JP2024052515A - 操作装置、ロボットシステム、製造方法、制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ティーチングペンダントの操作性を向上させることを目的とする。【解決手段】 ロボットを制御するロボットコントローラと通信可能であり、イネーブルスイッチの押下状態を取得可能な操作装置であって、前記ロボットに対応する仮想ロボットを仮想環境に表示し、前記操作装置を操作することによって前記ロボットまたは前記仮想ロボットを操作することが可能であり、前記イネーブルスイッチの押下状態を判定する判定部を有し、前記判定部による前記イネーブルスイッチの押下状態の判定に応じて、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替え指示できる処理部を有することを特徴とする操作装置。【選択図】 図7
Description
本発明は、操作装置に関する。
ハードウェアの高機能化により、シミュレータ機能を備えたティーチングペンダント(以下、TP)が増えてきている。シミュレータ機能を備えたTPでは、シミュレーションモードと実機モードの変更が必要になる。シミュレーションモードと実機モードの切り替えには、GUI(Graphical User Interface)上のボタンや物理的スイッチのようなモード切り替え用スイッチを用いる。たとえば特許文献1では、通常モードとシミュレーションモードを切り替えるモード切り替えスイッチが設けられた形態が開示されている。
特許文献1の形態では、実機のロボットを動作させるために、イネーブルスイッチを押下して操作する必要がある。すなわち、モード切り替えスイッチで通常モードに切り替えた後に、さらにイネーブルスイッチを押下して実機を動かすことになる。この際、モードの切り替えを忘れ、イネーブルスイッチを押して実機を動かそうとした場合、実機を動かすことができない。
そのため、イネーブルスイッチの操作に加えて、モードの切り替えがある場合、TPの操作性が下がる虞があった。
そこで本発明は、ティーチングペンダントの操作性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、ロボットを制御するロボットコントローラと通信可能であり、イネーブルスイッチの押下状態を取得可能な操作装置であって、前記ロボットに対応する仮想ロボットを仮想環境に表示し、前記操作装置を操作することによって前記ロボットまたは前記仮想ロボットを操作することが可能であり、前記イネーブルスイッチの押下状態を判定する判定部を有し、前記判定部による前記イネーブルスイッチの押下状態の判定に応じて、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替え指示できる処理部を有することを特徴とする。
ティーチングペンダントの操作性を向上させる上で有利な技術を提供する。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、以下に説明する形態は、発明の1つの実施形態であって、これに限定されるものではない。そして、共通する構成を複数の図面を相互に参照して説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。同じ名称で別々の事項については、それぞれ、第一の事項、第二の事項というように、「第〇」を付けて区別することができる。
<第1実施形態>
図1は本実施形態に係るロボットシステム100の説明図である。ロボットシステム100は、実機ロボットとしてのロボット101、ロボット101を制御する制御装置102、制御装置102を介してロボット101に動作指示を与えるティーチングペンダント103(TP103)を備える。ロボット101は、物品を製造や搬送などの用途に用いられる。ロボット101は、例えば不図示の架台や床面に位置決め配置されている。
図1は本実施形態に係るロボットシステム100の説明図である。ロボットシステム100は、実機ロボットとしてのロボット101、ロボット101を制御する制御装置102、制御装置102を介してロボット101に動作指示を与えるティーチングペンダント103(TP103)を備える。ロボット101は、物品を製造や搬送などの用途に用いられる。ロボット101は、例えば不図示の架台や床面に位置決め配置されている。
本実施形態では、ロボット本体は、把持したワークを搬送してワークを別のワークに組み付ける動作を行う。これにより、工業製品、ないしは物品を製造することができる。なお、軌道データの計算は、シミュレータが行ってもよい。
制御装置102は、ロボット101の動作情報に基づいて、ロボット101を制御するものである。制御装置102は、TP103の操作情報を取得し、ロボット101の動作情報を生成する。
ロボット101は、マニピュレータである。ロボット101は、架台に固定される。ロボット101の周囲には、例えば搬送物であるワークが配置されたトレイと、ワークの組付対象である別のワークが配置される。ワークは、ロボット101に把持され、別のワークの位置へと搬送され、ワークと別のワークとを組み付け、物品の製造などを行う。
ロボット101と制御装置102とは、通信可能に配線で接続されている。ロボット101は、ロボットアームと、エンドエフェクタの一例であるロボットハンドと、を有する。ロボットアームは、垂直多関節のロボットアームである。ロボットハンドは、ロボットアームに支持されている。ロボットアームの所定部位、例えばロボットアームの先端部には、ロボットハンドが取り付けられている。ロボットハンドは、ワークを把持可能に構成されている。
本実施形態に係るロボットアームは、回転駆動する複数の関節(たとえばJ1~J6のような6関節)で連結された複数のリンクを有する。ロボットアームのベース部は架台に固定されている。ロボットアームの各関節には、これらの関節を各々駆動する駆動源としてのモータ、減速機、およびモータの回転角度を検出する位置検出手段としてのエンコーダがそれぞれ設けられている。なお、エンコーダの設置位置および出力方式は問わない。ロボットアームの先端部には、ロボットハンドが取り付けられている。ロボットアームの関節を駆動させることで、ロボット101を様々な姿勢にすることができる。
図2は本実施形態に係るTP103の構成図である。TP103は、コンピュータで構成され、教示装置に加えて、シミュレータとしても機能する。本実施形態では、TP103は、コンピュータシミュレーション、即ちオフライン教示により教示データを生成し、シミュレーションを行うことにより事前に動作の確認を行う。TP103によって生成された教示データは、制御装置102に出力される。制御装置102への教示データの出力方法は、特に限定されるものではない。例えば、TP103によって生成された教示データを有線通信もしくは無線通信によって、又は不図示の記憶装置を介して制御装置102に出力されるようにしてもよい。
TP103はイネーブルスイッチ(ESW)104を備えている。イネーブルスイッチ104とは、ロボット101を動作させるために設けられたスイッチであり、イネーブルスイッチ104が押下されている間、ロボット101はTP103からのユーザの指示で移動させることができないよう制御される。反対に、イネーブルスイッチ104が押下されていない場合、ロボット101はTP103からのユーザの指示で移動させることができるよう制御される。イネーブルスイッチ104は1段階目、2段階目、3段階目の3ポジションスイッチとなっている。本実施形態では、3ポジションのうち、1段階目と3段階目ではイネーブルスイッチ104がオフ(非押下状態)、2段階目ではイネーブルスイッチ104がオン(押下状態)となる。イネーブルスイッチ104は、TP103に外付けで設けられたものでも良く、TP103がイネーブルスイッチ104の押下状態を取得可能であれば良い。ティーチングを行う際、イネーブルスイッチ104をオンにしている間、ロボット101を動作させることができる。イネーブルスイッチ104の1段階目、2段階目、3段階目はそれぞれ、非押下時、半押し時、全押し時である。また、ロボット101が動作中にイネーブルスイッチ104がオフになった場合は、ロボット101の動力となっているモータへの電流を遮断する。こうすることで、意図しないロボット101の動作やユーザの操作があった場合でもロボット101を瞬時に止めることができる。これにより、ユーザの安全性も確保することができる。
また、図3に示すように、イネーブルスイッチ104をTP103に設けず、TP103から独立した装置109とすることもできる。装置109は、イネーブルスイッチ104や非常停止ボタンを備え、TP103から独立して存在している。それにより、ユーザが、イネーブルスイッチ104が搭載されているTP103において、TP103を使用する場合に、間違ってイネーブルスイッチ104を押下してしまった状態でTP103によりロボット101を操作してしまう危険性を低減できる。これにより、ユーザにおける安全性をさらに向上させることが可能となる。このときTP103は制御装置102と無線で繋がっていてもよい。
ここでは、1段階目と3段階目ではイネーブルスイッチ104がオフ、2段階目ではイネーブルスイッチ104がオンとだけ説明しているが、各段階にそれぞれ様々な機能を付与することができる。たとえば、2段階目でイネーブルスイッチ104がオンになった後、3段階目に移行することでイネーブルスイッチ104を押し続けなくてもロボット101を動作させることができる。この場合、シミュレーションモードに切り替えたいときに、再度、イネーブルスイッチ104を押すことで1段階目に切り替わり、イネーブルスイッチ104がオフの状態にすることができる。また、イネーブルスイッチ104を2段階目にすることで仮想ロボット106の姿勢をロボット101の姿勢に合わせることができ、3段階目にすることでロボット101の姿勢を仮想ロボット106の姿勢に合わせることもできる。
TP103は表示部105を備えており、仮想ロボット106を表示する仮想環境を表示部105に表示することができる。表示部105は表示を行うためのディスプレイに、いわゆるタッチパネルを積層して構成する。
本明細書において、ロボット101は実機モードで動作可能なロボットを示しており、仮想ロボット106は、TP103の表示部105に表示されているシミュレーションモードで動作可能なロボットを示している。
TP103は非常停止ボタンを備えている。ロボット101が教示された動作に基づいて姿勢を変更しているときに、周囲の物体に接触しそうな場合に非常停止ボタンを押すと、ロボット101が停止する。それにより、ロボット101の使用に際して、危険を低減することができる。
図4は、仮想環境にロボットモデル120とロボットモデル121を表示した図である。ロボットモデル120およびロボットモデル121の一方は、シミュレーション中のロボットであり、他方はロボット101の姿勢を仮想環境に表示したものである。たとえばロボットモデル120が、シミュレーション中のロボットであり、ロボットモデル121はロボット101の姿勢を仮想環境に表示したものである。ユーザの視認性の向上のため、一方を透過表示することが可能であり、たとえばロボット101の姿勢を表示したロボットモデル120を仮想環境に透過表示することができる。
図5は、制御装置102の制御部の構成を示すブロック図である。制御部は、コンピュータで構成されており、制御部としての演算装置301を備えている。演算装置301はCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。あるいはFPGA(Field-Programmable Gate Array)である。また、制御部は、記憶部として、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置303を備えている。ROM302には、BIOS等の基本プログラムが格納されている。主記憶装置303は、演算装置301の演算処理の結果等、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。また、制御部は、記憶部としてHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置304を備えている。補助記憶装置304は、演算装置301の演算処理の結果や外部から取得したデータを記憶する。またTP103は、インターフェース(IF)305を備えている。
演算装置301には、ROM302、主記憶装置303、補助記憶装置304、IF305が、バス310を介して接続されている。IF305には、操作盤やTP103などの操作装置や、ディスプレイやランプなどの表示装置などが接続されてもよい。IF305には、制御部に情報を入力するための情報入力部が含まれうる。操作装置は、有線接続および/または無線接続によって、制御部の情報入力部に接続される。このようにして操作装置が制御部へ接続されることで、操作装置で制御部を操作することができる。IF305には、表示装置に情報を表示させるための表示手段として、表示装置に表示させる情報を出力する情報出力部が含まれうる。情報出力部はグラフィックコントローラやマイコンを含みうる。このようにして表示装置が制御部へ接続されることで、表示装置に情報が表示される。
演算装置301は、補助記憶装置304に格納されたプログラム320に基づいてロボット101の動作のための各種の処理を実行する。これにより演算装置301は、ロボット101を所望の位置へ移動させる指令、つまり、ロボット101を所望の姿勢に変形させる指令を行なう。その位置指令のデータを、所定の時間間隔でバス310及びIF305を介して、ロボット101のサーボ制御部251に出力する。
ロボット101が、姿勢の変更を行なう際に、演算装置301は、ロボット101を、所望の位置へ移動させる指令を行なう。サーボ制御部251は、ロボット101への位置指令に基づき、ロボット101に備えられた関節ユニットに電流を出力し、サーボモータ211等の電動モータの駆動を制御する。電動モータの駆動を制御することで、ロボット101の姿勢の変更を制御することができる。
制御部は、ロボット101に加わる外力に対する応答特性を変更しながら、ロボット101の姿勢を変更することが可能である。それによりサーボモータ211等のモータの負荷を軽減しつつ、ロボット101を制御することが可能である。
制御部は、物体情報処理部312、データ生成部313、接触判定部314、および姿勢変更制御部315を備えうる。制御部の内部では、物体情報処理部312、接触判定部314、データ生成部313および姿勢変更制御部315がIF305に接続されている。なお、物体情報処理部312、接触判定部314、および姿勢変更制御部315の少なくともいずれかをロボット101に設けることもできる。例えば、データ生成部313を関節ユニットに設けることもできる。
データ生成部313は、ロボット101への接触を検出するセンサが検出して出力した信号から、接触判定部314が取り扱うことができるデータ(アナログデータあるいはデジタルデータ)を生成し、接触判定部314に出力する。データ生成部313が生成するデータが示す値は、ロボット101への接触を検出するセンサが検出した物理量に応じた値である。データ生成部313は、接触検出部と呼ぶこともできる。
接触判定部314は、制御部の内部もしくは外部に備えられた、データ生成部313から出力される接触情報を解析することで、ロボット101への接触物の有無を判定することができる。
ロボット101や制御部には、物体検出センサ311を設けることができる。物体検出センサ311は、ロボット101の周囲に存在する物体を検出可能なセンサである。物体検出センサ311としては、イメージセンサや測距センサ、超音波センサ、レーダーセンサ等の、各種センサを用いることができる。測距センサはToF(Time of Flight)型のセンサであってもよい。物体検出センサ311は例えばIF305に接続される。
物体情報処理部312は、物体検出センサ311から出力される物体情報を解析する。それにより、ロボット101の可動領域に存在する物体の判別や、その物体までの距離の算出を行なうことができる。
姿勢変更制御部315は、物体情報処理部312の、ロボット101の可動領域に存在する物体のデータや、接触判定部314の、接触物の有無についてのデータに基づいて姿勢変更を制御する。
本実施形態のロボットシステム100は、接触を検出するセンサによってロボット101に対する物体の接触の検出を行うことができる。また、制御部は、この接触の検出に基づいてロボット101を制御することができる。また、物体検出センサ311によってロボット101の周囲の物体の存在の検出を行うことができる。また、制御部は、物体の存在の検出に基づいて、ロボット101の制御を行うことができる。検出した物体を、TP103の表示部105に表示させることもできる。
図6は、TP103の構成を示すブロック図である。演算装置401、ROM402、主記憶装置403、補助記憶装置404、IF405およびバス410に関しては、図4で説明したため省略する。制御装置102が、演算装置401、ROM402、主記憶装置403、補助記憶装置404を備えている場合、TP103はこれらを備えていなくても良い。
TP103の表示部105、判定部130および動作指示部132がIF405に接続されている。表示部105は、仮想環境に仮想ロボット106を表示するモデル表示部107および仮想ロボット106またはロボット101に動作指示を与えるかを確認する動作確認部110を有している。モデル表示部107は、ロボット101の状態を取得して、ロボット101のモデルを表示する。ここでロボット101の姿勢とロボット101のモデルの姿勢は同じである。
判定部130は、イネーブルスイッチ104の押下状態を取得するESW状態取得部131に接続している。判定部130は、ESW状態取得部131で取得したイネーブルスイッチ104の押下状態に応じて、ロボット101を動作させるか仮想ロボット106を動作させるかを判定する。本実施形態では、ESW状態取得部131はIF406を介して制御装置102に接続しているが、TP103にイネーブルスイッチ104が直接つながっていればIF406を介す必要はない。
動作指示部132はシミュレーションのモデルの状態を取得し、ロボット101を動作させるため動作送信部133に目標位置を与える。動作送信部133は、目標位置をIF406を介して制御装置102に送信することでロボット101の姿勢を仮想ロボット106の姿勢と同じ状態に動作させる。IF405、406はイーサネットやUSBなどの通信機器によって構成される。
図6では、制御装置102にIF406を介して接続するTP103を説明したが、制御装置102内にTP103のソフトを構成する形態でも良い。
図7は本実施形態に係るロボット101の操作フローの図である。ステップS1は、ESW状態取得部131がイネーブルスイッチ104の押下状態を取得し、判定部130によってイネーブルスイッチ104がオンと判定された場合は、ステップS2に進む。ステップS2では、ロボット101を操作する状態である実機モードであり、実機であるロボット101においてジョグ動作をユーザの操作入力に基づき行い、終了とする。
S1でイネーブルスイッチ104がオフと判定された場合、ステップS3に進む。ステップS3では、シミュレーションモード(Simモード)であり、仮想ロボット106においてジョグ動作をユーザの操作入力に基づき行う。ステップS3の動作後に、イネーブルスイッチ104が押下されてステップS4に進んだ場合、ステップS5に進み、動作チェックを行う。
ステップS5の動作チェックでは、仮想環境でシミュレーション中の仮想ロボット106の姿勢をロボット101の姿勢に合わせる、またはロボット101のジョグ動作を開始する。もしくは、イネーブルスイッチ104の指示をキャンセルし、仮想ロボット106のジョグ動作を継続する。図4には記載していないが、ロボット101の姿勢に、仮想ロボット106の姿勢を同期しても良い。ステップS4では、イネーブルスイッチ104の3段階目から2段階目への移行時にはモード切り替えを実施しなくてもよい。
以上のようにTP103は、イネーブルスイッチ104の押下状態に応じて、ロボット101によるジョグ動作と仮想ロボット106のジョグ動作を切り替える動作指示部132および動作送信部133を有している。従来は、イネーブルスイッチ104の他にモード切り替えスイッチが設けられている場合、仮想ロボット106を動かしている状態からロボット101を動かすためには、モード切り替えスイッチでモードを切り替え、イネーブルスイッチ104を押す必要がある。そこで本実施形態では、イネーブルスイッチ104をトリガとして、でロボット101を動かすモードと仮想ロボット106を動かすモードとを切り替えることができるように構成している。それにより、ユーザのモード切り替え操作の煩雑性を低減することができ、TP103の操作性が向上する。
イネーブルスイッチ104を押下する状態は、ユーザがロボット101を操作したいことを示す状態である。そのため、イネーブルスイッチ104をトリガとしてモードを切り替えることで、ユーザの安全性を担保しつつ操作性を向上させることができる。
なお、図8(a)に示すようにイネーブルスイッチ104のほかにモードスイッチ108を設けてもよく、用途に応じたスイッチを使用することもできる。たとえば図8(b)に示すように、Simモードから実機モードへの切り替え(S11→S12、S22→S23→S24)はイネーブルスイッチ104で行なう。そして、実機モードからSimモードへの切り替え(S12→S13→S14)はモード切り替えスイッチ108で行なってもよい。このとき、イネーブルスイッチ104でモード切り替えを行なった場合、モード切り替えスイッチ108も自動でロボット101を動かすモードへ切り替わるように構成されている。
これにより、Simモードへの切り替えは、モード切り替えスイッチ108で行うため、Simモードと勘違いして実機のロボット101を操作してしまうような危険性を低減できる。また、実機モードへの切り替えは、イネーブルスイッチ104で行うため、操作性の向上を図ることができる。このように、Simモードから実機モードへの切り替えをイネーブルスイッチ104で実行し、実機モードからSimモードへの切り替えをイネーブルスイッチ104とは異なるモード切り替えスイッチ108で実行する。こうすることで、ユーザの安全性を担保しつつ操作性を向上させることができる。
以下でさらにTP103の操作性を向上させることが可能な変形例を説明する。図7に示した操作フローの制御は、TP103の演算装置401が行うが、制御部の演算装置301が行ってもよい。
ロボット101の姿勢と、仮想ロボット106の姿勢とが乖離しているときに、イネーブルスイッチ104がオンになった場合、ロボット101に動作指示を与えるか否かを確認することができる。確認方法は、後述するようなポップアップ表示でも良いし、音声による確認でも良い。
また、図9に示すようにイネーブルスイッチ104がオンになったとき、自動的に仮想ロボット106の姿勢を、ロボット101の姿勢に合わせるように設定してもよい。イネーブルスイッチ104がオンからオフに切り替わったとき、ロボット101の姿勢に仮想ロボット106の姿勢を同期することができる。
ほかにも図10に示すように、姿勢変更前のロボット101の姿勢を仮想環境に点線で表示し、姿勢の変更中のロボット101の姿勢を仮想環境に表示することもできる。このときイネーブルスイッチ104を離すと、点線で表示したロボット101の元の姿勢を自動で消すようにしてもよく、後述するポップアップを表示し、ロボット101の元の姿勢を消すかどうかを聞くように設定できる。
TP103は、図11に示すように表示部105に確認ポップアップ等の動作確認をすることができる。確認ポップアップは、図6の動作確認部110によって制御され、ボタン110A、ボタン110B、ボタン110Cから構成されている。ボタン110Aを押下時、シミュレーション中の仮想ロボット106の姿勢にロボット101の姿勢を同期させる。ボタン110Bを押下時は、ロボット101の姿勢に仮想環境の仮想ロボット106の姿勢を合わせる。ボタン110Cを押下時は、ロボット101への動作指示をキャンセルし、シミュレーション中のジョグ動作を継続する。確認ポップアップは、ロボット101または仮想ロボット106のいずれか一方に動作指示を与えるものだけでなく、ユーザが任意に設定することができる。
図12に示すように、TP103に搭載されたスピーカー111と、マイク112を使用して、ロボット101または仮想環境の仮想ロボット106に動作指示を与えることができる。動作指示は、たとえば図11で説明した内容を、音声でモデルの位置に実機を動作させますか、実機の位置をモデルに取り込みますか、と聞き、指示された動作を行なうことが可能である。ここで実機とは、ロボット101のことである。以上の様に、画面上の表示や音声により確認をすることで、モード変更時のユーザ操作を促すことができ、誤操作やエラーがなく操作ができる。
ほかにも、姿勢変更前のロボット101の姿勢を仮想環境に点線で表示し、姿勢の変更中のロボット101の姿勢を仮想環境に表示することもできる。
以上、説明した実施形態は、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。たとえば複数の実施形態およびその変形例を組み合わせて実施することができる。また、少なくとも1つの実施形態の一部の事項の削除あるいは置換を行うことができる。
また、少なくとも1つの実施形態に新たな事項の追加を行うことができる。なお、本明細書の開示内容は、本明細書に明示的に記載したことのみならず、本明細書および本明細書に添付した図面から把握可能な全ての事項を含む。
以上述べた実施形態の制御部によって実行される処理手順は具体的には演算装置301により実行されるものである。従って上述した機能を実行可能なソフトウェアのプログラムを記録した記録媒体を読み出して実行するように構成することもできる。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体およびそのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
また、各実施形態では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が各ROM或いは各RAM或いは各フラッシュROMであり、ROM或いはRAM或いはフラッシュROMにプログラムが格納される場合について説明した。しかしながら本発明はこのような形態に限定されるものではない。本発明を実施するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、制御プログラムを供給するための記録媒体としては、HDD(またはSSD)、外部記憶装置、記録ディスク等を用いてもよい。
また上述した種々の実施形態では、ロボットアームが複数の関節を有する多関節ロボットアームを用いた場合を説明したが、関節の数はこれに限定されるものではない。ロボットアームの形式として、垂直多軸構成を示したが、水平多関節型、パラレルリンク型、直交ロボットなど異なる形式の関節においても上記と同等の構成を実施することができる。
また上述した種々の実施形態は、制御装置に設けられる記憶装置の情報に基づき、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械に適用可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。また、上述の種々の実施形態および変形例を組み合わせて実施しても構わない。
以下は、本発明の開示内容である。
(構成1)ロボットを制御するロボットコントローラと通信可能であり、イネーブルスイッチの押下状態を取得可能な操作装置であって、前記ロボットに対応する仮想ロボットを仮想環境に表示し、前記操作装置を操作することによって前記ロボットまたは前記仮想ロボットを操作することが可能であり、前記イネーブルスイッチの押下状態を判定する判定部を有し、前記判定部による前記イネーブルスイッチの押下状態の判定に応じて、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替え指示できる処理部を有することを特徴とする操作装置。
(構成2)前記イネーブルスイッチがオンのとき、前記ロボットが動作し、前記イネーブルスイッチがオフのとき、前記仮想ロボットが動作することを特徴とする構成1に記載の操作装置。
(構成3)前記仮想ロボットの姿勢と、前記ロボットの姿勢とが乖離しているとき、前記イネーブルスイッチを押下時に動作指示を与えるか確認することを特徴とする構成1または2に記載の操作装置。
(構成4)前記操作端末の画面に、前記ロボットおよび前記仮想ロボットのいずれか一方に動作指示を与えるか否かの確認ポップアップを表示することを特徴とする構成1乃至3のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成5)前記ロボットおよび前記仮想ロボットのいずれか一方に、音声による動作指示を与えることを特徴とする構成1乃至4のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成6)前記仮想ロボットが動作するとき、前記ロボットのモデルを前記仮想環境に表示することを特徴とする構成1乃至5のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成7)前記ロボットのモデルは、透過表示されることを特徴とする構成1乃至6のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成8)前記ロボットが動作するとき、前記仮想ロボットは、前記ロボットの姿勢と同期して表示されることを特徴とする構成1乃至7のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成9)前記イネーブルスイッチがオンからオフに切り替わったとき、前記仮想ロボットを前記ロボットの姿勢と同期することを特徴とする構成1乃至8のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成10)前記仮想環境は、前記操作装置の画面に表示されることを特徴とする構成1乃至9のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成11)前記イネーブルスイッチは、3ポジションスイッチであることを特徴とする構成1乃至10のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成12)前記イネーブルスイッチが、独立した装置として設けられていることを特徴とする構成1乃至11のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成13)前記イネーブルスイッチとは異なった、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替えることが可能なモード切り替えスイッチを備え、
前記処理部が、前記イネーブルスイッチにより、前記仮想ロボットを操作する状態から前記ロボットを操作する状態に切り替え、前記モード切り替えスイッチにより、前記ロボットを操作する状態から前記仮想ロボットを操作する状態に切り替える、ことを特徴とする構成1乃至12のいずれか1項に記載の操作装置。
前記処理部が、前記イネーブルスイッチにより、前記仮想ロボットを操作する状態から前記ロボットを操作する状態に切り替え、前記モード切り替えスイッチにより、前記ロボットを操作する状態から前記仮想ロボットを操作する状態に切り替える、ことを特徴とする構成1乃至12のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成14)前記ロボットが動作するとき、前記ロボットの移動開始時の姿勢を点線で表示することを特徴とする構成1乃至13のいずれか1項に記載の操作装置。
(構成15)前記ロボットが動作するとき、前記点線と前記ロボットの移動中の姿勢を表示することを特徴とする構成14に記載の操作装置。
(システム1)構成1乃至15のいずれか1項に記載の操作装置と、前記ロボットと、を備える、ことを特徴とするロボットシステム。
(方法1)システム1に記載のロボットシステムを用いて物品を製造する物品の製造方法。
(方法2)構成1乃至15のいずれか1項に記載の操作装置で操作されたロボットと物品の製造者とが、協働して物品を製造する工程を有することを特徴とする製造方法。
(方法3)ロボットを操作する操作装置の制御方法であって、前記ロボットに対応する仮想ロボットを仮想環境に表示し、前記操作装置を操作することによって前記ロボットまたは前記仮想ロボットを操作することが可能であり、イネーブルスイッチの押下状態を判定する判定部を有し、前記判定部による前記イネーブルスイッチの押下状態の判定に応じて、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替えることを特徴とする制御方法。
(方法4)システム1に記載のロボットシステムの前記ロボットを前記操作装置の指示に従って制御するロボットシステムの制御方法。
(プログラム1)方法3または4に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
(媒体1)プログラム1に記載の制御プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
101 ロボット
102 ロボットコントローラ
103 操作装置
104 イネーブルスイッチ
130 判定部
132 処理部
102 ロボットコントローラ
103 操作装置
104 イネーブルスイッチ
130 判定部
132 処理部
Claims (22)
- ロボットを制御するロボットコントローラと通信可能であり、イネーブルスイッチの押下状態を取得可能な操作装置であって、
前記ロボットに対応する仮想ロボットを仮想環境に表示し、
前記操作装置を操作することによって前記ロボットまたは前記仮想ロボットを操作することが可能であり、
前記イネーブルスイッチの押下状態を判定する判定部を有し、
前記判定部による前記イネーブルスイッチの押下状態の判定に応じて、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替え指示できる処理部を有することを特徴とする操作装置。 - 前記イネーブルスイッチがオンのとき、前記ロボットが動作し、
前記イネーブルスイッチがオフのとき、前記仮想ロボットが動作することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。 - 前記仮想ロボットの姿勢と、前記ロボットの姿勢とが乖離しているとき、前記イネーブルスイッチを押下時に動作指示を与えるか確認することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記操作装置の画面に、前記ロボットおよび前記仮想ロボットのいずれか一方に動作指示を与えるか否かの確認ポップアップを表示することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記ロボットおよび前記仮想ロボットのいずれか一方に、音声による動作指示を与えることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記仮想ロボットが動作するとき、前記ロボットのモデルを前記仮想環境に表示することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記ロボットのモデルは、透過表示されることを特徴とする請求項6に記載の操作装置。
- 前記ロボットが動作するとき、前記仮想ロボットは、前記ロボットの姿勢と同期して表示されることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記イネーブルスイッチがオンからオフに切り替わったとき、前記仮想ロボットを前記ロボットの姿勢と同期することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記仮想環境は、前記操作装置の画面に表示されることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記イネーブルスイッチは、3ポジションスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記イネーブルスイッチが、独立した装置として設けられていることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記イネーブルスイッチとは異なった、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替えることが可能なモード切り替えスイッチを備え、
前記処理部が、
前記イネーブルスイッチにより、前記仮想ロボットを操作する状態から前記ロボットを操作する状態に切り替え、前記モード切り替えスイッチにより、前記ロボットを操作する状態から前記仮想ロボットを操作する状態に切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。 - 前記ロボットが動作するとき、前記ロボットの移動開始時の姿勢を点線で表示することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
- 前記ロボットが動作するとき、前記点線と前記ロボットの移動中の姿勢を表示することを特徴とする請求項14に記載の操作装置。
- 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の操作装置と、
前記ロボットと、を備える、
ことを特徴とするロボットシステム。 - 請求項16に記載のロボットシステムを用いて物品を製造する物品の製造方法。
- 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の操作装置で操作されたロボットと物品の製造者とが、協働して物品を製造する工程を有することを特徴とする製造方法。
- ロボットを操作する操作装置の制御方法であって、
前記ロボットに対応する仮想ロボットを仮想環境に表示し、
前記操作装置を操作することによって前記ロボットまたは前記仮想ロボットを操作することが可能であり、
イネーブルスイッチの押下状態を判定する判定部を有し、
前記判定部による前記イネーブルスイッチの押下状態の判定に応じて、前記ロボットを操作する状態と、前記仮想ロボットを操作する状態とを切り替える
ことを特徴とする制御方法。 - 請求項16に記載のロボットシステムの前記ロボットを前記操作装置の指示に従って制御するロボットシステムの制御方法。
- 請求項19に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
- 請求項21に記載の制御プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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