JP2024059093A - 金属精錬における中間排滓方法 - Google Patents

金属精錬における中間排滓方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024059093A
JP2024059093A JP2023174956A JP2023174956A JP2024059093A JP 2024059093 A JP2024059093 A JP 2024059093A JP 2023174956 A JP2023174956 A JP 2023174956A JP 2023174956 A JP2023174956 A JP 2023174956A JP 2024059093 A JP2024059093 A JP 2024059093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
furnace
shape
removal
refractory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023174956A
Other languages
English (en)
Inventor
新吾 佐藤
Shingo Sato
寛人 加瀬
Hiroto Kase
祐輔 島田
Yusuke Shimada
瑛 吉泉
Akira Yoshiizumi
典子 小澤
Noriko Ozawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2024059093A publication Critical patent/JP2024059093A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

【課題】転炉型精錬炉を傾動させて中間排滓するに際し、溶融金属の歩留りを低下させることなく、所定の量の溶融スラグを炉から短時間で速やかに排出することができる中間排滓方法を提供する。【解決手段】転炉型精錬炉を用いた金属精錬の中間排滓において炉体を傾動させる際に、実測した転炉型精錬炉の耐火物形状(但し、付着地金がある場合の耐火物形状を含む。)、好ましくは炉内形状または/および炉口形状を基に炉体の傾動角を制御する。転炉型精錬炉の耐火物形状を実測する際には、非接触型距離計による計測値または/および撮像装置による画像によりプロファイル測定を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、転炉型精錬炉を用いた金属精錬において、溶融スラグの少なくとも一部を炉から排出する中間排滓方法に関するものである。
近年、鋼材に対する要求品質は益々厳格化しており、珪素や燐といった不純物元素の低減が求められている。このような要求に対応するため、製鉄所の製鋼工程では、溶銑の段階で予め予備処理を実施し、溶銑中の珪素や燐をある程度除去することが一般的になっている。このプロセスでは、転炉型精錬炉(以下、転炉という)内の溶銑に脱珪処理を実施した後、炉体を傾動させて炉内の溶融スラグ(脱珪スラグ)の少なくとも一部を排出する中間排滓を行い、その後、炉内にCaO系媒溶剤を投入して溶銑に脱燐処理を実施する。このプロセスでは、脱珪処理後の中間排滓において、如何に短時間で多くの脱珪スラグを排出できるかが、操業上の重要なポイントとなる。
中間排滓において、脱珪スラグの排滓量を高めるために、例えば、炉体の傾動角度を大きくすると、脱珪スラグは多く排出されるが、脱珪スラグとともに溶銑も炉口から流出することになる。溶銑が流出することによって鉄の歩留りが低下してしまうため、むやみに炉体の傾動角度を大きくして中間排滓率を向上させることは好ましくない。
また、脱珪処理で発生する脱珪スラグの量が同じであっても、転炉内の耐火物形状(炉の使用によって損耗した耐火物の形状)によって脱珪スラグの湯面レベルが異なるため、脱珪スラグの排滓が開始される排滓開始角や排滓終了角(いずれも炉体の傾動角度)についても耐火物形状によって大きな違いを生じる。このため耐火物形状を考慮した中間排滓を行う必要がある。
従来技術として、例えば、特許文献1、2には、転炉炉回数で転炉の傾動角度を補正する方法が提案されている。また、特許文献3には、スラグの排滓が開始される傾動角度やスラグの全排出過程における精錬容器の最大傾動角度を用いて排出スラグの質量の推定を行う方法が提案されている。
特開2007-308773号公報 特開2017-106110号公報 特開2018-119195号公報
しかしながら、特許文献1、2では、転炉炉回数による耐火物形状については言及されているものの、炉代ごとや転炉の部位ごとの耐火物形状については言及されていない。実際の転炉操業では、炉代や部位ごとに損耗挙動は大きく異なっており、これらの影響を無視することはできない。また、特許文献3の方法では、操業時の耐火物の形状を考慮できるものの、排滓挙動に大きな影響を及ぼす炉口近傍の耐火物形状については考慮しておらず、大きな誤差を生じる可能性がある。
以上のことから特許文献1、2や特許文献3などの従来技術を用いても、鉄の歩留りを低下させることなく、所定の量の脱珪スラグを転炉から短時間で速やかに排出することは難しい。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、転炉型精錬炉を用いた金属精錬における中間排滓工程において、炉を傾動させることで溶融スラグの少なくとも一部を炉から排出するに際し、溶融金属の歩留りを低下させることなく、所定の量の溶融スラグを炉から短時間で速やかに排出することができる中間排滓方法を提供することにある。
本発明者らは、転炉型精錬炉における中間排滓工程おいて、転炉型精錬炉の耐火物形状が溶融スラグの排滓挙動に及ぼす影響について鋭意研究を行った結果、実測した耐火物形状を基に炉体の傾動角度を制御することで、溶融金属の歩留りを低下させることなく、所定の量の溶融スラグを炉から短時間で速やかに排出することが可能となることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]転炉型精錬炉(A)を用いた金属精錬における中間排滓工程において、炉体を傾動させることで溶融スラグの少なくとも一部を炉から排出するに際し、
実測した転炉型精錬炉(A)の耐火物形状(但し、付着地金がある場合の耐火物形状を含む。)を基に炉体の傾動角度を制御することを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[2]上記[1]の中間排滓方法において、実測した転炉型精錬炉(A)の耐火物形状が、炉内形状または/および炉口形状であることを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[3]上記[2]の中間排滓方法において、炉口形状は、付着地金を含む炉口形状であることを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[4]上記[2]または[3]の中間排滓方法において、転炉型精錬炉(A)の耐火物形状を実測するにあたっては、炉内形状を含む耐火物形状の測定と炉口形状のみの測定をそれぞれ行うとともに、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度を炉口形状のみの測定頻度よりも少なくすることを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[5]上記[1]~[4]のいずれかの中間排滓方法において、転炉型精錬炉(A)の耐火物形状を実測する際に、非接触型距離計による計測値または/および撮像装置による画像によりプロファイル測定を行うことを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[6]上記[1]~[5]のいずれかの中間排滓方法において、転炉型精錬炉(A)に投入した被精錬溶融物量および精錬剤量などに基づいて中間排滓時における炉内の溶融金属量と溶融スラグ量を算出し、この溶融金属量および溶融スラグ量と実測した耐火物形状に基づき、中間排滓の際に排滓が終了するときの炉体傾動角度である排滓終了角を求め、
中間排滓時には、前記排滓終了角に応じて炉体の傾動角度を制御することを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[7]上記[1]~[5]のいずれかの中間排滓方法において、転炉型精錬炉(A)に投入した被精錬溶融物量および精錬剤量などに基づいて中間排滓時における炉内の溶融金属量と溶融スラグ量を算出し、この溶融金属量および溶融スラグ量と実測した耐火物形状に基づき、中間排滓の際に排滓が開始するときの炉体傾動角度である排滓開始角と、排滓が終了するときの炉体傾動角度である排滓終了角を求め、
中間排滓時には、前記排滓開始角と排滓終了角に応じて炉体の傾動角度と傾動速度を制御することを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[8]上記[7]の中間排滓方法において、中間排滓時には、炉体の傾動開始から排滓開始角に至るまでの傾動速度に較べて、排滓開始後の傾動速度を低くするとともに、排滓開始後は排滓終了角に近くなるにしたがって傾動速度を低下させ、排滓終了角にて一定時間保持することを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
[9]1つの転炉型精錬炉(A)を用い、中間排滓を挟んで脱珪処理と脱燐処理をこの順序で行う溶銑予備処理方法において、
上記[1]~[8]のいずれかの中間排滓方法により前記中間排滓を行うことを特徴とする溶銑予備処理方法。
[10]上記[9]の溶銑予備処理方法による溶銑予備処理を経て溶鋼を得ることを特徴とする溶鋼の製造方法。
[11]1つの転炉型精錬炉(A)を用い、中間排滓を挟んで脱珪・脱燐処理と脱炭処理をこの順序で行う製鋼方法において、
上記[1]~[8]のいずれかの中間排滓方法により前記中間排滓を行うことを特徴とする製鋼方法。
本発明によれば、転炉型精錬炉を用いた金属精錬における中間排滓工程において、炉体を傾動させることで溶融スラグの少なくとも一部を炉から排出するに際し、溶融金属の歩留りを低下させることなく、所定の量の溶融スラグを炉から短時間で速やかに排出することが可能となる。
溶銑予備処理における中間排滓工程において脱珪スラグを転炉から排出している様子を表した説明図 転炉の使用回数による耐火物形状の変化を模式的に示した説明図 本発明法において、転炉の耐火物形状のプロファイル測定の実施状況の一例を模式的に示した説明図 所定の使用回数の転炉におけるスラグ高さに応じたスラグ体積(スラグ量)であって、耐火物の一様損耗を仮定した既存の算出法によるスラグ体積と、耐火物形状のプロフィルを実測し、そのプロフィルに基づいて算出されるスラグ体積を比較して示したグラフ 所定の使用回数の転炉において、耐火物の一様損耗を仮定した耐火物形状と実測の耐火物形状における炉体の傾動角度ごとの排滓挙動を示した説明図 転炉の使用回数による炉口を含む耐火物形状の変化を模式的に示した説明図 仮想実験における炉口を含む耐火物形状を示す説明図 本発明法において、転炉の炉口形状のプロファイル測定の実施状況の一例を模式的に示した説明図 炉口画像の輝度分布を模式的に示した説明図 炉内形状の計測結果に炉口形状の計測結果を合成して炉全体の耐火物形状を得る場合の一合成例を模式的に示す説明図 炉内形状の計測結果に炉口形状の計測結果を合成して炉全体の耐火物形状を得る場合の他の合成例を模式的に示す説明図 実施例1において、本発明例および比較例の平均の中間排滓率と中間排滓率のバラツキの幅を示したグラフ
図1は、溶銑予備処理における中間排滓工程において脱珪スラグを転炉から排出している様子を示している。図において、Aは転炉(転炉型精錬炉)、1は溶鉄(溶銑)、2は脱珪スラグ、3は転滓鍋、4は転滓台車である。
脱珪処理工程が終了した時点で、転炉A内の脱珪スラグ2は、上吹きランスから供給された酸素含有ガスと溶銑中の炭素との反応により発生したCOガス気泡が内包され、その見掛けの体積が気泡を含まない場合の数倍以上にも増大する、所謂、フォーミング状態となっている。この後、転炉Aを傾動させて炉口から脱珪スラグ2を炉下に設置した転滓鍋3に向けて排出する。
転炉Aの炉体は、吹錬を繰り返すことで耐火物の損耗が生じ、形状が次第に変化していく。図2(a)~(c)は、転炉Aの使用回数による耐火物形状(炉内形状および炉口形状)の変化を模式的に示したものである。図において、10は炉体を構成する耐火物であり、実線が各転炉使用回数での耐火物形状を示し、破線(図2(b)、(c)の破線)が使用回数0回(新炉)での耐火物形状を示している。転炉Aの使用回数が比較的少ない場合には、新炉に近い耐火物形状を示しているのに対し、転炉Aの使用回数が多くなると、局所的に耐火物の損耗が進み、不均一な損耗状態となる。この損耗状態は、転炉Aの炉代が変わるごとに変化し、また日々の操業状態によっても変化することになる。
そこで、本発明では、定期的に転炉Aの耐火物形状(但し、付着地金がある場合の耐火物形状を含む。)を実測し、炉体を傾動させて中間排滓を行う際に、その実測した耐火物形状を基に炉体の傾動角度の制御を行う。具体的には、上述したような日々変化する損耗状態を把握するために、非接触型距離計や撮像装置などの手段を用いて定期的(例えば毎日)に耐火物形状のプロファイル測定を行い、この測定で得られた耐火物形状の実測値に基づき、中間排滓時の炉体の傾動角度(排滓開始角、排滓終了角)を求め、これに基づき炉体の傾動角度の制御を行う。また、さらに必要に応じて、後述するように傾動速度の制御を行ってもよい。
図3は、耐火物形状のプロファイル測定の実施状況の一例を模式的に示すものであり、転炉Aの炉口aに向けて配置された非接触型距離計5(例えば、レーザ距離計など)を用いて耐火物形状のプロファイル測定を行う場合を示している。この場合には、転炉Aでの処理終了後に溶鉄の出鋼およびスラグの排滓を行い、しかる後、転炉Aの近くに配置された非接触型距離計5(図中、6は三脚)に炉口aが向くように転炉Aを傾動させる。図3に示すように、炉口aから炉内が観察できるまで炉体を傾動させた状態で、非接触型距離計5により炉内や炉口の複数の測定点までの距離を計測し、その計測値からプロファイル測定装置7で耐火物形状の実測データを取得する。
ここで、中間排滓時の炉体の傾動角度と排滓量との関係に影響を与える耐火物形状としては、炉内形状(炉内プロファイル)と炉口形状(炉口プロファイル)がある。転炉Aの炉口aは、耐火物の損耗が生じる一方で、地金(固化した溶鉄)が付着しやすく、この地金付着によっても形状や大きさが変化し、炉体の傾動角度と排滓量との関係に影響を与える。したがって、図3のような転炉Aの耐火物形状のプロファイル測定では、耐火物形状として、炉内形状または/および炉口形状が測定される。また、炉口aに地金が付着している場合には、測定される炉口形状は付着地金を含む炉口形状である。
また、耐火物形状のプロファイル測定を行う手段としては撮像装置を用いてもよく、例えば、図3における非接触型距離計5に代えて撮像装置を配置し、撮像装置により耐火物形状(炉内形状または/および炉口形状)のプロファイル測定を行い、耐火物形状の実測データを取得する。撮像装置で撮像された画像から耐火物形状の実測データを得る手法については、後述する。
本発明では、上記のようにして実測した耐火物形状を基に、中間排滓時の炉体の傾動角度を求め、その制御を行うものであるが、具体的には、例えば、次のような制御を行う。転炉に投入した溶銑量(被精錬溶融物量)、精錬剤量などから中間排滓時における炉内の溶鉄量とスラグ量が算出できる。この溶鉄量・スラグ量と実測された耐火物形状に基づき、転炉を傾動させていった際に排滓(スラグ排出)が開始するときの炉体傾動角度(排滓開始角)と排滓が終了するとき(溶鉄排出が開始する直前)の炉体傾動角度(排滓終了角)が求まる。したがって、中間排滓時には、この排滓終了角に至るまで転炉を徐々に傾動させるように炉体の傾動角度を制御する。このように、実測された耐火物形状に基づいて求められた排滓終了角に応じて炉体の傾動角度を制御することにより、できるだけ溶鉄を排出させずに多くのスラグを速やかに排出する(排滓する)ことができる。
また、好ましくは、中間排滓時に、排滓開始角と排滓終了角に応じて炉体の傾動角度と傾動速度を制御する。例えば、中間排滓時には、排滓終了角に至るまで転炉を徐々に傾動させるように炉体の傾動角度を制御するが、前期吹錬終了後の炉体の傾動開始(傾動角度0度の直立状態からの傾動開始)から排滓開始角に至るまでの傾動速度に較べて、排滓開始後の傾動速度を低くするとともに、排滓開始後は排滓終了角に近くなるにしたがって傾動速度を低下させ、排滓終了角にて一定時間保持する。これにより、できるだけ溶鉄を排出させずに、できるだけ多くのスラグを速やかに排出する(排滓する)という目的をより高度に達成することができる。
本発明法が既存の方法(耐火物が使用回数に応じて一様に損耗すると仮定して炉の傾動角度を決める方法)に較べて転炉内のスラグの状況を正確に把握でき、中間排滓時に転炉を適正な傾動角度で傾動させることができることを確認すべく、以下のような試験を行った。
さきに挙げた特許文献1、2の技術は、耐火物が使用回数に応じて一様に損耗するとの仮定にたつものである。このような仮定のもとに算出されるスラグ体積(一様損耗を仮定した既存の算出法によるスラグ体積)と、本発明のように耐火物形状(炉内形状を含む耐火物形状)のプロフィルを実測し、そのプロフィルに基づいて算出されるスラグ体積を比較した結果を表1に示す。図4は、その結果をグラフにしたものである。この試験では、使用回数が1844回の転炉において、種々のスラグ高さに対応したスラグ体積を求めた。なお、表1および図4において、一様損耗を仮定した既存の算出法によるスラグ体積を「一様損耗」、本発明のように耐火物形状のプロフィルを実測し、そのプロフィルに基づいて算出されるスラグ体積を「実測値」と表記した。
Figure 2024059093000002
表1および図4によると、スラグ高さが小さい場合には、両者のスラグ体積に差異は見られないが、スラグ高さが大きい場合には、一様損耗を仮定した既存の算出法はスラグ体積を過大に評価していることが判明した。すなわち、実際の転炉耐火物の損耗は、一様損耗すると仮定した場合と較べて少なかったことになる。ここでは使用回数が1844回での差異を示したが、他の使用回数や炉代では、一様損耗を仮定した既存の算出法は、必ずしも常にスラグ体積を過大に評価するという訳ではなく、過小評価する場合も見られた。以上の結果から、一様損耗を仮定した既存の算出法では、転炉内のスラグの状況を正確に把握することが困難であり、これに対して実測した耐火物形状に基づく算出法は、転炉内のスラグの状況を正確に把握できることが判る。
また、既存法による一様損耗を仮定した耐火物形状と実測された耐火物形状が排滓挙動に及ぼす影響についても検討を行った。図5に、使用回数が2749回の転炉において、一様損耗を仮定した耐火物形状と実測の耐火物形状(炉内形状を含む耐火物形状)における傾動角度ごとの排滓挙動を示した。ここで、両者は溶鉄体積とスラグ体積を同一としてある。なお、図5において、一様損耗を仮定した耐火物形状を「一様損耗」、実測された耐火物形状を「実測値」と表記した。
図5によれば、既存法による一様損耗を仮定した耐火物形状の場合には、傾動角度が50度となった際にスラグの排滓が開始されるのに対し、実測された耐火物形状の場合には、傾動角度が60度となった際にスラグの排滓が開始された。すなわち、既存法による一様損耗を仮定した耐火物形状の場合では、スラグの体積を過小評価していることが判明した。ここでは使用回数が2749回での差異を示したが、他の使用回数や炉代では、一様損耗を仮定した算出法は、必ずしも常にスラグ体積を過小に評価するという訳ではなく、さきに示した使用回数が1844回の転炉の場合ように過大評価する場合も見られた。すなわち、一様損耗を仮定した既存の算出法においても、転炉内のスラグの状況を正確に再現することが困難であることが判る。
次に、本発明の好ましい実施形態である、実測される耐火物形状が炉内形状と炉口形状(付着地金を含む炉口形状)である場合について説明する。
転炉の形状変化は、耐火物の損耗以外でも生じ、特に炉口では地金などが付着して形状が常に変化する。地金付着が過大になると、酸素吹きなどによって地金を除去する作業が行われる。図6は、転炉の使用回数による炉口を含む耐火物形状の変化を模式的に示すもの(例示したもの)である。図において、10は炉体を構成する耐火物、11は炉口に付着した地金であり、実線が各転炉使用回数での耐火物形状を示し、破線が使用回数0回(新炉)での耐火物形状を示している。この図6は、使用307回目(図6(a))では炉口近傍の地金の付着はほとんどないが、使用337回目(図6(b))では炉口近傍の地金11の付着が過大になったため、酸素吹きにて除去した事例を示している。この場合、使用307回目(図6(a))と338回目(図6(c))は比較的炉体形状が類似しているものの、337回目(図6(b))の炉体形状は大きく異なっている。したがって、中間排滓時の炉体の傾動角度の制御は、損耗による耐火物形状の変化のみならず、炉口の地金付着などによる一時的な炉体形状の変化についても考慮されることが望ましい。
本発明者らは、炉全体の耐火物形状のなかで、炉内形状(炉内の耐火物形状)だけでなく、炉口形状も排滓性に大きく影響することを、数値解析による排滓の仮想実験により明らかにした。この実験では、実機の1/20スケールを想定し、炉高さ500mm、炉径(胴直径)300mmの転炉容器を用い、この転炉容器内に、深さが炉底から約100mm(3.4kg)の液体1(仮想溶鉄)と、その上層約235mm(2.1kg)の液体2(仮想スラグ)を保持した。炉口を含む耐火物形状は、図7(a)~(d)に示す4種類とした。実験では、まず、開始30秒までを2度/sの速度で、その後は0.35度/sの速度でそれぞれ炉体を傾動させ、排滓開始角を調べた。また、傾動を開始して傾動角度が115度となった時点での排滓率を調べた。ここで、排滓率とは、排滓前のスラグ重量に対し、排滓により転炉外へ排出されたスラグ重量の割合を示す。
排滓開始角を調べた結果を表2に、排滓率を調べた結果を表3にそれぞれ示す。これらによると、排滓開始角や排滓率は炉口形状に大きく依存し、かつ炉口に段差があるなしなどの詳細形状よりも開口寸法に大きく依存している。このように排滓性を評価するには、炉全体の耐火物形状のなかで炉口形状も重要な要素となり、炉口形状を精度よく把握することも重要であることが判る。
Figure 2024059093000003
Figure 2024059093000004
炉口形状(付着地金を含む炉口形状)や炉内形状の測定は、さきに説明した方法(図3)で測定することができる。例えば、図3に示すように非接触型距離計5を用いて炉口形状のプロファイル測定を行う場合、計測の走査範囲を炉口に限定することで計測時間の短縮を図ることができる。
また、撮像装置を用いる場合には、図8に示すように異なる位置に設置した2台以上の撮像装置9(カメラ)で撮影された2枚以上の画像から、フォトグラメトリー、すなわち複数の画像に共通する点の各画素を選び、三角測量の原理で各画素の対応関係を求め、対象点の3次元座標を算出し、対象点までの距離を取得することにより、炉口形状のプロファイル測定を行うことができる。また、他の方法としては、図9に示すように、炉口を撮影した画像の輝度情報から地金が存在する輝度領域(図中ではグレーの部分)を抽出して炉口の地金領域を求め、炉口形状のプロファイル測定を行うことができる。ここで、図9において、100は炉口周辺を示す輝度領域、101は炉口地金付着を示す輝度領域、102は炉底耐火物を示す輝度領域である。
本発明において、実測される耐火物形状が炉内形状と炉口形状(付着地金を含む炉口形状)である場合も、その実測された耐火物形状を基に炉体の傾動角度を制御することに変わりはない。その具体例は、上述した通りであり、実測された耐火物形状に基づいて求められた排滓開始角や排滓終了角に応じて炉体の傾動角度(さらには傾動速度)を制御する。これにより、できるだけ溶鉄を排出させずに、できるだけ多くのスラグを速やかに排出する(排滓する)ことができる。
本発明を実施するに当たり耐火物形状の計測が実施されるが、耐火物形状の計測は、操業間に実施されるため、計測頻度が高いと生産効率(炉稼働率)に影響する。一方、炉口の形状変化に比べ、炉内の耐火物損耗による形状変化は比較的緩やかであるため、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度を炉口形状のみの測定頻度よりも少なくしても、耐火物形状の実測値を逐次取得する上では大きな問題はない。したがって、本発明において耐火物形状を実測するにあたっては、炉内形状を含む耐火物形状(通常、炉内形状を含む炉全体の耐火物形状。以下同様。)の測定と炉口形状のみの測定をそれぞれ行うとともに、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度を炉口形状のみの測定頻度よりも少なくすることができる。これにより、生産効率への影響を抑えつつ、実測した耐火物形状に基づく中間排滓での炉体の傾動角制御を行うことができる。
炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度と炉口形状のみの測定頻度は特に制限はなく、生産効率への影響や測定に要する作業負荷などを考慮して決めればよいが、例えば、炉内形状を含む耐火物形状の測定を300~700ch毎に、炉口形状のみの測定を10~30ch毎にそれぞれ行うような測定頻度とすることができる。
また、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度を炉口形状のみの測定頻度よりも少なくする場合、測定頻度が少ない炉内形状を含む耐火物形状の計測結果に、測定頻度が多い炉口形状のみの測定結果を合成して、当該チャージの中間排滓に利用する耐火物形状を得ることができる。そして、この合成された耐火物形状に基づき、各チャージ毎の炉体の傾動角度制御を行う。
図10、図11は、そのような合成例をそれぞれ模式的に示したものであり、各図(a)に示す測定頻度が少ない炉内形状を含む耐火物形状の計測結果に、各図(b)に示す測定頻度が多い炉口形状のみの計測結果を合成して、各図(c)に示す耐火物形状を得るものである。この場合、各図(a)の計測時から現在の操業チャージまでの炉内形状の経時変化の予測を各図(a)に加える補正を行ってもよい。例えば、耐火物損耗が一定の速度で起こると仮定し、図(a)の計測値からチャージ数に応じた一定値(損耗量)を差し引く補正を行う。
また、地金の除去作業が行われる際に炉口形状のみの計測を行うことが望ましいが、直近で地金除去が行われた際に計測した炉口形状を利用することもできる。その場合には、計測した炉口形状からチャージ数に応じた一定値(損耗量)を差し引くなどの補正を加えてもよい。
炉口形状のみの測定頻度は、生産効率に影響しない程度に高頻度で実施することが望ましいが、地金除去の頻度以上の高頻度であることが好ましい。例えば、30チャージ毎に地金除去作業を実施する場合は、その間に炉口形状のみの計測を1回以上実施するのが好ましい。
上述した実施形態(図1など)では、本発明法を溶銑予備処理における中間排滓に適用した例を示したが、本発明法は転炉型精錬炉を用いた金属精錬に広く適用でき、例えば、転炉製鋼、電気炉製鋼、銅精錬等の非鉄金属精錬などにも適用可能である。
本発明法が適用される溶銑予備処理では、例えば、中間排滓を挟んで脱珪処理と脱燐処理をこの順序で行う際に、上述した方法で中間排滓を行う。このような溶銑予備処理を経た溶銑は脱炭処理されて溶鋼となる。
また、本発明法が転炉製鋼に適用される場合、例えば、中間排滓を挟んで脱珪・脱燐処理と脱炭処理をこの順序で行う際に、上述した方法で中間排滓を行う。このような転炉製鋼により溶銑から溶鋼が得られる。
[実施例1]
300ton転炉を用いた溶銑予備処理において、本発明法(本発明例)と従来法(比較例)をN=100chずつ実施し、中間排滓における排滓率(中間排滓率)を比較した。排滓率を求めるに当たり、中間排滓前のスラグ重量は、吹錬モデルの計算によって求めたスラグ生成量とした。また、中間排滓にて転炉外へ排出されたスラグ重量については、排出されたスラグを運搬する転滓台車にロ-ドセル方式の秤量器を設置し、台車上の転滓鍋の風袋引き等の前処理を行った後、スラグ排出完了時の重量から排出されたスラグ重量を求めた。
本発明例では、試験開始時(0ch)と50ch経過後にレーザ距離計により炉内耐火物の形状を計測した。耐火物形状を計測していないチャージでは、炉体耐火物の損耗量を0.2mm/ch一定とし、直近に計測された炉内形状を補正した。
転炉に投入した溶銑量、精錬剤量などから中間排滓時における炉内の溶鉄量とスラグ量を算出し、この溶鉄量・スラグ量と実測された耐火物形状に基づき排滓開始角と排滓終了角を求めた。そして、中間排滓時には、排滓終了角に至るまで転炉を徐々に傾動させるように炉体の傾動角度を制御するとともに、炉体の傾動開始から排滓開始角に至るまでの傾動速度を高くし、これに対して排滓開始後は傾動速度を低くした。さらに、排滓終了角に近くなるにしたがって傾動速度を低下させ、排滓終了角にて一定時間保持するようにした。
比較例では、炉体耐火物の損耗量を0.2mm/ch一定とし、オペレータの目視にて転炉の傾動を行う中間排滓を行った。
図12に、本発明例および比較例における平均の中間排滓率と中間排滓率のバラツキの幅を示す。比較例の中間排滓率は約45%であるのに対し、本発明例の中間排滓率は約64%となった。また、本発明例では、比較例に較べて各chにおける排滓量のバラツキも低減できた。
[実施例2]
300ton転炉を用いた溶銑予備処理において、2水準の本発明法(本発明例1,2)と従来法(比較例)をN=100chずつ実施し、中間排滓における排滓率(中間排滓率)を比較した。中間排滓率は実施例1と同様に求めた。なお、従来法(比較例)は[実施例1]と同じである。
本発明例1では、50ch毎に図3の方法で炉内形状を含む耐火物形状(炉内形状を含む炉全体の耐火物形状)を計測し、10ch毎に図9で説明した手法で炉口形状のみを計測した。本発明例2では、50ch毎に図3の方法で炉内形状を含む耐火物形状(炉内形状を含む炉全体の耐火物形状)を計測し、1ch毎に図9で説明した手法で炉口形状のみを計測した。本発明例1,2ともに、炉内形状を含む耐火物形状を計測していないチャージでは、炉体耐火物の損耗量を0.2mm/ch一定とし、直近に計測された炉内形状を補正した。
転炉に投入した溶銑量、精錬剤量などから中間排滓時における炉内の溶鉄量とスラグ量を算出し、この溶鉄量・スラグ量と実測された耐火物形状に基づき排滓開始角と排滓終了角を求めた。そして、中間排滓時には、排滓終了角に至るまで転炉を徐々に傾動させるように炉体の傾動角度を制御するとともに、炉体の傾動開始から排滓開始角に至るまでの傾動速度を高くし、これに対して排滓開始後は傾動速度を低くした。さらに、排滓終了角に近くなるにしたがって傾動速度を低下させ、排滓終了角にて一定時間保持するようにした。
この実施例において、比較例では中間排滓率が約45%、各chにおける中間排滓率のバラツキの幅が約30%であったのに対し、本発明例1では中間排滓率が約65%、各chにおけるバラツキの幅が約10%となり、本発明例2では中間排滓率が約69%、各chにおけるバラツキの幅が約7%となった。すなわち、本発明例1,2では、比較例に較べて中間排滓率が向上するとともに、中間排滓率のバラツキも低減できた。また、本発明例1と本発明例2とを比較すると、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度が同じでも、炉口形状のみの測定頻度が多い方が、中間排滓率が向上し、中間排滓率のバラツキも低減することがわかる。
[実施例3]
300ton転炉を用いた溶銑予備処理において、2水準の本発明法(本発明例A,B)をN=100chずつ実施し、中間排滓における排滓率(中間排滓率)と生産効率を比較した。中間排滓率は実施例1と同様に求めた。
本発明例Aでは、10ch毎に図3の方法で炉内形状を含む耐火物形状(炉内形状を含む炉全体の耐火物形状)を計測し、同じく10ch毎に図9で説明した手法で炉口形状のみを計測した。本発明例Bでは、50ch毎に図3の方法で炉内形状を含む耐火物形状(炉内形状を含む炉全体の耐火物形状)を計測し、10ch毎に図9で説明した手法で炉口形状のみを計測した。本発明例A,Bともに、炉内形状を含む耐火物形状を計測していないチャージでは、炉体耐火物の損耗量を0.2mm/ch一定とし、直近に計測された炉内形状を補正した。
転炉に投入した溶銑量、精錬剤量などから中間排滓時における炉内の溶鉄量とスラグ量を算出し、この溶鉄量・スラグ量と実測された耐火物形状に基づき排滓開始角と排滓終了角を求めた。そして、中間排滓時には、排滓終了角に至るまで転炉を徐々に傾動させるように炉体の傾動角度を制御するとともに、炉体の傾動開始から排滓開始角に至るまでの傾動速度を高くし、これに対して排滓開始後は傾動速度を低くした。さらに、排滓終了角に近くなるにしたがって傾動速度を低下させ、排滓終了角にて一定時間保持するようにした。
この実施例において、本発明例A,Bともに中間排滓率が約62%、各chにおける中間排滓率のバラツキの幅は約11%で、ほとんど変わらなかった。一方、生産効率については、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度と炉口形状のみの測定頻度が同じである本発明例Aは、1日の平均処理が45chであったのに対して、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度を炉口形状のみの測定頻度よりも少なくした本発明例Bは、1日の平均処理が50chであり、本発明例Aに較べて高い生産効率が得られた。
1 溶鉄
2 脱珪スラグ
3 転滓鍋
4 転滓台車
5 非接触型距離計
6 三脚
7 プロファイル測定装置
8 演算装置
9 撮像装置
10 耐火物
11 地金
100 炉口周辺を示す輝度領域
101 炉口地金付着を示す輝度領域
102 炉底耐火物を示す輝度領域
A 転炉(転炉型精錬炉)
a 炉口

Claims (11)

  1. 転炉型精錬炉(A)を用いた金属精錬における中間排滓工程において、炉体を傾動させることで溶融スラグの少なくとも一部を炉から排出するに際し、
    実測した転炉型精錬炉(A)の耐火物形状(但し、付着地金がある場合の耐火物形状を含む。)を基に炉体の傾動角度を制御することを特徴とする金属精錬における中間排滓方法。
  2. 実測した転炉型精錬炉(A)の耐火物形状が、炉内形状または/および炉口形状であることを特徴とする請求項1に記載の金属精錬における中間排滓方法。
  3. 炉口形状は、付着地金を含む炉口形状であることを特徴とする請求項2に記載の金属精錬における中間排滓方法。
  4. 転炉型精錬炉(A)の耐火物形状を実測するにあたっては、炉内形状を含む耐火物形状の測定と炉口形状のみの測定をそれぞれ行うとともに、炉内形状を含む耐火物形状の測定頻度を炉口形状のみの測定頻度よりも少なくすることを特徴とする請求項2または3に記載の金属精錬における中間排滓方法。
  5. 転炉型精錬炉(A)の耐火物形状を実測する際に、非接触型距離計による計測値または/および撮像装置による画像によりプロファイル測定を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の金属精錬における中間排滓方法。
  6. 転炉型精錬炉(A)に投入した被精錬溶融物量および精錬剤量などに基づいて中間排滓時における炉内の溶融金属量と溶融スラグ量を算出し、この溶融金属量および溶融スラグ量と実測した耐火物形状に基づき、中間排滓の際に排滓が終了するときの炉体傾動角度である排滓終了角を求め、
    中間排滓時には、前記排滓終了角に応じて炉体の傾動角度を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の金属精錬における中間排滓方法。
  7. 転炉型精錬炉(A)に投入した被精錬溶融物量および精錬剤量などに基づいて中間排滓時における炉内の溶融金属量と溶融スラグ量を算出し、この溶融金属量および溶融スラグ量と実測した耐火物形状に基づき、中間排滓の際に排滓が開始するときの炉体傾動角度である排滓開始角と、排滓が終了するときの炉体傾動角度である排滓終了角を求め、
    中間排滓時には、前記排滓開始角と排滓終了角に応じて炉体の傾動角度と傾動速度を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の金属精錬における中間排滓方法。
  8. 中間排滓時には、炉体の傾動開始から排滓開始角に至るまでの傾動速度に較べて、排滓開始後の傾動速度を低くするとともに、排滓開始後は排滓終了角に近くなるにしたがって傾動速度を低下させ、排滓終了角にて一定時間保持することを特徴とする請求項7に記載の金属精錬における中間排滓方法。
  9. 1つの転炉型精錬炉(A)を用い、中間排滓を挟んで脱珪処理と脱燐処理をこの順序で行う溶銑予備処理方法において、
    請求項1~3のいずれかに記載の中間排滓方法により前記中間排滓を行うことを特徴とする溶銑予備処理方法。
  10. 請求項9に記載の溶銑予備処理方法による溶銑予備処理を経て溶鋼を得ることを特徴とする溶鋼の製造方法。
  11. 1つの転炉型精錬炉(A)を用い、中間排滓を挟んで脱珪・脱燐処理と脱炭処理をこの順序で行う製鋼方法において、
    請求項1~3のいずれかに記載の中間排滓方法により前記中間排滓を行うことを特徴とする製鋼方法。
JP2023174956A 2022-10-17 2023-10-10 金属精錬における中間排滓方法 Pending JP2024059093A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022166095 2022-10-17
JP2022166095 2022-10-17

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024059093A true JP2024059093A (ja) 2024-04-30

Family

ID=90826832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023174956A Pending JP2024059093A (ja) 2022-10-17 2023-10-10 金属精錬における中間排滓方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024059093A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6627256B1 (en) Method for slag coating of converter wall
JP6702420B2 (ja) 排滓重量推定方法及び排滓重量推定装置
US10859316B1 (en) Predictive refractory performance measurement system
JP6601631B2 (ja) 溶融金属精錬容器からの排滓量の推定方法および溶融金属の精錬方法
JP2012136767A (ja) 転炉りん濃度推定方法
JP4790489B2 (ja) 転炉製鋼法
JP2024059093A (ja) 金属精錬における中間排滓方法
CN110938727A (zh) 一种转炉留渣量的称重方法
EP1302552A2 (en) Cooling a liquid steel by means of blowing nitrogen gas into the bath
JP4667284B2 (ja) 転炉の操業方法
JP2024059560A (ja) 転炉型の精錬炉の排滓方法及び転炉の操業方法
WO2022195951A1 (ja) 転炉の操業方法および溶鋼の製造方法
RU2768084C1 (ru) Способ выплавки металла в кислородном конвертере
JP3232922B2 (ja) 溶銑の脱珪方法
JP7380908B2 (ja) 冷鉄源溶解率推定装置、転炉型精錬炉制御装置、冷鉄源溶解率推定方法及び溶融鉄の精錬処理方法
WO2023074085A1 (ja) 炉内スラグ量推定装置、炉内スラグ量推定方法及び溶鋼製造方法
CN114082914B (zh) 用于csp生产中钢水夹杂物的快速评估方法
JP6874904B2 (ja) 上底吹き転炉型精錬容器
JP6720453B2 (ja) 取鍋の風袋重量の制御方法
KR100518320B1 (ko) 전로 내 잔류 슬래그량 측정방법
JPH09316514A (ja) クロム含有鋼の転炉工程における溶鋼中炭素およびクロム含有率の推定方法および装置ならびに出鋼方法
JP2009052083A (ja) 転炉装入量決定方法
JP2000273519A (ja) トピード・カーからの排滓方法
JP3740914B2 (ja) 溶銑温度の推定方法
CN114787394A (zh) 钢包精炼处理的操作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240528