JP2024061438A - 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体 - Google Patents

空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024061438A
JP2024061438A JP2022169383A JP2022169383A JP2024061438A JP 2024061438 A JP2024061438 A JP 2024061438A JP 2022169383 A JP2022169383 A JP 2022169383A JP 2022169383 A JP2022169383 A JP 2022169383A JP 2024061438 A JP2024061438 A JP 2024061438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
humidification
ventilation device
air
air conditioner
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022169383A
Other languages
English (en)
Inventor
悠二 渡邉
健介 足達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2022169383A priority Critical patent/JP2024061438A/ja
Publication of JP2024061438A publication Critical patent/JP2024061438A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
  • Air Humidification (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】給気加湿運転を原因とする、換気導管内の結露現象を抑えることができる、空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供する。【解決手段】空気調和機は、換気装置と制御部とを含む。換気装置は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されている。換気装置は、外気空気を制御空間に供給するための換気導管を含む。制御部は、換気装置による給気加湿運転において、換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得する。制御部は、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるように構成されている。【選択図】図6

Description

本開示は、空気調和機、その制御方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
従来では、特許文献1に記載するように、空気調和対象の室内に配置される室内機と、室外に配置される室外機とから構成される空気調和機が知られている。この空気調和機は、室外機から室内機に加湿された外気空気を供給できるように構成されている。
特開2001-91000号公報
従来の空気調和機について、外気空気を室内機に供給することによる加湿を行うことができる。しかしながら、このような給気加湿運転を行うときに、水分を含んだ外気空気を室内に供給するための換気導管内に結露が生じるという課題がある。
本開示の目的は、給気加湿運転を原因とする、換気導管内の結露現象を抑えることができる、空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供することにある。
前述した課題を解決するために、本開示は、空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体を提供するものである。
本開示に係る一態様の空気調和機は、換気装置と制御部とを含む。換気装置は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されている。換気装置は、外気空気を制御空間に供給するための換気導管を含む。制御部は、換気装置による給気加湿運転において、換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得する。制御部は、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるように構成されている。
また、本開示に係る他の態様の制御方法は、換気装置を有する空気調和機の制御方法である。当該換気装置は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されている。換気装置は、外気空気を制御空間に供給するための換気導管を含む。制御方法は、換気装置による給気加湿運転において、換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得するステップと、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるステップと、を含む。
また、本開示に係る他の態様プログラムは、上述した制御方法を空気調和機に実行させる。
また、本開示に係る他の態様の記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、上述した制御方法が実現される。
本開示において、空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体によれば、給気加湿運転を原因とする、換気導管内の結露現象を抑え、結露水による騒音を抑えることができる。
実施の形態1における空気調和機の概略構成の一例を示すブロック図 実施の形態1に係る空気調和機の概略図 換気装置の概略図 給気換気運転中の換気装置の概略図 排気換気運転中の換気装置の概略図 給気加湿運転中の換気装置の概略図 実施の形態1における制御方法の一例のフローチャート 第1のセンサが設けられた場所を示す概略図 第1のセンサが設けられた場所を示す概略図 実施の形態1における換気装置のモータの制御のシミュレーション結果の一例 実施の形態1における換気装置のモータの制御例 実施の形態1における制御方法の一例のフローチャート 実施の形態2における制御方法の一例のフローチャート 第2のセンサが設けられた場所を示す概略図 第2のセンサが設けられた場所を示す概略図 実施の形態2における換気装置のモータの回転数と第1の湿度値と第1の温度値との関係を表す図 実施の形態2における換気装置のモータの制御のシミュレーション結果の一例 実施の形態2における換気装置のモータの制御例 実施の形態2における制御方法の一例のフローチャート 実施の形態2における換気装置のモータとヒータとの制御のシミュレーション結果の一例 実施の形態2における換気装置のモータとヒータとの制御のシミュレーション結果の一例 実施の形態3における制御方法の一例のフローチャート 実施の形態4における制御方法の一例のフローチャート
先ず始めに、空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体の各種態様について説明する。
本開示に係る第1の態様の空気調和機の空気調和機は、換気装置と制御部とを含む。換気装置は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されている。換気装置は、外気空気を制御空間に供給するための換気導管を含む。制御部は、換気装置による給気加湿運転において、換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得する。制御部は、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるように構成されている。
本開示に係る第2の態様の空気調和機において、第1の態様において、換気装置は、外気空気に水分を担持させる吸収材をさらに含んでもよい。制御部は、換気導管の換気装置側、かつ吸収材に対して下流側に設けられた第2のセンサによって、第1の温度値を取得してもよい。制御部は、第1の温度値が第1の温度閾値以上であると判定した場合、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を調整させてもよい。
本開示に係る第3の態様の空気調和機において、第1の態様または第2の態様において、換気装置は、外気空気に水分を担持させる吸収材と、吸収材を回転させるモータと、をさらに含んでもよい。制御部は、モータの回転数を減少することによって換気装置の加湿量を減少させるように構成され得る。
本開示に係る第4の態様の空気調和機において、第3の態様において、換気装置は、吸収材を加熱する、複数のヒータをさらに含んでもよい。制御部は、ヒータの作動本数を減少することによって換気装置の加湿量を減少させるように構成され得る。
本開示に係る第5の態様の空気調和機において、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、換気装置は、外気空気に水分を担持させる吸収材と、第1のファンとをさらに含んでもよい。第1のファンは、吸収材に対して下流側に配置されており、外気空気に室外から吸収材を通過させて制御空間に流出させるように作動する。制御部は、第1のファンの回転数を減少することによって換気装置の加湿量を減少させるように構成され得る。
本開示に係る第6の態様の空気調和機において、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、換気装置は、外気空気に水分を担持させる吸収材と、第1のファンとをさらに含んでもよい。第1のファンは、吸収材に対して下流側に配置されており、外気空気に室外から吸収材を通過させて制御空間に流出させるように作動する。制御部は、給気加湿運転において、制御空間の絶対湿度、および第1のファンの回転数に基づいて、換気装置の加湿量を判定する。制御部は、加湿量が加湿量閾値以上であると判定した場合、加湿量が加湿量閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるようにさらに構成され得る。
本開示に係る第7の態様の空気調和機は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、制御空間の室内湿度を検出するための第3のセンサをさらに含んでもよい。制御部は、給気加湿運転において、第3のセンサによって、制御空間の室内湿度である第2の湿度値を取得し、給気加湿運転に関連する設定湿度値を取得する。制御部は、第2の湿度値が設定湿度値以上であると判定した場合、第2の湿度値が設定湿度値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるように構成され得る。
本開示に係る第8の態様の空気調和機において、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、制御部は、給気加湿運転において、第1の湿度値が第2の湿度閾値よりも低いと判定した場合、第1の湿度値が第2の湿度閾値以上になるように、換気装置の加湿量を増加させるようにさらに構成され得る。
本開示に係る第9の態様の空気調和機において、第8の態様において、換気装置は、外気空気に水分を担持させる吸収材と、吸収材を回転させるモータと、吸収材を加熱する、複数のヒータと、第1のファンと、をさらに含んでもよい。第1のファンは、吸収材に対して下流側に配置されており、外気空気に室外から吸収材を通過させて制御空間に流出させるように作動する。制御部は、モータの回転数を増加する、ヒータの作動本数を増加する、または、第1のファンの回転数を増加することによって、換気装置の加湿量を増加させるように構成され得る。
本開示に係る第10の態様の制御方法は、換気装置を有する空気調和機の制御方法である。当該換気装置は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されている。換気装置は、外気空気を制御空間に供給するための換気導管を含む。制御方法は、換気装置による給気加湿運転において、換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得するステップと、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させるステップと、を含む。
本開示に係る第11の態様のプログラムは、第10の態様における制御方法を空気調和機に実行させる。
本開示に係る第12の態様の記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、第10の態様における制御方法が実現される。
《技術的概念》
本開示に係る空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体の具体的な実施の形態を説明する前に、まず、一例を用いて、本開示に記載の技術的概念を説明する。この例において、空気調和機は換気装置と制御部とを有し、換気装置は、空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給可能であり、外気空気を制御空間に供給するための換気導管を含む。
従来、空気調和機は水分を担持した外気空気を制御空間に供給する給気加湿運転ができる。しかしながら、冬場で換気導管の内表面温度が低下している場合、または加湿量が過多になっている場合などに、換気導管には結露現象が起きることがある。特に供給する外気空気の湿度が高い場合、または加湿量が過多である場合、換気導管の内壁には結露現象が起き、結露による水滴(すなわち、結露水)が換気導管内に溜まる可能性がある。そして、換気装置を用いて給気または排気を行うときに、換気導管内で空気と結露水がまじり合って、騒音が起きることがある。
本開示の制御方法の主な概念は、換気装置による給気加湿運転において、制御部は、換気導管内の湿度を検出し、加湿量が過多であると判定した場合、換気装置の加湿量を減少させることである。例えば、制御部は、換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得し、第1の湿度値を換気導管内の湿度とする。そして、加湿量が過多であるか否かの判定にあたって、制御部は、取得した第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であるか否かを判定してもよい。この例において、制御部は、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置の加湿量を減少させる。空気調和機は、換気装置の加湿量の減少によって、換気導管内の結露を抑え、結露水による騒音を抑える。
以下で説明する実施の形態のそれぞれは、本開示の一例を示すものである。以下の実施の形態のそれぞれにおいて示される数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本開示を限定するものではない。以下の実施の形態1における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
以下に述べる実施の形態のそれぞれにおいて、特定の要素に関しては変形例を示す場合があり、その他の要素に関しては任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。実施の形態において、それぞれの変形例の構成をそれぞれ組み合わせることにより、それぞれの変形例における効果を奏するものとなる。
以下の詳細な説明において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
《実施の形態1》
以下、本開示に係る空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体の実施の形態1について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施の形態1における空気調和機の概略構成の一例を示すブロック図である。図1は、制御方法およびそのプログラムを空気調和機に実行させる観点、および空気調和機と外部の他の装置との関係性の観点から作成された概略図である。空気調和機10は、空気調和機の制御方法を実行し、給気加湿運転を適切に実行する。
図1の実施例において、空気調和機10は、記憶部11と、制御部12と、通信部13と、換気装置50とを含む。空気調和機10はさらに、機能を発揮するために様々なセンサ14を少なくとも1つ含んでもよい。空気調和機10は、視覚的な情報をユーザに表示するためのディスプレイを含んでもよい。
空気調和機10は通信部13を介して端末装置80および/またはサーバ92と接続可能である。例えば、後述するように、空気調和機10は、インターネットを介してサーバ92と接続してもよい。空気調和機10はインターネットを介して空気調和機10のユーザのスマートフォンである端末装置80と接続してもよい。空気調和機10は赤外線を介して空気調和機10のリモートコントローラである端末装置80と接続してもよい。また、空気調和機10は直接的にまたは間接的に外部情報源94と接続して、換気制御に必要な情報の一部を外部情報源94から取得してもよい。
本開示に係る換気制御機器は、空気調和機10の制御部12、サーバ92、端末装置80、または他に空気調和機10の換気装置50を制御可能な装置であってもよい。以下の各実施例において、空気調和機10の制御部12を換気制御機器として実施するが、この場合に限らない。
以下、各構成要素の概略を説明する。
<空気調和機10>
空気調和機10は、例えば、家庭やオフィスにおける部屋の内部空間を空調制御の対象とする制御空間とし、当該制御空間の壁面または天井に設けられた室内機20と、屋外、制御空間以外の中央空調室等に設けられた室外機30とを有する。空気調和機10は、例えば、冷房機能、暖房機能、および/または空気洗浄機能を有する。空気調和機10は、制御空間の室内空気を除加湿可能な換気装置50を含み、換気装置50を用いる給気加湿機能を有する。また、空気調和機10は換気装置50を用いる除湿機能を有してもよい。さらに、本開示に係る空気調和機10は換気装置50を用いる換気機能を有する。これらの機能・運転モードが自由に組み合わせられ得る(例えば、冷房除湿機能、冷房換気モードなど)。
<記憶部11>
記憶部11は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、制御部12の作業領域として機能するメモリであってもよい。記憶部11は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。
記憶部11は、給気加湿制御のための基準や閾値を記憶してもよい。記憶部11は、それぞれのセンサ14から取得した情報を記憶してもよい。外部情報源94から取得した情報も記憶部11に記憶させてもよい。これらの情報は、制御方法が行われるときに制御部12に読み出され得る。
また、記憶部11は、制御方法を換気制御装置(例えば、制御部12)に実行させるためのプログラムを記憶してもよい。
<制御部12>
制御部12は、空気調和機10の少なくとも一部の機能の制御を司るコントローラである。制御部12は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、MCU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。制御部12は、記憶部11に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、空気調和機10における各種の制御を実現することができる。また、制御部12は記憶部11と協働して、記憶部11に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。制御部12は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
制御部12は、通信部13を介して、サーバ92と通信することができる。同様に、制御部12は、通信部13を介して、ユーザによる様々な指令および設定値(例えば、空気調和機10の給気加湿運転/給気加湿モードの起動指令、湿度設定指令)を端末装置80から受信することができる。制御部12は、これらの設定値および様々なセンサ14から受信した検出値(例えば、室内湿度、ユーザの所在位置)などに基づいて、空気調和機10の冷房機能や暖房機能を発揮するように空気調和機10の各部品を制御する。また、制御部12は、後述する制御方法に基づいて、空気調和機10の給気加湿制御を行う。
<通信部13>
通信部13は、サーバ92やユーザの端末装置80等と通信することもでき、例えば、インターネットパケットを送受信することもできる。上述したように、制御部12は、通信部13を介してサーバ92および/または端末装置80と協働してもよい。通信部13は、サーバ92と、空気調和機10と、端末装置80との間において、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格にしたがい通信を行い、データの送受信を行ってもよい。通信部13は、インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、ブルートゥース(登録商標)で通信してもよい。
<センサ14>
センサ14は、空気調和機10の機能を発揮するために空気調和機10の外部から様々な情報を取得するためのものである。特に、センサ14は、給気加湿運転を実施するための情報、または加湿ニーズを判定するための情報を取得することができる。
例えば、後により詳細に説明するように、換気装置50は、外気空気を制御空間に供給するための換気導管(ダクトまたはホースとも呼ばれる)56を含み、空気調和機10は、換気導管56内の湿度を検出するための第1のセンサ14aを含む。第1のセンサは、湿度センサであってもよく、温湿度センサであってもよい。第1のセンサは第1の湿度値を出力し、第1の湿度値は、相対湿度または絶対湿度を表す。なお、本開示において、「絶対湿度」と特記していない場合、「湿度」という用語は相対湿度を指すが、技術的には絶対湿度に置き換え得ることがある。
第1のセンサ14aの他、空気調和機10は、換気装置50の吸収材52の温度を検出するための第2のセンサ14bや、制御空間の室内湿度を検出するための第3のセンサ14cなどのセンサをさらに含んでもよい。また、空調制御や湿度制御のための情報を取得するために、様々なセンサを含んでもよい。例えば、制御空間内のユーザの人数や所在位置、活動状況を検出する人感センサ、制御空間内の温度を検出する室内温度センサ、制御空間外の温度(すなわち、外気温度)を検出する室外温度、制御空間内の空気の質を検出する室内空気質センサ等の少なくとも1つを含んでもよい。センサ14にて検出された情報は、記憶部11に入力されて記憶され、後に制御部12が利用したり、端末装置80またはサーバ92に送信されたりする。
様々なセンサ14は、空気調和機10の室内機20または室外機30の本体に搭載され得て、他の家電、またはスマートホーム内外の任意箇所にも搭載され得て、独立したセンサ装置であってもよい。制御部12は、制御方法を実行する際に、センサ14の搭載箇所に関わらず、制御に利用される情報をこれらのセンサ14から取得することができる。
<換気装置50>
換気装置50は、外気空気を室内に供給するように構成された装置であり、室外機とともに室外に取り付けられ得る。換気装置50は、加湿された外気空気を制御空間に供給することによって、制御空間の室内空気を加湿することができる。換気装置50の具体的な構造および動作については、後に図2を参照しながら説明する。
<端末装置80>
端末装置80は、空気調和機10に関連する装置である。端末装置80は、例えば、空気調和機10のコントローラであってもよく、複数種類の家電製品を管理・制御できるコントローラであってもよい。また、端末装置80は、空気調和機10との間でデータ通信を行うことができる情報端末、例えば、専用の関連アプリケーション82が組み込まれたスマートフォン、携帯電話、モバイルフォン、タブレット、ウェアラブル装置、コンピュータなどであってもよい。
サーバ92または制御部12は、端末装置80を介してユーザが入力した設定または指令を取得することができる。一般的には、端末装置80はグラフィックユーザインタフェース(graphical user interface、GUI)を表示するためのディスプレイを含む。ただし、音声ユーザインタフェース(voice user interface、VUI)を介してユーザと相互作用する場合、ディスプレイの代わりに、またはディスプレイに加えて、端末装置80はスピーカとマイクとを含んでもよい。
<サーバ92>
サーバ92は、少なくとも1つの空気調和機10に更新用のファームウェアを提供するためのサーバであるが、他の目的に用いられてもよい。例えば、サーバ92は、少なくとも1つの空気調和機10を管理するため、またはデータを収集するための空気調和機10の製造会社の管理サーバであってもよい。または、サーバ92は、アプリケーションサーバであってもよい。
<外部情報源94>
外部情報源94は、空気調和機10と直接的に関わらないサービスに関する情報や制御空間の外部の情報、例えば、気象情報や、特定の地域の空気の質に関する情報を提供する情報源である。例えば、外部情報源94は気象庁のウェブサイトであってもよい。サーバ92は、外部情報源94から取得する情報を空気調和機10または端末装置80に転送してもよい。空気調和機10は、外部情報源94と直接的に接続して、給気加湿制御に必要な情報の一部を外部情報源94から取得してもよく、サーバ92または端末装置80を介して外部情報源94と間接的に接続して必要な情報を取得してもよい。
以下、空気調和機10の、特に換気装置50の換気機能および加湿機能に関する機械構成について図面を参照しながら説明する。
図2は、本開示の一実施の形態に係る空気調和機の概略図である。図2は、特には換気機能、除湿機能および加湿機能を実施する機械構成を示す観点から作成された概略図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る空気調和機10は、空調対象の室内Rinに配置される室内機20と、室外Routに配置される室外機30とを有する。
室内機20には、室内空気A1と熱交換を行う室内熱交換器22と、室内空気A1を室内機20内に誘引するとともに、室内熱交換器22と熱交換した後の室内空気A1を室内Rinに吹き出すファン24とが設けられている。
室外機30には、外気空気A2と熱交換を行う室外熱交換器32と、外気空気A2を室外機30内に誘引するとともに、室外熱交換器32と熱交換した後の外気空気A2を室外Routに吹き出すファン34とが設けられている。また、室外機30には、室内熱交換器22および室外熱交換器32と冷凍サイクルを実行する圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40が設けられている。
室内熱交換器22、室外熱交換器32、圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40それぞれは、冷媒が流れる冷媒配管によって接続されている。冷房運転および除湿運転(弱冷房運転)の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室外熱交換器32、膨張弁38、室内熱交換器22を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。暖房運転の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室内熱交換器22、膨張弁38、室外熱交換器32を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。
空気調和機10は、冷凍サイクルよる空調運転の他に、外気空気A3を室内Rinに導入する空調運転を実行する。そのために、空気調和機10は、換気装置50を有する。換気装置50は、室外機30に設けられている。
図3は、換気装置の概略図である。
図3に示すように、換気装置50は、その内部に外気空気A3、A4が通過する吸収材52を備える。
吸収材52は、空気が通過可能な部材であって、通過する空気から水分を捕集するまたは通過する空気に水分を与える部材である。本実施の形態の場合、吸収材52は、円盤状であって、その中心を通過する回転中心線C1を中心にして回転する。吸収材52は、モータ54によって回転駆動される。
吸収材52は、空気中の水分を収着する高分子収着材が好ましい。高分子収着材は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体から構成される。高分子収着材は、シリカゲルやゼオライトなどの吸着材に比べて、同一体積あたり水分を吸収する量が多く、低い加熱温度で担持する水分を脱着することができ、そして水分を長時間担持することができる。
換気装置50の内部には、吸収材52をそれぞれ通過し、外気空気A3、A4がそれぞれ流れる第1の流路P1と第2の流路P2とが設けられている。第1の流路P1と第2の流路P2は、異なる位置で吸収材52を通過する。さらに、換気装置50の内部には、両端が第1の流路P1の異なる部分に接続された第3の流路P3が設けられている。
第1の流路P1は、室内機20内に向かう外気空気A3が流れる流路である。第1の流路P1を流れる外気空気A3は、換気導管56を介して、室内機20内に供給される。
本実施の形態の場合、第1の流路P1は、吸収材52に対して上流側に複数の支流路P1a、P1bを含んでいる。なお、本明細書において、「上流」および「下流」は、空気の流れに対して使用される。
複数の支流路P1a、P2aは、吸収材52に対して上流側で合流する。複数の支流路P1a、P1bそれぞれには、外気空気A3を加熱する第1および第2のヒータ58、60(以下、「ヒータ58、60」と略称するときがある)が設けられている。
第1および第2のヒータ58、60は、同一の加熱能力を備えるヒータであってもよいし、異なる加熱能力を備えるヒータであってもよい。また、第1および第2の加熱ヒータ58、60は、電流が流れて温度が上昇すると電気抵抗が増加する、すなわち過剰な加熱温度の上昇を抑制することができるPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが好ましい。ニクロム線やカーボン繊維などを用いるヒータの場合、電流が流れ続けると加熱温度(表面温度)が上昇し続けるため、その温度をモニタリングする必要がある。PTCヒータの場合、ヒータ自体が加熱温度を一定の温度範囲内で調節するために、加熱温度をモニタリングする必要がなくなる。
第1の流路P1には、室内機20内に向かう外気空気A3の流れを発生させる第1のファン(吸着ファンとも呼ばれる)62が設けられている。本実施の形態の場合、第1のファン62は、吸収材52に対して下流側に配置されている。第1のファン62が作動することにより、外気空気A3が、室外Routから第1の流路P1内に流入し、吸収材52を通過する。
また、第1の流路P1には、第1の流路P1を流れる外気空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)または室外Routに振り分ける第1のダンパ装置64が設けられている。本実施の形態の場合、第1のダンパ装置64は、第1のファン62に対して下流側に配置されている。第1のダンパ装置64によって室内機20に振り分けられた外気空気A3は、換気導管56を介して室内機20内に入り、ファン24によって室内Rinに吹き出される。
さらに、第1の流路P1には、第2のダンパ装置66が設けられている。本実施の形態の場合、第2のダンパ装置66は、吸収材52と第1のファン62との間に配置されている。詳細は後述するが、第2のダンパ装置66は、第1の流路P1を選択的に閉じる。
さらにまた、第1の流路P1には、第3の流路P3が接続されている。第3の流路P3は、第1のファン62と第2のダンパ装置66との間の第1の流路P1の部分と第1のダンパ装置64に対して下流側の部分とを接続している。第3の流路P3には、第3のダンパ装置68が設けられている。詳細は後述するが、第3のダンパ装置68は、第3の流路P3を選択的に閉じる。
第2の流路P2は、外気空気A4が流れる流路である。第1の流路P1を流れる外気空気A3と異なり、第2の流路P2を流れる外気空気A4は、室内機20に向かうことはない。第2の流路P2を流れる外気空気A4は、吸収材52を通過した後、室外Routに流出する。
第2の流路P2には、外気空気A4の流れを発生させる第2のファン(再生ファンとも呼ばれる)70が設けられている。本実施の形態の場合、第2のファン70は、吸収材52に対して下流側に配置されている。第2のファン70が作動することにより、外気空気A4が、室外Routから第2の流路P2内に流入し、吸収材52を通過し、そして室外Routに流出する。
換気装置50は、吸収材52、モータ54、第1のヒータ58、第2のヒータ60、第1のファン62、第1のダンパ装置64、第2のダンパ装置66、第3のダンパ装置68、および第2のファン70を選択的に使用して換気運転、給気加湿運転(以下、加湿運転と略した場合がある)、および除湿運転(以下、給気除湿運転と呼ぶ場合がある)を選択的に実行する。なお、換気運転には、給気換気運転と排気換気運転が含まれる。
図4Aは、換気運転中の換気装置の概略図である。
給気換気運転は、換気導管56を介して外気空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図4Aに示すように、給気換気運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、OFF状態であって、外気空気A3を加熱していない。第1のファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を外気空気A3が流れている。第1のダンパ装置64は、第1の流路P1内の外気空気A3を室内機20に振り分ける。第2のダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、外気空気A3が吸収材52から第1のファン62に向かって流れる。第3のダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、外気空気A3は第3の流路P3を流れない。第2のファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に外気空気A4の流れが発生していない。
このような給気換気運転によれば、外気空気A3は、第1の流路P1に流入し、第1および第2のヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。吸収材52を通過した外気空気A3は、第1のダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。第1のダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した外気空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような換気運転により、外気空気A3がそのまま室内Rinに供給され、室内Rinが換気される。
図4Bは、排気換気運転中の換気装置の概略図である。
排気換気運転は、室内空気A1を室外Routに排出する空調運転である。図4Bに示すように、排気換気運転中、モータ54は、OFF状態であって、吸収材52は回転していない。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、OFF状態である。第1のファン62はON状態であって、それにより、室内空気A1が、換気導管56および第3の流路P3を通過し、第1のファン62に向かって流れる。第1のダンパ装置64は、第1の流路P1内の室内空気A1を室外Routに振り分ける。第2のダンパ装置66は、閉じた状態であって、それにより、室内空気A1が吸収材52に向かって流れない。第3のダンパ装置68は、開いた状態であって、それにより、室内空気A1が、第3の流路P3を介して第1のファン62に向かって流れる。第2のファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に外気空気A4の流れが発生していない。
このような排気換気運転によれば、第1のファン62がON状態のとき、室内空気A1が、換気導管56および第3の流路P3を介して、吸収材52と第1のファン62との間の第1の流路P1の部分に流入する。このとき、第2のダンパ装置66が閉じた状態であるため、室内空気A1が吸収材52に向かって流れない。第1のファン62を通過した室内空気A1は、ダンパ装置64によって室外Routに振り分けられ、室外Routに排出される。その結果、室内Rinが換気される。
なお、第3の流路P3により、排気換気運転中、第1のファン62は、給気換気運転のときと同一の回転方向で回転することができる。その結果、第1のファン62として、シロッコファンを使用することができる。
図5は、給気加湿運転中の換気装置の概略図である。
給気加湿運転は、外気空気A3を加湿し、その加湿された外気空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図5に示すように、加湿運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、ON状態であって、外気空気A3を加熱している。第1のファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を外気空気A3が流れている。第1のダンパ装置64は、第1の流路P1内の外気空気A3を室内機20に振り分ける。第2のダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、外気空気A3が吸収材52から第1のファン62に向かって流れる。第3のダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、外気空気A3は第3の流路P3を流れない。第2のファン70は、ON状態であって、それにより第2の流路P2内を外気空気A4が流れている。
このような加湿運転によれば、外気空気A3は、第1の流路P1に流入し、第1および第2のヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された外気空気A3は、加熱されていない場合に比べて、吸収材52からより多量の水分を奪うことができる。それにより、外気空気A3が多量の水分を担持する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する外気空気A3は、第1のダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。第1のダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した外気空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような加湿運転により、多量の水分を担持する外気空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが加湿される。
なお、第1のヒータ58と第2のヒータ60のいずれか一方をOFF状態にすることによって外気空気A3が吸収材52から奪う水分量を少なくする、すなわち室内Rinの加湿量が少ない弱加湿運転が実行されてもよい。すなわち、ヒータ58、60の作動本数を減少させることによって弱加湿運転が実行されてもよい。
加熱された外気空気A3に水分が奪われることにより、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥する。吸収材52が乾燥すると、第1の流路P1を流れる外気空気A3は吸収材52から水分を奪うことができない。その対処として、吸収材52は、第2の流路P2を流れる外気空気A4から水分を奪う。それにより、吸収材52の保水量がほぼ一定に維持され、加湿運転を継続することができる。
上述の冷凍サイクルによる空調運転(冷房運転、除湿運転(弱冷房運転)、暖房運転)と換気装置50による空調運転(換気運転、加湿運転等)は、別々に実行可能であり、また同時に実行することも可能である。
空気調和機10が実行する空調運転は、ユーザによって選択される。例えば、図2に示すリモートコントローラである端末装置80に対するユーザの選択操作により、その操作に対応する空調運転を空気調和機10は実行する。
ここまでは、本実施の形態に係る空気調和機10の構成および動作について概略的に説明してきた。ここからは、本実施の形態に係る空気調和機10、制御方法、プログラム、および記憶媒体の特徴について説明する。
なお、以上では、排気換気と給気換気ともできる換気装置50を説明したが、本開示の給気加湿制御に関する制御方法は、排気換気が不可な換気装置50および当該換気装置50を含む空気調和機10にも適用できる。すなわち、排気換気機能の有無にかかわらず、給気加湿機能を有する換気装置50であれば本開示の制御方法に適用可能である。
<空気調和機10の制御方法>
制御部12は空気調和機10の制御方法を実行する。当該制御方法によれば、給気加湿運転を原因とする、換気導管内の結露現象を抑えることができ、結露水による騒音を抑えることができる。
給気加湿運転において、換気装置50は、図5に関連する説明のように、吸収材52、モータ54、換気導管56、ヒータ58、60および第1のファン62等を用いて、水分を担持した外気空気を制御空間に供給する。そして、給気加湿運転において、制御部12は、換気装置50による加湿量が過多にならないよう、以下の制御方法を実行する。
図6は、実施の形態1における制御方法のフローチャートであり、当該制御方法はステップS100~ステップS300を含む。1つの実施例において、制御部12は、空気調和機10がユーザの指令より給気加湿モードに入ってから、ステップS100~ステップS300を実行することによって加湿機能を発揮してもよい。もう1つの実施例において、制御部12は、情報に基づいて加湿ニーズがあると判定し、自動的に給気加湿モードに入り、ステップS100~ステップS300を実行してもよい。
まず、給気加湿運転において、制御部12は、換気装置50の換気導管56の制御空間側に設けられた第1のセンサ14aによって、第1の湿度値を取得する(ステップS100)。第1のセンサ14aは、換気導管56内の湿度を検出するためのセンサであり、第1のセンサ14aが出力する第1の湿度値は、換気導管内の湿度として利用される。
図7Aおよび図7Bは、第1のセンサ14aが設けられた場所を示す概略図であり、図7Bは図7Aの一部の拡大図である。図7Aおよび図7Bにおいて、第1のセンサ14aは、ハッチングした四角で表され、換気導管56の制御空間側にある第1の領域R1に設けられている。換気導管56の制御空間側は、給気時の外気空気の出口側である。換気導管56の制御空間側の出口にノズル(未図示)が取り付けられた場合、第1のセンサ14aは、換気導管56に接続されたノズルの出口の付近に設けられ得る。第1のセンサ14aは、その全体が換気導管56およびノズルの外に設けられてもよく、一部だけ換気導管56またはノズルの内部に設けられてもよい。換気導管56内とその出口の付近の、供給される外気空気の温湿度の差が基本的にはないと考えられる。そのため、第1のセンサ14aが換気導管56またはノズルの外に設けられる場合、出口の付近に設けられれば、第1のセンサ14aが出力する第1の湿度値は換気導管内の湿度として利用可能である。
次に、制御部12は、取得した第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であるかを判定する(ステップS200)。第1の湿度閾値は、加湿量が過多であるか否かを判定する基準であり、例えば、85%、90%、95%であってもよい。外気空気の湿度が第1の湿度閾値以上になると、換気導管56内で結露するまたはすでに結露している可能性が高い。そのため、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、制御部12は、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低くなるように、換気装置50の加湿量を減少させる(ステップS300)。
制御部12は、換気装置50の様々な部品を制御することによって、換気装置50の加湿量を減少させることができる。1つの実施例において、制御部12は、モータ54の回転数を減少することによって、換気装置50の加湿量を減少させてもよい。モータ54の回転数が低いほど、吸収材52から供給の外気空気に入る水分が少なくなり、制御空間への加湿量が少なくなる。
図8は、実施の形態1における換気装置50のモータ54の制御のシミュレーション結果の一例であり、図9は、実施の形態1における換気装置50のモータ54の制御例である。図8のシミュレーション結果に示されたように、モータ54の回転数の増加に応じて、第1のセンサ14aによって検出された第1の湿度値が高くなる。このような関係を用いれば、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低いようにするための、モータ54の回転数の上限値が得られる。よって、換気装置50の他の部品の設定を変えずにモータ54の回転数で加湿量を制御する場合、回転数を当該上限値より低く設定すれば、加湿量を抑えることができる。
図9の例示において、制御部12は、第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、モータ54の現在の回転数を第1の回転数ΔR1だけ減少させることによって、換気装置50の加湿量を減少させる。第1の回転数ΔR1は、実験結果(シミュレーション結果)に基づいて設定され得て、例えば、0.1pps/min、0.2pps/min、0.5pps/min、1pps/min、2pps/minであってもよい。
なお、実験結果によって、第1の湿度値とモータ54の回転数との関係は、換気導管56の長さによって異なることが分かった。同じ回転数に対して、短い換気導管56と比べると、長い換気導管56の出口側(制御空間側)で検出される第1の湿度値が高い。よって、モータ54の回転数の上限値や回転数の減少幅は、換気導管56の長さに応じて変更されてもよい。
1つの実施例において、制御部12は、ヒータ58、60の作動本数を減少することによって、換気装置50の加湿量を減少させる。例えば、制御部12は、加湿運転時の作動本数を2本から1本に減少し、第1のヒータ58または第2のヒータ60を作動させてもよい。給気加湿運転において、外気空気は、ヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過し、加熱される。外気空気は、吸収材52を通過するときの温度が高ければ、吸収材52からより多量の水分を奪うことができ、加湿量が高くなる。よって、ヒータ58、60の作動本数を減少すると、吸収材52を通過する外気空気の温度が低くなり、加湿量が減少する。
また、ヒータ58、60の作動本数を減少せずに、その温度を下降させることによって、換気装置50の加湿量を減少させることができる。ヒータ58、60がPTCヒータである場合、電圧を低下させることによって、その温度を下降させ、換気装置50の加湿量を減少させることができる。
1つの実施例において、制御部12は、第1のファン62の回転数を減少することによって、換気装置50の加湿量を減少させる。第1のファン62の回転数を減少すると、制御空間に供給される外気空気の量(すなわち、換気量)、および外気空気によって制御空間に供給される水分が減少し、加湿量が減少する。
ヒータ58、60の温度の下降量、PTCヒータの電圧の低下量、または第1のファン62の回転数の減少量について、実験データ等に基づいて設定され得る。また、上述した加湿量を減少させる様々な手段は併用できる。例えば、制御部12は、モータ54の回転数を減少するとともにヒータ58、60の作動本数を減少してもよく、モータ54および第1のファン62の回転数をともに減少してもよい。注意すべきことに、実際の加湿量を計算しなくても、上述のように換気装置50の加湿量を減少させることができる。
1つの実施例において、制御部12は、加湿ニーズに応じた加湿量を確保するために、第1の湿度値に基づいて、加湿量を増加することもできる。図10は、実施の形態1における制御方法の一例のフローチャートである。図10の実施例において、制御方法は、上述したステップS100~ステップS300の他、ステップS410とステップS420とをさらに含む。
ステップS200で第1の湿度値が第1の湿度閾値より低いと判定した場合、制御部12は、第1の湿度値が第2の湿度閾値よりも低いか否かを判定する(ステップS410)。第2の湿度閾値が第1の湿度閾値よりも低い。第2の湿度閾値は、加湿量が足りているか否かを判定する基準であり、例えば、50%、70%、75%、80%、85%であってもよい。第1の湿度値が第2の湿度閾値よりも低いと判定した場合、制御部12は、第1の湿度値が第2の湿度閾値以上になるように、換気装置50の加湿量を増加させる(ステップS420)。
制御部12は、モータ54の回転数を増加する、ヒータ58、60の作動本数を増加する、または、第1のファン62の回転数を増加することによって、換気装置50の加湿量を増加させてもよい。例えば、図9に示されたように、第1の湿度値が第2の湿度閾値よりも低いと判定した場合、制御部12は、現在のモータ54の回転数を第2の回転数ΔR2だけ増加させることによって、換気装置50の加湿量を増加させてもよい。また、例えば、制御部12は、ヒータ58、60の作動本数を1本から2本に増加し、第1のヒータ58と第2のヒータ60とも作動させてもよい。
1つの実施例において、制御部12は、換気装置50の加湿量を増減させる際に、段階的に増減させる。図9の例示において、加湿量を減少すべきかを判断するための閾値が複数(第1の湿度閾値、および第1の湿度閾値よりも高い第3の湿度閾値)設定される。第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であるが第3の湿度閾値よりも低い場合、制御部12は現在のモータ54の回転数を第1の回転数ΔR1だけ減少させる。一方、第1の湿度値が第3の湿度閾値以上である場合、制御部12は現在のモータ54の回転数を第3の回転数ΔR3だけ減少させ、第3の回転数ΔR3は第1の回転数ΔR1よりも大きい。すなわち、加湿量が過多である判定したとき、第1の湿度値が高いほど、より大きい幅で加湿量を減少させる。
これにより、制御部12は、換気装置50による加湿量が過多にならないような制御の処理を完了する。このようにすれば、給気加湿運転を原因とする、換気導管内の結露現象を抑えることができ、結露水による騒音を抑えることができる。給気加湿運転/給気加湿モード中に、制御部12は周期的にステップS100~ステップS300を繰り返して実行してもよい。なお、本開示の制御方法および加湿制御は、室外温度または室外湿度を利用せずに実行可能であるため、制御空間外の室外温度または室外湿度を取得しなくてもよい。
1つの実施例において、空気調和機10は、上述したような制御方法を実行するために使用されるプログラムを有する。当該プログラムは、制御方法を空気調和機10の制御部12に実行させる。
1つの実施例において、空気調和機10は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を有する。当該コンピュータプログラムがプロセッサ(制御部12)によって実行されるときに、本開示の制御方法が実現される。当該記憶媒体は、空気調和機10の記憶部11と同じであってもよく、記憶部11に含まれてもよく、記憶部11と異なる部品であってもよい。
《実施の形態2》
<吸収材52の温度に基づく給気加湿制御>
実施の形態2において、吸収材52の耐久性および利用性を高めるために、給気加湿制御と吸収材52の温度制御とを行う。より具体的にいうと、制御部12は、第1の湿度値の他、さらに吸収材52の温度に基づいて、空気調和機10の換気装置50の加湿量を制御することができる。
吸収材52には適切な作業温度範囲がある。例えば、高分子収着材によって形成された吸収材52は、80℃以下の温度で水分を吸収できるが、80℃で作動させる場合よりも、60℃以下の温度で作動させれば、耐久性および利用性を向上させることができる。吸収材52は、一定温度以上になると、劣化して耐久性が低下し、信頼性が低下する。また、材質によって、一定温度以上になると、吸収材52は酢酸臭などの異臭が発生することがあるため、利用性が低下する。実施の形態2において、このような問題を回避するために、制御部12は吸収材52の温度を監視しつつ給気加湿制御を行う。
図11は、実施の形態2における制御方法の一例のフローチャートである。図11のステップS100~ステップS300は、実施の形態1の図6のステップS100~ステップS300と同様であり、ここで重複する説明を割愛する。図11の実施例において、制御方法は、ステップS510~ステップS530をさらに含む。
制御部12は、換気導管56の換気装置側、かつ吸収材52に対して下流側に設けられた第2のセンサ14bによって、第1の温度値を取得する(ステップS510)。ここで、吸収材52に対して下流側に設けられた第2のセンサ14bが出力する第1の温度値を、吸収材52の温度として利用する。
図12Aおよび図12Bは、第2のセンサ14bが設けられた場所を示す概略図であり、図12Bは図12Aの一部の拡大図である。図12Aおよび図12Bにおいて、第2のセンサ14bは、ハッチングした四角で表され、換気導管56の換気装置側、かつ吸収材52に対して下流側にある第2の領域R2に設けられている。換気導管56の換気装置側は、換気導管56に対して給気時の外気空気の入口側である。吸収材52に対して下流側は、吸収材52に対して給気時の外気空気の出口側である。第2のセンサ14bは、その全体が換気導管56および吸収材52の外に設けられてもよく、一部だけ換気導管56の内部または吸収材52のカバーの内部に設けられてもよい。
制御部12は、第2のセンサ14bによって取得した第1の温度値が第1の温度閾値以上であるかを判定する(ステップS520)。第1の温度閾値は、吸収材52の材質に設定され得て、例えば、50℃、53℃、55℃、58℃、60℃であってもよい。第1の温度値が第1の温度閾値以上であると判定した場合、制御部12は、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低くなるように、換気装置50の加湿量を調整させる(ステップS530)。ステップS530において、制御部12は、第1の湿度値および第1の温度値に基づいて換気装置50の加湿量を増減(調整)させる。実施の形態1で説明したように、制御部12は、換気装置50のモータ54の回転数、ヒータ58、60の作動本数、および/または第1のファン62の回転数を増減させることによって、加湿量を増減させることができる。
以下、換気装置50のモータ54の回転数を増減させることによって、加湿量を増減させる例示を用いて説明する。しかしながら、制御部12は、他の制御パラメータと第1の湿度値および第1の温度値との関係に基づいて加湿量を増減させてもよい。
図13は、実施の形態2における換気装置50のモータ54の回転数と第1の湿度値と第1の温度値との関係を表す図である。前述したように、モータ54の回転数が減少すると、加湿量が減少し、第1の湿度値も減少する。一方、モータ54の回転数が減少すると、第1の温度値が上昇し、すなわち、吸収材52の温度が上昇する。制御部12は、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低く、かつ、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低いように、所定の設定範囲内でモータ54の回転数を制御する。
図14は、実施の形態2における換気装置のモータの制御のシミュレーション結果の一例である。制御部12は、第1の温度閾値に基づいてモータ54の回転数の下限値を設定してもよい。図8に示されたように、第1の湿度値とモータ54の回転数との対応関係によれば、第1の湿度閾値に対応する回転数の上限値が得られる。同じ手法で、第1の温度値とモータ54の回転数との対応関係によれば、第1の温度閾値に対応する回転数の下限値が得られる。他の制御パラメータを変更しなくても、モータ54の回転数をこのように得た上限値と下限値との間の範囲に設定すれば、適切な第1の湿度値および適切な第1の温度値が得られる。すなわち、加湿量が過多にならないで、かつ、吸収材52の信頼性および利用性を損なわないように吸収材52の温度を保つことができる。
図15は、実施の形態2における換気装置50のモータ54の制御例である。図15の例示において、制御部12は、第1の温度値が第1の温度閾値以上であると判定した場合、モータ54の現在の回転数を第4の回転数ΔR4だけ増加させることによって、換気装置50の加湿量を増加させる。第4の回転数ΔR4は、実験結果(シミュレーション結果)に基づいて設定され得て、例えば、1pps/min、2pps/min、5pps/min、または10pps/minであってもよい。
1つの実施例において、制御部12は、換気装置50の加湿量を調整させる際に、加湿量を段階的に増減させる。図15の例示において、加湿量を増加すべきかを判断するための閾値が複数(第1の温度閾値、および第1の温度閾値よりも高い第2の温度閾値)設定される。第1の温度値が第1の温度閾値以上かつ第2の温度閾値よりも低い場合、制御部12は現在のモータ54の回転数を第4の回転数ΔR4だけ増加させる。一方、第1の温度値が第2の温度閾値以上である場合、制御部12は現在のモータ54の回転数を第5の回転数ΔR5だけ増加させ、第5の回転数ΔR5は第4の回転数ΔR4よりも大きい。すなわち、吸収材52の温度が高温になっていると判定したとき、第1の温度値が高いほど、より大きい幅で加湿量を増加させる。
制御部12は、吸収材が適切な作業温度にあるか否かを表す第3の温度閾値をさらに設定してもよい。第3の温度閾値は、例えば、45℃、48℃、50℃、53℃または55℃であってもよい。第1の温度値が第3の温度閾値以下であると判定した場合、すなわち、吸収材52の温度が安全だと見られる場合、制御部12はモータ54の回転数をそのままに維持してもよい。
図11の実施例において、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低いと判定してから(ステップS520で「NO」)、加湿量が過多になっている否かを判定する(ステップS200)。すなわち、加湿量が過多よりも、吸収材52の温度を比較的低く維持することを優先的に考慮する。しかしながら、制御部12は逆に加湿量が過多にならないように維持することを優先的に考慮するように、ステップS200をステップS520の前に実行してもよい。
第1の湿度値とモータ54の回転数との関係は、換気導管56の長さによって異なる。実験データによると、同じ第1の湿度閾値に対して、比較的短い換気導管56に対応する回転数は、比較的長い換気導管56に対応する回転数よりも高い。すなわち、第1の湿度値を同じ第1の湿度閾値よりも低く維持するための回転数の上限値について、比較的長い換気導管56の上限値が比較的低い。よって、比較的長い換気導管56を有する空気調和機10に対して、回転数が設定可能な設定範囲は比較的狭い。換気導管56の長さによって、モータ54の回転数の増減だけで、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低く、かつ、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低いように対応することが難しい場合がある。このような場合において、制御部12は、モータ54の回転数を増減させるとともにヒータ58、60の作動本数を増減させることによって、加湿量を増減させてもよい。
図16は、実施の形態2における制御方法の一例のフローチャートである。図16の実施例において、上述したステップS300はステップS310~ステップS330を含む。すなわち、第1の湿度値が第1の温度閾値以上であると判定した場合、制御部12は、モータ54の回転数を減少し(ステップS310)、換気装置50の加湿量の減少を試みる。そして、制御部12は、モータ54の回転数を減少させた後、第1の湿度値が依然として第1の湿度閾値以上であるかを判定する(ステップS320)。第1の湿度値が依然として第1の湿度閾値以上である場合、制御部12はさらに、ヒータ58、60の作動本数を減少し(ステップS330)、換気装置50の加湿量の減少を試みる。
図17Aは、実施の形態2における換気装置50のモータ54とヒータ58、60との制御のシミュレーション結果の一例である。図17Bは、実施の形態2における換気装置50のモータ54とヒータ58、60との制御のシミュレーション結果の一例である。図17Aと図17Bとは、同じ長さの換気導管56を用いたシミュレーション結果である。図17Aでは、白抜きの三角形で表される折れ線は、ヒータ58、60の作動本数が1本のときの、第1の湿度値とモータ54の回転数との関係を示す。図17Aでは、塗りつぶしの三角形で表される折れ線は、ヒータ58、60の作動本数が2本のときの、第1の湿度値とモータ54の回転数との関係を示す。図17Bでは、白抜きの三角形で表される折れ線は、ヒータ58、60の作動本数が1本のときの、第1の温度値とモータ54の回転数との関係を示す。図17Bでは、塗りつぶしの三角形で表される折れ線は、ヒータ58、60の作動本数が2本のときの、第1の温度値とモータ54の回転数との関係を示す。
ヒータ58、60の作動本数を減少すると、吸収材52を通過する外気空気の温度が低くなり、加湿量が減少する。作動本数が2本から1本になったとき、回転数の上限値が少し降下したが、ヒータ58または60によって加熱される吸収材52の温度がかなり降下し、回転数の下限値がかなり降下した。そのため、回転数が設定可能な設定範囲が広くなり、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低く、かつ、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低いように制御することが容易になる。
また、制御部12は、モータ54の回転数と第1の湿度値と第1の温度値との関係に基づいて、モータ54の回転数を実際に減少させる前に、回転数を減少するだけで加湿量を適切に調整できないか否かを判定することができる。この場合、制御部12は、ステップS320を省略し、ステップS310とステップS330とを合併して実行してもよい。すなわち、ヒータ58、60の作動本数を維持したままでは加湿量を適切に調整できない場合、制御部12は、作動本数を減少させてから、モータ54の回転数を増減させる。
これにより、吸収材52の温度を考慮した給気加湿制御を完了する。このようにすれば、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低く、かつ、第1の温度値が第1の温度閾値よりも低い範囲内で加湿量を調整することができる。よって、加湿量が過多になることなく、換気導管内の結露現象を抑えることができるとともに、吸収材52の信頼性(耐久性)および利用性を確保することができる。このような制御は、低い加熱温度で担持する水分を脱着できる高分子収着材には好適である。
《実施の形態3》
<加湿量の計算および加湿量に基づく給気加湿制御>
実施の形態3において、制御部12は、換気装置50による加湿量を計算し、当該計算した加湿量が過多になっているか否かを判定することができる。制御部12は、計算した加湿量に基づいて、換気装置50の様々な部品を制御して加湿量を増減させることができる。
図18は、実施の形態3における制御方法の一例のフローチャートである。図18のステップS100~ステップS300は、実施の形態1の図6のステップS100~ステップS300と同様であり、ここで重複する説明を割愛する。図18の実施例において、制御方法は、ステップS610~ステップS630をさらに含む。
図18の実施例において、制御部12は、第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低いと判定しても(ステップS200で「NO」)、さらに加湿量を計算して当該加湿量が過多になっているか否かを判定する。制御部12は、制御空間の絶対湿度、および第1のファン62の回転数に基づいて、換気装置50の加湿量を判定する(ステップS610)。
以下、加湿量の計算方法の一例についてより詳細に説明する。制御部12はまず、換気導管56の長さに基づいて第1のファン62の回転数を判定する。第1のファン62の回転数を高くすると、換気導管56内に外気空気を制御空間に押す力が大きくなるため、比較的長い換気導管56を用いられても外気空気を供給することができる。また、換気量(送風量)は第1のファン62の回転数の増加に応じて増加する。よって、制御部12は、換気導管56の長さおよび設定したい換気量に基づいて、第1のファン62の回転数を設定してもよい。例えば、空気調和機10の記憶部11は、少なくとも1つの長さに対応する、第1のファン62の回転数と換気量との関係式または対照表を記憶する。制御部12は、換気導管56の長さに基づいて対応する関係式または対照表を選択し、選択した関係式または対照表に基づいて第1のファン62の回転数を判定する。一般的に、空気調和機10の取り付けが完了したら、換気導管56の長さが固定されるため、関係式または対照表の選択は初めて第1のファン62の回転数を設定するときにして、その後は同じ関係式または対照表を利用すればよい。
次に、制御部12は制御空間の絶対湿度を取得する。制御部12は、第3のセンサ14cおよび/または他のセンサ14によって、制御空間の室内湿度および室内温度を取得し、当該室内湿度および室内温度に基づいて制御空間の絶対湿度を計算してもよい。また、制御部12は、絶対湿度センサによって、制御空間の絶対湿度を直接的に取得してもよい。加湿量(kg/h)は、空気密度(約1.2kg(DA)/m)と換気量(m/h)と絶対湿度(kg/kg(DA))との積として計算され得る。制御部12はこの数式を簡略化して加湿量を計算してもよい。このようにして、ステップS610で、制御部12は、制御空間の絶対湿度、および第1のファン62の回転数に基づいて、換気装置50の加湿量を判定することができる。
制御部12は、ステップS610で判定した加湿量が加湿量閾値以上であるかを判定する(ステップS620)。加湿量が加湿量閾値以上であると判定した場合、加湿量が過多と考えられ、制御部12は、加湿量が加湿量閾値よりも低くなるように、換気装置50の加湿量を減少させる(ステップS630)。加湿量を減少させる手段として、例えば、実施の形態1で説明した、換気装置50のモータ54の回転数、ヒータ58、60の作動本数、および/または第1のファン62の回転数を減少させることができる。制御部12は、換気装置50のこれらの部品に対してフィードバック制御を行うことによって、加湿量を減少させることができる。
なお、制御部12は、ステップS610で判定した加湿量が不足しているか否かを判定し、不足と判定した場合に加湿量を増加してもよい。例えば、制御部12は、加湿量が上述した加湿量閾値よりも低い第2の加湿量閾値より少ないか否かを判定する。加湿量が第2の加湿量閾値より少ないと判定した場合、制御部12は、モータ54の回転数、ヒータ58、60の作動本数、および/または第1のファン62の回転数を増加させることによって、加湿量を増加させてもよい。
これにより、加湿量の計算および加湿量に基づく給気加湿制御は完了する。第1の湿度値の他、計算した加湿量にも考慮して給気加湿制御を行うので、さらに正確に加湿量の過多を判定することができ、より適切な加湿制御ができる。
《実施の形態4》
<制御空間に対する設定湿度値に基づく給気加湿制御>
実施の形態3において、制御部12は、給気加湿運転に関連する設定湿度値に基づいて換気装置50の加湿量を制御することができる。より具体的にいうと、制御空間内の湿度が設定湿度閾値に達しているか否かに基づいて、加湿量を増減させることができる。
図19は、実施の形態4における制御方法の一例のフローチャートである。図19のステップS100~ステップS300は、実施の形態1の図6のステップS100~ステップS300と同様であり、ここで重複する説明を割愛する。図19の実施例において、制御方法は、ステップS710~ステップS740をさらに含む。
第1の湿度値が第1の湿度閾値よりも低いと判定した場合は(ステップS200で「NO」)、換気導管56内に結露している可能性が低いと考えられる。この場合、制御部12は、快適な制御空間を保つために、設定湿度値に基づいて給気加湿制御を行ってもよい。制御部12は、第3のセンサ14cによって、制御空間の室内湿度である第2の湿度値を取得し(ステップS710)、給気加湿運転に関連する設定湿度値も取得する(ステップS720)。本開示における設定湿度値とは、ユーザが空気調和機10のコントローラや空気調和機10と関連付けられたスマートフォン等を介して入力したユーザ設定湿度値であってもよく、空気調和機10が実際に運転する内部設定湿度値であってもよい。制御部12は、設定湿度値を記憶部11から読み出すことによって、設定湿度値を取得してもよい。
次に、制御部12は、第2の湿度値が設定湿度値以上であるかを判定する(ステップS730)。第2の湿度値が設定湿度値以上であると判定した場合、制御部12は、第2の湿度値が設定湿度値よりも低くなるように、換気装置50の加湿量を減少させる(ステップS740)。実施の形態1で説明したように、制御部12は、換気装置50のモータ54の回転数、ヒータ58、60の作動本数、および/または第1のファン62の回転数を減少させることによって、加湿量を減少させてもよい。
また、制御部12は、第2の湿度値が設定湿度値よりも低いと判定した場合、モータ54の回転数、ヒータ58、60の作動本数、および/または第1のファン62の回転数を増加させることによって、加湿量を増加させてもよい。
これにより、設定湿度値に基づく給気加湿制御は完了する。換気導管56内に結露している可能性が低いと判定した場合、設定湿度値に基づいて加湿量を増減させるため、制御空間を快適な湿度状態に保つことができる。
上述した実施の形態1~4の加湿制御の技術は組み合わせ得て、制御部12は、第1の湿度値、第2の湿度値、計算した加湿量、および/または設定湿度値に基づいて加湿ニーズを複合的に判断して加湿制御を行ってもよい。
以上は本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではない。本開示は図面および前述した具体的な実施の形態において前述された内容を含むが、本開示がそれらの内容に限定されるものではない。本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、開示された様々の実施の形態または実施例を組み合わせることができる。本開示の機能および構造原理から逸脱しない変更は特許請求の範囲内のものである。
10 空気調和機
11 記憶部
12 制御部
13 通信部
14 センサ
14a 第1のセンサ
14b 第2のセンサ
14c 第3のセンサ
20 室内機
22 室内熱交換器
24 ファン
30 室外機
32 室外熱交換器
34 ファン
36 圧縮機
38 膨張弁
40 四方弁
50 換気装置
52 吸収材
54 モータ
56 換気導管
58 第1のヒータ
60 第2のヒータ
62 第1のファン
64 第1のダンパ装置
66 第2のダンパ装置
68 第3のダンパ装置
70 第2のファン
80 端末装置
82 関連アプリケーション
92 サーバ
94 外部情報源
A1 室内空気
A2 外気空気
A3 外気空気
A4 外気空気
C1 回転中心線
P1 第1の流路
P2 第2の流路
P1a 支流路
P1b 支流路
Rin 室内
Rout 室外
R1 第1の領域
R2 第2の領域

Claims (12)

  1. 空気調和機であって、
    前記空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されており、外気空気を前記制御空間に供給するための換気導管を含む、換気装置と、
    制御部であって、前記換気装置による給気加湿運転において、
    前記換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得し、
    前記第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、前記第1の湿度値が前記第1の湿度閾値よりも低くなるように、前記換気装置の加湿量を減少させる
    ように構成された、前記制御部と、
    を含む、
    空気調和機。
  2. 前記換気装置は、前記外気空気に水分を担持させる吸収材をさらに含み、
    前記制御部は、
    前記換気導管の換気装置側、かつ前記吸収材に対して下流側に設けられた第2のセンサによって、第1の温度値を取得し、
    前記第1の温度値が第1の温度閾値以上であると判定した場合、前記第1の温度値が前記第1の温度閾値よりも低くなるように、前記換気装置の加湿量を調整させる、
    請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記換気装置は、
    前記外気空気に水分を担持させる吸収材と、
    前記吸収材を回転させるモータと、
    をさらに含み、
    前記制御部は、前記モータの回転数を減少することによって前記換気装置の加湿量を減少させるように構成されている、
    請求項1に記載の空気調和機。
  4. 前記換気装置は、前記吸収材を加熱する、複数のヒータをさらに含み、
    前記制御部は、前記ヒータの作動本数を減少することによって前記換気装置の加湿量を減少させるように構成されている、
    請求項3に記載の空気調和機。
  5. 前記換気装置は、
    前記外気空気に水分を担持させる吸収材と、
    前記吸収材に対して下流側に配置されており、外気空気に室外から前記吸収材を通過させて前記制御空間に流出させるように作動する第1のファンと、
    をさらに含み、
    前記制御部は、前記第1のファンの回転数を減少することによって前記換気装置の加湿量を減少させるように構成されている、
    請求項1に記載の空気調和機。
  6. 前記換気装置は、
    前記外気空気に水分を担持させる吸収材と、
    前記吸収材に対して下流側に配置されており、外気空気に室外から前記吸収材を通過させて前記制御空間に流出させるように作動する第1のファンと、
    をさらに含み、
    前記制御部は、前記給気加湿運転において、
    前記制御空間の絶対湿度、および前記第1のファンの回転数に基づいて、前記換気装置の加湿量を判定し、
    前記加湿量が加湿量閾値以上であると判定した場合、前記加湿量が前記加湿量閾値よりも低くなるように、前記換気装置の加湿量を減少させる
    ようにさらに構成されている、
    請求項1に記載の空気調和機。
  7. 前記空気調和機は、前記制御空間の室内湿度を検出するための第3のセンサをさらに含み、
    前記制御部は、前記給気加湿運転において、
    前記第3のセンサによって、前記制御空間の室内湿度である第2の湿度値を取得し、
    前記給気加湿運転に関連する設定湿度値を取得し、
    前記第2の湿度値が前記設定湿度値以上であると判定した場合、前記第2の湿度値が前記設定湿度値よりも低くなるように、前記換気装置の加湿量を減少させる
    ように構成されている、
    請求項1に記載の空気調和機。
  8. 前記制御部は、前記給気加湿運転において、
    前記第1の湿度値が第2の湿度閾値よりも低いと判定した場合、前記第1の湿度値が前記第2の湿度閾値以上になるように、前記換気装置の加湿量を増加させる
    ようにさらに構成されている、
    請求項1に記載の空気調和機。
  9. 前記換気装置は、
    前記外気空気に水分を担持させる吸収材と、
    前記吸収材を回転させるモータと、
    前記吸収材を加熱する、複数のヒータと、
    前記吸収材に対して下流側に配置されており、外気空気に室外から前記吸収材を通過させて前記制御空間に流出させるように作動する第1のファンと、
    をさらに含み、
    前記制御部は、
    前記モータの回転数を増加する、
    前記ヒータの作動本数を増加する、または、
    前記第1のファンの回転数を増加する
    ことによって、前記換気装置の加湿量を増加させるように構成されている、
    請求項8に記載の空気調和機。
  10. 換気装置を有する空気調和機の制御方法であって、前記換気装置は、前記空気調和機の空調制御の対象とする制御空間に、水分を担持した外気空気を供給する給気加湿運転を行うように構成されており、外気空気を前記制御空間に供給するための換気導管を含み、
    前記制御方法は、
    前記換気装置による給気加湿運転において、前記換気導管の制御空間側に設けられた第1のセンサによって、第1の湿度値を取得するステップと、
    前記第1の湿度値が第1の湿度閾値以上であると判定した場合、前記第1の湿度値が前記第1の湿度閾値よりも低くなるように、前記換気装置の加湿量を減少させるステップと、
    を含む、
    制御方法。
  11. 請求項10に記載の制御方法を空気調和機に実行させる、プログラム。
  12. コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項10に記載の制御方法が実現される、
    非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
JP2022169383A 2022-10-21 2022-10-21 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体 Pending JP2024061438A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022169383A JP2024061438A (ja) 2022-10-21 2022-10-21 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022169383A JP2024061438A (ja) 2022-10-21 2022-10-21 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024061438A true JP2024061438A (ja) 2024-05-07

Family

ID=90925664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022169383A Pending JP2024061438A (ja) 2022-10-21 2022-10-21 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024061438A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107883537B (zh) 新风机***及其控制方法、装置及计算机可读存储介质
CN107883532B (zh) 新风机与空调联动***及其控制方法、装置及存储介质
CN107883531B (zh) 新风机与空调联动***及其控制方法、装置及存储介质
CN107421079B (zh) 空调器及其控制方法、装置
JP5370452B2 (ja) 空調システム
JP7051489B2 (ja) 換気システム
JP6779653B2 (ja) 外気処理システム、外気処理システムの制御装置及び制御方法
WO2023042655A1 (ja) 空気調和機の換気制御方法、換気制御装置、およびプログラム
JP2006170517A (ja) 除加湿装置
JP2024061438A (ja) 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体
JPWO2009011362A1 (ja) 除加湿換気システム
JP5099099B2 (ja) 空気調和機
WO2023074486A1 (ja) 空気調和機の運転モードを決定するための決定方法、決定装置およびプログラム
WO2023074487A1 (ja) 除湿制御方法、空気調和機、およびプログラム
WO2023074724A1 (ja) 空気調和機、換気制御方法、およびプログラム
KR102459513B1 (ko) 공기조화기 및 공기조화기의 제어방법
JP2024057843A (ja) 空気調和機、制御方法、プログラム、および記憶媒体
JP7438997B2 (ja) 空気調和機
JP2024046347A (ja) 空気調和機、空気調和機の制御方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2015059731A (ja) 空気調和機
CN114623576B (zh) 加湿装置的控制方法、装置、存储介质及空调器
JP2024061409A (ja) 空気調和機、空気調和機の制御方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2024061404A (ja) 空気調和機、空気調和機の制御方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2024061401A (ja) 空気調和機、空気調和機の制御方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2024061413A (ja) 空気調和機、空気調和機の制御方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体