JP2024058822A - 陰極部材、陰極、高速原子ビーム源および接合基板の製造方法 - Google Patents

陰極部材、陰極、高速原子ビーム源および接合基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板接合に際し、接合前の表面処理である照射工程において使用する高速原子ビーム源について、当該ビーム源からの発塵による異物に起因する接合不良の発生を低減させることのできる陰極部材、陰極、高速原子ビーム源および接合基板の製造方法を提供する。【解決手段】 高速原子ビーム源の陰極を構成する平板状の陰極部材であって、前記陰極の内面を構成する平面を備え、前記平面の全体において、表面粗さRaの平均値が0.3μm~2.0μmである、陰極部材。【選択図】図5

Description

本発明は、陰極部材、陰極、高速原子ビーム源および接合基板の製造方法に関し、特に、基板接合に際し、接合前の表面処理である照射工程において使用する、高速原子ビーム源を構成する陰極部材に関する。
半導体基板同士を接合する技術の一つとして、特許文献1には、単結晶の薄層を支持基板の上に備えた構造の基板製造法が開示されている。基板接合技術の適用により、二つの異なる材料を一体化している。
また、特許文献2には、高速原子ビーム照射を用いた基板接合技術が開示されている。これは、接合対象の半導体基板の接合対象面に原子ビームを照射して表面汚染や酸化膜を除去するとともに、未結合手であるダングリングボンドを露出させて表面活性化したのち、半導体基板の接合対象面同士を重ね合わせて圧接することで、半導体基板同士を接合する技術である。特許文献2には、薄層に形成された単結晶基板を支持基板の上に備えた構造の接合基板の製造方法が開示されている。この製造方法においては、基板接合技術の適用により、二つの異なる材料を一体化している。
半導体基板の接合に用いられる原子ビーム源(FABガン、(Fast Atom Beam))としては、サドルフィールド型の高速原子ビーム源が用いられている。サドルフィールド型の高速原子ビーム源は、内部に陽極を有する陰極筐体内にアルゴンやネオン、キセノン等の不活性ガスを供給し、陽極‐陰極間の電圧印加により不活性ガス原子をイオン化し、陰極の一部に設けた開口部から不活性ガス原子のビームを取り出し、半導体基板の接合対象面へ照射するものである。イオン化された不活性ガス原子の大部分は陰極に向かう途中で電子を捕獲して中性の原子ビームとして照射されるため、原子間の静電反発が少なく、指向性の高いビームとなって基板に照射される特徴を持つ。
特許第5477302号 特開2012-146694号 特開2014-86400号
基板接合技術を用いた接合基板(図1)の製造においては、接合工程内において接合不良が発生することがある。図1は、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720とを接合して製造された接合基板750を模式的に示す斜視図である。ここで、図3は、接合不良の一例を示す断面図である。図3に示された接合不良は、第1の半導体基板710および第2の半導体基板720の接触部位にあたる接合界面730に、異物mが混入することにより、局所的に接触していない空隙Vが生じたものである。接合界面730に空隙Vが生じると、最終製品である接合基板750の各種特性に影響を与えることがある。
異物mの混入経路としては、例えば、第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の洗浄不足、接合工程に用いる各装置内の清浄度、または、接合工程の照射工程に用いられる各種粒子線の粒子源からの異物の射出等が挙げられる。図2は、高速原子ビーム源800から第1の半導体基板710の接合対象面711に高速原子ビーム810を照射する様子を模式的に示す図である。図2においては、高速原子ビーム源800から異物mが射出され、第1の半導体基板710の接合対象面711に付着している。このような異物mが付着した接合対象面711に第2の半導体基板720を接合させると、図3に示したように、空隙Vが発生し得る。
異物mの混入経路のうち、各種粒子線の粒子源からの異物の射出に注目して、高速原子ビーム源からの異物の射出を抑制することができる、高速原子ビーム源、およびそれを具備した接合装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示された発明では、基板の接合対象面への原子ビームの照射に用いる高速原子ビーム源において、原子ビームを照射するときに発生する異物の射出を抑制する目的で、高速原子ビーム源内部に用いる陰極部材の材質を選定している。
本願発明者らの実験において、接合前の表面処理に用いられる高速原子ビーム源からの発塵等による異物の射出に関しては、定常的に一定数発生しているものと、その他に、経時的に発生数が増加するものの存在が明らかとなった。さらに、経時的に増加するものについては、数自体が増加するだけでなく、そのサイズも大きくなる傾向にあることが分かった。
図4は、第1の半導体基板710,第2の半導体基板720を接合させた接合基板750の接合界面730にサイズの大きい異物(図4のM)が混入したときに発生する接合不良の一例を示す図である。接合界面730に混入する異物のサイズが大きくなると、発生する接合不良のサイズ(図4のF)が大きくなることに加えて、接合対象である第1の半導体基板710の破損Cを伴った接合不良の発生につながる。破損Cを伴う接合不良は、接合対象の第1の半導体基板710が薄層の場合に発生する割合が高くなる。図4に示された第1の半導体基板710の破損Cを伴った接合不良は、破損していないものと比較して、大きさの面でも構造の面でも、接合基板750の特性に対して及ぼす影響が大きいため、特に発生を抑制する必要がある。
このことから、高速原子ビーム源の発塵に関しては、大きさの異なる二種類の異物の発生機構を明らかにし、双方に対して効果的な対策を講じることで、接合不良の発生を抑制する必要がある。
よって、本発明は、基板接合に際し、接合前の表面処理である照射工程において使用する高速原子ビーム源について、当該ビーム源からの発塵による異物に起因する接合不良の発生を低減させることのできる陰極部材、陰極、高速原子ビーム源および接合基板の製造方法を提供することを目的とする。
二種類の異物の発生機構としては、次のことが明らかになった。すなわち、照射工程に用いられる高速原子ビーム源の内部において、生成された荷電粒子により陰極の一部がスパッタリングを受け、その結果として発生したスパッタ塵が異物となり(以降、「第一の異物」と呼ぶ場合がある)、粒子線とともに高速原子ビーム源の外部に飛び出して接合界面に付着する結果、接合不良の発生源となる。一方、外部に飛び出さずに高速原子ビーム源内部にとどまったスパッタ塵については、陰極に再付着するが、陰極のうち、スパッタリングによるスパッタ塵や陰極の除去量よりもスパッタ塵の再付着量の多い部位が存在し、この部位においては、スパッタ塵が膜状に堆積して堆積物となる。この堆積物の剥がれたものが、第一の異物よりもサイズの大きな異物(以降、「第二の異物」と呼ぶ場合がある)となり、第二の異物は、第一の異物に起因する接合不良とは異なる、もう一つの接合不良の発生源となる。
本願発明者らは、これら2種類の異物に対して、その発生に影響を与える陰極の内面を構成する陰極部材の表面粗さを適切な範囲に設定することで、陰極のスパッタリングによる第一の異物の発生を抑えるとともに、スパッタ塵の再付着に起因する堆積物の剥がれを抑制し、第二の異物の発生を抑えることが可能となることを見出した。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明の陰極部材は、高速原子ビーム源の陰極を構成する平板状の陰極部材であって、前記陰極の内面を構成する平面を備え、前記平面の全体において、表面粗さRaの平均値が0.3μm~2.0μmである。
本発明の陰極部材は、グラファイト製、ガラス状カーボン製、炭化ケイ素製のいずれかであってもよい。
また、上記の課題を解決するため、本発明の陰極は、高速原子ビーム源の陰極であって、上記本発明の陰極部材を備え、6つの内面を有する、内部が中空の箱状であり、6つの前記内面として、底面と、前記底面と対向する上面と、前記底面と前記上面とをつなぐ4つの側面と、を備え、4つの前記側面は、対向する前記側面同士が互いに平行であり、4つの前記側面のうち、対向する2つの前記側面の一方には、前記陰極内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入口が設けられ、他方には、前記陰極の外部に高速原子ビームを放出する粒子線放出口が設けられている。
また、上記の課題を解決するため、本発明の高速原子ビーム源は、上記本発明の陰極と、前記陰極の内部に設けられた陽極と、を備える。
また、上記の課題を解決するために、本発明の接合基板の製造方法は、第1の半導体基板と、第2の半導体基板とが積層した接合基板を製造する方法であって、上記本発明の高速原子ビーム源を用いて、前記第1の半導体基板の接合面と、前記第2の半導体基板の接合面に、高速原子ビームを真空中で照射する照射工程と、前記高速原子ビームが照射された、前記第1の半導体基板の接合面と前記第2の半導体基板の接合面とを接触させて、接合界面を有する積層体を得る接触工程と、前記接触工程で得られた前記積層体を熱処理して接合基板を得る熱処理工程と、を備える。
前記第1の半導体基板および前記第2の半導体基板が、それぞれ、3C-SiC単結晶基板、4H-SiC単結晶基板、6H-SiC単結晶基板、SiC多結晶基板のうちのいずれかであってもよい。
前記高速原子ビームが、アルゴン、ネオン、キセノンのいずれかを含んでもよい。
本明細書に開示されている技術によれば、基板接合に際し、接合前の表面処理である照射工程において使用する高速原子ビーム源について、当該ビーム源からの発塵による異物に起因する接合不良の発生を低減させることのできる陰極部材、陰極、高速原子ビーム源および接合基板の製造方法を提供することができる。
本実施形態の接合基板の製造方法において製造される接合基板を示す斜視図である。 従来の高速原子ビーム源から半導体基板に高速原子ビーム810を照射する様子を模式的に示す図である。 接合基板の製造において発生する接合不良の一例を模式的に示す断面図である。 接合基板の製造において発生する接合不良の他の一例を模式的に示す断面図である。 本実施形態の高速原子ビーム源を模式的に示す斜視図である。 本実施形態の陰極部材である、側面130を示す平面図である。 本実施形態の高速原子ビーム源の断面を示す断面図である。 本実施形態の高速原子ビーム源の断面において、第一領域R1、第二領域R2の箇所を説明する断面図である。 従来の高速原子ビーム源800において、高速原子ビーム線照射時の様子を示す断面図である。 本実施形態の接合基板の製造方法のフローを説明する図である。 本発明の一実施形態にかかる接合基板の製造方法を説明する図である。 異物のサイズと接合不良のサイズの関係について一例を示すグラフである。 高速原子ビームの積算照射時間15時間時における異物の数(サイズ<5μmΦ、および≧5μmΦ)と陰極部材の表面粗さRaの平均値との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本明細書で開示する発明の実施の形態について説明する。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
[接合基板の構成]
図1に、本願発明の製造方法によって製造することのできる接合基板750の一例の斜視図を模式的に示す。接合基板750は略円盤状に形成されている。接合基板750は、下側に配置された支持基板である第2の半導体基板720と、第2の半導体基板720の上面に貼り合わされた単結晶基板である第1の半導体基板710とを備えている。第1の半導体基板710は、例えば、化合物半導体(例:6H-SiC、4H-SiC、GaN、AlN)の単結晶によって形成されていてもよい。また例えば、単元素半導体(例:Si、C)の単結晶によって形成されていてもよい。
また、第2の半導体基板720には、各種の材料を用いることができる。第2の半導体基板720は、第1の半導体基板710に適用される各種の熱プロセスに対する耐性を有することが好ましい。また、第2の半導体基板720は、第1の半導体基板710との熱膨張率の差が小さい材料であることが好ましい。例えば、第1の半導体基板710にSiCを用いる場合には、第2の半導体基板720には、単結晶SiC、多結晶SiC、単結晶Si、多結晶Si、サファイア、GaN、カーボンなどを用いることが可能である。多結晶SiCには、様々なポリタイプのSiC結晶が混在していても良い。様々なポリタイプが混在する多結晶SiCは、厳密な温度制御を行うことなく製造することができるため、第2の半導体基板720を製造するコストを低減させることが可能となる。
[高速原子ビーム源、陰極、および、陰極部材]
次に、本発明の一実施形態にかかる高速原子ビーム源、陰極、および、陰極部材について説明する。
本実施形態の高速原子ビーム源は、サドルフィールド型の高速原子ビーム源であり、内部に不活性ガスを供給して、イオン化された不活性ガスの高速原子ビームを高速原子ビーム放出口から外部に放出するものである。また、本実施形態の高速原子ビーム源は、例えば、2枚の半導体基板を貼り合わせた接合基板を製造するときに、接合工程の前に基板の接合対象面の表面処理を行うために用いられる。すなわち、高速原子ビーム源から放出された高速原子ビームを基板の接合対象面に照射して、接合対象面の表面を活性化する表面処理を行う目的で用いられる。
図5には、本発明の一実施形態にかかる高速原子ビーム源500が示されている。高速原子ビーム源500は、陰極100と、陰極100の内部に設けられ、円柱状、かつ、円柱断面の形状が同一である、第1陽極210および第2陽極220と、を備える。なお、本実施形態の高速原子ビーム源500、陰極100、第1陽極210および第2陽極220において、図5における矢印X方向、矢印Y方向、矢印Z方向を、それぞれ、幅方向、奥行き方向、高さ方向とする。
本実施形態の陰極100は、後述する陰極部材103を備え、6つの内面を有する、内部が中空の箱状である。また、陰極100は、6つの内面として、底面110と、底面110と対向する上面120と、底面110と上面120とをつなぐ4つの側面130,140,150,160と、を備える。また、底面110と上面120、側面130と側面140、側面150と側面160は互いに平行である。例えば、陰極100は、内寸が幅56mm、奥行きが64mm、高さが102mmの直方体状である。
また、底面110と上面120は、XY平面に平行であり、側面130、140は対向しているとともにXZ平面に平行であり、側面150、160は対向しているとともにYZ平面に平行である。また、これらの6つの内面は、6枚の平板状の陰極部材から構成されている。本実施形態においては、6枚の陰極部材を箱状に組み立てることで陰極100が形成されている。
対向する2組の側面(側面130、140と側面150、160)のうち、側面130、140には、高速原子ビーム放出口101、不活性ガス導入口102が設けられている。すなわち、側面130には、陰極100の内部でイオン化された不活性ガスの高速原子ビームが放出される高速原子ビーム放出口101が設けられている。また、側面130と矢印Y方向に対向する側面140には、陰極100内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入口102が設けられている。本実施形態の一例において、高速原子ビーム放出口101は、側面130の中央付近に、直径2mmの円形状の貫通孔が高さ方向に5列、幅方向に5列に、等間隔に並んで合計25個設けられている。また、不活性ガス導入口102は、側面140に、例えば直径3mmの円形状の貫通孔が設けられている。ただし、高速原子ビーム放出口や不活性ガス導入口の形状、個数、場所は本実施形態に限定されず、他の形態でもよい。
図7は、高速原子ビーム源500のXY平面に平行な断面を示す断面図である。本実施形態において、第1陽極210および第2陽極220は、陰極100の内部において、互いに離隔しており、第1陽極210および第2陽極220の中心軸は、互いに平行であるとともに、4つの側面130、140、150、160のいずれに対しても平行である。そして、第1陽極210の中心軸210aと、高速原子ビーム放出口101を有する側面130との最短距離(図7のL1)と、第2陽極220の中心軸220aと、高速原子ビーム放出口101を有する側面130との最短距離(図7のL2)と、が同じである。すなわち、第1陽極210と第二陽極220は、それぞれ、第1陽極210の中心軸210aと第2陽極220の中心軸220aが高速原子ビーム源500のXZ平面に平行な1つの断面上においてZ方向と平行になるように、配置されている。
また、第1陽極210、第2陽極220は、陰極100の内部に2本設けられており、陰極100の内部には絶縁部材(不図示)を介して固定されている。また、第1陽極210、第2陽極220の形状は、例えば断面の直径が10mm、高さ寸法は陰極100の高さとほぼ同じ円柱状である。第1陽極210、第2陽極220は、円形の断面がXY平面に平行であり、かつ、円柱の中心軸がZ方向と平行である。また、図7に示すように、2本の第1陽極210、第2陽極220は、陰極100の奥行き方向の真ん中の位置(側面130,140からそれぞれ32mmの位置)において、2本の第1陽極210、第2陽極220の中心軸間距離が25mmとなるように、互いに離隔して設けることができる。
また、陽極の材質は、グラファイト、ガラス状カーボン、シリコン、炭化ケイ素などを用いることができる。
また、陰極100には直流電源の負極が接続され、第1陽極210、第2陽極220には直流電源の正極が接続されており、例えば、0.8kV~2kV程度の高電圧が印加される。これにより電界が生じて、不活性ガス導入口102から陰極100内部に導入された不活性ガスが電離して2本の第1陽極210、第2陽極220間にプラズマが発生する。さらに、不活性ガスの陽イオンが、高速原子ビーム放出口101を有する側面130、およびそれに対向する側面140の近傍に滞留する電子を捕獲して中性化し、高速原子ビーム放出口101より高速原子ビーム源500の外部に高速原子ビーム510(図11)として放出される。このとき、照射電流は、例えば、10mA~100mA程度となるように、不活性ガスの流量を調整する。
陰極部材103は、例えば平板状であり、4つの隅角部103aと、隅角部103aをつなぐ4つの辺103bで輪郭が構成された、陰極100の内面を構成する平面を備える。この平面において、隅角部103aと辺103bとを含み、かつ、高速原子ビーム源500の使用により発生するスパッタリングによる陰極部材103の除去量よりも、スパッタリングにより発生したスパッタ塵の再付着量の方が大きい領域である第一領域R1(図6、図8)と、平面から第一領域R1を除いた領域である第二領域R2(図6、図8)と、を有する。
ここで、図6は、陰極部材103である側面130の平面図であり、高速原子ビーム源を一定時間使用後にスパッタ塵が堆積しやすい領域を斜線で示している。このように、陰極部材の隅角部103aおよび辺103bを含む、スパッタ塵が堆積しやすい領域が第一領域R1であり、第一領域R1を除く内部の領域が第二領域R2である。なお、陰極部材103の厚さは、例えば、1mm~5mm程度とすることができる。
本実施形態の陰極部材において、陰極100の内面を構成する平面の全体において、表面粗さRaの平均値が0.3μm~2.0μmである。陰極100の内面における表面粗さSaの測定場所や測定距離によって、表面粗さRaの測定値が異なるおそれがあり、測定場所によっては表面粗さRaが0.3μm未満である場合や2.0μmを超える場合が考えられるが、複数の測定場所における表面粗さRaの測定値の平均値が0.3μm~2.0μmであればよい。このような陰極100の内面であることにより、第一の異物の発生および第二の異物の発生のいずれも抑制することができる。
ここで、表面粗さRaの平均値は、例えば陰極100の内面を構成する平面において、2つの隅角部103aと陰極部材103の中心部P1(図6)とを通る対角線上の複数点において表面粗さの測定を行い、それらの測定値の平均値とすることができる。測定方法は、例えば触針式表面粗さ測定機を用いた接触式の測定や、位相差顕微鏡等を用いた光学的な測定などが挙げられる。
また、陰極100の内面を構成する平面の全体において、第一領域R1および第二領域R2のいずれの測定場所であっても、また、測定距離が異なっても、表面粗さRaが0.3μm~2.0μmの範囲内であることが好ましい。すなわち、どのように測定しても陰極100の内面の表面粗さRaが0.3μm~2.0μmの範囲内であることが好ましい。このように、陰極100の内面を構成する平面の全体において、いずれの場所も表面粗さRaが0.3μm~2.0μmの範囲内であることにより、第二の異物の発生を抑えつつ、第一の異物の発生をより抑制することができる。
さらに、表面粗さRaの複数の測定値のばらつきが、平均値±0.2μmであることが好ましい。すなわち、陰極100の内面を構成する平面の全体において、表面粗さRaが一定のばらつきがありつつも、ほぼ均一な表面粗さであることにより、第一の異物の発生および第二の異物の発生のいずれもさらに抑制することができる。例えば、上記17点に対して表面粗さRaを測定した場合、測定値の平均が0.5μm、測定値の最小値が0.3μm、測定値の最大値が0.7μmである場合が挙げられ、測定値の平均が1.0μm、測定値の最小値が0.8μm、測定値の最大値が1.2μmである場合が挙げられ、また、測定値の平均が1.8μm、測定値の最小値が1.6μm、測定値の最大値が2.0μmである場合が挙げられる。なお、これらの例は平均値±0.2μmの場合であるが、平均値±0.1μmであってもよく、平均値±0.05μmであってもよく、平均値±0.0μmというばらつきが無い場合であってもよい。このように、表面粗さRaの複数の測定値のばらつきが無いことで、個々の陰極部材103の性能のばらつきを無くすことができ、すなわち、側面110、上面120、側面130~160に用いられるいずれの陰極部材103であっても、第一の異物の発生および第二の異物の発生のいずれも安定して抑制することができる。
また、陰極100の内面を構成する平面の全体を所定の表面粗さRaに設定するための陰極部材の表面形状は、特に限定されない。特に第一領域R1においては、スパッタ塵の堆積物が剥がれることを抑制するために、表面積を大きくすることが有効であるが、等方的な形状だけではなく、例えば堆積したスパッタ塵が平面状となる事を避けるために、表面形状を、内部応力を分散できるように凹凸状もしくは波状にするなど、様々な形状を適用することができる。
ここで、図8に示すように、第1陽極210と第2陽極220の中心軸間距離をP、第1陽極210および第2陽極220の円柱断面の半径をrとすると、第1陽極210および第2陽極220の中心軸210a、220aと直交する断面(図11に示すXY平面に平行な断面S)において、高速原子ビーム放出口101を備える陰極部材(側面130)の、断面Sにおける第二領域R2の幅Wが、W≧P-2rとすることができる。また、第1陽極210と第2陽極220の中心軸間距離をP、第1陽極210および第2陽極220の円柱断面の半径をrとすると、第1陽極210および第2陽極220の中心軸210a、220aと直交する断面Sにおいて、高速原子ビーム放出口101を備える陰極部材(側面130)の、断面Sにおける第二領域R2の幅Wが、W≦P+2rとすることができる。本発明者らの検討により、所定時間高速原子ビームを照射後の陰極部材において、陰極部材の中心に対して幅がP-2rまでの範囲までは比較的平滑な表面形状をしており、P-2rからP+2rまでの範囲にかけて徐々に平滑性が失われていく様子が観察されたものの、堆積物は確認されないことが分かっており、また、P+2rよりも外側の領域は膜状の堆積物が存在し、さらに、一部が剥落している様子が確認された。以上のように第二領域R2を規定することにより、異物の発生機序に応じて第一領域R1、第二領域R2における陰極部材の表面粗さRaを適切に設定して、高速原子ビーム源からの異物の射出を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の陰極部材としては、例えば、導電性を有し、かつ、粒子線照射時に高速原子ビーム源内部において発生するスパッタリングに対する耐性の高い材質を用いて形成することが適しており、例えば、グラファイト製、ガラス状カーボン製、炭化ケイ素製のいずれかとすることができる。
[接合基板の製造方法]
次に、本発明の一実施形態にかかる接合基板の製造方法について図10、図11を参照して説明する。図10は、本実施形態の接合基板の製造方法のフローを説明する図である。そして、図11(A)は、第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の接合対象面711,721に高速原子ビーム510を照射する接合装置600の様子を示す模式図である。また、図11(B)は、照射工程後の、第1の半導体基板710’および第2の半導体基板720’を模式的に示す断面図である。また、図11(C)は、接触工程後に得られた積層体700を模式的に示す断面図である。本実施形態においては、一例として、第1の半導体基板710が単結晶層である単結晶4H-SiC基板であり、第2の半導体基板720が支持基板である多結晶SiC基板である場合を例示する。
本実施形態の接合基板の製造方法は、第1の半導体基板と、第2の半導体基板とが積層した接合基板を製造する方法である。前述した実施形態の高速原子ビーム源500を用いて、第1の半導体基板710の接合対象面711と、第2の半導体基板720の接合対象面721に、高速原子ビーム510を真空中で照射する照射工程(図10のS1)と、高速原子ビーム510が照射された、第1の半導体基板710’の接合対象面711と第2の半導体基板720’の接合対象面721とを接触させて、接合界面730を有する積層体を得る接触工程(図10のS2)と、接触工程で得られた積層体700を熱処理して接合基板を得る熱処理工程(図10のS3)と、を備える。
本実施形態の接合基板の製造方法において、第1の半導体基板710および第2の半導体基板720は、それぞれ、3C-SiC単結晶基板、4H-SiC単結晶基板、6H-SiC単結晶基板、SiC多結晶基板のうちのいずれかとすることができる。また、第1の半導体基板710を単結晶層とする場合、4H-SiCの単結晶に限られない。3C-SiCや6H-SiCなど、様々なポリタイプの単結晶SiCを用いることができ、単結晶層を形成するために、水素原子のアブレーションによる剥離技術(スマートカット(登録商標)とも呼ばれる)を用いてもよい。また、第1の半導体基板710を単結晶層とする場合、第2の半導体基板720は、単結晶層に適用される各種の熱プロセスに対する耐性を有する材料であれば、どのような材料であってもよい。
また、高速原子ビーム510は、アルゴン、ネオン、キセノンのいずれかを含むものとすることができる。
接合装置600は、筐体と、2つの高速原子ビーム源500と、筐体内を真空にする真空ポンプ(不図示)と、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720を保持するとともに、製造の各工程において第1の半導体基板710と第2の半導体基板720を所定の位置に移動させる保持手段(不図示)と、を備える。2つの高速原子ビーム源500は、図11に示すように、第1の半導体基板710の接合対象面711、第2の半導体基板720の接合対象面721に高速原子ビーム510を照射するように設置されている。
具体的な手順について、図10、図11を参照して説明する。まず、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720を準備する。第1の半導体基板710と第2の半導体基板720の表面は、平坦化されていることが好ましい。平坦化は、研削や切削によって行われてもよいし、CMP法によって行われてもよい。
まず、ステップS1として照射工程を行う。照射工程は、図11(A)に示すように、高速原子ビーム源500から高速原子ビーム510を第1の半導体基板710の接合対象面711と、第2の半導体基板720の接合対象面721とに照射する工程である。これにより、接合対象面711、721が活性化された、第1の半導体基板710’と第2の半導体基板720’が得られる。
接合対象面711、721の活性化とは、第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の接合対象面711、721にある酸素、水素、ヒドロキシル基(OH基)等の界面終端成分、酸化膜を除去して、未結合手であるダングリングボンドを表出させることを指す。また、高速原子ビーム照射時に、接合対象面711、721の結晶構造を、表面から一定の深さで破壊することができる。その結果、第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の表面に、SiとCを含んでいる非晶質層が形成される。非晶質層とは、原子が結晶構造のような規則性を持たない状態となっている層のことである。
手順としては、図11(A)のように、第1の半導体基板710の接合対象面711と、第2の半導体基板720の接合対象面721とが相対するように、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720を接合装置600のチャンバー内に設置して相対位置の位置合わせを行う。位置合わせは、後述する接合工程で両基板が正しい位置関係で接触できるように行われる。次に、筐体の内部を真空引きして、例えば1×10-4~1×10-7(Pa)程度の真空状態としておく。
次に、第1の半導体基板710の接合対象面711と、第2の半導体基板720の接合対象面721とに高速原子ビーム源500を用いて、高速原子ビーム510を照射する。高速原子ビーム510については、例えば高速原子ビーム(FAB:Fast Atom Beam)がある。粒子源を構成する部品の材質については、グラファイト、ガラス状カーボン、炭化ケイ素など、導電性を有してかつ粒子線照射時に粒子源内部において発生するスパッタリングに対する耐性の高い材質が適している。
高速原子ビーム510は、第1の半導体基板710の接合対象面711と、第2の半導体基板720の接合対象面721の全面に対して照射される。これにより、接合対象面711と接合対象面721の酸化膜や吸着層を除去して結合手を表出させることができる。この状態を活性状態と呼ぶ。また照射工程は真空中での処理であるため、接合対象面711と接合対象面721は、酸化等されず活性状態を保持することができる。また照射工程において、接合対象面711と接合対象面721の結晶構造を、表面から一定の深さで破壊することができる。その結果、接合対象面711と接合対象面721に、SiとCを含んでいる非晶質層を形成することができる。
ステップS2において、接触工程が行われる。接触工程では、接合対象面711と接合対象面721とを、チャンバー内において常温かつ真空中で接触させることができる。これにより、活性状態の表面に存在する結合手同士が結びつき、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720とを接合することができる。図11(B)に示すように、接合対象面711、721が近づく方向(図11(B)の矢印方向)に、接合対象面711、721が接するまで、第1の半導体基板710’、第2の半導体基板720’を移動させる。接合対象面711、721が接触したのちに、所定の荷重(例えば、100kgf(0.98kN))を印加し、所定時間(例えば、3分間)保持する。これにより、活性状態の接合対象面711、721に存在するダングリングボンド同士が結びつき、第1の半導体基板710’と第2の半導体基板720’とを接合させることができる。以上により接触工程が終了し、接合界面730を有する、積層体700(図11(C))が得られる。
次に、ステップ3として熱処理工程を行う。熱処理工程は、第1の半導体基板710’、および第2の半導体基板720’の非晶質層同士が接触している状態で、積層体700を熱処理する。熱処理工程は、ファーネス(加熱炉)を用いて行われる。熱処理工程は、接合装置600のチャンバー内で減圧下において行われてもよいし、チャンバー以外の他の炉内で行われてもよい。
熱処理工程では、第1の半導体基板710’と第2の半導体基板720’の積層体700が、所定温度に加熱される。所定温度は、接合基板の材料に応じて決定してもよい。例えば、SiCを用いる場合には、1500℃以上(好ましくは1700℃程度)に加熱してもよい。これにより、第1の半導体基板710’と第2の半導体基板720’の非晶質層を、原子配列に規則性がない状態から、原子配列に規則性を有する状態へ再結晶化させることができる。再結晶化が完了すると、非晶質層が消滅し、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720とが直接に接合している接合基板が形成される。
本実施形態の接合基板の製造方法によれば、陰極100を備える高速原子ビーム源500を用いて第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の接合対象面711,721を照射することから、第一の異物の発生および第二の異物の発生を抑制することができる。その結果、第一の異物および第二の異物に起因する高速原子ビーム源500からの堆積物の放出、すなわち、サイズの異なる異物の射出が抑制され、接合対象面711,721上へのサイズの異なる異物の付着を抑制することができる。これにより、第1の半導体基板710、第2の半導体基板720同士を接合する際に、例えば第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の破損を伴う接合不良が発生することを抑制して、接合基板の製造歩留まりを改善することにより、接合基板の製造効率を高めることができる。
[接合基板の製造工程における接合不良]
以下、接合基板の製造工程において発生しうる接合不良について説明する。
<接合不良における異物のサイズ>
接合基板の製造工程における接合不良の形成のうち、高速原子ビーム源からの異物の射出に起因するものについて説明する。図2は、照射工程において、高速原子ビーム源800から第1の半導体基板710の接合対象面711に高速原子ビーム810を照射する様子を模式的に示す図である。ここでは、第1の半導体基板710への照射を例に挙げているが、同様の現象は、対向位置に配置されている第2の半導体基板720への照射においても発生しうる。高速原子ビーム源800の内部から異物mが射出され、図2に示すように、この異物mが飛来して第1の半導体基板710の接合対象面711に付着することがある。この状態で、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720の接合が行われると、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720の接合対象面711、712の接触により形成される接合界面730において、異物mが存在する部位において接合対象面711、721同士の接触が阻害されることになり、その結果、図3に示すように、局所的に接触していない空隙Vが生じることがある。この空隙Vが、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720との接合不良の要因となる。
接合不良のサイズは、異物mの大きさ、接合対象面711、721の接合強度および第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の機械的強度等に依存する。このうち、接合対象面711、721の接合強度については、高速原子ビーム線の照射における照射条件や接合後の熱処理条件等に依存する。また、第1の半導体基板710、第2の半導体基板720の機械的強度については、これらの基板の物性と厚みに依存し、第1の半導体基板710と第2の半導体基板720との接合不良が発生した領域のサイズは、接合対象面711、721の間に付着した異物mのサイズに強く依存する。
図12に異物m、Mのサイズと接合不良のサイズの関係について一例を示す。接合不良が発生した接合基板を対象とし、異物のサイズと接合不良のサイズを調査して得られた図である。ここで調査した接合基板の第1の半導体基板710の厚みは、およそ1μmである。縦軸の「接合不良の直径」、および横軸の「異物の直径」は、光学顕微鏡を使用して第1の半導体基板710表面側から観察して得られる光学顕微鏡観察像を測長して得られた、接合不良の直径、および基板異物m、Mの直径である。ここで、破損を伴わない接合不良の異物mの直径は、第1の半導体基板710を透過して観察された異物を測長して得られ、破損を伴う接合不良の異物Mの直径は、破損により第1の半導体基板710が存在しないため、接合界面730にある異物Mを直接観察して得られた。また、図12において、図3に示す異物mによる第1の半導体基板710および第2の半導体基板720の破損を伴わない接合不良の発生を〇、図4に示す異物Mによる第1の半導体基板710または第2の半導体基板720の破損を伴う接合不良の発生を◆でプロットした。
図12により、異物mまたは異物Mのサイズ(直径)と接合不良のサイズ(直径)とが正の相関を示すことが分かる。また、異物mまたは異物Mのサイズが大きくなると、接合不良のサイズが大きくなるだけではなく、その形態にも違いが現れる。接合不良における異物mまたは異物Mは、接合対象である第1の半導体基板710、第2の半導体基板720に対して、くさびのような役割を果たしており、各々の表面に圧力を加えている。そのため、異物m、異物Mのサイズが大きくなるに従い、接合対象に対して加わる圧力が大きくなっていき、接合対象である半導体基板自身の機械的強度を超えると、図4に示すような半導体基板自身の破損を伴った接合不良となる。この傾向は、特に接合対象である半導体基板の厚みが薄い場合に顕著となる。図4に示す接合対象の破損を伴った接合不良は、図3に示された基板が破損していない接合不良と比較して、基板の特性に対して及ぼす影響が大きいため、特にその発生を抑制する必要がある。図12に示す結果では、異物のサイズ(直径)の増加に伴い接合不良のサイズが拡大していき、異物のサイズがおよそ5μmを超えてくると、接合不良のサイズが40μm以上となり、且つ接合対象の破損を伴ったものが発生することを示している。すなわち、異物のサイズが5μmであることを境として、半導体基板の破損を伴わない接合不良と、破損を伴う接合不良とが存在しており、これらの両方の接合不良の発生を抑制する必要がある。
<異物のサイズと接合不良の発生機構の分類>
高速原子ビーム源内部から飛来する異物m、Mの発生機構について、図9を用いて説明する。図9に、XY平面に平行な断面における従来の高速原子ビーム源800の断面における、高速原子ビーム線照射時の様子を示す。
まず、不活性ガス導入口902より導入された不活性ガスGが、直流電圧(例えば、約0.8kV~2kV)が印可された第1陽極210、第2陽極220の間においてイオン化し、陽イオンeとなる。この陽イオンeが、陰極900に向かって加速しながら飛行し、高速原子ビーム放出口901近傍に滞留している電子により中性化されて、高速原子ビーム810として高速原子ビーム源800の外側に放出される。
一方、高速原子ビーム源800の外側に放出されなかった陽イオンeは、高速原子ビーム源800を構成する陰極900の内面に衝突し、陰極部材903をスパッタリングする。このスパッタリングにより生じた陰極の塵(以降、スパッタ塵905と呼ぶ)が、異物m、Mの源となる。
以下に示す本願発明者らによる検証の結果、高速原子ビーム源800内部で発生したスパッタ塵905に由来する異物の発生機構が2種類存在していることが明らかとなった。
表1に、高速原子ビーム源800を用いて、高速原子ビームの積算照射時間0時間、3時間および15時間における異物の数を測定した結果を示す。陰極部材はガラス状カーボン製のものを使用し、陰極の寸法は、幅56mm、高さ102mm、奥行き64mmであり、陰極の内面を構成する陰極部材の表面粗さRaは0.1μmである。異物の測定にあたっては、各積算照射時間時点において、照射対象面であるシリコン基板上に300秒間の高速原子ビーム810照射を行い、パーティクルカウンター(型式WM-7S、TOPCON社製)を用いて異物の数、異物の直径および異物のある場所を測定し、そして照射後の異物数から照射前の異物数を除することにより、照射後のシリコン基板の照射対象面に到達した異物の数と大きさを分類した。なお、積算照射時間0時間の場合の異物数は、陰極が未使用の状態の高速原子ビーム源800に対してシリコン基板上に300秒間の高速原子ビーム810照射を行い、照射後の異物数から照射前の異物数を除した結果である。
その結果、積算照射時間0時間と3時間の比較において、異物の総数で1.2倍程度の増加にとどまる結果が得られた。異物のサイズ別に分類すると、接合対象の破損を伴った接合不良を発生させるサイズである5μmに対し、それ5μm未満のサイズ(異物m)において141個から167個へと1.2倍の増加、5μm以上のサイズ(異物M)において、共に1個で変化なしという結果が得られた。積算照射時間0時間と3時間の場合に見られた異物について、その発生の特徴は、定常的に一定数発生しており、比較的小さいサイズのものが大半を占めていることである。
一方、積算照射時間3時間と15時間の比較において、異物の総数が167個から1106個へと6.6倍にまで増加する結果が得られた。さらに、異物の大きさ別に分類すると、5μm未満のサイズ(異物m)において166個から1092個と6.6倍の増加、5μm以上のサイズ(異物M)においては1個から14個と14倍に増加するという結果が得られた。ここで見られた異物について、その発生の特徴は、積算時間に応じて異物mと異物Mのいずれも発生数が増加し、特に異物Mの増加が顕著なことである。
さらに、積算照射時間3時間時および15時間時における陰極内面の表面の光学顕微鏡観察を行ったところ、積算照射時間3時間時は、全面においてスパッタ塵が堆積している様子が見られなかった。一方、積算照射時間15時間時においては、図8に示す2か所(図6、8中R1、R2)において、それぞれ異なる表面形状が見られた。第一領域R1の特徴として、陰極面内のうち、粒子線が通り抜ける開口部、およびその対面の第二領域R2においては、一対の陽極間のピッチをP、円柱状の陽極の半径をrとして、陰極中心に対して幅P-2rまでの範囲は比較的平滑な表面形状を示しており、幅P-2rから幅P+2rの範囲にかけて、徐々に平滑性が失われていく様子が見られた。第二領域R2においては、スパッタ塵の堆積物の存在は見られなかった。一方、第一領域R1の特徴としては、陰極内面の面内のうち、第二領域R2よりも外側に位置しており、スパッタ塵が膜状となった堆積物が存在しており、更に堆積物が一部剥離している様子が確認された。
以上の結果から、高速原子ビーム源内部で発生したスパッタ塵が、高速原子ビーム源の外側に放出されて異物となる場合、積算照射時間により、異物の発生数およびサイズにおいて2種類に分類されることが明らかとなった。さらに、異物の発生するタイミングと、その時点における陰極部材にみられた特徴を加味して、2種類に分類された異物の発生機構について考察する。
考察の一つは、積算照射時間0時間時および3時間時にみられた、定常的に一定数発生している異物である。異物のサイズとして、比較的小さい異物mが大半を占めること、およびこのときに観察した陰極の内面となる陰極部材の表面に堆積物が見られていないことと合わせると、この異物は、発生したスパッタ塵が堆積等せずに直接高速原子ビーム源の外側に放出されたもの、すなわち第一の異物であると考えられる。第一の異物の発生箇所については、スパッタリングが優勢な部位において発生することから、積算時間15時間時に観察した陰極部材のうち、陽極間に発生した荷電粒子が陰極に衝突する頻度が高く、かつ堆積物が確認されなかった第二領域R2であると思われる。
もう一つの考察は、積算照射時間15時間時に見られた、積算時間に応じて発生数が増加し、特にサイズの大きな異物Mの増加が顕著となる異物である。このときに観察した陰極部材の第一領域R1において、膜状の堆積物およびその剥がれが確認されたことと合わせると、この異物は、スパッタ塵が陰極の内面に再付着し堆積して堆積物(第二の異物)となり、その第二の異物の剥がれにより発生したもの、と考えられる。第二の異物の発生箇所については、スパッタリングよりもスパッタ塵の堆積が優勢な部位において発生することから、積算時間15時間時に観察した陰極部材の内面のうち、陽極間に発生した荷電粒子が陰極に衝突する頻度が低く、かつ膜状の堆積物の存在が確認された第一領域R1であると思われる。
以下、本発明の実施例および比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されることはない。以下の実施例では、接合基板を製造する際に使用する高速原子ビーム源を使用し、照射工程と同じ条件で高速原子ビーム源を稼働させて、高速原子ビーム源の陰極の内面において発生するスパッタ塵に起因する2種類の異物(異物m、異物M)の数およびサイズと、スパッタリングを受ける陰極部材の表面粗さRaとの相関について検証した。
[高速原子ビーム源]
高速原子ビーム源500および高速原子ビーム源800を使用した。なお、内面を構成する平面の表面粗さRaの平均値が0.1μmの陰極部材を用いて構成されたビーム源が高速原子ビーム源800であり、内面を構成する平面の表面粗さRaの平均値が0.3μm~3.0μmの陰極部材を用いて構成されたビーム源が高速原子ビーム源500である。
〈陰極〉
陰極100と同様の陰極を用いた。すなわち、陰極部材6枚により6つの内面を有する、内部が中空の箱状である。また、陰極100は、6つの内面として、底面110と、底面110と対向する上面120と、底面110と上面120とをつなぐ4つの側面130、140、150、160と、を備える。また、底面110と上面120、側面130と側面140、側面150と側面160は互いに平行である。そして陰極100は、ガラス状カーボン製で、内寸が幅56mm、奥行きが64mm、高さが102mmの直方体状であり、陰極部材の厚さは3mmとした。
〈陰極部材の平面の加工〉
6枚の陰極部材は、新品未使用の状態では陰極の内面を構成する平面の表面粗さRaの平均値は0.1μmである。従来例1では新品未使用の状態の陰極部材をそのまま使用して陰極を構成した。また、実施例1~3、比較例1の場合は、新品未使用の状態の陰極部材の平面に対してブラスト加工を行い、陰極の内面を構成する平面の表面粗さRaの平均値は0.3μm、1.0μm、2.0μm、3.0μmとなるように加工した。
〈陰極部材の平面の表面粗さRaの平均値の算出方法〉
陰極100の内面を構成する平面の表面粗さRaの平均値は、第一領域R1および第二領域R2のいずれの領域とも陰極材面内の異なる測定点3点において触針式表面粗さ測定機による測定を行い、その平均値を用いた。具体的な測定点は、図6の丸で囲んだ点P1~P4である。第一領域R1についての測定点は、対角に位置する隅部2点(P2)、および陰極材長辺側の中間1点(P4)の計3点であり、第二領域R2についての測定点は、陰極材の中央(P1)を含む対角線上にある計3点(P1とP3)とした。
ここで、P1は高速原子ビーム放出口101を避けた陰極100の内面における陰極部材103の中心部であり、P2はそれぞれ4つの隅角部103aにできるだけ近い測定可能な点であり、P3は中心部P1とそれぞれ4つの隅角部103aとの間の中心点であり、P4はそれぞれ4つの辺103bにおいて隅角部103aと等距離にある中央部にできるだけ近い測定可能な点であり、P5は中心部P1とそれぞれ4つの中央部との中心点である。なお、今回はP5を測定点としていないが、P5を適宜測定点とすることもできる。
なお、実施例1において、陰極部材の平面の加工の条件は6枚の陰極部材のいずれも同じとした。そのため、1枚の陰極部材の表面粗さRaの測定値の平均値は6枚とも0.3μmであり、よって、陰極の内面における表面粗さRaの測定値の平均値も0.3μmであった。すなわち、6枚の陰極部材間において表面粗さRaにバラつきはなかった。実施例2、3、比較例1についても同様であり、従来例1についても表面粗さRaにバラつきはなかった。
〈陽極〉
第1陽極210と第2陽極220として、直径10mm、長さ100mmの円柱状でグラファイト製の陽極を2本用いた。2本の陽極は、絶縁部材を介して、陰極100の奥行き方向の真ん中の位置(側面130、140からそれぞれ32mmの位置)において、2本の陽極の中心軸間距離が25mmとなるように、互いに離隔して底面110と上面120に固定した。
[試験条件]
高速原子ビーム源の照射条件は、まず、不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを不活性ガス導入口から陰極100内に導入し、高速原子ビーム源からの高速原子ビーム照射の加速電圧は1kVとし、照射電流が30mAになるようにArガス流量を調整して、照射する条件とした。照射対象となる基板には、照射対象面に異物の存在しないシリコン基板を用いた。異物の測定にあたっては、積算照射時間0時間と15時間の時点において、照射対象面に異物の存在しないシリコン基板上に300秒間の高速原子ビーム照射を行い、パーティクルカウンター(型式WM-7S、TOPCON社製)を用いて、照射後のシリコン基板の照射対象面に到達した異物の数と大きさを分類した。
なお、積算照射時間0時間の場合の異物数は、陰極が未使用の状態の高速原子ビーム源に対してシリコン基板上に300秒間の高速原子ビーム照射を行った結果である。また、積算照射時間15時間の場合の異物数は、高速原子ビーム源による接合基板の製造を行い、高速原子ビーム照射を積算で15時間行った後の高速原子ビーム源に対してシリコン基板上に300秒間の高速原子ビーム照射を行った結果である。
表2には5μm未満のサイズの異物mの異物数、表3には5μm以上のサイズの異物Mの異物数を示す。なお、試験条件および異物の数と大きさの分類方法は、表1に示す結果を導いた試験と同じであり、表1の結果は、表2、3に示す従来例1の結果に相当する。
表2の結果より、積算照射時間0時間時における異物の数を見ると、表面粗さRaの平均値の増加に伴い、異物数が増加している様子が見られた。一方、積算照射時間15時間時における異物の数を見ると、初期値である積算照射時間0時間時と比較して、従来例1において著しい増加が見られた。一方で実施例1~3については、大きな増加は見られなかったが、比較例1については、積算照射時間0時間時における異物数が従来例1や実施例1~3と比較して2倍以上大きい値であり、この傾向は積算照射時間15時間時においても同じであった。すなわち、表面粗さRaの平均値を0.3μm~2.0μmにすることで、積算照射時間0時間時~15時間時において異物mの発生を抑制できる結果となった。
また、表3の結果より、積算照射時間0時間時における異物Mの数を見ると、表面粗さRaの平均値に依らず、1~3個程度であった。すなわち、陰極が新品の状態において、大きな異物Mの発生数は少ない結果となった。一方、積算照射時間15時間時における異物Mの数を見ると、初期値である積算照射時間0時間時と比較して、従来例1において異物Mの著しい増加が見られた。実施例1~3、比較例1については、異物Mの大きな増加は見られなかった。
<本発明の効果>
図13に、表2、3の結果に基づいて作成した積算照射時間15時間時における異物の数(異物m(サイズ<5μmΦ)、および異物M(≧5μmΦ))と陰極部材の表面粗さRaの平均値との関係をグラフにしたものを示す。
高速原子ビーム源の陰極のスパッタ塵を源として発生する2種類の異物については、その発生機構と発生源である陰極材の表面形状に強い相関がある。第一の異物(異物m)は、陰極材のうち、スパッタリングによる削れ量(スパッタリングにより削れた陰極材の量)と発生したスパッタ塵の再付着量を比較して、削れ量の多い部位において発生する。そのため、第一の異物の発生数は荷電粒子によりスパッタリングを受けた陰極材の削れ量に依存する。スパッタリングによる削れ量は、荷電粒子の持つエネルギーおよびスパッタリングを受ける対象の表面積によって決まる。そのため、第一の異物の発生を抑制するためには、荷電粒子が衝突する対象の表面積を低減するといった手段が有効であり、スパッタリングの対象である陰極材の表面粗さRaについては、表面粗さを小さくすることが有効である。最適な粗さについては、最終製品に求める接合不良の仕様にもよるが、本実施例の水準においては、表面粗さRaの平均値として2.0μm以下が望ましい結果であった(図13)。
第二の異物(異物M)は、陰極材のうち、スパッタリングによる陰極材の削れ量と発生したスパッタ塵の再付着量とを比較して、スパッタ塵の再付着量の多い部位において発生する。そのため、その発生数は、第一の異物とは異なり、再付着したスパッタ塵の剥がれやすさに依存する。スパッタ塵の剥がれやすさは、スパッタ塵と陰極材の接着強度およびスパッタ塵の堆積様式によって決まる。一般的に接着された二つの物体間の接着強度は、その接触面積が大きいほど強くなる傾向が知られている。そのため、第二の異物の発生を抑制するためには、スパッタ塵と接触する陰極の表面積を大きくするといった手段が有効であり、スパッタリングの対象である陰極材の表面粗さRaについては、表面粗さを大きくすることが有効である。最適な粗さについては、最終製品に求める接合不良の仕様にもよるが、本実施例の水準においては、表面粗さRaの平均値として0.3μm以上が望ましい結果であった(図13)。
これらの結果をまとめると、接合基板における接合不良の発生要因である高速原子ビーム源から飛来する2種類の異物に対して、その発生に影響を与える陰極の内面を構成する陰極部材の表面粗さRaを0.3μm~2.0μmに設定することで、陰極のスパッタリングを抑制し、一般的な接合不良の発生源となりうる第一の異物の発生を抑えるとともに、スパッタ塵の再付着に起因する堆積物の剥がれを抑制し、特に基板特性に及ぼす影響が大きい、接合対象の破損を伴った接合不良の発生源となりうる第二の異物の発生を抑えることができる。この効果は、例えば陰極の内面において、下面110と上面120における表面粗さの平均が0.3μmであり、側面130~160における表面粗さの平均が2.0μmの場合のように、表面粗さRaが0.3μm~2.0μmの範囲内であれば表面粗さにバラつきがあっても得られると考えられる。以上より、本発明は産業上有用である。
100:陰極、101:高速原子ビーム放出口、102:不活性ガス導入口、103:陰極部材、103a:隅角部、103b:辺、110:底面、120:上面、130:側面、140:側面、150:側面、160:側面、210:第1陽極、220:第2陽極、500:高速原子ビーム源、750:接合基板、710:第1の半導体基板、720:第2の半導体基板、711,721:接合対象面、800:高速原子ビーム源、810:高速原子ビーム、900:陰極、901:高速原子ビーム放出口、902:不活性ガス導入口、903:陰極部材、905:スパッタ塵、e:陽イオン、G:不活性ガス、R1:第一領域、R2:第二領域、P1:中心部、P2:場所、P3:中心点、P4:場所、P5:中心点

Claims (7)

  1. 高速原子ビーム源の陰極を構成する平板状の陰極部材であって、
    前記陰極の内面を構成する平面を備え、
    前記平面の全体において、表面粗さRaの平均値が0.3μm~2.0μmである、陰極部材。
  2. グラファイト製、ガラス状カーボン製、炭化ケイ素製のいずれかである、請求項1に記載の陰極部材。
  3. 高速原子ビーム源の陰極であって、
    請求項1または2に記載の陰極部材を備え、6つの内面を有する、内部が中空の箱状であり、
    6つの前記内面として、底面と、前記底面と対向する上面と、前記底面と前記上面とをつなぐ4つの側面と、を備え、
    4つの前記側面は、対向する前記側面同士が互いに平行であり、
    4つの前記側面のうち、対向する2つの前記側面の一方には、前記陰極内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入口が設けられ、他方には、前記陰極の外部に高速原子ビームを放出する粒子線放出口が設けられている、陰極。
  4. 請求項3に記載の陰極と、
    前記陰極の内部に設けられた陽極と、を備える、高速原子ビーム源。
  5. 第1の半導体基板と、第2の半導体基板とが積層した接合基板を製造する方法であって、
    請求項4に記載の高速原子ビーム源を用いて、前記第1の半導体基板の接合面と、前記第2の半導体基板の接合面に、高速原子ビームを真空中で照射する照射工程と、
    前記高速原子ビームが照射された、前記第1の半導体基板の接合面と前記第2の半導体基板の接合面とを接触させて、接合界面を有する積層体を得る接触工程と、
    前記接触工程で得られた前記積層体を熱処理して接合基板を得る熱処理工程と、
    を備える、接合基板の製造方法。
  6. 前記第1の半導体基板および前記第2の半導体基板が、それぞれ、3C-SiC単結晶基板、4H-SiC単結晶基板、6H-SiC単結晶基板、SiC多結晶基板のうちのいずれかである、請求項5に記載の接合基板の製造方法。
  7. 前記高速原子ビームが、アルゴン、ネオン、キセノンのいずれかを含む、請求項5または6に記載の接合基板の製造方法。
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