JP2024041525A - 異常検知装置、異常検知方法及びプログラム - Google Patents

異常検知装置、異常検知方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電素子の異常検知精度を向上できる異常検知装置等を提供する。【解決手段】異常検知装置は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部と、前記設定部で設定した検知基準と、前記取得部で取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する検知部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、異常検知装置、異常検知方法及びプログラムに関する。
蓄電素子は、無停電電源装置、直流電源装置等に広く使用されている。また、再生可能エネルギー又は既存の発電システムにて発電された電力を蓄電しておく大規模なシステムでの蓄電素子の利用が拡大している。大規模なシステムでは複数の蓄電素子が使用されている。
蓄電素子を使用したシステムにおいては、各蓄電素子の状態を正確に把握することが重要になる。蓄電素子の状態を把握するための方法については、蓄電素子の充放電時に観測される電圧、電流、温度等の計測データを用いる方法等が種々提案され、精度向上が図られている(例えば特許文献1参照)。
特開2013-003115号公報
蓄電素子の状態診断として、蓄電素子の計測データと前記計測データの閾値との差分の大きさに基づいて、蓄電素子の異常を検知することが行われている。このような計測データと閾値との比較による状態診断では、蓄電素子の内部状態量が考慮されていない。
蓄電素子の計測データは、蓄電素子の内部状態量に依存する。例えば、蓄電素子に所定期間にわたり放電電流又は充電電流が流れると、蓄電素子の充電状態(SOC:State of Charge)、健康状態(SOH:State of Health)といった、蓄電素子の内部状態が推移するとともに、蓄電素子の電圧が変化する。計測データと閾値との差分の値が同じであっても、蓄電素子の内部状態量の推移に応じて、蓄電素子に与える影響は異なる。例えば、SOC約20%の蓄電素子における電圧差が1Vの場合と、SOC約50%の蓄電素子における電圧差が1Vの場合とを比較すると、同じ電圧差1Vであっても、蓄電素子の異質の程度が異なる。従って、計測データの値のみに着目した場合には、異常の検知精度が悪くなるおそれがある。
本開示の目的は、蓄電素子の異常検知精度を向上できる異常検知装置等を提供することである。
本開示の一態様に係る異常検知装置は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部と、前記設定部で設定した検知基準と、前記取得部で取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する検知部とを備える。
本開示の一態様に係る異常検知装置は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部とを備える。
本開示によれば、蓄電素子の異常検知精度を向上できる。
遠隔監視システムの構成例を示す図である。 発電システムの構成例を示すブロック図である。 異常検知装置の構成例を示すブロック図である。 異常検知装置の構成例を示す機能ブロック図である。 内部状態量を推定する方法を説明する図である。 異常検知の処理手順の一例を示すフローチャートである。 内部状態量の推定の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
(1)本開示の一態様に係る異常検知装置は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部と、前記設定部で設定した検知基準と、前記取得部で取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する検知部とを備える。
ここで、「基準蓄電素子」とは、異常検知を行う際の比較基準となる蓄電素子を意味する。「対象蓄電素子」とは、異常検知の対象となる蓄電素子を意味する。基準蓄電素子及び対象蓄電素子は、例えば同一の発電システム内に設けられていてもよい。
「蓄電素子シミュレータ」とは、蓄電素子の挙動を模擬するよう構築されたシミュレータを意味する。蓄電素子シミュレータは、蓄電素子の内部状態量に基づき蓄電素子の計測データを出力することができる。
また、内部状態量は、例えば蓄電素子のSOC(State of Charge)、内部温度、正極容量、負極容量、容量バランスのずれ等を含んでもよい。容量バランスのずれとは、蓄電素子の正極と負極とにおける、可逆的に電荷イオンが電極から出入りできる容量の相違を意味する。容量バランスのずれの詳細については、特許第6428958号公報を参照されたい。
上述の通り蓄電素子の計測データは、蓄電素子の内部状態量に依存する。蓄電素子間における計測データの差分値は、内部状態量に依存して変化する。従って、蓄電素子間における計測データの差分値と一定の閾値とを比較することにより異常検知を行った場合、誤検知が多くなるおそれがある。閾値を調整することで誤検知を防止又は検知率を向上できるが、閾値の設定が複雑となり、異常検知の精度低下につながる。
本開示の一態様に係る異常検知装置によれば、許容差分を加味した基準蓄電素子の内部状態量から推定される計測データに基づき、異常検知毎に又は適宜の検知タイミングで動的に検知基準を設定し、設定した検知基準を用いて蓄電素子の異常検知を行うことが可能となる。動的に検知基準を設定することで、一定の閾値を用いて異常検知を行う場合と比較して、異常検知の精度を向上できる。誤検知因子となる内部状態量を加味することで、単に計測データに基づいて異常を検知する場合と比較して、誤検知を低減し、且つ精度の高い異常検知が可能となる。内部状態量を検知基準に反映できるため、より適正な検知基準を生成できる。
また、許容差分を考慮した内部状態量に基づく計測データにより検知基準を設定することで、内部状態量に関する検知基準を計測データに関する検知基準へと変換することができる。異常検知時には、内部状態量を不要とし、容易に取得可能な計測データに基づき異常検知を行うことができるため、検知処理の演算負荷が低減し、高速に実施できる。
(2)上記(1)に記載の異常検知装置において、蓄電素子の内部状態量に基づき前記蓄電素子の計測データを推定する前記蓄電素子シミュレータを用いて、前記蓄電素子シミュレータから出力される計測データが前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データに近似するよう前記基準蓄電素子の内部状態量を推定する推定部を備えてもよい。
上記(2)に記載の異常検知装置によれば、蓄電素子シミュレータを利用することにより、基準蓄電素子の内部状態量を効率よく推定できる。蓄電素子シミュレータは、蓄電素子の内部状態量に沿った計測データを精度よく模擬するよう構築されており、通常、蓄電素子の計測データの挙動を予測するために用いられる。異常検知装置は、蓄電素子の内部状態量と計測データとの関係性を高精度に表現する蓄電素子シミュレータを利用し、実測で得られた計測データから内部状態量を逆方向に推定することで、内部状態量を効率よく算出できる。予め構築された蓄電素子シミュレータを利用することで、内部状態量を容易且つ精度よく推定できる。複数の蓄電素子を備える大規模なシステムにおいて、内部状態量を効率よく算出することで、異常検知処理の演算負荷を低減できる。
(3)上記(2)に記載の異常検知装置において、前記推定部は、前記蓄電素子シミュレータから出力される計測データと前記取得部で取得した計測データとの差分を最小化する前記内部状態量の最適値を探索してもよい。
ここで、「差分」とは差分の絶対値を意味する。
上記(3)に記載の異常検知装置によれば、最適化手法を用いて効率的且つ精度よく内部状態量の最適解を求めることができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の異常検知装置において、前記設定部は、前記基準蓄電素子の使用履歴毎に推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に基づき複数の前記検知基準を設定してもよい。
ここで、蓄電素子の「使用履歴」とは、蓄電素子の使用パターン(使われ方)を示す情報を意味する。使用履歴は、例えば所定期間に亘る蓄電素子の電力又は電流(負荷)の推移を表す情報(以下、負荷パターンとも記載する)と、所定期間に亘る環境温度の推移を表す情報(以下、環境温度パターンとも記載する)とを含んでもよい。
計測データは、蓄電素子の内部状態量に加え使用履歴にも依存する。上記(4)に記載の異常検知装置によれば、多様な蓄電素子の内部状態量及び使用履歴を考慮して検知基準を設定できるため、多様な蓄電素子の内部状態量及び使用履歴に応じた異常検知が可能となる。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の異常検知装置において、前記検知部は、前記対象蓄電素子の電圧に基づき異常を検知してもよい。
上記(5)に記載の異常検知装置によれば、計測データの中でも、蓄電素子の状態に応じて変化し易い計測値である電圧をベースにすることで、異常検知の精度をより一層向上できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の異常検知装置において、前記内部状態量は蓄電素子の劣化度又は充電状態を含んでもよい。
ここで、「健康状態」とはSOHであってもよく、「充電状態」とはSOCであってもよい。上記(6)に記載の異常検知装置によれば、計測データに大きく影響を及ぼす健康状態又は充電状態を考慮することで、異常検知の精度を向上できる。
(7)本開示の一態様に係る異常検知方法は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得し、取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定し、設定した検知基準と、取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する処理をコンピュータが実行する。
(8)本開示の一態様に係るプログラムは、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得し、取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定し、設定した検知基準と、取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する処理をコンピュータに実行させる。
(9)本開示の一態様に係る異常検知装置は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部とを備える。
上記(9)に記載の異常検知装置によれば、許容差分を加味した基準蓄電素子の内部状態量から推定される計測データに基づき、異常検知毎に又は適宜の検知タイミングで動的に検知基準を設定できる。動的に検知基準を設定することで、一定の閾値を用いて異常検知を行う場合と比較して、異常検知の精度を向上できる。
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1は、遠隔監視システム100の構成例を示す図である。遠隔監視システム100は、発電システム200に含まれる蓄電素子に関する情報への遠隔からのアクセスを可能とする。遠隔監視システム100は、遠隔監視の対象となる発電システム200と、発電システム200から情報を収集する異常検知装置50とを含む。異常検知装置50と発電システム200とは、インターネットなどのネットワークN1を介して通信可能に接続されている。発電システム200の数は1又は3以上でもよい。異常検知装置50はいずれかの発電システム200に統合してもよい。
図2は、発電システム200の構成例を示すブロック図である。太陽光発電システムや風力発電システムといった発電装置の図示は省略する。発電システム200は、通信デバイス10、ドメイン管理装置30、蓄電ユニット(ドメイン)40を備える。サーバ装置20は、ネットワークN2を介して通信デバイス10と接続されている。蓄電ユニット40は、複数のバンク41を含んでもよい。蓄電ユニット40は、例えば、電池盤に収容されて、火力発電システム、メガソーラー発電システム、風力発電システム、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)、鉄道用の安定化電源システムなどに使用される。通信デバイス10、ドメイン管理装置30及び蓄電ユニット40を含む構成は、蓄電システムと呼ばれる。蓄電システムは、図示しないパワーコンディショナを含んでもよい。蓄電ユニット40は産業用途に限らず、家庭用のものであってもよい。
事業者は、通信デバイス10、ドメイン管理装置30、蓄電ユニット40を含む蓄電システムの設計、導入、運用及び保守する事業を行い、蓄電システムを遠隔監視システム100により遠隔監視できる。
通信デバイス10は、制御部11、記憶部12、第1通信部13及び第2通信部14を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などで構成され、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、通信デバイス10全体を制御する。
記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置を備える。記憶部12は、所要の情報を記憶することができ、例えば、制御部11の処理によって得られた情報を記憶することができる。
第1通信部13は、ドメイン管理装置30又は電池管理装置44との通信を実現する通信インタフェースを備える。制御部11は、第1通信部13を通してドメイン管理装置30との間で通信を行うことができる。
第2通信部14は、ネットワークN2を介した通信を実現する通信インタフェースを備える。制御部11は、第2通信部14を通してサーバ装置20との間で通信を行うことができる。
ドメイン管理装置30は、所定の通信インタフェースを用いて各バンク41との間で情報の送受信を行う。記憶部12は、ドメイン管理装置30を介して取得した計測データを記憶することができる。
サーバ装置20は、通信デバイス10から蓄電システムの計測データを収集することができる。計測データは、蓄電システム内の各蓄電素子の電流、電圧、温度などの計測値を含む。サーバ装置20は、収集された計測データを、蓄電素子毎に区分して記憶してもよい。サーバ装置20は、ネットワークN2、N1を介して計測データを異常検知装置50に送信することができる。なお、ネットワークN1、N2は、1つの通信ネットワークであってもよい。
バンク41は、蓄電モジュールを複数直列に接続したものであり、電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)44、複数の蓄電モジュール42、及び各蓄電モジュール42に設けられた計測基板(CMU:Cell Management Unit)43などを備える。
蓄電モジュール42は、複数の蓄電セルが直列に接続されている。本明細書において、「蓄電素子」は、蓄電セル、蓄電モジュール42、バンク41、又はバンク41を並列に接続したドメインを意味してもよい。本実施形態では、計測基板43は、蓄電モジュール42の各蓄電セルに関する計測データを取得する。計測データは、例えば、0.1秒、0.5秒、1秒などの適宜の周期で繰り返し取得することができる。「蓄電素子」は、鉛蓄電池及びリチウムイオン電池のような二次電池や、キャパシタのような、再充電可能なものであることが好ましい。蓄電素子の一部が、再充電不可能な一次電池であってもよい。
電池管理装置44は、通信機能付きの計測基板43とシリアル通信によって通信を行うことができ、計測基板43が検出した計測データを取得することができる。電池管理装置44は、ドメイン管理装置30との間で情報の送受信を行うことができる。ドメイン管理装置30は、ドメインに所属するバンクの電池管理装置44からの計測データを集約する。ドメイン管理装置30は、集約された計測データを通信デバイス10へ出力する。このように、通信デバイス10は、ドメイン管理装置30を介して、蓄電ユニット40の計測データを取得し、記憶することができる。
通信デバイス10は、所定タイミング(例えば一定周期、又はデータ量が所定条件を満たした場合等)で、前回のタイミング以降に記憶しておいた計測データをサーバ装置20へ送信する。計測データには、蓄電素子の識別情報が対応付けられていてもよい。
本実施形態の異常検知装置50は、発電システム200内に設けられた複数の蓄電素子のうち、異常検知の基準となる基準蓄電素子の計測データを用いて、異常検知の対象となる対象蓄電素子の異常検知を実行する。基準蓄電素子及び対象蓄電素子は、例えば、予め所定ルールに従い選択されてもよく、人手により選択されてもよい。基準蓄電素子及び対象蓄電素子は、発電システム200内における蓄電素子の総数や配置を考慮して決定できる。基準蓄電素子及び対象蓄電素子はそれぞれ、複数であってもよく、又、異常検知の処理毎に変更可能である。
図3は、異常検知装置50の構成例を示すブロック図である。異常検知装置50は、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、量子コンピュータ等であり、種々の情報処理、情報の送受信を行う。異常検知装置50は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。異常検知装置50は、制御部51、記憶部52、通信部53、表示部54及び操作部55等を備える。
制御部51は、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM、RAM等を備える演算回路である。制御部51が備えるCPU又はGPUは、ROMや記憶部52に格納された各種コンピュータプログラムを実行し、上述したハードウェア各部の動作を制御する。制御部51は、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ、日時情報を出力するクロック等の機能を備えていてもよい。
記憶部52は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性記憶装置を備える。記憶部52は、制御部51が参照する各種コンピュータプログラム及びデータ等を記憶する。
本実施形態において記憶部52は、蓄電素子の内部状態量の推定に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム521と、このプログラム521の実行に必要なデータとしての計測DB(Data Base)522とを記憶している。
計測DB522は、発電システム200から受け付けた計測データを記憶するデータベースである。計測データは、上述の通り、発電システム200内の蓄電素子の電流、電圧及び温度の計測値を含む。計測DB522には、例えば、計測データを識別するためのIDをキーに、蓄電素子の識別情報、計測値の計測日時及び計測データ等の情報を紐付けたレコードが時系列順に格納されている。計測DB522にはさらに、例えば蓄電素子の配置に関する情報、後述する推定処理により得られた内部状態量、異常検知の結果等が記憶されてもよい。
記憶部52にはまた、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の識別情報、後述する異常検知のための許容差分値等が記憶されている。
プログラム521を含むコンピュータプログラム(プログラム製品)は、当該コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体5Aにより提供されてもよい。記録媒体5Aは、CD-ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)カード等の可搬型メモリである。制御部51は、図示しない読取装置を用いて、記録媒体5Aから所望のコンピュータプログラムを読み取り、読み取ったコンピュータプログラムを記憶部52に記憶させる。代替的に、上記コンピュータプログラムは通信により提供されてもよい。プログラム521は、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
通信部53は、ネットワークN1を介した通信を実現する通信インタフェースを備える。制御部51は、通信部53を通じて、発電システム200から送信された計測データを受信する。
表示部54は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備える。表示部54は、制御部51からの指示に従って各種の情報を表示する。操作部55は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。操作部55は、例えばキーボード、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を備える。操作部55は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部51へ送出する。
異常検知装置50は、外部に接続されたコンピュータを通じて操作を受付け、通知すべき情報を外部のコンピュータへ出力する構成であってもよい。この場合、異常検知装置50は、表示部54及び操作部55を備えていなくてもよい。
図4は、異常検知装置50の構成例を示す機能ブロック図である。異常検知装置50の制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラム521を読み出して実行することにより、蓄電素子シミュレータ511、取得部512、推定部513、設定部514、検知部515、及び出力部516の各機能を実現する。代替的に、これらの各機能の一部は、制御部51に備えられた専用のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)により実現されてもよい。
蓄電素子シミュレータ511は、計測データの推定部としての機能を有する。本実施形態の蓄電素子シミュレータ511は、蓄電素子の内部状態量及び使用履歴を入力として、蓄電素子の計測データを推定する。代替的に、蓄電素子シミュレータ511は、少なくとも蓄電素子の内部状態量を入力として、蓄電素子の計測データを推定するものであってもよい。蓄電素子シミュレータ511は、推定した蓄電素子の計測データを用いて、蓄電素子の劣化を推定するものであってもよい。
蓄電素子シミュレータ511への入力データとなる内部状態量は、例えば蓄電素子のSOC、SOH、表面や内部の温度、内部抵抗等を含む。使用履歴は、所定期間に亘る蓄電素子の電力又は電流(負荷)と、環境温度とを表す情報を含む。使用履歴は、予め設定される複数パターンに分類されていてもよい。蓄電素子シミュレータ511からの出力データとなる計測データは、蓄電素子の電圧、電流及び温度の少なくとも1つを含むデータである。
蓄電素子シミュレータ511は、電流電圧シミュレーション及び温度シミュレーションの要素から構成されてもよく、(初回の)SOC及び(初回の)SOH(より限定的には、可逆放電容量又は内部の代表的な抵抗値、並びにそれらの組み合わせ)と、使用履歴としての負荷パターン及び蓄電素子の温度環境とを入力してもよく、蓄電素子の電流、電圧及び温度を出力することができる。温度シミュレーションは行わず、代わりに蓄電素子の温度を蓄電素子シミュレータ511に入力してもよい。
蓄電素子シミュレータ511は、後述する内部状態量の推定、及び推定した内部状態量に基づく計測データの推定の両方に使用される。
取得部512は、適宜のタイミングでサーバ装置20から送信される計測データを受信することにより、対象蓄電素子及び基準蓄電素子を含む複数の蓄電素子の計測データを取得する。取得部512は、蓄電素子の電圧、電流及び温度の観測値を取得する。電圧、電流及び温度の計測データは、蓄電素子の充電時又は放電時のデータを含む。計測データは、リアルタイムのデータでもよく、過去の所定期間の履歴データでもよい。取得部512は、計測データを取得した場合、取得した計測データを時系列順に計測DB522に記憶する。代替的に、取得部512は、予め計測DB522に記憶したデータの中から、対象となる蓄電素子のデータを読み出すことで、計測データを取得してもよい。
取得部512は、取得した基準蓄電素子の計測データに基づき、基準蓄電素子の使用履歴を取得(特定)する。取得部512は、例えば所定期間にわたる基準蓄電素子の電圧、電流及び温度の推移に基づき、基準蓄電素子の負荷パターン及び環境温度パターンを特定してもよい。基準蓄電素子の環境温度パターンは、基準蓄電素子の配置を考慮して求めてもよい。代替的に、取得部512は、予め設定された複数種類の使用履歴を予め記憶部52に記憶しておき、複数の使用履歴のうちのいずれかの使用履歴を読み出すことで、基準蓄電素子の使用履歴を取得してもよい。すなわち、取得部512は、実際の使用履歴に限らず、発電システム200内において想定し得る仮の使用履歴を取得してもよい。
推定部513は、取得部512で取得した基準蓄電素子の計測データ及び使用履歴と、蓄電素子シミュレータ511とに基づき、基準蓄電素子の内部状態量を推定する。
図5は、内部状態量を推定する方法を説明する図である。初めに、取得部512にて、時点tにおける電圧、電流及び温度を含む計測データOtの実測値が取得される。さらに、時点tまでに取得した時系列の計測データに基づき、時点tにおける使用履歴Utが取得される。使用履歴Utは、例えば負荷パターン及び環境温度パターンを含む。代替的に、使用履歴Utは負荷パターンのみであってもよい。
推定部513は、時点tにおける内部状態量Stを設定し、設定した内部状態量St及び使用履歴Utに基づき、蓄電素子シミュレータ511から出力される計測データOtの推定値を取得する。推定部513は、計測データOtの推定値と、計測データOtの実測値とを比較し、計測データOtの推定値が計測データOtの実測値に近似するよう、内部状態量Stを推定する。内部状態量Stの推定手法は限定的ではないが、例えば遺伝的アルゴリズム、Nelder-mead法、勾配法等の公知の最適化手法を用いてもよい。推定部513は、計測データOtの推定値と計測データOtの実測値との差分(差分の絶対値)を最小化するよう、内部状態量Stの最適値を探索する。
本実施形態では、図5に示すように、内部状態量StのうちのSOH及びSOCを設計変数とし、計測データOtのうちの電圧を目的変数として、電圧の推定値が実測値に近似するよう、SOH及びSOCを最適化する。図5中の破線で示す電流及び温度それぞれは、実測段階と推定段階で共通の値を用いる。SOCは、初回のSOCであってもよい。
推定部513は、例えば適応度、探索試行回数(世代数)等が所定条件を満たすことにより探索を終了する。推定部513は、得られたSOH及びSOCの最適解(近似解)を、内部状態量Stとすることができる。
蓄電素子シミュレータ511への入力となる使用履歴Utは、上述の通り仮の使用履歴であってもよい。例えば、予め設定される複数の使用履歴Utを用いて、各使用履歴Utを入力要素とした場合における内部状態量Stの最適値をそれぞれ推定する。これにより、多様な使用履歴を考慮した複数パターンの内部状態量を推定できる。
上記では、電圧の推定値が実測値に近似するようSOH及びSOCを最適化する例を説明した。代替的に、内部状態量は、SOH及びSOC以外であってもよく、また、内部状態量の種類は1又は3以上でもよい。同様に計測データは電圧以外であってもよく、また、計測データの種類は2以上でもよい。
図4に戻り説明を続ける。設定部514は、推定部513で推定した基準蓄電素子の内部状態量に基づき計測データの検知基準値(閾値)を設定する。設定部514は、推定した基準蓄電素子の内部状態量を基準として、推定した内部状態量に許容差分を加算することにより許容内部状態量を算出する。
許容差分は、内部状態量における正常なバラつき範囲を考慮して決定することができる。一例として、内部状態量がSOCである場合、許容差分は-2%又は+2%としてもよい。許容差分は、負の値であってもよく、正の値であってもよい。すなわち許容内部状態量は、内部状態量の下限値であってもよく、上限値であってもよい。許容内部状態量は、下限値及び上限値の一方又は両方を含む。
設定部514は、算出した許容内部状態量及び使用履歴と、蓄電素子シミュレータ511とに基づき、算出した許容内部状態量及び使用履歴に対応する計測データ(許容計測データ)を求める。許容計測データは、計測データにおける正常なバラつき範囲を表す下限値及び上限値の一方又は両方に対応する。許容計測データの算出時に用いる使用履歴は、許容内部状態量の基準となる内部状態量の推定時に用いた使用履歴と同じであってもよい。
設定部514は、得られた許容計測データと、基準蓄電素子の計測データの実測値との差分(差分の絶対値)を算出することにより、検知基準値(閾値)を求める。また、検知基準値には、得られた許容計測データと、基準蓄電素子の計測データの推定値(蓄電素子シミュレータ511を用いた計算値)との差分を用いてもよい。
検知部515は、設定部514で設定した検知基準値と、取得部512で取得した対象蓄電素子の計測データとに基づき、対象蓄電素子における異常を検知する。検知部515は、対象蓄電素子の計測データと、計測データの平均値との差分(差分の絶対値)ΔOを算出する。計測データの平均値とは、所定ルールに従い抽出された発電システム200内における一部の蓄電素子の計測データの平均値であってもよい。代替的に、計測データの平均値は、発電システム200内における全ての蓄電素子の計測データの平均値であってもよい。
検知部515は、算出した計測データの差分ΔOが検知基準値未満であるか否かを判定することにより、異常検知を行う。検知部515は、計測データの差分ΔOが検知基準値未満である場合、対象蓄電素子を正常と判定し、計測データの差分ΔOが検知基準値以上である場合、対象蓄電素子を異常と判定する。また検知部515は、複数の許容計測データに基づいた複数の検知基準値を用いて異常の有無を判定してもよい。その場合、各検知基準値と各許容内部状態量の範囲とが関連づいているため、異常の原因を究明することができる。例えば、SOCの下限許容値に基づいた検知基準値を計測データの差分が超過していた場合、異常の原因をSOC下限値超過と推定することができる。
異常検知は、電圧差分に関する閾値である検知基準値を用いて、対象蓄電素子の電圧と電圧平均値との差分に基づき行われることが好ましい。計測データの中でも蓄電素子の状態を良好に表現する電圧を使用することで、精度よく異常を検知できる。
出力部516は、検知部515から異常の検知結果を受け付け、受け付けた検知結果を示す情報を表示部54へ出力する。表示部54は、検知結果を示す情報を表示する。代替的に、出力部516は、外部のコンピュータへ検知結果を示す情報を出力してもよい。
上述の通り、異常検知の準備段階として、蓄電素子シミュレータ511を用いて推定された基準蓄電素子の内部状態量に基づき、正常な内部状態量の範囲を示す許容内部状態量を特定する。特定した許容内部状態量に対応する許容計測データに基づき、計測データの検知基準値を設定する。そして、異常検知の段階では、対象蓄電素子の内部状態量の推定は不要であり、計測データの差分と検知基準値との比較により異常検知が行われる。複数の蓄電素子を備える大規模なシステムであっても、異常検知処理そのものの演算負荷を低減することで、異常検知の網羅性を高めることができ、且つ説明性の高い検知基準値の生成が可能となる。
図6は、異常検知の処理手順の一例を示すフローチャートである。異常検知装置50の制御部51は、記憶部52に記憶するプログラム521に従って所定の又は適宜の間隔で以下の処理を開始する。
異常検知装置50の制御部51は、基準蓄電素子及び対象蓄電素子の電圧、電流及び温度を含む計測データの実測値を取得する(ステップS11)。基準蓄電素子及び対象蓄電素子の数は、複数であってもよい。
制御部51は、取得した基準蓄電素子の計測データに基づき、基準蓄電素子の使用履歴を取得する(ステップS12)。制御部51は、仮の使用履歴を取得してもよい。
制御部51は、基準蓄電素子の内部状態量を推定する(ステップS13)。図7は、内部状態量の推定の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す処理手順は、図6のフローチャートにおけるステップS13の詳細に対応する。
制御部51は、基準蓄電素子の内部状態量を推定(設定)する(ステップS21)。制御部51は、例えば基準蓄電素子に設定される内部状態量の上限値から下限値の間において、ランダムに内部状態量の推定における初期値を設定してもよい。制御部51はまた、前回の推定結果や他の蓄電素子の推定結果を初期値として設定してもよい。
制御部51は、推定した内部状態量及び取得した使用履歴を入力として、蓄電素子シミュレータ511から出力される計測データの推定値を取得する(ステップS22)。
制御部51は、取得した計測データの推定値と、計測データの実測値との差分が許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS23)。
差分が許容範囲内でないと判定した場合(ステップS23:NO)、制御部51は、処理をステップS21に戻し、差分を最小化するよう内部状態量の推定を繰り返す。ステップS21からステップS23により、内部状態量が最適化される。
差分が許容範囲内であると判定した場合(ステップS23:YES)、制御部51は、得られた内部状態量を最適値とし、図6のフローチャートにおけるステップS14へ処理を戻す。制御部51は、指定された全ての基準蓄電素子について、上述の内部状態量の推定を実行する。
上述の処理において制御部51は、例えば仮の使用履歴を取得した場合、取得した仮の使用履歴を用いて基準蓄電素子の内部状態量を推定する。制御部51は、予め設定される全ての使用履歴に対応する複数の内部状態量を推定してもよい。基準蓄電素子が複数存在する場合、各基準蓄電素子について、使用履歴毎に内部状態量を推定してもよい。
図6に戻り説明を続ける。制御部51は、推定した基準蓄電素子の内部状態量に、予め設定される許容差分を加算することにより、許容内部状態量を算出する(ステップS14)。制御部51は、算出した許容内部状態量及び使用履歴と、蓄電素子シミュレータ511とに基づき、算出した許容内部状態量及び使用履歴に対応する許容計測データを算出する(ステップS15)。制御部51は、算出した許容内部状態量及び使用履歴と入力として、蓄電素子シミュレータ511から出力される許容計測データを取得する。
制御部51は、算出した許容計測データと、基準蓄電素子の計測データの実測値との差分を算出し、算出した値を計測データの検知基準値と設定する(ステップS16)。制御部51は、使用履歴毎に推定された複数の内部状態量に基づき、複数の検知基準値を設定してもよい。
制御部51は、対象蓄電素子の計測データと計測データの平均値との差分ΔOを算出し、算出した差分ΔOが設定した検知基準値未満であるか否かを判定する(ステップS17)。
算出した差分ΔOが検知基準値未満であると判定した場合(ステップS17:YES)、制御部51は、対象蓄電素子が正常であると判定する(ステップS18)。算出した差分ΔOが検知基準値以上であると判定した場合(ステップS17:NO)、制御部51は、対象蓄電素子が異常であると判定する(ステップS19)。ステップS17からステップS19は、異常検知処理に対応する。制御部51は、全ての対象蓄電素子について、設定された検知基準値毎に、閾値判定を実行する。
制御部51は、異常の検知結果を、例えば表示部54を通じて出力し(ステップS20)、一例の処理を終了する。代替的に、制御部51は、外部のコンピュータへ異常の検知結果を出力してもよい。
上述のステップS13において、制御部51は、蓄電素子シミュレータ511を用いて内部状態量を推定する以外の手法で内部状態量を推定してもよい。制御部51は、前回の内部状態量の推定結果に基づき内部状態量を推定してもよい。制御部51は、例えば、蓄電素子シミュレータ511を用いて推定した前回のSOCに基づき、電流積算の手法により今回のSOCを求めてもよい。制御部51は、所定の異常検知回数毎に内部状態量の推定を行い、所定回数に到達するまでは、前回の内部状態量の推定結果を継続して使用してもよい。
本実施形態によれば、内部状態量を考慮して蓄電素子の異常を精度よく検知できる。異常検知に用いる内部状態量は、蓄電素子シミュレータを利用した内部状態量の逆方向の推定と、計測データの推定値を実測値に近似させる内部状態量の最適化とにより、効率よく推定できる。
上述した実施の形態では、上記フローチャートにおける各処理を異常検知装置50が実行する例を説明した。代替的に、上述の処理の一部又は全部は、例えばドメイン管理装置30、サーバ装置20等、他の処理主体により実行されてもよい。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
各実施形態に示すシーケンスは限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各処理手順はその順序を変更して実行されてもよく、また並行して複数の処理が実行されてもよい。各処理の処理主体は限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各装置の処理を他の装置が実行してもよい。
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
100 遠隔監視システム
200 発電システム
10 通信デバイス
11 制御部
12 記憶部
13 第1通信部
14 第2通信部
20 サーバ装置
30 ドメイン管理装置
40 蓄電ユニット
41 バンク
42 蓄電モジュール
43 計測基板
44 電池管理装置
50 異常検知装置
51 制御部
52 記憶部
53 通信部
54 表示部
55 操作部
511 蓄電素子シミュレータ
512 取得部
513 推定部
514 設定部
515 検知部
516 出力部
521 プログラム
522 計測DB
5A 記録媒体

Claims (9)

  1. 基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、
    前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部と、
    前記設定部で設定した検知基準と、前記取得部で取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する検知部と
    を備える異常検知装置。
  2. 蓄電素子の内部状態量に基づき前記蓄電素子の計測データを推定する前記蓄電素子シミュレータを用いて、前記蓄電素子シミュレータから出力される計測データが前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データに近似するよう前記基準蓄電素子の内部状態量を推定する推定部を備える
    請求項1に記載の異常検知装置。
  3. 前記推定部は、前記蓄電素子シミュレータから出力される計測データと前記取得部で取得した計測データとの差分を最小化する前記内部状態量の最適値を探索する
    請求項2に記載の異常検知装置。
  4. 前記設定部は、前記基準蓄電素子の使用履歴毎に推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に基づき複数の前記検知基準を設定する
    請求項1又は請求項2に記載の異常検知装置。
  5. 前記検知部は、前記対象蓄電素子の電圧に基づき異常を検知する
    請求項1又は請求項2に記載の異常検知装置。
  6. 前記内部状態量は蓄電素子の劣化度又は充電状態を含む
    請求項1又は請求項2に記載の異常検知装置。
  7. 基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得し、
    取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定し、
    設定した検知基準と、取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する
    処理をコンピュータが実行する異常検知方法。
  8. 基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得し、
    取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定し、
    設定した検知基準と、取得した前記対象蓄電素子の計測データとに基づき、前記対象蓄電素子における異常を検知する
    処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 基準蓄電素子及び対象蓄電素子の計測データを取得する取得部と、
    前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データから推定される前記基準蓄電素子の内部状態量に許容差分を加えた内部状態量に基づき、蓄電素子シミュレータにより推定される計測データと、前記取得部で取得した前記基準蓄電素子の計測データと、に基づき検知基準を設定する設定部と
    を備える異常検知装置。
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