JP2010214220A - 乳化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化処理時間が短く乳化製品に高品質が要求される場合、構成が複雑で攪拌のための回転体に高速回転が要求される。
【解決手段】乳化装置は、被処理材料を含有する処理液を収容する処理槽1と、処理槽1に挿設される回転可能なシャフト2と、シャフト2に設けられる第1の回転羽根7と、第1の回転羽根7の上側におけるシャフト2の中心軸21に同軸に回転可能に取り付けられ逆テーパの周面61を有する回転盤6と、回転盤6に設けられる第2の回転羽根8と、処理槽1の内壁11に設けられる固定羽根9と、を有する。第1の回転羽根7は、放散同形で多段に所定角度をもって下向きに固定される複数の棒翼71でなる。第2の回転羽根8は、複数の縦歯81でなる。固定羽根9は、均等の間隔で形成された複数の縦条91でなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理材料を剪断し分散させて乳化または懸濁させる乳化装置に関する。特に、被処理材料を回転羽根で攪拌流動させながら回転羽根と処理槽の内壁との間で剪断し分散させて乳化させる構成の乳化装置に関する。
被処理材料を攪拌する動作をともなう機械を広義に攪拌機という。攪拌機は、目的によって、主に混合機、混練機、振盪機、粉砕機、分散機、乳化機に分類される。乳化機は、乳化を目的とする攪拌機である。乳化機は、食料品、化粧品、医薬品、化学品のような液状の製品を提供する分野で広く利用される。食料品の場合、例えば、大豆(豆乳)、卵(マヨネーズ)、食用油(ドレッシング)、野菜(ソース,タレ)を乳化するために乳化機が用いられている。
乳化は、混ざり合わない液体の一方を微粒化して他方の液体に分散させることをいう。そのため、乳化機は、一般的に原料である被処理材料の粉砕と分散の機能を合わせて有しており、分散機として扱われることがある。厳密には、溶解しない固体微細粒子を液体に分散させることを懸濁というが、本発明においては、固体を微粒化して液体に分散させる装置を含めて乳化装置という。ミキサは、混合機または混練機の一種であるため、乳化装置をホモミキサまたはエマルションミキサということがある。
攪拌機は、被処理材料を単一工程処理する開放型のバッチ方式と被処理材料を連続攪拌処理する閉鎖型のインライン方式がある。また、例えば、インペラ型攪拌機、ブレード型攪拌機、ディスパ型攪拌機、閉式ロータ型攪拌機、ロータステータ型攪拌機、スタティック型攪拌機、タービン型攪拌機、ディスク型攪拌機、コロイドミル攪拌機、高圧プランジャ型攪拌機(高圧ホモゲナイザ)、ジェットミル攪拌機、高圧ジェット型攪拌機のような種々の攪拌機が知られている。
代表的攪拌機であるインペラ型攪拌機は、回転軸(シャフト)に回転翼(インペラ)を取り付けてインペラによって被処理材料を攪拌させる構成である。インペラは、被処理材料を攪拌流動させるためのものである。インペラの形状は、例えば、パドル形、プロペラ形、スクリュ形、軸流タービン形、放射タービン形、アンカ形,リボン形、ゲート形がある。
乳化装置は、被処理材料に主に剪断力を与えて被処理材料を微粒化し分散させて乳化状態にして浮遊沈殿等の分離をさせないようにする機械である。厳密には、乳化機である攪拌機をホモゲナイザ(ホモジナイザ)またはエマルダというが、攪拌機を含んで乳化装置全体をホモゲナイザまたはエマルダと称することがある。乳化装置の微粒化の原理が主に剪断力に依拠するため、乳化装置に設けられる攪拌機は、剪断力を与えることができる方式が選定される。特に、インペラ型攪拌機、ロータステータ型攪拌機、高圧プランジャ型攪拌機、高圧ジェット攪拌機が広く採用されている。
乳化装置の攪拌機における剪断力による被処理材料の微粒化は、粉砕機の機能を包含する。粉砕機には、粉砕媒体(メディア)との衝突で被処理材料の粉砕を助けるメディアミル方式と粉砕メディアを用いずに被処理材料どうしの衝突のみで被処理材料を粉砕するメディアレス方式がある。メディアレス方式の粉砕機では、被処理材料の中に磨耗で生成される粉砕メディアの微細粒子が混入することがないので、コンタミネーションが非常に少ない。そのため、乳化装置に適用される攪拌機は、メディアレス方式であることが望まれる。また、粉砕機には、被処理材料をそのまま取り扱う乾式と被処理材料を液体に混入させて取り扱う湿式がある。乳化装置は、液体または固体を液体に均一に分散させる装置であるから、乳化装置に適用される攪拌機は、実質的に湿式である。
ホモゲナイザは、広義には、被処理材料が固体であるときを含めて攪拌部材間または攪拌部材と処理槽の内壁との間のクリアランスに被処理材料を流動させて被処理材料の剪断、衝突、分散を繰り返して被処理材料を微粒化し分散させて乳濁液(エマルション)または懸濁液(サスペンション)を生成する乳化機全般をいう。
ホモゲナイザとして、シャフト先端のロータを6000rpm/min以上の高い回転数で高速に回転させて被処理材料を下から吸い上げて固定されたステータとの間に形成される僅かなクリアランスに流入させ、クリアランスに生じる剪断力と衝突で被処理材料を微粒化し、上に向けて噴出させることで生じる上昇流で形成される処理液の対流で攪拌するロータステータ型攪拌機がよく知られている。また、被処理材料を上から吸い込んで下に噴出させる構成のリーバスタイプのロータステータ型攪拌機が採用されることがある。ウルトラミキサは、ホモミキサの一種であり、高速回転するタービンロータで強力に吸引した被処理材料を横に噴出させる構成のホモゲナイザを備えた乳化装置である。
エマルダは、広義には、液体にその液体と混ざり合わない液体を微粒化して均一に分散させて乳濁液を生成する乳化機全般をいう。高速で回転する回転歯を有するロータと縦状またはスプライン状の溝加工が施されて固定歯が形成されたハウジングであるステータとで形成されるクリアランスに被処理材料を流動させて、クリアランスに発生する剪断力と分散力で被処理材料の乳化を行なうロータステータ型のエマルダがよく知られている。
乳化装置に適用される攪拌機は、一長一短があり、被処理材料の種類と生成される乳化製品の目的に適応する方式と型が選択される。インペラ型攪拌機は、他のタイプの攪拌機に比べて構成が相当簡単であるという非常に優れた利点がある。また、インペラをロータステータ型に比べて高速に回転させることがないことによる利点がある。そのため、インペラ型攪拌機を備えた乳化装置は、乳濁液または懸濁液を生成する多くの製造業で幅広く採用されている。
インペラ型攪拌機を備えた乳化装置は、例えば、特許文献1に示されるように、シャフトに数段に設けられる複数のパドル形インペラまたはアンカ形インペラでなる回転羽根と処理槽の底面を含む内壁面との間に形成されるクリアランスにおいて生じる被処理材料の接触、衝突、拡散による剪断と分散を加えて被処理材料の乳化を行なう構成である。
インペラ型攪拌機を備えた乳化装置において、処理槽の内壁に等間隔に複数の邪魔板(バッフル)が設けられることがある。バッフルは、上下に対流する処理液の流動を整流し、処理液の循環を向上させて被処理材料の分散を促進する。また、特許文献2に開示されるように、処理槽の内壁に格子状の溝を形成して円筒形の回転羽根との間に発生する乱流によって分散を促進させ所望の乳濁液または懸濁液を生成する時間を短縮できる構成の乳化装置がある。
インペラ型攪拌機を備えた乳化装置の発展型として、複数の型式の攪拌機を並設して、被処理材料の微粒化と処理液の攪拌流動を一層向上させて被処理材料の均一な分散を促進する複合インペラ型攪拌機を備えた乳化装置がある。例えば、インペラ型攪拌機のシャフトの先端側にロータを設けてロータステータ型攪拌機を組み合わせることで、処理槽底から被処理材料を吸い上げて攪拌する構成の乳化装置がある。
特許第3533407号公報 特開2007−125454号公報
インペラ型攪拌機では、インペラと処理槽の内壁とのクリアランスを要求される粒径に合わせて精密に小さくすることに限界がある。また、インペラの回転速度が他の型式の攪拌機における回転体の回転速度に比べて低くされている。そのため、被処理材料の微粒化の作用が比較的小さいので、乳化速度が遅く、乳化製品の生成に比較的時間を要する不利な点がある。特に、被処理材料が固体粉体である場合は、予備的に粉砕機で被処理材料を粉砕して粒径を十分小さく揃えておいたとしても、微細粒子の均質化と均一に分散させる速度が他の型式の攪拌機に比べて不十分であり、乳化製品を生成するために要する時間の短縮と乳化製品の品質の向上が望まれている。
被処理材料の微粒化を促進させるためにメディアミル方式を採用することが考えられるが、磨耗で生じる粉砕メディアの微細粒子によるコンタミネーションが増大して、乳化処理後に粉砕メディアの微細粒子を取り除く負担が大きく、あるいは完全に除去できずに乳化製品の品質を低下させる。
メディアレス方式で被処理材料の均質な微粒化を実現するためには、インペラを必要以上に高速で回転させるか、あるいは攪拌力が大きい他の型式の攪拌機を並設して、処理液を十分に攪拌流動させなければならないので、構成が極めて簡単であるというインペラ型攪拌機の最大の利益を失うばかりか、高速回転によるインペラの破損のおそれがあり、また、被処理材料が高速で攪拌部材に衝突したときの衝撃で攪拌部材が磨耗して金属粉が処理液に混入することによって致命的なコンタミネーションが発生し、安全な乳化製品が得られないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みて、簡単な構成と回転羽根の安全な回転速度で要求される品質の製品をより効率よく生成することができる乳化装置を提供することを目的とする。本発明の乳化装置の具体的に有利な点は、実施の形態の説明において詳しく記述される。
本発明の乳化装置は、上記課題を解決するために、被処理材料を含有する処理液を収容する処理槽(1)と、処理槽(1)の槽内に挿設される回転可能なシャフト(2)と、シャフト(2)に放散同形で多段に所定角度(θ)をもって下向きに固定された複数の棒翼(71)でなる第1の回転羽根(7)と、第1の回転羽根(7)の上側におけるシャフト(2)に同軸に回転可能に取り付けられ逆テーパの周面(61)を有する回転盤(6)と、回転盤(6)の周面(61)に形成された複数の縦歯(81)でなる第2の回転羽根(8)と、処理槽(1)の内壁(11)に均等の間隔で形成された複数の縦条(91)でなる固定羽根(9)と、を含んでなるようにされる。
本発明の乳化装置は、基本的にインペラ型攪拌機を備えた乳化装置であって構成が相当簡単であるため、故障が少なく維持管理が容易であるとともに製造が比較的容易である。また、攪拌機の回転体の回転速度が可能な限り低くされるので、攪拌機の故障と攪拌部材の損耗が少なく、維持管理が容易で騒音と振動が小さく、致命的なコンタミネーションが発生するおそれがない。
そして、第1の回転羽根が放散同形で多段に所定角度をもって下向きに固定された複数の棒翼でなるので、処理液を処理槽の内壁に沿って下方向に強く流し込み、下層の処理液を回転軸に沿って強く押し上げて上昇流を生み出す。そのため、十分に上下の対流が作り出される。加えて、シャフトと同軸に回転する回転盤の逆テーパの周面に形成された複数の縦歯でなる第2の回転羽根が第1の回転羽根によって上昇されてくる処理液の飛散を防止するとともに処理槽の内壁に沿うように下方向に巻き流れる旋回流を生み出すので、一層対流による攪拌流動が助長され、均一な分散が促進される。その結果、被処理材料がより短時間で均一に分散される。
また、第1の回転羽根が放散同形に配設された多数の棒翼で構成されるとともに処理槽の内壁に固定羽根が形成されているため、第1の回転羽根と固定羽根との間でシャフトの中心軸と平行な軸廻りに強力な横渦が多数発生する。第1の回転羽根の翼端に発生する横渦によって被処理材料の接触、衝突、拡散がより効果的に行なわれ、第1の回転羽根と固定羽根との間で十分な剪断力と分散力が得られて短時間で効率よく被処理材料が均質に細粒化され均一に分散される。その結果、乳化処理時間が十分に短縮され、乳化製品の品質が向上する。
本発明の乳化装置の全体構成を示す側面断面図および下面断面図である。 実施の形態の乳化装置における回転羽根の構造を示す斜視図である。 実施の形態の乳化装置における固定羽根の構造を示す斜視図である。 図1に示される乳化装置における処理液の流動状態を示す断面図である。
図1に、本発明の乳化装置の全体構成が示される。図2に、シャフト、ボス、回転盤で構成される回転部位が示される。特に、図2は、ボスに設けられる第1の回転羽根と回転盤の周面に形成される第2の回転羽根の構造を示す。図3に、処理槽の内側が示される。特に、図3は、処理槽の内壁に形成される固定羽根の構造を示す。図4は、乳化装置を側面および下面から見た断面図であり、処理液の流動状態を示す。以下、図1ないし図4を用いて、本発明の乳化装置の具体的な実施の形態を説明する。
乳化装置は、原料である被処理材料を含有する処理液を収容し被処理材料を乳化処理する処理槽1と、処理槽1の槽内に挿設される回転可能な回転軸部材であるシャフト2と、シャフト2を回転駆動する駆動装置であるモータ3と、モータ3の駆動力をシャフト2に伝達する伝達部材であるVベルト4と、シャフト2に取り付けられる補強部材であるボス5と、シャフト2に同軸に回転可能に設けられ逆テーパの周面61を有する回転盤6と、を有する。
第1の回転羽根7は、シャフト2に設けられる。実施の形態の乳化装置における第1の回転羽根7は、シャフト2に取り付けられたボス5に設けられる。第1の回転羽根7は、ボス5に放散同形で多段に所定角度をもって下向きに固定された複数の棒翼71でなる。第2の回転羽根8は、第1の回転羽根8の上側に設けられる。第2の回転羽根8は、回転盤6の逆テーパの周面61に形成された複数の縦歯81でなる。固定羽根9は、処理槽1の内壁11に均等の間隔で形成された複数の縦条91でなる。
処理槽1は、具体的にステンレス製の円筒容器である。実施の形態の乳化装置は、例えば豆乳を生成することができる。豆乳を生成するときに処理槽1に収容される被処理材料は、大豆粉である。原料である大豆は、予備工程においてミル(製粉機、粉砕機)によって予め所要の粒径の大豆粉に製粉されている。豆乳を生成するときに被処理材料である大豆粉を混入する処理液は、水である。処理槽1に収容される水に含まれる大豆粉が均質に微粒化され、水に均一に分散されて豆乳が生成される。したがって、実施の形態の乳化装置に設けられる攪拌機は、湿式メディアレス粉砕機の機能を含む。
シャフト2は、その中心軸21廻りに回転可能な円筒回転軸部材である。シャフト2は、処理槽1の上蓋12を貫通して処理槽1の槽内に挿設される。キャビテーションにより気泡(キャビティ)が発生することを低減するために、処理槽1の槽内を真空にすることが要求される場合がある。処理槽1の槽内を真空にするときは、シャフト2と上蓋12との間にシャフト2の回転の障害にならないメカニカルシールを設けることができる。真空乳化装置における処理槽1の槽内の真空引きについては、公知の方式を選択的に採用するものとして、詳細な説明を省略する。
モータ3は、シャフト2を回転駆動する回転型電動機である。実施の形態の乳化装置におけるモータ3は、インダクションモータ(三相交流誘導電動機)であり、トルク変動が比較的大きい乳化処理に適している。回転速度を制御するためにインバータ制御を行なうようにすることができる。モータ3は、例えば、シャフト2をダイレクトドライブ(直結駆動)で回転させるときに適するある程度の高速回転が可能なブラシレス直流モータ(無整流子直流電動機)のような別のタイプの電動機に置き換えることができる。
モータ3は、駆動軸に設けられたプーリとシャフト2に設けられたプーリとを接続する無端のVベルト4を介してシャフト2を回転させる。モータ3は、3000rpm/min〜5000rpm/min程度の回転数で駆動され、例えば、第1の回転羽根7の翼長が300mmであるときで第1の回転羽根7の翼端における周速が30m/sec〜50m/sec程度になる乳化処理に要求される十分な所要の回転速度ωが得られる。所要の回転数域または回転速度範囲は、インペラ型攪拌機では比較的高速の範囲ではある。しかし、6000rpm/min〜10000rpm/min以上で回転体を回転させる他の型式の攪拌機における回転体の回転数に比べてインペラの損傷が生じない安全な低い回転数である。
ボス5は、処理槽1の槽内に突出して挿設されるシャフト2の先端に取付固定される。ボス5は、処理槽1の槽内に収容される。ボス5に第1の回転羽根7と回転盤6が取り付けられる。ボス5は、第1の回転羽根7における必要なサイズと数の複数の棒翼71を放散同形に固定することができる十分な大きさを有する。ボス5は、第1の回転羽根7を取り付けて支持できる補強部材として設けられるので、ボス5を含んでシャフト2とみなすことができる。
回転盤6は、シャフト2の中心軸21と同軸に回転可能にシャフト2に取り付けられる。実施の形態の乳化装置における回転盤6は、図2に示されるように、盤面の中心にボス5の外径とほぼ同じ大きさの内径を有する貫通孔が設けられ、貫通孔にボス5を挿嵌してボス5に一体的に取付固定されている。回転盤6は、第1の回転羽根7よりも上側に配設される。回転盤6は、全体的に上面よりも下面の面積が小さい逆テーパ形状に形成されている。回転盤6の逆テーパの周面61に、複数の縦歯81が形成される。
第1の回転羽根7は、シャフト2に取り付けられるボス5に固定される複数の棒翼71でなる。図2に具体的に示されるように、棒翼71は、四角薄板態様のパドル形状に類似する形状であるが、パドル形状に比べて翼厚が肉厚で翼幅が狭く実質的に角棒態様の放射型フィン形状に相当する形状を示す。放射型フィン形状は、シャフト2が所要の回転速度(回転数)ωで回転して棒翼71の翼端が所定の周速に達するときに、第1の回転羽根7と固定羽根9との間に形成されるクリアランスにおける棒翼71の翼端に第1の回転羽根7の回転軸であるシャフト2の中心軸21に平行な軸廻りに強い横渦10を招起する形状である。
インペラの翼端で発生するチップボルテックスキャビテーション(翼端渦キャビテーション)は、翼形によってキャビテーションを発生させる周速とキャビテーションが発生する状況が異なる。実施の形態の乳化装置では、第1の回転羽根7が放射型フィン形状の棒翼71形状であるとともに固定羽根9が設けられているために比較的低い周速で横渦10が形成されるので、第1の回転羽根7の回転速度が可能な限り低くされている。そのため、横渦10が次々と連続して形成されるが、横渦10の中心の圧力は、キャビテーションが発生する直前の状態に抑えられて大量の気泡が形成されるまでに至らず、気泡の発生が低減されている。
放射型フィン形状の棒翼71の翼端で次々に発生する横渦10は、時に複数発生して捩れたリボン状の縦渦に発達して強い力で被処理材料の接触、衝突、拡散させる。そのため、横渦10を生成しやすい放散同形に設けられた放射型フィン形状の棒翼71でなる第1の回転羽根7は、従来の攪拌機に比べてインペラを低い回転速度で回転させ十分な剪断力と分散力を得ることができ、被処理材料を短時間でより効率よく均質に細粒化し、効果的に均一に分散させる。
複数の棒翼71は、ボス5に放散同形に配設される。放散同形に配設されるということは、水平面上で隣接する棒翼71どうしが同一間隔で3方向以上に向かって放射状に広がるように取り付けられるということである。実施の形態の乳化装置における第1の回転羽根7では、隣接する棒翼71どうしのなす角度が60度であるように棒翼71が放散同形に設けられている。棒翼71が放散同形に設けられることによって第1の回転羽根7が所要の回転速度ωで回転するときのバランスが維持される。また、放散同形に配設される複数の棒翼71の翼端に微粒化と均一な分散を助ける横渦10が効果的に発生し、乳化処理時間が短縮され、乳化製品の品質が向上する。
複数の棒翼71は、上下方向に平行に多段に配設される。実施の形態における第1の回転羽根7では、棒翼71が上下方向に平行に3段に設けられ、各段の棒翼71における上下間の距離は、約10mmである。棒翼71が多段に設けられることによって第1の回転羽根7が所要の回転速度ωで回転するときに被処理材料を十分に拡散させるとともに棒翼71の間で流速差を生み出して棒翼71の翼端で処理槽1の高さ方向に満遍なく横渦10を発生させやすくする。そして、多数発生する横渦10によって乳化処理時間が短縮され、乳化製品の品質が向上する。
複数の棒翼71は、図4に示されるように、所定角度θをもって下向きに配設される。実施の形態における第1の回転羽根7では、全ての棒翼71が水平を0度として約20度下向きに配設されている。棒翼71が所定角度θをもって下向きに設けられることによって、図4に示されるように、処理液がシャフト2の中心軸21を中心に水平面において処理槽1の内壁11に沿って下降する旋回流20を形成し、処理槽1の底面から中心軸21に沿って処理液を押し上げて上昇流が生じて十分に上下の対流30が作り出される。その結果、第1の回転羽根7が他の型式の攪拌機に比べて十分に遅い所要の回転速度ωで回転することで、処理液が十分に攪拌され被処理材料が効率よく拡散する。
第2の回転羽根8は、シャフト2の中心軸21と同軸に回転する回転盤6の逆テーパの周面61に設けられるギア形状の複数の縦歯81でなる。回転盤6は、シャフト2の中心軸21に沿って上昇してくる処理液の流路を塞いで処理槽1の内壁11側に押し出す。所定の回転速度ωで回転する第2の回転羽根8は、逆テーパの周面61と回転する縦歯81の作用で処理槽1の内壁11に沿って下向きの旋回流20を形成する。そのため、第2の回転羽根8は、第1の回転羽根7の作用を助けて一層攪拌流動を活発にし、均一な分散を促進する。
固定羽根9は、処理槽1の内壁11に設けられる。固定羽根9は、複数の縦条91でなり、縦条91は、等間隔で処理槽1の内壁11に沿って配設される。縦条91は、少なくとも処理槽1の底面から回転盤6までの高さを有する。固定羽根9は、旋回流20を部分的に遮ることで隣接する縦条91の間で処理槽1の内壁11と第1の回転羽根7とで形成されるクリアランスにおける第1の回転羽根7の棒翼71の翼端における横渦10の発生を促し発達させる。したがって、固定羽根9は、第1の回転羽根7との間に形成されるクリアランスにおいて一層強い攪拌力を付与して被処理材料の接触、衝突、拡散を活発に行なわせ、より効率よく被処理材料の細粒化を行なわせて分散させる。
実施の形態の乳化装置でφ0.1mm程度に挽かれて製粉された2000gの大豆粉を混入させた30リットルの処理液を処理槽1に封入してシャフト2を3000rpm/minで回転させて攪拌させた結果、約1分で許容される高品質の豆乳が生成された。現在一般的に利用されているホモミキサでは、同等の豆乳をほぼ同じ時間で生成するために最低6000rpm/min以上の高速でインペラまたはロータを回転させることが要求されるが、実施の形態の乳化装置は、比較的低い3000rpm/min〜5000rpm/min程度で十分に短時間に乳化処理できることがわかる。
このように、実施の形態の乳化装置は、第1の回転羽根7と第2の回転羽根がそれぞれ独特の構造であることによる個々の作用に加えて第1の回転羽根7と第2の回転羽根8と固定羽根9とを設けたことによる相乗効果によって、回転羽根の回転速度が可能な限り低い回転速度であっても効果的に乳化処理することができ、攪拌機の故障と攪拌部材の損耗が少なく、維持管理が一層容易で騒音と振動が低減され、加えて製品の安全性に影響する致命的なコンタミネーションがなく、飛躍的に乳化処理時間を短縮し、品質に優れる乳化製品を生成することができる。
棒翼の翼端に発生する強い横渦の中心の圧力が蒸気圧以下に低下すると翼端渦キャビテーションが発生する。キャビテーションによって形成される気泡が十分に消滅せずに処理液に多く残留している場合、生成される乳化製品の品質を低下させることがある。また、気泡が潰れて消滅するときに騒音が生じ、気泡が潰れるときの高圧の衝撃でインペラが壊蝕することがある。
実施の形態の乳化装置は、第1の回転羽根7と第2の回転羽根8の回転速度を可能な限り低くして横渦10と旋回流20と対流30を形成させるために、効果的に横渦10と旋回流20と対流30を形成させながらキャビテーションによる気泡の発生が抑制されており、乳濁液または懸濁液に気泡が残留しにくくされている。また、第1の回転羽根7が放射型フィン形状の棒翼71で構成され、インペラの翼厚が肉厚で翼幅が狭く丈夫であるためキャビテーションによるインペラの損傷のおそれが殆んどない。したがって、気泡の発生を特別に抑制する手段がなくても依然として有利である。ただし、既述されているように、処理槽1を真空にする真空乳装置とすることで、気泡の発生を一層低減することができる。
以上に説明される実施の形態の乳化装置は、すでにいくつかの例が挙げられているが、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で変形と応用が可能である。第1の回転羽根の回転数または回転速度、第1の回転羽根における棒翼の具体的な形状、棒翼が取り付けられる所定角度、あるいは棒翼の上下間の距離に関して、全体として先行する技術に対して本発明における作用効果が十分に得られると認められる範囲で実施の形態の説明において提示されている具体的な形状または数値に限定されない。
本発明の乳化装置は、食料品、化粧品、医薬品、化学品のような幅広い分野において乳化製品の製造ないしは試験研究で利用される。本発明の乳化装置は、乳化処理時間を短縮させ、乳化製品の品質の向上に役立ち、製品の低廉化を実現し、食料品、化粧品、医薬品、化学品などの分野の発展に寄与する。
1 処理槽
11 内壁
12 上蓋
2 シャフト
21 回転軸
3 モータ
4 Vベルト
5 ボス
6 回転盤
61 周面
7 第1の回転羽根
71 棒翼
8 第2の回転羽根
81 縦歯
9 固定羽根
91 縦条
10 横渦
20 旋回流
30 対流

Claims (1)

  1. 被処理材料を含有する処理液を収容する処理槽と、前記処理槽の槽内に挿設される回転可能なシャフトと、前記シャフトに放散同形で多段に所定角度をもって下向きに固定された複数の棒翼でなる第1の回転羽根と、前記第1の回転羽根の上側における前記シャフトに同軸に回転可能に取り付けられ逆テーパの周面を有する回転盤と、前記回転盤の前記周面に形成された複数の縦歯でなる第2の回転羽根と、前記処理槽の内壁に均等の間隔で形成された複数の縦条でなる固定羽根と、を含んでなる乳化装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101890317A (zh) * 2010-07-12 2010-11-24 浙江天能电池(江苏)有限公司 一种酸胶混合乳化机
CN102974249A (zh) * 2011-09-05 2013-03-20 田菱精细化工(昆山)有限公司 高速分散机的改良结构
CN108927049A (zh) * 2018-07-03 2018-12-04 芜湖市三山龙城新材料有限公司 一种建筑施工用的保温型涂料的混合搅拌装置
CN110227371A (zh) * 2019-07-12 2019-09-13 佛山市顺德区稳诺金属制品有限公司 一种电池粉末搅拌机

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