JP2024042647A - 撹拌装置及び撹拌方法 - Google Patents

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正彦 荒島
康孝 榎本
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みづほ工業株式会社
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Abstract

【課題】タンク下部において旋回流を発生させて上下液流を改善し、エマルションの粒子径を微細化する撹拌装置を提供する。【解決手段】液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌装置であって、当該原料を格納するタンク1と、タンク1内の底部に設けられて、時計方向又は反時計方向に回転可能なローティングケース8と、を備え、ローティングケース8は、下部に下液流孔を有するとともに、上部に上液流孔を有し、ローティングケース8の回転方向により、液体及びエマルションを下液流孔又は上液流孔からローティングケース8内に吸込むことを特徴とする撹拌装置を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、タンク内の上下方向の撹拌液流を改善した撹拌装置及び撹拌方法に関するものである。
化粧品、食品、化学品、又は医薬品における液体や液体と固形物とを微細化、微粒化し撹拌するために撹拌装置が用いられている。撹拌装置は、回転軸に設けられた回転羽根が回転して原料を撹拌する略円筒状のタンクと当該回転軸を回転させるための駆動部等からなっている。
従来の撹拌機におけるタンク内の撹拌液流は水平方向(撹拌羽根の旋回方向)が中心で、上下方向への液流不足による撹拌不足が懸念されている。
特許文献1には、タンク底部にケースディスパーを備えて、タンク底部から上部へと液体を導いて上下方向の液流を改善可能な撹拌装置の構成が記載されている。
特許文献1:特許第7025591号公報
しかしながら、特許文献1に記載の撹拌装置は、タンク底部から上部へと液流を導いて上下方向の液流を改善可能ではあるものの、液体と液体を撹拌し乳化させてエマルションを形成する場合において、さらなるエマルションの微細化が望まれているという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決して、タンク下部において旋回流を発生させるとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌装置であって、
当該原料を格納するタンクと、
前記タンク内の底部に設けられて、時計方向又は反時計方向に回転可能なローティングケースと、を備え、
前記ローティングケースは、下部に下液流孔を有するとともに、上部に上液流孔を有し、
前記ローティングケースの回転方向により前記下液流孔又は前記上液流孔のいずれかから液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込むことを特徴とする撹拌装置を提供するものである。
この構成により、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体がタンク下部において旋回流を発生させるとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。 ここで、液体とは油や水を指し、固体を含む液体とは粉体と油を分散させた溶液等を指している。
撹拌装置であって、前記ローティングケースの内部に設けられ、前記ローティングケースの回転に伴う液流によって自由回転させられるタービン羽根を備えた構成にしてもよい。
この構成により、タービン羽根が液流によって自由回転させられることで、撹拌材料がローティングケース内面とタービン羽根との狭い間隔を自然に通過することになり、強力な剪断力や衝撃力によって均質で微細な液滴を生成することができる。また、タービン羽根を固定しても同様の効果が得られる。
撹拌装置であって、前記ローディングケースを所定の回転数で回転させるとともに、タービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させる構成としてもよい。
この構成により、回転方向はどちらでもよいが、ローディングケースの回転方向とタービン羽根の回転方向とを同じにして、ローディングケースの回転数とタービン羽根の回転数との差が大きい程、タービン羽根が自由回転するとき以上の効果が得られて、強力な剪断力や衝撃力によって均質で微細な液滴を生成することができる。
また、上記課題を解決するために本発明は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌方法であって、
当該原料をタンクに格納する原料格納工程と、
前記タンク内の底部に設けられたローティングケースを所定の回転数で回転させ、前記ローティングケースの下部に設けた下液流孔から液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込むとともに、前記ローティングケース内に設けたタービン羽根を前記ローティングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させて、前記ローティングケースの上部に設けた上液流孔から液体及びエマルションを排出するローティングケース回転工程と、を備えたことを特徴とする撹拌方法を提供するものである。
この構成により、タンク下部において旋回流を発生させてローティングケースに吸い込みやすくするとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。
さらに、上記課題を解決するために本発明は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌方法であって、 当該原料をタンクに格納する原料格納工程と、 前記タンク内の底部に設けられたローティングケースを所定の回転数で回転させ、前記ローティングケースの上部に設けた上液流孔から液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込とともに、前記ローティングケース内に設けたタービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させて、前記ローティングケースの下部に設けた下液流孔から液体及びエマルションを排出するローティングケース回転工程と、を備えたことを特徴とする撹拌方法を提供するものである。
この構成により、タンク下部において旋回流を発生させてローティングケースに吸い込みやすくするとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。
本発明の撹拌装置により、タンク下部において旋回流を発生させるとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。
本発明の実施例1における撹拌装置を説明する図である。 本発明の実施例1におけるローティングケースを説明する図である。 本発明の実施例1におけるタービンケースを説明する図である。 本発明の実施例1におけるタービン羽根を説明する図である。 本発明の実施例1におけるホモスタンドを説明する図である。 本発明の実施例1におけるタービン羽根の斜視図である。 本発明の実施例1におけるローティングケースを上からみて反時計方向に回転させた時の液流を説明する図である。 本発明の実施例1におけるローティングケースを上からみて時計方向に回転させた時の液流を説明する図である。 本発明の実施例1における撹拌方法の試験結果を示す第1のグラフである。 本発明の実施例1における撹拌方法の試験結果を示す第2のグラフである。 本発明の実施例2における撹拌方法の試験結果を示す第3のグラフである。 本発明の実施例2における撹拌方法の試験結果を示す第4のグラフである。
本発明の実施例1の撹拌装置について、図1~図9を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1における撹拌装置を説明する図である。図2は、本発明の実施例1におけるローティングケースを説明する図であり、(a)は隙間l1を示し、(b)は隙間l2を示す。図3は、本発明の実施例1におけるタービンケースを説明する図であり、(a)は上面図、(b)は側面断面図である。図4は、本発明の実施例1におけるタービン羽根を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は側面断面図である。図5は、本発明の実施例1におけるホモスタンドを説明する図であり、(a)は上面図、(b)は側面断面図、(c)は下面図である。図6は、本発明の実施例1におけるタービン羽根の斜視図である。図7は、本発明の実施例1におけるローティングケースを上からみて反時計方向に回転させた時の液流を説明する図である。図8は、本発明の実施例1におけるローティングケースを上からみて時計方向に回転させた時の液流を説明する図である。図9は、本発明の実施例1における撹拌方法の試験結果を示す第1のグラフである。図10は、本発明の実施例1における撹拌方法の試験結果を示す第2のグラフである。
実施例1における撹拌装置100は、ステンレスからなる略円筒形状でありながら底面と天面とは中央部が緩やかに突出した形状のタンク1を備えている。タンク1の天面には、撹拌する一方の原料を投入する原料A投入口6と撹拌する他方の原料を投入する原料B投入口7とを有している。ここで、実施例1における原料A及び原料Bとは、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体のいずれかであり、これら原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成するものである。
また、タンク1内の上部である天面中心から底部の底面に向けた方向に回転シャフト2が設けられている。また、回転シャフト2に水平方向に羽根状のミキサー3を上下方向に3か所取付けている。さらに、タンク1内の側面との間で液体を掻きとるための樹脂で構成されたスクレーパー5を保持するアンカー羽根4が上部から下部に向けて2ヶ所に回転可能に設けられている。
回転シャフト2は、タンク1外に設けた図示しないモーターにより回転駆動される。回転シャフト2が回転駆動されることで、ミキサー3が水平方向に回転してタンク1内の原料を撹拌する。また、アンカー羽根4も別の図示しない駆動源により水平方向に回転駆動される。アンカー羽根4はミキサー3とは反対方向に回転することができ、これにより水平方向の撹拌が行われるとともに、タンク1内の内壁においてスクレーパー5が液体を掻きとることができる。
なお、実施例1においては、羽根状のミキサー3を上下方向に3か所設けるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、2ヶ所でもよいし、4ヶ所以上であってもよく、撹拌する原料に応じた最適な数のミキサーを設ければよい。また。実施例1においては、アンカー羽根4を2ヶ所に設けるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、1ヶ所でもよいし、3ヶ所以上であってもよいし、又はなくてもよい。
また、実施例1においては、回転シャフト2、ミキサー3、及びアンカー羽根4を備えるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、回転シャフト、ミキサー、及びアンカー羽根を備えない構成としてもよい。低粘度の撹拌材料の場合などは、タンク1底部のローティングケース8を回転することで十分に微細化できる場合がある。
タンク1内の底部にはステンレスからなるローティングケース8を時計方向又は反時計方向に回転可能に備えている。ローティングケース8は、全体としてお椀を伏せたような略円錐台の形状で下部の側面には液体及びエマルションを吸込むか排出する下液流孔852(852a、852b、852c、952d)を有するとともに、上部である上面には液体及びエマルションを排出するか吸込む上液流孔811(811a、811b、811c、811d)を有している。また、前述した特許文献1において、ケースディスパーに設けられていたディスパー羽根は、本発明の実施例1におけるローティングケース8には備えていない。
なお、実施例1においては、ローティングケース8は、全体としてお椀を伏せたような略円錐台の形状としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、略円筒状としてもよいし、略四角柱状や略多角柱状でもよく、任意の形状を選択することができる。
ローティングケース8の構造を詳しく説明する。タービンケース81は略円錐台形状をなし、上面には液体を排出又は吸込む上液流孔811(811a、811b、811c、811d)が貫通して設けられている。4個の上液流孔811(811a、811b、811c、811d)は、長円形で長円部分はわずかに円弧形状を有している(図3(a)参照)。また、タービンケース81は下端部においてスタンド用ボルト孔812(812a、812b、812c、812d)にホモスタンド85が螺着されており、タービンケース81と一体に時計方向又は反時計方向に回転可能とされている。そして、ホモスタンド85の側面4ヶ所には、液体を吸込む又は排出する下液流孔852(852a、852b、852c、852d)を有している。これにより、ローティングケース8は全体として、液体を吸込むか排出する下液流孔852(852a、852b、852c、852d)を下部に有するとともに、液体を排出するか吸込む上液流孔811(811a、811b、811c、811d)を上部に有している。
なお、実施例1においては、上液流孔811(811a、811b、811c、811d)が長円形で長円部分はわずかに円弧形状を有しており、下液流孔852(852a、852b、852c、952d)が側面を切り抜かれた形状を有しているが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、液体を効率よく吸込むために、水切羽根等を孔の開口部分に設けてもよい。また、開口の形状は任意の形状としてよい。
また、実施例1においては、上液流孔811及び下液流孔852をそれぞれ4個としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、3個以下でもよいし5個以上であってもよい。
タービンケース81の内部には、図3(b)に示すように、空洞が設けられ、その内部にタービン羽根83が回転可能に収納されている。タービン羽根83は、下部シャフト84に螺着され、図示しないモーターにより上から見て時計方向又は反時計方向に回転可能とされている。タービン羽根83は、上からみて反時計方向に回転することで下から上へと液流を起こすことができ、逆に上から見て時計方向に回転することで上から下へと液流を起こすことができるように羽根形状が構成されている(図4(a)、図6参照)。つまり、タービン羽根83は、円筒部の周囲に4個の水切羽根831(831a、831b、831c、831d)が設けられ、水切羽根831(831a、831b、831c、831d)は前記円筒部の上から下へと斜めに構成され、回転方向に基づき、効率よく下から上へ、又は上から下へと液流を発生させることができる。
なお、実施例1においては、タービン羽根8がモーターにより上から見て時計方向又は反時計方向に回転可能としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、タービン羽根8をモーターで回転駆動せず、ローティングケース8の回転による液流によって自由回転させられるようにしてもよい。また、タービンケース81内にタービン羽根8を備えなくてもよい。
このように、ローティングケース8は、図示しない駆動部により、時計方向又は反時計方向に単独にいずれかの方向に回転可能である。また、タービン羽根83も時計方向又は反時計方向に単独にいずれかの方向に回転可能であるが、タービン羽根83はモーターで回転させずローティングケース8の回転によって起こされた液流による自由回転とすることもできる。後述するように、タービン羽根83はモーターで回転させずローティングケース8の回転によって起こされた液流による自由回転とした方が、タンク1内のエマルションがより微細化されることがわかっている。
ローティングケース8を上からみて反時計方向に回転させると、図7に示すように、旋回流Aを起こすとともに、下から上への液流を起こして液体やエマルションが吸込まれる吸込み流Bが下液流孔852(852a、852b、852c、852d)からローティングケース8内に吸い込まれ、タービン羽根83端部とタービンケース81内面との隙間l1(図2(a)参照。)と、隙間l2(図2(b)参照。)を通過することで、これらの隙間l1及びl2にてエマルションをすり潰して上方に押し出し、上液流孔811(811a、811b、811c、811d)から排出流Cが排出される。実施例1においては、隙間l1=1mm、隙間l2=0.5mmに設定しているが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、隙間l1=隙間l2=0.5mmに設定してもよいし、隙間l1=0.5mm、隙間l2=1mmに設定してもよく、原料の種類に応じて任意の隙間に設定できる。
なお、実施例1においては、ローティングケース8を上からみて反時計方向に回転
させるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更しても良い。例えば、ローティングケース8を上からみて時計方向に回転させるようにして、上から下への液流を起こしてもよい。この場合は、液体やエマルションが上液流孔811(811a、811b、811c、811d)からローティングケース8内に吸い込まれ、下液流孔852(852a、852b、852c、852d)から排出される。
また、ローティングケース8を上からみて時計方向に回転させて下から上への液流をおこすように構成してもよいし、ローティングケース8を上からみて反時計方向に回転させて上から下への液流をおこすように構成してもよい。
(撹拌方法) まず、撹拌対象とする原料をタンク1に格納する原料格納工程を実施する。次に、ローティングケース回転工程を実施する。ローティングケース回転工程は、タンク1内の底部に設けられたローティングケース8を上からみて反時計方向に回転させて、図7に示すように、ローティングケース8の周囲に旋回流Aを起こすとともに、ローティングケース8の下部側面に設けた下液流孔852(852a、852b、852c、852d)から液体やエマルションを吸込む吸込み流Bを起こし、タービン羽根83端部とタービンケース81内面との隙間l1を通過させてエマルションを微細化し、ローティングケース8の上部に設けた上液流孔811(811a、811b、811c、811d)から微細化されたエマルションや液体を排出する排出流を起こして下から上への液流を改善する(図7参照)。このとき、タービン羽根83は、モーターにより回転させず、ローティングケース8の回転に伴う液流により自由回転させられる。これにより、タンク下部において旋回流を発生させるとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。なお、タービン羽根83は、ローティングケース8に固定しても同様の効果が得られる。
なお、実施例1におけるローティングケース回転工程においては、ローティングケース8を上からみて反時計方向に回転させるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。つまり、ローティングケース8を上からみて時計方向に回転させるようにして、図8に示すように、ローティングケース8の周囲に旋回流Aを起こすとともに、ローティングケース8の上部に設けた上液流孔811(811a、811b、811c、811d)から液体及びエマルションを吸込む吸込み流Bを起こし、タービン羽根83端部とタービンケース81内面との隙間l1及び隙間l2を通過させて微細化し、ローティングケース8の下部側面に設けた下液流孔852(852a、852b、852c、852d)から微細化されたエマルションや液体を排出する排出流Cを起こして上から下への液流を改善してもよい。
図9に、ローティングケース8とタービン羽根83の両方をそれぞれのモーターにより同時に1800rpmで回転させた場合(▼)の粒子径と、ローティングケース8のみをモーターで単独で1800rpmで回転させ、タービン羽根83は液流による自由回転とした場合(□)の粒子径を測定した試験結果を示す。図9の横軸は、撹拌時間(分)を示し、縦軸は粒子径(μm)を示している。図9で分かるように、ローティングケース8のみをモーターで単独で回転させた場合の方が、同じ回転数であるにもかかわらず粒子径は小さく微細化された。また、撹拌時間を長くするとさらに微細化されることがわかった。
図10に、ローティングケース8とタービン羽根83の両方をそれぞれのモーターにより同時に3500rpmで回転させた場合(▼)の粒子径と、ローティングケース8のみをモーターにより単独で1800rpmで回転させ、タービン羽根83は液流による自由回転とした場合(□)の粒子径を測定した試験結果を示す。横軸は、撹拌時間(分)を示し、縦軸は粒子径(mm)を示している。この場合は、タービンケース81及びタービン羽根83の場合の回転数がローティングケース8のみの場合の回転数のほぼ倍であるにもかかわらず、微細化の能力はほぼ同じであった。
上記のように、ローティングケース8のみを単独で回転させ、タービン羽根83は液流による自由回転とした場合に微細化の能力が大きくなることがわかった。これは、ローティングケース8を回転させることで、多くの液流がローティングケース8を通過することで、タービン羽根83とタービンケース81内面との隙間l1の効果が向上するためと推測される。
このように、実施例1においては、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌装置であって、
当該原料を格納するタンクと、
前記タンク内の底部に設けられて、時計方向又は反時計方向に回転可能なローティングケースと、を備え、
前記ローティングケースは、下部に下液流孔を有するとともに、上部に上液流孔を有し、
前記ローティングケースの回転方向により前記下液流孔又は前記上液流孔のいずれかから液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込むことを特徴とする撹拌装置により、タンク下部において旋回流を発生させるとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。
また、実施例1においては、前記ローティングケースの内部に設けられ、前記ローティングケースの回転に伴う液流によって自由回転させられるタービン羽根を備えた構成により、タービン羽根が液流によって自由回転させられることで、撹拌材料がローティングケース内面とタービン羽根との狭い間隔を自然に通過することになり、強力な剪断力や衝撃力によって均質で微細な液滴を生成することができる。また、タービン羽根を固定しても同様の効果が得られる。
本発明の実施例2は、ローディングケースを所定の回転数で回転させるとともに、タービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させる点で実施例1と異なっている。
実施例2について、図11、図12を参照して説明する。図11は、本発明の実施例2における撹拌方法の試験結果を示す第3のグラフであり、(a)は、ローティングケース8を2000rpmで反時計方向に回転させるとともに、タービン羽根83を200rpmで反時計方向に回転させたときの粒径の頻度を示し、(b)は、ローティングケース8を回転させず、タービン羽根83のみを3500rpmで反時計方向に回転させたときの粒径の頻度を示している。図12は、本発明の実施例2における撹拌方法の試験結果を示す第4のグラフであり、(a)は、ローティングケース8を2000rpmで反時計方向に回転させるとともに、タービン羽根83を200rpmで反時計方向に回転させたときの粒径の頻度を示し、(c)は、ローティングケース8を1400rpmで反時計方向に回転させるとともに、タービン羽根83を200rpmで反時計方向に回転させたときの粒径の頻度を示している。
(実施例2における撹拌方法) 実施例2におけるローティングケース回転工程では、タンク1内の底部に設けられたローティングケース8を上からみて反時計方向に所定の回転数で回転させて、図7に示すように、ローティングケース8の周囲に旋回流Aを起こすとともに、ローティングケース8の下部側面に設けた下液流孔852(852a、852b、852c、852d)から液体やエマルションを吸込む吸込み流Bを起こし、タービン羽根83をローティングケース8の回転数よりも小さな回転数でモーターにより反時計方向に回転させる。これにより、タービン羽根83端部とタービンケース81内面との隙間l1を通過させてエマルションを微細化し、ローティングケース8の上部に設けた上液流孔811(811a、811b、811c、811d)から微細化されたエマルションや液体を排出する排出流を起こして下から上への液流を改善する(図7参照)。
なお、実施例2におけるローティングケース回転工程においては、ローティングケース8を上からみて反時計方向に回転させるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。つまり、ローティングケース8を上からみて時計方向に所定の回転数で回転させるようにして、図8に示すように、ローティングケース8の周囲に旋回流Aを起こすとともに、ローティングケース8の上部に設けた上液流孔811(811a、811b、811c、811d)から液体及びエマルションを吸込む吸込み流Bを起こし、タービン羽根83をローティングケース8の回転数よりも小さな回転数でモーターにより時計方向に回転させる。これにより、タービン羽根83端部とタービンケース81内面との隙間l1及び隙間l2を通過させて微細化し、ローティングケース8の下部側面に設けた下液流孔852(852a、852b、852c、852d)から微細化されたエマルションや液体を排出する排出流Cを起こして上から下への液流を改善してもよい。
なお、実施例2においては、ローディングケース8とタービン羽根83を同じ方向に回転するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、ローディングケース8とタービン羽根83を互いに逆方向に回転するようにしてもよい。
(実施例2における試験結果) 図11は、横軸が粒径を示し、縦軸が頻度を示している。そして、図11(a)は、ローティングケース8を2000rpmで反時計方向に回転させるとともに、タービン羽根83を200rpmで反時計方向に回転させたときの回転開始から30分後の粒径の頻度を示し、(b)は、ローティングケース8を回転させず、タービン羽根83のみを3500rpmで反時計方向に回転させたときの回転開始から30分後の粒径の頻度を示している。つまり、ローティングケース8を回転させずタービン羽根83のみを回転させたときよりも、ローティングケース8を所定の回転数で回転させるとともに、タービン羽根83をローティングケース8の回転数よりも小さい回転数で回転させたときの方が粒径を小さくできることが分かる。なお、30分以上回転させても粒径に対する大きな変化はなかった。
図12は、横軸が粒径を示し、縦軸が頻度を示している。そして、図12の(a)は、ローティングケース8を2000rpmで反時計方向に回転させるとともに、タービン羽根83を200rpmで反時計方向に回転させたときの回転開始から30分後の粒径の頻度を示し、(b)は、ローティングケース8を1400rpmで反時計方向に回転させるとともに、タービン羽根83を200rpmで反時計方向に回転させたときの回転開始から30分後の粒径の頻度を示している。この結果、ローディングケース8の回転数とタービン羽根83の回転数の差が大きい方が粒径を小さくする効果があることがわかる。なお、30分以上回転させても粒径に対する大きな変化はなかった。
なお、図示していないが、ローティングケース8とタービン羽根83を時計方向に回転させたときも、ローティングケース8の回転数とタービン羽根83の回転数の差が大きい程、粒径の頻度は小さくなった。
このように、実施例2においては、前記ローディングケースを所定の回転数で回転させるとともに、タービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させることで、タービン羽根が自由回転するときと同様の効果が得られて、強力な剪断力や衝撃力によって均質で微細な液滴を生成することができる。また、ローディングケースの回転数とタービン羽根の回転数との差が大きい程、細かく剪断されて粒径が細かくすることができる。
また、実施例2においては、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌方法であって、 当該原料をタンクに格納する原料格納工程と、 前記タンク内の底部に設けられたローティングケースを所定の回転数で回転させ、前記ローティングケースの下部に設けた下液流孔から液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込とともに、前記ローティングケース内に設けたタービン羽根を前記ローティングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させて、前記ローティングケースの上部に設けた上液流孔から液体及びエマルションを排出するローティングケース回転工程と、を備えたことを特徴とする撹拌方法により、タンク下部において旋回流を発生させてローティングケースに吸い込みやすくするとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。
さらにまた、実施例2においては、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌方法であって、 当該原料をタンクに格納する原料格納工程と、 前記タンク内の底部に設けられたローティングケースを所定の回転数で回転させ、前記ローティングケースの上部に設けた上液流孔から液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込とともに、前記ローティングケース内に設けたタービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させて、前記ローティングケースの下部に設けた下液流孔から液体及びエマルションを排出するローティングケース回転工程と、を備えたことを特徴とする撹拌方法により、タンク下部において旋回流を発生させてローティングケースに吸い込みやすくするとともに上下液流を改善して、エマルションの粒子径を微細化することができる。
本発明における撹拌装置は、液体を原料として撹拌し乳化してエマルションを形成する分野に広く適用することができる。
1:タンク 2:回転シャフト 3:ミキサー 4:アンカー羽根 5:スクレーパー 6:原料A投入口 7:原料B投入口 8:ローティングケース 9:洗浄用弁口 81:タービンケース 83:タービン羽根 84:下部シャフト 85:ホモスタンド 811(811a、811b、811c、811d):上液流孔 812(812a、812b、812c、812d):スタンド用ボルト孔 831(831a、831b、831c、831d):水切羽根 851(851a、851b、851c、851d):ディスパー用ボルト孔 852(852a、852b、852c、852d):下液流孔 A:旋回流 B:吸込み流 C:排出流

Claims (5)

  1. 液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌装置であって、
    当該原料を格納するタンクと、
    前記タンク内の底部に設けられて、時計方向又は反時計方向に回転可能なローティングケースと、を備え、
    前記ローティングケースは、下部に下液流孔を有するとともに、上部に上液流孔を有し、
    前記ローティングケースの回転方向により前記下液流孔又は前記上液流孔のいずれかから液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込むことを特徴とする撹拌装置。
  2. 前記ローティングケースの内部に設けられ、前記ローティングケースの回転に伴う液流によって自由回転させられるタービン羽根を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撹拌装置。
  3. 前記ローディングケースを所定の回転数で回転させるとともに、タービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させることを特徴とする請求項1に記載の撹拌装置。
  4. 液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌方法であって、
    当該原料をタンクに格納する原料格納工程と、
    前記タンク内の底部に設けられたローティングケースを所定の回転数で回転させ、前記ローティングケースの下部に設けた下液流孔から液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込とともに、前記ローティングケース内に設けたタービン羽根を前記ローティングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させて、前記ローティングケースの上部に設けた上液流孔から液体及びエマルションを排出するローティングケース回転工程と、を備えたことを特徴とする撹拌方法。
  5. 液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌し乳化させてエマルションを形成する撹拌方法であって、
    当該原料をタンクに格納する原料格納工程と、
    前記タンク内の底部に設けられたローティングケースを所定の回転数で回転させ、前記ローティングケースの上部に設けた上液流孔から液体及びエマルションを前記ローティングケース内に吸込とともに、前記ローティングケース内に設けたタービン羽根を前記ローディングケースの回転数よりも小さな回転数で回転させて、前記ローティングケースの下部に設けた下液流孔から液体及びエマルションを排出するローティングケース回転工程と、を備えたことを特徴とする撹拌方法。
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