JP2024058220A - 表示装置用部材、および表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性、耐擦傷性、および耐屈曲性に優れた表示装置用部材を提供する。【解決手段】衝撃吸収層2と、ハードコート層3と、が積層されてなる積層体を有する表示装置用部材1であって、上記積層体の引張応力を測定した際に、上記ハードコート層が破断したときの応力をハードコート層破断強度とし、上記ハードコート層が破断したときの伸度をハードコート層破断伸度とした場合、上記ハードコート層破断強度が7MPa以上であり、上記ハードコート層破断伸度が4%以上36%以下である、表示装置用部材を提供する。【選択図】図2

Description

本開示は、表示装置用部材、および表示装置に関する。
従来、表示装置には、表示装置を保護する目的で、ガラス製や樹脂製のカバー部材が用いられている。このカバー部材は、表示装置を衝撃や傷から保護するものであり、強度、耐衝撃性、耐傷性等が求められる。ガラス製のカバー部材は、表面硬度が高く傷が付きにくい、透明度が高い等の特徴があり、樹脂製のカバー部材は、軽量、割れにくいといった特徴がある。また、一般にカバー部材の厚みが厚いほど表示装置を衝撃から保護する機能が高く、重量やコスト、表示装置のサイズ等から、カバー部材の材質や厚みが適宜選択されて用いられている。
近年、フォルダブルディスプレイ、ローラブルディスプレイ、ベンダブルディスプレイ等のフレキシブルディスプレイの開発が盛んに行われており、中でも、フォルダブルディスプレイ、すなわち折り曲げられる表示装置の開発が進められている。
折れ曲げられる表示装置においては、カバー部材も表示装置の動きに追随して曲がる必要があることから、折り曲げることができるカバー部材が適用されている。樹脂製のカバー部材の場合、化学構造の工夫により無色透明化したポリイミドやポリアミドイミドのフィルムが開発されている(例えば特許文献1参照)。また、ガラス製のカバー部材の場合、超薄板ガラス(Ultra-Thin Glass;UTG)等のようにガラスを薄くすることで折り曲げることができるようにしたカバー部材の検討が進められている(例えば特許文献2参照)。ガラスの中でも、特に、屈曲耐性が高いのは、化学強化ガラスといわれるもので、ガラス表面に膨張する応力を内在させることにより、ガラス表面に生じた微小な傷が屈曲時に大きくならないようにすることで、ガラスを割れにくくしている。
特開2019-137864号公報 特開2018-188335号公報
ガラスは、樹脂に比べ弾性率が高いので、同じ厚みの場合、樹脂よりも表示装置を保護する能力が高い。また、ガラスは、光学的にも透明性が高く、より視認性の良い表示装置を製造することが可能となる。一方で、ガラスは薄くなることで、より割れやすくなってしまい、耐衝撃性が劇的に悪化する。外部からの衝撃によって、カバー部材のガラスが割れてしまうと、表示装置を保護する機能が低下するだけでなく、発生した破片や鋭利な端面により使用者の指先等を傷付けてしまうおそれがある。
上記ガラス基材には、外部からの衝撃によるガラス基材の割れを防止する目的で、上記ガラス基材の外表面に衝撃吸収層が設けられる場合がある。この際、上記衝撃吸収層のガラス基材とは反対側の表面には、耐擦傷性を向上させる目的で、ハードコート層が設けられる。
このようなガラス基材の外表面側に配置される、衝撃吸収層およびハードコート層からなる積層体は、耐衝撃性および耐擦傷性に優れるばかりではなく、フレキシブルディスプレイに用いられる場合は耐屈曲性をも求められるが、これらの三つの特性をバランスよく有する積層体を得ることは極めて難しいものであった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性、耐擦傷性、および耐屈曲性に優れた表示装置用部材を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の発明者らは鋭意検討を行った結果、上記積層体の引張応力を測定する際に、まずハードコート層が破断するが、このときの応力および伸度を所定の範囲とした場合に、耐衝撃性、耐擦傷性、および耐屈曲性に優れた表示装置用部材とすることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本開示は、衝撃吸収層と、ハードコート層と、が積層されてなる積層体を有する表示装置用部材であって、上記積層体の引張応力を測定した際に、上記ハードコート層が破断したときの応力をハードコート層破断強度とし、上記ハードコート層が破断したときの伸度をハードコート層破断伸度とした場合、上記ハードコート層破断強度が7MPa以上であり、上記ハードコート層破断伸度が4%以上36%以下である、表示装置用部材を提供する。
本開示における表示装置用部材においては、上記ハードコート層破断伸度が、30%未満であることが好ましい。
また、本開示における表示装置用部材においては、上記衝撃吸収層の、上記ハードコート層とは反対側の面に、厚さが100μm以下のガラス基材が配置されていることが好ましい。
本開示の他の実施形態は、表示パネルと、前記表示パネルの観察者側に配置された、上述した表示装置用部材を備える、表示装置を提供する。
本開示においては、上記表示装置が、折りたたみ可能であることが効果を発揮するうえで好ましい。
本開示においては、耐衝撃性、耐擦傷性、および耐屈曲性に優れた表示装置用部材を提供することができるという効果を奏する。
本開示に用いられる積層体を例示する概略断面図である。 本開示における表示装置用部材を例示する概略断面図である。 本開示における表示装置用部材を例示する概略断面図である。 本開示における表示装置用部材を例示する概略断面図である。 本開示における表示装置を例示する概略断面図である。 本開示における耐屈曲性試験を説明する概略断面図である。 実施例および比較例の総合評価結果をまとめたグラフである。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
また、本明細書において、「フィルム」には、「シート」と呼ばれる部材も含まれる。
以下、本開示における表示装置用部材、および表示装置について詳細に説明する。
A.表示装置用部材
本開示における表示装置用部材は、衝撃吸収層と、ハードコート層と、が積層されてなる積層体を有する表示装置用部材であって、上記積層体の引張応力を測定した際に、上記ハードコート層が破断したときの応力をハードコート層破断強度(以下、HC破断強度とする場合がある。)とし、上記ハードコート層が破断したときの伸度をハードコート層破断伸度(以下、HC破断伸度とする場合がある。)とした場合、上記HC破断強度が7MPa以上であり、上記HC破断伸度が4%以上36%以下であることを特徴とする。
図1は、本開示における表示装置用部材に用いられる積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、積層体4は、衝撃吸収層2と、衝撃吸収層2の一方の表面側に配置されたハードコート層3と、を有する。上記衝撃吸収層2およびハードコート層3を有する積層体4の引張応力を測定した場合、先にハードコート層3が破断するが、本開示においては上記ハードコート層3が破断した際の積層体4の強度および伸度が、所定の範囲内となる。
図2は、本開示の表示装置用部材1の一例を示すものであり、上記表示装置用部材1は、積層体4と、上記積層体4の衝撃吸収層2のハードコート層3とは反対側の面に、ガラス基材5が配置されている。
本開示において上記HC破断伸度が4%以上36%以下であるとは、上記積層体を延伸して引張応力を測定する場合、ハードコート層および衝撃吸収層が共に延伸されるが、より剛性の高く厚みの薄いハードコート層の方が先に破断する。上記HC破断伸度とは、ハードコート層が破断した際の伸度を意味し、本開示における積層体は、このハードコート層の破断した際の積層体の伸度が、4%以上36%以下である点に特徴がある。
本開示の表示装置用部材は、上記積層体のHC破断伸度が上記範囲内であることから、ハードコート層の剛性が適切な範囲であるため、耐擦傷性および耐屈曲性が良好な積層体とすることができる。
すなわち、HC破断伸度が4%を下回る場合は、ハードコート層の剛性が高すぎることを意味する。このため、積層体を屈曲した場合、外曲げおよび内曲げのいずれの場合でも、屈曲部分において大きな剪断応力がハードコート層に加わることになる。そのため、ハードコート層にクラックやシワ等が生じてしまい、例えば折畳み式の表示装置として用いた場合の外観に不具合を生じさせてしまう可能性が高い。
一方、HC破断伸度が36%を上回る場合は、ハードコート層の剛性が不足していることを意味し、表面が比較的柔らかい状態となるため、耐擦傷性が低下する。このため、上記積層体を表示装置として用いた場合に、使用時に表面が傷つきやすくなるという不具合が生じる。
また、本開示の表示装置用部材に用いられる上記積層体において、上記HC破壊強度が7MPa以上であるとは、同様にハードコート層が破断した際の強度(積層体の引張応力)であり、破断した際の上記衝撃吸収層の引張応力を意味する。本開示における積層体は、このハードコート層の破断した際の衝撃吸収層の引張応力が、7MPa以上である点に特徴がある。
上記積層体は、HC破断強度が上記範囲であることから、衝撃吸収層がより硬いことを意味し、これにより、ペンドロップ試験による耐衝撃性を向上させることができる。
1.積層体の特性
以下、本開示における積層体が有する特性について説明する。
(1)HC破断伸度について
本開示における積層体のHC破断伸度の下限は4%以上であり、6%以上であってもよく、好ましくは7%以上である。一方、上限は36%以下であり、好ましくは30%未満である。HC破断伸度の具体的な範囲としては、4%以上36%以下であり、6%以上36%以下であってもよく、好ましくは6%以上30%未満である。
上記HC破壊伸度の測定方法としては、以下の通りである。
まず、上記積層体を、JISダンベル形状3号(ダンベル社製)を装着したSDL-200レバー式裁断機で裁断し、ダンベル型の試験片(全長100mm、標準長20mm)を得る。上記試験片を、テンシロン万能試験機で速度100mm/minで引っ張る。試験片をLEDライトで照射し、HC層のみにクラック(割れ)が入ったときの伸びをa(mm)として、下記の式で得られた値をHC破断伸度とする。
HC破断伸度(%)=(a/20)×100(%) (式)
上記積層体を表示装置用部材から得るためには、積層体をドライヤーで加熱しつつ積層体の端面からゆっくりと剥離する。フィルムがちぎれそうな場合は、一旦室温に冷却してからゆっくりと剥離することで得られやすくなる。
(2)HC破断強度
上記積層体のHC破断強度の下限は7MPa以上であり、好ましくは、10MPa以上である。一方、上限としましては、100MPa以下であることが好ましく、特に好ましくは70MPa以下である。HC破断強度が大きすぎると、HCが堅脆くなるため屈曲性が悪くなる。具体的な範囲としては、7MPa以上70MPa以下であることが好ましく、特に好ましくは10MPa以上70MPa以下である。
HC破断強度の測定方法は、上記HC破断伸度の測定方法と同様の方法を用いることができる。
(3)積層体のヤング率
本開示においては、耐衝撃性(ペンドロップ特性)を向上させるため、積層体のヤング率は、90MPa以上であることが好ましく、特に好ましくは、290MPa以上である。一方、上限としましては、3000MPa以下であることが好ましい。
上記範囲を下回ると、衝撃吸収層の剛性が不足し、耐衝撃性(ペンドロップ性)が低下する可能性があるからである。一方、上記範囲を上回る場合は、耐屈曲性等に問題が生じる可能性がある。
積層体のヤング率の測定方法としては、HC破壊伸度の測定時に応力-ひずみ曲線を作成し、荷重が0.01Mpaになったときのひずみを0%として、0.5%から1.0%の範囲の傾きから求める。
(4)積層体の膜厚
本開示における積層体の膜厚は、15μm以上300μm以下であることが好ましく、特に40μm以上200μm以下であることが好ましい。上記範囲より薄い場合は、耐衝撃性(ペンドロップ性)が低下する可能性があり、上記範囲より厚い場合は、耐屈曲性等の特性が低下する可能性があるからである。
2.表示装置用部材の構成
本開示の表示装置用部材は、上記積層体を有するものであればよいが、通常は、上記積層体の衝撃吸収層側にガラス基材が配置される。
上記積層体は、上記衝撃吸収層と上記ハードコート層とが隣接して配置されていればよい。すなわち、上記衝撃吸収層と上記ハードコート層とが接していてもよく、接着層等により貼り合わされていてもよい。本開示においては、接した状態で配置されていることが、ハードコート層が塗布法で形成される点や、接着層が不要となる点等を考慮すると好ましい。
以下、本開示の表示装置用部材の各構成について説明する。
(1)積層体
本開示に用いられる積層体は、衝撃吸収層およびハードコート層を有するものである。
a)衝撃吸収層
上記積層体に用いられる衝撃吸収層の材料としては、ハードコート層と積層して上記積層体とした場合に、上述したHC破断伸度およびHC破断強度を発現できるものであれば特に限定されない。
具体的には、ウレタン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等が挙げられる。中でも、ウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂を用いることにより、上記HC破断強度を上記範囲内とすることが容易となるからである。
ウレタン系樹脂は、ウレタン結合を含む樹脂である。ウレタン系樹脂としては、電離放射線硬化性ウレタン系樹脂組成物の硬化物や熱硬化性ウレタン系樹脂組成物の硬化物等が挙げられる。これらの中でも、高硬度が得られ、硬化速度も早く量産性に優れる観点から、電離放射線硬化性ウレタン系樹脂組成物の硬化物が好ましい。
熱硬化性ウレタン系樹脂組成物は、例えば、ポリオール化合物と、イソシアネート化合物とを含むことができる。ポリオール化合物およびイソシアネート化合物は、モノマー、オリゴマー、およびプレポリマーのいずれであってもよい。
電離放射線硬化性ウレタン系樹脂組成物は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートを含むことができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、モノマー、オリゴマー、およびプレポリマーのいずれであってもよい。
ウレタン(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリロイル基の数(官能基数)は、例えば、2以上4以下であることが好ましく、2以上3以下であることがより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリロイル基の数が少ないと、硬度が低くなるおそれがある。また、ウレタン(メタ)アクリレート中の(メタ)アクリロイル基の数が多いと、硬化収縮が大きくなり、衝撃吸収層がカールしてしまい、また折り曲げ時に衝撃吸収層にクラックが入るおそれがある。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」の両方を含む意味であり、また「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、例えば、1500以上20000以下であることが好ましく、2000以上15000以下であることがより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が小さすぎると、耐衝撃性が低下するおそれがある。また、ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が大きすぎると、電離放射線硬化性ウレタン系樹脂組成物の粘度が上昇し、塗工性が悪化するおそれがある。なお、ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算で求められる値をいう。
ウレタン系樹脂が電離放射線硬化性ウレタン系樹脂組成物の硬化物であり、電離放射線硬化性ウレタン系樹脂組成物がウレタン(メタ)アクリレートを含む場合、ウレタン系樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレート由来の構造を有する繰り返し単位を有する。ウレタン(メタ)アクリレート由来の構造を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(1)、(2)、(3)または(4)で表される構造等が挙げられる。
上記一般式(1)中、Rは分岐鎖状アルキル基を示し、Rは分岐鎖状アルキル基または飽和環状脂肪族基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示し、mは0以上の整数を示し、xは0~3の整数を示す。
上記一般式(2)中、Rは分岐鎖状アルキル基を示し、Rは分岐鎖状アルキル基または飽和環状脂肪族基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示し、nは1以上の整数を示し、xは0~3の整数を示す。
上記一般式(3)中、Rは分岐鎖状アルキル基を示し、Rは分岐鎖状アルキル基または飽和環状脂肪族基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示し、mは0以上の整数を示し、xは0~3の整数を示す。
上記一般式(4)中、Rは分岐鎖状アルキル基を示し、Rは分岐鎖状アルキル基または飽和環状脂肪族基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示し、nは1以上の整数を示し、xは0~3の整数を示す。
なお、衝撃吸収層を構成する樹脂が、どのような構造の高分子鎖(繰り返し単位)によって形成されているかは、例えば、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)およびフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)によって衝撃吸収層を分析することによって判断可能である。特に、熱分解GC-MSは、衝撃吸収層に含まれる単量体単位をモノマー成分として検知できるため有用である。
衝撃吸収層は、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、分光透過率調整剤、防汚剤、無機粒子、レベリング剤、重合開始剤等を含んでいてもよい。
本開示における衝撃吸収層のヤング率としては、HC破断強度を上述した所定の範囲とすることが可能であり、耐衝撃性(ペンドロップ特性)を良好とできるものであれば、特に限定されない。具体的には、50MPa以上であることが好ましく、特に好ましくは、100MPa以上である。一方、上限としては、3000MPa以下であることが好ましく、900MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。範囲としては、50MPa以上3000MPa以下が好ましく、100MPa以上900MPa以下が好ましい。
上記衝撃吸収層のヤング率の測定方法は、上記積層体のヤング率の測定方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、積層体のヤング率は、衝撃吸収層単体のヤング率とほぼ同程度である。
本開示における衝撃吸収層の厚みは、上記衝撃吸収層のヤング率に応じて変化するものとはなるが、上記HC破断強度を上述した所定の範囲とすることが可能であり、耐衝撃性(ペンドロップ特性)を良好とできるものであれば、特に限定されない。
具体的には、下限としては、10μm以上であることが好ましく、中でも30μm以上、特に40μm以上であることが好ましい。一方、上限としては、300μm以下であることが好ましく、中でも200μm以下であることが好ましい。
好ましい厚みの範囲としては、10μm以上300μm以下が好ましく、中でも30μm以上200μm以下である。
ここで、衝撃吸収層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察される表示装置用部材の厚み方向の断面から測定して得られた任意の10箇所の厚みの平均値とすることができる。なお、表示装置用部材が有する他の層の厚みの測定方法についても同様とすることができる。
本開示に用いられる衝撃吸収層は、所定の透明性を有することが好ましい。具体的には、衝撃吸収層の全光線透過率は、例えば85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。このように全光線透過率が高いことにより、透明性が良好な表示装置用部材とすることができる。
ここで、衝撃吸収層の全光線透過率は、JIS K7361-1に準拠して測定することができ、例えば村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
また、衝撃吸収層のヘイズは、例えば5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。このようにヘイズが低いことにより、透明性が良好な表示装置用部材とすることができる。
ここで、衝撃吸収層のヘイズは、JIS K-7136に準拠して測定することができ、例えば村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
衝撃吸収層としては、例えば、フィルム状の衝撃吸収層を用いてもよい。また、例えば、支持体上に衝撃吸収層用組成物を塗布して、衝撃吸収層を形成してもよい。
b)ハードコート層
本開示における積層体は、上記衝撃吸収層の表面に配置されたハードコート層を有する。ハードコート層は、表面硬度を高めるための部材である。ハードコート層が配置されていることにより、耐擦傷性を向上させることができる。具体的には、本開示における積層体が、ハードコート層を有する表面において、JIS K 5600-5-4(1999)で規定される鉛筆硬度試験を行った場合に、「H」以上の硬度を示すものが好ましい。
本開示におけるハードコート層を形成する材料としては、本開示の積層体のHC破断強度およびHC破断伸度を上述した範囲内とすることができるものであれば特に限定されない。
上記ハードコート層は、重合性化合物を含む樹脂組成物の硬化物を含む。重合性化合物を含む樹脂組成物の硬化物は、重合性化合物を、必要に応じて重合開始剤を用い、公知の方法で重合反応させることにより得ることができる。
重合性化合物は、分子内に重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物の少なくとも1種を用いることができる。
ラジカル重合性化合物とは、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基としては、ラジカル重合反応を生じ得る官能基であればよく、特に限定されないが、例えば、炭素-炭素不飽和二重結合を含む基などが挙げられ、具体的には、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。なお、ラジカル重合性化合物が2個以上のラジカル重合性基を有する場合、これらのラジカル重合性基はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ラジカル重合性化合物が1分子中に有するラジカル重合性基の数は、ハードコート層の硬度が向上する点から、2つ以上であることが好ましく、さらに3つ以上であることが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表す。
カチオン重合性化合物とは、カチオン重合性基を有する化合物である。カチオン重合性化合物が有するカチオン重合性基としては、カチオン重合反応を生じ得る官能基であればよく、特に限定されないが、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基などが挙げられる。なお、カチオン重合性化合物が2個以上のカチオン重合性基を有する場合、これらのカチオン重合性基はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
カチオン重合性化合物が1分子中に有するカチオン重合性基の数は、ハードコート層の硬度が向上する点から、2つ以上であることが好ましく、さらに3つ以上であることが好ましい。
上記樹脂組成物は、必要に応じて重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、光照射及び加熱の少なくとも一種により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。なお、ハードコート層中には、重合開始剤が全て分解されて残留していない場合もある。
本開示において、HC破断伸度を上げるためには、例えばハードコート材料の一部、例えば、重合性化合物として、柔軟なエチレンオキシドを含有する化合物を用いることにより、ハードコート層に造膜性、密着性を付与することができ、ハードコート層破断伸度を向上させることができる。このような化合物としては、(メタ)アクリル基を含有するポリ(オキシアルキレン)アルキルエーテル化合物等が挙げられる。(メタ)アクリル基を含有するポリ(オキシアルキレン)アルキルエーテル化合物としては、ライトエステル3EG-A、ライトエステル4EG-A、ライトエステル9EG-A(いずれも共栄社化学)、A-200、A-400(いずれも新中村化学) 、MPE400A、MPE550A(いずれも大阪有機化学工業(株)製)が挙げられる。
ハードコート層の厚みは、本発明の積層体のHC破断伸度を上述した範囲内とすることができる厚みであれば、特に限定されるものではない。具体的な厚みとしては、例えば、1μm以上35μm以下であることが好ましく、2μm以上25μm以下であることがより好ましく、3μm以上25μm以下であることが特に好ましい。ハードコート層の厚みが上記範囲内とすることにより、本発明の積層体のHC破断伸度を上述した範囲内としやすくなる。
ハードコート層は、必要に応じて、添加剤をさらに含有することができる。添加剤としては、ハードコート層に付与する機能に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、フィラー、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防汚剤、防眩剤、帯電防止剤、レベリング剤、界面活性剤、易滑剤、各種増感剤、難燃剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定化剤、表面改質剤等が挙げられる。
ハードコート層の形成方法としては、例えば、上記基材層上に、上記重合性化合物等を含むハードコート層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させる方法が挙げられる。
本開示におけるハードコート層は、ハードコート層断面中央におけるマルテンス硬さ(HM)が50MPa以上であることが好ましく、100MPa以上であれば更に好ましい。本明細書における「マルテンス硬さ」とは、ナノインデンテーション法による硬度測定により、圧子を500nm押込んだときの硬度である。上記ナノインデンテーション法によるマルテンス硬さの測定は、30mm×30mmの大きさに切り出した光学フィルムにおいてBruker(ブルーカー)社製の「TI950 TriboIndenter」を用いて行うものとする。すなわち、以下の測定条件で、上記圧子としてバーコビッチ圧子(三角錐、例えば、Bruker社製のTI-0039)をハードコート層の断面に垂直に500nm押し込む。ここで、バーコビッチ圧子は、衝撃吸収層やハードコート層の側縁の影響を避けるために、衝撃吸収層とハードコート層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層の両側端からそれぞれハードコート層の中央側に500nm以上離れたハードコート層の部分内に押し込むものとする。その後、一定保持して残留応力の緩和を行った後、除荷させて、緩和後の最大荷重を計測し、該最大荷重Pmaxと深さ500nmのくぼみ面積Aとを用い、Pmax/Aにより、マルテンス硬さを算出する。マルテンス硬さは、10箇所測定して得られた値の算術平均値とする。なお、測定値の中に算術平均値から±20%以上外れるものが含まれている場合は、その測定値を除外し再測定を行うものとする。測定値の中に算術平均値から±20%以上外れているものが存在するか否かは、測定値をAとし、算術平均値をBとしたとき、(A-B)/B×100によって求められる値(%)が±20%以上であるかによって判断するものとする。
(測定条件)
・制御方法:変位制御
・荷重速度:10nm/秒
・保持時間:5秒
・荷重除荷速度:10nm/秒
・測定温度:23±5℃
・測定湿度:30%~70%
(2)ガラス基材
本開示の表示装置用部材は、上記積層体の衝撃吸収層の、上記ハードコート層とは反対側の面に、厚さが100μm以下のガラス基材が配置されて用いられることが好ましい。
ガラス基材を構成するガラスとしては、特に限定されないが、中でも、化学強化ガラスであることが好ましい。化学強化ガラスは機械的強度に優れており、その分薄くできる点で好ましい。化学強化ガラスは、典型的には、ガラスの表面近傍について、ナトリウムをカリウムに代える等、イオン種を一部交換することで、化学的な方法によって機械的物性を強化したガラスであり、表面に圧縮応力層を有する。
化学強化ガラス基材を構成するガラスとしては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、アルカリバリウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等が挙げられる。
化学強化ガラス基材の市販品としては、例えば、コーニング社のGorilla Glass(ゴリラガラス)や、AGC社のDragontrail(ドラゴントレイル)等が挙げられる。また、化学強化ガラス基材としては、例えば特開2019-194143号公報に記載のものを用いることもできる。
ガラス基材の厚さは、100μm以下であり、好ましくは15μm以上、100μm以下、より好ましくは20μm以上、90μm以下、さらに好ましくは25μm以上、80μm以下とすることができる。ガラス基材の厚さが上記範囲であるように薄いことにより、良好な柔軟性を得ることができるともに、十分な硬度を得ることができる。また、表示装置用部材のカールを抑制することもできる。さらに、表示装置用部材の軽量化の面で好ましい。
(3)その他の構成
本開示における表示装置用部材は、上記の各層の他に、必要に応じて他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば、プライマー層、樹脂層、加飾層等が挙げられる。
a)プライマー層
本開示における表示装置用部材は、例えば図3に示すように、上記ガラス基材5と上記衝撃吸収層2との間にプライマー層6を有していてもよい。プライマー層により、ガラス基材と衝撃吸収層との密着性を向上させることができる。
プライマー層の材料としては、ガラス基材と衝撃吸収層との密着性を高めることができる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂を挙げることができる。樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリルウレタン共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プライマー層の厚さとしては、ガラス基材と衝撃吸収層との密着性を高めることが可能な厚さであればよく、例えば、0.1μm以上10μm以下とすることができ、好ましくは0.2μm以上5μm以下とすることができる。
プライマー層の形成方法としては、例えば、ガラス基材上にプライマー層用組成物を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、グラビアオフセットコート法、スピンコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、ブレードコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法等の一般的な塗布方法が挙げられる。また、プライマー層の形成方法として転写法を用いることもできる。
b)樹脂層
本開示における表示装置用部材は、例えば図4に示すように、上記ガラス基材5の上記衝撃吸収層2とは反対の面側に樹脂層7を有していてもよい。表示装置用部材に衝撃が加わった際に、衝撃吸収層だけでなく樹脂層でも衝撃を吸収し、ガラス基材の割れを抑制することができ、耐衝撃性を向上させることができる。
樹脂層に含まれる樹脂としては、衝撃を吸収することができる樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂層は、必要に応じて、添加剤をさらに含有することができる。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤等が挙げられる。
樹脂層の厚さとしては、衝撃を吸収することが可能な厚さであればよく、例えば、5μm以上60μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下、さらに好ましくは15μm以上40μm以下とすることができる。
樹脂層の形成方法としては、上記衝撃吸収層の形成方法と同様とすることができる。
c)加飾層
本開示における表示装置用部材は、上記ガラス基材と上記樹脂層との間、あるいは上記ガラス基材の上記樹脂層とは反対の面側に加飾層を有していてもよい。
加飾層は、着色剤およびバインダ樹脂を含む。加飾層に含まれるバインダ樹脂としては、特に限定されず、一般的な加飾層に用いられる樹脂を用いることができる。また、加飾層に含まれる着色剤は、特に限定されず、一般的な加飾層に用いられる公知の着色剤を用いることができる。
加飾層は、通常、ガラス基材上の一部に配置される。また、加飾層は、パターン形状を有していてもよい。
加飾層の厚さは、特に限定されないが、例えば5μm以上40μm以下とすることができる。
3.表示装置用部材の特性
本開示の表示装置用部材は、全光線透過率が、例えば80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、88%以上であることがさらに好ましい。このように全光線透過率が高いことにより、透明性が良好な表示装置用部材とすることができる。
ここで、表示装置用部材の全光線透過率は、JIS K7361-1に準拠して測定することができ、例えば村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
本開示における表示装置用部材のヘイズは、例えば2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。このようにヘイズが低いことにより、透明性が良好な表示装置用部材とすることができる。
ここで、表示装置用部材のヘイズは、JIS K-7136に準拠して測定することができ、例えば村上色彩技術研究所製のヘイズメーターHM150により測定することができる。
4.表示装置用部材の用途
本開示における表示装置用部材は、表示装置において、表示パネルよりも観察者側に配置される部材として用いることができる。本開示における表示装置用部材は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン、デジタルサイネージ、パブリックインフォメーションディスプレイ(PID)、車載ディスプレイ等の表示装置用部材に用いることができる。中でも、本開示における表示装置用部材は、フォルダブルディスプレイ、ローラブルディスプレイ、ベンダブルディスプレイ等のフレキシブルディスプレイに好ましく用いることができ、フォルダブルディスプレイ用部材に好適に用いることができる。
本開示の表示装置用部材において、表示装置用部材を表示装置の表面に配置した際に最表面となる面は、ハードコート層側の面であることが好ましい。
本開示における表示装置用部材を表示装置の表面に配置する方法としては、特に限定されず、例えば、接着層を介する方法等が挙げられる。接着層としては、表示装置用部材の接着に使用される公知の接着層を用いることができる。
B.表示装置
本開示における表示装置は、表示パネルと、上記表示パネルの観察者側に配置された、上述の表示装置用部材と、を備える。
図5は、本開示における表示装置の一例を示す概略断面図である。図5に示すように、表示装置30は、表示パネル31と、タッチパネル部材32と、表示パネル31およびタッチパネル部材32の観察者側に配置された表示装置用部材1と、を備える。表示装置30において、表示装置用部材1は表示装置30の表面に配置される部材として用いられており、表示装置用部材1とタッチパネル部材32との間には接着層34が配置されている。また、表示パネル31とタッチパネル部材32との間にも接着層33が配置されている。
本開示における表示装置用部材については、上述の表示装置用部材と同様とすることができる。
本開示における表示パネルとしては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、LED表示装置等の表示装置に用いられる表示パネルを挙げることができる。
本開示における表示装置は、表示パネルと表示装置用部材との間にタッチパネル部材を有することができる。
本開示における表示装置は、フレキシブルディスプレイであることが好ましい。中でも、本開示における表示装置は、折りたたみ可能であることが好ましい。すなわち、本開示における表示装置は、フォルダブルディスプレイであることがより好ましい。本開示における表示装置は、上述の表示装置用部材を有することから、屈曲耐性に優れており、フレキシブルディスプレイ、さらにはフォルダブルディスプレイとして好適である。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を示し、本開示をさらに説明する。
[実施例1]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
離型フィルムとして、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート基材(製品名「コスモシャイン(登録商標)A4160」、東洋紡社製)を準備した。ポリエチレンテレフタレート基材の未処理面側に、バーコーターで下記の衝撃吸収層用組成物1を塗布して、硬化後の厚みが80μmとなるように塗膜を形成した。紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を空気中にて積算光量が500mJ/cmとなるように照射し塗膜を硬化させ、衝撃吸収層を形成した。
<衝撃吸収層用組成物1>
・ウレタンアクリレ―ト (製品名「UV-3310B」 三菱ケミカル株式会社製):20質量部
・ウレタンアクリレ―ト (製品名「UV-3000B」 三菱ケミカル株式会社製):20質量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(製品名「ATM-35E」 新中村化学工業株式会社製):20質量部
・アクリロイルモルフォリン (製品名「4-Acryloylmorpholine」東京化成工業株式会社製):40質量部
・重合開始剤 (製品名「Omnirad184」IGM Resins B.V.社製):5質量部
<ハードコート層(HC1)の作製>
上記で形成した衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面に、バーコーターで下記ハードコート層用樹脂組成物1を塗布して、塗膜を形成した。そして、この塗膜に対して、70℃1分間加熱することにより塗膜中の溶剤を蒸発させた。紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、酸素濃度が100ppm以下の環境下にて紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射し、塗膜を硬化し、厚さ6μmのハードコート層HC1を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層と、衝撃吸収層とを有する積層体を得た。
<ハードコート層用組成物1>
※溶剤以外は固形分100%換算値である。
・ウレタンアクリレート(製品名「KUA-10H」、ケーエスエム社製):100質量部
・重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):4質量部
・レベリング剤(製品名「BYK-UV3535」、ビックケミー・ジャパン社製):0.5質量部(固形分100%換算値)
・溶剤 「メチルイソブチルケトン」:313.5質量部
[実施例2]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
硬化後の厚みが100μmとなるよう塗膜を形成した以外は、実施例1と同じ方法で、離型フィルムに衝撃吸収層を形成した。
<ハードコート層(HC2)の作製>
上記で形成した衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面に、バーコーターで下記ハードコート層用樹脂組成物2を塗布し、膜厚を20μmとした以外は実施例1と同じ方法でハードコート層HC2を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層と、衝撃吸収層とを有する積層体を得た。
<ハードコート層用組成物2>
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(製品名「ATM-35E」、新中村化学工業株式会社製):95質量部
・ポリエチレングリコール ジアクリレート(製品名「A-200」、新中村化学工業株式会社製):5質量部
・重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):4質量部
・レベリング剤(製品名「BYK-UV3535」、ビックケミー・ジャパン社製):0.5質量部(固形分100%換算値)
・溶剤 「メチルイソブチルケトン」:313.5質量部
[実施例3]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
実施例2と同様の方法で、離型フィルムに衝撃吸収層を形成した。
<ハードコート層(HC2)の作製>
膜厚を15μmにする以外は実施例2と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC2を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例4]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
実施例1と同様の方法で、離型フィルムに衝撃吸収層を形成した。
<ハードコート層(HC2)の作製>
膜厚を12μmにする以外は実施例2と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC2を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例5]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
実施例1と同様の方法で、離型フィルムに衝撃吸収層を形成した。
<ハードコート層(HC2)の作製>
膜厚を6μmにする以外は実施例2と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC2を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例6]
<衝撃吸収層(SA2)の作製>
離型フィルムとして、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート基材(製品名「コスモシャイン(登録商標)A4160」、東洋紡社製)を準備した。ポリエチレンテレフタレート基材の未処理面側に、バーコーターで下記の衝撃吸収層用組成物2を塗布して、硬化後の厚みが80μmとなるように塗膜を形成した。紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を空気中にて積算光量が500mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化することにより、衝撃吸収層を作成した。
<衝撃吸収層用組成物2>
・ウレタンアクリレ―ト (製品名「UV-3310B」 、三菱ケミカル株式会社製):30質量部
・ウレタンアクリレ―ト (製品名「UV-6630B」、三菱ケミカル株式会社製):10質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「PET-30」、日本化薬株式会社製):20質量部
・アクリロイルモルフォリン (製品名「4-Acryloylmorpholine」、東京化成工業株式会社製):20質量部
・N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(製品名「N-(2-Hydroxyehtyl)acrylamide」、KJケミカルズ株式会社製):20質量部
・重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):5質量部
<ハードコート層(HC2)の作製>
実施例5と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC2を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例7]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
実施例1と同様の方法で、離型フィルムに衝撃吸収層を形成した。
<ハードコート層(HC2)の作製>
膜厚を4μmにする以外は、実施例2と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC2を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例8]
<衝撃吸収層(SA3)の作製>
離型フィルムとして、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート基材(製品名「コスモシャイン(登録商標)A4160」、東洋紡社製)を準備した。ポリエチレンテレフタレート基材の未処理面側に、バーコーターで下記の衝撃吸収層用組成物3を塗布して、硬化後の厚みが80μmとなるよう塗膜を形成した。紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を空気中にて積算光量が500mJ/cmとなるように照射して塗膜を硬化させ、衝撃吸収層を作成した。
<衝撃吸収層用組成物3>
・ウレタンアクリレ―ト(製品名「UV-3310B」、三菱ケミカル株式会社製):10質量部
・ウレタンアクリレ―ト (製品名「UV-3000B」、三菱ケミカル株式会社製):30質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物 (製品名「PET-30」、日本化薬株式会社製):20質量部
・アクリロイルモルフォリン (製品名「4-Acryloylmorpholine」、 東京化成工業株式会社製 ):30質量部
・N-ヒドロキシエチルアクリルアミド(製品名「N-(2-Hydroxyehtyl)acrylamide」、KJケミカルズ株式会社製):10質量部
・重合開始剤 (製品名「Omnirad184」IGM Resins B.V.社製):5質量部
<ハードコート層(HC2)の作製>
実施例5と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC2を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例9]
<衝撃吸収層(SA3)の作製>
硬化後の厚みが100μmとなるように塗膜を形成した以外は、実施例8と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC1)の作製>
実施例1と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC1を形成した。これにより離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例10]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
硬化後の厚みが50μmとなるように塗膜を形成した以外は、実施例1と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC3)の作製>
衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面に、バーコーターで下記ハードコート層用樹脂組成物3を塗布する以外は、実施例1と同じ方法でハードコート層HC3を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
<ハードコート層用組成物3>
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(製品名「ATM-35E」、新中村化学工業株式会社製):80質量部
・ポリエチレングリコール ジアクリレート(製品名「A-200」、新中村化学工業株式会社製):20質量部
・重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):4質量部
・レベリング剤(製品名「BYK-UV3535」、ビックケミー・ジャパン社製):0.5質量部(固形分100%換算値)
・溶剤 「メチルイソブチルケトン」:313.5質量部
[実施例11]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
硬化後の厚みが40μmとなるように塗膜を形成したこと以外は、実施例1と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC3)の作製>
実施例10と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC3を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[実施例12]
<衝撃吸収層(SA2)の作製>
硬化後の厚みが50μmとなるよう塗膜を形成したこと以外は、実施例6と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC3)の作製>
実施例10と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC3を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[比較例1]
<衝撃吸収層(SA3)の作製>
硬化後の厚みが120μmとなるよう塗膜を形成した以外は、実施例8と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC1)の作製>
膜厚を12μmにする以外は実施例1と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC1を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[比較例2]
<衝撃吸収層SA3)の作製>
実施例8と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC1)の作製>
実施例1と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC1を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[比較例3]
<衝撃吸収層(SA3)の作製>
硬化後の厚みが50μmとなるよう塗膜を形成したこと以外は、実施例8と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC4)の作製>
衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面に、バーコーターで下記ハードコート層用樹脂組成物4を塗布する以外は、実施例1と同じ方法でハードコート層HC4を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
<ハードコート層用組成物4>
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(製品名「ATM-35E」、新中村化学工業株式会社製):70質量部
・エトキシ化ジペンタエリスリトールポリアクリレート(製品名「A-DPH-12E」、新中村化学工業株式会社製):30質量部
・重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):4質量部
・レベリング剤(製品名「BYK-UV3535」、ビックケミー・ジャパン社製):0.5質量部(固形分100%換算値)
・溶剤 「メチルイソブチルケトン」:313.5質量部
[比較例4]
<衝撃吸収層(SA1)の作製>
実施例10と同じ方法で衝撃吸収層を作成した。
<ハードコート層(HC4)の作製>
比較例3と同じ方法で、衝撃吸収層の離型フィルムとは反対側の表面にハードコート層HC4を形成した。これにより、離型フィルム、衝撃吸収層およびハードコート層をこの順に有する離型フィルム付き積層体を得た。離型フィルムを剥離することにより、ハードコート層および衝撃吸収層を有する積層体を得た。
[積層体および衝撃吸収層のヤング率測定]
積層体および衝撃吸収層のヤング率を、「A.表示装置用部材 1.積層体の特性 (3)積層体のヤング率」、「A.表示装置用部材 2.表示装置用部材の構成 (1)積層体 a)衝撃吸収層」に記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[ハードコート層破断伸度およびハードコート層破断強度の測定]
ハードコート層破断伸度およびハードコート層破断強度を、「A.表示装置用部材 1.積層体の特性 (1)HC破断伸度について」に記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[評価]
(1)耐衝撃性試験(ペンドロップ試験)
実施例および比較例の積層体について耐衝撃性試験を行った。
積層体の衝撃吸収層側の面に、光学粘着剤(OCA)フィルムを貼り合わせ、セパレーターを剥がし、OCA面とガラス基材(ガラス板(商品名「G-leaf」、日本電気硝子(株)製、厚み30μm、最小曲げ半径が3mm)とを接合した。これにより、ハードコート層、衝撃吸収層、光学粘着剤層およびガラス基材をこの順に有する表示装置用部材を製造した。表示装置用部材を石台の上に配置した。この際、表示装置用部材のガラス基材が石台と対向するように配置した。次に、高さ10cmの高さからペン先φ0.7mm、重さ5gのボールペンを落下させた。落下した部分の状況を10倍のルーペで観察し、損傷の程度を確認し下記のような評価基準で判定した。
・評価基準
A:損傷なし
B:凹み痕あり
C:ひび、または割れあり
(2)耐屈曲性試験(耐折り畳み性試験)
実施例および比較例の積層体に対して連続折り畳み試験を行い、耐折り畳み性を評価した。具体的には、まず、積層体から20mm×100mmの大きさの測定サンプルを切り出した。そして、図6(a)に示すように、積層体(測定サンプル)50の対向する2つの短辺部50C、50Dを、平行に配置された折り畳み耐久試験機(例えば、製品名「U字伸縮試験機DLDMLH-FS」、ユアサシステム機器株式会社製、IEC62715-6-1準拠)の固定部51でそれぞれ固定し、積層体(測定サンプル)50が長辺方向にU字に折り畳まれるように積層体測定サンプル)50をセットした。その後、図6(a)~(c)に示すように、積層体(測定サンプル)50の対向する2つの短辺部50C、50Dの最小間隔dが7mmとなり、かつ積層体(測定サンプル)50のハードコート層側が外側となるように、以下の条件で20万回、180°に折り畳む連続折り畳み試験を行い、積層体(測定サンプル)50の屈曲部50Eに変形や割れまたは破断が生じていないか調べた。連続折り畳み試験は、室温(23℃)、相対湿度50%の室温環境下で行った。また、2つの短辺部50C、50Dの最小間隔dが3mmとなり、かつ積層体(測定サンプル)50のハードコート層側が内側となるように、20万回、180°に折り畳む連続折り畳み試験を行った。更に、2つの短辺部50C、50Dの最小間隔dが6mmとなり、かつ積層体(測定サンプル)50のハードコート層側が内側となるように、20万回、180°に折り畳む連続折り畳み試験を行った。評価基準は、以下の通りとした。結果を表2に示す。
・評価基準
A:連続折り畳み試験において、屈曲部に割れまたはシワが生じていなかった。
B:連続折り畳み試験において、屈曲部に割れは生じてなくシワが2本以下生じていた。
C:連続折り畳み試験において、屈曲部に割れまたはシワが明確に確認された。
(3)耐擦傷性試験(スチールウール試験)
実施例および比較例で得られた表示装置用積層体の耐擦傷性を、以下の試験方法により評価した。結果を表2に示す。
テスター産業社製の学振型摩擦堅牢度試験機AB-301を用い、5cm×10cmの大きさの積層体を、ガラス板上に折れやシワがないようセロハンテープ(登録商標)で固定した。次いで、#0000のスチールウール(日本スチールウール社製のボンスター#0000)を用い、スチールウールを1cm×1cmの治具に固定して、荷重1.5kg/cm、移動速度100mm/秒、移動距離50mmの条件で、積層体のハードコート層側の面を擦った。ハードコート層の剥がれが生じるまでの往復回数を求め、下記評価基準により評価した。
・評価基準
A:1000回以上
B:100回以上1000回未満
C:100回未満
上記耐衝撃性試験、耐屈曲性試験および耐擦傷性試験の総合評価として、3つの試験の全てでA判定のものを「A」、B判定が1つ以上あるものを「B」、C判定が1つ以上あるものを「C」として評価した。
図7に、横軸をHC層破断伸度、縦軸をHC層破断強度として上記結果をプロットしたグラフを示す。表2および図7に示されるように、実施例1~12は上記耐衝撃性試験、耐屈曲性試験および耐擦傷性試験の総合評価が比較例1~4よりも良好であることが確認された。
すなわち、本開示においては、以下の発明を提供できる。
[1]
衝撃吸収層と、ハードコート層と、が積層されてなる積層体を有する表示装置用部材であって、
前記積層体の引張応力を測定した際に、前記ハードコート層が破断したときの応力を、ハードコート層破断強度とし、前記ハードコート層が破断したときの伸度をハードコート層破断伸度とした場合、
前記ハードコート層破断強度が7MPa以上であり、前記ハードコート層破断伸度が4%以上36%以下である、表示装置用部材。
[2]
前記ハードコート層破断伸度が、30%未満である、[1]に記載の表示装置用部材。
[3]
前記衝撃吸収層の、前記ハードコート層とは反対側の面に、厚さが100μm以下のガラス基材が配置されている、[1]または[2]に記載の表示装置用部材。
[4]
表示パネルと、
前記表示パネルの観察者側に配置された、[1]から[3]までのいずれかに記載の表示装置用部材を備える、表示装置。
[5]
折りたたみ可能である、[4]に記載の表示装置。
1 … 表示装置用部材
2 … 衝撃吸収層
3 … ハードコート層
4 … 積層体
5 … ガラス基板
6 … プライマー層
7 … 樹脂層
30 … 表示装置
31 … 表示パネル
32 … タッチパネル部材
33,34 …接着層

Claims (5)

  1. 衝撃吸収層と、ハードコート層と、が積層されてなる積層体を有する表示装置用部材であって、
    前記積層体の引張応力を測定した際に、前記ハードコート層が破断したときの応力をハードコート層破断強度とし、前記ハードコート層が破断したときの伸度をハードコート層破断伸度とした場合、
    前記ハードコート層破断強度が7MPa以上であり、前記ハードコート層破断伸度が4%以上36%以下である、表示装置用部材。
  2. 前記ハードコート層破断伸度が、30%未満である、請求項1に記載の表示装置用部材。
  3. 前記衝撃吸収層の、前記ハードコート層とは反対側の面に、厚さが100μm以下のガラス基材が配置されている、請求項1に記載の表示装置用部材。
  4. 表示パネルと、
    前記表示パネルの観察者側に配置された、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の表示装置用部材を備える、表示装置。
  5. 折りたたみ可能である、請求項4に記載の表示装置。
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