365は、電圧変化量ΔVが対象ビットpの重みに最も近くなるように電流DAC354の対象ビットpについての調整パラメータを決定する。対象ビットpの電圧変化量ΔVの理想値ΔVidealは(V-V)×(2/2)であるから、線形性調整部2365は、対象ビットpの現在の重みをΔVideal/ΔV倍した調整パラメータを算出する等により、電圧変化量ΔVを理想値ΔVidealに近付けるように対象ビットpの重みの調整パラメータを決定する。
調整装置2310は、デジタル温度補償信号の全てのビットについての処理が終了するまで、S2920~S2950の間の処理を繰り返す。繰り返し処理の終了後、線形性設定部2385は、S2960において、各ビットの重みの調整パラメータを含む調整データを調整データ記憶部150に書き込むことにより、クロック生成装置2301に設定する。
調整装置2310は、VDAC140等の電圧DACの線形性を調整することにより、デジタル温度補償回路135が出力するデジタル温度補償信号に応じて第1VCO120に供給される制御電圧の誤差を低減することができる。これにより、調整装置2310は、温度補償後の出力クロック信号の周波数誤差を低減することができる。
図30は、本実施形態に係る調整装置2310によるクロック生成装置2301の補償関数調整フローを示す。本図に示した補償関数調整フローは、図24のS2430において実行されてよい。
S3000において、調整装置2310内のモード設定部2330は、クロック生成装置2301を補償関数調整モードに設定する。クロック生成装置2301は、補償関数調整モードにおいて、調整装置2310からの指示に応じて補償関数に関する調整パラメータの読み出しおよび書き込みを可能としてよい。
S3010において、温度設定部2325は、温度制御装置2305を制御して、クロック生成装置2301の実温度を温度補償範囲内の様々な温度に設定する。周波数測定部2350は、各実温度においてクロック生成装置2301が出力する出力クロック信号の周波数を測定する。
S3020において、補償関数決定部2370は、各実温度における出力クロック信号の周波数の誤差(温度に依存しない目標周波数との差)を補償するためのデジタル温度補償信号の値(補償値)を算出する。補償関数決定部2370は、デジタル温度補償信号が単位量(例えば+1)増加する毎の出力クロック信号の周波数増分(設計値または測定値)を予め記憶しておき、各実温度における周波数誤差を補償するためにデジタル温度補償信号を増減すべき量を決定してよい。これに代えて、補償関数決定部2370は、各実温度において出力クロック信号の周波数が目標周波数になるようにデジタル温度補償信号に加えるオフセット値を調整し、このオフセット値を各実温度においてデジタル温度補償信号に加えるべき量として決定してよい。これにより、補償関数決定部2370は、各実温度におけるデジタル温度補償信号の理想値を得ることができる。
調整装置2310は、温度区間毎にS3030~S3050の間の処理を繰り返す。S3040において、補償関数決定部2370は、複数の温度区間のそれぞれに対して補償関数を決定する。各温度区間について、補償関数決定部2370は、最小二乗法等を用いて、各実温度を示すデジタル温度信号を、各実温度におけるデジタル温度補償信号の理想値になるべく近い値に変換する近似曲線(補償関数が5次多項式の場合には5次関数の近似関数)を算出して、近似曲線における各次元のゲインG、G、…、G等を補償関数の調整パラメータとしてよい。
全温度区間についてS3030~S3050の間の処理を終了すると、補償関数決定部2370は、S3060において、温度区間同士の境界部分の温度についてルックアップテーブル1850による補正の対象温度および周波数補正量を含む調整パラメータを決定する。補償関数決定部2370は、温度区間同士の境界から予め定められた温度範囲内(例えば±2℃)において、補償関数によるデジタル温度補償信号の値が理想値から閾値以上誤差があるポイントを、ルックアップテーブル1850による補正対象としてよい。S3070において、補償関数設定部2390は、複数の温度区間のそれぞれに対応する補償関数と、ルックアップテーブル1850に設定すべき各設定パラメータとを含む調整データを調整データ記憶部150に書き込むことにより、クロック生成装置2301に設定する。
図31は、デジタル温度補償後の周波数誤差特性の一例を示す。本図の横軸は温度、縦軸は出力クロック信号の周波数誤差[ppb]である。本図の周波数誤差特性は、図15に示した5つの温度区間のそれぞれについて、その温度区間におけるデジタル温度補償信号の理想値を用いて生成した補償関数を用いた場合の出力クロック信号の周波数誤差を示す。
図32Aは、デジタル温度補償後の周波数温度スロープの一例を示す。本図の横軸は温度、縦軸は出力クロック信号の周波数温度スロープである。本図に示した周波数温度スロープは、図31において温度が隣接する2点間の傾き(温度1℃当たりの周波数誤差の変化量)を示すものであり、図31の周波数誤差特性の微分に相当する。図32Aに示したように、各温度区間について、その温度区間内のデジタル温度補償信号の理想値を用いて補償関数を生成すると、隣接する温度区間の補償関数が不連続となる結果、温度区間の境界部分で周波数温度スロープの絶対値が大きくなることがある。周波数温度スロープは、環境温度が急に変化した場合の周波数変化量を示すものであり、低くすることが望まれる。
図32Bは、各区間をオーバーラップさせて補償関数を決定した場合における、デジタル温度補償後の周波数温度スロープの一例を示す。本図の横軸は温度、縦軸は出力クロック信号の周波数温度スロープである。
本図の例においては、補償関数決定部2370は、複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて補償関数を決定する。具体的には、本図の例においては、補償関数決定部2370は、各温度区間について、温度区間の境界を±2℃拡張(温度区間の下限を-2℃拡張、温度区間の上限を+2℃拡張)し、拡張した区間に含まれるデジタル温度補償信号の理想値を用いて補償関数を生成する。補償関数決定部2370は、例えば+18℃~+47℃の温度区間3について、+16℃~+49℃の区間に含まれるデジタル温度信号の理想値を用いて、+16℃~+49℃の範囲の補償関数を生成し、生成した補償関数を+18℃~+47℃の温度範囲で用いるようにする。
調整装置2310は、各温度区間に対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップする区間を用いて補償関数を決定することにより、図32Bに示したように、温度区間の境界で周波数温度スロープの絶対値を小さくすることができる。これにより、調整装置2310は、温度区間の境界で出力クロック信号の周波数誤差特性に生じる不連続性を抑えることができる。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図33は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 クロック生成装置、100 オーブン、105 振動子、110 温度センサ、115 ヒータ、120 第1VCO、125 温度センサ、130 TADC、135 デジタル温度補償回路、140 VDAC、145 LPF、150 調整データ記憶部、160 アナログ温度補償回路、170 オーブン制御回路、175 振動子温度検出器、180 目標温度信号生成器、190 差動増幅器、195 ヒータ駆動回路、230 TADC、232 第2VCO、234 位相比較器、236 ループフィルタ、332 第2VCO、340 リングオシレータ、350 電源電流発生器、352 FET、354 電流DAC、356 差動増幅器、358 FET、634 位相比較器、640 バイナリ変換器、834 位相比較器、842 ロック検出回路、844 周波数検出回路、846 カウンタ、848 カウンタ、850 周波数比較回路、852 比較器、854 増幅器、856 比較器、858 増幅器、860 加算器、862 選択回路、936 ループフィルタ、940 増幅器、942 遅延素子、944 増幅器、946 積分器、948 加算器、1036 ループフィルタ、1135 デジタル温度補償回路、1140 線形性補正回路、1142 多項式回路、1144 ΔΣ変調器、1240 線形性補正回路、1250 べき乗器、1252 増幅器、1254 加算器、1342 多項式回路、1350 べき乗器、1352 増幅器、1354 加算器、1442 多項式回路、1450 温度区間選択回路、1452 関数生成回路、1454 温度シフト回路、1842 多項式回路、1850 ルックアップテーブル、1852 記憶領域、1854 補正量選択回路、2030 TADC、2038 ΔΣ変調器、2130 TADC、2140 ディザ印加回路、2180 TADC、2301 クロック生成装置、2305 温度制御装置、2310 調整装置、2320 条件設定部、2325 温度設定部、2330 モード設定部、2335 信号供給部、2340 測定部、2345 デジタル入力部、2350 周波数測定部、2355 電圧測定部、2360 調整データ決定部、2365 線形性調整部、2370 補償関数決定部、2380 調整データ設定部、2385 線形性設定部、2390 補償関数設定部、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インターフェイス、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード

Claims (18)

  1. 出力クロック信号を生成するクロック生成装置であって、
    前記出力クロック信号を出力する第1電圧制御型発振器と、
    前記出力クロック信号の整数倍の周波数を有するように調整されて、デジタル温度信号が温度センサからのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて前記出力クロック信号に位相ロックされる内部クロック信号を出力する第2電圧制御型発振器を用いて、前記アナログ温度信号を前記デジタル温度信号に変換する温度変換器と、
    前記デジタル温度信号を用いて、前記第1電圧制御型発振器の前記出力クロック信号の周波数を温度補償するデジタル温度補償回路と
    を備えるクロック生成装置。
  2. 前記温度変換器は、
    前記内部クロック信号を出力する前記第2電圧制御型発振器と、
    前記出力クロック信号および前記内部クロック信号の位相差を検出する位相比較器と、
    前記位相比較器が検出した位相差に応じた前記デジタル温度信号を発生するデジタル温度信号発生器と
    を有し、
    前記第2電圧制御型発振器は、前記アナログ温度信号および前記位相比較器が検出した位相差に応じた周波数の前記内部クロック信号を出力する
    請求項1に記載のクロック生成装置。
  3. 前記第2電圧制御型発振器は、前記アナログ温度信号により指定される温度と前記デジタル温度信号により指定される温度との差に応じた電源電流を受けて発振するリングオシレータを含む請求項2に記載のクロック生成装置。
  4. 前記温度変換器は、
    前記位相比較器が検出した位相差が予め定められた範囲外となったか否かを判定する判定回路と、
    前記位相比較器が検出した位相差が前記予め定められた範囲外となったことに応じて、前記出力クロック信号および前記内部クロック信号の周波数を検出する周波数検出回路と、
    前記位相比較器が検出した位相差が前記予め定められた範囲内であることに応じて前記位相比較器が検出した位相差を選択し、前記位相比較器が検出した位相差が前記予め定められた範囲外となったことに応じて前記出力クロック信号の前記整数倍の周波数と前記内部クロック信号の周波数との比較結果に応じて決定した位相差を選択する選択回路と
    を有し、
    前記第2電圧制御型発振器は、前記アナログ温度信号および前記選択回路が選択した位相差に応じた周波数の前記内部クロック信号を出力する請求項2に記載のクロック生成装置。
  5. 前記温度変換器は、前記出力クロック信号および前記内部クロック信号の位相差に応じた位相差信号をデルタシグマ変調して前記第2電圧制御型発振器へと出力する第1デルタシグマ変調器を有する請求項2に記載のクロック生成装置。
  6. 前記温度変換器は、前記出力クロック信号および前記内部クロック信号の位相差に応じた位相差信号にディザを印加して前記第2電圧制御型発振器へと出力するディザ印加回路を更に備える請求項2に記載のクロック生成装置。
  7. 前記アナログ温度信号に応じて前記第1電圧制御型発振器の前記出力クロック信号の周波数をアナログ温度補償するアナログ温度補償回路を更に備え、
    前記デジタル温度補償回路は、前記出力クロック信号の周波数の、前記アナログ温度補償回路による温度補償によっても残る周波数誤差を温度補償する請求項1に記載のクロック生成装置。
  8. 前記デジタル温度補償回路は、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて前記出力クロック信号の周波数を温度補償する請求項1に記載のクロック生成装置。
  9. 前記デジタル温度補償回路は、
    前記デジタル温度信号に応じて前記複数の温度区間の中から使用する温度区間を選択する温度区間選択回路と、
    選択された前記温度区間に応じたパラメータを用いた前記補償関数を生成する関数生成回路と
    を備え、
    生成した前記補償関数を用いて前記第1電圧制御型発振器の前記出力クロック信号の周波数を制御する請求項8に記載のクロック生成装置。
  10. 前記デジタル温度補償回路は、前記デジタル温度信号が前記温度区間同士の境界部分の温度を示すことに応じて、ルックアップテーブルに格納された温度補償値を用いて前記第1電圧制御型発振器の前記出力クロック信号の周波数を制御する請求項8に記載のクロック生成装置。
  11. 前記デジタル温度補償回路は、前記デジタル温度信号を線形補正する線形補正回路を有する請求項1に記載のクロック生成装置。
  12. 前記第1電圧制御型発振器は、水晶振動子またはMEMS振動子を用いて前記出力クロック信号を発生し、
    前記第2電圧制御型発振器は、PLLを用いて前記内部クロック信号を発生する
    請求項1から11のいずれか一項に記載のクロック生成装置。
  13. 前記水晶振動子またはMEMS振動子は、前記温度変換器および前記デジタル温度補償回路を内蔵する半導体チップの外部に設けられる請求項12に記載のクロック生成装置。
  14. 前記水晶振動子またはMEMS振動子の温度を一定に保つ制御を行うオーブン制御回路を更に備える請求項12に記載のクロック生成装置。
  15. 出力クロック信号を生成するクロック生成方法であって、
    第1電圧制御型発振器が、前記出力クロック信号を出力することと、
    温度変換器が、前記出力クロック信号の整数倍の周波数を有するように調整されて、デジタル温度信号が温度センサからのアナログ温度信号に対応する値となったことに応じて前記出力クロック信号に位相ロックされる内部クロック信号を出力する第2電圧制御型発振器を用いて、前記アナログ温度信号を前記デジタル温度信号に変換することと、
    デジタル温度補償回路が、前記デジタル温度信号を用いて、前記第1電圧制御型発振器の前記出力クロック信号の周波数を温度補償することと
    を備えるクロック生成方法。
  16. 予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償するクロック生成装置を調整する調整装置であって、
    前記複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて前記補償関数を決定する補償関数決定部と、
    前記複数の温度区間のそれぞれに対応する前記補償関数を前記クロック生成装置に設定する補償関数設定部と
    を備える調整装置。
  17. 予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償するクロック生成装置を調整する調整方法であって、
    調整装置が、前記複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて前記補償関数を決定することと、
    前記調整装置が、前記複数の温度区間のそれぞれに対応する前記補償関数を前記クロック生成装置に設定することと
    を備える調整方法。
  18. コンピュータを、予め定められた温度範囲を分割した複数の温度区間のそれぞれに対応付けられた補償関数を用いて出力クロック信号の周波数を温度補償するクロック生成装置を調整する調整装置として機能させる調整プログラムであって、
    前記調整プログラムは、前記コンピュータを、
    前記複数の温度区間のそれぞれに対して、隣接する温度区間との間で一部がオーバーラップするように定めた区間を用いて前記補償関数を決定する補償関数決定部と、
    前記複数の温度区間のそれぞれに対応する前記補償関数を前記クロック生成装置に設定する補償関数設定部と
    して機能させる調整プログラム。
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