JP2024058393A - 変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体及びその製造方法 - Google Patents

変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体及びその製造方法 Download PDF

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佑樹 高橋
Yuki Takahashi
和也 上西
Kazuya Uenishi
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Abstract

【課題】天然ゴムとブタジエンゴムとシリカとを含有するゴム組成物に用いられる材料であって、天然ゴムとブタジエンゴムとの相溶性及びシリカの分散性を向上する材料を提供する。【解決手段】水酸基、カルボキシ基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基Aを末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体であって、上記ブタジエンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Xが90モル%以上であり、上記イソプレンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Yが90モル%以上である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。【選択図】なし

Description

本発明は、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体及びその製造方法に関する。
タイヤ等に用いられるゴム組成物として、天然ゴムとブタジエンゴムとシリカとを含有するゴム組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015-218237号公報
このようななか、本発明者らが特許文献1のゴム組成物について評価を行ったところ、今後さらに高まるであろう要求レベルを考慮すると、特性(強靭性等)のさらなる向上が望ましいことが明らかになった。そして、本発明者らの検討の結果から、天然ゴムとブタジエンゴムとの相溶性やシリカの分散性を向上させることで特性(強靭性等)が向上することが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、天然ゴムとブタジエンゴムとシリカとを含有するゴム組成物に用いられる材料であって、天然ゴムとブタジエンゴムとの相溶性及びシリカの分散性を向上する材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定の官能基を末端に有するとともに特定のミクロ構造を有する変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体によって上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 水酸基、カルボキシ基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基Aを末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体であって、
上記ブタジエンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Xが90モル%以上であり、上記イソプレンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Yが90モル%以上である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
(2) 重量平均分子量が、1,000~10,000,000である、上記(1)に記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
(3) 上記割合X及び上記割合Yが、92~99モル%である、上記(1)又は(2)に記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
(4) ガラス転移温度が、-60℃以下である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
(5) 上記(1)~(4)のいずれかに記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を得るための製造方法であって、
希土類元素系触媒及びアルミノキサンを用いてブタジエンとイソプレンとを共重合し、
その後、変性剤を用いて重合を停止することで、上記変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を得る、製造方法。
(6) 上記希土類元素系触媒が、Sc、Gd又はNdである、上記(5)に記載の製造方法。
(7) 上記変性剤が、エポキシド、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するラクトン、及び、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシドからなる群より選択される少なくとも1種である、上記(5)又は(6)に記載の製造方法。
以下に示すように、本発明によれば、天然ゴムとブタジエンゴムとシリカとを含有するゴム組成物に用いられる材料であって、天然ゴムとブタジエンゴムとの相溶性及びシリカの分散性を向上する材料を提供することができる。
以下、本発明の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体について説明する。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について量とは、特段の断りが無い限り、合計の量を指す。
また、本明細書において、本発明の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を天然ゴムとブタジエンゴムとシリカとを含有するゴム組成物に用いたときに天然ゴムとブタジエンゴムとの相溶性及びシリカの分散性が向上すること、及び、本発明の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を含有するゴム組成物についてシリカ分散性、低発熱性、耐摩耗性、強靭性が優れることを「本発明の効果等が優れる」とも言う。
[1]変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体
本発明の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体(以下、単に「本発明の共重合体」とも言う)は、
水酸基、カルボキシ基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基Aを末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体であって、
上記ブタジエンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Xが90モル%以上であり、上記イソプレンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Yが90モル%以上である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体である。
本発明の共重合体はこのような構成をとるため、上述した本発明の課題を解決できるものと考えられる。その理由は明らかではないが、本発明の共重合体のブタジエン由来の繰り返し単位及びイソプレン由来の繰り返し単位がそれぞれゴム組成物中のブタジエンゴム及び天然ゴムと相互作用するとともに、末端に有する特定の官能基がシリカと相互作用するためと考えられる。
[骨格]
本発明の共重合体の骨格(主鎖構造)は、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体である。
なお、共重合体がランダム共重合体であることは、ガラス転移温度を1つのみ有することから確認できる。
〔ブタジエン単位含有量〕
上記ランダム共重合体において、全繰り返し単位のうちブタジエンに由来する繰り返し単位(以下、「ブタジエンに由来する繰り返し単位」を「ブタジエン単位」とも言う)が占める割合(以下、「ブタジエン単位含有量」とも言う)は、特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、5~90モル%であることが好ましく、10~60モル%であることがより好ましい。
〔イソプレン単位含有量〕
上記ランダム共重合体において、全繰り返し単位のうちイソプレンに由来する繰り返し単位(以下、「イソプレンに由来する繰り返し単位」を「イソプレン単位」とも言う)が占める割合(以下、「イソプレン単位含有量」とも言う)は、特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、10~95モル%であることが好ましく、40~90モル%であることがより好ましい。
〔割合X〕
上記ランダム共重合体において、ブタジエンに由来する繰り返し単位(ブタジエン単位)のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合X(以下、単に「割合X」とも言う)は、90モル%以上である。なお、ブタジエン単位には、1,4-シス構造、1,4-トランス構造、ビニル構造の3種類のミクロ構造が存在する。
割合Xは、本発明の効果等がより優れる理由から、92~99モル%であることが好ましい。
〔割合Y〕
上記ランダム共重合体において、イソプレンに由来する繰り返し単位(イソプレン単位)のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Y(以下、単に「割合Y」とも言う)は、90モル%以上である。なお、イソプレン単位には、1,4-シス構造、1,4-トランス構造、ビニル構造の3種類のミクロ構造が存在する。
割合Yは、本発明の効果等がより優れる理由から、92~99モル%であることが好ましい。
[末端]
本発明の共重合体は、水酸基(-OH)、カルボキシ基(-COOH)及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基A(以下、単に「官能基A」とも言う)を末端に有する。なお、官能基Aは2価の連結基を介して骨格(主鎖構造)に結合していてもよい。
本発明の共重合体は、少なくとも1つの末端に官能基Aを有すればよく、本発明の効果等がより優れる理由から、1つの末端のみに官能基Aを有するのが好ましい。
官能基Aは、本発明の効果等がより優れる理由から、アルコキシシリル基であることが好ましい。
〔アルコキシシリル基〕
アルコキシシリル基とは、≡SiOR(ここでRは炭化水素基)で表される基である。
上記アルコキシシリル基は、本発明の効果等がより優れる理由から、-Si(R(Rで表される基であることが好ましい。
ここで、Rはアルコキシ基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、m+nは3である。
上記Rは、本発明の効果等がより優れる理由から、炭素数1~10のアルコキシ基であることが好ましく、炭素1~5のアルコキシ基であることがより好ましい。
上記Rの置換基は、炭化水素基であることが好ましい。上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらを組み合わせた基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基(特に、炭素数1~30)、直鎖状又は分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2~30)、直鎖状又は分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2~30)などが挙げられる。
上記mは、本発明の効果等がより優れる理由から、2~3の整数であることが好ましく、3であることがより好ましい。
上記nは、本発明の効果等がより優れる理由から、0~1の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
[分子量]
本発明の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果等がより優れる理由から、1,000~10,000,000であることが好ましく、100,000~5,000,000であることがより好ましく、1,000,000~3,000,000であることがさらに好ましい。
本発明の共重合体の数平均分子量(Mn)は、本発明の効果等がより優れる理由から、1,000~10,000,000であることが好ましく、50,000~3,000,000であることがより好ましく、500,000~1,000,000であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値とする。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
[ガラス転移温度]
本発明の共重合体のガラス転移温度(Tg)は、本発明の効果等がより優れる理由から、-60℃以下であることが好ましく、-70℃以下であることがより好ましい。上記Tgの下限は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、-120℃以上であることが好ましく、-100℃以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速度で測定し、中点法にて算出したものとする。
[製造方法]
本発明の共重合体を製造する方法は特に制限されないが、得られる共重合体について本発明の効果等がより優れる理由から、下記(1)及び(2)を備える製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも言う)であることが好ましい。
なお、以下、得られる共重合体について本発明の効果等が優れることを単に「本発明の効果等が優れる」とも言う。
(1)重合工程
希土類元素系触媒及びアルミノキサンを用いてブタジエンとイソプレンとを共重合する工程
(2)末端変性工程
その後、変性剤を用いて重合を停止することで、上記変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を得る工程
以下、各工程について説明する。
〔重合工程〕
重合工程は、希土類元素系触媒及びアルミノキサンを用いてブタジエンとイソプレンとを共重合する工程である。希土類元素系触媒及びアルミノキサンを用いて重合することで、上述した割合X及び割合Yの高い共重合体が得られるものと考えられる。
<モノマー>
重合工程では、モノマーとしてブタジエン及びイソプレンを使用する。
(各モノマーの割合)
全モノマーの使用量に対するブタジエンの使用量の割合は、特に制限されないが、その好適な範囲及びその理由は上述したブタジエン単位含有量と同じである。
また、全モノマーの使用量に対するイソプレンの使用量の割合は、特に制限されないが、その好適な範囲及びその理由は上述したイソプレン単位含有量と同じである。
<希土類元素系触媒>
希土類元素系触媒としては、例えば、希土類元素、又は、希土類元素を含む化合物が挙げられる。
希土類元素としては、スカンジウム;イットリウム;ランタノイド(ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムランタノイド)が挙げられる。
希土類元素を含む化合物としては、例えば、希土類元素のハロゲン化物、希土類元素の錯体、希土類元素と金属との合金が挙げられる。
希土類元素系触媒は、本発明の効果等がより優れる理由から、Sc(スカンジウム)、Gd(ガドリニウム)又はNd(ネオジム)であることが好ましく、Ndであることがより好ましい。
(使用量)
希土類元素系触媒の使用量は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、全モノマー(ブタジエン及びイソプレン)の使用量に対して、0.00001~10モル%であることが好ましく、0.0001~1モル%であることがより好ましい。
<アルミノキサン>
アルミノキサンは、トリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。なお、アルミノキサンは助触媒として働くものと考えられる。
アルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサンなどが例示できる。なかでも、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサンなどのモデファイドメチルアルミノキサン(修飾メチルアルミノキサン)(MMAO)が好ましい。これらのアルミノキサンは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(使用量)
アルミノキサンの使用量は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、希土類元素系触媒に対するアルミノキサン中のアルミニウム原子のモル比で、20~10,000であることが好ましく、50~2,000であることがより好ましく、100~1,000であることがさらに好ましい。
〔末端変性工程〕
末端変性工程は、重合工程後、変性剤を用いて重合を停止することで、本発明の共重合体を得る工程である。変性剤を用いて重合を停止することで、重合工程で得られたランダム共重合体の生長末端に変性剤が結合する。
なお、重合を完全に停止する観点から、変性剤に加えてアルコール(例えばメタノール)等を添加してもよい。
<変性剤>
変性剤は、重合工程で得られたランダム共重合体の生長末端と反応することで上述した官能基Aを形成する変性剤であれば特に制限されない。
変性剤は、本発明の効果等がより優れる理由から、エポキシド、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するラクトン、及び、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシドがより好ましく、アルコキシシリル基を有するエポキシド(例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)がさらに好ましい。
(エポキシド)
エポキシドは、オキサシクロプロパン(オキシラン)構造を有する化合物であれば特に制限されない。エポキシドは、オキシランが開環することで、ランダム共重合体の生長末端に結合する。このとき、水酸基を形成する。そのため、変性剤としてエポキシドを用いた場合、官能基Aとして水酸基を末端に有するランダム共重合体が得られる。
エポキシドの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、1-フェニルプロピレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグルシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、1-メトキシ-2-メチルプロピレンオキシド、アリルグリシジルエーテル、2-エチルオキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコールグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、パルミチルグリシジルエーテル、ミリスチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、カプリルグリシジルエーテル及びカプロイルグリシジルエーテル等が挙げられる。
(カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するラクトン)
カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するラクトンは、ラクトンが開環することで、ランダム共重合体の生長末端に結合する。そのため、変性剤としてカルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するラクトンを用いた場合、官能基Aとしてカルボキシ基又はアルコキシ基を末端に有するランダム共重合体が得られる。
(カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシド)
カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシドは、エポキシドが開環することで、ランダム共重合体の生長末端に結合する。このとき、水酸基を形成する。そのため、変性剤としてカルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシドを用いた場合、官能基Aとして水酸基とカルボキシ基又はアルコキシ基とを末端に有するランダム共重合体が得られる。
(使用量)
変性剤の使用量は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、希土類元素系触媒に対するモル比で、0.1~10であることが好ましく、1~5であることがより好ましい。
[2]ゴム組成物
本発明のゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、ゴム成分として上述した本発明の共重合体を含むゴム組成物である。
[ゴム成分]
ゴム成分は本発明の共重合体を含む。ゴム成分は本発明の共重合体以外のゴム成分(その他のゴム成分)を含んでいてもよい。
〔本発明の共重合体〕
本発明の共重合体については上述のとおりである。
<含有量>
ゴム成分中の本発明の共重合体の含有量は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、2~50質量%であることが好ましく、4~40質量%であることがより好ましく、6~30質量%であることがさらに好ましく、8~20質量%であることが特に好ましい。
〔その他のゴム成分〕
その他のゴム成分は特に制限されないが、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。なかでも、本発明の効果等がより優れる理由から、天然ゴム、ブタジエンゴムが好ましい。
<分子量>
(重量平均分子量)
その他のゴム成分の重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、50,000超であることが好ましく、100,000~10,000,000であることがより好ましく、200,000~2,000,000であることがさらに好ましい。
(数平均分子量)
その他のゴムの数平均分子量(Mn)は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、50,000~5,000,000であることが好ましく、100,000~1,000,000であることがより好ましい。
<含有量>
ゴム成分がその他のゴム成分を含有する場合、ゴム成分中のその他のゴム成分の含有量は特に制限されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、50~98質量%であることが好ましく、60~96質量%であることがより好ましく、70~94質量%であることがさらに好ましく、80~92質量%であることが特に好ましい。
〔好適な態様〕
ゴム成分は、本発明の効果等がより優れる理由から、本発明の共重合体に加えて、天然ゴム及びブタジエンゴムを含有するのが好ましい。
<含有量>
この場合のゴム成分中の本発明の共重合体の含有量の好適な範囲は上述した好適な範囲と同じである。
また、ゴム成分中の天然ゴム及びブタジエンゴムの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、それぞれ、25~49質量%であることが好ましく、30~48質量%であることがより好ましく、35~47質量%であることがさらに好ましく、40~46質量%であることが特に好ましい。
[シリカ]
本発明の組成物は、本発明の効果等がより優れる理由から、シリカを含有するのが好ましい。
上記シリカは特に制限されず、従来公知の任意のシリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
〔含有量〕
本発明の組成物において、シリカの含有量は、本発明の効果等がより優れる理由から、上述したゴム成分100質量部に対して、10~200質量部であることが好ましく、50~150質量部であることがより好ましい。
[任意成分]
本発明の組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
そのような成分としては、例えば、シリカ以外の充填剤(好ましくは、カーボンブラック)、シランカップリング剤、テルペン樹脂(好ましくは、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤(促進剤)、加硫活性剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
[用途]
本発明の組成物は、例えば、タイヤ、コンベアベルト、ホース、防振材、ゴムロール、鉄道車両の外幌等に好適に用いられる。特に、タイヤ(特にトレッド)に好適に用いられる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体の製造]
下記のとおり、各共重合体を製造した。なお、いずれの共重合体も上述した本発明の共重合体に該当する。
〔共重合体1〕
<重合工程>
2つ口フラスコ(500mL)に、Nd(0.4g)、MMAO(10mL)、ブタジエン(15質量%トルエン溶液)(50g)及びイソプレン37.9gを添加し、攪拌(室温、1.5時間)することで、ブタジエンとイソプレンとを共重合した。
<末端変性工程>
その後、KBE-403(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(0.6g)を添加し、攪拌(室温、2.0時間)した。さらに、塩酸メタノール溶液(7.5mL)を添加し、攪拌(室温、1.0時間)した。次いで、良溶媒にトルエン、貧溶媒にメタノールを用いて、2回精製した。その後、真空乾燥(60℃、5.0時間)を行った。このようにして共重合体を得た。得られた共重合体を共重合体1とする。
共重合体1は、アルコキシシリル基を末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体(ブタジエン単位含有量:20モル%、イソプレン単位含有量:80モル%)であって、割合Xが95モル%であり、割合Yが98モル%である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体である。
また、共重合体1のMwは1,297,000、Tgは-71℃である。
〔共重合体2〕
<重合工程>
2つ口フラスコ(500mL)に、Nd(0.27g)、MMAO(6.8mL)、ブタジエン(15質量%トルエン溶液)(50g)及びイソプレン22.1gを添加し、攪拌(室温、1.5時間)することで、ブタジエンとイソプレンとを共重合した。
<末端変性工程>
その後、KBE-403(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(0.6g)を添加し、攪拌(室温、2.0時間)した。さらに、塩酸メタノール溶液(7.5mL)を添加し、攪拌(室温、1.0時間)した。次いで、良溶媒にトルエン、貧溶媒にメタノールを用いて、2回精製した。その後、真空乾燥(60℃、5.0時間)を行った。このようにして共重合体を得た。得られた共重合体を共重合体2とする。
共重合体2は、アルコキシシリル基を末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体(ブタジエン単位含有量:30モル%、イソプレン単位含有量:70モル%)であって、割合Xが95モル%であり、割合Yが98モル%である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体である。
また、共重合体2のMwは2,300,000、Tgは-84℃である。
〔共重合体3〕
<重合工程>
2つ口フラスコ(500mL)に、Nd(0.16g)、MMAO(4.0mL)、ブタジエン(15質量%トルエン溶液)(50g)及びイソプレン9.5gを添加し、攪拌(室温、1.5時間)することで、ブタジエンとイソプレンとを共重合した。
<末端変性工程>
その後、KBE-403(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)(0.6g)を添加し、攪拌(室温、2.0時間)した。さらに、塩酸メタノール溶液(7.5mL)を添加し、攪拌(室温、1.0時間)した。次いで、良溶媒にトルエン、貧溶媒にメタノールを用いて、2回精製した。その後、真空乾燥(60℃、5.0時間)を行った。このようにして共重合体を得た。得られた共重合体を共重合体3とする。
共重合体3は、アルコキシシリル基を末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体(ブタジエン単位含有量:50モル%、イソプレン単位含有量:50モル%)であって、割合Xが95モル%であり、割合Yが98モル%である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体である。
また、共重合体3のMwは1,230,000、Tgは-89℃である。
[各共重合体の構造及び物性のまとめ]
下記表1に各共重合体の構造及び物性をまとめて示す。
Figure 2024058393000001

Claims (7)

  1. 水酸基、カルボキシ基及びアルコキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基Aを末端に有する、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合体であって、
    前記ブタジエンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Xが90モル%以上であり、前記イソプレンに由来する繰り返し単位のうち1,4-シス構造を有する繰り返し単位が占める割合Yが90モル%以上である、変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
  2. 重量平均分子量が、1,000~10,000,000である、請求項1に記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
  3. 前記割合X及び前記割合Yが、92~99モル%である、請求項1に記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
  4. ガラス転移温度が、-60℃以下である、請求項1に記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を得るための製造方法であって、
    希土類元素系触媒及びアルミノキサンを用いてブタジエンとイソプレンとを共重合し、
    その後、変性剤を用いて重合を停止することで、前記変性ブタジエン-イソプレンランダム共重合体を得る、製造方法。
  6. 前記希土類元素系触媒が、Sc、Gd又はNdである、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記変性剤が、エポキシド、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するラクトン、及び、カルボキシ基又はアルコキシシリル基を有するエポキシドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の製造方法。
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